JPH0967303A - 3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法 - Google Patents
3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法Info
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- JPH0967303A JPH0967303A JP21906995A JP21906995A JPH0967303A JP H0967303 A JPH0967303 A JP H0967303A JP 21906995 A JP21906995 A JP 21906995A JP 21906995 A JP21906995 A JP 21906995A JP H0967303 A JPH0967303 A JP H0967303A
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- carbon atoms
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Abstract
(57)【要約】
【課題】入手容易な原料および試薬を用いて、短段階の
反応で3−置換−フルオロ安息香酸誘導体(2)を製造
する。 【解決手段】フルオロ安息香酸誘導体(1)とR1 基を
導入しうる求電子試薬とを塩基の存在下に反応させる。
ただし、Xは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R
1 は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルス
ルフェニル基、アリールスルフェニル基、ハロゲン原
子、アルデヒド基、カルビノール基等。 【化1】
反応で3−置換−フルオロ安息香酸誘導体(2)を製造
する。 【解決手段】フルオロ安息香酸誘導体(1)とR1 基を
導入しうる求電子試薬とを塩基の存在下に反応させる。
ただし、Xは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R
1 は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルス
ルフェニル基、アリールスルフェニル基、ハロゲン原
子、アルデヒド基、カルビノール基等。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3−置換−フルオ
ロ安息香酸誘導体の新規な製造方法に関する。3−置換
−フルオロ安息香酸誘導体は医薬・農薬等の中間体とし
て、特にフルオロキノリン系抗菌剤の合成中間体として
有用な化合物である。
ロ安息香酸誘導体の新規な製造方法に関する。3−置換
−フルオロ安息香酸誘導体は医薬・農薬等の中間体とし
て、特にフルオロキノリン系抗菌剤の合成中間体として
有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製
造方法に関しては、以下の方法が提案されている。 (1)2,6−ジクロロトルエンを出発原料として、ニ
トロ化、フッ素化、還元、臭素化、還元して5−ブロモ
−2,4−ジフルオロ−3−メチルアニリンとした後
に、ジアゾフッ素化、ニトリル化、加水分解工程を経て
2,4,5−トリフルオロ−3−メチル安息香酸を得る
方法[特開昭62−215572]。
造方法に関しては、以下の方法が提案されている。 (1)2,6−ジクロロトルエンを出発原料として、ニ
トロ化、フッ素化、還元、臭素化、還元して5−ブロモ
−2,4−ジフルオロ−3−メチルアニリンとした後
に、ジアゾフッ素化、ニトリル化、加水分解工程を経て
2,4,5−トリフルオロ−3−メチル安息香酸を得る
方法[特開昭62−215572]。
【0003】(2)テトラフルオロフタル酸ジメチルを
出発原料として、4位をニトロメチル化、還元して3,
5,6−トリフルオロ−4−メチルフタル酸ジメチルと
し、続いて加水分解、脱炭酸することにより2,4,5
−トリフルオロ−3−メチル安息香酸を得る方法[特開
平3−95176]。
出発原料として、4位をニトロメチル化、還元して3,
5,6−トリフルオロ−4−メチルフタル酸ジメチルと
し、続いて加水分解、脱炭酸することにより2,4,5
−トリフルオロ−3−メチル安息香酸を得る方法[特開
平3−95176]。
【0004】(3)2,6−ジフルオロトルエンを出発
原料として、その3位をアシル化して2,4−ジフルオ
ロ−3−メチル−アセトフェノンとし、続いてブロモホ
ルム反応することにより2,4−ジフルオロ−3−メチ
ル安息香酸を得る方法[DE3615767]。
原料として、その3位をアシル化して2,4−ジフルオ
ロ−3−メチル−アセトフェノンとし、続いてブロモホ
ルム反応することにより2,4−ジフルオロ−3−メチ
ル安息香酸を得る方法[DE3615767]。
【0005】(4)3−ヒドロキシ−2,4,5−トリ
フルオロ安息香酸を出発原料として、これをエステル化
し、ヒドロキシル基をトリフルオロメタンスルホニル化
した後に、パラジウム触媒を用いてビニルスタナンとカ
ップリング反応することにより2,4,5−トリフルオ
ロ−3−ビニル安息香酸を得る方法[Tetrahed
ron Letters,34,281(199
3)]。
フルオロ安息香酸を出発原料として、これをエステル化
し、ヒドロキシル基をトリフルオロメタンスルホニル化
した後に、パラジウム触媒を用いてビニルスタナンとカ
ップリング反応することにより2,4,5−トリフルオ
ロ−3−ビニル安息香酸を得る方法[Tetrahed
ron Letters,34,281(199
3)]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法に
は、種々の欠点がある。 (1)の方法は工程が長く複雑で、またジアゾフッ素化
の収率が低く、さらにニトリル化時に有毒なシアン化銅
を使用する等の欠点があり工業的に有利な方法ではな
い。 (2)の方法も工程が長い問題がある。また、ニトロメ
チル化時に高価な1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]−7−ウンデセン(DBU)を使用したり、続いて
の還元工程でも高価なトリブチルスズヒドリドを使用す
る方法であるため工業的な製造には不利である。 (3)の方法では、出発原料が高価であるという欠点が
ある。 (4)の方法では、出発原料の入手が困難で、また工程
