JPH0966284A - 重金属含有溶液の処理方法及びその処理装置 - Google Patents

重金属含有溶液の処理方法及びその処理装置

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JPH0966284A
JPH0966284A JP22625295A JP22625295A JPH0966284A JP H0966284 A JPH0966284 A JP H0966284A JP 22625295 A JP22625295 A JP 22625295A JP 22625295 A JP22625295 A JP 22625295A JP H0966284 A JPH0966284 A JP H0966284A
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JP
Japan
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metal
heavy metal
water
aqueous solution
heavy
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Application number
JP22625295A
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English (en)
Inventor
Masao Kushimoto
眞夫 久志本
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Miyama Inc
Original Assignee
Miyama Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒ素等の両性酸化物を形成する重金属を含有
する水溶液中から前記重金属を容易に除去し得る処理方
法を提供する。 【解決手段】 ヒ素等の両性酸化物を形成する重金属を
含有する水溶液中から前記重金属を除去するに際し、該
重金属を含有する水溶液を、鉄、亜鉛、又は銅から成る
金属充填材が充填され且つ陽極電極14が挿入された充
填層12を通過せしめると共に、充填層12に挿入され
た陽極電極14と充填層12外に設けられた陰極電極1
6との間に直流電流を印加することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重金属含有溶液の処
理方法及びその処理装置に関し、更に詳細には重金属を
含有する水溶液中から前記重金属を除去する重金属含有
溶液の処理方法及びその処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】排水中の重金属を除去する処理方法とし
ては、重金属を含有する排水に第二鉄イオンやアルミニ
ウムイオンを添加すると共に、排水のpH値を調整する
ことによって、重金属の水酸化物を水酸化第二鉄や水酸
化アルミニウムと共沈させて除去する処理方法、或いは
排水中の重金属を水に難溶性である硫化物とし、水酸化
第二鉄や水酸化アルミニウムと共沈させて除去する凝集
沈殿処理方法が知られている。ところで、最近、水質汚
濁防止法の排水基準が改正され、河川に排水可能の重金
属含有量の基準、特に水質汚濁防止法第2条第2項第1
号で「人の健康に係わる被害を生じるおそれがある物質
(有害物質)」として規制されている有害重金属の排水
基準が厳しくなり、従来の基準では河川に排水可能であ
った低濃度の重金属含有溶液からも重金属を除去するこ
とが必要となった。しかしながら、前述した従来の処理
方法では、重金属含有量を0.1mg/リットル以下の
低濃度にまで処理せんとする場合、含有重金属の不溶化
反応に長時間を要すると共に、不溶化反応によって数μ
〜1μ以下の微粒子が生成するため、生成した微粒子の
除去に鉄イオンやアルミニウムイオンを含む凝集助剤を
大量に必要とする。このため、既設の排水処理設備にお
いて、沈殿槽及び脱水機等の大型化や精密濾過機の追加
設置が避けられなくなってきた。また、かかる従来の処
理方法では、ヒ素等の両性酸化物を形成する重金属が含
有されている場合、ヒ素等の両性酸化物を形成する重金
属の溶液中における形態が不明であるため、その除去が
極めて困難であった。
【0003】一方、微量な重金属を含有溶液から除去す
る方法としては、重金属処理剤を添加した後、水酸化ア
ルミニウム又は水酸化鉄を加える処理方法(特開昭63
−294986号公報)、イオン交換基を有する化合物
を担体に付着含浸させた吸着剤やイオン交換樹脂によっ
て重金属を除去する処理方法(特開昭51−6885号
公報)が提案されている。また、ヒ素等の両性酸化物を
形成する重金属が微量含有されている溶液から重金属を
除去する処理方法についても、溶液中の溶存酸素を除去
した後、硫化鉄と接触させてヒ素を除去する処理方法
(特開昭51−25475号公報)、硫化鉄微粒子を添
加してヒ素等の重金属を硫化物として除去する処理方法
(特開昭60−227881号公報)、ヒ素を含有する
