JPH0965174A - テレビジョン受像機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＣＡＴＶ等で使用されている同期圧縮方式等
のスクランブル／デスクランブル処理を経た時に発生す
るスクランブル残り部分の信号を または前記スクラン
ブル残り部分の信号によって誤った復調出力信号分を削
除し、テレビジョン画面上に誤った表示をせず、良好な
映像を表示することを目的とする。 【構成】 ＥＤＴＶ−２の垂直補強信号復調回路７の入
力部にスイッチ回路９を具備し、スクランブル／デスク
ランブル処理によって発生した前記垂直補強信号の歪部
分以外を前記スイッチ回路９によって前記垂直補強信号
復調回路７へ選択入力させる構成としたもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＣＡＴＶ等で使用され
ている同期圧縮方式などのスクランブル／デスクランブ
ル処理を経て伝送される第２世代ＥＤＴＶ（ＥＤＴＶ−
２ と記す）の信号を表示するテレビジョン受像機に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＥＤＴＶ−２の伝送方式は、 ワイド化技術 輝度解像度補強技術 無画部妨害低減技術 識別制御信号 等の技術によって実現される。また、前記輝度解像度補
強技術では、水平解像度補強信号、および垂直解像度補
強信号を単独、または組み合わせて使用している。

【０００３】これらの技術内容に関しては、平成６年度
の電気通信技術審議会答申 諮問第３５号 「テレビジ
ョン放送の画質改善技術」のうち 第２世代エＤＴＶの
技術的条件（平成７年１月２３日発行）で解説されてい
る。

【０００４】図８の７は、前記垂直解像度の補強信号を
復調する回路で、その入力信号は第１フィールドの２３
Ｈ〜５２Ｈ、２３３Ｈ〜２６２Ｈ、第２フィールドの２
８６Ｈ〜３１５Ｈ、４９６Ｈ〜５２５Ｈに図７の（ａ）
の様な波形で伝送される。ここで図７（ａ）の（ハ）は
水平同期信号、（ヒ）はカラーバースト信号、（フ）は
カラーサブキャリアで位相変調された垂直解像度補強信
号を示す。この期間は無画部と言われ、従来のアスペク
ト比４：３のテレビジョン受像機では黒い画面として表
示される。

【０００５】図７（ａ）の信号を図８の補強信号復調回
路７で復調すると、図７（ｂ）の垂直解像度補強信号が
得られる。ＥＤＴＶ−２方式対応のテレビジョン受像機
は、前記図７（ｂ）の信号を用いて、伝送されてくる映
像信号の垂直解像度を解像度補強回路６で高めて、より
精細度の高い画像を再生する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この垂
直補強が成された映像信号がＣＡＴＶ等で使用されてい
る同期圧縮方式等のスクランブル／デスクランブル処理
を経ると、前記図７（ｂ）の補強信号の一部が破壊され
る。

【０００７】図７（ｃ）は図７（ａ）の信号に対して、
同期圧縮方式のスクランブル処理を実施した後の信号波
形である。ここで、水平同期信号とカラーサブキャリア
部、およびカラーサブキャリアで位相変調された垂直解
像度補強信号の一部が圧縮されている。図７（ｄ）は、
この信号に対し、ＣＡＴＶのコンバータ等でデスクラン
ブル処理を実施した後の信号波形である。ここで（カ）
および（キ）はスクランブル／デスクランブル処理の過
程で発生するスクランブル残り部分である。この信号を
図８の補強信号復調回路７で復調すると、図７（ｅ）の
様な波形となり、垂直解像度補強信号の（ク）、（ケ）
部に前記（カ）、（キ）部のスクランブル残り部分が原
因となる波形歪（本来とは全く異なった波形）が発生す
る。

【０００８】前記図７（ｅ）の（ク）、（ケ）部分の歪
は、誤った垂直の解像度改善処理を起こさせ、図９のＥ
ＤＴＶ−２方式で復調・表示したテレビジョン画面２０
の左右両端に（ナ）、（ニ）の様なめだか状の模様を発
生させる。

【０００９】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、ＣＡＴＶ等で使用されている同期圧
縮方式等のスクランブル／デスクランブル処理を経た信
号を入力しても、テレビジョン画面上に誤った表示をせ
ず、良好な映像を表示する事を目的としたものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、映像信号処理回路の入力部に信号を切断
するスイッチを具備し、スクランブル／デスクランブル
処理によって発生した映像信号の歪部分以外を前記スイ
ッチによって前記映像信号処理回路へ選択入力させる様
にしたもの、またＥＤＴＶ−２の垂直補強信号復調回路
の入力部にスイッチを具備し、スクランブル／デスクラ
ンブル処理によって発生した前記垂直補強信号の歪部分
以外を前記スイッチによって前記垂直補強信号復調回路
へ選択入力させる様にしたもの、またＥＤＴＶ−２の垂
直補強信号復調回路の出力部にスイッチを具備し、前記
垂直補強信号復調回路の出力信号で、スクランブル／デ
スクランブル処理によって発生した歪部分を前記スイッ
チによって削除し、出力する構成としたものである。