が長く複雑である等の欠点がある。
は、種々の欠点がある。 (1)の方法は工程が長く複雑で、またジアゾフッ素化
の収率が低く、さらにニトリル化時に有毒なシアン化銅
を使用する等の欠点があり工業的に有利な方法ではな
い。 (2)の方法も工程が長い問題がある。また、ニトロメ
チル化時に高価な1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]−7−ウンデセン(DBU)を使用したり、続いて
の還元工程でも高価なトリブチルスズヒドリドを使用す
る方法であるため工業的な製造には不利である。 (3)の方法では、出発原料が高価であるという欠点が
ある。 (4)の方法では、出発原料の入手が困難で、また工程
が長く複雑である等の欠点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の技術が
有する種々の欠点を解決するためになされたものであ
り、工業的に入手容易な出発原料から、反応操作が簡便
で取扱いの容易な試薬を用い、かつ、短い工程で、医薬
・農薬等の合成中間体として有用な3−置換−フルオロ
安息香酸誘導体を高収率で製造する方法を提供する。
有する種々の欠点を解決するためになされたものであ
り、工業的に入手容易な出発原料から、反応操作が簡便
で取扱いの容易な試薬を用い、かつ、短い工程で、医薬
・農薬等の合成中間体として有用な3−置換−フルオロ
安息香酸誘導体を高収率で製造する方法を提供する。
【0008】すなわち、本発明は、一般式 (1) で表さ
れるフルオロ安息香酸誘導体とR1基を導入しうる求電
子試薬とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする
一般式(2)で表される3−置換−フルオロ安息香酸誘
導体の製造方法である。
れるフルオロ安息香酸誘導体とR1基を導入しうる求電
子試薬とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする
一般式(2)で表される3−置換−フルオロ安息香酸誘
導体の製造方法である。
【0009】
【化2】
【0010】ただし、式中、XおよびR1 は下記の意
味を示す。 X:水素原子またはハロゲン原子を示す。 R1 :炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルス
ルフェニル基、アリールスルフェニル基、ハロゲン原
子、カルボキシル基、エステル基、アルデヒド基、アシ
ル基、カルビノール基、トリアルキルスタニル基、また
は、トリアルキルシリル基を示す。また、R1 中に炭素
原子に結合した水素原子が存在する場合、該水素原子の
1個以上は、フッ素原子または塩素原子に置換されてい
てもよい。
味を示す。 X:水素原子またはハロゲン原子を示す。 R1 :炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルス
ルフェニル基、アリールスルフェニル基、ハロゲン原
子、カルボキシル基、エステル基、アルデヒド基、アシ
ル基、カルビノール基、トリアルキルスタニル基、また
は、トリアルキルシリル基を示す。また、R1 中に炭素
原子に結合した水素原子が存在する場合、該水素原子の
1個以上は、フッ素原子または塩素原子に置換されてい
てもよい。
【0011】本発明の反応は、COOH基を保護するこ
となく、かつ、COOH基のオルト位ではなくメタ位、
すなわち、3位に選択的に置換基を導入する反応である
ことが特徴である。
となく、かつ、COOH基のオルト位ではなくメタ位、
すなわち、3位に選択的に置換基を導入する反応である
ことが特徴である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。なお、以
下において、一般式(1)で表されるフルオロ安息香酸
誘導体を化合物(1)と記し、他の化合物についても同
様に記載する。
下において、一般式(1)で表されるフルオロ安息香酸
誘導体を化合物(1)と記し、他の化合物についても同
様に記載する。
【0013】化合物(1)におけるXは、水素原子また
はハロゲン原子を示す。Xはハロゲン原子が好ましく、
特に、塩素原子またはフッ素原子が好ましく、さらにフ
ッ素原子が好ましい。
はハロゲン原子を示す。Xはハロゲン原子が好ましく、
特に、塩素原子またはフッ素原子が好ましく、さらにフ
ッ素原子が好ましい。
【0014】一般式(1)で表される化合物としては、
2,4,5−トリフルオロ安息香酸、2,4−ジフルオ
ロ−5−クロロ安息香酸、2,4−ジフルオロ−5−ブ
ロモ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸等が挙げら
れる。これらの化合物は公知の化合物である。
2,4,5−トリフルオロ安息香酸、2,4−ジフルオ
ロ−5−クロロ安息香酸、2,4−ジフルオロ−5−ブ
ロモ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸等が挙げら
れる。これらの化合物は公知の化合物である。
【0015】本発明は、一般式(1)で表される化合物
とR1 基を導入しうる求電子試薬とを反応させる。R1
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルスル
フェニル基(−SR11)、アリールスルフェニル基(−
SAr)、ハロゲン原子、カルボキシル基(−COO
H)、エステル基(−COOR12)、アルデヒド基(−
CHO)、アシル基(−COR13)、カルビノール基
(−C(OH)R14R15)、トリアルキルスタニル基
(−Sn(R16)3 )、または、トリアルキルシリル基
(−Si(R17)3 )を示す。R1 基中に炭素原子に結
合した水素原子が存在する場合、該水素原子の1個以上
は、塩素原子またはフッ素原子に置換されていてもよ
い。
とR1 基を導入しうる求電子試薬とを反応させる。R1
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルスル
フェニル基(−SR11)、アリールスルフェニル基(−
SAr)、ハロゲン原子、カルボキシル基(−COO
H)、エステル基(−COOR12)、アルデヒド基(−
CHO)、アシル基(−COR13)、カルビノール基
(−C(OH)R14R15)、トリアルキルスタニル基
(−Sn(R16)3 )、または、トリアルキルシリル基
(−Si(R17)3 )を示す。R1 基中に炭素原子に結
合した水素原子が存在する場合、該水素原子の1個以上
