JP3920964B2 - フライホイール組立体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライホイール組立体、特に、第1フライホイールと第2フライホイールとの間にダンパー機構が配置されたフライホイール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
フライホイールはエンジンのクランクシャフトの後端に取り付けられ、その慣性モーメントにより低速運転時の回転むらを防止する。また、フライホイールには、始動用リングギアやクラッチが取り付けられる。
フライホイールを第1フライホイールと第2フライホイールとに分割し、その間にダンパー機構を設けたフライホイール組立体が知られている。ダンパー機構は、第1フライホイールと第2フライホイールとの間に配置され両フライホイールが相対回転すると円周方向に圧縮される弾性部材を含んでいる。また、ダンパー機構には、弾性部材と並列に作用する摩擦発生機構を備えたものがある。
【0003】
以上に述べたフライホイール組立体では、ダンパー機構の弾性部材を介して入力側と出力側とに分かれる動力伝達系において、出力側の慣性モーメントが従来に比べて増大する。この結果、共振回転数をエンジンアイドル回転数以下に下げることが可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、フライホイール組立体においては、エンジン始動及びエンジン停止時において低回転領域(たとえば500rpm以下)における共振点を通過する。このとき、過大トルク変動が生じ、ダンパー機構が破損したり音/振動が激しくなることがある。すなわち、過大トルク変動はダンパー機構のストッパートルクを大きく超える。
【0005】
以上に述べた問題を解決するために、流体の粘性を利用して過大トルク変動に対して大きな抵抗を発生させる粘性抵抗発生機構がダンパー機構として用いられる。また、共振時に第1フライホイールと第2フライホイールとをロックし、高速回転域になると両者のロックを解除するロック機構が用いられている。
また、従来のフライホイール組立体ではクラッチを遮断した状態において、第2フライホイールがダンパー機構のスプリングを介して入力側に連結されている。そのため、第2フライホイールはダンパー機構の出力側の部材として機能し、アイドル回転数以下での共振が生じることがある。この共振によりダンパー機構が破損したりする。
【0006】
本発明の目的は、クラッチ遮断時の共振による過大トルク変動を抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のフライホイール組立体は、入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達するためのものである。フライホイール組立体は、第1フライホイルと第2フライホイールとダンパー機構と第1クラッチと第2クラッチとクラッチ作動機構とを備えている。第1フライホイールには入力側回転体からトルクが入力される。第2フライホイールは第1フライホイールに相対回転可能に配置される。ダンパー機構は第1フライホイールと第2フライホイールとの間でトルク伝達を行うとともに捩じり振動を減衰するための機構である。第1クラッチは第1フライホイールと第2フライホイールとの間に配置されている。第2クラッチは第2フライホイールと出力側回転体との間に配置され、第1クラッチより大きいトルク容量を有する。クラッチ作動機構は第1クラッチと第2クラッチを断続可能である。
【0008】
請求項1に記載のフライホイール組立体では、第1フライホイールに入力側回転体からトルクが入力されると、そのトルクはダンパー機構を介して第2フライホイールに伝達される。このフライホイール組立体にトルク変動が入力されると、第1フライホイールと第2フライホイールとが相対回転し、その間でダンパー機構が捩じり振動を減衰する。
【0009】
たとえばエンジンの始動または停止時における共振点通過時において、過大トルク変動がフライホイール組立体に入力されると、第2クラッチよりトルク容量が小さい第1クラッチが滑る。このとき第1クラッチにおける摩擦摺動抵抗により過大トルク変動を吸収・減衰する。
請求項2に記載のフライホイール組立体では、請求項1において第1クラッチのトルク容量はダンパー機構のストッパートルクより小さい。そのため、過大トルク変動入力時に第1クラッチが滑るときに、ダンパー機構は最大捩じり角度まで捩じれない。その結果、ダンパー機構の破損等の不具合が生じにくい。
【0010】
