JPH0960654A - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

Info

Publication number
JPH0960654A
JPH0960654A JP7215900A JP21590095A JPH0960654A JP H0960654 A JPH0960654 A JP H0960654A JP 7215900 A JP7215900 A JP 7215900A JP 21590095 A JP21590095 A JP 21590095A JP H0960654 A JPH0960654 A JP H0960654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flywheel
clutch
clutch cover
plate
clutch device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7215900A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3582904B2 (ja
Inventor
Hirotaka Fukushima
寛隆 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exedy Corp filed Critical Exedy Corp
Priority to JP21590095A priority Critical patent/JP3582904B2/ja
Priority to US08/699,072 priority patent/US5868232A/en
Priority to DE19633931A priority patent/DE19633931C2/de
Priority to KR1019960035020A priority patent/KR100217197B1/ko
Priority to FR9610414A priority patent/FR2738043B1/fr
Publication of JPH0960654A publication Critical patent/JPH0960654A/ja
Priority to US09/179,467 priority patent/US5992596A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3582904B2 publication Critical patent/JP3582904B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ装置を径方向に大きくすることな
く、イナーシャ部材を外周に設けてクラッチ装置を軸方
向に小さくすることにある。 【解決手段】 粘性ダンパー機構5は、第1及び第2入
力プレート18,19とフライホイール7とを円周方向
に弾性的に連結する。クラッチカバー組立体8は、フラ
イホイール7の外周部に係合する折り曲げ部31bを有
するクラッチカバー31と、プレッシャープレート32
と、クラッチカバー31に支持されプレッシャープレー
ト32をフライホイール7に付勢するダイアフラムスプ
リング33とを有している。イナーシャ部材4は、フラ
イホイール7とクラッチカバー組立体8の外周を覆うよ
うに軸方向に延びる環状の部材である。ボルト20は、
第1及び第2入力プレート18,19とイナーシャ部材
4を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ装置、特
に、フライホイールの前段にダンパー機構が設けられた
クラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチ装置は、一般に、エンジン側の
フライホイールと、フライホイールに固定されプレッシ
ャープレートをフライホイール側に押圧するクラッチカ
バー組立体とから構成されている。フライホイールとプ
レッシャープレートとの間にはクラッチディスク組立体
の摩擦フェーシングが配置されており、この摩擦フェー
シングがフライホイールとプレッシャープレートとの間
に挟持されると、フライホイールのトルクがクラッチデ
ィスク組立体に伝達される。
【0003】さらに、クラッチディスク組立体のダンパ
ー機構を廃止し、フライホイールを分割し、その間にダ
ンパー機構を設けたクラッチ装置が開発されている。こ
れにより、ダンパー機構を境とした入出力系において出
力側の慣性モーメントが増加し、共振点をアイドル回転
数以下に下げることができる。前記従来のクラッチ装置
では、軸方向の寸法を短くすることが求められている。
そのため、たとえばダンパー機構における一段目のフラ
イホイールをプレート部材とすることで薄型化し、さら
に慣性モーメントを確保するためのイナーシャ部材をプ
レート部材の外周部に固定することが考えられる。しか
もイナーシャ部材は径方向に突出しないように軸方向に