は、塩素原子またはフッ素原子に置換されていてもよ
い。
【0016】炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基として
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれ
であってもよい。炭素数1〜10のアルキル基として
は、直鎖、分岐、環状の構造のいずれのアルキル基であ
ってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基が好ま
しい。目的とする化合物(2)をフルオロキノリン系抗
菌剤の合成中間体として用いる場合には、シクロプロピ
ル基、メチル基が好ましい。
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれ
であってもよい。炭素数1〜10のアルキル基として
は、直鎖、分岐、環状の構造のいずれのアルキル基であ
ってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基が好ま
しい。目的とする化合物(2)をフルオロキノリン系抗
菌剤の合成中間体として用いる場合には、シクロプロピ
ル基、メチル基が好ましい。
【0017】炭素数1〜10のアルケニル基としては、
直鎖、分岐、環状の構造のいずれのアルケニル基であっ
てもよく、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニ
ル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3
−ブテニル基、1−シクロヘキセニル基が好ましい。目
的とする化合物(2)をフルオロキノリン系抗菌剤の合
成中間体として用いる場合には、ビニル基が好ましい。
直鎖、分岐、環状の構造のいずれのアルケニル基であっ
てもよく、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニ
ル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3
−ブテニル基、1−シクロヘキセニル基が好ましい。目
的とする化合物(2)をフルオロキノリン系抗菌剤の合
成中間体として用いる場合には、ビニル基が好ましい。
【0018】炭素数1〜10のアルキニル基としては、
直鎖または分岐の構造が好ましく、エチニル基、1−プ
ロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−
ブチニル基、3−ブチニル基が好ましく、特に、1−プ
ロピニル基が好ましい。
直鎖または分岐の構造が好ましく、エチニル基、1−プ
ロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−
ブチニル基、3−ブチニル基が好ましく、特に、1−プ
ロピニル基が好ましい。
【0019】上記のアルキル基、アルケニル基、およ
び、アルキニル基の炭素数は、いずれも1〜10である
が、1〜6が好ましく、特に、1〜3が好ましい。
び、アルキニル基の炭素数は、いずれも1〜10である
が、1〜6が好ましく、特に、1〜3が好ましい。
【0020】また、アルキルスルフェニル基(−S
R11)のR11はアルキル基を示し、前記の炭素数1〜1
0のアルキル基と同様の基が好ましい。
R11)のR11はアルキル基を示し、前記の炭素数1〜1
0のアルキル基と同様の基が好ましい。
【0021】アリールスルフェニル基(−SAr)のA
rはアリール基を示し、フェニル基が好ましい。アリー
ル基の水素原子の1個以上は、ハロゲン原子、アルコキ
シル基(−OR18:ただしR18は、アルキル基を示し、
上記の炭素数1〜10のアルキル基と同様の基が好まし
い。)、アルキルスルフェニル基に置換されていてもよ
い。
rはアリール基を示し、フェニル基が好ましい。アリー
ル基の水素原子の1個以上は、ハロゲン原子、アルコキ
シル基(−OR18:ただしR18は、アルキル基を示し、
上記の炭素数1〜10のアルキル基と同様の基が好まし
い。)、アルキルスルフェニル基に置換されていてもよ
い。
【0022】ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子が好ましい。
ウ素原子が好ましい。
【0023】エステル基(−COOR12)のR12は、ア
ルキル基を示し、前記の炭素数1〜10のアルキル基が
好ましい。
ルキル基を示し、前記の炭素数1〜10のアルキル基が
好ましい。
【0024】アシル基(−COR13)、カルビノール基
(−C(OH)R14R15)、トリアルキルシリル基(−
Si(R17)3 )のR13、R14、R15、およびR17とし
ては、前記の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基または
アリール基を示し、アルキル基またはフェニル基が好ま
しい。
(−C(OH)R14R15)、トリアルキルシリル基(−
Si(R17)3 )のR13、R14、R15、およびR17とし
ては、前記の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基または
アリール基を示し、アルキル基またはフェニル基が好ま
しい。
【0025】上記のR1 基中に炭素原子に結合した水素
原子が存在する場合、該水素原子の1個以上は、塩素原
子またはフッ素原子に置換されていてもよい。
原子が存在する場合、該水素原子の1個以上は、塩素原
子またはフッ素原子に置換されていてもよい。
【0026】本発明においては、R1 基を導入しうる求
電子試薬を用いて、化合物(1)の3位に目的に応じた
R1 基を導入する。炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基
を導入しうる求電子試薬としては、炭素数1〜10のア
ルカン、炭素数1〜10のアルケン、または炭素数1〜
10のアルキン(以下、炭素数1〜10のアルカン、炭
素数1〜10のアルケン、および炭素数1〜10のアル
キンをまとめて、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素化合
物と記す。)の水素原子の1個以上が臭素化またはヨウ
素化された化合物である臭素化脂肪族炭化水素化合物、
ヨウ素化脂肪族炭化水素化合物、硫酸ジアルキル、また
は、R9 OSO2 Y(ここで、R9 は脂肪族炭化水素基
を示し、Yは、メチル基、4−メチルフェニル基、また
