JPH0959417A - 発泡粒子、その型内成形体、該成形体と熱硬化性樹脂との積層体、及び該積層体の製造方法 - Google Patents

発泡粒子、その型内成形体、該成形体と熱硬化性樹脂との積層体、及び該積層体の製造方法

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JPH0959417A
JPH0959417A JP23602095A JP23602095A JPH0959417A JP H0959417 A JPH0959417 A JP H0959417A JP 23602095 A JP23602095 A JP 23602095A JP 23602095 A JP23602095 A JP 23602095A JP H0959417 A JPH0959417 A JP H0959417A
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Hidehiro Sasaki
秀浩 佐々木
Toshio Tokoro
寿男 所
Masakazu Sakaguchi
正和 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型内成形時の二次発泡性及び発泡粒子間の融
着性に優れた、繊維強化熱硬化性樹脂との積層接着性に
優れた型内成形体を製造できる低コストの架橋発泡粒
子、該粒子から得られる型内成形体、該成形体と繊維強
化熱硬化性樹脂との積層体、及び該積層体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン
系樹脂等)にスチレン−ジエン共重合体(ハイインパク
トポリスチレン等)を配合した混合樹脂からなる発泡粒
子であって、煮沸トルエン中で5時間還流後の不溶解成
分が3〜70重量%であることを特徴とする発泡粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂にスチレン−ジエン共重合体を配合した混合樹脂の
架橋粒子からなる発泡粒子、その型内成形体、該成形体
と熱硬化性樹脂との積層体、及び該積層体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来技術】ポリオレフィン樹脂の単体による発泡体
は、該樹脂の有する表面濡れ性等の低さから、繊維強化
熱硬化性樹脂との接着性に劣る。この問題を解決するた
めに、ポリオレフィン樹脂にスチレンモノマー等をグラ
フト重合した架橋発泡粒子からなる型内発泡成形体が提
案されている。確かにこの様な発泡成形体は繊維強化さ
れた熱硬化性樹脂との接着性に優れたものであった。し
かしながら、この様な発泡成形体の製造工程は、ポリ
オレフィン樹脂のペレタイズ(発泡に適した大きさにす
る)工程、樹脂ペレットの架橋工程、樹脂ペレット
へのスチレンモノマー等によるグラフト重合工程、発
泡粒子製造工程、及び型内発泡成形体製造工程からな
り、ペレタイズ後に架橋工程及びグラフト重合工程の2
工程が必要であった。このため、その様な発泡成形体
は、必然的にコストの高いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、ペレタイズ後にグラフ
ト工程を必要とせず、且つ繊維強化された熱硬化性樹脂
との接着性に優れた型内成形体の製造に適した発泡粒
子、該発泡粒子からなる型内成形体、該成形体と熱硬化
性樹脂との積層体及び該積層体の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究した結果、ポリオレフィン系樹
脂に対して特定のポリマーを混合して得た樹脂粒子(ペ
レット)を架橋することにより、当該樹脂粒子に対して
前記したグラフト重合を行なわなくとも、繊維強化熱硬
化性樹脂との接着性に優れた型内発泡成形体が得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明によれば、ポリオレフィン系
樹脂にスチレン−ジエン共重合体を配合した混合樹脂の
発泡粒子であって、煮沸トルエン中で5時間還流後の不
溶解成分が3〜70重量%であることを特徴とする発泡
粒子が提供され、また、前記スチレン−ジエン共重合体
が、ハイインパクトポリスチレンであることを特徴とす
る前記発泡粒子が提供され、前記ポリオレフィン系樹脂
と前記スチレン−ジエン共重合体との混合比率が、両成
分の総和を100重量%とした場合、前者が50〜95
重量%及び後者が50〜5重量%であることを特徴とす
る前記発泡粒子が提供され、更にまた、前記ポリオレフ
ィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、また、前記
発泡粒子は、示差走査熱量測定によって得られるDSC
曲線(条件:発泡粒子を示差走査熱量測定装置により昇
温速度10℃/分で220℃まで昇温)に、ポリプロピ
レン系樹脂固有の固有ピークと、該固有ピークの温度よ
りも高温側の高温ピークとを有し、且つ該高温ピークの
融解吸熱量が0.1〜15J/gである結晶構造を有
し、更に前記不溶解成分3〜40重量%であることを特
徴とする前記いずれか記載の発泡粒子が提供される。ま
た、本発明によれば、前記発泡粒子を型内で成形してな
る型内成形体が提供される。更に、本発明によれば、前
記型内成形体と繊維強化熱硬化性樹脂との積層体が提供
され、また、前記繊維強化熱硬化性樹脂がガラス繊維強
化不飽和ポリエステルである前記積層体が提供される。
更にまた、本発明によれば前記型内成形体の表面に、繊
維を配すると共に、液状の熱硬化性樹脂を接触させなが
ら該樹脂を反応硬化させることを特徴とする前記積層体
