JP3582904B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチ装置、特に、フライホイールの前段にダンパー機構が設けられたクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチ装置は、一般に、エンジン側のフライホイールと、フライホイールに固定されプレッシャープレートをフライホイール側に押圧するクラッチカバー組立体とから構成されている。フライホイールとプレッシャープレートとの間にはクラッチディスク組立体の摩擦フェーシングが配置されており、この摩擦フェーシングがフライホイールとプレッシャープレートとの間に挟持されると、フライホイールのトルクがクラッチディスク組立体に伝達される。
【0003】
さらに、クラッチディスク組立体のダンパー機構を廃止し、フライホイールを分割し、その間にダンパー機構を設けたクラッチ装置が開発されている。これにより、ダンパー機構を境とした入出力系において出力側の慣性モーメントが増加し、共振点をアイドル回転数以下に下げることができる。
前記従来のクラッチ装置では、軸方向の寸法を短くすることが求められている。そのため、たとえばダンパー機構における一段目のフライホイールをプレート部材とすることで薄型化し、さらに慣性モーメントを確保するためのイナーシャ部材をプレート部材の外周部に固定することが考えられる。しかもイナーシャ部材は径方向に突出しないように軸方向に長く延ばすことが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般にフライホイールにはクラッチカバーが取り付けられるための取付け座が形成されており、イナーシャ部材は取付け材の外周に配置されことになる。すると、クラッチ装置が径方向に大きくなってしまう。
本発明の課題は、クラッチ装置を径方向に大きくすることなく、イナーシャ部材を外周に設けてクラッチ装置を軸方向に小さくすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のクラッチ装置は、入力回転プレートとフライホイールとダンパー機構とクラッチカバー組立体とイナーシャ部材と固定部材とを備えている。フライホイールは入力回転プレートに軸方向に対向して配置されている。ダンパー機構は入力回転プレートとフライホイールとを円周方向に弾性的に連結している。クラッチカバー組立体は、フライホイールの外周部に係合する係合部を有するクラッチカバーと、クラッチカバーとフライホイールとの間に配置されたプレッシャープレートと、クラッチカバーに支持されプレッシャープレートをフライホイールに付勢する付勢部材とを有している。イナーシャ部材は環状であり、フライホイール及びクラッチカバー組立体の外周を覆うように軸方向に延びている。固定部材は入力回転プレートとイナーシャ部材を固定している。クラッチ装置は、イナーシャ部材に固定された、曲げ方向にたわみ可能なフレキシブルプレートをさらに備えている。
【0006】
このクラッチ装置では、フライホイールにおいてクラッチ取付け座が無くなり、クラッチカバーは係合部によりフライホイールに固定されている。そのため、イナーシャ部材をより径方向内側に配置でき、クラッチ装置全体が径方向に大型化しない。また、曲げ振動が入力されるとフレキシブルプレートがたわんで振動を吸収する。
請求項2に記載のクラッチ装置では、フレキシブルプレート、ダンパー機構及びクラッチカバー組立体は、軸方向に並んで配置されている。イナーシャ部材は、ダンパー機構及びクラッチカバー組立体の外周を覆うようにフレキシブルプレートから軸方向に延びている。
請求項3に記載のクラッチ装置は、フレキシブルプレートとイナーシャ部材を固定する第2の固定部材をさらに備えている。
請求項4に記載のクラッチ装置では、イナーシャ部材は、筒状部と、筒状部のエンジン側から半径方向内側に延びフレキシブルプレート及び入力回転プレートが固定される固定部とを有している。
請求項5に記載のクラッチ装置では、クラッチカバーは、クラッチディスク組立体を超えてフライホイールまで軸方向に延びる外周部を有している。イナーシャ部材はクラッチカバーの外周部の外周側に近接して配置されている。
請求項に記載のクラッチ装置では、複数のボルトがクラッチカバー側から固定されているため、固定が容易である。それが可能になったのはフライホイールのクラッチ取付け座を無くして複数のボルトをより径方向内側に配置可能になったからである。
【0007】
