JPH0962821A - 情報識別記録媒体付カード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】リライタブル媒体層の貼替えが困難であり、不
正使用を容易に発見することができる。 【解決手段】設定された条件で加熱・冷却することによ
って、目視情報の記録及び消去が可能にされた熱可逆性
記録材料から成るリライタブル媒体層１７、並びにリラ
イタブル媒体層１７の下面に形成された反射層１８を設
け、カード母材１４に粘着する。反射層１８の強さを小
さくすることにより、カード母材１４から剥がそうとす
ると、反射層１８の一部がリライタブル媒体層１７の変
形に追従することができずに破断してしまい、破断部分
２５の反射率が低下する。また、粘着力を変えることに
より、同様の効果を生じることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、情報識別記録媒体
付カードに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、クレジットカード、プリペイドカ
ード、銀行カード等においては、目視情報を目視するこ
とができ、かつ、記録及び消去が可能なリライタブル媒
体層を貼り付けた情報識別記録媒体付カードが提供され
ている。ところが、この種の情報識別記録媒体付カード
は、リライタブル媒体層を貼り替えることによって不正
使用される可能性がある。そこで、前記情報識別記録媒
体付カードの磁気記録部、ＩＣチップ部等に目視情報の
正否を判断するためのデータを記録したり、前記情報識
別記録媒体付カードにバーコード等の補助的なデータを
記録したりして、前記リライタブル媒体層の目視情報と
読み取られたデータとを照合することによって情報識別
記録媒体付カードの不正使用を発見することができるよ
うになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の情報識別記録媒体付カードにおいては、不正使用の
防止手法の仕組みが一旦（いったん）露顕すると、磁気
記録部、ＩＣチップ部等に記録されたデータを変更した
り、リライタブル媒体層を貼り替えたりして情報識別記
録媒体付カードが偽造されやすくなってしまう。

【０００４】さらに、磁気記録部、ＩＣチップ部等に記
録されたデータが破壊されると、情報識別記録媒体付カ
ードの不正使用を発見することができなくなり、リライ
タブル媒体層に記録された目視情報が優先されてしま
う。また、情報識別記録媒体付カードの不正使用を発見
するために、情報識別記録媒体付カードの磁気記録部、
ＩＣチップ部等のデータを読み取るための装置、目視情
報を読み取るための装置、データを照合する装置等が必
要になってしまう。

【０００５】本発明は、前記従来の情報識別記録媒体付
カードの問題点を解決して、リライタブル媒体層の貼替
えが困難であり、不正使用を容易に発見することができ
る情報識別記録媒体付カードを提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そのために、本発明の情
報識別記録媒体付カードにおいては、カード母材と、設
定された条件で加熱・冷却することによって、目視情報
の記録及び消去が可能にされた熱可逆性記録材料から成
るリライタブル媒体層と、該リライタブル媒体層の下面
に形成された反射層と、該反射層とカード母材との間に
配設された粘着層とを有する。

【０００７】そして、前記反射層の引張り強さがリライ
タブル媒体層の引張り強さより小さくされる。本発明の
他の情報識別記録媒体付カードにおいては、カード母材
と、設定された条件で加熱・冷却することによって、目
視情報の記録及び消去が可能にされた熱可逆性記録材料
から成るリライタブル媒体層と、該リライタブル媒体層
の下面に形成された反射層と、該反射層とカード母材と
の間に配設された粘着層とを有する。

【０００８】そして、前記リライタブル媒体層と反射層
との間の貼付け力が、反射層と粘着層との間の貼付け力
より、また、粘着層とカード母材との間の貼付け力より
小さくされる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図１は本発明の
第１の実施の形態における情報識別記録媒体付カードの
斜視図である。図において、１０は情報識別記録媒体付
カード、１１は磁気材料から成る磁気記録部、１２はＩ
Ｃチップ部であり、前記磁気記録部１１及びＩＣチップ
部１２に対してデータの記録及び再生が可能である。ま
た、１３は情報識別記録媒体、１４はカード母材、１５
はエンボス部である。

