JPH0962931A - 飲料自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】溜め置き量を予測量にあわせて調整し、常に適
量をタンクに貯留しておくことのできる自動販売機を提
供する。 【解決手段】保留手段に溜め置く量を、固定の値ではな
く、０から所定最大量の間での杯数毎の値とし、販売制
御手段によって求めた所定時間毎の販売予測量に応じ
て、何杯分貯蔵しておくかを調整することによって、常
に予測量にあった量を貯蔵しておき、溜め置きによる廃
棄ロスを減少する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はコーヒーや紅茶等の
原料をドリップして販売する自動販売機に係り、その販
売量の多い時間帯には予め溜め置き保存しておいた飲料
液を販売する方式の自動販売機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】バッチブリュー方式、即ちコーヒーや紅
茶の原料をドリップする方式の自動販売機において、販
売履歴を記憶しておき、この記憶されたデータから予測
しようとする販売時刻において、溜め置き販売をする飲
料の量を決定し、決定された溜め置き量をタンクに貯蔵
する技術が、例えば特開平５−２８２５４７号公報（Ｇ
０７Ｆ １３／０６）に開示されている。

【０００３】しかし上記公報においてタンクに溜めて置
く液の量は常に同じであり、予測販売量に実際の販売量
が満たなかった場合は、廃棄する液量が大きくなってロ
スが多くなるという欠点がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、溜め置き量を予測量にあわせて調整し、常
に適量をタンクに貯留しておくことのできる自動販売機
を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】斯かる課題を解決するた
め、保留手段に溜め置く量を、固定の値ではなく、０か
ら所定最大量の間での杯数毎の値とし、販売制御手段に
よって求めた所定時間毎の販売予測量に応じて、何杯分
貯蔵しておくかを調整することによって、常に予測量に
あった量を貯蔵しておき、溜め置きによる廃棄ロスを減
少する。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下本発明の最適な実施形態につ
いて図面に基づいて詳細に説明する。尚、説明はコーヒ
ーの自動抽出について行うが紅茶等についても同様に行
えることは云うまでもない。

【０００７】図１は、飲料自動販売機の内部機構を示し
ている。飲料自動販売機のケース１の上段部には、温水
が貯蔵された温水タンク２及び粉末化されたコーヒー豆
が貯蔵されたコーヒー豆タンク３が設けられている。

【０００８】ケース１内の中段部には、複数杯分のコー
ヒーを抽出することができる抽出機４及び抽出機４によ
って抽出されたコーヒーを貯蔵する貯蔵部５が設けられ
ている。

【０００９】ケース１内の下段部には、飲料取出口６が
設けられている。この飲料取出口６には、販売時にコッ
プ７が自動的にセットされる。コーヒーを抽出する際に
は、先ず、コーヒー豆タンク３の下部に設けられたオー
ガー８が回転駆動されることによりコーヒー豆が抽出機
４内のフィルタ９上に供給される。

【００１０】この後、温水供給用電磁弁１０が開けられ
て、温水タンク２内の温水が抽出機４に注がれると共
に、高圧の圧縮空気が抽出機４内に送られることによ
り、コーヒーが抽出される。そして抽出されたコーヒー
は、貯蔵部５に貯蔵される。

【００１１】貯蔵部５内には、コーヒーを保温するため
のヒータ及び貯蔵部５内のコーヒーの残量を検出するた
めの残量検出器１２が設けられている。そして通常時の
コーヒー販売は、次のようにして行われる。即ち、所定
金額以上の硬貨又は紙幣が投入又は挿入された後、コー
ヒーが指定された場合には、残量検出器１２に基づいて
貯蔵部５内にコーヒーが存在するか否かが判別される。

【００１２】貯蔵部５内にコーヒーが存在する場合に
は、飲料供給用電磁弁１３が所定期間開かれ、ノズル１
４を介してコーヒーがコップ７に供給される。通常時に
行われるこのようなコーヒー販売処理を通常販売処理と
云うことにする。