請求項3に記載のフライホイール組立体では、請求項1または2において、入力側回転体の回転数が所定の値を超えると第1クラッチのトルク容量を増加させるトルク容量増加機構をさらに備えている。トルク容量増加機構を備えていることにより、低速回転時の第1クラッチのトルク容量を低く設定できる。これにより、過大トルク変動入力時の第1クラッチの負担が小さくなる。
【0011】
請求項4に記載のフライホイール組立体では、請求項3において、トルク容量増加機構は入力側回転体の回転数が前記所定の値に達すると第1クラッチへの荷重を増加させる。
請求項5に記載のフライホイール組立体では、請求項4において、トルク容量増加機構は、入力側回転体の回転数が所定の値を超えると第1クラッチを付勢する遠心子を有している。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態としてのフライホイール組立体1の動力伝達模式図であり、図2はフライホイール組立体1の部分縦断面概略図である。
【0012】
図1において、フライホイール組立体1は、エンジン側のクランクシャフト2(入力側回転体)からトランスミッションから延びるメインドライブシャフト3(出力側回転体)にトルクを伝達する動力伝達機構であり、捩じり振動を減衰するためのダンパー機能及びトルクを断続するためのクラッチ機能を有している。フライホイール組立体1は、主に、第1フライホイール4と第2フライホイール5と、両フライホイール4,5間に配置されたダンパー機構6とから構成されている。ダンパー機構6は、第1フライホイール4と第2フライホイール5に制限された範囲内で相対回転を許容するための弾性部材として機能するスプリング9を含んでいる。フライホイール組立体1はさらに第1クラッチ7と第2クラッチ8とを備えている。第1クラッチ7は第1フライホイール4と第2フライホイール5との間に配置されており、さらに具体的にはダンパー機構と6と第2フライホイール5を連結している。第2クラッチ8は第2フライホイール5とメインドライブシャフト3との間に配置されている。また、図1には図示していないが、フライホイール組立体1は、第1及び第2クラッチ7,8を作動させるためのクラッチカバー組立体11(クラッチ作動機構)を有している。第1クラッチ7と第2クラッチ8は、クラッチカバー組立体11によりほぼ同時にトルク伝達を遮断可能である。第1クラッチ7と第2クラッチ8のトルク容量はほぼ同等に設定してもよいし、後述のようにあえて大きく異ならせてもよい。
【0013】
クランクシャフト2から第1フライホイール4にトルクが伝達されると、ダンパー機構6及び第1クラッチ7を介して第2フライホイール5にトルクが伝達される。第2フライホイール5のトルクは、第2クラッチ8を介してメインドライブシャフト3に出力される。エンジン側からトルクが伝達されると、第1フライホイール4と第2フライホイール5との間で相対回転が生じる。このとき、ダンパー機構6のスプリング9が円周方向に圧縮され、振動を吸収する。
【0014】
次に、図2を用いてフライホイール組立体1の具体的な構造について説明する。図2におけるO−Oがフライホイール組立体1の回転軸線である。また、図2において、左側をエンジン側とし右側をトランスミッション側とする。
フライホイール組立体1は、主に、第1フライホイール4と第2フライホイール5とダンパー機構6とを備えている。第1フライホイール4は円板状の肉厚の部材である。第1フライホイール4は内周側にトランスミッション側に延びる筒状部4aを有している。筒状部4aには、軸方向に貫通する複数の孔4bが形成されている。この孔4bは、後述するクランクボルト100が貫通するためのねじ溝が切られていない孔である。第1フライホイール4は外周部の軸方向厚みが大きくなっており、全体の慣性モーメントが大きくなっている。第1フライホイール4の外周には、リングギア31が固定されている。第2フライホイール5は、第1フライホイール4と同様に円板状の肉厚の部材である。第2フライホイール5は、第1フライホイール4の近傍に配置されている。すなわち、第2フライホイール5は第1フライホイール4のトランスミッション側に僅かな隙間をおいて配置されている。第2フライホイール5には中心孔が形成されており、その中心孔を通って筒状部4aがトランスミッション側に延びている。第2フライホイール5は、第1軸受17を介して第1フライホイール4に回転自在に支持されている。第1軸受17は、筒状部4aの外周面4dと第2フライホイール5の内周面との間に配置されている。第1軸受17は、インナーレースとアウターレースと両レース間に配置された複数の転動体とから構成されている。第1軸受17のインナーレースは外周面4dに固定されている。また、インナーレースのエンジン側端面は第1フライホイール4に当接・支持されている。第1軸受17のアウターレースは第2フライホイール5の内周面にスナップリングを介して固定されている。このようにして、第2フライホイール5は第1軸受17により第1フライホイール4に相対回転自在に支持されている。
