JPH0967303A - 3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法 - Google Patents

3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法

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JPH0967303A
JPH0967303A JP21906995A JP21906995A JPH0967303A JP H0967303 A JPH0967303 A JP H0967303A JP 21906995 A JP21906995 A JP 21906995A JP 21906995 A JP21906995 A JP 21906995A JP H0967303 A JPH0967303 A JP H0967303A
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compound
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carbon atoms
aliphatic hydrocarbon
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JP21906995A
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Tamaki Shimizu
環 清水
Tomoyuki Asai
智之 浅井
Seisaku Kumai
清作 熊井
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Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入手容易な原料および試薬を用いて、短段階の
反応で3−置換−フルオロ安息香酸誘導体(2)を製造
する。 【解決手段】フルオロ安息香酸誘導体(1)とR1 基を
導入しうる求電子試薬とを塩基の存在下に反応させる。
ただし、Xは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R
1 は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルス
ルフェニル基、アリールスルフェニル基、ハロゲン原
子、アルデヒド基、カルビノール基等。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3−置換−フルオ
ロ安息香酸誘導体の新規な製造方法に関する。3−置換
−フルオロ安息香酸誘導体は医薬・農薬等の中間体とし
て、特にフルオロキノリン系抗菌剤の合成中間体として
有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製
造方法に関しては、以下の方法が提案されている。 (1)2,6−ジクロロトルエンを出発原料として、ニ
トロ化、フッ素化、還元、臭素化、還元して5−ブロモ
−2,4−ジフルオロ−3−メチルアニリンとした後
に、ジアゾフッ素化、ニトリル化、加水分解工程を経て
2,4,5−トリフルオロ−3−メチル安息香酸を得る
方法[特開昭62−215572]。
【0003】(2)テトラフルオロフタル酸ジメチルを
出発原料として、4位をニトロメチル化、還元して3,
5,6−トリフルオロ−4−メチルフタル酸ジメチルと
し、続いて加水分解、脱炭酸することにより2,4,5
−トリフルオロ−3−メチル安息香酸を得る方法[特開
平3−95176]。
【0004】(3)2,6−ジフルオロトルエンを出発
原料として、その3位をアシル化して2,4−ジフルオ
ロ−3−メチル−アセトフェノンとし、続いてブロモホ
ルム反応することにより2,4−ジフルオロ−3−メチ
ル安息香酸を得る方法[DE3615767]。
【0005】(4)3−ヒドロキシ−2,4,5−トリ
フルオロ安息香酸を出発原料として、これをエステル化
し、ヒドロキシル基をトリフルオロメタンスルホニル化
した後に、パラジウム触媒を用いてビニルスタナンとカ
ップリング反応することにより2,4,5−トリフルオ
ロ−3−ビニル安息香酸を得る方法[Tetrahed
ron Letters,34,281(199
3)]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法に
は、種々の欠点がある。 (1)の方法は工程が長く複雑で、またジアゾフッ素化
の収率が低く、さらにニトリル化時に有毒なシアン化銅
を使用する等の欠点があり工業的に有利な方法ではな
い。 (2)の方法も工程が長い問題がある。また、ニトロメ
チル化時に高価な1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]−7−ウンデセン(DBU)を使用したり、続いて
の還元工程でも高価なトリブチルスズヒドリドを使用す
る方法であるため工業的な製造には不利である。 (3)の方法では、出発原料が高価であるという欠点が
ある。 (4)の方法では、出発原料の入手が困難で、また工程
が長く複雑である等の欠点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の技術が
有する種々の欠点を解決するためになされたものであ
り、工業的に入手容易な出発原料から、反応操作が簡便
で取扱いの容易な試薬を用い、かつ、短い工程で、医薬
・農薬等の合成中間体として有用な3−置換−フルオロ