長く延ばすことが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般にフライ
ホイールにはクラッチカバーが取り付けられるための取
付け座が形成されており、イナーシャ部材は取付け材の
外周に配置されことになる。すると、クラッチ装置が径
方向に大きくなってしまう。本発明の課題は、クラッチ
装置を径方向に大きくすることなく、イナーシャ部材を
外周に設けてクラッチ装置を軸方向に小さくすることに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のクラッ
チ装置は、入力回転プレートとフライホイールとダンパ
ー機構とクラッチカバー組立体とイナーシャ部材と固定
部材とを備えている。フライホイールは入力回転プレー
トに軸方向に対向して配置されている。ダンパー機構は
入力回転プレートとフライホイールとを円周方向に弾性
的に連結している。クラッチカバー組立体は、フライホ
イールの外周部に係合する係合部を有するクラッチカバ
ーと、クラッチカバーとフライホイールとの間に配置さ
れたプレッシャープレートと、クラッチカバーに支持さ
れプレッシャープレートをフライホイールに付勢する付
勢部材とを有している。イナーシャ部材は環状であり、
フライホイール及びクラッチカバー組立体の外周を覆う
ように軸方向に延びている。固定部材は入力回転プレー
トとイナーシャ部材を固定している。
【0006】このクラッチ装置では、フライホイールに
おいてクラッチ取付け座が無くなり、クラッチカバーは
係合部によりフライホイールに固定されている。そのた
め、イナーシャ部材をより径方向内側に配置でき、クラ
ッチ装置全体が径方向に大型化しない。請求項2に記載
のクラッチ装置では、複数のボルトがクラッチカバー側
から固定されているため、固定が容易である。それが可
能になったのはフライホイールのクラッチ取付け座を無
くして複数のボルトをより径方向内側に配置可能になっ
たからである。
【0007】請求項3に記載のクラッチ装置では、フラ
イホイールは、円周方向に間隔をあけて径方向外方に突
出する複数の突出係合部を外周部に有している。クラッ
チカバーの係合部は突出係合部に係合している。ボルト
はフライホイールの突出係合部同士の円周方向間に対応
している。このようにボルトはフライホイールの突出係
合部同士の円周方向間に対応して固定されるため、ボル
トをさらに径方向内側に配置することが可能となってい
る。この結果、クラッチ装置の径方向寸法が短くなり、
装置全体が小型化する。
【0008】請求項4に記載のクラッチ装置では、クラ
ッチカバーの係合部は突出係合部に円周方向から係合可
能であり、係合状態でフライホイールと軸方向に移動不
能になる折曲げ部である。クラッチ装置は、フライホイ
ールとクラッチカバーを相対回転不能に固定する取り外
し可能な固定部材をさらに備えている。クラッチカバー
はフライホイールから取り外す際に破損することがない
ため、取り外し後の再利用が可能である。
【0009】請求項5に記載のクラッチ装置では、イナ
ーシャ部材に固定されて、曲げ方向にたわみ可能なフレ
キシブルプレートをさらに備えている。これより、曲げ
振動が入力されるとフレキシブルプレートがたわんで振
動を吸収する。請求項6に記載のクラッチ装置は、フラ
イホイールとプレッシャープレートとの間に配置された
摩擦連結部を有するクラッチディスク組立体をさらに備
えている。
【0010】請求項7に記載のクラッチ装置では、ダン
パー機構は、入力回転プレートとフライホイールとが相
対回転すると粘性抵抗を発生する粘性抵抗発生機構を有
している。請求項8に記載のクラッチ装置では、ダンパ
ー機構は、交互に折り曲げられて弧状に延び、入力回転
プレートとフライホイールとを円周方向に連結する曲が
り板ばねを有している。この曲がり板ばねは体積当たり
のエネルギー貯蔵量が大きいため、従来のコイルスプリ
ングに比べて径方向寸法が短くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1〜図3に示す本発明の第1実施形態としてのクラッ
チ装置1は、主に、フレキシブルプレート3とイナーシ
ャ部材4と粘性ダンパー機構5とフライホイール7とク
ラッチカバー組立体8とクラッチディスク組立体10と
から構成されている。図2及び図3の左側にはエンジン
(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッ
ション(図示せず)が配置されている。
【0012】フレキシブルプレート3は、円板状のプレ
ート部材であり、内周部に円板状のプレート部材11が
リベット12により固定されている。フレキシブルプレ
ート3の内周部はプレート部材11とともにエンジン側
のクランクシャフト52に固定される。フレキシブルプ
レート3の径方向中間部には、円周方向に等間隔で形成
された複数の丸い孔3aが形成されている。フレキシブ
ルプレート3は円周方向には剛性が高いが曲げ方向には
たわみ可能である。
【0013】フレキシブルプレート3の外周端には、リ
ベット13によりイナーシャ部材4が固定されている。