熱水中に、電解した鉄イオンを添加した後、電解したア
ルミニウムイオンを添加する処理方法(特開昭54−1
13952号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる処理方法によれ
ば、微量の重金属が含有されている水溶液から重金属を
除去することができ、或いはヒ素等の両性酸化物を形成
する重金属も除去可能とされている。しかしながら、重
金属処理剤を添加する処理方法では、高価な重金属処理
剤を添加した後に水酸化アルミニウム又は水酸化鉄を添
加することを要し、操作が煩雑となると共に、ヒ素、
鉛、或いはセレン等の両性酸化物を形成する重金属に関
しては、重金属含有量を0.1mg/リットル以下とす
ることは至難のことである。一方、イオン交換樹脂やキ
レート樹脂による処理方法では、一のイオン交換樹脂や
キレート樹脂で処理可能の重金属の種類が少なく、例え
処理する重金属に適合したイオン交換樹脂やキレート樹
脂を選択しても、重金属含有量が低濃度で安定している
溶液に対しては適しているが、重金属濃度が変動する溶
液の処理には不適当である。更に、イオン交換樹脂やキ
レート樹脂は、その吸着容量が限られているため、重金
属含有量が高濃度の場合には、含有重金属の吸着量が不
充分となり、再生頻度も多く且つ再生液の処理も必要と
なる。しかも、両性酸化物を形成する重金属を処理でき
るイオン交換樹脂やキレート樹脂は極めて少ない。ま
た、ヒ素等の両性酸化物を形成する重金属が含有されて
いる溶液から重金属を除去する凝集沈殿処理方法につい
ても、常に凝集不良に因る失敗が付きまとううえに、生
成スラッジ量が多くなり、その最終処分が問題化してい
る。
【0005】この様に、微量の重金属が含有されている
水溶液、或いはヒ素等の両性酸化物を形成する重金属を
含有する重金属含有溶液から重金属を除去する従来の処
理方法には、様々な問題があり、工業的に到底採用でき
ないものであった。そこで、本発明の課題は、微量の重
金属が含有されている水溶液、或いはヒ素等の両性酸化
物を形成する重金属を含有するから重金属を容易に除去
し得る処理方法及びその処理装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく種々検討した結果、鉄製の金属粒を充填し
た充填層に、ヒ素含有水溶液を流下しつつ直流電流を印
加することによって、微量のヒ素も容易に除去できるこ
とを知り、本発明に到達した。すなわち、本発明は、重
金属を含有する水溶液中から前記重金属を除去するに際
し、該重金属を含有する水溶液を、前記水溶液中に含有
されている重金属と反応して水に対して難溶解性の化合
物を生成する金属、又は水と反応して加水分解する際
に、前記重金属を取り込み難溶解性の水酸化物を生成す
る金属から成る金属充填材が充填され且つ電極の一方が
挿入された充填層を通過せしめると共に、前記充填層に
挿入された電極と充填層外に設けられた他方の電極との
間に直流電流を印加することを特徴とする重金属含有溶
液の処理方法にある。或いは、本発明は、重金属を含有
する水溶液中から前記重金属を除去するに際し、該重金
属を含有する水溶液を、前記水溶液中に含有されている
重金属と反応して水に対して難溶解性の化合物を生成す
る金属、又は水と反応して加水分解する際に、前記重金
属を取り込み難溶解性の水酸化物を生成する金属から成
る金属充填材であって、金属充填材間に局部電池が発生
し得るように、イオン化傾向を異にする金属から成る少
なくとも二種の金属充填材を混合して充填した充填層を
通過せしめることを特徴とする重金属含有溶液の処理方
法でもある。
【0007】また、本発明は、重金属を含有する水溶液
中から前記重金属を除去する重金属含有溶液の処理装置
において、該水溶液中に含有されている重金属と反応し
て水に対して難溶解性の化合物を生成する金属、又は水
と反応して加水分解する際に、前記重金属を取り込み難
溶解性の水酸化物を生成する金属から成る金属充填材が
充填された充填層と、前記充填層に挿入された電極の一
方と充填層外に設けられた他方の電極とに直流電流を印
加する電源と、前記充填層に重金属含有水溶液を供給す
る水溶液供給装置とが設けられていることを特徴とする
重金属含有溶液の処理装置にある。或いは、本発明は、
重金属を含有する水溶液中から前記重金属を除去する重
金属含有溶液の処理装置において、該水溶液中に含有さ
れている重金属と反応して水に対して難溶解性の化合物
を生成する金属、又は水と反応して加水分解する際に、
前記重金属を取り込み難溶解性の水酸化物を生成する金
属から成る金属充填材であって、金属充填材間に局部電
池が発生し得るように、イオン化傾向を異にする金属か
ら成る少なくとも二種の金属充填材を混合して充填した
充填層と、前記充填層に重金属含有水溶液を供給する水
溶液供給装置とを具備することを特徴とする重金属含有
溶液の処理装置でもある。
【0008】かかる構成を有する本発明において、充填
層を鉄、亜鉛、又は銅から成る金属充填材、或いはこれ
ら金属充填材の混合物によって形成すると共に、充填層
に挿入された電極を陽極電極とすることにより、両性酸
