JPH0959728A - 装身具用地金および装身具 - Google Patents

装身具用地金および装身具

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JPH0959728A
JPH0959728A JP23774395A JP23774395A JPH0959728A JP H0959728 A JPH0959728 A JP H0959728A JP 23774395 A JP23774395 A JP 23774395A JP 23774395 A JP23774395 A JP 23774395A JP H0959728 A JPH0959728 A JP H0959728A
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gold
accessory
metal
copper
alloy
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JP23774395A
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English (en)
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Masaaki Ueno
正明 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明の装身具用地金および装身具を使用す
ることによって装身具の製作が簡単で、得た装身具も長
期間にわたって雑菌が発生しないために黒ずみ等の汚れ
が防止でき、また使用中に擦過傷等によって耳たぶや指
等が化膿することのない装身具を提供しようとする。 【解決手段】1)金合金からなる装身具用地金におい
て、銀に対する銅比率を高くするとともに、少量のスズ
および亜鉛を含有させたことを特徴とする装身具用地
金。 2)銀に対する銅比率を高くするとともに、少量のスズ
および亜鉛を含有させた金合金からなる装身具用地金を
使用することにより、装身具用地金を用いて所定の形状
に形成する際、焼鈍後急冷して加工性をよくする強い時
硬性を持たせたことを特徴とする装身具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、種々の装身具に使用
されている金合金からなる装身具用地金、および当該装
身具用地金を用いた装身具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金合金からなる装身具用地金とし
ては14金、18金、24金等の種々の金合金が使用さ
れているが、例えば18金においては、加工性および色
合いを重視した合金(通常金75%、銀12.5%、銅
12.5%である。)であり、赤色系の場合は銅比率
を、青色系の場合は銀比率を上げて製造していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記金
合金には機能や耐久性の面からみるとさまざまな問題が
あった。特にイヤリング等において肉厚の薄いデザイン
部やピアスのポスト、キャッチ等は小さく、細く、また
薄い本体やパーツ等で構成されており、ポスト部の変形
やキャッチ部のバネ弾性の少なさから、耐久性および機
能性に乏しいという欠点があった。
【0004】そのためさまざまな金合金が開発されてき
たが、それぞれに問題があって商品化され、かつ一般に
定着するにはいたっていなかった。
【0005】ちなみに種々の金合金の問題点を下記に列
挙する。 <銅のみを増やした合金>強さ、硬さは増すが、色合い
も一般的にいわれているように赤色金になってしまう。 <ロジウム合金>強さ、硬さは増すが、ひび割れしやす
く、ロジウム自体が高価なため、価格が高くなってしま
う。 <ベリリュウム合金>強さ、硬さは増すが、ひび割れし
やすくなる。色合いも一般的にいわれているように赤色
金になってしまう。 <ニッケル合金>強さ、硬さは増すが現在問題になって
いる金属によるかぶれ(アレルギー)を引き起こす原因