イナーシャ部材4は、軸方向に長く延びる筒状の部材で
ある。また、イナーシャ部材4にはリングギア16が固
定されている。イナーシャ部材4には、円周方向に等間
隔で3ヶ所に内周側と外周側とを連通する操作孔4bが
形成されている。
【0014】粘性ダンパー機構5は、主に、第1入力プ
レート18と第2入力プレート19と曲がり板ばね23
とドリブン部材24とから構成されている。第1入力プ
レート18はフレキシブルプレート3の側方に配置され
た円板状のプレート部材である。第1入力プレート18
の外周部はイナーシャ部材4の内周面に当接している。
また、第1入力プレート18の内周部は、トランスミッ
ション側に延びる内周突出部18bとなっている。第1
入力プレート18の径方向中間部は、図2及び図3から
明らかなようにエンジン側に突出している。第2入力プ
レート19は、第1入力プレート18の側方に配置され
た円板状のプレート部材である。第2入力プレート19
の外周端はイナーシャ部材4の内周面に当接している。
また、第2入力プレート19の外周部と第1入力プレー
ト18の外周部とは互いに当接しており、リベット21
により互いに固定されており、その間にはシールリング
22が配置されている。第2入力プレート19の内径は
第1入力プレート18の内径よりも大きい。
【0015】さらに、第1及び第2入力プレート18,
19の外周部は、図1及び図3に示すように、円周方向
に等間隔で3ヵ所に3本ずつのボルトによってイナーシ
ャ部材4に固定されている。ボルト20は、クラッチカ
バー31の延長部31a(後述)間を通ってトランスミ
ッション側から固定される。また、各ボルト20に対応
する部分にはイナーシャ部材4に溝4aが形成されてい
る。
【0016】第1入力プレート18と第2入力プレート
19とによって形成される空間は、作動油等の粘性流体
が充填された粘性流体充填室となっている。この粘性流
体充填室内には、1対の曲がり板ばね23が配置されて
いる。曲がり板ばね23は、図1から明らかなように、
交互に折曲げられて円弧状に延び、レバー部と環状の開
環部が交互に連続している。この曲がり板ばね23を用
いることで従来のコイルスプリングを用いる場合に比べ
て粘性ダンパー機構5の軸方向の寸法が小さくなってい
る。
【0017】ドリブン部材24は円板状の部材であり、
円板部分から一体に径方向外側に延びる係合部24aを
有している。係合部24aは粘性流体充填室内に延びて
おり、それぞれ1対の曲がり板ばね23の円周方向両端
に当接している。また、第1及び第2入力プレート1
8,19は、軸方向に突出し曲がり板ばね23の円周方
向両端に当接する支持部18a,19aを有している。
【0018】フライホイール7は、トランスミッション
側に環状の摩擦面7aを有している。また、フライホイ
ール7には、両面を連通する連通孔7bが形成されてい
る。フライホイール7の内周端には、ドリブン部材24
がリベット29により固定されている。フライホイール
7とドリブン部材24の内周部は、軸受28を介して第
1入力プレート18の内周突出部18bに支持されてい
る。フライホイール7の外周面には円周方向に等間隔で
3ヵ所に係合部7cが形成されている。係合部7cは径
方向外側に突出している。また、係合部7cのエンジン
側端面は径方向内側にいくに従って深くなるように傾斜
している。
【0019】クラッチカバー組立体8は、主に、クラッ
チカバー31とプレッシャープレート32とダイアフラ
ムスプリング33と連結プレート34とスタッドピン3
5と2本のワイヤリング36とコーンスプリング38と
から構成されている。クラッチカバー31は、真ん中に
大径の孔が形成された皿形状であり、その外周部には円
周方向に等間隔で所定の幅を有してフライホイール7側
に延びる延長部31aが形成されている。延長部31a
の先端には内周側に折り曲げられた折曲げ部31bが形
成されており、この折曲げ部31bはフライホイール7
の係合部7cに係合している。これにより、クラッチカ
バー31はフライホイール7に対してトランスミッショ
ン側に移動不能になっている。また、延長部31aの先
端には円周方向に延びる切欠きが形成されており、この
切欠きには同じく円周方向に延びるプレート42が係合
している。プレート42はボルト43によりフライホイ
ール7の外周面に固定されている。このようにして、ク
ラッチカバー31はフライホイール7に対して円周方向
に相対回転不能になっている。このようにフライホイー
ルのボルト取付座を廃止することにより、フライホイー
ル7が径方向に小型化している。
【0020】プレッシャープレート32は、クラッチカ
バー31内に配置された環状の部材である。プレッシャ
ープレート32には、フライホイール7の摩擦面7aに
対向する押圧面32aが形成されている。また、プレッ
シャープレート32において押圧面32aと反対側の面
にはトランスミッション側に突出する環状突出部32b
が形成されている。さらに、プレッシャープレート32
には径方向内側に延びるフランジ部32cが形成されて
いる。
【0021】ダイアフラムスプリング33は円板状の部