【0015】
第2フライホイール5の外周側におけるトランスミッション側には、環状の平坦な摩擦面5aが形成されている。また、第2フライホイールの外周端には、トランスミッション側に延びる複数の突出部5bが形成されている。
第1フライホイール4の内周部には、メインドライブシャフト3の先端を相対回転自在に支持するための第2軸受18が配置されている。第2軸受18は、筒状部4aの内周面4cとメインドライブシャフト3との間に配置されている。第2軸受18は、インナーレースとアウターレースと両レース間に配置された複数の転動体とから構成されている。第2軸受18のアウターレースは筒状部4aの内周面4cに固定されている。また、インナーレースのエンジン側面は第1フライホイール4に当接・支持されている。また、第2軸受18のインナーレースはメインドライブシャフト3の先端に当接している。
【0016】
次に、第2フライホイール5のトランスミッション側に配置され、前述のダンパー機構6、第1クラッチ7、第2クラッチ8及びクラッチカバー組立体を構成する各部材について説明する。それらの部材は、主に、中間部材10、クラッチカバー組立体11、第1クラッチディスク組立体12及び第2クラッチディスク組立体13である。クラッチカバー組立体11は、クラッチ作動機構として機能するものであり、クラッチカバー14、プレッシャプレート15及びダイヤフラムスプリング16から構成されている。クラッチカバー14は、外周端が第2フライホイール5の突出部5bにたとえばボルトで固定された環状の部材であり、第2フライホイール5の摩擦面5aの内周端付近まで延びている。プレッシャプレート15は、クラッチカバー14の内周側ですなわちエンジン側に配置された環状のプレート部材である。プレッシャプレート15は、図示しないストラッププレートによりクラッチカバー14に固定され、クラッチカバー14に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能になっている。ダイヤフラムスプリング16は、クラッチカバー14とプレッシャプレート15との間に配置されている。ダイヤフラムスプリング16は、環状の弾性部16aと弾性部16aから半径方向内側に延びる複数のレバー部16bとから構成されている。弾性部16aは、内周端が2本のワイヤリング30を介してクラッチカバー14に揺動自在に支持されている。また、弾性部16aの外周部はプレッシャプレート15のトランスミッション側面に当接している。弾性部16aはクラッチカバー14とプレッシャプレート15との間で軸方向に圧縮されており、プレッシャプレート15に対して第2フライホイール5の摩擦面5a側への付勢力を与えている。複数のレバー部の先端(半径方向内側端)付近には図示しないレリーズ機構が配置されている。レリーズ機構が複数のレバー部16bをエンジン側に押すと、ダイヤフラムスプリング16からプレッシャプレート15への付勢力が解除される。
【0017】
第1クラッチディスク組立体12は、第1フライホイール4から第2フライホイール5にトルクを伝達するための部材であり、ダンパー機構6を含んでいる。第1クラッチディスク組立体12は、主に、クラッチプレート19、リテーニングプレート20及びドライブプレート21及びスプリング9から構成されている。クラッチプレート19及びリテーニングプレート20は筒状部4aと摩擦面5aの内周縁との間に配置された環状のプレート部材である。クラッチプレート19とリテーニングプレート20は、図示しないピン等により互いに固定されている。クラッチプレート19とリテーニングプレート20との軸方向間には、環状のドライブプレート21が配置されている。ドライブプレート21の内周縁には、筒状部4aの孔4bに対応する孔21aが形成されている。クランクボルト100は、ドライブプレート21の孔21a及び第1フライホイール4の孔4bを貫通してクランクシャフト2に形成されたねじ孔2aに螺合している。ドライブプレート21bは、外周側にスプリング9が配置されるばね収容部21bを有している。スプリング9は、螺旋状に形成されたコイルスプリングであり、ばね収容部21b内に配置されている。なお、クラッチプレート19及びリテーニングプレート20にはスプリング9の半径方向及び軸方向の移動を規制するとともに円周方向両端を支持する切起し部が形成されている。