化物を形成する重金属を容易に除去可能である。また、
金属充填材間に局部電池が発生するように、イオン化傾
向を異にする金属から成る少なくとも二種の金属充填材
の各々を、鉄、亜鉛、又は銅から成る金属充填材とする
ことによって、直流電流を使用することなく両性酸化物
を形成する重金属を容易に除去できる。尚、本発明にお
いて言う「重金属」とは、比重が4以上の金属、及びそ
の化合物を言う。
【0009】本発明において、水溶液中に含有されてい
る重金属を容易に除去できる詳細な理由は不明である
が、以下の様に考えることができる。つまり、本発明で
は、重金属含有の水溶液(以下、被処理液と称すること
がある)を直流電流が印加された充填層内又は局部電池
が発生している充填層内を通過させるため、被処理液は
充填層の金属充填材間を層流状態で通過し、その間に、
除去対象である重金属のイオンや重金属を含むクラスタ
ーイオンが充填層内で生成する。一方、金属充填材表面
からは重金属と反応して水に対して難溶解性の化合物を
生成又は水と反応して水に対して難溶解性の水酸化物を
生成する金属イオンが溶出するため、金属充填材表面に
金属イオンの濃度二重層を形成するものと推察される。
かかる濃度二重層内では、金属充填材表面から溶出した
金属イオンと重金属イオンとが反応して水に対して難溶
解性の化合物を生成、或いは金属充填材表面から溶出し
た金属イオンが水と反応して加水分解する際に、重金属
を含むクラスターイオンを取り込み、難溶解性の水酸化
物を生成する。生成した難溶解性の化合物や水酸化物
は、充填層から流出した処理水に濾過等の分離操作を施
すことによって、処理水から容易に分離できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、重金属を含有
する水溶液を、水溶液中に含有されている重金属と反応
して水に対して難溶解性の化合物を生成する金属充填
材、又は水と反応して加水分解する際に、重金属を取り
込み難溶解性の水酸化物を生成する金属から成る金属充
填材が充填された充填層を通過させつつ、充填層に挿入
した電極と充填層外に設けた他方の電極との間に直流電
流を印加する。ここで、水溶液中に含有されている重金
属と反応して水に対して難溶解性の化合物を生成する金
属から成る金属充填材としては、除去対象の重金属によ
って異なるが、両性酸化物を形成するヒ素やセレンにつ
いて説明する。ヒ素やセレンの両性酸化物は、酸化物の
種類によって水に対する溶解度が異なる。例えば、ヒ素
の場合には、ヒ酸化合物は水に対する溶解度が低く、亜
ヒ酸化合物は水に対する溶解度が高い。また、セレンの
場合には、セレン酸化合物は水に対する溶解度が高く、
亜セレン酸化合物は水に対する溶解度が低い。この点、
本発明において、被処理液中にヒ素が含有されている場
合には、充填層に挿入した電極を陽極電極とし、陰極電
極との間に直流電流を印加することによって、充填層を
酸化雰囲気領域とすることができ、充填層に入る亜ヒ酸
をヒ酸とすることができる。この場合、陰極電極を、充
填層への被処理液の流入側又は流出側のいずれ側に設け
てもよい。他方、被処理液中にセレン化合物が含有され
ている場合には、先ず、被処理液を陰極電極近傍の還元
雰囲気領域を通過させ、被処理液中のセレン酸を亜セレ
ン酸とした後、陽極電極が挿入された充填層を通過させ
ることが好ましい。このため、ヒ素が除去対象の重金属
の場合には、ヒ酸と反応して水に対して難溶解性のヒ酸
化合物を生成する鉄、銅、コバルト、水銀、亜鉛、又は
ランタン等のランタノイド系金属から成る金属充填材を
使用でき、セレンが除去対象の重金属の場合には、亜セ
レン酸と反応して水に対して難溶解性の亜セレン酸化合
物を生成する鉄、セリウム、チタン、又はランタン等の
ランタノイド系金属から成る金属充填材を使用できる。
尚、被処理液中に含有されているセレンを除去せんとす
る場合には、陽極電極における酸化電位を制御すべく、
定電圧電源を用いることが好ましい。
【0011】また、水と反応して加水分解する際に、重
金属を取り込み難溶解性の水酸化物を生成する金属から
成る金属充填材としては、鉄、亜鉛、クロム、ベリリウ
ム、又はランタン等のランタノイド系金属から成る金属
充填材を使用できる。かかる金属充填材を使用した場合
には、ホウフッカ鉛[Pb(BF4)2]を含有する被処理水を陽
極電極が挿入された充填層を通過させることによって、
鉛イオン(Pb +2) を除去できる。その理由は、金属充填
材表面から溶出した金属イオンが水と反応して加水分解
する際に、鉛イオン(Pb +2) を含むクラスターイオンを
取り込み、難溶解性の水酸化物を生成するためと考えら
れる。かかる金属から成る金属充填材としては、二次処
理の容易さ、入手容易さ、或いは価格等の観点からも考
えると、鉄、銅、又は亜鉛から成る金属処理材を好適に
使用できる。尚、鉄、銅、又は亜鉛から成る金属充填材
を充填した充填層では、ヒ素やセレンと同様に両性酸化
物である酸化鉛も除去可能である。
【0012】この様な、金属充填材から成る充填層は、
図1に示す様に、カラム10の途中に形成されている。
この充填層12には、陽極電極14が挿入されており、
