JPH0967301A - 新規脂環族オレフィン系化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents

新規脂環族オレフィン系化合物及びそれらの製造方法

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JPH0967301A
JPH0967301A JP22165095A JP22165095A JPH0967301A JP H0967301 A JPH0967301 A JP H0967301A JP 22165095 A JP22165095 A JP 22165095A JP 22165095 A JP22165095 A JP 22165095A JP H0967301 A JPH0967301 A JP H0967301A
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JP
Japan
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compound
formula
hydrocarbon group
acid anhydride
alicyclic olefin
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JP22165095A
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English (en)
Inventor
Takashi Kushida
尚 串田
Shunichi Matsumura
俊一 松村
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルあるいはポリカーボネート系ポ
リマーのモノマーの中間体として有用であり、高重合
度、耐熱性、低複屈折の光学用樹脂を提供する。 【解決手段】 下記式(1−1) (式中R1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素原子または炭
素数1〜6の炭化水素基であり、nは0または1であ
る。)または下記式(1−2) (式中R1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素原子または炭
素数1〜6の炭化水素基であり、R9 は水素原子または
炭素数1〜12の炭化水素基であり、nは0または1で
ある。)で示される新規脂環族オレフィン系化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規脂環族オレフ
ィン系化合物に関し、さらに詳しくは、ポリオレフィン
系ポリマーあるいはポリエステル系ポリマーの原料モノ
マーとして有用な新規脂環族オレフィン系化合物及びそ
れらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多環シクロアルキルオレフィン類は従来
より特開昭57−154133号公報、特開平3−12
8333号公報等に開示されているように、オレフィン
化合物と、シクロペンタジエンもしくはジシクロペンタ
ジエンとのディールス−アルダー反応により製造されて
きた。そしてかかる方法により得られる該オレフィン類
を原料としてできる脂環族のポリオレフィン系ポリマ
ー、ポリエステル系ポリマー等は、塗料、成形用樹脂等
として有用である。
【0003】しかしながらこれらの化合物は、これを構
成するシクロアルキル環が、全て橋かけ構造を有するノ
ルボルナン環あるいはノルボルネン環のみにより構成さ
れており、該化合物を用いて重合体を得る場合、重合
性、耐熱性、成形性、機械特性、光学特性等の諸物性の
多様化を図ることは難しい。
【0004】またかかる化合物をポリエステル原料とし
て用いる場合、橋かけ構造による立体障害のため重合反
応性が低く、より高重合度のポリエステルが望まれてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
合成上及び工業的に有用であり、各種ポリマーの成形
性、諸物性等を改質する原料となる、ノルボルネン骨格
を有する新規脂環族オレフィン系化合物を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、反応原料としてシ
クロヘキセンジカルボン酸無水物を用いることにより
1,1a,4,4a,5,6,7,8−オクタヒドロ−
1,4−メタノナフタレン−6,7−ジカルボン酸誘導
体を合成しうることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明は、下記式(1−1)
【0008】
【化3】
【0009】(式中R1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素
原子または炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは0ま
たは1である。)で示される新規脂環族オレフィン系化
合物である。
【0010】また、本発明は、下記式(1−2)
【0011】
【化4】
【0012】(式中R1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素
原子または炭素数1〜6の炭化水素基であり、R9 は水
素原子または炭素数1〜12の炭化水素基であり、nは
0または1である。)で示される新規脂環族オレフィン
系化合物である。
【0013】以下本発明を詳しく説明する。
【0014】本発明の新規脂肪族オレフィン系化合物
は、下記式(1−1)または(1−2)
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】(式中R1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素
原子または炭素数1〜6の炭化水素基であり、R9 は水
素原子または炭素数1〜12の炭化水素基であり、nは
0または1である。)で示される。
【0018】上記式(1−1)、(1−2)において、
1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1
〜6の炭化水素基であり、かかる炭化水素基としてはメ
チル基、エチル基、プロピル基等が例示できる。好まし
くは水素原子である。
【0019】上記式(1−2)において、R9 は水素原
子または炭素数1〜12の炭化水素基であり、かかる炭
化水素基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1〜1
2のアルキル基が例示できる。
【0020】上記式(1−1)で示される酸無水物は、
適当なシクロヘキセンジカルボン酸無水物と、例えばシ
クロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンとのディ
ールス−アルダー反応により好ましく製造することがで
きる。シクロペンタジエンを用いる場合、シクロヘキセ
ンジカルボン酸無水物誘導体に対してシクロペンタジエ