は、トリフルオロメチル基を示す。)等が好ましく、特
に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素化合物の水素原子
の1個が臭素化またはヨウ素化された化合物であるモノ
臭素化脂肪族炭化水素化合物、またはモノヨウ素化脂肪
族炭化水素化合物が好ましい。また、該求電子試薬にお
ける脂肪族炭化水素化合物の水素原子の1個以上は、フ
ッ素原子または塩素原子に置換されていてもよい。アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基を導入しうる求電
子試薬の例としては、ヨウ化メチル、臭化アリル、ジメ
チル硫酸等が挙げられ、ヨウ化メチルが特に好ましい。
電子試薬を用いて、化合物(1)の3位に目的に応じた
R1 基を導入する。炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基
を導入しうる求電子試薬としては、炭素数1〜10のア
ルカン、炭素数1〜10のアルケン、または炭素数1〜
10のアルキン(以下、炭素数1〜10のアルカン、炭
素数1〜10のアルケン、および炭素数1〜10のアル
キンをまとめて、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素化合
物と記す。)の水素原子の1個以上が臭素化またはヨウ
素化された化合物である臭素化脂肪族炭化水素化合物、
ヨウ素化脂肪族炭化水素化合物、硫酸ジアルキル、また
は、R9 OSO2 Y(ここで、R9 は脂肪族炭化水素基
を示し、Yは、メチル基、4−メチルフェニル基、また
は、トリフルオロメチル基を示す。)等が好ましく、特
に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素化合物の水素原子
の1個が臭素化またはヨウ素化された化合物であるモノ
臭素化脂肪族炭化水素化合物、またはモノヨウ素化脂肪
族炭化水素化合物が好ましい。また、該求電子試薬にお
ける脂肪族炭化水素化合物の水素原子の1個以上は、フ
ッ素原子または塩素原子に置換されていてもよい。アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基を導入しうる求電
子試薬の例としては、ヨウ化メチル、臭化アリル、ジメ
チル硫酸等が挙げられ、ヨウ化メチルが特に好ましい。
【0027】また、アルキルスルフェニル基(−S
R11)、アリールスルフェニル基(−SAr)を導入し
うる求電子試薬としては、ジアルキルスルフィド、ジア
ルキルジスルフィド、ジアリールスルフィド、ジアリー
ルジスルフィド等が好ましく、例えば、ジメチルスルフ
ィド、ジメチルジスルフィド、ジフェニルスルフィド、
ジフェニルジスルフィド等が挙げられる。
R11)、アリールスルフェニル基(−SAr)を導入し
うる求電子試薬としては、ジアルキルスルフィド、ジア
ルキルジスルフィド、ジアリールスルフィド、ジアリー
ルジスルフィド等が好ましく、例えば、ジメチルスルフ
ィド、ジメチルジスルフィド、ジフェニルスルフィド、
ジフェニルジスルフィド等が挙げられる。
【0028】R1 基としてハロゲン原子を導入しうる求
電子試薬としては、臭素(Br2 )塩素(Cl2 )、ヨ
ウ素(I2 )等のハロゲン分子、N−ブロモコハク酸イ
ミド(NBS)等のN−ハロゲン化コハク酸イミドが好
ましい。
電子試薬としては、臭素(Br2 )塩素(Cl2 )、ヨ
ウ素(I2 )等のハロゲン分子、N−ブロモコハク酸イ
ミド(NBS)等のN−ハロゲン化コハク酸イミドが好
ましい。
【0029】エステル基(−COOR12)を導入しうる
求電子試薬としては、クロロギ酸エチル等が挙げられ
る。また、カルボキシル基を導入しうる求電子試薬とし
ては、二酸化炭素等が挙げられる。
求電子試薬としては、クロロギ酸エチル等が挙げられ
る。また、カルボキシル基を導入しうる求電子試薬とし
ては、二酸化炭素等が挙げられる。
【0030】アルデヒド基を導入しうる求電子試薬とし
ては、ジアルキルホルムアミド、アルキルホルムアミ
ド、アリールホルムアミドが好ましく、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミ
ド等が挙げられる。
ては、ジアルキルホルムアミド、アルキルホルムアミ
ド、アリールホルムアミドが好ましく、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミ
ド等が挙げられる。
【0031】アシル基(−COR13)を導入しうる求電
子試薬としては、ハロゲン化アシル、酸無水物が好まし
く、塩化アセチル等の酸クロリド、臭化アセチル等の酸
ブロミド、フッ化アセチル等の酸フルオリド、無水酢酸
等が挙げられる。
子試薬としては、ハロゲン化アシル、酸無水物が好まし
く、塩化アセチル等の酸クロリド、臭化アセチル等の酸
ブロミド、フッ化アセチル等の酸フルオリド、無水酢酸
等が挙げられる。
【0032】カルビノール基(−C(OH)R14R15)
を導入しうる求電子試薬としては、アルデヒド、ケトン
類が好ましく、アセトン、ベンゾフェノン、ベンズアル
デヒド、およびこれらの化合物中のアルキル基およびア
リール基中の炭素原子に結合した水素原子がフッ素原子
に置換された化合物等が挙げられる。
を導入しうる求電子試薬としては、アルデヒド、ケトン
類が好ましく、アセトン、ベンゾフェノン、ベンズアル
デヒド、およびこれらの化合物中のアルキル基およびア
リール基中の炭素原子に結合した水素原子がフッ素原子
に置換された化合物等が挙げられる。
【0033】トリアルキルスタニル基(−Sn(R16)
3 )を導入しうる求電子試薬としては、クロロトリアル
キルスタナン等のハロゲン化トリアルキルスタナンが挙
げられる。
3 )を導入しうる求電子試薬としては、クロロトリアル
キルスタナン等のハロゲン化トリアルキルスタナンが挙
げられる。
【0034】トリアルキルシリル基(−Si(R17)
3 )を導入しうる求電子試薬としては、クロロトリメチ
ルシラン等のハロゲン化トリアルキルシランが挙げられ
る。
3 )を導入しうる求電子試薬としては、クロロトリメチ
ルシラン等のハロゲン化トリアルキルシランが挙げられ
る。
【0035】求電子試薬の量は、上記の求電子試薬のい
ずれの場合においても、化合物(1)に対して0.2〜
10倍モルが好ましく、特に0.5〜3倍モルが好まし
い。
ずれの場合においても、化合物(1)に対して0.2〜
10倍モルが好ましく、特に0.5〜3倍モルが好まし
い。
【0036】目的化合物である化合物(2)をフルオロ