材であり、その外周端はプレッシャープレート32とク
ラッチカバー31との間に挿入されており、内周端はメ
インドライブシャフト50の近傍まで延びている。この
ダイアフラムスプリング33には、内周縁から径方向外
側に向かって複数のスリットが形成されており、そのス
リットにより複数のレバー部33aが形成されている。
各スリットの径方向外方部は、第1孔33cとなってい
る。また、各スリットにおいて円周方向に等間隔で3ヶ
所には第2孔33dが形成されている。第2孔33dは
第1孔33cより径方向内方に長く延びており、プレッ
シャープレート32のフランジ部32c付近まで延びて
いる。ダイアフラムスプリング33においてレバー部3
3aより径方向外方に形成された環状押圧部33bは内
周端の両側面が後述するワイヤリング36により支持さ
れており、外周部がプレッシャープレート32の環状突
出部32bに当接している。
【0022】クラッチカバー31の内周部に固定された
複数のスタッドピン35は、ダイアフラムスプリング3
3の第1孔33cを貫通してプレッシャープレート32
側に延びている。各スタッドピン35の他端には、連結
プレート34が固定されている。各スタッドピン35よ
り外周側において連結プレート34とダイアフラムスプ
リング33との間及びダイアフラムスプリング33とク
ラッチカバー31との間にはそれぞれワイヤリング36
が配置されている。すなわち、ダイアフラムスプリング
33の環状押圧部33bの内周部は1対のワイヤリング
36に挟まれて支持されている。
【0023】連結プレート34は環状の部材であり、そ
の内周部には、円周方向R1 側に長く延びる3本の連結
部34aが一体に形成されている。この連結部34aの
先端は、リベット37によりプレッシャープレート32
のフランジ部32cに固定されている。リベット37の
位置はダイアフラムスプリング33の第2孔33cに対
応している。連結部34aは円周方向に剛性が高くかつ
軸方向にたわみ可能となっている。連結部34aはプレ
ッシャープレート32をフライホイール7側から離れる
方向に付勢している。
【0024】コーンスプリング38は、連結プレート3
4の外周部に配置されている。コーンスプリング38の
内周端は連結プレート34に支持され、外周端がダイア
フラムスプリング33の外周端すなわちプレッシャープ
レート32の環状突出部32bに近接する部分をプレッ
シャープレート32から離れる方向に付勢している。以
上に述べたように、連結プレート34はクラッチカバー
31とプレッシャープレート32を連結するとともに、
コーンスプリング38とワイヤリング36を支持してい
る。以上のように連結プレート34に多機能を持たせる
ことで部品点数が少なくなる。
【0025】複数の係止部材40は固定ピン39により
プレッシャープレート32に固定され、一端がダイアフ
ラムスプリング33の外周端部をプレッシャープレート
32の環状突出部32bとの間に挟持している。クラッ
チディスク組立体10は、フライホイール7の摩擦面7
aとプレッシャープレート32の押圧面32aとの間に
配置される摩擦フェーシング45を有している。摩擦フ
ェーシング45は、プレート部材を介してハブ46に固
定されている。
【0026】トランスミッション側から延びるメインド
ライブシャフト50は、ハブ46にスプライン係合して
いる。また、メインドライブシャフト50の先端は、ク
ランクシャフト52に軸受51を介して回転自在に支持
されている。また、ダイアフラムスプリング33の内周
端には、トランスミッション側からレリーズ装置54が
当接している。
【0027】なお、図1においてはボルト49が図示さ
れているが、クラッチ装置1の使用時にはこのボルト4
9は用いられない。ボルト49はクラッチカバー組立体
8をフライホイール7に組み付け又は分解するときに用
いる。複数のボルト49は、クラッチカバー31の内周
端に形成された孔を貫通してさらにダイアフラムスプリ
ング33の第1孔33cを貫通してさらに連結プレート
34を貫通してプレッシャープレート32に先端が螺合
している。
【0028】次にクラッチ装置1の動作について説明す
る。エンジン側のクランクシャフトが回転すると、トル
クがフレキシブルプレート3,粘性ダンパー機構5を介
してフライホイール7に伝達され、さらにクラッチディ
スク組立体10に伝達され最後にメインドライブシャフ
ト50に出力される。プレッシャープレート32は、連
結プレート34を介してクラッチカバー31と一体回転
する。このようにプレッシャープレート32の回転駆動
はプレッシャープレート32の内周部とクラッチカバー
31の内周部とを連結する連結プレート34で行われて
いるために、従来のようにクラッチカバー31の外周部
にストラッププレートを収容するための切欠きを設ける
必要がない。このため、クラッチカバー31の強度が向
上している。
【0029】イナーシャ部材4が第1及び第2入力プレ
ート18,19に固定されているため、曲がり板ばね2
3を境として入力系と出力系に分かれる動力の入出力系
において入力系の慣性モーメントを十分に確保できる。