充填層12の上方(被処理液の供給側)には陰極電極1
6が設けられている。かかる図1に示す装置によれば、
被処理液中にヒ素及び/又はセレンが含有されていても
除去可能である。この充填層12としては、カラム10
の上方から供給され、陰極電極16によって形成された
還元雰囲気領域を通過した被処理水が、金属充填材表面
に層流状態で接触しつつ通過できる間隙が金属充填材間
に形成されていればよく、金属充填材が粒状充填材、多
孔質充填材、網状充填材であってもよい。また、かかる
充填層12中に挿入された陽極電極14としては、カー
ボン製の電極、0.1〜5mm(好ましくは0.3〜
1.5mm)の間隔で複数枚の金属板を層状に積層した
電極、或いは複数枚の金網を積層した電極を使用でき
る。本発明において、印加する直流電流は、被処理液の
電導度、含有溶質の種類や濃度、或いは使用する電極の
材質等によって異なるため、処理する被処理液ごとに適
宜変更することが好ましい。但し、採用し得る直流電流
の印加条件は、電極14、16間の電圧が10〜50V
で且つ電流密度が0.01〜8A/dm2 (好ましくは1
〜3A/dm2 )の範囲内となるように調整することが好
ましい。ここで、被処理水の電導度が低い場合には、硫
酸塩や食塩等の電解質を添加してもよい。かかる範囲の
直流電流の印加によれば、陰極電極16おいて水素の生
成がごくわずか認められるが、何等の危険も認められな
い程度である。更に、被処理液の処理速度は、金属充填
材の空間率、除去対象の重金属の種類、或いは除去率等
によって異なるが、空間速度5〜30m3/m3/Hr(線速度
1.5〜9m3/m2/Hr)程度とすることが好ましい。尚、
天然の地下水や河川水等の汚染処理の様に、被処理液の
電導度が低く且つ硫酸塩や食塩等の電解質を添加するこ
とが困難な場合には、前述した直流電流の印加条件から
外れることがあるが、陰極電極16おいて水素の生成が
ごくわずか認められる程度の電圧及び電流密度とするよ
うに調整することによって、天然の地下水等に含有され
ている重金属を除去できる。
【0013】本発明において、ヒ素等の両性金属を含む
重金属を容易に除去できる理由は、下記のように推察さ
れる。つまり、前述した金属から成る金属充填材が充填
された充填層12に挿入された陽極電極14と陰極電極
16との間に直流電流を印加した状態で、重金属を含有
する処理水を通過させる。かかる直流電流の印加によっ
て、除去対象である重金属のイオンや重金属を含むクラ
スターイオンが金属充填材表面近傍に集まり、金属充填
材表面からは金属イオンが溶出するため、金属充填材表
面に濃度二重層が形成される。この濃度二重層内では、
金属充填材表面から溶出した金属イオンと除去対象であ
る重金属イオンとが反応して水に対して難溶解性の化合
物を生成、或いは金属充填材表面から溶出した金属イオ
ンが水と反応して加水分解する際に、重金属を含むクラ
スターイオンを取り込み、難溶解性の水酸化物を生成す
る。これら難溶解性の化合物や水酸化物等の固形分は、
充填層12から流出してカラム10の下面から抜出配管
18によって抜き出された処理液に濾過等の分離操作を
施すことによって、処理水から容易に分離できる。尚、
処理水中の固形分を除去する際に、沈殿分離法を採用す
る場合には、生成した沈殿物と処理液とを再接触させる
ことによって、固形分の沈殿を促進させる汚泥循環方法
を採用することが好ましい。
【0014】特に、図1に示す様に、充填層12に挿入
した電極を陽極電極14と、充填層12の上方に設けた
陰極電極16との間に、直流電流を印加することによっ
て、陰極電極16近傍の還元雰囲気領域を通過した被処
理液が、酸化雰囲気領域である充填層12を通過する。
陰極電極16と陽極電極14との間の電位差を調整する
ことによって、陰極電極16近傍の還元雰囲気領域を通
過して還元された重金属酸化物を、充填層12内で酸化
させることなく通過させ、充填層12を形成する金属充
填材の表面から溶出した金属イオンと反応させることが
できる。勿論、陰極電極16と陽極電極14との間の電
位差によれば、陰極電極16近傍の還元雰囲気領域を通
過して還元された重金属酸化物を、充填層12内で酸化
させることも可能である。このため、充填層12内で両
性酸化物を形成する重金属酸化物を所定の形態とするこ
とができる。例えば、被処理水中にヒ素が存在する場合
には、充填層を通過する亜ヒ酸をヒ酸に変換しつつ金属
充填材の表面から溶出した金属イオンと反応させること
ができ、被処理水中にセレンが存在する場合には、陰極
電極16近傍の還元雰囲気領域でセレン酸を亜セレン酸
に還元してから充填層を通過させつつ金属充填材の表面
から溶出した金属イオンと反応させることができる。従
って、被処理水中の除去すべき、両性酸化物を形成する
重金属の酸化形態を確実に推定でき、かかる形態の重金
属酸化物と反応し又は取り込んで水に不溶性で且つ安定
な化合物を形成し得る金属を容易に選択できる結果、微
量の両性酸化物を形成する重金属が含有される被処理水
からも、確実に被処理水中の重金属を除去できるのであ
る。また、図1に示す処理方法では、電極14、16間