キノロン系抗菌剤の中間体として用いる場合、R1 は炭
素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、または、ア
ルキニル基であるのが好ましい。したがって、R1 を導
入しうる求電子試薬としては、脂肪族炭化水素基を導入
しうる求電子試薬を用いるのが好ましく、特にモノ臭素
化脂肪族炭化水素化合物、モノヨウ素化脂肪族炭化水素
化合物が好ましい。
キノロン系抗菌剤の中間体として用いる場合、R1 は炭
素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、または、ア
ルキニル基であるのが好ましい。したがって、R1 を導
入しうる求電子試薬としては、脂肪族炭化水素基を導入
しうる求電子試薬を用いるのが好ましく、特にモノ臭素
化脂肪族炭化水素化合物、モノヨウ素化脂肪族炭化水素
化合物が好ましい。
【0037】本発明においては、一般式(1)で表され
る化合物と求電子試薬とを反応させる際に、塩基を存在
させる。
る化合物と求電子試薬とを反応させる際に、塩基を存在
させる。
【0038】塩基としては、一般式(R2 )(R3 )N
Mで表されるアルカリアミド化合物が好ましい。ここ
で、R2 およびR3 は、同一でも異なっていてもよく、
それぞれ、炭素数1〜10の有機基を示し、R2 および
R3 で環を形成していてもよい。また、R2 およびR3
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましく、該
脂肪族炭化水素基には、本発明の反応に影響を及ぼさな
い置換基が含まれていてもよい。
Mで表されるアルカリアミド化合物が好ましい。ここ
で、R2 およびR3 は、同一でも異なっていてもよく、
それぞれ、炭素数1〜10の有機基を示し、R2 および
R3 で環を形成していてもよい。また、R2 およびR3
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましく、該
脂肪族炭化水素基には、本発明の反応に影響を及ぼさな
い置換基が含まれていてもよい。
【0039】R2 およびR3 としては、メチル基、エチ
ル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−プロペニ
ル基、イソプロペニル基、アリル基、ブチル基、イソブ
チル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t
−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、ヘキ
シル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−ト
リル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、2−
ジメチルアミノエチル基、2−メトキシフェニル基、3
−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、トリ
メチルシリルメチル基、または、トリメチルシリル基、
およびこれらの基に、メチル基、ハロゲン原子、または
アミド基等の反応に影響を及ぼさない置換基が結合した
基が挙げられる。また、R2 およびR3 で環を形成して
いる場合、(R2 )(R3 )Nとしては、ピペリジニル
基、ピロリジニル基等が挙げられ、該基には、メチル
基、ハロゲン原子、またはアミド基等の反応に影響を及
ぼさない置換基が結合していてもよい。R2 およびR3
は、立体的にかさ高い基が好ましく、特に分岐状や環状
のアルキル基、トリメチルシリル基、またはR2 および
R3 で環を形成した基が好ましい。
ル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−プロペニ
ル基、イソプロペニル基、アリル基、ブチル基、イソブ
チル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t
−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、ヘキ
シル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−ト
リル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、2−
ジメチルアミノエチル基、2−メトキシフェニル基、3
−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、トリ
メチルシリルメチル基、または、トリメチルシリル基、
およびこれらの基に、メチル基、ハロゲン原子、または
アミド基等の反応に影響を及ぼさない置換基が結合した
基が挙げられる。また、R2 およびR3 で環を形成して
いる場合、(R2 )(R3 )Nとしては、ピペリジニル
基、ピロリジニル基等が挙げられ、該基には、メチル
基、ハロゲン原子、またはアミド基等の反応に影響を及
ぼさない置換基が結合していてもよい。R2 およびR3
は、立体的にかさ高い基が好ましく、特に分岐状や環状
のアルキル基、トリメチルシリル基、またはR2 および
R3 で環を形成した基が好ましい。
【0040】また、Mは、アルカリ金属イオンを示し、
リチウムイオンが好ましい。すなわち、本発明の塩基と
しては、リチウムアミド化合物が好ましい。
リチウムイオンが好ましい。すなわち、本発明の塩基と
しては、リチウムアミド化合物が好ましい。
【0041】リチウムアミド化合物としては、リチウム
ジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムシクロヘキ
シルイソプロピルアミド(LCPA)、リチウムヘキサ
メチルジシラジド(LHMDS)、リチウム−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジド(LTMP)が好まし
く、特にLHMDSが好ましい。
ジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムシクロヘキ
シルイソプロピルアミド(LCPA)、リチウムヘキサ
メチルジシラジド(LHMDS)、リチウム−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジド(LTMP)が好まし
く、特にLHMDSが好ましい。
【0042】塩基の量は、化合物(1)に対して、0.