請求項に記載のクラッチ装置では、フライホイールは、円周方向に間隔をあけて径方向外方に突出する複数の突出係合部を外周部に有している。クラッチカバーの係合部は突出係合部に係合している。ボルトはフライホイールの突出係合部同士の円周方向間に対応している。
このようにボルトはフライホイールの突出係合部同士の円周方向間に対応して固定されるため、ボルトをさらに径方向内側に配置することが可能となっている。この結果、クラッチ装置の径方向寸法が短くなり、装置全体が小型化する。
【0008】
請求項に記載のクラッチ装置では、クラッチカバーの係合部は突出係合部に円周方向から係合可能であり、係合状態でフライホイールと軸方向に移動不能になる折曲げ部である。クラッチ装置は、フライホイールとクラッチカバーを相対回転不能に固定する取り外し可能な固定部材をさらに備えている。クラッチカバーはフライホイールから取り外す際に破損することがないため、取り外し後の再利用が可能である。
【0009】
請求項に記載のクラッチ装置は、フライホイールとプレッシャープレートとの間に配置された摩擦連結部を有するクラッチディスク組立体をさらに備えている。
【0010】
請求項10に記載のクラッチ装置では、ダンパー機構は、入力回転プレートとフライホイールとが相対回転すると粘性抵抗を発生する粘性抵抗発生機構を有している。
請求項11に記載のクラッチ装置では、ダンパー機構は、交互に折り曲げられて弧状に延び、入力回転プレートとフライホイールとを円周方向に連結する曲がり板ばねを有している。この曲がり板ばねは体積当たりのエネルギー貯蔵量が大きいため、従来のコイルスプリングに比べて径方向寸法が短くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1〜図3に示す本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置1は、主に、フレキシブルプレート3とイナーシャ部材4と粘性ダンパー機構5とフライホイール7とクラッチカバー組立体8とクラッチディスク組立体10とから構成されている。図2及び図3の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。
【0012】
フレキシブルプレート3は、円板状のプレート部材であり、内周部に円板状のプレート部材11がリベット12により固定されている。フレキシブルプレート3の内周部はプレート部材11とともにエンジン側のクランクシャフト52に固定される。フレキシブルプレート3の径方向中間部には、円周方向に等間隔で形成された複数の丸い孔3aが形成されている。フレキシブルプレート3は円周方向には剛性が高いが曲げ方向にはたわみ可能である。
【0013】
フレキシブルプレート3の外周端には、リベット13によりイナーシャ部材4が固定されている。イナーシャ部材4は、軸方向に長く延びる筒状の部材である。また、イナーシャ部材4にはリングギア16が固定されている。イナーシャ部材4には、円周方向に等間隔で3ヶ所に内周側と外周側とを連通する操作孔4bが形成されている。
【0014】
粘性ダンパー機構5は、主に、第1入力プレート18と第2入力プレート19と曲がり板ばね23とドリブン部材24とから構成されている。第1入力プレート18はフレキシブルプレート3の側方に配置された円板状のプレート部材である。第1入力プレート18の外周部はイナーシャ部材4の内周面に当接している。また、第1入力プレート18の内周部は、トランスミッション側に延びる内周突出部18bとなっている。第1入力プレート18の径方向中間部は、図2及び図3から明らかなようにエンジン側に突出している。第2入力プレート19は、第1入力プレート18の側方に配置された円板状のプレート部材である。第2入力プレート19の外周端はイナーシャ部材4の内周面に当接している。また、第2入力プレート19の外周部と第1入力プレート18の外周部とは互いに当接しており、リベット21により互いに固定されており、その間にはシールリング22が配置されている。第2入力プレート19の内径は第1入力プレート18の内径よりも大きい。
【0015】
さらに、第1及び第2入力プレート18,19の外周部は、図1及び図3に示すように、円周方向に等間隔で3ヵ所に3本ずつのボルトによってイナーシャ部材4に固定されている。ボルト20は、クラッチカバー31の延長部31a(後述)間を通ってトランスミッション側から固定される。また、各ボルト20に対応する部分にはイナーシャ部材4に溝4aが形成されている。
【0016】
第1入力プレート18と第2入力プレート19とによって形成される空間は、作動油等の粘性流体が充填された粘性流体充填室となっている。この粘性流体充填室内には、1対の曲がり板ばね23が配置されている。曲がり板ばね23は、図1から明らかなように、交互に折曲げられて円弧状に延び、レバー部と環状の開環部が交互に連続している。この曲がり板ばね23を用いることで従来のコイルスプリングを用いる場合に比べて粘性ダンパー機構5の軸方向の寸法が小さくなっている。
【0017】
ドリブン部材24は円板状の部材であり、円板部分から一体に径方向外側に延びる係合部24aを有している。係合部24aは粘性流体充填室内に延びており、それぞれ1対の曲がり板ばね23の円周方向両端に当接している。また、第1及び第2入力プレート18,19は、軸方向に突出し曲がり板ばね23の円周方向両端に当接する支持部18a,19aを有している。
【0018】
フライホイール7は、トランスミッション側に環状の摩擦面7aを有している。また、フライホイール7には、両面を連通する連通孔7bが形成されている。フライホイール7の内周端には、ドリブン部材24がリベット29により固定されている。フライホイール7とドリブン部材24の内周部は、軸受28を介して第1入力プレート18の内周突出部18bに支持されている。フライホイール7の外周面には円周方向に等間隔で3ヵ所に係合部7cが形成されている。係合部7cは径方向外側に突出している。また、係合部7cのエンジン側端面は径方向内側にいくに従って深くなるように傾斜している。
【0019】
クラッチカバー組立体8は、主に、クラッチカバー31とプレッシャープレート32とダイアフラムスプリング33と連結プレート34とスタッドピン35と2本のワイヤリング36とコーンスプリング38とから構成されている。クラッチカバー31は、真ん中に大径の孔が形成された皿形状であり、その外周部には円周方向に等間隔で所定の幅を有してフライホイール7側に延びる延長部31aが形成されている。延長部31aの先端には内周側に折り曲げられた折曲げ部31bが形成されており、この折曲げ部31bはフライホイール7の係合部7cに係合している。これにより、クラッチカバー31はフライホイール7に対してトランスミッション側に移動不能になっている。また、延長部31aの先端には円周方向に延びる切欠きが形成されており、この切欠きには同じく円周方向に延びるプレート42が係合している。プレート42はボルト43によりフライホイール7の外周面に固定されている。このようにして、クラッチカバー31はフライホイール7に対して円周方向に相対回転不能になっている。このようにフライホイールのボルト取付座を廃止することにより、フライホイール7が径方向に小型化している。
【0020】
プレッシャープレート32は、クラッチカバー31内に配置された環状の部材である。プレッシャープレート32には、フライホイール7の摩擦面7aに対向する押圧面32aが形成されている。また、プレッシャープレート32において押圧面32aと反対側の面にはトランスミッション側に突出する環状突出部32bが形成されている。さらに、プレッシャープレート32には径方向内側に延びるフランジ部32cが形成されている。
【0021】
ダイアフラムスプリング33は円板状の部材であり、その外周端はプレッシャープレート32とクラッチカバー31との間に挿入されており、内周端はメインドライブシャフト50の近傍まで延びている。このダイアフラムスプリング33には、内周縁から径方向外側に向かって複数のスリットが形成されており、そのスリットにより複数のレバー部33aが形成されている。各スリットの径方向外方部は、第1孔33cとなっている。また、各スリットにおいて円周方向に等間隔で3ヶ所には第2孔33dが形成されている。第2孔33dは第1孔33cより径方向内方に長く延びており、プレッシャープレート32のフランジ部32c付近まで延びている。ダイアフラムスプリング33においてレバー部33aより径方向外方に形成された環状押圧部33bは内周端の両側面が後述するワイヤリング36により支持されており、外周部がプレッシャープレート32の環状突出部32bに当接している。
【0022】
クラッチカバー31の内周部に固定された複数のスタッドピン35は、ダイアフラムスプリング33の第1孔33cを貫通してプレッシャープレート32側に延びている。各スタッドピン35の他端には、連結プレート34が固定されている。各スタッドピン35より外周側において連結プレート34とダイアフラムスプリング33との間及びダイアフラムスプリング33とクラッチカバー31との間にはそれぞれワイヤリング36が配置されている。すなわち、ダイアフラムスプリング33の環状押圧部33bの内周部は1対のワイヤリング36に挟まれて支持されている。
【0023】
連結プレート34は環状の部材であり、その内周部には、円周方向R1 側に長く延びる3本の連結部34aが一体に形成されている。この連結部34aの先端は、リベット37によりプレッシャープレート32のフランジ部32cに固定されている。リベット37の位置はダイアフラムスプリング33の第2孔33に対応している。連結部34aは円周方向に剛性が高くかつ軸方向にたわみ可能となっている。連結部34aはプレッシャープレート32をフライホイール7側から離れる方向に付勢している。
【0024】
コーンスプリング38は、連結プレート34の外周部に配置されている。コーンスプリング38の内周端は連結プレート34に支持され、外周端がダイアフラムスプリング33の外周端すなわちプレッシャープレート32の環状突出部32bに近接する部分をプレッシャープレート32から離れる方向に付勢している。以上に述べたように、連結プレート34はクラッチカバー31とプレッシャープレート32を連結するとともに、コーンスプリング38とワイヤリング36を支持している。以上のように連結プレート34に多機能を持たせることで部品点数が少なくなる。
【0025】
複数の係止部材40は固定ピン39によりプレッシャープレート32に固定され、一端がダイアフラムスプリング33の外周端部をプレッシャープレート32の環状突出部32bとの間に挟持している。
クラッチディスク組立体10は、フライホイール7の摩擦面7aとプレッシャープレート32の押圧面32aとの間に配置される摩擦フェーシング45を有している。摩擦フェーシング45は、プレート部材を介してハブ46に固定されている。
【0026】
トランスミッション側から延びるメインドライブシャフト50は、ハブ46にスプライン係合している。また、メインドライブシャフト50の先端は、クランクシャフト52に軸受51を介して回転自在に支持されている。また、ダイアフラムスプリング33の内周端には、トランスミッション側からレリーズ装置54が当接している。
【0027】
なお、図1においてはボルト49が図示されているが、クラッチ装置1の使用時にはこのボルト49は用いられない。ボルト49はクラッチカバー組立体8をフライホイール7に組み付け又は分解するときに用いる。複数のボルト49は、クラッチカバー31の内周端に形成された孔を貫通してさらにダイアフラムスプリング33の第1孔33cを貫通してさらに連結プレート34を貫通してプレッシャープレート32に先端が螺合している。
【0028】
次にクラッチ装置1の動作について説明する。
エンジン側のクランクシャフトが回転すると、トルクがフレキシブルプレート3,粘性ダンパー機構5を介してフライホイール7に伝達され、さらにクラッチディスク組立体10に伝達され最後にメインドライブシャフト50に出力される。プレッシャープレート32は、連結プレート34を介してクラッチカバー31と一体回転する。このようにプレッシャープレート32の回転駆動はプレッシャープレート32の内周部とクラッチカバー31の内周部とを連結する連結プレート34で行われているために、従来のようにクラッチカバー31の外周部にストラッププレートを収容するための切欠きを設ける必要がない。このため、クラッチカバー31の強度が向上している。
【0029】
イナーシャ部材4が第1及び第2入力プレート18,19に固定されているため、曲がり板ばね23を境として入力系と出力系に分かれる動力の入出力系において入力系の慣性モーメントを十分に確保できる。イナーシャ部材4が外周部に配置されているため、粘性流体充填室を構成する部材である第1及び第2入力プレート18,19を軸方向に薄くできる。その結果、クラッチ装置1全体が軸方向に小型化される。さらに、イナーシャ部材4は軸方向に長く延びているため、クラッチ装置1全体はあまり径方向に大型化しない。このようにイナーシャ部材4を粘性ダンパー機構5の外周部に設けても装置が径方向に大型化しなくなったのは、フライホイール7からクラッチ取付け座を廃止して、イナーシャ部材4をより径方向内側に配置できるようになったからである。
【0030】
エンジン側から曲げ振動が伝達された場合には、フレキシブルプレート3が曲げ方向にたわむことで曲げ振動を吸収する。
エンジン側から捩じり振動が伝達されると、第1及び第2入力プレート18,19とフライホイール7とが周期的な相対回転を行う。このとき、曲がり板ばね23が円周方向に圧縮され、粘性流体充填室内において曲がり板ばね23と第1及び第2入力プレート18,19との間を粘性流体が流れ粘性抵抗を発生する。この結果、捩じり振動が効果的に減衰される。
【0031】