【００１１】

【作用】上記構成によって、ＣＡＴＶ等で使用されてい
る同期圧縮方式等のスクランブル／デスクランブル処理
を経た時に発生するスクランブル残り部分の信号を削除
し、または前記スクランブル残り部分の信号による誤っ
た復調出力信号分を削除し、テレビジョン画面上に誤っ
た表示をせず、良好な映像を表示する様にしたものであ
る。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例におけるテレビジョ
ン受像機について図面を参照しながら説明する。

【００１３】図１は、ＣＡＴＶにおける信号の伝送を説
明するためのシステム構成図である。同図において、１
０はスクランブル変調器で、入力された映像信号を同期
圧縮方式などのスクランブルと、入力信号をＲＦ信号へ
の変調を行う。１１はヘッドエンドで、スクランブル変
調器１０の出力等、複数のＲＦ信号を混合し出力する。
１５はＣＡＴＶの伝送線路、１２は各住戸に信号を配分
するためのタップオフ、１３は住戸１００内に設置され
たＣＡＴＶコンバータで、信号の選局・受信と前記スク
ランブル変調器１０でスクランブルされた信号をデスク
ランブルし、テレビジョン受像機１４に出力するもので
ある。

【００１４】テレビジョン受像機１４の信号処理部を図
２に示す。同図において、１はテレビジョン信号復調回
路で、ＣＲＴをドライブするＲ、Ｇ、Ｂの各色の信号を
復調する。２は同期分離回路で入力信号より水平、垂直
の各同期信号を作る。３は同期信号に基づいて映像信号
期間の有効部分を抜き出すための制御信号を作成する制
御回路、４は前記制御回路３の制御信号に応じて開閉す
るスイッチ回路で、テレビジョン信号復調回路１の入力
側に挿入されている。図３（ａ）はＣＡＴＶコンバータ
１３でデスクランブル処理された映像信号を示す。ここ
で（ア）および（イ）部は、スクランブル／デスクラン
ブル処理の課程で発生した波形歪で、場合によっては１
００ＩＲＥを越える信号になる。テレビジョン信号復調
回路１に前記１００ＩＲＥを越えた信号が入力される
と、ＣＲＴのドライブ過多によるトラブルが発生する可
能性がある。そこで、制御回路３で図３（ｂ）の制御信
号を作成し、前記制御信号に従ってスイッチ回路４を開
閉する事により、図３（ａ）の（ア）、（イ）部の歪を
テレビジョン信号復調回路１に入力させないようにして
いる。

【００１５】次に本発明の他の実施例について説明す
る。図４は本発明の第２の実施例を示す回路構成図で、
ＥＤＴＶ−２に対応したテレビジョン受像機の信号処理
部を示す。同図において、５は映像信号復調回路、６は
解像度補強回路、７は補強信号復調回路、２は同期分離
回路、８同期信号に基づいて、後述するスイッチの開閉
を制御する制御信号を作る制御回路、９は補強信号復調
回路７に入力される信号を開閉するスイッチ回路であ
る。

【００１６】ＥＤＴＶ−２の信号形式では、第１フィー
ルドの５３Ｈ〜２３２Ｈ、第２フィールドの２８７Ｈ〜
４９５Ｈに映像の主画部があり、映像信号復調回路５で
各画素の情報に復調される。一方、第１フィールドの２
３Ｈ〜５２Ｈ、２３３Ｈ〜２６２Ｈ、第２フィールドの
２８６Ｈ〜３１５Ｈ、４９６Ｈ〜５２５Ｈには垂直解像
度補強信号があり、これは、カラーサブキャリアで位相
変調されて伝送されているため、補強信号復調回路７で
復調し、解像度補強回路６において前記映像信号復調回
路５で復調された信号に対して垂直解像度の改善処理が
実施される。しかし、スクランブル／デスクランブル処
理された垂直解像度補強信号は、図６（ａ）の様に、
（カ）、（キ）部にスクランブル／デスクランブル処理
による信号歪があり、このまま補強信号復調回路７で復
調を行うと図６（ｂ）の（ク）、（ケ）の様な大きな波
形歪となる（実際の歪波形は複雑で、入力信号によって
大きく左右される。ここでは波形歪の一形態として記述
している）。これによって図９のＥＤＴＶ−２信号の復
調テレビジョン画面２０に（ナ）、（ニ）部のようなめ
だかノイズが表示される。