に印加する直流電流が、陰極電極16で水素の生成がご
くわずか認められる程度の低電流で済むため、被処理水
のpH値調整を行う等の前処理を不要とすることがで
き、処理水のpH値調整も不要にできるため、処理水を
そのまま河川等に放流することができる。このため、図
1に示す処理装置は、既設の排水処理装置の二次処理装
置として設置できる。
【0015】図1では、カラム10の上方から被処理水
を供給し、充填層12を自然流下させることによって処
理する処理装置を示したが、図2には被処理水を溜める
溜タンク30からポンプ32によって、底面から強制的
にカラム20内に被処理水を供給して処理する処理装置
を示す。図2において、カラム20の途中に形成された
充填層22に陽極電極24が挿入され、充填層22の下
方に陰極電極26が設けられている。かかる処理装置で
は、カラム20の底面から供給された被処理水は、充填
層22を通過しつつ重金属が水に難溶解性の化合物等と
なり、処理水と共にカラム20の上面から抜出配管18
によって抜き出される。この図2に示す処理装置では、
カラム20が密閉系であるため、陰極電極26で発生し
た水素等のガスを、充填層22の上面近傍に設けたガス
抜出管34によって、被処理水の一部と共に溜タンク3
0内に抜き出す。
【0016】図1及び図2において、電極間の電流量が
低下する場合、電極の極性を時々逆にすることによっ
て、電極間の電流量を回復させることができる。電極間
にできた金属イオン等の濃度分極を、電極の極性を逆に
することによって破壊できるためである。また、本発明
において、充填層12、22を形成する金属充填材とし
て、鉄材を使用した場合には、被処理水中に6価クロム
が含有されていても、還元して無害の3価クロムとする
ことができる。尚、図1及び図2においては、被処理液
を陰極電極16、26の近傍を通過させた後、陽極電極
14、24が挿入されている充填層12、22を通過さ
せているが、除去対象の重金属によっては、被処理液を
陽極電極14、24が挿入されている充填層12、22
を通過させた後、陰極電極16、26の近傍を通過させ
るようにしてもよく、陰極電極16、22を充填層1
2、22に挿入すると共に、充填層12、22外に陽極
電極14、24を設けてもよい。
【0017】以上、述べてきた図1及び図2では、充填
層12、22に陽極電極14、24を挿入し、陰極電極
16、26との間に直流電流を印加していたが、充填層
を形成する金属充填材間に局部電池を発生させることに
よって、直流電流を印加することなく重金属を除去でき
る。かかる局部電池を金属充填材間に発生させるために
は、充填層を形成する金属充填材として、被処理水に含
有されている重金属と反応して水に対して難溶解性の化
合物を生成する金属、又は水と反応して加水分解する際
に、重金属を取り込み難溶解性の水酸化物を生成する金
属から成る金属充填材であって、イオン化傾向を異にす
る金属から成る少なくとも二種の金属充填材を混合した
混合金属充填材を用いることによって可能である。この
場合にも、被処理水に含有されている重金属が、ヒ素、
セレン、鉛等の両性酸化物を形成する重金属のとき、イ
オン化傾向を異にする金属から成る少なくとも二種の金
属充填材の各々を、鉄、亜鉛、又は銅から成る金属充填
材とすることによって、両性酸化物の除去が可能であ
る。
【0018】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明す
る。 実施例1 (1)処理装置 本実施例では、図1に示す処理装置を使用した。図1に
おいて、金属充填材としては、粒径1〜2mmの鉄粒を
使用した。この鉄粒は、脱脂洗浄してからカラム10に
充填し、陽極電極14が挿入された充填層12を形成し
た。更に、この充填層12を0.1Nの塩酸で洗浄し、
金属充填材の表面に親水性を付与した後、水洗水のpH
値が6以上となるまで流水洗浄を行った。尚、陰極電極
16は、充填層12の上方で被処理水の供給側に設け
た。 (2)処理条件 カルシウム塩(カルシウムとして1500mg/リット
ル)が含有され、ヒ素2mg/リットルを含む温泉水
に、亜ヒ酸(ヒ素換算2.6mg/リットル)とヒ酸
(ヒ素換算3.9mg/リットル)とを添加した被処理
水を作成した。被処理水中のヒ素化合物は、ヒ素換算で
8.5mg/リットルである。この被処理水を、図1に
示すカラム10の上面から供給しつつ、下記に示す表1
の運転条件下で処理した。 表1 陽極電極14 カーボン製 陰極電極16 カーボン製 電極間電圧 DC 35V 電流密度 1.5〜3A/dm2(陰極電極16
で若干の水素発生が認められる) 空間速度 30 m3/m3/Hr 線 速度 9m3/m2/Hr 注)電流密度;電流/カラム10の断面積 (3)結果 カラム10の底面から抜出配管18を介して抜き出した
処理水は、抜き出し直後は淡黄色透明であったが、やが
て茶色の沈殿を生じる。かかる沈殿は、水酸化第二鉄で
あって、沈殿を含む処理水を、No-5A の濾紙で濾過した
後、濾液中のヒ素量をJIS−102に準拠して分析し
た結果、0.01mg/リットル以下であった。また、
濾紙で濾過された固形物量は、30mg/リットルであ