【００１３】通常時のコーヒー販売では、一杯ずつ抽出
を行っているため、一杯の販売動作に３０秒の時間がか
かる。従って、一杯の販売動作に要する時間を短縮しよ
うとするときには、複数杯分のコーヒーを抽出しておい
て、貯蔵部５に貯蔵しておけばよい。

【００１４】しかしながら、複数杯分のコーヒーを貯蔵
部５に貯蔵した後、所定時間（例えば６０分）以上経過
しても、貯蔵している全てのコーヒーが販売されないと
きには、コーヒーの風味が低下するので抽出したコーヒ
ーが廃棄されるため、コーヒーが無駄になる。

【００１５】この飲料自動販売機では、後述するよう
に、コーヒーの販売が集中すると予測される翌日の時間
帯がその前日に予測される。そして、翌日の予測された
時間帯においては、その直前に所定杯数分のコーヒーを
予め抽出して貯蔵部５に貯蔵しておくことにより、コー
ヒーの廃棄の無駄をできるだけ少なくするとともに、コ
ーヒーの供給時間の短縮化を図っている。

【００１６】図２は、飲料自動販売機の電気的構成を示
している。飲料自動販売機は、制御装置２０によって制
御される。制御装置２０には、温水供給用電磁弁１０の
駆動装置２１、オーガー８の駆動装置２２、フィルタ９
の送り装置２３、ヒータ１１の駆動装置２４、飲料供給
用電磁弁１３の駆動装置２５等が出力機器として接続さ
れている。

【００１７】制御装置２０には、残量検出器１１、投入
硬貨又は挿入紙幣の種別及び枚数を判別する判別装置、
商品選択スイッチ３２、赤外線検知器などの人検知器３
３等が入力機器として接続されている。

【００１８】検知器３３は、飲料自動販売機が設置され
た営業所等の営業日と休業日とを判別するためのデータ
を獲得するために設けられたものである。人検知器３５
は、営業所内の所定領域を通行する人を検知する毎に、
人検知信号を制御装置２０に送る。

【００１９】制御装置２０は、コーヒーの販売量の実績
値データを収集し、過去２週間分のコーヒーの販売量の
実績値データを保存する。保存されるコーヒーの販売量
の実績値データには、所定時間単位例えば５分単位のコ
ーヒーの販売量の実績値データと、１日単位のコーヒー
の販売量の実績値データとがある。

【００２０】また、人検知器３３の出力に基づいて、通
行人数のデータを収集し、過去２週間分の通行人数のデ
ータを保存する。保存される通行人数のデータには、所
定時間単位、例えば５分単位の通行人数のデータと、１
日単位の通行人数のデータとがある。

【００２１】以下、貯蔵部５に最大３杯までコーヒー抽
出液を貯蔵できる場合を例にとって本実施形態の自動販
売機の動作を説明する。図３に示したのはそのイメージ
図である。イベントとして販売が発生すると、そのデー
タが制御装置２０の中の抽出量制御部２０１に渡され、
残量検出器１１からのデータ及び予測販売量を考慮し
て、抽出機４へ何杯分抽出すれば予測された販売量に匹
敵する貯蔵量となるかの指示を出し、抽出機はこの指示
を受けて、抽出を実行し、貯蔵部５に必要な量のコーヒ
ー液を貯蔵する。

【００２２】図４は上記イメージ図の動作をフローチャ
ートにしたものである。これに基づいて貯蔵量計画の設
定動作を詳しく説明すると、先ずステップＳ１におい
て、貯蔵レベルの設定を行う。

【００２３】この操作は個々の自動販売機の貯蔵部の大
きさに合わせて所定杯数に応じた第１〜第３レベルの位
置を設定する部分である。ここでは図３に示したように
第１貯蔵レベルが１杯分の貯蔵量に対応し、第２貯蔵レ
ベルが２杯分の貯蔵量に対応し、第３貯蔵レベルが３杯
分の貯蔵量に対応するように設定される。