イナーシャ部材4が外周部に配置されているため、粘性
流体充填室を構成する部材である第1及び第2入力プレ
ート18,19を軸方向に薄くできる。その結果、クラ
ッチ装置1全体が軸方向に小型化される。さらに、イナ
ーシャ部材4は軸方向に長く延びているため、クラッチ
装置1全体はあまり径方向に大型化しない。このように
イナーシャ部材4を粘性ダンパー機構5の外周部に設け
ても装置が径方向に大型化しなくなったのは、フライホ
イール7からクラッチ取付け座を廃止して、イナーシャ
部材4をより径方向内側に配置できるようになったから
である。
【0030】エンジン側から曲げ振動が伝達された場合
には、フレキシブルプレート3が曲げ方向にたわむこと
で曲げ振動を吸収する。エンジン側から捩じり振動が伝
達されると、第1及び第2入力プレート18,19とフ
ライホイール7とが周期的な相対回転を行う。このと
き、曲がり板ばね23が円周方向に圧縮され、粘性流体
充填室内において曲がり板ばね23と第1及び第2入力
プレート18,19との間を粘性流体が流れ粘性抵抗を
発生する。この結果、捩じり振動が効果的に減衰され
る。
【0031】運転者がクラッチペダルを踏むと、レリー
ズ装置54の一端がダイアフラムスプリング33の内周
端をエンジン側に移動させる。その結果、ダイアフラム
スプリング33の外周端部がプレッシャープレート32
の環状突出部32bから離れる。すると、連結プレート
34の連結部34aの付勢力により、プレッシャープレ
ート32がクラッチディスク組立体10の摩擦フェーシ
ング45から離れる。この結果、フライホイール7から
クラッチディスク組立体10へのトルク伝達が遮断され
る。以上に述べたレリーズ動作時に、コーンスプリング
38がダイアフラムスプリング33にトランスミッショ
ン側への荷重を与えているので、レリーズ荷重が下が
り、ペダル踏力が低減される。
【0032】このクラッチ装置1を組み立てる際には、
予めフライホイール7とクラッチカバー組立体8とを固
定しておく。具体的には、初めにボルト49によりクラ
ッチカバー組立体8とプレッシャープレート32とを軸
方向に移動不能になるように固定する。このボルト49
により、ダイアフラムスプリング33からの荷重にもか
かわらずクラッチカバー31とプレッシャープレート3
2は近接した状態を保っている。この状態のクラッチカ
バー組立体8をフライホイール7側に接近させ、クラッ
チカバー31の突出部31aをフライホイール7の係合
部7c間の隙間を通して移動させる。その状態でクラッ
チカバー組立体8を回転させ、折曲げ部31bを係合部
7cに係合させる。次に、ボルト43とプレート42と
を操作孔4bから操作してフライホイール7に固定する
ことにより、クラッチカバー31とフライホイール7と
は相対回転不能となる。ボルト49を外すと、ダイアフ
ラムスプリング33によりプレッシャープレート32と
クラッチカバー31とは軸方向に離れる方向に付勢さ
れ、これにより折曲げ部31bと係合部7cとが軸方向
に固く連結される。
【0033】粘性ダンパー機構5,フライホイール7,
クラッチカバー組立体8及びクラッチディスク組立体1
0とからなる機構は、複数のボルト20により、フレキ
シブルプレート3及びイナーシャ部材4に固定される。
ボルト20は、クラッチカバー31の突出部31aが形
成されていない部分及びフライホイール7の係合部7c
が形成されていない部分及びイナーシャ部材4の溝4a
を貫通して、第1及び第2入力プレート18,19の外
周部をイナーシャ部材4に固定する。このようにボルト
20をトランスミッション側から固定することで従来よ
り作業性が良くなっている。ボルト20をトランスミッ
ション側から固定可能となったのは、フライホイールの
ボルト取付座を廃止して、ボルト20をより径方向内側
に配置できるようになったためである。
【0034】クラッチディスク組立体10を交換する際
には、再びボルト49によりクラッチカバー31とプレ
ッシャープレート32を固定する。次に、ボルト43及
びプレート42を外し、次にクラッチカバー組立体8を
回転させ折曲げ部31bと係合部7cとの係合を外す。
以上に述べたように、クラッチディスク組立体10を交
換する際に、クラッチカバー組立体8をフライホイール
7から取り外すだけで良いので作業が簡単である。クラ
ッチカバーの外周部がフライホイールにかしめられてい
た場合には、フライホイールも同時に取り外さなければ
ならない。また、クラッチカバー31はフライホイール
7に対して円周方向に係合及び離脱可能であるために、
フライホイール7から取り外す際に破損することがな
い。そのため、取り外し後の再利用が可能である。第2実施形態 図4に示すクラッチカバー組立体8では、第1実施形態
に比べてワイヤリングが廃止されることで部品点数が少
なくなっている。その代わりに、クラッチカバー31と
連結プレート34とにそれぞれ環状屈曲部31c,34
cが形成されている。環状屈曲部31c,34cはダイ
ヤフラムスプリング33を軸方向両側から挟んでいる。第3実施形態 図5に示すクラッチカバー組立体8では、第1実施形態