【００１０】前記情報識別記録媒体１３は、前記磁気記
録部１１、ＩＣチップ部１２及びエンボス部１５以外の
領域に貼り付けられる。本実施の形態においては、カー
ド母材１４のほぼ中央に貼り付けられているが、他の位
置に貼り付けることもでき、また、カード母材１４の裏
面に貼り付けることもできる。次に、前記情報識別記録
媒体１３について説明する。

【００１１】図２は本発明の第１の実施の形態における
情報識別記録媒体の断面図である。図において、１３は
情報識別記録媒体、１７は熱可逆性記録材料から成るリ
ライタブル媒体層、１６は該リライタブル媒体層１７の
表面に被覆された保護層、１８は前記リライタブル媒体
層１７の下面に形成された反射層、１９は該反射層１８
の下面に形成され、情報識別記録媒体１３をカード母材
１４（図１）に貼り付けるための粘着層である。

【００１２】前記リライタブル媒体層１７は、部分的に
加熱することによって透過率が高い透明部分２１と透過
率が低い白濁部分２０とを形成する。したがって、保護
層１６を介して入射した光ａは、リライタブル媒体層１
７の透明部分２１を通過して反射層１８によって反射さ
れるのに対して、光ｂは、白濁部分２０の透過率が低い
ので、リライタブル媒体層１７の表面で反射する。

【００１３】その結果、光ａは反射層１８の色に、光ｂ
は白く変化する。この現象を利用して、目視情報をリラ
イタブル媒体層１７に記録することができる。なお、前
記リライタブル媒体層１７に記録された目視情報は、設
定された条件でリライタブル媒体層１７を加熱したり冷
却したりすることによって記録及び消去が可能である。

【００１４】ところで、前記構成の情報識別記録媒体付
カード１０においては、リライタブル媒体層１７を貼り
替えることによって情報識別記録媒体付カード１０を不
正使用される可能性がある。そこで、本実施の形態にお
いては、情報識別記録媒体１３がカード母材１４から剥
（は）がされたかどうかを容易に識別することができる
ようになっている。

【００１５】図３は本発明の第１の実施の形態における
情報識別記録媒体の状態図、図４は本発明の第１の実施
の形態における反射層の変形後の状態図である。図にお
いて、１３は情報識別記録媒体、１４はカード母材、１
６は保護層、１７はリライタブル媒体層、１８は反射
層、１９は粘着層、２５は破断部分である。

【００１６】この場合、反射層１８の引張り強さはリラ
イタブル媒体層１７の引張り強さより小さくされる。し
たがって、情報識別記録媒体１３をカード母材１４から
図３に示すような曲率で引っ張りながら剥がそうとする
と、図４に示すように、前記反射層１８の一部がリライ
タブル媒体層１７の変形に追従することができずに破断
してしまい、反射率が低下した破断部分２５が形成され
る。

【００１７】その結果、該破断部分２５が白濁状態にな
り、正規の目視情報を読むことができなくなるので、情
報識別記録媒体付カード１０を目視するだけで情報識別
記録媒体１３の貼替えによる情報識別記録媒体付カード
１０の不正使用を発見することができる。次に、本発明
の第２の実施の形態について、図３に基づいて説明す
る。

【００１８】この場合、リライタブル媒体層１７と反射
層１８との間の貼付け力が、反射層１８と粘着層１９と
の間の貼付け力より、また、粘着層１９とカード母材１
４との間の貼付け力より小さくされる。したがって、情
報識別記録媒体１３をカード母材１４から剥がそうとす
ると、反射層１８及び粘着層１９がリライタブル媒体層
１７から剥がれてカード母材１４に残ってしまう。

【００１９】その結果、情報識別記録媒体１３は別のカ
ード母材に貼り付けることができなくなるので、情報識
別記録媒体１３の貼替えによる情報識別記録媒体付カー
ド１０の不正使用を防止することができる。また、仮
に、前記情報識別記録媒体１３のリライタブル媒体層１
７を別の反射層及び粘着層を介してカード母材１４に貼
り付けようとしても、反射層によって反射される光の量
が初期状態のものから変化してしまう。