【００１７】本実施例では、スイッチ回路９を補強信号
復調回路７の入力部に設け、同期分離回路２より出力さ
れる同期信号より制御回路８で図６（ｃ）の様な有効部
分のみを示す制御信号を作成し、前記制御信号でスイッ
チ回路９を開閉し、前記垂直解像度補強信号を補強信号
復調回路７に選択的に入力する事により、図６（ｄ）の
様に、図６（ｂ）の（ク）、（ケ）部を削除した信号を
得る。同図において（タ）、（チ）の部分は情報が欠如
し、垂直の解像度改善が実施出来ないが、画面の両端に
位置するため大きな問題にはならない。

【００１８】更に他の実施例を図５に示す。同図におい
て図４と同一番号の回路は同一である事を示す。図５と
図４の差は、スイッチ回路９が補強信号復調回路７の入
力部に位置するか、出力部に位置するかである。図５の
構成においても結果的には、垂直の解像度補強信号は図
６（ｄ）の波形で解像度補強回路６に入力され、映像信
号の垂直部の解像度の改善処理が行われる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ＣＡＴＶ
等で使用されている同期圧縮方式等のスクランブル／デ
スクランブル処理を経た時に発生するスクランブル残り
部分の信号を削除し、または前記スクランブル残り部分
の信号によって誤った復調出力信号分を削除する事が出
来、テレビジョン画面上に誤った表示をせず、良好な映
像を表示する事が出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるテレビジョン受像機
が使用されるＣＡＴＶシステムの構成図

【図２】本発明の一実施例におけるテレビジョン受像機
のブロック図

【図３】本発明の一実施例の動作を説明するための波形
図

【図４】本発明の第２の実施例におけるＥＤＴＶ−２テ
レビジョン受像機のブロック図

【図５】本発明の第３の実施例におけるＥＤＴＶ−２テ
レビジョン受像機のブロック図

【図６】本発明の第２、第３の実施例の動作を説明する
ための波形図

【図７】従来例における問題点を説明するための波形図

【図８】従来例におけるＥＤＴＶ−２テレビジョン受像
機のブロック図

【図９】従来例におけるＥＤＴＶ−２テレビジョン受像
機の画面を示す図

【符号の説明】

１ ＴＶ信号復調部 ２ 同期分離回路 ３ 制御回路 ４ スイッチ回路 ５ 映像信号復調回路 ６ 解像度補強回路 ７ 補強信号復調回路 ８ 制御回路 ９ スイッチ回路 １０ スクランブル変調器 １１ ＨＥ（ヘッドエンド） １２ 分岐器 １３ ＣＡＴＶコンバータ １４ テレビジョン受像機 １５ 伝送線路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河本 典之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＣＡＴＶ等の信号伝送上で付加、および
   処理されるスクランブル／デスクランブル処理により発
   生した波形歪などで発生する表示画像の乱れ、ノイズ等
   を削除、または軽減する回路を付加した事を特徴とする
   テレビジョン受像機。
2. 【請求項２】 ＥＤＴＶ−２の信号伝送方式に対応する
   デコーダを備えた事を特徴とする請求項１記載のテレビ
   ジョン受像機。
3. 【請求項３】 映像信号処理回路の入力部に信号を切断
   するスイッチを具備し、スクランブル／デスクランブル
   処理によって発生した映像信号の歪部分以外を前記スイ
   ッチによって前記映像信号処理回路へ選択入力させる事
   を特徴とした請求項１または２記載のテレビジョン受像
   機。
4. 【請求項４】 ＥＤＴＶ−２の垂直補強信号復調回路の
   入力部にスイッチを具備し、スクランブル／デスクラン
   ブル処理によって発生した前記垂直補強信号の歪部分以
   外を前記スイッチによって前記垂直補強信号復調回路へ
   選択入力させる事を特徴とした請求項２記載のテレビジ
   ョン受像機。
5. 【請求項５】 ＥＤＴＶ−２の垂直補強信号復調回路の
   出力部にスイッチを具備し、前記垂直補強信号復調回路
   の出力信号のうち、スクランブル／デスクランブル処理
   によって発生した歪部分を前記スイッチによって削除
   し、出力する事を特徴とした請求項２記載のテレビジョ
   ン受像機。