に比較してコーンスプリング38が廃止されている。
【0035】コーンスプリング38によって得られる効
果以外の効果は第1実施形態と同様である。第4実施形態 図6に示すクラッチカバー組立体8では、図4に示す第
2実施形態に比較してコーンスプリング38が廃止され
ている。コーンスプリング38以外の効果は第2実施形
態と同様である。第5実施形態 図7及び図11に示すクラッチカバー組立体8では、ク
ラッチカバー31に固定されたスタッドピン35の先端
には連結プレート48と複数のプレートが重なってなる
ストラッププレート47が固定されている。プレート部
材48は環状の部材であり、ワイヤリング36を支持す
るとともにコーンスプリング38を支持している。各ス
トラッププレート47の他端はプレッシャープレート3
2のフランジ32cにリベット37より固定されてい
る。このようにしてストラッププレート47はプレッシ
ャープレート32がクラッチカバー31と一体回転する
ように連結しかつプレッシャープレート32をフライホ
イール側から離れるように付勢する。この場合も、クラ
ッチカバー31とプレッシャープレート32とを両方の
内周側で固定しているため、クラッチカバー31に従来
のようにストラッププレートを収容するための切欠きを
設ける必要がない。その結果、クラッチカバー31の強
度が向上している。さらに、プレート部材48はワイヤ
リング36とコーンスプリング38との支持を行ってい
る。第6実施形態 図8に示すクラッチカバー組立体8は、第5実施形態に
比較して、ワイヤリング36を廃止している。その代わ
りに、クラッチカバー31とプレート部材48とにそれ
ぞれ環状屈曲部31c,48cを形成している。これら
環状屈曲部31c,48cはダイヤフラムスプリング3
3を軸方向両側から支持している。第7実施形態 図9に示すクラッチカバー組立体8は、第5実施形態に
比較してコーンスプリング38を省略している。その他
の効果は同様である。第8実施形態 図10示すクラッチカバー組立体8は、第6実施形態に
比較してコーンスプリング38を省略している。それ他
の効果は同様である。第9実施形態 図12に示すクラッチ装置1は、フレキシブルプレート
3と、フライホイール7と、クラッチカバー組立体8と
から構成されている。フレキシブルプレート3の外周部
はボルト60によりフライホイール7に固定されてい
る。フライホイール7の外周面には、円周方向に等間隔
で係合部7cが形成されている。
【0036】クラッチカバー組立体8は、クラッチカバ
ー31とプレッシャープレート32とダイアフラムスプ
リング33とから構成されている。クラッチカバー31
の外周部には、係合部7cに係合する折り曲げ部31b
が形成されている。折り曲げ部31bは係合部7cに対
して円周方向から係合・離脱可能である。プレッシャー
プレート32とフライホイール7の間には、クラッチデ
ィスクの摩擦連結部45が配置されている。
【0037】この実施形態では、フライホイール7とク
ラッチカバー組立体8を一体化することで、フレキシブ
ルプレート3との固定が容易になる。
【0038】
【発明の効果】本発明に係るクラッチ装置では、フライ
ホイールにおいてクラッチ取付け座が無くなり、クラッ
チカバーは係合部によりフライホイールに固定されてい
る。そのため、イナーシャ部材をより径方向内側に配置
することができ、クラッチ装置全体が径方向に大型化し
ない。
【0039】複数のボルトがクラッチカバー側から固定
されているため、固定が容易である。それが可能になっ
たのはフライホイールのクラッチ取付け座を無くして複
数のボルトをより径方向内側に配置可能になったからで
ある。ボルトはフライホイールの突出係合部同士の円周
方向間に対応しており、ボルトをさらに径方向内側に配
置することが可能となっている。この結果、クラッチ装
置の径方向寸法が短くなり、装置全体が小型化する。
【0040】クラッチカバーの折り曲げ係合部はフライ
ホイールの係合部に円周方向に係合・離脱可能に係合し
ているため、フライホイールから取り外す際に破損する
ことがなく、取り外し後の再利用が可能である。フレキ
シブルプレートをさらに備えていると、曲げ振動が入力
されるとフレキシブルプレートがたわんで振動を吸収す
る。
【0041】曲がり板ばねが用いられると、曲がり板ば
ねは体積当たりのエネルギー貯蔵量が大きいため、従来
のコイルスプリングに比べて径方向寸法が短くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置の
段階的平面図。
【図2】クラッチ装置の断面図。
【図3】クラッチ装置の部分断面図。
【図4】本発明の第2実施形態としてのクラッチカバー
組立体の断面図。
【図5】本発明の第3実施形態としてのクラッチカバー
組立体の断面図。
【図6】本発明の第4実施形態としてのクラッチカバー
組立体の断面図。
【図7】本発明の第5実施形態としてのクラッチカバー
組立体の断面図。
【図8】本発明の第6実施形態としてのクラッチカバー
組立体の断面図。
【図9】本発明の第7実施形態としてのクラッチカバー
組立体の断面図。