ンを等モル使用すると、上記式(1−1)においてn=
0に相当する化合物が得られ、2倍モル使用すると、n
=1に相当する化合物となる。ジシクロペンタジエンを
用いる場合には、シクロヘキセンジカルボン酸無水物に
対して0.5倍モル用いるとn=0に相当する化合物が
得られ、等モル用いるとn=1に相当する化合物とな
る。その際の反応温度は、100℃から300℃であ
り、好ましくは200℃から250℃である。
【0021】上記式(1−2)で示される化合物は、上
記方法により得られた上記式(1−1)で表される酸無
水物を触媒存在下、加水分解またはエステル化すること
により好ましく製造できる。
【0022】その際用いる触媒としては、既知の酸触
媒、エステル化触媒を用いることが可能であるが、p−
トルエンスルホン酸が好ましい。
【0023】上記式(1−1)及び(1−2)で表され
る化合物は、上記反応により得られた粗生成物を減圧下
蒸留することにより精製することができる。この際、熱
重合を抑制するために、重合禁止剤を添加して用いても
よい。
【0024】
【発明の効果】本発明の脂環族オレフィン系化合物は、
ポリオレフィン系樹脂、塗料等の原料として有用な新規
化合物であり、重合性、耐熱性、成形性、機械特性、光
学特性等の諸特性を向上させたり改質することができ
る。また、該化合物は、ポリエステルあるいはポリカー
ボネート系ポリマーのモノマーの中間体として有用であ
り、高重合度、耐熱性、低複屈折の光学用樹脂を得るこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述するが、本発
明はこれに限定されるものではない。なお実施例中、
「部」は「重量部」を意味する。
【0026】核磁気共鳴スペルトル( 1H−NMR)
は、日本電子(株)製 JNM−EX270を用い、T
MS基準、CDCl3 溶媒により測定した。
【0027】赤外吸収スペクトルは、(株)島津製作所
製 島津赤外分光光度計IR−470により測定した。
【0028】以下実施例に示す化合物は上記核磁気共鳴
スペクトル、赤外吸収スペクトルの他、マススペクトル
等を用いて同定した。
【0029】[実施例1]1−シクロヘキセン−4,5
−ジカルボン酸無水物200部とジシクロペンタジエン
100部をオートクレーブ中、240℃で2.5時間反
応させ、粗生成物を得た。この粗生成物から、反応物を
減圧蒸留により単離精製し、174℃/1.5mmHg
で1,1a,4,4a,5,6,7,8−オクタヒドロ
−1,4−メタノナフタレン−6,7−ジカルボン酸無
水物を収率70%で得た。この化合物は下記式(3)及
び(4)の2種の異性体から成り、その比は大略75対
25であった。
【0030】
【化7】
【0031】かかる化合物の赤外吸収スペクトルのチャ
ートを図1に示した。また、核磁気共鳴スペクトルのケ
ミカルシフトを次に示す。
【0032】 上記式(3)で表される化合物 ・1.10ppm (m,2H) ・1.26ppm (br.d,1H) ・1.49ppm (d,t,1H) ・1.95ppm (m,2H) ・2.12ppm (d,t,2H) ・2.82ppm (br.s,2H) ・3.24ppm (t,2H) ・6.15ppm (t,2H) 上記式(4)で表される化合物 ・0.93ppm (m,2H) ・1.36ppm (d,1H) ・1.59ppm (d,1H) ・2.05〜2.20ppm(m,4H ) ・2.83ppm (br.s,2H)・3.03ppm (m,2H) ・6.12ppm (br.s,2H)
【0033】[実施例2]実施例1の粗成生物から、減
圧蒸留により下記式(5)の化合物を収率8%で得た。
かかる化合物の赤外吸収スペクトルのチャートを図1に
示した。
【0034】
【化8】
【0035】[実施例3]実施例1で得た1,1a,
4,4a,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,4−メ
タノナフタレン−6,7−ジカルボン酸無水物70部を
メタノール80部に溶解し、p−トルエンスルホン酸
1.4部をくわえて20時間環流した。
【0036】反応物を減圧蒸留し、147〜148℃/
0.5mmHgで1,1a,4,4a,5,6,7,8
−オクタヒドロ−1,4−メタノナフタレン−6,7−
ジカルボン酸ジメチルを収率90%で得た。この化合物
は下記式(6)と(7)の2種の異性体から成り、その
比は大略75対25であった。
【0037】
【化9】
【0038】(式中、Meはメチル基を表す。)かかる
化合物の赤外吸収スペクトルのチャートを図2に示し
た。また、核磁気共鳴スペクトルのケミカルシフトを次
に示す。
【0039】 上記式(6)で表される化合物 ・1.13ppm (m,2H) ・1.35ppm (d,d,d,2H ) ・2.08ppm (m,2H) ・2.21ppm (m,2H) ・2.76ppm (br.s,2H)・2.87ppm (t,2H) ・3.66ppm (m,6H) ・6.17ppm (t,2H) 上記式(7)で表される化合物 ・1.11ppm (m,2H) ・1.40ppm (m,2H) ・1.87ppm (m,2H) ・2.02ppm (m,2H) ・2.80ppm (m,4H) ・3.64ppm (m,6H) ・6.12ppm (t,2H)
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び実施例2で製造した化合物(上記
式(3)〜(5)で表される化合物)の赤外吸収スペク
トルのチャートを示す。
【図2】実施例3で製造した化合物(上記式(6)、
(7)で表される化合物)の赤外吸収スペクトルのチャ
ートを示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1−1) 【化1】 (式中R1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素原子または炭
    素数1〜6の炭化水素基であり、nは0または1であ
    る。)で示される新規脂環族オレフィン系化合物。
  2. 【請求項2】 シクロヘキセンジカルボン酸無水物誘導
    体とシクロペンタジエンもしくはジシクロペンタジエン
    とを加熱反応させることを特徴とする上記式(1−1)
    で表される新規脂環族オレフィン系化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記式(1−2) 【化2】 (式中R1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素原子または炭
    素数1〜6の炭化水素基であり、R9 は水素原子または
    炭素数1〜12の炭化水素基であり、nは0または1で
    ある。)で示される新規脂環族オレフィン系化合物。
  4. 【請求項4】 上記式(1−1)で表される化合物を加
    水分解またはエステル化することを特徴とする上記式
    (1−2)で表される新規脂環族オレフィン系化合物の
    製造方法。
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