5〜10倍モルが好ましく、特に1.5〜5倍モルが好
ましい。
5〜10倍モルが好ましく、特に1.5〜5倍モルが好
ましい。
【0043】また、一般式(1)で表される化合物と求
電子試薬との反応においては、反応溶媒を存在させるの
が好ましい。反応溶媒としては、エーテル系溶媒、また
は、エーテル系溶媒と炭化水素系溶媒の混合溶媒が好ま
しい。
電子試薬との反応においては、反応溶媒を存在させるの
が好ましい。反応溶媒としては、エーテル系溶媒、また
は、エーテル系溶媒と炭化水素系溶媒の混合溶媒が好ま
しい。
【0044】エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソア
ミルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、ジ−2−メトキシエチルエーテル、t
−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル溶媒、テトラ
ヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、1,4
−ジオキサン等の環状エーテル溶媒等が挙げられる。こ
れらのうち、エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、THFが好ましい。
ル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソア
ミルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、ジ−2−メトキシエチルエーテル、t
−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル溶媒、テトラ
ヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、1,4
−ジオキサン等の環状エーテル溶媒等が挙げられる。こ
れらのうち、エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、THFが好ましい。
【0045】また、炭化水素系溶媒としては、ペンタ
ン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサ
デカン、n−パラフィン、石油エエーテル等の飽和脂肪
族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、o−キシレ
ン、m−キシレン、p−キシレン、1,2,3−トリメ
チルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,
2,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチル
ベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これ
らのうち、炭化水素系溶媒としては、飽和脂肪族炭化水
素系溶媒が好ましく、特にn−ヘキサンが好ましい。炭
化水素系溶媒は、市販される塩基に溶液として含まれる
ものであってもよく、別に加えたものであってもよい。
ン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサ
デカン、n−パラフィン、石油エエーテル等の飽和脂肪
族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、o−キシレ
ン、m−キシレン、p−キシレン、1,2,3−トリメ
チルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,
2,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチル
ベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これ
らのうち、炭化水素系溶媒としては、飽和脂肪族炭化水
素系溶媒が好ましく、特にn−ヘキサンが好ましい。炭
化水素系溶媒は、市販される塩基に溶液として含まれる
ものであってもよく、別に加えたものであってもよい。
【0046】エーテル系溶媒と炭化水素系溶媒との混合
溶媒を用いる場合の両者の割合は、特に限定されず、エ
ーテル系溶媒100重量部に対する炭化水素系溶媒量を
50重量部以下とするのが好ましい。
溶媒を用いる場合の両者の割合は、特に限定されず、エ
ーテル系溶媒100重量部に対する炭化水素系溶媒量を
50重量部以下とするのが好ましい。
【0047】また、反応溶媒の量は、化合物(1)の1
重量部に対して、2〜50重量部が好ましく、特に、5
〜30重量部が好ましい。
重量部に対して、2〜50重量部が好ましく、特に、5
〜30重量部が好ましい。
【0048】一般式(1)で表される化合物と求電子試
薬との反応の温度は、−78℃〜+30℃が好ましく、
特に−30℃〜+20℃が好ましい。
薬との反応の温度は、−78℃〜+30℃が好ましく、
特に−30℃〜+20℃が好ましい。
【0049】本発明の一般式(1)で表される化合物と
塩基を反応させると、まず式(3)で表される中間体が
生成すると考えられる。しかし該中間体は、直ちに求電
子試薬の作用により3位が反応し、本発明の目的化合物
に変換されるものと考えられる。
塩基を反応させると、まず式(3)で表される中間体が
生成すると考えられる。しかし該中間体は、直ちに求電
子試薬の作用により3位が反応し、本発明の目的化合物
に変換されるものと考えられる。
【0050】
【化3】
【0051】本発明の目的化合物である一般式(2)の
化合物の具体例を以下に例示する。2,4,5−トリフ
ルオロ−3−メチル安息香酸、2,4,5−トリフルオ
ロ−3−エチル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−
3−プロピル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3
−シクロプロピル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ
−3−ビニル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3
−アリル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3−エ
チニル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−3
−メチル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−
3−ビニル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ
−3−エチニル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−メ
チル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−エチル安息香
酸、2,4−ジフルオロ−3−プロピル安息香酸、2,
4−ジフルオロ−3−シクロプロピル安息香酸、2,4
−ジフルオロ−3−ビニル安息香酸、2,4−ジフルオ
ロ−3−アリル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−エ
チニル安息香酸等。
化合物の具体例を以下に例示する。2,4,5−トリフ
ルオロ−3−メチル安息香酸、2,4,5−トリフルオ
ロ−3−エチル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−
3−プロピル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3