【図10】本発明の第8実施形態としてのクラッチカバ
ー組立体の断面図。
【図11】本発明の第5実施形態としてのクラッチカバ
ー組立体の部分平面図。
【図12】本発明の第9実施形態としてのクラッチ装置
の断面図。
【符号の説明】
1 クラッチ装置 3 フレキシブルプレート 4 イナーシャ部材 5 粘性ダンパー機構 7 フライホイール 7a 摩擦面 7b 連通孔 7c 係合部 8 クラッチカバー組立体 10 クラッチディスク組立体 31 クラッチカバー 31b 折曲げ係合部 32 プレッシャープレート 32a 押圧面 32b 環状突出部 32c フランジ部 33 ダイアフラムスプリング 34 連結プレート 34a 連結部 35 スタッドピン 36 ワイヤリング 38 コーンスプリング 42 プレート 43 ボルト 45 摩擦フェーシング 46 ハブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力回転プレートと、 前記入力回転プレートに軸方向に対向して配置されたフ
    ライホイールと、 前記入力回転プレートと前記フライホイールとを円周方
    向に弾性的に連結するダンパー機構と、 前記フライホイールの外周部に係合する係合部を有する
    クラッチカバーと、前記クラッチカバーと前記フライホ
    イールとの間に配置されたプレッシャープレートと、前
    記クラッチカバーに支持され前記プレッシャープレート
    を前記フライホイールに付勢する付勢部材とを有するク
    ラッチカバー組立体と、 前記フライホイール及び前記クラッチカバー組立体の外
    周を覆うように軸方向に延びている環状イナーシャ部材
    と、 前記入力回転プレートと前記イナーシャ部材を固定する
    固定部材と、を備えているクラッチ装置。
  2. 【請求項2】前記固定部材は、前記クラッチカバー側か
    ら前記入力回転プレートと前記イナーシャ部材を固定す
    る複数のボルトである、請求項1に記載のクラッチ装
    置。
  3. 【請求項3】前記フライホイールは、円周方向に間隔を
    あけて径方向外方に突出する複数の突出係合部を外周部
    に有しており、 前記クラッチカバーの係合部は前記突出係合部に係合し
    ており、 前記ボルトは前記フライホイールの前記突出係合部同士
    の円周方向間に対応する、請求項2に記載のクラッチ装
    置。
  4. 【請求項4】前記クラッチカバーの前記係合部は、前記
    突出係合部に円周方向から係合可能であり、係合状態で
    前記フライホイールと軸方向に移動不能になる折曲げ部
    であり、 前記フライホイールと前記クラッチカバーを相対回転不
    能に固定する取り外し可能な固定部材をさらに備えてい
    る、請求項3に記載のクラッチ装置。
  5. 【請求項5】前記イナーシャ部材に固定された、曲げ方
    向にたわみ可能なフレキシブルプレートをさらに備えて
    いる、請求項1〜4のいずれかに記載のクラッチ装置。
  6. 【請求項6】前記フライホイールと前記プレッシャープ
    レートとの間に配置された摩擦連結部を有するクラッチ
    ディスク組立体をさらに備えている、請求項1〜5のい
    ずれかに記載のクラッチ装置。
  7. 【請求項7】前記ダンパー機構は、前記入力回転プレー
    トと前記フライホイールとが相対回転すると粘性抵抗を
    発生する粘性抵抗発生機構を有している、請求項1〜6
    のいずれかに記載のクラッチ装置。
  8. 【請求項8】前記ダンパー機構は、交互に折り曲げられ
    て弧状に延び、前記入力回転プレートと前記フライホイ
    ールを円周方向に連結する曲がり板ばねを有している、
    請求項1〜7のいずれかに記載のクラッチ装置。
JP21590095A 1995-08-24 1995-08-24 クラッチ装置 Expired - Fee Related JP3582904B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21590095A JP3582904B2 (ja) 1995-08-24 1995-08-24 クラッチ装置
US08/699,072 US5868232A (en) 1995-08-24 1996-08-14 Clutch apparatus having a vibration dampensing mechanism, a reduced axial thickness and an undulated spring disposed within the vibration dampening mechanism
DE19633931A DE19633931C2 (de) 1995-08-24 1996-08-22 Kupplungsvorrichtung
KR1019960035020A KR100217197B1 (ko) 1995-08-24 1996-08-23 진동 댐퍼닝 메카니즘, 감소된 축 두께, 진동 댐퍼닝 메카니즘내에 배치된 파형 스프링을 가지는 클러치 장치