このようにして、スプリング9はドライブプレート21からプレート19,20に対してトルク伝達するようになっている。クラッチプレート19の内周縁は、筒状部4aの外周面4bの回りに配置されたブッシュ22,23を介して支持されている。クラッチプレート19には、複数の第1リベット24を介して第1摩擦フェーシング25が固定されている。第1摩擦フェーシング25は、芯板と芯板の両側に固定されたフェーシング材料とから構成されている。第1摩擦フェーシング25は、第2フライホイール5の摩擦面5aに近接して配置されている。以上に述べた第1クラッチディスク組立体12は第2フライホイール5のトランスミッション側に配置されている。言い換えると、ダンパー機構6は第1フライホイール4と第2フライホイール5との軸方向間に配置されていない。このようなダンパー機構6の配置により、後述のように、ダンパー機構6の交換がよういになっている。さらに、ダンパー機構6の冷却性が向上している。
【0018】
中間部材10は比較的肉厚の環状部材である。中間部材10は、第1摩擦フェーシング25のトランスミッション側に配置されている。中間部材10の軸方向両端面は平坦な摩擦係合面となっている。中間部材10の外周側には複数の図示しない突出部が形成されている。この突出部は第2フライホイール5の突出部5bに係合しており、これにより、中間部材10は第2フライホイール5に対して相対回転不能にかつ所定範囲内で軸方向に移動可能となっている。
【0019】
第2クラッチディスク組立体13は、第2フライホイール5からメインドライブシャフト3にトルクを伝達するための部材である。第2クラッチディスク組立体13は、主に、スプラインハブ26と、プレート27と、第2摩擦フェーシング28とから構成されている。スプラインハブ26は、軸方向に筒状に延びるボス部と、ボス部から外周側に延びるフランジ部とから構成されている。ボス部の内周側には、メインドライブシャフト間の外周面に形成されたスプライン歯に係合するスプライン孔が形成されている。この係合により、スプラインハブ26はメインドライブシャフト3に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動自在となっている。スプラインハブ26のフランジには、円板状のプレート27の内周端が複数の第3リベット37により固定されている。プレート27の外周端には、複数の第2リベット29を介して第2摩擦フェーシング28が固定されている。第2摩擦フェーシング28の構成は第1摩擦フェーシング25と同様である。第2摩擦フェーシング28は、中間部材10のトランスミッション側面とプレッシャプレート15の押圧面15aとの間に配置されている。プレート27には複数の孔27aが形成されている。この孔27aを通ってトランスミッション側の空気をダンパー機構6に供給可能である。
【0020】
以上の構造において、第1摩擦フェーシング25と第2フライホイール5と中間部材10とにより第1クラッチ7が構成されている。また、中間部材10と第2摩擦フェーシング28とプレッシャプレート15とにより第2クラッチ8が構成されている。
次に動作について説明する。
【0021】
運転者がクラッチペダルを踏んでいない通常運転時には、レリーズ機構がダイヤフラムスプリング16を付勢していないため、ダイヤフラムスプリング16の弾性部16aがプレッシャプレート15に対して荷重を与えている。この状態で第1摩擦フェーシング25は第2フライホイール5と中間部材10との間に挟持され、第2摩擦フェーシング28は中間部材10とプレッシャプレート15との間で挟持される。すなわち、第1及び第2クラッチ7,8がともに連結された状態になる。このとき、第1フライホイール4のトルクは、ダンパー機構6を介してさらに第1クラッチ7を介して第2フライホイール5に伝達され、さらに第2クラッチ8を介してメインドライブシャフト3側に出力される。
【0022】
クラッチ連結状態で捩じり振動がフライホイール組立体1に入力されると、ダンパー機構6を介して第1フライホイール4と第2フライホイール5とが相対回転する。このとき、スプリング9が円周方向に圧縮され、振動を吸収・減衰する。
運転者がクラッチペダルを踏むと、図示しないレリーズ機構がダイヤフラムスプリング16のレバー部16b先端をエンジン側に押す。すると、弾性部16aからプレッシャプレート15への荷重が解除され、プレッシャプレート15がトランスミッション側に移動する。この結果、第1クラッチ7及び第2クラッチ8が遮断される。この状態で第2フライホイール5は第1フライホイール4に対しても第2クラッチディスク組立体13に対しても切断された状態である。