−シクロプロピル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ
−3−ビニル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3
−アリル安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3−エ
チニル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−3
−メチル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−
3−ビニル安息香酸、5−クロロ−2,4−ジフルオロ
−3−エチニル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−メ
チル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−エチル安息香
酸、2,4−ジフルオロ−3−プロピル安息香酸、2,
4−ジフルオロ−3−シクロプロピル安息香酸、2,4
−ジフルオロ−3−ビニル安息香酸、2,4−ジフルオ
ロ−3−アリル安息香酸、2,4−ジフルオロ−3−エ
チニル安息香酸等。
【0052】本発明の製造方法により得られた化合物
(2)は、そのまま用いてもよいが、通常の場合、蒸
留、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の公知の方法
で精製して高純度のものにするのが好ましい。
(2)は、そのまま用いてもよいが、通常の場合、蒸
留、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の公知の方法
で精製して高純度のものにするのが好ましい。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
【0054】[実施例1]2,4,5−トリフルオロ−
3−メチル安息香酸の合成例。 500mlの4つ口フラスコに、ヘキサメチルジシラザ
ン33. 7g(209mmol)、THF150mlを
入れ、窒素ガス雰囲気下、−5℃に冷却した。ここにn
−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69mol/
l)118ml(199mmol)を30分かけて滴下
し、さらに−5℃で1時間撹拌し、リチウムヘキサメチ
ルジシラジド(LHMDS)を生成させた。
3−メチル安息香酸の合成例。 500mlの4つ口フラスコに、ヘキサメチルジシラザ
ン33. 7g(209mmol)、THF150mlを
入れ、窒素ガス雰囲気下、−5℃に冷却した。ここにn
−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69mol/
l)118ml(199mmol)を30分かけて滴下
し、さらに−5℃で1時間撹拌し、リチウムヘキサメチ
ルジシラジド(LHMDS)を生成させた。
【0055】続いて、2,4,5−トリフルオロ安息香
酸(化合物(1)のX=Fに該当する。)10.0g
(56.8mmol)をTHF50mlに溶解した溶液
を−5℃にて15分かけて滴下した。さらに、−5℃で
2時間撹拌後、ヨウ化メチル9.68g(68.2mm
ol)を15分かけて滴下し、0℃で1時間撹拌した。
反応終了後、反応液に1N塩酸を200ml加え、有機
層を分離した。水層をジエチルエーテルで抽出後、有機
層とあわせて水洗、乾燥した。最後にヘキサンからの再
結晶により精製を行い、2,4,5−トリフルオロ−3
−メチル安息香酸9. 61g(収率89%)得た。得ら
れた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
酸(化合物(1)のX=Fに該当する。)10.0g
(56.8mmol)をTHF50mlに溶解した溶液
を−5℃にて15分かけて滴下した。さらに、−5℃で
2時間撹拌後、ヨウ化メチル9.68g(68.2mm
ol)を15分かけて滴下し、0℃で1時間撹拌した。
反応終了後、反応液に1N塩酸を200ml加え、有機
層を分離した。水層をジエチルエーテルで抽出後、有機
層とあわせて水洗、乾燥した。最後にヘキサンからの再
結晶により精製を行い、2,4,5−トリフルオロ−3
−メチル安息香酸9. 61g(収率89%)得た。得ら
れた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
【0056】1H-NMR (Acetone-d6) δppm from TMS:2.2
8(3H,m),7.65(1H,m).19 F-NMR(Acetone-d6) δppm from CFCl3:-113.6(m),-13
0.9(m),-143.2(m) MS m/e:190(M+)
8(3H,m),7.65(1H,m).19 F-NMR(Acetone-d6) δppm from CFCl3:-113.6(m),-13
0.9(m),-143.2(m) MS m/e:190(M+)
【0057】[実施例2]2,4,5−トリフルオロ−
3−メチル安息香酸の合成例。 500mlの4つ口フラスコにジイソプロピルアミン2
1. 1g(209mmol)、THF150mlを入
れ、窒素ガス雰囲気下、−5℃に冷却した。ここにn−
ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69mol/l)
118ml(199mmol)を30分かけて滴下し、
さらに−5℃で1時間撹拌しリチウムジイソプロピルア
ミド(LDA)を生成させた。
3−メチル安息香酸の合成例。 500mlの4つ口フラスコにジイソプロピルアミン2
1. 1g(209mmol)、THF150mlを入
れ、窒素ガス雰囲気下、−5℃に冷却した。ここにn−
ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.69mol/l)
118ml(199mmol)を30分かけて滴下し、
さらに−5℃で1時間撹拌しリチウムジイソプロピルア
ミド(LDA)を生成させた。
【0058】続いて、2,4,5−トリフルオロ安息香
酸10.0g(56.8mmol)をTHF50mlに
溶解した溶液を−50℃にて15分かけて滴下した。さ
らに、その温度で2時間撹拌後、−30℃まで昇温しヨ
ウ化メチル9.68g(68.2mmol)を15分か
けて滴下し、その温度で1時間撹拌した。つぎに0℃ま
で徐々に昇温し反応を完結させた後、反応液に1N塩酸
を200ml加え、有機層を分離した。水層をジエチル
エーテルで抽出後、有機層とあわせて水洗、乾燥した。
最後にヘキサンからの再結晶により精製を行い、2,
4,5−トリフルオロ−3−メチル安息香酸8. 42g
(収率78%)得た。
酸10.0g(56.8mmol)をTHF50mlに
溶解した溶液を−50℃にて15分かけて滴下した。さ
らに、その温度で2時間撹拌後、−30℃まで昇温しヨ
ウ化メチル9.68g(68.2mmol)を15分か
けて滴下し、その温度で1時間撹拌した。つぎに0℃ま
で徐々に昇温し反応を完結させた後、反応液に1N塩酸
を200ml加え、有機層を分離した。水層をジエチル
エーテルで抽出後、有機層とあわせて水洗、乾燥した。
最後にヘキサンからの再結晶により精製を行い、2,
4,5−トリフルオロ−3−メチル安息香酸8. 42g
(収率78%)得た。
【0059】[実施例3]2,4,5−トリフルオロ−
3−メチル安息香酸の合成例。 ヘキサメチルジシラザンを2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジンに変えてリチウム−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジド(LTMP)生成させたこと以外は
実施例1と同様にして反応を行い、2,4,5−トリフ
ルオロ−3−メチル安息香酸を9. 17g(収率85
%)得た。