った。
【0019】比較例1 実施例1で使用した被処理水を、従来のヒ酸鉄法で処理
した。先ず、被処理水250ミリリットルに次亜塩素酸
ソーダ1ミリリットルを加えて20分間攪拌しつつ酸化
反応させた。次いで、塩鉄を0.08ミリリットル(ヒ
素と鉄との混合比を表すヒ鉄比;10)を加え、60分
間攪拌反応させた後、消石灰乳を加えアルカリ性として
更に30分間攪拌反応させて最終pH値を11.1とし
た。その後、高分子凝集剤を加え、生じた沈殿を濾紙(N
o-5A) によって濾過して得た濾液中のヒ素量は、0.1
2mg/リットルであり、濾紙で濾過された固形物量は
840mg/リットルであった。
【0020】実施例2 ガラス研磨廃液に凝集沈殿処理を施した、1.5mg/
リットルの鉛を含有する処理水を被処理水として用い、
図1に示す処理装置を使用して下記に示す表2の運転条
件下で処理した。 表2 陽極電極14 カーボン製 陰極電極16 カーボン製 金属充填材 鉄粒(粒径 1〜2mm) 電極間電圧 DC 25〜35V 電流密度 2.7〜5.4A/dm2 (陰極電極1
6で若干の水素発生が認められる) 空間速度 15 m3/m3/Hr 線 速度 4.5m3/m2/Hr カラム10の底面から抜出配管18を介して抜き出した
処理水は、抜き出し直後は透明であったが、やがて茶色
の沈殿を生じる。かかる沈殿は、水酸化第二鉄であっ
て、沈殿を含む処理水を、No-5A の濾紙で濾過した後、
濾液中の鉛量を分析した結果、0.02mg/リットル
以下であった。
【0021】実施例3 被処理水として、めっき工場廃液に亜ヒ酸(ヒ素換算1
7.6mg/リットル)とヒ酸(ヒ素換算26.1mg
/リットル)とを添加した、pH値が7.6の合成廃液
を使用した。この合成廃液中には、ヒ素43.7mg/
リットル、鉛17mg/リットル、及び銅18mg/リ
ットルが含有されている。かかる合成廃液を、実施例1
と同様にして処理し、カラム10の底面から抜出配管1
8を介して処理水を抜き出した。抜き出した沈殿を含む
処理水を、No-5A の濾紙で濾過した後、濾液中の重金属
量を分析した結果、ヒ素0.07mg/リットル、鉛
0.02mg/リットル以下、銅0.3mg/リットル
であった。また、濾紙で濾過された固形物量は、230
mg/リットルであった。
【0022】実施例4 鉛8mg/リットルを含有する、はんだめっき水洗液
(pH値が7.9)を被処理水として用い、実施例1と
同様に処理してカラム10の底面から抜出配管18を介
して処理水を抜き出した。抜き出した沈殿を含む処理水
を、No-5A の濾紙で濾過した後、濾液中の鉛量を分析し
た結果、0.02mg/リットル以下であった。
【0023】実施例5 アルミニウム400mg/リットルとセレン80mg/
リットルとを含むセレン含有廃液(pH値10)を、中
和してpH値を6.5とした水溶液を被処理水として用
い、実施例1と同様に処理してカラム10の底面から抜
出配管18を介して処理水を抜き出した。抜き出した沈
殿を含む処理水を、No-5A の濾紙で濾過した後、濾液中
のセレン量を分析した結果、0.01mg/リットル以
下であった。
【0024】実施例6 多価アルコール(COD値;15000〜20000)
と、鉛110mg/リットルとを含むガラス表面洗浄水
を被処理水として用い、図1に示す処理装置を使用して
下記に示す表3の運転条件下で処理した。 表3 陽極電極14 カーボン製 陰極電極16 カーボン製 金属充填材 鉄粒(粒径 1〜2mm) 電極間電圧 DC 30〜35V 電流密度 2.7〜5.4A/dm2 (陰極電極1
6で若干の水素発生が認められる) 空間速度 10 m3/m3/Hr 線 速度 3m3/m2/Hr カラム10の底面から抜出配管18を介して抜き出し
た、沈殿を含む処理水をNo-5A の濾紙で濾過した後、濾
液中の鉛量を分析した結果、0.1mg/リットル以下
であった。他方、このガラス表面洗浄水に、ポリ塩化ア
ルミニウムを主成分とする凝集材(商品名;パック)を
用いて二段凝集沈殿処理を行った。かかる凝集沈殿処理
を行った処理液の上澄液には、鉛0.96mg/リット
ルが含有されていた。
【0025】実施例7 代表径が0.8〜1.6mmの鉄粒と代表径が0.6〜
1.2mmの銅粒とを重量比2:1で混合して得た混合
金属粒を、1Nの塩酸で洗浄して親水性を付与した後、
洗浄水のpH値が6以上となるまで流水洗浄した。この
混合金属粒の10gを、直径10mmのガラムに充填し
て充填層を形成した。また、被処理水として、セレン含
有廃液にヒ素と鉛とを添加し、pH値を6.7に調整し
た合成廃液を作成した(合成廃液中の重金属含有量:ヒ
素2.2mg/リットル、セレン57mg/リットル、
鉛17mg/リットル)。次いで、混合金属粒を充填し
て形成した充填層の上方に、合成廃液から成る被処理水
を100ミリリットル/Hrの割合で供給し、充填層の
下方から処理水を抜き出した。かかる処理の際に、充填
層等に電極を挿入することなく、且つ直流電流を充填層
等に印加することもなかった。得られた処理水に含有さ
れている重金属を分析した結果、ヒ素0.02mg/リ