安息香酸誘導体を高収率で製造する方法を提供する。
【0008】すなわち、本発明は、一般式 (1) で表さ
れるフルオロ安息香酸誘導体とR基を導入しうる求電
子試薬とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする
一般式(2)で表される3−置換−フルオロ安息香酸誘
導体の製造方法である。
【0009】
【化2】
【0010】ただし、式中、XおよびR は下記の意
味を示す。 X:水素原子またはハロゲン原子を示す。 R1 :炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルス
ルフェニル基、アリールスルフェニル基、ハロゲン原
子、カルボキシル基、エステル基、アルデヒド基、アシ
ル基、カルビノール基、トリアルキルスタニル基、また
は、トリアルキルシリル基を示す。また、R1 中に炭素
原子に結合した水素原子が存在する場合、該水素原子の
1個以上は、フッ素原子または塩素原子に置換されてい
てもよい。
【0011】本発明の反応は、COOH基を保護するこ
となく、かつ、COOH基のオルト位ではなくメタ位、
すなわち、3位に選択的に置換基を導入する反応である
ことが特徴である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。なお、以
下において、一般式(1)で表されるフルオロ安息香酸
誘導体を化合物(1)と記し、他の化合物についても同
様に記載する。
【0013】化合物(1)におけるXは、水素原子また
はハロゲン原子を示す。Xはハロゲン原子が好ましく、
特に、塩素原子またはフッ素原子が好ましく、さらにフ
ッ素原子が好ましい。
【0014】一般式(1)で表される化合物としては、
2,4,5−トリフルオロ安息香酸、2,4−ジフルオ
ロ−5−クロロ安息香酸、2,4−ジフルオロ−5−ブ
ロモ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸等が挙げら
れる。これらの化合物は公知の化合物である。
【0015】本発明は、一般式(1)で表される化合物
とR1 基を導入しうる求電子試薬とを反応させる。R1
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルスル
フェニル基(−SR11)、アリールスルフェニル基(−
SAr)、ハロゲン原子、カルボキシル基(−COO
H)、エステル基(−COOR12)、アルデヒド基(−
CHO)、アシル基(−COR13)、カルビノール基
(−C(OH)R1415)、トリアルキルスタニル基
(−Sn(R163 )、または、トリアルキルシリル基
(−Si(R173 )を示す。R1 基中に炭素原子に結
合した水素原子が存在する場合、該水素原子の1個以上
は、塩素原子またはフッ素原子に置換されていてもよ
い。
【0016】炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基として
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれ
であってもよい。炭素数1〜10のアルキル基として
は、直鎖、分岐、環状の構造のいずれのアルキル基であ
ってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基が好ま
しい。目的とする化合物(2)をフルオロキノリン系抗
菌剤の合成中間体として用いる場合には、シクロプロピ
ル基、メチル基が好ましい。
【0017】炭素数1〜10のアルケニル基としては、
直鎖、分岐、環状の構造のいずれのアルケニル基であっ
てもよく、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニ
ル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3
−ブテニル基、1−シクロヘキセニル基が好ましい。目
的とする化合物(2)をフルオロキノリン系抗菌剤の合
成中間体として用いる場合には、ビニル基が好ましい。
【0018】炭素数1〜10のアルキニル基としては、
直鎖または分岐の構造が好ましく、エチニル基、1−プ
ロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−
ブチニル基、3−ブチニル基が好ましく、特に、1−プ
ロピニル基が好ましい。
【0019】上記のアルキル基、アルケニル基、およ
び、アルキニル基の炭素数は、いずれも1〜10である
が、1〜6が好ましく、特に、1〜3が好ましい。
【0020】また、アルキルスルフェニル基(−S
11)のR11はアルキル基を示し、前記の炭素数1〜1
0のアルキル基と同様の基が好ましい。
【0021】アリールスルフェニル基(−SAr)のA
rはアリール基を示し、フェニル基が好ましい。アリー
ル基の水素原子の1個以上は、ハロゲン原子、アルコキ
シル基(−OR18:ただしR18は、アルキル基を示し、
上記の炭素数1〜10のアルキル基と同様の基が好まし
い。)、アルキルスルフェニル基に置換されていてもよ
い。
【0022】ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子が好ましい。
【0023】エステル基(−COOR12)のR12は、ア
ルキル基を示し、前記の炭素数1〜10のアルキル基が
好ましい。
【0024】アシル基(−COR13)、カルビノール基
(−C(OH)R1415)、トリアルキルシリル基(−
Si(R173 )のR13、R14、R15、およびR17とし
