JPH11353550A - カップ式飲料自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】レギュラーコーヒーの油脂成分，微粉に起因す
る電磁弁の動作不良，販売トラブル発生のおそれがな
く、併せて常に良質美味なコーヒーだけをを販売できる
ように改良した溜め置き方式のカップ式飲料自動販売機
を提供する。 【解決手段】指令に基づいてカップ一杯分のレギュラー
コーヒーを製造するコーヒー抽出器３，および製造した
コーヒー６を溜め置きする保温機能付きの貯蔵容器５を
装備し、コーヒー販売時に前記貯蔵容器から送出したコ
ーヒーをミキシングボゥル７を経由してベンドステージ
９に搬出したカップ１６に供給するカップ式飲料自動販
売機において、貯蔵容器にコーヒー送出手段として従来
の電磁弁に代えてチューブ式ポンプ１２を接続し、さら
にコーヒーをミキシングボゥルから排水側に切り替える
通路切替装置１４を備え、常時は通路切替装置をミキシ
ングボゥルに通じる位置にセットしておき、溜め置きし
たコーヒーが所定時間を経過した際に管路を排水側に切
替えて残留コーヒーを廃棄処分する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、機内でレギュラ
ーコーヒーを製造して販売するカップ式飲料自動販売機
に関する。

【０００２】

【従来の技術】頭記したカップ式飲料自動販売機とし
て、機内にレギュラーコーヒーを製造するコーヒー抽出
器，および該抽出器で製造したコーヒーを取り込んで溜
め置きする保温機能付きの貯蔵容器を装備し、コーヒー
販売時に前記貯蔵容器から送出したカップ一杯分のコー
ヒーをミキシングボゥルを経由してカップに供給するよ
うにし、販売時間（飲料販売時にコーヒー入りカップが
ベンドステージに出てくるまでの待ち時間）の短縮化を
図った溜め置き方式のカップ式飲料自動販売機が特開平
９−２４５２４７号公報などで公知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したカ
ップ式飲料自動販売機の従来構成では、貯蔵容器に溜め
置きしたコーヒーの品質管理，およびコーヒーを貯蔵容
器からコーヒーを送出する際に次記のような問題点が残
る。すなわち、 (1) 販売指令に基づいて貯蔵容器から定量のコーヒーを
取り出すにために、従来では貯蔵容器から引き出したコ
ーヒー供給管路に電磁弁を接続し、この電磁弁を開閉制
御してコーヒーの販売を行うようにしている。一方、コ
ーヒーには油脂成分が含まれているほか、その製造（抽
出）工程で濾過し切れなかったコーヒーの微粉が混入し
ている。

【０００４】このために、コーヒー販売動作を繰り返し
行うと、電磁弁の内部にコーヒーの微粉，油脂が付着堆
積し、これが原因で電磁弁が詰まったり，弁の開閉動作
に支障を来すことがあり、カップ式飲料自動販売機の稼
働実績からも、このような電磁弁の動作不良に起因した
販売トラブルの発生例が数多く報告されている。 (2) コーヒーは製造から時間が経過するにつれてその風
味が損なわる。このために、抽出器で製造したコーヒー
を貯蔵容器に長い時間溜め置きしておくと、コーヒーの
品質が劣化して客に良質なコーヒーを提供できなくな
る。

【０００５】この発明は上記の点に鑑みなされたもので
あり、その目的は前記課題を解決し、レギュラーコーヒ
ーの油脂成分，微粉に起因する電磁弁の動作不良，販売
トラブル発生のおそれがなく、併せて常に良質美味なコ
ーヒーだけをを販売できるように改良した溜め置き方式
のカップ式飲料自動販売機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、指令に基づいてカップ一杯分の
レギュラーコーヒーを製造するコーヒー抽出器，および
該抽出器で製造したコーヒーを取り込んで溜め置きする
保温機能付きの貯蔵容器を装備し、コーヒー販売時に前
記貯蔵容器から送出したコーヒーをミキシングボゥルを
経由してベンドステージに搬出したカップに供給するカ
ップ式飲料自動販売機において、 (1) 前記貯蔵容器の底部に開口した出口に容量型のチュ
ーブ式ポンプを接続し、各販売ごとに前記チューブ式ポ
ンプ通じて貯蔵容器からコーヒーを送出するよう構成す
る（請求項１）。

【０００７】このように、貯蔵容器からのコーヒー送
出，制御手段として、従来の電磁弁に代えてチューブ式
ポンプを採用することにより、コーヒーの液中に含まれ
ている油脂成分，コーヒー微粉による詰まり，動作不良
のトラブル発生が無くなり、安定したコーヒー供給を行
うことができる。 (2) 前項(1) において、貯蔵容器からチューブ式ポンプ
を経て引出したコーヒー供給管路に、貯蔵容器から送出
したコーヒーをミキシングボゥルから排水側に切り替え
る通路切替装置を備える（請求項２）ものとし、該通路
切替装置を、常時はコーヒー供給管路をミキシングボゥ
ルに通じる位置にセットしておき、貯蔵容器に溜め置き
したコーヒーが所定時間を経過した際に供給管路を排水
側に切替えて貯蔵容器内に残留しているコーヒーを廃棄
するようにする（請求項３）。

【０００８】これにより、製造後から所定の溜め置き時
間が経過して風味の低下したコーヒーは、販売されるこ
となく貯蔵容器から排出して廃棄処分されるので、コー
ヒー販売時には常に良質なコーヒーを販売に供すること
かできる。 (3) 所定の販売時間帯ごとに計数したコーヒー販売実績
数から次回の時間帯におけるコーヒー販売の時間間隔を
予測する演算手段を備え、この予測時間間隔を基にコー
ヒー製造指令を与えるようにする（請求項４）。

【０００９】カップ飲料自動販売機はロケーション先の
場所条件，および昼，夜の時間帯によってその時間帯に
販売されるコーヒーの数量が変動する。そこで、前記の
ように各回の販売時間帯ごとに演算手段でコーヒー販売
の時間間隔を予測し、この予測時間間隔を基にしてコー
ヒー廃棄後に出すコーヒー抽出指令を制御することによ
り、所定の時間を経過した時点で売れずに残ったコーヒ
ー廃棄量をできるだけ減らしてコーヒー原料のロス分低
減化が図れる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示実施例に基づいて説明する。図１はカップ式飲料自動
販売機に搭載したレギュラーコーヒーの製造，販売系統
を表す図であり、図において１はコーヒー豆を収容した
原料箱、２はコーヒー豆を粉に挽くコーヒーミル、３は
コーヒー抽出器（コーヒーブリュア）、４は温水タン
ク、５はコーヒー抽出器３で製造したコーヒー６を取り
込んで溜め置きする保温機能付きの貯蔵容器（ステンレ
ス，硝子，磁器などで作られ、カップ一杯分に相応した
容積をもつ容器）、５ａは保温ヒータ（貯蔵容器に溜め
置きしたコーヒーを８５℃程度の販売適温に保つ）、７
はミキシングボゥル（原料攪拌器）、８は砂糖，ミルク
などを収容した粉末原料箱、９はベンドステージ、１０
はカップ供給機構、１１は排水バケツであり、前記の貯
蔵容器５の底部から引き出したコーヒー供給管路にはコ
ーヒー送液手段として容量型のチューブ式ポンプ１２、
および貯蔵容器５から取り出したコーヒー６をミキシン
グボゥル７，またはミキシングボゥル７の側方に配した
排水受１３（排水受１３は排水バケツ１１に通じてい
る）に切り換える通路切替装置１４を備えている。な
お、チューブ式ポンプ１２の構造，動作は、特開平４−
４２２７１号公報などに開示され公知であり、ここでは
その説明を省略する。また、通路切替装置１４は、例え
ば先端の吐出ノズルをアクチュエータ（モータ，ソレノ
イドなど）の操作でミキシングボゥル７側，排水受１３
側に切り換えるようにした構造になる。

【００１１】また、１５は販売制御部であり、販売制御
部１５には所定の販売時間帯ごとに計数したコーヒー販
売実績数を基にして次回の時間帯におけるコーヒー販売
の時間間隔を予測する演算手段（マイクロコンピュー
タ）１５ａを備えている。上記の構成によるコーヒーの
製造，販売は次のように行われる。飲料販売開始と同時
に、まず販売指令の有無に関係なく販売制御部１５から
コーヒー抽出指令Ａを出す。この抽出指令Ａに基づき、
原料箱１からコーヒーカップ一杯分に相応するコーヒー
豆を搬出し、コーヒーミル２で粉に挽いた上でコーヒー
抽出器３に投入し、温水タンク４から供給した湯を加え
てコーヒーを抽出するとともに、製造されたコーヒーは
コーヒー抽出器に吹き込んだ加圧空気により圧送して貯
蔵容器５に移し、ここで販売適温状態に保温して溜め置
きしておく。

【００１２】ここで、コーヒー販売が行われると、販売
制御部１５からの販売指令Ｂに基づき、カップ供給機構
１０からカップ１６をベンドステージ９に搬出するとと
もに、同時にチューブ式ポンプ１２を始動し、貯蔵容器
５に保留されているコーヒー６を吐き出してミキシング
ボゥル７に供給し、ここで客の選択に合わせて粉末原料
箱８から搬出した砂糖，ミルクなどの粉末原料とコーヒ
ーを攪拌した上で、ベンドステージに待機するカップ１
６に仕上がりコーヒーを供給する。

【００１３】また、コーヒー販売動作が行われると、通
常はこの販売動作に並行して販売制御部１５からは次回
のコーヒー抽出指令Ａが出力されてコーヒー製造を開始
し、ここで製造されたコーヒーを空になった貯蔵容器５
に移して溜め置き状態に戻る。なお、常時はコーヒー供
給管路に接続した通路切替装置１４をミキシングボゥル
７側にセットしておくものとする。

【００１４】一方、貯蔵容器５に溜め置きしておいたコ
ーヒー６が所定時間（製造したコーヒーの品質が劣化す
る以前の時間で３０分から１時間以内に設定しておく）
を経過すると、販売制御部１５からコーヒー廃棄指令Ｃ
が出て通路切替装置１４をミキシングボゥル７から排水
受１３に切替えるとともに、チューブ式ポンプ１２を始
動して貯蔵容器５に溜まっているコーヒー６を排水バケ
ツ１１に排水して廃棄処分する。また、このコーヒー廃
棄が行われると、販売制御部１５からは再度コーヒー抽
出指令Ａが出てコーヒーを製造し、再び貯蔵容器５へ移
して溜め置きする。

【００１５】この場合に、あらかじめ設定した販売時間
帯で計数したコーヒー販売実績数を基に、前記した販売
制御部１５の演算手段１５ａの学習機能で次回の時間帯
におけるコーヒー販売時間間隔を予測し、この予測のタ
イミングで次回のコーヒーを製造を行うように販売制御
部１５からコーヒー抽出指令Ａを出すようにすれば、所
定の時間内で売れずに廃棄処分するコーヒーの量をでき
るだけ少なくして原料のロス分を減らすことができる。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
次記の効果を奏する。 (1) 請求項１の構成によれば、貯蔵容器からコーヒーを
送出，制御する手段として従来使用していた電磁弁が不
要となり、これにより電磁弁の詰まり，動作不良に起因
する販売トラブルを回避してコーヒー販売動作の信頼性
が向上する。

【００１７】(2) 請求項２，３によれば、製造後に所定
時間が経過して風味の低下したコーヒーを販売せずに廃
棄し、販売時には良質なコーヒーだけを販売に供するこ
とができる。 (3) 請求項４によれば、売れ残ったコーヒーの廃棄処分
量をできるだけ少なくして、コーヒー原料のロスを低く
抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例によるレギュラーコーヒーの
製造，販売系統図

【符号の説明】

１ コーヒー豆の原料箱 ２ コーヒーミル ３ コーヒー抽出器 ４ 温水タンク ５ 貯蔵容器 ６ コーヒー ７ ミキシングボゥル ９ ベンドステージ １０ カップ供給機構 １１ 排水バケツ １２ チューブ式ポンプ １４ 通路切替装置 １５ 販売制御部 １５ａ 演算手段 １６ カップ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】指令に基づいてカップ一杯分のレギュラー
   コーヒーを製造するコーヒー抽出器，および該抽出器で
   製造したコーヒーを取り込んで溜め置きする保温機能付
   きの貯蔵容器を装備し、コーヒー販売時に前記貯蔵容器
   から送出したコーヒーをミキシングボゥルを経由してベ
   ンドステージに搬出したカップに供給するカップ式飲料
   自動販売機において、前記貯蔵容器の底部に開口した出
   口に容量型のチューブ式ポンプを接続し、コーヒー販売
   時に前記チューブ式ポンプを通じて貯蔵容器に溜め置き
   したコーヒーを送出するようにしたことを特徴とするカ
   ップ式飲料自動販売機。
2. 【請求項２】請求項１記載のカップ式飲料自動販売機に
   おいて、貯蔵容器からチューブ式ポンプを経て引出した
   コーヒー供給管路に、貯蔵容器から送出したコーヒーを
   ミキシングボゥルから排水側に切り替える通路切替装置
   を備えたことを特徴とするカップ式飲料自動販売機。
3. 【請求項３】請求項２記載のカップ式飲料自動販売機に
   おいて、通路切替装置を、常時はコーヒー供給管路をミ
   キシングボゥルに通じる位置にセットしておき、貯蔵容
   器に溜め置きしたコーヒーが所定時間を経過した際に供
   給管路を排水側に切替えて貯蔵容器内のコーヒーを排水
   側に廃棄するようにしたことを特徴とするカップ式飲料
   自動販売機。
4. 【請求項４】請求項１記載のカップ式飲料自動販売機に
   おいて、所定の販売時間帯ごとに計数したコーヒー販売
   実績から次回の時間帯におけるコーヒー販売の時間間隔
   を予測する演算手段を備え、この予測時間間隔を基に次
   回のコーヒー製造指令を与えるようにしたことを特徴と
   するカップ式飲料自動販売機。