【0023】
低回転数領域の共振点通過問題対策(1)
エンジン始動時には運転者がクラッチペダルを踏むことにする。すると、前述のように、第1クラッチ7と第2クラッチ8が同時に遮断される。第2フライホイール5はエンジン側からもトランスミッション側からも切断される。このときダンパー機構6の出力側の慣性モーメントが小さくなるため、アイドル回転数以下で生じる共振を抑えることができる。
【0024】
低回転数領域の共振点通過問題対策(2)
さらに、第1クラッチ7のトルク容量を第2クラッチ8のトルク容量より小さくすることで、第1クラッチ7をトルクリミッタとして機能させてもよい。そのためには、第1摩擦フェーシング25の摩擦係数を第2摩擦フェーシング28に対して小さくする。この場合は、クラッチを連結していても低回転数領域の共振点過大トルク変動を減衰可能である。
【0025】
第2クラッチ8のトルク容量は従来のクラッチのトルク容量と同等である。第1クラッチ7のトルク容量はダンパー機構6のストッパートルクより小さい。これにより、フライホイール組立体1にストッパートルクより大きな過大トルク変動が入力されたときに、第1クラッチ7が滑ることで捩じり振動を減衰する。ダンパー機構6は最大捩じり角度まで捩じれないため、大きな荷重が加わず寿命が延びる。
【0026】
ダンパー交換作業
ダンパー機構6すなわち第1クラッチディスク組立体12を交換する際に、初めにクラッチカバー組立体11を第2フライホイール15から取り外す。次に、第2クラッチディスク組立体13及び中間部材10を取り外す。この状態でクランクボルト100を外すと、フライホイール組立体1の残りをクランクシャフト2から取り外せるとともに、第1クラッチディスク組立体6をフライホイール4,5から取り外せる。このように、ダンパー機構6が第2フライホイール5のトランスミッション側に配置されているため、ダンパー機構6の交換が容易になっている。また、ダンパー機構6と第2フライホイール5との連結は第1摩擦フェーシング25を介した摩擦係合であるため、取り外しが容易である。
第2実施形態
図3の模式図に示すように、ダンパー機構6にスプリング9と並列に作用する摩擦抵抗発生機構32を設けてもよい。摩擦抵抗発生機構32は、たとえばプレート19,20とドライブプレート21との間に配置されたワッシャ等から構成される。
第3実施形態
図4の模式図に示すように、ダンパー機構6においてスプリング9と並列に作用する粘性抵抗発生機構33を設けてもよい。この場合には、構造が複雑になるものの、大きな抵抗を得ることができる。
第4実施形態
図5に示すフライホイール組立体1は、基本的な構造は第1実施形態と同様である。ここでは、第1実施形態に新たに加わった部分のみを説明する。
【0027】
第1フライホイール5の突出部5bには、複数の遠心子50が設けられている。各遠心子50は、支点として機能するリング51に揺動自在に支持されている。リング51は複数の突出部5bに取り付けられている。リング51はクラッチカバーに取り付けられていてもよい。遠心子50は、クランクシャフト2(入力側回転体)の回転数が所定の値を超えると第1クラッチ7のトルク容量を増加させるトルク容量増加機構として機能している。トルク容量増加機構を備えていることにより、低速回転時の第1クラッチ7のトルク容量を低く設定できる。これにより、過大トルク変動入力時の第1クラッチ7やダンパー機構6の負担が小さくなる。
【0028】
各遠心子50は、リング51に揺動自在に係止されている。遠心子50は、図5から明らかなように、マス部分50aと、押し付け部50bとを有している。各遠心子50の構造及び配置は以下の機能を満たすように設定されている。遠心子50に遠心力が作用すると、マス部分50aが外周側に移動しようとし、支点51を中心にマス部分50aが図5において時計回り方向に回動する。この結果、押し付け部50bが図5において時計回り方向に回転する。
【0029】
中間部材10の外周側には、複数の遠心子50に対応して複数の突起10aが形成されている。突起10aは、遠心子50の押し付け部50bの近傍に配置されている。前述のように遠心子50が図5において時計回り方向に回転すると、押し付け部50bが中間部材10の突起10aを第2フライホイール5の摩擦面5a側に付勢する。
【0030】
このフライホイール組立体1では、クランクシャフト2の回転数が所定の値を超えると、遠心子50を押し付け部50bが中間部材10を第2フライホイール5側に押し付ける。このため、第2クラッチ7のトルク容量が大きくなる。