となる金属であり、装身具用としては排除される方向に
ある。 <チタン合金>強さ、硬さは増すがロー付け(ロー材を
使用する高温溶接)時に組織が劣化してしまい、素材自
体の特性が損なわれてしまう。
【0006】またそれぞれの上記問題点に、さらにすべ
ての金合金に当てはまることであるが、合金時に強さ、
硬さの特性があったとしても、加工時に例えばデザイン
部とポスト部とをロー付けすると、合金の組成物が分解
して均一固溶体に戻ってしまい、強さや硬さを再生しに
くいという問題点があった。さらにバネ弾性はこれらの
金合金ではさほど引き出すことができなかった。
【0007】一方、ピアスイヤリング等においては、装
飾本体の背面に突設したポストを耳たぶに設けた穴に直
接差し込むことを前提としている。
【0008】図1に装身具として代表的なピアスイヤリ
ングの従来例を示す。すなわち背面にポスト22を取付
けた装飾体21と、中央部にポスト貫通孔25を有する
基板24と、基板24の両端を延長して互いに対向する
方向に屈曲させた一対の弾発性の円形のループ26とを
備えた、キャッチと称する止め金具23とで構成されて
いる。
【0009】またピアスイヤリング以外の、スクリュー
ネジで止めるものやクリップ式のイヤリング、指輪やブ
レスレット、ネックレス、ペンダント等においても、使
用者の肌に触れる状態で使用され、かつまた指で触れた
りする頻度が非常に高かった。
【0010】そこで、上記金合金等を用いて装身具の完
成、あるいは最終工程で抗菌薬品(リン酸カルシウム
銀)を加えた樹脂を塗り込むか、電着塗装(電着メッ
キ)によるコート法と、上記金合金の製造時にリン酸カ
ルシウム銀を加える方法が行なわれている。
【0011】前者のコート法は樹脂膜のために硬度が低
く、キズがつきやすかったり摩擦によって剥れやすく、
一時的な効果しか望めない上、樹脂被膜により地金表面
が曇りがちになる。また作業工程が増え、再加工も一切
できないという問題点があった。
【0012】後者の金合金の製造時にリン酸カルシウム
銀を加える方法は、合金金属とカルシウム部分が完全に
溶け合わないため、また比重が違いすぎるために均一化
して抗菌薬品を表面に出すことができなかった。また製
造した装身具において、表面部分の仕上がり(輝き)が
悪くなってしまうという問題点があった。
【0013】この発明の装身具用地金および装身具は従
来例の上記欠点を解消しようとするもので、この発明の
装身具用地金および装身具を使用することによって装身
具の製作が簡単で、得た装身具も長期間にわたって雑菌
が発生しないために黒ずみ等の汚れが防止でき、また使
用中に擦過傷等によって耳たぶや指等が化膿することの
ない装身具を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の装身具用地金
は、金合金からなる装身具用地金において、銀に対する
銅比率を高くするとともに、少量のスズおよび亜鉛を含
有させたことを特徴とするものである。
【0015】この発明の装身具は、銀に対する銅比率を
高くするとともに、少量のスズおよび亜鉛を含有させた
金合金からなる装身具用地金を使用することにより、装
身具用地金を用いて所定の形状に形成する際、焼鈍後急
冷して加工性をよくする強い時硬性を持たせたことを特
徴とするものである。
【0016】また この発明の装身具は、銀に対する銅
比率を高くするとともに、少量のスズおよび亜鉛を含有
させた金合金からなる装身具用地金を使用することによ
り、装身具用地金を用いて所定の形状に形成する際、焼
鈍後急冷して加工性をよくする強い時硬性を持たせ、上
記急冷によって生じる強度、硬さの低下を再度上昇させ
ることを可能としたことをも特徴とするものである。
【0017】上記において、合金の組成物に比重を高め
て使用される銅の抗菌性は、通常の意味合いにおける雑
菌の繁殖を抑制するものだけでなく、雑菌を減らす滅菌
作用を有するものをも含む用語である。また、強さ(ト
ン/平方インチ)、硬さ(ブリネル)、バネ性(弾性
力)、時硬性にも優れており、外観上も装身具として表
面の仕上がり良さ、色合いの良さも大変に重要である。
【0018】上記時硬性とは、金と銅の比率が3:1に
近づくほど効果が強くなる特性で、銅比率を高めるだけ
で強さ、硬さが増すが、それをさらに300℃から35
0℃の温度で30分から1時間熱処理する強さ、硬さが
増し、また600℃前後の熱処理後水中急冷すると通常
に戻る性質をいう。
【0019】
【作用および効果】この発明の装身具用地金および装身
具によれば、次の特性を持った装身具を簡単に製作する
ことができ、商品として市場に提供することができる。 1)抗菌性 金属の中で銅が最も抗菌力が強く、銅の比
率を高めることにより、抗菌力が強化できる。本発明の
装身具用地金は抗菌コート用抗菌材料と同等の抗菌作用
があり、抗菌力の強い装身具を簡単に製作することがで
きる。したがって得た装身具も抗菌コートや薬品を添加
したものと異なり、地金自体に抗菌作用があることから
半永久的に雑菌が発生せず、また雑菌が付着しても強い
抗菌作用から雑菌を死滅させることができる。そのた
め、雑菌の影響による化膿を防ぎ、特に人体の粘膜を貫
通させるピアスや長期使用のリング等において、いつで
も清潔さを保つことができ、衛生的な装身具を提供する
ことができる。 2)強さ、硬さ 通常の金合金(例えば18金)より強
さ、硬さを簡単に強化することができ、得た装身具も特
に肉厚の薄いものや細いもの、ネジ切りパーツ等におい
て、衝撃、圧力、摩擦による変形、摩耗を防ぐ耐久性を
向上させた製品を提供することができる。 3)バネ弾性 バネ弾性を簡単に強化することができ、
得た装身具も特にピアスイヤリングのキャッチ部、チェ
ーン等の止め金具等の、押え込んで止めるバネ弾性を必
要とするパーツ部の耐久性、機能性を向上させたものを
提供することができる。 4)色合い 通常の金合金(例えば18金)で銅の比率
を高くすると赤色金になってしまうが、スズおよび亜鉛
を地金に加えることにより、色合いを従来の金合金(例
えば18金)の黄色と同等の色合いにすることができ
る。 5)コスト 金比率を変えずに銀比率を下げ、銅比率を
上げ、スズおよび亜鉛を加えた金合金のため、通常の金
合金(例えば18金)より価格を下げることができる。 6)加工性 本発明の装身具用地金は時硬性が強いた
め、加工時には焼鈍後、急冷することにより加工性を向
上させることができ、また熱処理効果により、強さ、硬
さを再生することができる。
【0020】
【実施例】総重量を100%とし、金75%、銅20
%、銀2%、スズ2%、および亜鉛1%の比率で溶解融
合(割金)でK18合金を製造した。通常ならば銅の比
率が高いため、赤色金になってしまうが、この配合では
スズおよび亜鉛の効果で黄色金になる。また下記表1の
ような測定結果が得られた。
【0021】
【表1】 *抗菌材(リン酸カルシウム銀)の割金時添加方法の地
金は、バネ弾性、強さ、硬さ、色合い、時硬性、用途・
応用は従来のK18と同等の特性になる。抗菌性、コス
トは抗菌コートと同様。抗菌の持続は抗菌コートよりあ
るが、ムラがある。表面仕上がりに難がある。
【0022】次に抗菌性をテストしたところ、次のよう
な結果が得られた。 <抗菌性テスト> 大腸菌培養試験24時間テスト 1)従来のK18合金の抗菌作用の有無を微量の大腸菌
でテストした。結果は微かな抗菌作用が認められた。 2)K18合金の金属の中で、どの金属が抗菌作用があ
るのか、多量の大腸菌でテストした。結果は、金/作用
なし、銀/ほとんど作用なし、銅/強力な抗菌作用が認
められた。つまり、従来のK18合金でも微かだが抗菌
作用が作用していたわけである。 3)銅比率を高めた本発明の装身具用地金と、従来のK
18合金の比較テストを多量の大腸菌のなかで行なっ
た。
【0023】結果は、本発明の装身具用地金には強力な
抗菌作用が認められた。一方、従来のK18合金は、多
量の大腸金の中では、効果が見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】装身具として代表的なピアスイヤリングの例を
示す斜視図である。
【符号の説明】
21 装飾体 22 ポスト 23 止め金具 24 基板 25 ポスト貫通孔 26 ループ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 装身具用地金および装身具
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、種々の装身具に使用
されている金合金からなる装身具用地金、および当該装
身具用地金を用いた装身具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金合金からなる装身具用地金とし
ては14金、18金、24金等の種々の金合金が使用さ
れているが、例えば18金においては、加工性および色
合いを重視した合金(通常金75%、銀12.5%、銅
12.5%である。)であり、赤色系の場合は銅比率
を、青色系の場合は銀比率を上げて製造していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記金
合金には機能や耐久性の面からみるとさまざまな問題が
あった。特にイヤリング等において肉厚の薄いデザイン
部やピアスのポスト、キャッチ等は小さく、細く、また
薄い本体やパーツ等で構成されており、ポスト部の変形
やキャッチ部のバネ弾性の少なさから、耐久性および機
能性に乏しいという欠点があった。
【0004】そのためさまざまな金合金が開発されてき
たが、それぞれに問題があって商品化され、かつ一般に
定着するにはいたっていなかった。
【0005】ちなみに種々の金合金の問題点を下記に列
挙する。 <銅のみを増やした合金>強さ、硬さは増すが、色合い
も一般的にいわれているように赤色金になってしまう。 <ロジウム合金>強さ、硬さは増すが、ひび割れしやす
く、ロジウム自体が高価なため、価格が高くなってしま
う。 <ベリリュウム合金>強さ、硬さは増すが、ひび割れし
やすくなる。色合いも一般的にいわれているように赤色
金になってしまう。 <ニッケル合金>強さ、硬さは増すが現在問題になって
いる金属によるかぶれ(アレルギー)を引き起こす原因
となる金属であり、装身具用としては排除される方向に
ある。 <チタン合金>強さ、硬さは増すがロー付け(ロー材を
使用する高温溶接)時に組織が劣化してしまい、素材自
体の特性が損なわれてしまう。
【0006】またそれぞれの上記問題点に、さらにすべ
ての金合金に当てはまることであるが、合金時に強さ、
硬さの特性があったとしても、加工時に例えばデザイン
部とポスト部とをロー付けすると、合金の組成物が分解
して均一固溶体に戻ってしまい、強さや硬さを再生しに
くいという問題点があった。さらにバネ弾性はこれらの
金合金ではさほど引き出すことができなかった。
【0007】一方、ピアスイヤリング等においては、装
飾本体の背面に突設したポストを耳たぶに設けた穴に直
接差し込むことを前提としている。
【0008】図1に装身具として代表的なピアスイヤリ
ングの従来例を示す。すなわち背面にポスト22を取付
けた装飾体21と、中央部にポスト貫通孔25を有する
基板24と、基板24の両端を延長して互いに対向する
方向に屈曲させた一対の弾発性の円形のループ26とを
備えた、キャッチと称する止め金具23とで構成されて
いる。
【0009】またピアスイヤリング以外の、スクリュー
ネジで止めるものやクリップ式のイヤリング、指輪やブ
レスレット、ネックレス、ペンダント等においても、使
用者の肌に触れる状態で使用され、かつまた指で触れた
りする頻度が非常に高かった。
【0010】そこで、上記金合金等を用いて装身具の完
成、あるいは最終工程で抗菌薬品(リン酸カルシウム
銀)を加えた樹脂を塗り込むか、電着塗装(電着メッ
キ)によるコート法と、上記金合金の製造時にリン酸カ
ルシウム銀を加える方法が行なわれている。
【0011】前者のコート法は樹脂膜のために硬度が低
く、キズがつきやすかったり摩擦によって剥れやすく、
一時的な効果しか望めない上、樹脂被膜により地金表面
が曇りがちになる。また作業工程が増え、再加工も一切
できないという問題点があった。
【0012】後者の金合金の製造時にリン酸カルシウム
銀を加える方法は、合金金属とカルシウム部分が完全に
溶け合わないため、また比重が違いすぎるために均一化