ては、前記の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基または
アリール基を示し、アルキル基またはフェニル基が好ま
しい。
【0025】上記のR1 基中に炭素原子に結合した水素
原子が存在する場合、該水素原子の1個以上は、塩素原
子またはフッ素原子に置換されていてもよい。
【0026】本発明においては、R1 基を導入しうる求
電子試薬を用いて、化合物(1)の3位に目的に応じた
1 基を導入する。炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基
を導入しうる求電子試薬としては、炭素数1〜10のア
ルカン、炭素数1〜10のアルケン、または炭素数1〜
10のアルキン(以下、炭素数1〜10のアルカン、炭
素数1〜10のアルケン、および炭素数1〜10のアル
キンをまとめて、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素化合
物と記す。)の水素原子の1個以上が臭素化またはヨウ
素化された化合物である臭素化脂肪族炭化水素化合物、
ヨウ素化脂肪族炭化水素化合物、硫酸ジアルキル、また
は、R9 OSO2 Y(ここで、R9 は脂肪族炭化水素基
を示し、Yは、メチル基、4−メチルフェニル基、また
は、トリフルオロメチル基を示す。)等が好ましく、特
に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素化合物の水素原子
の1個が臭素化またはヨウ素化された化合物であるモノ
臭素化脂肪族炭化水素化合物、またはモノヨウ素化脂肪
族炭化水素化合物が好ましい。また、該求電子試薬にお
ける脂肪族炭化水素化合物の水素原子の1個以上は、フ
ッ素原子または塩素原子に置換されていてもよい。アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基を導入しうる求電
子試薬の例としては、ヨウ化メチル、臭化アリル、ジメ
チル硫酸等が挙げられ、ヨウ化メチルが特に好ましい。
【0027】また、アルキルスルフェニル基(−S
11)、アリールスルフェニル基(−SAr)を導入し
うる求電子試薬としては、ジアルキルスルフィド、ジア
ルキルジスルフィド、ジアリールスルフィド、ジアリー
ルジスルフィド等が好ましく、例えば、ジメチルスルフ
ィド、ジメチルジスルフィド、ジフェニルスルフィド、
ジフェニルジスルフィド等が挙げられる。
【0028】R1 基としてハロゲン原子を導入しうる求
電子試薬としては、臭素(Br2 )塩素(Cl2 )、ヨ
ウ素(I2 )等のハロゲン分子、N−ブロモコハク酸イ
ミド(NBS)等のN−ハロゲン化コハク酸イミドが好
ましい。
【0029】エステル基(−COOR12)を導入しうる
求電子試薬としては、クロロギ酸エチル等が挙げられ
る。また、カルボキシル基を導入しうる求電子試薬とし
ては、二酸化炭素等が挙げられる。
【0030】アルデヒド基を導入しうる求電子試薬とし
ては、ジアルキルホルムアミド、アルキルホルムアミ
ド、アリールホルムアミドが好ましく、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミ
ド等が挙げられる。
【0031】アシル基(−COR13)を導入しうる求電
子試薬としては、ハロゲン化アシル、酸無水物が好まし
く、塩化アセチル等の酸クロリド、臭化アセチル等の酸
ブロミド、フッ化アセチル等の酸フルオリド、無水酢酸
等が挙げられる。
【0032】カルビノール基(−C(OH)R1415
を導入しうる求電子試薬としては、アルデヒド、ケトン
類が好ましく、アセトン、ベンゾフェノン、ベンズアル
デヒド、およびこれらの化合物中のアルキル基およびア
リール基中の炭素原子に結合した水素原子がフッ素原子
に置換された化合物等が挙げられる。
【0033】トリアルキルスタニル基(−Sn(R16
3 )を導入しうる求電子試薬としては、クロロトリアル
キルスタナン等のハロゲン化トリアルキルスタナンが挙
げられる。
【0034】トリアルキルシリル基(−Si(R17
3 )を導入しうる求電子試薬としては、クロロトリメチ
ルシラン等のハロゲン化トリアルキルシランが挙げられ
る。
【0035】求電子試薬の量は、上記の求電子試薬のい
ずれの場合においても、化合物(1)に対して0.2〜
10倍モルが好ましく、特に0.5〜3倍モルが好まし
い。
【0036】目的化合物である化合物(2)をフルオロ
キノロン系抗菌剤の中間体として用いる場合、R1 は炭
素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、または、ア
ルキニル基であるのが好ましい。したがって、R1 を導
入しうる求電子試薬としては、脂肪族炭化水素基を導入
しうる求電子試薬を用いるのが好ましく、特にモノ臭素
化脂肪族炭化水素化合物、モノヨウ素化脂肪族炭化水素
化合物が好ましい。
【0037】本発明においては、一般式(1)で表され
る化合物と求電子試薬とを反応させる際に、塩基を存在
させる。
【0038】塩基としては、一般式(R2 )(R3 )N
Mで表されるアルカリアミド化合物が好ましい。ここ
で、R2 およびR3 は、同一でも異なっていてもよく、
それぞれ、炭素数1〜10の有機基を示し、R2 および
3 で環を形成していてもよい。また、R2 およびR3
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましく、該
脂肪族炭化水素基には、本発明の反応に影響を及ぼさな
い置換基が含まれていてもよい。
【0039】R2 およびR3 としては、メチル基、エチ
ル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−プロペニ
ル基、イソプロペニル基、アリル基、ブチル基、イソブ
チル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t
−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、ヘキ
シル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−ト
リル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、2−
ジメチルアミノエチル基、2−メトキシフェニル基、3
−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、トリ
メチルシリルメチル基、または、トリメチルシリル基、
およびこれらの基に、メチル基、ハロゲン原子、または
アミド基等の反応に影響を及ぼさない置換基が結合した
基が挙げられる。また、R2 およびR3 で環を形成して
いる場合、(R2 )(R3 )Nとしては、ピペリジニル
基、ピロリジニル基等が挙げられ、該基には、メチル
基、ハロゲン原子、またはアミド基等の反応に影響を及
ぼさない置換基が結合していてもよい。R2 およびR3
は、立体的にかさ高い基が好ましく、特に分岐状や環状
のアルキル基、トリメチルシリル基、またはR2 および
3 で環を形成した基が好ましい。
【0040】また、Mは、アルカリ金属イオンを示し、
リチウムイオンが好ましい。すなわち、本発明の塩基と
しては、リチウムアミド化合物が好ましい。
【0041】リチウムアミド化合物としては、リチウム
ジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムシクロヘキ
シルイソプロピルアミド(LCPA)、リチウムヘキサ
メチルジシラジド(LHMDS)、リチウム−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジド(LTMP)が好まし
く、特にLHMDSが好ましい。
【0042】塩基の量は、化合物(1)に対して、0.
5〜10倍モルが好ましく、特に1.5〜5倍モルが好
ましい。
【0043】また、一般式(1)で表される化合物と求
電子試薬との反応においては、反応溶媒を存在させるの
が好ましい。反応溶媒としては、エーテル系溶媒、また
は、エーテル系溶媒と炭化水素系溶媒の混合溶媒が好ま
しい。
【0044】エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソア
ミルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、ジ−2−メトキシエチルエーテル、t
−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル溶媒、テトラ
ヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、1,4
−ジオキサン等の環状エーテル溶媒等が挙げられる。こ
れらのうち、エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、THFが好ましい。
【0045】また、炭化水素系溶媒としては、ペンタ
ン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサ
デカン、n−パラフィン、石油エエーテル等の飽和脂肪
族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、o−キシレ
ン、m−キシレン、p−キシレン、1,2,3−トリメ
チルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,
2,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチル
ベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これ
らのうち、炭化水素系溶媒としては、飽和脂肪族炭化水
素系溶媒が好ましく、特にn−ヘキサンが好ましい。炭
化水素系溶媒は、市販される塩基に溶液として含まれる
ものであってもよく、別に加えたものであってもよい。
【0046】エーテル系溶媒と炭化水素系溶媒との混合
溶媒を用いる場合の両者の割合は、特に限定されず、エ
ーテル系溶媒100重量部に対する炭化水素系溶媒量を
50重量部以下とするのが好ましい。
【0047】また、反応溶媒の量は、化合物(1)の1
重量部に対して、2〜50重量部が好ましく、特に、5
〜30重量部が好ましい。
【0048】一般式(1)で表される化合物と求電子試
薬との反応の温度は、−78℃〜+30℃が好ましく、
特に−30℃〜+20℃が好ましい。
【0049】本発明の一般式(1)で表される化合物と
塩基を反応させると、まず式(3)で表される中間体が
生成すると考えられる。しかし該中間体は、直ちに求電
子試薬の作用により3位が反応し、本発明の目的化合物
に変換されるものと考えられる。
【0050】
【化3】
【0051】本発明の目的化合物である一般式(2)の
化合物の具体例を以下に例示する。2,4,5−トリフ
ルオロ−3−メチル安息香酸、2,4,5−トリフルオ
ロ−3−エチル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−
3−プロピル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3
−シクロプロピル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ
−3−ビニル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3
−アリル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3−エ
チニル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−3
−メチル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−
3−ビニル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ
−3−エチニル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−メ
チル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−エチル安息香
酸、2,4−ジフルオロ−3−プロピル安息香酸、2,
4−ジフルオロ−3−シクロプロピル安息香酸、2,4
−ジフルオロ−3−ビニル安息香酸、2,4−ジフルオ
ロ−3−アリル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−エ
チニル安息香酸等。
【0052】本発明の製造方法により得られた化合物
(2)は、そのまま用いてもよいが、通常の場合、蒸
留、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の公知の方法
で精製して高純度のものにするのが好ましい。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
【0054】[実施例1]2,4,5−トリフルオロ−
3−メチル安息香酸の合成例。 500mlの4つ口フラスコに、ヘキサメチルジシラザ
ン33. 7g(209mmol)、THF150mlを
入れ、窒素ガス雰囲気下、−5℃に冷却した。ここにn
−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69mol/
l)118ml(199mmol)を30分かけて滴下
し、さらに−5℃で1時間撹拌し、リチウムヘキサメチ
ルジシラジド(LHMDS)を生成させた。
【0055】続いて、2,4,5−トリフルオロ安息香
酸(化合物(1)のX=Fに該当する。)10.0g
(56.8mmol)をTHF50mlに溶解した溶液
を−5℃にて15分かけて滴下した。さらに、−5℃で
2時間撹拌後、ヨウ化メチル9.68g(68.2mm
ol)を15分かけて滴下し、0℃で1時間撹拌した。
反応終了後、反応液に1N塩酸を200ml加え、有機
層を分離した。水層をジエチルエーテルで抽出後、有機
層とあわせて水洗、乾燥した。最後にヘキサンからの再
結晶により精製を行い、2,4,5−トリフルオロ−3
−メチル安息香酸9. 61g(収率89%)得た。得ら
れた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
【0056】1H-NMR (Acetone-d6) δppm from TMS:2.2
8(3H,m),7.65(1H,m).19 F-NMR(Acetone-d6) δppm from CFCl3:-113.6(m),-13
0.9(m),-143.2(m) MS m/e:190(M+)
【0057】[実施例2]2,4,5−トリフルオロ−
3−メチル安息香酸の合成例。 500mlの4つ口フラスコにジイソプロピルアミン2
1. 1g(209mmol)、THF150mlを入
れ、窒素ガス雰囲気下、−5℃に冷却した。ここにn−
ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69mol/l)
118ml(199mmol)を30分かけて滴下し、
さらに−5℃で1時間撹拌しリチウムジイソプロピルア
ミド(LDA)を生成させた。
【0058】続いて、2,4,5−トリフルオロ安息香
酸10.0g(56.8mmol)をTHF50mlに
溶解した溶液を−50℃にて15分かけて滴下した。さ
らに、その温度で2時間撹拌後、−30℃まで昇温しヨ
ウ化メチル9.68g(68.2mmol)を15分か
けて滴下し、その温度で1時間撹拌した。つぎに0℃ま
で徐々に昇温し反応を完結させた後、反応液に1N塩酸
を200ml加え、有機層を分離した。水層をジエチル
エーテルで抽出後、有機層とあわせて水洗、乾燥した。
最後にヘキサンからの再結晶により精製を行い、2,
4,5−トリフルオロ−3−メチル安息香酸8. 42g
(収率78%)得た。
【0059】[実施例3]2,4,5−トリフルオロ−
3−メチル安息香酸の合成例。 ヘキサメチルジシラザンを2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジンに変えてリチウム−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジド(LTMP)生成させたこと以外は
実施例1と同様にして反応を行い、2,4,5−トリフ
ルオロ−3−メチル安息香酸を9. 17g(収率85
%)得た。
【0060】[実施例4]2,4−ジフルオロ−3−メ
チル安息香酸の合成例。 2,4,5−トリフルオロ安息香酸を2,4−ジフルオ
ロ安息香酸(化合物(1)のX=Hに該当する。)に変
えた以外は実施例1と同様にして反応を行い、2,4−
ジフルオロ−3−メチル安息香酸を8. 79g(収率9
0%)得た。得られた化合物のマススペクトルの結果を
以下に示す。 MS m/e:172(M+)
【0061】[実施例5〜10]2,4,5−トリフル
オロ安息香酸と、LHMDSおよびヨウ化メチルの組み
合わせの代わりに表1に示す塩基および求電子試薬を用
いて、実施例1と同様の量比および方法で反応させ、X
およびR1 がそれぞれ表1に示したものである化合物
(2)を生成物として得た。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、入手容易な
フルオロ安息香酸誘導体より、そのカルボン酸部分を保
護することなく、かつ、1段階の反応でCOOH基のメ
タ位に置換基を導入して、目的物である化合物(2)を
高収率で製造できる。得られた化合物(2)は、特開昭
62−215572、特開平3−95176等に記載さ
れる方法にしたがい、公知のフルオロキノリン系抗菌剤
へ導くことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 323/62 7419−4H C07C 323/62

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (1) で表されるフルオロ安息香酸
    誘導体とR1 基を導入しうる求電子試薬とを塩基の存在
    下に反応させることを特徴とする一般式(2)で表され
    る3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法。 【化1】 ただし、式中、XおよびR1 は下記の意味を示す。 X:水素原子またはハロゲン原子を示す。 R1 :炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルス
    ルフェニル基、アリールスルフェニル基、ハロゲン原
    子、カルボキシル基、エステル基、アルデヒド基、アシ
    ル基、カルビノール基、トリアルキルスタニル基、また
    は、トリアルキルシリル基を示す。また、R1 中に炭素
    原子に結合した水素原子が存在する場合、該水素原子の
    1個以上は、フッ素原子または塩素原子に置換されてい
    てもよい。
  2. 【請求項2】塩基が、一般式(R2 )(R3 )NM(た
    だし、R2 およびR3 は、同一であっても異なっていて
    もよく、それぞれ、炭素数1〜10の有機基を示し、R
    2 およびR3 で環を形成していてもよい。Mは、アルカ
    リ金属イオンを示す。)で表されるアルカリアミド化合
    物である請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】R1 が、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素
    基である請求項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】R1 がメチル基である請求項1または2の
    製造方法。
  5. 【請求項5】R1 基を導入しうる求電子試薬が、炭素数
    1〜10の脂肪族炭化水素化合物の水素原子の1個が臭
    素化またはヨウ素化された化合物であり、かつ、該脂肪
    族炭化水素化合物の残りの水素原子の1個以上は、フッ
    素原子または塩素原子に置換されていてもよい化合物で
    ある請求項1〜4のいずれかの製造方法。
  6. 【請求項6】Xがフッ素原子である請求項1〜5のいず
    れかの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998007682A1 (fr) * 1996-08-19 1998-02-26 Ube Industries, Ltd. Acides trifluorobenzoiques substitues, esters de ces acides et procede de production

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998007682A1 (fr) * 1996-08-19 1998-02-26 Ube Industries, Ltd. Acides trifluorobenzoiques substitues, esters de ces acides et procede de production
US6160171A (en) * 1996-08-19 2000-12-12 Ube Industries, Ltd. Trifluoro-substituted benzoic acid, esters thereof, and process for producing the same
US6307091B1 (en) 1996-08-19 2001-10-23 Ube Industries, Ltd. Trifluoro-substituted benzoic acid, esters thereof and processes for preparing the same

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