ットル以下、セレン6.2mg/リットル、鉛0.44
mg/リットル、銅0.15mg/リットルであった。
【0026】実施例8 実施例7において、充填層中に挿入した陽極電極と充填
層の上方に設けた陰極電極との間に、直流電流11〜2
0mAを印加した他は、実施例7と同様に被処理水を処
理した。得られた処理水に含有されている重金属を分析
した結果、ヒ素0.01mg/リットル以下、セレン
0.01mg/リットル以下、鉛0.01mg/リット
ル以下、銅2.3mg/リットルであった。
【0027】比較例2 代表径が0.8〜1.6mmの鉄粒を、1Nの塩酸で洗
浄して親水性を付与した後、洗浄水のpH値が6以上と
なるまで流水洗浄した。この鉄粒の10gを、直径10
mmのガラムに充填して充填層を形成した。また、被処
理水として、セレン含有廃液にヒ素と鉛とを添加し、p
H値を6.7に調整した合成廃液を作成した(合成廃液
中の重金属含有量:ヒ素1.4mg/リットル、セレン
460mg/リットル、鉛6.9mg/リットル)。次
いで、混合金属粒を充填して形成した充填層の上方に、
合成廃液から成る被処理水を100ミリリットル/Hr
の割合で供給し、充填層の下方から処理水を抜き出し
た。得られた処理水に含有されている重金属量は、ヒ素
0.29mg/リットル、セレン160mg/リット
ル、鉛0.026mg/リットルであった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、水質汚濁防止法第2条
第2項第1号で「人の健康に係わる被害を生じるおそれ
がある物質(有害物質)」として規制されている有害重
金属を容易に除去することができ、特に、従来の処理方
法では除去が困難であった、ヒ素、セレン、鉛等の両性
酸化物を形成する重金属、或いは微量の重金属を廃水中
から容易に除去できる。このため、水質汚濁防止法の排
水基準が改正され、河川に排水可能の重金属含有量の基
準が厳しくなっても、処理水中の重金属量を容易に排水
基準以下とすることができる。しかも、本発明の処理装
置は、簡単で且つ小型であるため、既設の排水処理設備
に容易に付け加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の一例を説明するための
略線図である。
【図2】本発明に係る処理装置の他の例を説明するため
の略線図である。
【符号の説明】
10、20 ガラム 12、22 充填層 14、24 陽極電極 16、26 陰極電極 18、28 抜出配管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】実施例7 代表径が0.8〜1.6mmの鉄粒と代表径が0.6〜
1.2mmの銅粒とを重量比2:1で混合して得た混合
金属粒を、1Nの塩酸で洗浄して親水性を付与した後、
洗浄水のpH値が6以上となるまで流水洗浄した。この
混合金属粒の10gを、直径10mmのカラムに充填し
て充填層を形成した。また、被処理水として、セレン含
有廃液にヒ素と鉛とを添加し、pH値を6.7に調整し
た合成廃液を作成した(合成廃液中の重金属含有量:ヒ
素2.2mg/リットル、セレン57mg/リットル、
鉛17mg/リットル)。次いで、混合金属粒を充填し
て形成した充填層の上方に、合成廃液から成る被処理水
を100ミリリットル/Hrの割合で供給し、充填層の
下方から処理水を抜き出した。かかる処理の際に、充填
層等に電極を挿入することなく、且つ直流電流を充填層
等に印加することもなかった。得られた処理水に含有さ
れている重金属を分析した結果、ヒ素0.02mg/リ
ットル以下、セレン6.2mg/リットル、鉛0.44
mg/リットル、銅0.15mg/リットルであった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】比較例2 代表径が0.8〜1.6mmの鉄粒を、1Nの塩酸で洗
浄して親水性を付与した後、洗浄水のpH値が6以上と
なるまで流水洗浄した。この鉄粒の10gを、直径10
mmのカラムに充填して充填層を形成した。また、被処
理水として、セレン含有廃液にヒ素と鉛とを添加し、p
H値を6.7に調整した合成廃液を作成した(合成廃液
中の重金属含有量:ヒ素1.4mg/リットル、セレン
460mg/リットル、鉛6.9mg/リットル)。次
いで、混合金属粒を充填して形成した充填層の上方に、
合成廃液から成る被処理水を100ミリリットル/Hr
の割合で供給し、充填層の下方から処理水を抜き出し
た。得られた処理水に含有されている重金属量は、ヒ素
0.29mg/リットル、セレン160mg/リット
ル、鉛0.026mg/リットルであった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 10、20 カラム 12、22 充填層 14、24 陽極電極 16、26 陰極電極 18、28 抜出配管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属を含有する水溶液中から前記有害
    重金属を除去するに際し、 該重金属を含有する水溶液を、前記水溶液中に含有され