の製造方法が提供され、また、前記型内成形体の表面
に、ガラス繊維を配すると共に、液状の不飽和ポリエス
テル樹脂を接触させながら該樹脂を反応硬化させること
を特徴とする前記積層体の製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の基材樹脂となるポリオレ
フィン系樹脂の具体例としては、プロピレン単独重合
体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンラ
ンダム共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合
体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等
のプロピレン系重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、エチレンとα−オレフィン(炭素数4以
上)の共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン等のエ
チレン系重合体、ポリブテン、または上記樹脂の無水マ
レイン酸変性物、アクリル酸系モノマーとのグラフト重
合物等が挙げられ、これらの樹脂のうち1または2以上
を組み合わせて使用することができる。更に、上記した
樹脂にエチレン−プロピレン系ゴム、エチレン−プロピ
レン−ジエン系ゴム等のゴムを混合して使用してもかま
わない。これらの樹脂であればどのような組み合わせで
あっても良好な発泡体を製造することが可能であるが、
これらの樹脂の中でも特にプロピレン−オレフィンラン
ダム共重合体が発泡性が良好である点で好適である。
【0007】本発明の基材樹脂に配合するスチレン−ジ
エン共重合体としては、(1)スチレン−ジエンランダ
ム共重合体、(2)スチレン−ジエンブロック共重合
体、及び(3)スチレン−ジエングラフト共重合体が挙
げられ、これらのうちから選ばれた1または2以上の樹
脂を配合する。このようなスチレン−ジエン共重合体中
のジエンの比率が5〜80重量%であれば良好な成形品
が得られるが、更に好ましくは10〜60重量%がよ
い。また、スチレン−ジエン共重合体のジエンについて
はその重合体中のジエン部分にビニル基に相当する官能
基を導入しうるものであればどのようなものでもかまわ
ないが、例えば、1,2−ブタジエン、1,4−ブタジ
エン、イソプレン等が好適である。本発明で用いるスチ
レン−ジエン共重合体の具体例としては、スチレン−ブ
タジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、ハイインパクトポリスチレン等が挙げら
れる。特に、この中でもハイインパクトポリスチレン
は、ポリオレフィン系樹脂と混合して架橋する場合、そ
の架橋効率を高めると共に、ポリオレフィン系樹脂(特
にポリプロピレン系樹脂)の主鎖の分解を抑えることが
でき、この点で最も望ましい。
【0008】本発明においては、前記ポリオレフィン系
樹脂に前記スチレン−ジエン共重合体を配合し溶融混練
するが、ポリオレフィン系樹脂とスチレン−ジエン共重
合体との総和を100重量%とした場合、スチレン−ジ
エン共重合体が5〜50重量%配合されているのが好ま
しい。配合量が5重量%未満では繊維強化熱硬化性樹脂
との接着性の改良効果が充分でない。この接着性のより
大きな向上を目的とする場合は、スチレン−ジエン共重
合体の上記配合量は20重量%以上が望ましい。一方、
上記配合量が50重量%より多い場合は、型内成形時の
2次発泡性が悪化し良好な成形品を得ることが困難とな
る。また、溶融混練した樹脂はペレタイズされて大きさ
が調整され、その大きさは、発泡するのに支障のない大
きさであればよく、好ましくは1個の粒子(ペレット)
重量が0.1〜20mgがよい。
【0009】このようにポリオレフィン系樹脂にスチレ
ン−ジエン共重合体を配合し、溶融混練し、ペレット化
された混合樹脂粒子(以下、単に「混合樹脂粒子」とい
うこともある。)は、前記したように0.1〜20mg
を満たしていればよいが、このような混合樹脂粒子を得
る方法については特に規定するものではなく、混合樹脂
粒子を得る方法としては、押出機を用いて溶融混練した
後に押出機先端に取付けた微小穴を有する口金より糸状
に押出し、引取機を備えた切断機で適宜大きさに切断し
粒子化する方法、及び、ニーダー、ミキサー等と称され
る樹脂混練機により混練し、粉砕機により粉砕し粒子化
する方法等がある。
【0010】本発明においては、ポリオレフィン系樹脂
にスチレン−ジエン共重合体を配合した混合樹脂粒子
は、架橋させた後発泡させて架橋発泡粒子とする。この
ような架橋発泡粒子からは、繊維強化熱硬化性樹脂との
接着性に適した優れた型内発泡成形体が得られる。ま
た、該発泡成形体は、衝撃吸収性、圧縮後の回復性、耐
薬品性等にも優れている。
【0011】本発明において、架橋された混合樹脂粒子
を発泡させた発泡粒子を、煮沸キシレン溶媒中で5時間
還流させた場合、不溶解成分が3〜70重量%であるこ
とが必要である。この不溶解成分は、発泡粒子の架橋度
を示す指標となり、その数値が大きいほど架橋度が大き
いということを意味する。該発泡粒子の該不溶解成分が
上記範囲のものでない場合は、混合樹脂粒子を架橋さ
せ、架橋の度合いを調整することにより、上記範囲のも
のにすることができる。該不溶解成分が3重量%より少
ないと、その様な発泡粒子からなる型内成形体の表面
に、液状の熱硬化性樹脂を接触させつつ反応硬化させよ
うとすると、該成形体の接触表面が溶解して大きく収縮
しやすいので好ましくない。その様な収縮量低減の観点
からすると、該不溶解成分は15重量%以上が望まし