FR9610414A FR2738043B1 (fr) 1995-08-24 1996-08-23 Dispositif d'embrayage, ensemble d'amortissement et ensemble de couvercle d'embrayage pour un tel dispositif
US09/179,467 US5992596A (en) 1995-08-24 1998-10-27 Clutch apparatus having a vibration dampening mechanism, a reduced axial thickness and an undulated spring disposed within the vibration dampening mechanism

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21590095A JP3582904B2 (ja) 1995-08-24 1995-08-24 クラッチ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0960654A true JPH0960654A (ja) 1997-03-04
JP3582904B2 JP3582904B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=16680119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21590095A Expired - Fee Related JP3582904B2 (ja) 1995-08-24 1995-08-24 クラッチ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3582904B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110404695A (zh) * 2019-08-28 2019-11-05 中国工程物理研究院总体工程研究所 离心机用高承载焊接式转臂支承

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110404695A (zh) * 2019-08-28 2019-11-05 中国工程物理研究院总体工程研究所 离心机用高承载焊接式转臂支承

Also Published As

Publication number Publication date
JP3582904B2 (ja) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7581299B2 (en) Method of assembling a damper unit
US6899210B2 (en) Piston coupling mechanism and lockup device for fluid-type torque transmission device equipped with the same
JP2017062029A (ja) 自動車の伝達システムのねじり振動減衰装置
JP2004125074A (ja) 流体式トルク伝達装置のロックアップ装置
JP6714420B2 (ja) ダンパ装置
US7513176B2 (en) Flywheel device for prime mover
JPH1026146A (ja) モジュラークラッチ
JPH10176723A (ja) 動力走行車用摩擦クラッチ
KR100217197B1 (ko) 진동 댐퍼닝 메카니즘, 감소된 축 두께, 진동 댐퍼닝 메카니즘내에 배치된 파형 스프링을 가지는 클러치 장치
US6866129B2 (en) Lockup device for fluid-type torque transmission device
JPH0960654A (ja) クラッチ装置
JP3582905B2 (ja) クラッチカバー組立体
JP7208820B2 (ja) ロックアップ装置
JPH0960652A (ja) クラッチ装置
JP2004003678A (ja) 動力伝達装置
JP3585314B2 (ja) クラッチ装置
JP2023179885A (ja) ダンパ装置
JP3805803B2 (ja) 動力伝達装置
JP3245294B2 (ja) クラッチ押圧組立体
JP4184234B2 (ja) 原動機のフライホイール装置
JPH09250555A (ja) クラッチ装置
JPH06346945A (ja) フライホイール組立体
JP2002349598A (ja) クラッチディスク組立体及びクラッチ装置
JPH08270732A (ja) ダンパー装置及びフライホイール機構
JPH1182536A (ja) クラッチ装置ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees