JPH10311373A - フライホイール組立体 - Google Patents

フライホイール組立体

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JPH10311373A
JPH10311373A JP11904597A JP11904597A JPH10311373A JP H10311373 A JPH10311373 A JP H10311373A JP 11904597 A JP11904597 A JP 11904597A JP 11904597 A JP11904597 A JP 11904597A JP H10311373 A JPH10311373 A JP H10311373A
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clutch
torque
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damper mechanism
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振による過大トルク変動を抑制する。 【解決手段】 フライホイール組立体1は、クランクシ
ャフト2からメインドライブシャフト3にトルクを伝達
するものであり、第1フライホイール4と第2フライホ
イール5とダンパー機構6と第1クラッチ7と第2クラ
ッチ8とクラッチカバー組立体11とを備えている。第
1フライホイール4にはクランクシャフト2からトルク
が入力される。第2フライホイール5は第1フライホイ
ール4に相対回転可能に配置されている。ダンパー機構
6は第1フライホイール4と第2フライホイール5との
間でトルク伝達を行うとともに捩じり振動を減衰するた
めの機構である。第1クラッチ7は第1フライホイール
4と第2フライホイール5との間に配置されている。第
2クラッチは第2フライホイール5とメインドライブシ
ャフト3との間に配置され、第1クラッチ7より大きい
トルク容量を有する。クラッチカバー組立体11は、第
1クラッチ7と第2クラッチ8を断続可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライホイール組
立体、特に、第1フライホイールと第2フライホイール
との間にダンパー機構が配置されたフライホイール組立
体に関する。
【0002】
【従来の技術】フライホイールはエンジンのクランクシ
ャフトの後端に取り付けられ、その慣性モーメントによ
り低速運転時の回転むらを防止する。また、フライホイ
ールには、始動用リングギアやクラッチが取り付けられ
る。フライホイールを第1フライホイールと第2フライ
ホイールとに分割し、その間にダンパー機構を設けたフ
ライホイール組立体が知られている。ダンパー機構は、
第1フライホイールと第2フライホイールとの間に配置
され両フライホイールが相対回転すると円周方向に圧縮
される弾性部材を含んでいる。また、ダンパー機構に
は、弾性部材と並列に作用する摩擦発生機構を備えたも
のがある。
【0003】以上に述べたフライホイール組立体では、
ダンパー機構の弾性部材を介して入力側と出力側とに分
かれる動力伝達系において、出力側の慣性モーメントが
従来に比べて増大する。この結果、共振回転数をエンジ
ンアイドル回転数以下に下げることが可能になってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、フライホイール
組立体においては、エンジン始動及びエンジン停止時に
おいて低回転領域(たとえば500rpm以下)におけ
る共振点を通過する。このとき、過大トルク変動が生
じ、ダンパー機構が破損したり音/振動が激しくなるこ
とがある。すなわち、過大トルク変動はダンパー機構の
ストッパートルクを大きく超える。
【0005】以上に述べた問題を解決するために、流体
の粘性を利用して過大トルク変動に対して大きな抵抗を
発生させる粘性抵抗発生機構がダンパー機構として用い
られる。また、共振時に第1フライホイールと第2フラ
イホイールとをロックし、高速回転域になると両者のロ
ックを解除するロック機構が用いられている。また、従
来のフライホイール組立体ではクラッチを遮断した状態
において、第2フライホイールがダンパー機構のスプリ
ングを介して入力側に連結されている。そのため、第2
フライホイールはダンパー機構の出力側の部材として機
能し、アイドル回転数以下での共振が生じることがあ
る。この共振によりダンパー機構が破損したりする。
【0006】本発明の目的は、クラッチ遮断時の共振に
よる過大トルク変動を抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のフライ
ホイール組立体は、入力側回転体から出力側回転体にト
ルクを伝達するためのものである。フライホイール組立
体は、第1フライホイルと第2フライホイールとダンパ
ー機構と第1クラッチと第2クラッチとクラッチ作動機
構とを備えている。第1フライホイールには入力側回転
体からトルクが入力される。第2フライホイールは第1
フライホイールに相対回転可能に配置される。ダンパー
機構は第1フライホイールと第2フライホイールとの間
でトルク伝達を行うとともに捩じり振動を減衰するため
の機構である。第1クラッチは第1フライホイールと第
2フライホイールとの間に配置されている。第2クラッ
チは第2フライホイールと出力側回転体との間に配置さ
れ、第1クラッチより大きいトルク容量を有する。クラ
ッチ作動機構は第1クラッチと第2クラッチを断続可能
である。
【0008】請求項1に記載のフライホイール組立体で
は、第1フライホイールに入力側回転体からトルクが入
力されると、そのトルクはダンパー機構を介して第2フ
ライホイールに伝達される。このフライホイール組立体
にトルク変動が入力されると、第1フライホイールと第
2フライホイールとが相対回転し、その間でダンパー機
構が捩じり振動を減衰する。
【0009】たとえばエンジンの始動または停止時にお
ける共振点通過時において、過大トルク変動がフライホ
イール組立体に入力されると、第2クラッチよりトルク
容量が小さい第1クラッチが滑る。このとき第1クラッ
チにおける摩擦摺動抵抗により過大トルク変動を吸収・
減衰する。請求項2に記載のフライホイール組立体で
は、請求項1において第1クラッチのトルク容量はダン
パー機構のストッパートルクより小さい。そのため、過
大トルク変動入力時に第1クラッチが滑るときに、ダン
パー機構は最大捩じり角度まで捩じれない。その結果、
ダンパー機構の破損等の不具合が生じにくい。
【0010】請求項3に記載のフライホイール組立体で
は、請求項1または2において、入力側回転体の回転数
が所定の値を超えると第1クラッチのトルク容量を増加
させるトルク容量増加機構をさらに備えている。トルク
容量増加機構を備えていることにより、低速回転時の第
1クラッチのトルク容量を低く設定できる。これによ
り、過大トルク変動入力時の第1クラッチの負担が小さ
くなる。
【0011】請求項4に記載のフライホイール組立体で
は、請求項3において、トルク容量増加機構は入力側回
転体の回転数が前記所定の値に達すると第1クラッチへ
の荷重を増加させる。請求項5に記載のフライホイール
組立体では、請求項4において、トルク容量増加機構
は、入力側回転体の回転数が所定の値を超えると第1ク
ラッチを付勢する遠心子を有している。第1実施形態 図1は本発明の一実施形態としてのフライホイール組立
体1の動力伝達模式図であり、図2はフライホイール組
立体1の部分縦断面概略図である。
【0012】図1において、フライホイール組立体1
は、エンジン側のクランクシャフト2(入力側回転体)
からトランスミッションから延びるメインドライブシャ
フト3(出力側回転体)にトルクを伝達する動力伝達機
構であり、捩じり振動を減衰するためのダンパー機能及
びトルクを断続するためのクラッチ機能を有している。
フライホイール組立体1は、主に、第1フライホイール
4と第2フライホイール5と、両フライホイール4,5
間に配置されたダンパー機構6とから構成されている。
ダンパー機構6は、第1フライホイール4と第2フライ
ホイール5に制限された範囲内で相対回転を許容するた
めの弾性部材として機能するスプリング9を含んでい
る。フライホイール組立体1はさらに第1クラッチ7と
第2クラッチ8とを備えている。第1クラッチ7は第1
フライホイール4と第2フライホイール5との間に配置
されており、さらに具体的にはダンパー機構と6と第2
フライホイール5を連結している。第2クラッチ8は第
2フライホイール5とメインドライブシャフト3との間
に配置されている。また、図1には図示していないが、
フライホイール組立体1は、第1及び第2クラッチ7,
8を作動させるためのクラッチカバー組立体11(クラ
ッチ作動機構)を有している。第1クラッチ7と第2ク
ラッチ8は、クラッチカバー組立体11によりほぼ同時
にトルク伝達を遮断可能である。第1クラッチ7と第2
クラッチ8のトルク容量はほぼ同等に設定してもよい
し、後述のようにあえて大きく異ならせてもよい。
【0013】クランクシャフト2から第1フライホイー
ル4にトルクが伝達されると、ダンパー機構6及び第1
クラッチ7を介して第2フライホイール5にトルクが伝
達される。第2フライホイール5のトルクは、第2クラ
ッチ8を介してメインドライブシャフト3に出力され
る。エンジン側からトルクが伝達されると、第1フライ
ホイール4と第2フライホイール5との間で相対回転が
生じる。このとき、ダンパー機構6のスプリング9が円
周方向に圧縮され、振動を吸収する。
【0014】次に、図2を用いてフライホイール組立体
1の具体的な構造について説明する。図2におけるO−
Oがフライホイール組立体1の回転軸線である。また、
図2において、左側をエンジン側とし右側をトランスミ
ッション側とする。フライホイール組立体1は、主に、
第1フライホイール4と第2フライホイール5とダンパ
ー機構6とを備えている。第1フライホイール4は円板
状の肉厚の部材である。第1フライホイール4は内周側
にトランスミッション側に延びる筒状部4aを有してい
る。筒状部4aには、軸方向に貫通する複数の孔4bが
形成されている。この孔4bは、後述するクランクボル
ト100が貫通するためのねじ溝が切られていない孔で
ある。第1フライホイール4は外周部の軸方向厚みが大
きくなっており、全体の慣性モーメントが大きくなって
いる。第1フライホイール4の外周には、リングギア3
1が固定されている。第2フライホイール5は、第1フ
ライホイール4と同様に円板状の肉厚の部材である。第
2フライホイール5は、第1フライホイール4の近傍に
配置されている。すなわち、第2フライホイール5は第
1フライホイール4のトランスミッション側に僅かな隙
間をおいて配置されている。第2フライホイール5には
中心孔が形成されており、その中心孔を通って筒状部4
aがトランスミッション側に延びている。第2フライホ
イール5は、第1軸受17を介して第1フライホイール
4に回転自在に支持されている。第1軸受17は、筒状
部4aの外周面4dと第2フライホイール5の内周面と
の間に配置されている。第1軸受17は、インナーレー
スとアウターレースと両レース間に配置された複数の転
動体とから構成されている。第1軸受17のインナーレ
ースは外周面4dに固定されている。また、インナーレ
ースのエンジン側端面は第1フライホイール4に当接・
支持されている。第1軸受17のアウターレースは第2
フライホイール5の内周面にスナップリングを介して固
定されている。このようにして、第2フライホイール5
は第1軸受17により第1フライホイール4に相対回転
自在に支持されている。
【0015】第2フライホイール5の外周側におけるト
ランスミッション側には、環状の平坦な摩擦面5aが形
成されている。また、第2フライホイールの外周端に
は、トランスミッション側に延びる複数の突出部5bが
形成されている。第1フライホイール4の内周部には、
メインドライブシャフト3の先端を相対回転自在に支持
するための第2軸受18が配置されている。第2軸受1
8は、筒状部4aの内周面4cとメインドライブシャフ
ト3との間に配置されている。第2軸受18は、インナ
ーレースとアウターレースと両レース間に配置された複
数の転動体とから構成されている。第2軸受18のアウ
ターレースは筒状部4aの内周面4cに固定されてい
る。また、インナーレースのエンジン側面は第1フライ
ホイール4に当接・支持されている。また、第2軸受1
8のインナーレースはメインドライブシャフト3の先端
に当接している。
【0016】次に、第2フライホイール5のトランスミ
ッション側に配置され、前述のダンパー機構6、第1ク
ラッチ7、第2クラッチ8及びクラッチカバー組立体を
構成する各部材について説明する。それらの部材は、主
に、中間部材10、クラッチカバー組立体11、第1ク
ラッチディスク組立体12及び第2クラッチディスク組
立体13である。クラッチカバー組立体11は、クラッ
チ作動機構として機能するものであり、クラッチカバー
14、プレッシャプレート15及びダイヤフラムスプリ
ング16から構成されている。クラッチカバー14は、
外周端が第2フライホイール5の突出部5bにたとえば
ボルトで固定された環状の部材であり、第2フライホイ
ール5の摩擦面5aの内周端付近まで延びている。プレ
ッシャプレート15は、クラッチカバー14の内周側で
すなわちエンジン側に配置された環状のプレート部材で
ある。プレッシャプレート15は、図示しないストラッ
ププレートによりクラッチカバー14に固定され、クラ
ッチカバー14に対して相対回転不能にかつ軸方向に移
動可能になっている。ダイヤフラムスプリング16は、
クラッチカバー14とプレッシャプレート15との間に
配置されている。ダイヤフラムスプリング16は、環状
の弾性部16aと弾性部16aから半径方向内側に延び
る複数のレバー部16bとから構成されている。弾性部
16aは、内周端が2本のワイヤリング30を介してク
ラッチカバー14に揺動自在に支持されている。また、
弾性部16aの外周部はプレッシャプレート15のトラ
ンスミッション側面に当接している。弾性部16aはク
ラッチカバー14とプレッシャプレート15との間で軸
方向に圧縮されており、プレッシャプレート15に対し
て第2フライホイール5の摩擦面5a側への付勢力を与
えている。複数のレバー部の先端(半径方向内側端)付
近には図示しないレリーズ機構が配置されている。レリ
ーズ機構が複数のレバー部16bをエンジン側に押す
と、ダイヤフラムスプリング16からプレッシャプレー
ト15への付勢力が解除される。
【0017】第1クラッチディスク組立体12は、第1
フライホイール4から第2フライホイール5にトルクを
伝達するための部材であり、ダンパー機構6を含んでい
る。第1クラッチディスク組立体12は、主に、クラッ
チプレート19、リテーニングプレート20及びドライ
ブプレート21及びスプリング9から構成されている。
クラッチプレート19及びリテーニングプレート20は
筒状部4aと摩擦面5aの内周縁との間に配置された環
状のプレート部材である。クラッチプレート19とリテ
ーニングプレート20は、図示しないピン等により互い
に固定されている。クラッチプレート19とリテーニン
グプレート20との軸方向間には、環状のドライブプレ
ート21が配置されている。ドライブプレート21の内
周縁には、筒状部4aの孔4bに対応する孔21aが形
成されている。クランクボルト100は、ドライブプレ
ート21の孔21a及び第1フライホイール4の孔4b
を貫通してクランクシャフト2に形成されたねじ孔2a
に螺合している。ドライブプレート21bは、外周側に
スプリング9が配置されるばね収容部21bを有してい
る。スプリング9は、螺旋状に形成されたコイルスプリ
ングであり、ばね収容部21b内に配置されている。な
お、クラッチプレート19及びリテーニングプレート2
0にはスプリング9の半径方向及び軸方向の移動を規制
するとともに円周方向両端を支持する切起し部が形成さ
れている。このようにして、スプリング9はドライブプ
レート21からプレート19,20に対してトルク伝達
するようになっている。クラッチプレート19の内周縁
は、筒状部4aの外周面4bの回りに配置されたブッシ
ュ22,23を介して支持されている。クラッチプレー
ト19には、複数の第1リベット24を介して第1摩擦
フェーシング25が固定されている。第1摩擦フェーシ
ング25は、芯板と芯板の両側に固定されたフェーシン
グ材料とから構成されている。第1摩擦フェーシング2
5は、第2フライホイール5の摩擦面5aに近接して配
置されている。以上に述べた第1クラッチディスク組立
体12は第2フライホイール5のトランスミッション側
に配置されている。言い換えると、ダンパー機構6は第
1フライホイール4と第2フライホイール5との軸方向
間に配置されていない。このようなダンパー機構6の配
置により、後述のように、ダンパー機構6の交換がよう
いになっている。さらに、ダンパー機構6の冷却性が向
上している。
【0018】中間部材10は比較的肉厚の環状部材であ
る。中間部材10は、第1摩擦フェーシング25のトラ
ンスミッション側に配置されている。中間部材10の軸
方向両端面は平坦な摩擦係合面となっている。中間部材
10の外周側には複数の図示しない突出部が形成されて
いる。この突出部は第2フライホイール5の突出部5b
に係合しており、これにより、中間部材10は第2フラ
イホイール5に対して相対回転不能にかつ所定範囲内で
軸方向に移動可能となっている。
【0019】第2クラッチディスク組立体13は、第2
フライホイール5からメインドライブシャフト3にトル
クを伝達するための部材である。第2クラッチディスク
組立体13は、主に、スプラインハブ26と、プレート
27と、第2摩擦フェーシング28とから構成されてい
る。スプラインハブ26は、軸方向に筒状に延びるボス
部と、ボス部から外周側に延びるフランジ部とから構成
されている。ボス部の内周側には、メインドライブシャ
フト間の外周面に形成されたスプライン歯に係合するス
プライン孔が形成されている。この係合により、スプラ
インハブ26はメインドライブシャフト3に対して相対
回転不能にかつ軸方向に移動自在となっている。スプラ
インハブ26のフランジには、円板状のプレート27の
内周端が複数の第3リベット37により固定されてい
る。プレート27の外周端には、複数の第2リベット2
9を介して第2摩擦フェーシング28が固定されてい
る。第2摩擦フェーシング28の構成は第1摩擦フェー
シング25と同様である。第2摩擦フェーシング28
は、中間部材10のトランスミッション側面とプレッシ
ャプレート15の押圧面15aとの間に配置されてい
る。プレート27には複数の孔27aが形成されてい
る。この孔27aを通ってトランスミッション側の空気
をダンパー機構6に供給可能である。
【0020】以上の構造において、第1摩擦フェーシン
グ25と第2フライホイール5と中間部材10とにより
第1クラッチ7が構成されている。また、中間部材10
と第2摩擦フェーシング28とプレッシャプレート15
とにより第2クラッチ8が構成されている。次に動作に
ついて説明する。
【0021】運転者がクラッチペダルを踏んでいない通
常運転時には、レリーズ機構がダイヤフラムスプリング
16を付勢していないため、ダイヤフラムスプリング1
6の弾性部16aがプレッシャプレート15に対して荷
重を与えている。この状態で第1摩擦フェーシング25
は第2フライホイール5と中間部材10との間に挟持さ
れ、第2摩擦フェーシング28は中間部材10とプレッ
シャプレート15との間で挟持される。すなわち、第1
及び第2クラッチ7,8がともに連結された状態にな
る。このとき、第1フライホイール4のトルクは、ダン
パー機構6を介してさらに第1クラッチ7を介して第2
フライホイール5に伝達され、さらに第2クラッチ8を
介してメインドライブシャフト3側に出力される。
【0022】クラッチ連結状態で捩じり振動がフライホ
イール組立体1に入力されると、ダンパー機構6を介し
て第1フライホイール4と第2フライホイール5とが相
対回転する。このとき、スプリング9が円周方向に圧縮
され、振動を吸収・減衰する。運転者がクラッチペダル
を踏むと、図示しないレリーズ機構がダイヤフラムスプ
リング16のレバー部16b先端をエンジン側に押す。
すると、弾性部16aからプレッシャプレート15への
荷重が解除され、プレッシャプレート15がトランスミ
ッション側に移動する。この結果、第1クラッチ7及び
第2クラッチ8が遮断される。この状態で第2フライホ
イール5は第1フライホイール4に対しても第2クラッ
チディスク組立体13に対しても切断された状態であ
る。
【0023】低回転数領域の共振点通過問題対策(1) エンジン始動時には運転者がクラッチペダルを踏むこと
にする。すると、前述のように、第1クラッチ7と第2
クラッチ8が同時に遮断される。第2フライホイール5
はエンジン側からもトランスミッション側からも切断さ
れる。このときダンパー機構6の出力側の慣性モーメン
トが小さくなるため、アイドル回転数以下で生じる共振
を抑えることができる。
【0024】低回転数領域の共振点通過問題対策(2) さらに、第1クラッチ7のトルク容量を第2クラッチ8
のトルク容量より小さくすることで、第1クラッチ7を
トルクリミッタとして機能させてもよい。そのために
は、第1摩擦フェーシング25の摩擦係数を第2摩擦フ
ェーシング28に対して小さくする。この場合は、クラ
ッチを連結していても低回転数領域の共振点過大トルク
変動を減衰可能である。
【0025】第2クラッチ8のトルク容量は従来のクラ
ッチのトルク容量と同等である。第1クラッチ7のトル
ク容量はダンパー機構6のストッパートルクより小さ
い。これにより、フライホイール組立体1にストッパー
トルクより大きな過大トルク変動が入力されたときに、
第1クラッチ7が滑ることで捩じり振動を減衰する。ダ
ンパー機構6は最大捩じり角度まで捩じれないため、大
きな荷重が加わず寿命が延びる。
【0026】ダンパー交換作業 ダンパー機構6すなわち第1クラッチディスク組立体1
2を交換する際に、初めにクラッチカバー組立体11を
第2フライホイール15から取り外す。次に、第2クラ
ッチディスク組立体13及び中間部材10を取り外す。
この状態でクランクボルト100を外すと、フライホイ
ール組立体1の残りをクランクシャフト2から取り外せ
るとともに、第1クラッチディスク組立体6をフライホ
イール4,5から取り外せる。このように、ダンパー機
構6が第2フライホイール5のトランスミッション側に
配置されているため、ダンパー機構6の交換が容易にな
っている。また、ダンパー機構6と第2フライホイール
5との連結は第1摩擦フェーシング25を介した摩擦係
合であるため、取り外しが容易である。第2実施形態 図3の模式図に示すように、ダンパー機構6にスプリン
グ9と並列に作用する摩擦抵抗発生機構32を設けても
よい。摩擦抵抗発生機構32は、たとえばプレート1
9,20とドライブプレート21との間に配置されたワ
ッシャ等から構成される。第3実施形態 図4の模式図に示すように、ダンパー機構6においてス
プリング9と並列に作用する粘性抵抗発生機構33を設
けてもよい。この場合には、構造が複雑になるものの、
大きな抵抗を得ることができる。第4実施形態 図5に示すフライホイール組立体1は、基本的な構造は
第1実施形態と同様である。ここでは、第1実施形態に
新たに加わった部分のみを説明する。
【0027】第1フライホイール5の突出部5bには、
複数の遠心子50が設けられている。各遠心子50は、
支点として機能するリング51に揺動自在に支持されて
いる。リング51は複数の突出部5bに取り付けられて
いる。リング51はクラッチカバーに取り付けられてい
てもよい。遠心子50は、クランクシャフト2(入力側
回転体)の回転数が所定の値を超えると第1クラッチ7
のトルク容量を増加させるトルク容量増加機構として機
能している。トルク容量増加機構を備えていることによ
り、低速回転時の第1クラッチ7のトルク容量を低く設
定できる。これにより、過大トルク変動入力時の第1ク
ラッチ7やダンパー機構6の負担が小さくなる。
【0028】各遠心子50は、リング51に揺動自在に
係止されている。遠心子50は、図5から明らかなよう
に、マス部分50aと、押し付け部50bとを有してい
る。各遠心子50の構造及び配置は以下の機能を満たす
ように設定されている。遠心子50に遠心力が作用する
と、マス部分50aが外周側に移動しようとし、支点5
1を中心にマス部分50aが図5において時計回り方向
に回動する。この結果、押し付け部50bが図5におい
て時計回り方向に回転する。
【0029】中間部材10の外周側には、複数の遠心子
50に対応して複数の突起10aが形成されている。突
起10aは、遠心子50の押し付け部50bの近傍に配
置されている。前述のように遠心子50が図5において
時計回り方向に回転すると、押し付け部50bが中間部
材10の突起10aを第2フライホイール5の摩擦面5
a側に付勢する。
【0030】このフライホイール組立体1では、クラン
クシャフト2の回転数が所定の値を超えると、遠心子5
0を押し付け部50bが中間部材10を第2フライホイ
ール5側に押し付ける。このため、第2クラッチ7のト
ルク容量が大きくなる。このフライホイール組立体1で
は、第1クラッチ7の初期のトルク容量を低く設定でき
る。第1クラッチ7のトルク容量を低く設定しても、車
輌走行時には遠心子50により第1クラッチに大きなト
ルク容量が得られる。
【0031】第1クラッチ7の初期のトルク容量を小さ
く設定することにより、エンジン始動または停止時にお
ける共振点通過時の過大トルク変動が入力されたとき
に、第1クラッチ7やダンパー機構6に対する負担が小
さくなる。高速回転時には、遠心子50に付勢されるこ
とにより第1クラッチ7は切れ性が低下している。しか
し、第2クラッチ8によりクラッチ切れ性は確保されて
いる。
【0032】第2クラッチ8のトルク容量は従来のクラ
ッチのトルク容量と同等に設定されている。第1クラッ
チ7の遠心子50が作用していない状態でのトルク容量
は、ダンパー機構6のストッパートルク(最大トルク)
より小さいことが好ましい。その場合は、過大トルク変
動が入力されて第1クラッチが滑るときに、ダンパー機
構6は最大捩じれ角度まで捩じれない。その結果、ダン
パー機構6の破損等の不具合が生じにくい。
【0033】トルク容量増加機構は遠心子に限定されな
い。
【0034】
【発明の効果】本発明に係るフライホイール組立体で
は、第1クラッチのトルク容量を第2クラッチのトルク
容量より小さくしているため、たとえばエンジンの始動
または停止時における共振点通過時において、過大トル
ク変動がフライホイール組立体に入力されると第1クラ
ッチが滑る。このとき第1クラッチにおける摩擦摺動抵
抗により過大トルク変動を吸収・減衰する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのフライホイール
組立体の動力伝達模式図。
【図2】第1実施形態のフライホイール組立体の部分縦
断面概略図。
【図3】第2実施形態におけるフライホイール組立体の
動力伝達模式図。
【図4】第3実施形態におけるフライホイール組立体の
動力伝達模式図。
【図5】第4実施形態におけるフライホイール組立体の
縦断面概略図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体 2 クランクシャフト(入力側回転体) 3 トランスミッション入力シャフト(出力側回転
体) 4 第1フライホイール 5 第2フライホイール 6 ダンパー機構 7 第1クラッチ 8 第2クラッチ 9 スプリング(弾性部材) 10 中間部材 11 クラッチカバー組立体(クラッチ作動機構) 12 第1クラッチディスク組立体 13 第2クラッチディスク組立体(出力側機構) 19 クラッチプレート 20 リテーニングプレート 21 ドライブプレート(入力側部材) 25 第1摩擦フェーシング(第1連結部) 28 第2摩擦フェーシング(第2連結部) 50 遠心子(トルク容量増加機構) 51 リング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力側回転体から出力側回転体にトルクを
    伝達するフライホイール組立体であって、 前記入力側回転体からトルクが入力される第1フライホ
    イールと、 前記第1フライホイールに相対回転可能に配置された第
    2フライホイールと、 前記第1フライホイールと前記第2フライホイールとの
    間でトルク伝達を行うとともに捩じり振動を減衰するた
    めのダンパー機構と、 前記第1フライホイールと前記第2フライホイールとの
    間に配置された第1クラッチと、 前記第2フライホイールと前記出力側回転体との間に配
    置され前記第1クラッチより大きいトルク容量を有する
    第2クラッチと、 前記第1クラッチと前記第2クラッチを断続可能なクラ
    ッチ作動機構と、を備えたフライホイール組立体。
  2. 【請求項2】前記第1クラッチのトルク容量はダンパー
    機構のストッパートルクより小さい、請求項2に記載の
    フライホイール組立体。
  3. 【請求項3】前記入力側回転体の回転数が所定の値を越
    えると前記第1クラッチのトルク容量を増加させるトル
    ク容量増加機構をさらに備えている、請求項1又は2に
    記載のフライホイール組立体。
  4. 【請求項4】前記トルク容量増加機構は、前記入力側回
    転体の回転数が前記所定の値を超えると前記第1クラッ
    チへの荷重を増加させる、請求項3に記載のフライホイ
    ール組立体。
  5. 【請求項5】前記トルク容量増加機構は、前記入力側回
    転体の回転数が前記所定の値を越えると前記第1クラッ
    チを付勢する遠心子を有している、請求項4に記載のフ
    ライホイール組立体。
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