このフライホイール組立体1では、第1クラッチ7の初期のトルク容量を低く設定できる。第1クラッチ7のトルク容量を低く設定しても、車輌走行時には遠心子50により第1クラッチに大きなトルク容量が得られる。
【0031】
第1クラッチ7の初期のトルク容量を小さく設定することにより、エンジン始動または停止時における共振点通過時の過大トルク変動が入力されたときに、第1クラッチ7やダンパー機構6に対する負担が小さくなる。
高速回転時には、遠心子50に付勢されることにより第1クラッチ7は切れ性が低下している。しかし、第2クラッチ8によりクラッチ切れ性は確保されている。
【0032】
第2クラッチ8のトルク容量は従来のクラッチのトルク容量と同等に設定されている。
第1クラッチ7の遠心子50が作用していない状態でのトルク容量は、ダンパー機構6のストッパートルク(最大トルク)より小さいことが好ましい。その場合は、過大トルク変動が入力されて第1クラッチが滑るときに、ダンパー機構6は最大捩じれ角度まで捩じれない。その結果、ダンパー機構6の破損等の不具合が生じにくい。
【0033】
トルク容量増加機構は遠心子に限定されない。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係るフライホイール組立体では、第1クラッチのトルク容量を第2クラッチのトルク容量より小さくしているため、たとえばエンジンの始動または停止時における共振点通過時において、過大トルク変動がフライホイール組立体に入力されると第1クラッチが滑る。このとき第1クラッチにおける摩擦摺動抵抗により過大トルク変動を吸収・減衰する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのフライホイール組立体の動力伝達模式図。
【図2】第1実施形態のフライホイール組立体の部分縦断面概略図。
【図3】第2実施形態におけるフライホイール組立体の動力伝達模式図。
【図4】第3実施形態におけるフライホイール組立体の動力伝達模式図。
【図5】第4実施形態におけるフライホイール組立体の縦断面概略図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体
2 クランクシャフト(入力側回転体)
3 トランスミッション入力シャフト(出力側回転体)
4 第1フライホイール
5 第2フライホイール
6 ダンパー機構
7 第1クラッチ
8 第2クラッチ
9 スプリング(弾性部材)
10 中間部材
11 クラッチカバー組立体(クラッチ作動機構)
12 第1クラッチディスク組立体
13 第2クラッチディスク組立体(出力側機構)
19 クラッチプレート
20 リテーニングプレート
21 ドライブプレート(入力側部材)
25 第1摩擦フェーシング(第1連結部)
28 第2摩擦フェーシング(第2連結部)
50 遠心子(トルク容量増加機構)
51 リング

Claims (5)

  1. 入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達するフライホイール組立体であって、
    前記入力側回転体からトルクが入力される第1フライホイールと、
    前記第1フライホイールに相対回転可能に配置された第2フライホイールと、
    前記第1フライホイールと前記第2フライホイールとの間でトルク伝達を行うとともに捩じり振動を減衰するためのダンパー機構と、
    前記第1フライホイールと前記第2フライホイールとの間に配置された第1クラッチと、
    前記第2フライホイールと前記出力側回転体との間に配置され前記第1クラッチより大きいトルク容量を有する第2クラッチと、
    前記第1クラッチと前記第2クラッチを断続可能なクラッチ作動機構と、
    を備えたフライホイール組立体。
  2. 前記第1クラッチのトルク容量はダンパー機構のストッパートルクより小さい、請求項2に記載のフライホイール組立体。
  3. 前記入力側回転体の回転数が所定の値を越えると前記第1クラッチのトルク容量を増加させるトルク容量増加機構をさらに備えている、請求項1又は2に記載のフライホイール組立体。
  4. 前記トルク容量増加機構は、前記入力側回転体の回転数が前記所定の値を超えると前記第1クラッチへの荷重を増加させる、請求項3に記載のフライホイール組立体。
  5. 前記トルク容量増加機構は、前記入力側回転体の回転数が前記所定の値を越えると前記第1クラッチを付勢する遠心子を有している、請求項4に記載のフライホイール組立体。
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