    ている重金属と反応して水に対して難溶解性の化合物を
    生成する金属、又は水と反応して加水分解する際に、前
    記重金属を取り込み難溶解性の水酸化物を生成する金属
    から成る金属充填材が充填され且つ電極の一方が挿入さ
    れた充填層を通過せしめると共に、 前記充填層に挿入された電極と充填層外に設けられた他
    方の電極との間に直流電流を印加することを特徴とする
    重金属含有溶液の処理方法。
  2. 【請求項2】 水溶液中に含有された重金属が、ヒ素、
    セレン、鉛等の両性酸化物を形成する重金属であって、
    充填層が鉄、亜鉛、又は銅から成る金属充填材、或いは
    これら金属充填材の混合物によって形成され、 且つ充填層に挿入された電極を陽極電極とする請求項1
    記載の重金属含有溶液の処理方法。
  3. 【請求項3】 重金属を含有する水溶液中から前記重金
    属を除去するに際して、 該重金属を含有する水溶液を、前記溶液中に含有されて
    いる重金属と反応して水に対して難溶解性の化合物を生
    成する金属、又は水と反応して加水分解する際に、前記
    重金属を取り込み難溶解性の水酸化物を生成する金属か
    ら成る金属充填材であって、金属充填材間に局部電池が
    発生するように、イオン化傾向を異にする金属から成る
    少なくとも二種の金属充填材を混合して充填した充填層
    を通過せしめることを特徴とする重金属含有溶液の処理
    方法。
  4. 【請求項4】 水溶液中に含有されている重金属が、ヒ
    素、セレン、鉛等の両性酸化物を形成する重金属であっ
    て、イオン化傾向を異にする金属から成る少なくとも二
    種の金属充填材の各々が、鉄、亜鉛、又は銅から成る金
    属充填材である請求項4記載の重金属含有溶液の処理方
    法。
  5. 【請求項5】 重金属を含有する水溶液中から前記重金
    属を除去する重金属含有溶液の処理装置において、 該水溶液中に含有されている重金属と反応して水に対し
    て難溶解性の化合物を生成する金属、又は水と反応して
    加水分解する際に、前記重金属を取り込み難溶解性の水
    酸化物を生成する金属から成る金属充填材が充填された
    充填層と、 前記充填層に挿入された電極の一方と充填層外に設けら
    れた他方の電極とに直流電流を印加する電源と、 前記充填層に重金属含有溶液を供給する溶液供給装置と
    を具備することを特徴とする重金属含有溶液の処理装
    置。
  6. 【請求項6】 充填層が、ヒ素、セレン、鉛等の両性酸
    化物と反応して水に対して難溶解性の化合物を生成する
    鉄、亜鉛、又は銅から成る金属充填材、或いはこれら金
    属充填材の混合物によって形成され、 且つ充填層に挿入された電極が陽極電極である請求項6
    記載の重金属含有溶液の処理装置。
  7. 【請求項7】 重金属を含有する水溶液中から前記重金
    属を除去する重金属含有溶液の処理装置において、 該水溶液中に含有されている重金属と反応して水に対し
    て難溶解性の化合物を生成する金属、又は水と反応して
    加水分解する際に、前記重金属を取り込み難溶解性の水
    酸化物を生成する金属から成る金属充填材であって、金
    属充填材間に局部電池が発生し得るように、イオン化傾
    向を異にする金属から成る少なくとも二種の金属充填材
    を混合して充填した充填層と、 前記充填層に重金属含有水溶液を供給する水溶液供給装
    置とを具備することを特徴とする重金属含有溶液の処理
    装置。
  8. 【請求項8】 イオン化傾向を異にする金属から成る少
    なくとも二種の金属充填材の各々が、鉄、亜鉛、又は銅
    から成る金属充填材によって形成されている請求項8記
    載の重金属含有溶液の処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005270779A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Jfe Engineering Kk 重金属の分離方法および分離装置
JP2007196107A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Kurita Water Ind Ltd セレン含有排水の処理方法及び処理装置
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US20160264433A1 (en) * 2015-03-13 2016-09-15 Korea Institute Of Science And Technology Apparatus and method for water treatment using in-situ activation of manganese dioxide catalyst

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