【００２０】その結果、情報識別記録媒体付カード１０
を目視するだけで情報識別記録媒体１３の貼替えによる
情報識別記録媒体付カード１０の不正使用を発見するこ
とができる。次に、本発明の第３の実施の形態について
説明する。図５は本発明の第３の実施の形態における情
報識別記録媒体の断面図、図６は本発明の第３の実施の
形態における反射層の変化を示す図である。

【００２１】図において、１３は情報識別記録媒体、１
６は保護層、１７はリライタブル媒体層、１８は反射
層、１９は粘着層、２２、２３は領域である。この場
合、領域２２においては、リライタブル媒体層１７と反
射層１８との間の貼付け力が、反射層１８と粘着層１９
との間の貼付け力より、また、粘着層１９とカード母材
１４（図１）との間の貼付け力より小さくされる。

【００２２】また、一方の領域２３においては、リライ
タブル媒体層１７と反射層１８との間の貼付け力が、反
射層１８と粘着層１９との間の貼付け力より、また、粘
着層１９とカード母材１４との間の貼付け力より大きく
される。したがって、情報識別記録媒体１３をカード母
材１４から剥がそうとすると、領域２２の反射層１８及
び粘着層１９がリライタブル媒体層１７から剥がれてカ
ード母材１４に残ってしまう。これにより、図６に示す
ように、情報識別記録媒体１３を上から見ると、反射層
１８が剥がれた領域２２が黒くなる。

【００２３】そして、正規の目視情報を読むことができ
なくなるので、情報識別記録媒体付カード１０を目視す
るだけで情報識別記録媒体１３の貼替えによる情報識別
記録媒体付カード１０の不正使用を発見することができ
る。なお、本実施の形態においては、領域２２、２３を
交互に形成するようにしているが、ランダムに形成する
こともできる。さらに、目視情報の内容に応じて、領域
分割パターンを複雑にすることもできる。

【００２４】次に、本発明の第４の実施の形態について
説明する。図７は本発明の第４の実施の形態における反
射層の第１の変化状態図、図８は本発明の第４の実施の
形態における反射層の第２の変化状態図である。この場
合、領域２２においては、リライタブル媒体層１７（図
５）と反射層１８との間の貼付け力が、反射層１８と粘
着層１９との間の貼付け力より、また、粘着層１９とカ
ード母材１４（図１）との間の貼付け力より小さくされ
る。

【００２５】また、一方の領域２３においては、リライ
タブル媒体層１７と反射層１８との間の貼付け力が、反
射層１８と粘着層１９との間の貼付け力より、また、粘
着層１９とカード母材１４との間の貼付け力より大きく
される。そして、前記領域２２によって「ＮＧ」、「Ｗ
ＡＲＮＩＮＧ」等のように、情報識別記録媒体付カード
１０の取扱者に注意を喚起するような文字が形成され
る。

【００２６】したがって、情報識別記録媒体付カード１
０を目視するだけで情報識別記録媒体１３の貼替えによ
る情報識別記録媒体付カード１０の不正使用を発見する
ことができる。なお、本発明は前記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形さ
せることが可能であり、これらを本発明の範囲から排除
するものではない。

【００２７】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、本発明の情報識別記録媒体付カードにおいては、
カード母材と、設定された条件で加熱・冷却することに
よって、目視情報の記録及び消去が可能にされた熱可逆
性記録材料から成るリライタブル媒体層と、該リライタ
ブル媒体層の下面に形成された反射層と、該反射層とカ
ード母材との間に配設された粘着層とを有する。

【００２８】そして、前記反射層の引張り強さがリライ
タブル媒体層の引張り強さより小さくされる。したがっ
て、リライタブル媒体層及び反射層をカード母材から引
っ張りながら剥がそうとすると、前記反射層の一部がリ
ライタブル媒体層の変形に追従することができずに破断
してしまい、破断部分の反射率が低下する。