3−メチル安息香酸の合成例。 ヘキサメチルジシラザンを2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジンに変えてリチウム−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジド(LTMP)生成させたこと以外は
実施例1と同様にして反応を行い、2,4,5−トリフ
ルオロ−3−メチル安息香酸を9. 17g(収率85
%)得た。
【0060】[実施例4]2,4−ジフルオロ−3−メ
チル安息香酸の合成例。 2,4,5−トリフルオロ安息香酸を2,4−ジフルオ
ロ安息香酸(化合物(1)のX=Hに該当する。)に変
えた以外は実施例1と同様にして反応を行い、2,4−
ジフルオロ−3−メチル安息香酸を8. 79g(収率9
0%)得た。得られた化合物のマススペクトルの結果を
以下に示す。 MS m/e:172(M+)
チル安息香酸の合成例。 2,4,5−トリフルオロ安息香酸を2,4−ジフルオ
ロ安息香酸(化合物(1)のX=Hに該当する。)に変
えた以外は実施例1と同様にして反応を行い、2,4−
ジフルオロ−3−メチル安息香酸を8. 79g(収率9
0%)得た。得られた化合物のマススペクトルの結果を
以下に示す。 MS m/e:172(M+)
【0061】[実施例5〜10]2,4,5−トリフル
オロ安息香酸と、LHMDSおよびヨウ化メチルの組み
合わせの代わりに表1に示す塩基および求電子試薬を用
いて、実施例1と同様の量比および方法で反応させ、X
およびR1 がそれぞれ表1に示したものである化合物
(2)を生成物として得た。
オロ安息香酸と、LHMDSおよびヨウ化メチルの組み
合わせの代わりに表1に示す塩基および求電子試薬を用
いて、実施例1と同様の量比および方法で反応させ、X
およびR1 がそれぞれ表1に示したものである化合物
(2)を生成物として得た。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、入手容易な
フルオロ安息香酸誘導体より、そのカルボン酸部分を保
護することなく、かつ、1段階の反応でCOOH基のメ
タ位に置換基を導入して、目的物である化合物(2)を
高収率で製造できる。得られた化合物(2)は、特開昭
62−215572、特開平3−95176等に記載さ
れる方法にしたがい、公知のフルオロキノリン系抗菌剤
へ導くことができる。
フルオロ安息香酸誘導体より、そのカルボン酸部分を保
護することなく、かつ、1段階の反応でCOOH基のメ
タ位に置換基を導入して、目的物である化合物(2)を
高収率で製造できる。得られた化合物(2)は、特開昭
62−215572、特開平3−95176等に記載さ
れる方法にしたがい、公知のフルオロキノリン系抗菌剤
へ導くことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 323/62 7419−4H C07C 323/62
Claims (6)
- 【請求項1】一般式 (1) で表されるフルオロ安息香酸
誘導体とR1 基を導入しうる求電子試薬とを塩基の存在
下に反応させることを特徴とする一般式(2)で表され
る3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法。 【化1】 ただし、式中、XおよびR1 は下記の意味を示す。 X:水素原子またはハロゲン原子を示す。 R1 :炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、アルキルス
ルフェニル基、アリールスルフェニル基、ハロゲン原
子、カルボキシル基、エステル基、アルデヒド基、アシ
ル基、カルビノール基、トリアルキルスタニル基、また
は、トリアルキルシリル基を示す。また、R1 中に炭素
原子に結合した水素原子が存在する場合、該水素原子の
1個以上は、フッ素原子または塩素原子に置換されてい
てもよい。 - 【請求項2】塩基が、一般式(R2 )(R3 )NM(た
だし、R2 およびR3 は、同一であっても異なっていて
もよく、それぞれ、炭素数1〜10の有機基を示し、R
2 およびR3 で環を形成していてもよい。Mは、アルカ
リ金属イオンを示す。)で表されるアルカリアミド化合
物である請求項1の製造方法。 - 【請求項3】R1 が、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素
基である請求項1または2の製造方法。 - 【請求項4】R1 がメチル基である請求項1または2の
製造方法。 - 【請求項5】R1 基を導入しうる求電子試薬が、炭素数
1〜10の脂肪族炭化水素化合物の水素原子の1個が臭
素化またはヨウ素化された化合物であり、かつ、該脂肪
族炭化水素化合物の残りの水素原子の1個以上は、フッ
素原子または塩素原子に置換されていてもよい化合物で
ある請求項1〜4のいずれかの製造方法。 - 【請求項6】Xがフッ素原子である請求項1〜5のいず
れかの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21906995A JPH0967303A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21906995A JPH0967303A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0967303A true JPH0967303A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16729787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21906995A Withdrawn JPH0967303A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 3−置換−フルオロ安息香酸誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0967303A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998007682A1 (fr) * | 1996-08-19 | 1998-02-26 | Ube Industries, Ltd. | Acides trifluorobenzoiques substitues, esters de ces acides et procede de production |
-
1995
- 1995-08-28 JP JP21906995A patent/JPH0967303A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998007682A1 (fr) * | 1996-08-19 | 1998-02-26 | Ube Industries, Ltd. | Acides trifluorobenzoiques substitues, esters de ces acides et procede de production |
US6160171A (en) * | 1996-08-19 | 2000-12-12 | Ube Industries, Ltd. | Trifluoro-substituted benzoic acid, esters thereof, and process for producing the same |
US6307091B1 (en) | 1996-08-19 | 2001-10-23 | Ube Industries, Ltd. | Trifluoro-substituted benzoic acid, esters thereof and processes for preparing the same |
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