して抗菌薬品を表面に出すことができなかった。また製
造した装身具において、表面部分の仕上がり(輝き)が
悪くなってしまうという問題点があった。
【0013】この発明の装身具用地金および装身具は従
来例の上記欠点を解消しようとするもので、この発明の
装身具用地金および装身具を使用することによって装身
具の製作が簡単で、得た装身具も長期間にわたって雑菌
が発生しないために黒ずみ等の汚れが防止でき、また使
用中に擦過傷等によって耳たぶや指等が化膿することの
ない装身具を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の装身具用地金
は、金合金からなる装身具用地金において、銀に対する
銅比率を高くすることにより、抗菌特性を強く持たせる
ようにしたことを特徴とするものである。
【0015】この発明の装身具用地金は、銀に対する銅
比率を高くするとともに、少量のスズおよび亜鉛を含有
させたことを特徴とするものである。
【0016】またこの発明の装身具は、銀に対する銅比
率を高くするとともに、少量のスズおよび亜鉛を含有さ
せた金合金からなる装身具用地金を使用することによ
り、装身具用地金を用いて所定の形状に形成する際、焼
鈍後急冷して加工性をよくする強い時硬性を持たせたこ
とを特徴とするものである。
【0017】さらにこの発明の装身具は、銀に対する銅
比率を高くするとともに、少量のスズおよび亜鉛を含有
させた金合金からなる装身具用地金を使用することによ
り、装身具用地金を用いて所定の形状に形成する際、焼
鈍後急冷して加工性をよくする強い時硬性を持たせ、上
記急冷によって生じる強度、硬さの低下を再度上昇させ
ることを可能としたことをも特徴とするものである。
【0018】上記において、合金の組成物に比重を高め
て使用される銅の抗菌性は、通常の意味合いにおける雑
菌の繁殖を抑制するものだけでなく、雑菌を減らす滅菌
作用を有するものをも含む用語である。また、強さ(ト
ン/平方インチ)、硬さ(ブリネル)、バネ性(弾性
力)、時硬性にも優れており、外観上も装身具として表
面の仕上がり良さ、色合いの良さも大変に重要である。
【0019】上記時硬性とは、金と銅の比率が3:1に
近づくほど効果が強くなる特性で、銅比率を高めるだけ
で強さ、硬さが増すが、それをさらに300℃から35
0℃の温度で30分から1時間熱処理する強さ、硬さが
増し、また600℃前後の熱処理後水中急冷すると通常
に戻る性質をいう。
【0020】
【作用および効果】この発明の装身具用地金および装身
具によれば、次の特性を持った装身具を簡単に製作する
ことができ、商品として市場に提供することができる。 1)抗菌性 金属の中で銅が最も抗菌力が強く、銅の比
率を高めることにより、抗菌力が強化できる。本発明の
装身具用地金は抗菌コート用抗菌材料と同等の抗菌作用
があり、抗菌力の強い装身具を簡単に製作することがで
きる。したがって得た装身具も抗菌コートや薬品を添加
したものと異なり、地金自体に抗菌作用があることから
半永久的に雑菌が発生せず、また雑菌が付着しても強い
抗菌作用から雑菌を死滅させることができる。そのた
め、雑菌の影響による化膿を防ぎ、特に人体の粘膜を貫
通させるピアスや長期使用のリング等において、いつで
も清潔さを保つことができ、衛生的な装身具を提供する
ことができる。 2)強さ、硬さ 通常の金合金(例えば18金)より強
さ、硬さを簡単に強化することができ、得た装身具も特
に肉厚の薄いものや細いもの、ネジ切りパーツ等におい
て、衝撃、圧力、摩擦による変形、摩耗を防ぐ耐久性を
向上させた製品を提供することができる。 3)バネ弾性 バネ弾性を簡単に強化することができ、
得た装身具も特にピアスイヤリングのキャッチ部、チェ
ーン等の止め金具等の、押え込んで止めるバネ弾性を必
要とするパーツ部の耐久性、機能性を向上させたものを
提供することができる。 4)色合い 通常の金合金(例えば18金)で銅の比率
を高くすると赤色金になってしまうが、スズおよび亜鉛
を地金に加えることにより、色合いを従来の金合金(例
えば18金)の黄色と同等の色合いにすることができ
る。 5)コスト 金比率を変えずに銀比率を下げ、銅比率を
上げ、スズおよび亜鉛を加えた金合金のため、通常の金
合金(例えば18金)より価格を下げることができる。 6)加工性 本発明の装身具用地金は時硬性が強いた
め、加工時には焼鈍後、急冷することにより加工性を向
上させることができ、また熱処理効果により、強さ、硬
さを再生することができる。
【0021】
【実施例】総重量を100%とし、金75%、銅20
%、銀2%、スズ2%、および亜鉛1%の比率で溶解融
合(割金)でK18合金を製造した。通常ならば銅の比
率が高いため、赤色金になってしまうが、この配合では
スズおよび亜鉛の効果で黄色金になる。また下記表1の
ような測定結果が得られた。
【0022】
【表1】 *抗菌材(リン酸カルシウム銀)の割金時添加方法の地
金は、バネ弾性、強さ、硬さ、色合い、時硬性、用途・
応用は従来のK18と同等の特性になる。抗菌性、コス
トは抗菌コートと同様。抗菌の持続は抗菌コートよりあ
るが、ムラがある。表面仕上がりに難がある。
【0023】次に抗菌性をテストしたところ、次のよう
な結果が得られた。 <抗菌性テスト> 大腸菌培養試験24時間テスト 1)従来のK18合金の抗菌作用の有無を微量の大腸菌
でテストした。結果は微かな抗菌作用が認められた。 2)K18合金の金属の中で、どの金属が抗菌作用があ
るのか、多量の大腸菌でテストした。結果は、金/作用
なし、銀/ほとんど作用なし、銅/強力な抗菌作用が認
められた。つまり、従来のK18合金でも微かだが抗菌
作用が作用していたわけである。 3)銅比率を高めた本発明の装身具用地金と、従来のK
18合金の比較テストを多量の大腸菌のなかで行なっ
た。
【0024】結果は、本発明の装身具用地金には強力な
抗菌作用が認められた。一方、従来のK18合金は、多
量の大腸金の中では、効果が見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】装身具として代表的なピアスイヤリングの例を
示す斜視図である。
【符号の説明】 21 装飾体 22 ポスト 23 止め金具 24 基板 25 ポスト貫通孔 26 ループ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金合金からなる装身具用地金において、
    銀に対する銅比率を高くするとともに、少量のスズおよ
    び亜鉛を含有させたことを特徴とする装身具用地金。
  2. 【請求項2】 銀に対する銅比率を高くするとともに、
    少量のスズおよび亜鉛を含有させた金合金からなる装身
    具用地金を使用することにより、装身具用地金を用いて
    所定の形状に形成する際、焼鈍後急冷して加工性をよく
    する強い時硬性を持たせたことを特徴とする装身具。
  3. 【請求項3】 銀に対する銅比率を高くするとともに、
    少量のスズおよび亜鉛を含有させた金合金からなる装身
    具用地金を使用することにより、装身具用地金を用いて
    所定の形状に形成する際、焼鈍後急冷して加工性をよく
    する強い時硬性を持たせ、上記急冷によって生じる強
    度、硬さの低下を再度上昇させることを可能としたこと
    を特徴とする装身具。
JP23774395A 1995-08-22 1995-08-22 装身具用地金および装身具 Pending JPH0959728A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023037986A (ja) * 2021-09-06 2023-03-16 Navi・japan株式会社 色見の明るさと加工特性を向上させた18kの純度を有するライム系カラー金合金及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023037986A (ja) * 2021-09-06 2023-03-16 Navi・japan株式会社 色見の明るさと加工特性を向上させた18kの純度を有するライム系カラー金合金及びその製造方法

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