【００２９】その結果、該破断部分が白濁状態になり、
正規の目視情報を読むことができなくなるので、情報識
別記録媒体付カードを目視するだけでリライタブル媒体
層の貼替えによる情報識別記録媒体付カードの不正使用
を発見することができる。本発明の他の情報識別記録媒
体付カードにおいては、カード母材と、設定された条件
で加熱・冷却することによって、目視情報の記録及び消
去が可能にされた熱可逆性記録材料から成るリライタブ
ル媒体層と、該リライタブル媒体層の下面に形成された
反射層と、該反射層とカード母材との間に配設された粘
着層とを有する。

【００３０】そして、前記リライタブル媒体層と反射層
との間の貼付け力が、反射層と粘着層との間の貼付け力
より、また、粘着層とカード母材との間の貼付け力より
小さくされる。したがって、リライタブル媒体層をカー
ド母材から剥がそうとすると、反射層及び粘着層がリラ
イタブル媒体層から剥がれてカード母材に残ってしま
う。

【００３１】その結果、リライタブル媒体層を別のカー
ド母材に貼り付けることができなくなるので、リライタ
ブル媒体層の貼替えによる情報識別記録媒体付カードの
不正使用を防止することができる。また、仮に、前記リ
ライタブル媒体層を別の反射層及び粘着層を介してカー
ド母材に貼り付けようとしても、反射層によって反射さ
れる光の量が初期状態のものから変化する。

【００３２】その結果、情報識別記録媒体付カードを目
視するだけでリライタブル媒体層の貼替えによる情報識
別記録媒体付カードの不正使用を発見することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態における情報識別記
録媒体付カードの斜視図である。

【図２】本発明の第１の実施の形態における情報識別記
録媒体の断面図である。

【図３】本発明の第１の実施の形態における情報識別記
録媒体の状態図である。

【図４】本発明の第１の実施の形態における反射層の変
形後の状態図である。

【図５】本発明の第３の実施の形態における情報識別記
録媒体の断面図である。

【図６】本発明の第３の実施の形態における反射層の変
化を示す図である。

【図７】本発明の第４の実施の形態における反射層の第
１の変化状態図である。

【図８】本発明の第４の実施の形態における反射層の第
２の変化状態図である。

【符号の説明】

１０ 情報識別記録媒体付カード １３ 情報識別記録媒体 １４ カード母材 １７ リライタブル媒体層 １８ 反射層 １９ 粘着層 ２２、２３ 領域

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）カード母材と、（ｂ）設定された
   条件で加熱・冷却することによって、目視情報の記録及
   び消去が可能にされた熱可逆性記録材料から成るリライ
   タブル媒体層と、（ｃ）該リライタブル媒体層の下面に
   形成された反射層と、（ｄ）該反射層とカード母材との
   間に配設された粘着層とを有するとともに、（ｅ）前記
   反射層の引張り強さがリライタブル媒体層の引張り強さ
   より小さくされることを特徴とする情報識別記録媒体付
   カード。
2. 【請求項２】 （ａ）カード母材と、（ｂ）設定された
   条件で加熱・冷却することによって、目視情報の記録及
   び消去が可能にされた熱可逆性記録材料から成るリライ
   タブル媒体層と、（ｃ）該リライタブル媒体層の下面に
   形成された反射層と、（ｄ）該反射層とカード母材との
   間に配設された粘着層とを有するとともに、（ｅ）前記
   リライタブル媒体層と反射層との間の貼付け力が、反射
   層と粘着層との間の貼付け力より、また、粘着層とカー
   ド母材との間の貼付け力より小さくされることを特徴と
   する情報識別記録媒体付カード。
3. 【請求項３】 前記リライタブル媒体層と反射層との間
   の貼付け力が、設定された領域において、反射層と粘着
   層との間の貼付け力より、また、粘着層とカード母材と
   の間の貼付け力より小さくされる請求項２に記載の情報
   識別記録媒体付カード。
4. 【請求項４】 前記設定された領域によって文字が形成
   される請求項３に記載の情報識別記録媒体付カード。