【００２４】次にステップＳ２で各時間帯での販売量を
予測する。この操作は過去２週間分の販売実績データか
らその日の所定時間単位（例えば５分間隔）の杯数単位
の販売予測量を算出し、そのデータを格納するものであ
る。

【００２５】そしてステップＳ３にて格納された予測デ
ータから、現在の時刻の予測値をステップＳ３で取り出
す。次にステップＳ４にて前記予測された杯数と第１貯
蔵レベルに対応する杯数との比較を行う。ここで予測値
が第１貯蔵レベル以上のときは、ステップＳ５へ進んで
第２貯蔵レベルと予測値との比較を行う。

【００２６】また当該ステップＳ４で予測値が第１貯蔵
レベルより小さくなったときにはタンク貯蔵量０と指示
して貯蔵部５内の溜め置きをなくし、廃棄によるロスを
防ぐようにする。

【００２７】ステップＳ５へ進んで第２貯蔵レベルと予
測値との比較を行った結果、予測値が第２貯蔵レベル以
上のときは、ステップＳ６へ進んで第３貯蔵レベルと予
測値との比較を行う。

【００２８】また当該ステップＳ５で予測値が第２貯蔵
レベルより小さくなったときにはタンク貯蔵量１と指示
して貯蔵部５内の溜め置き量を一杯分としてそれ以上溜
め置きすることによる廃棄ロスを防ぐようにする。

【００２９】ステップＳ６へ進んで第３貯蔵レベルと予
測値との比較を行った結果、予測値が第３貯蔵レベル以
上のときは、タンク貯蔵量３と指示して貯蔵部５内の溜
め置き量を三杯分とし、ステップＳ７へ進んで次の予測
対象となる時間帯に現時刻が達しているか否かの判断を
行う。

【００３０】また当該ステップＳ６で予測値が第３貯蔵
レベルより小さくなったときにはタンク貯蔵量２と指示
して貯蔵部５内の溜め置き量を二杯分としてそれ以上溜
め置きすることによる廃棄ロスを防ぐようにする。

【００３１】ステップＳ７で次の対象時間があれば、ス
テップＳ３へ戻って、それ以降の操作を同様に繰り返
す。無ければ貯蔵量計画の設定が終了する。以上の一連
の操作により、５分刻みの予測値に対応した溜め置き量
の計画がなされ、自動販売機は、この貯蔵量計画に沿っ
て適宜貯蔵部５内の溜め置き量を変化させながら、廃棄
ロスを最小限に押さえた自動溜め置きによるコーヒーの
販売を実行する。

【００３２】

【発明の効果】本発明は以上の説明の通り、所定時間毎
の予測値に合わせて溜め置き量を微妙に調節することに
より、溜め置き量が予測値を超過することによる廃棄ロ
スを抑え、且つたくさん販売できる時間帯には抽出時間
による機会ロスを抑制することが可能な自動販売機を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】バッチブリュー式自動販売機の内部の機械的構
成を示す図である。

【図２】図１のバッチブリュー式自動販売機の電気回路
構成を示すブロック図である。

【図３】コーヒー抽出及び貯蔵処理の様子を示す概念図
である。

【図４】コーヒー抽出及び貯蔵処理のフローチャートで
ある。

【符号の説明】

４ 抽出機 ５ 貯蔵部 ２０ 制御装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コーヒー原料及び紅茶原料を夫々ドリッ
   プするドリップ機構を持つ自動販売機において、前記ド
   リップ機構により製造したドリップ済みのコーヒー液又
   は紅茶液のうち溜め置き手段を介して溜める保留手段
   と、この保留したコーヒー液または紅茶液を用いて飲料
   を販売する販売制御手段を備え、該販売制御手段は所定
   時間ごとに予測された飲料の販売予測量に基づき、前記
   保留手段に対してその時間に溜め置く液量を制御するこ
   とを特徴とする飲料自動販売機。