運転者がクラッチペダルを踏むと、レリーズ装置54の一端がダイアフラムスプリング33の内周端をエンジン側に移動させる。その結果、ダイアフラムスプリング33の外周端部がプレッシャープレート32の環状突出部32bから離れる。すると、連結プレート34の連結部34aの付勢力により、プレッシャープレート32がクラッチディスク組立体10の摩擦フェーシング45から離れる。この結果、フライホイール7からクラッチディスク組立体10へのトルク伝達が遮断される。以上に述べたレリーズ動作時に、コーンスプリング38がダイアフラムスプリング33にトランスミッション側への荷重を与えているので、レリーズ荷重が下がり、ペダル踏力が低減される。
【0032】
このクラッチ装置1を組み立てる際には、予めフライホイール7とクラッチカバー組立体8とを固定しておく。具体的には、初めにボルト49によりクラッチカバー組立体8とプレッシャープレート32とを軸方向に移動不能になるように固定する。このボルト49により、ダイアフラムスプリング33からの荷重にもかかわらずクラッチカバー31とプレッシャープレート32は近接した状態を保っている。この状態のクラッチカバー組立体8をフライホイール7側に接近させ、クラッチカバー31の延長部31aをフライホイール7の係合部7c間の隙間を通して移動させる。その状態でクラッチカバー組立体8を回転させ、折曲げ部31bを係合部7cに係合させる。次に、ボルト43とプレート42とを操作孔4bから操作してフライホイール7に固定することにより、クラッチカバー31とフライホイール7とは相対回転不能となる。ボルト49を外すと、ダイアフラムスプリング33によりプレッシャープレート32とクラッチカバー31とは軸方向に離れる方向に付勢され、これにより折曲げ部31bと係合部7cとが軸方向に固く連結される。
【0033】
粘性ダンパー機構5,フライホイール7,クラッチカバー組立体8及びクラッチディスク組立体10とからなる機構は、複数のボルト20により、フレキシブルプレート3及びイナーシャ部材4に固定される。ボルト20は、クラッチカバー31の延長部31aが形成されていない部分及びフライホイール7の係合部7cが形成されていない部分及びイナーシャ部材4の溝4aを貫通して、第1及び第2入力プレート18,19の外周部をイナーシャ部材4に固定する。このようにボルト20をトランスミッション側から固定することで従来より作業性が良くなっている。ボルト20をトランスミッション側から固定可能となったのは、フライホイールのボルト取付座を廃止して、ボルト20をより径方向内側に配置できるようになったためである。
【0034】
クラッチディスク組立体10を交換する際には、再びボルト49によりクラッチカバー31とプレッシャープレート32を固定する。次に、ボルト43及びプレート42を外し、次にクラッチカバー組立体8を回転させ折曲げ部31bと係合部7cとの係合を外す。以上に述べたように、クラッチディスク組立体10を交換する際に、クラッチカバー組立体8をフライホイール7から取り外すだけで良いので作業が簡単である。クラッチカバーの外周部がフライホイールにかしめられていた場合には、フライホイールも同時に取り外さなければならない。また、クラッチカバー31はフライホイール7に対して円周方向に係合及び離脱可能であるために、フライホイール7から取り外す際に破損することがない。そのため、取り外し後の再利用が可能である。
第2実施形態
図4に示すクラッチカバー組立体8では、第1実施形態に比べてワイヤリングが廃止されることで部品点数が少なくなっている。その代わりに、クラッチカバー31と連結プレート34とにそれぞれ環状屈曲部31c,34cが形成されている。環状屈曲部31c,34cはダイヤフラムスプリング33を軸方向両側から挟んでいる。
第3実施形態
図5に示すクラッチカバー組立体8では、第1実施形態に比較してコーンスプリング38が廃止されている。
【0035】
コーンスプリング38によって得られる効果以外の効果は第1実施形態と同様である。
第4実施形態
図6に示すクラッチカバー組立体8では、図4に示す第2実施形態に比較してコーンスプリング38が廃止されている。コーンスプリング38以外の効果は第2実施形態と同様である。
第5実施形態
図7及び図11に示すクラッチカバー組立体8では、クラッチカバー31に固定されたスタッドピン35の先端にはプレート部材48と複数のプレートが重なってなるストラッププレート47が固定されている。プレート部材48は環状の部材であり、ワイヤリング36を支持するとともにコーンスプリング38を支持している。各ストラッププレート47の他端はプレッシャープレート32のフランジ32cにリベット37より固定されている。このようにしてストラッププレート47はプレッシャープレート32がクラッチカバー31と一体回転するように連結しかつプレッシャープレート32をフライホイール側から離れるように付勢する。この場合も、クラッチカバー31とプレッシャープレート32とを両方の内周側で固定しているため、クラッチカバー31に従来のようにストラッププレートを収容するための切欠きを設ける必要がない。その結果、クラッチカバー31の強度が向上している。さらに、プレート部材48はワイヤリング36とコーンスプリング38との支持を行っている。
第6実施形態
図8に示すクラッチカバー組立体8は、第5実施形態に比較して、ワイヤリング36を廃止している。その代わりに、クラッチカバー31とプレート部材48とにそれぞれ環状屈曲部31c,48cを形成している。これら環状屈曲部31c,48cはダイフラムスプリング33を軸方向両側から支持している。
第7実施形態
図9に示すクラッチカバー組立体8は、第5実施形態に比較してコーンスプリング38を省略している。その他の効果は同様である。
第8実施形態
図10示すクラッチカバー組立体8は、第6実施形態に比較してコーンスプリング38を省略している。それ他の効果は同様である。
第9実施形態
図12に示すクラッチ装置1は、フレキシブルプレート3と、フライホイール7と、クラッチカバー組立体8とから構成されている。フレキシブルプレート3の外周部はボルト60によりフライホイール7に固定されている。フライホイール7の外周面には、円周方向に等間隔で係合部7cが形成されている。
【0036】
クラッチカバー組立体8は、クラッチカバー31とプレッシャープレート32とダイアフラムスプリング33とから構成されている。クラッチカバー31の外周部には、係合部7cに係合する折り曲げ部31bが形成されている。折り曲げ部31bは係合部7cに対して円周方向から係合・離脱可能である。プレッシャープレート32とフライホイール7の間には、クラッチディスクの摩擦フェーシング45が配置されている。
【0037】
この実施形態では、フライホイール7とクラッチカバー組立体8を一体化することで、フレキシブルプレート3との固定が容易になる。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係るクラッチ装置では、フライホイールにおいてクラッチ取付け座が無くなり、クラッチカバーは係合部によりフライホイールに固定されている。そのため、イナーシャ部材をより径方向内側に配置することができ、クラッチ装置全体が径方向に大型化しない。
【0039】
複数のボルトがクラッチカバー側から固定されているため、固定が容易である。それが可能になったのはフライホイールのクラッチ取付け座を無くして複数のボルトをより径方向内側に配置可能になったからである。
ボルトはフライホイールの突出係合部同士の円周方向間に対応しており、ボルトをさらに径方向内側に配置することが可能となっている。この結果、クラッチ装置の径方向寸法が短くなり、装置全体が小型化する。
【0040】
クラッチカバーの折り曲げ係合部はフライホイールの係合部に円周方向に係合・離脱可能に係合しているため、フライホイールから取り外す際に破損することがなく、取り外し後の再利用が可能である。
フレキシブルプレートをさらに備えていると、曲げ振動が入力されるとフレキシブルプレートがたわんで振動を吸収する。
【0041】
曲がり板ばねが用いられると、曲がり板ばねは体積当たりのエネルギー貯蔵量が大きいため、従来のコイルスプリングに比べて径方向寸法が短くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置の段階的平面図。
【図2】クラッチ装置の断面図。
【図3】クラッチ装置の部分断面図。
【図4】本発明の第2実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図5】本発明の第3実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図6】本発明の第4実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図7】本発明の第5実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図8】本発明の第6実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図9】本発明の第7実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図10】本発明の第8実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図11】本発明の第5実施形態としてのクラッチカバー組立体の部分平面図。
【図12】本発明の第9実施形態としてのクラッチ装置の断面図。
【符号の説明】
1 クラッチ装置
3 フレキシブルプレート
4 イナーシャ部材
5 粘性ダンパー機構
7 フライホイール
7a 摩擦面
7b 連通孔
7c 係合部
8 クラッチカバー組立体
10 クラッチディスク組立体
31 クラッチカバー
31b 折曲げ係合部
32 プレッシャープレート
32a 押圧面
32b 環状突出部
32c フランジ部
33 ダイアフラムスプリング
34 連結プレート
34a 連結部
35 スタッドピン
36 ワイヤリング
38 コーンスプリング
42 プレート
43 ボルト
45 摩擦フェーシング
46 ハブ

Claims (11)

  1. 入力回転プレートと、
    前記入力回転プレートに軸方向に対向して配置されたフライホイールと、
    前記入力回転プレートと前記フライホイールとを円周方向に弾性的に連結するダンパー機構と、
    前記フライホイールの外周部に係合する係合部を有するクラッチカバーと、前記クラッチカバーと前記フライホイールとの間に配置されたプレッシャープレートと、前記クラッチカバーに支持され前記プレッシャープレートを前記フライホイールに付勢する付勢部材とを有するクラッチカバー組立体と、
    前記フライホイール及び前記クラッチカバー組立体の外周を覆うように軸方向に延びている環状イナーシャ部材と、
    前記入力回転プレートと前記イナーシャ部材を固定する固定部材と、
    前記イナーシャ部材に固定された、曲げ方向にたわみ可能なフレキシブルプレートと、
    を備えているクラッチ装置。
  2. 前記フレキシブルプレート、前記ダンパー機構及び前記クラッチカバー組立体は、軸方向に並んで配置され、
    前記イナーシャ部材は、前記ダンパー機構及び前記クラッチカバー組立体の外周を覆うように前記フレキシブルプレートから軸方向に延びている、請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記フレキシブルプレートと前記イナーシャ部材を固定する第2の固定部材をさらに備えている、請求項1又は2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記イナーシャ部材は、筒状部と、前記筒状部のエンジン側から半径方向内側に延び前記フレキシブルプレート及び前記入力回転プレートが固定される固定部とを有している、請求項1〜3のいずれかに記載のクラッチ装置。
  5. 前記クラッチカバーは、前記クラッチディスク組立体を超えて前記フライホイールまで軸方向に延びる外周部を有しており、
    前記イナーシャ部材は前記外周部の外周側に近接して配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載のクラッチ装置。
  6. 前記固定部材は、前記クラッチカバー側から前記入力回転プレートと前記イナーシャ部材を固定する複数のボルトである、請求項1〜5のいずれかに記載のクラッチ装置。
  7. 前記フライホイールは、円周方向に間隔をあけて径方向外方に突出する複数の突出係合部を外周部に有しており、
    前記クラッチカバーの係合部は前記突出係合部に係合しており、
    前記ボルトは前記フライホイールの前記突出係合部同士の円周方向間に対応する、請求項に記載のクラッチ装置。
  8. 前記クラッチカバーの前記係合部は、前記突出係合部に円周方向から係合可能であり、係合状態で前記フライホイールと軸方向に移動不能になる折曲げ部であり、
    前記フライホイールと前記クラッチカバーを相対回転不能に固定する取り外し可能な固定部材をさらに備えている、請求項に記載のクラッチ装置。
  9. 前記フライホイールと前記プレッシャープレートとの間に配置された摩擦連結部を有するクラッチディスク組立体をさらに備えている、請求項1〜のいずれかに記載のクラッチ装置。
  10. 前記ダンパー機構は、前記入力回転プレートと前記フライホイールとが相対回転すると粘性抵抗を発生する粘性抵抗発生機構を有している、請求項1〜のいずれかに記載のクラッチ装置。
  11. 前記ダンパー機構は、交互に折り曲げられて弧状に延び、前記入力回転プレートと前記フライホイールを円周方向に連結する曲がり板ばねを有している、請求項1〜10のいずれかに記載のクラッチ装置。
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