い。また該不溶解成分が70重量%より多いと、その様
な混合樹脂粒子からでは、高発泡倍率の発泡粒子が得ら
れにくいばかりか、その様な発泡粒子は、型内成形時の
二次発泡性に劣り、発泡粒子間の空隙を十分に埋めるこ
とができず、得られる成形体はおこし状となってしま
い、好ましくない。
【0012】混合樹脂粒子の架橋方法としては、密閉容
器に混合樹脂粒子と水性媒体と過酸化物などの架橋剤等
とを配合し、架橋剤を混合樹脂粒子中に含浸させた後、
架橋剤の分解温度に昇温させることによって架橋混合樹
脂粒子を得る方法等がある。この場合、架橋剤として
は、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレード、α,
α´−ビス(t−ブチルパーオキシ)−m−ジイソプロ
ピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイ
ド、m−トルオイルパーオキサイド、t−ヘキシルパー
オキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルへキサネート、t−ブチルパーオキシイ
ソブチレート、1−シクロヘキシル−1−メチレシルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
また上記架橋方法以外の例としては、混合樹脂粒子に放
射線を照射させる方法等が挙げられる。
【0013】架橋された混合樹脂粒子(以下、「架橋混
合樹脂粒子」ということもある。)を得る場合、混合樹
脂組成物中に、前記分子中に2以上のビニル基を有する
ポリエン化合物からなる架橋助剤を更に配合させておく
と効率よく架橋混合樹脂粒子を得ることができる。
【0014】本発明において、架橋助剤として配合しう
る、分子中に2以上のビニル基を有するポリエン化合物
としては、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等の重合体
系架橋助剤、及びジビニルベンゼン、2−メチル−ジビ
ニルベンゼン、ジビニルシクロヘキサン、イソプレン、
クロロプレン、ブタジエン等の単量体系架橋助剤が挙げ
られる。また架橋助剤の配合量は、ポリオレフィン系樹
脂、スチレン−ジエン共重合体及び架橋助剤の総和を1
00重量%とした場合、30重量%以下が好ましい。
【0015】本発明に係る発泡粒子は、ポリオレフィン
系樹脂にスチレン−ジエン共重合体、好ましくは更に架
橋助剤を配合した混合樹脂粒子に、物理発泡剤または分
解型発泡剤を配合して、粒子状に発泡させることにより
製造することができる。
【0016】発泡剤としては、分解型発泡剤または物理
発泡剤のうち1種または2種以上を組み合わせて用い
る。分解型発泡剤については樹脂の発泡温度で分解して
ガスを発生するものであれば何れのものも使用できる。
分解型発泡剤の具体例としては、例えば重炭酸ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、アジド化合物、アゾビスイソブ
チロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、
または該温度で反応して炭酸ガスを発生する酸−アルカ
リの組み合わせ、例えば、クエン酸のモノアルカリ金属
塩と炭酸のアルカリ金属塩、クエン酸のモノアルカリ金
属塩と重炭酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
【0017】また、物理発泡剤としては、不活性ガス、
飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環族炭化水素、芳香族炭化
水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等であ
り、その具体例としては、例えばメタン、エタン、プロ
パン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタ
ン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ノ
ルマルヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペン
タン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタ
ン、メチルシクロプロパン、1,1−ジメチルシクロプ
ロパン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチ
ルシクロブタン、1,1,2−トリメチルシクロプロパ
ン、ベンゼン、塩化メチル、フロン142b、フロン1
24、フロン134b、ジメチルエーテル、2−エトキ
シエタノール、アセトン、エチルメチルケトン、アセチ
ルアセトン、二酸化炭素、窒素、空気、などが挙げられ
る。
【0018】更に、前記発泡粒子を製造するための混合
樹脂粒子の中には発泡核剤として、タルク、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、クレー、天然ケイ酸、酸化チ
タン、シラス、石膏、ゼオライト、食塩、硼砂、水酸化
アルミなどの無機化合物、またはカーボン、燐酸系核
剤、フェノール系核剤、アミン系核剤等の有機系化合物
を含有させてもよい。
【0019】以下に前記発泡粒子を得る方法の一例であ
る分散媒発泡方法について以下に詳細に説明する。例え
ば1個当りの粒子重量が0.1〜20mg、好ましくは
0.2〜10mgに調整された混合樹脂粒子を用意し、
先に示した方法により架橋した後、それら架橋混合樹脂
粒子を、密閉し開放できる圧力容器に分散媒、分散剤、
物理発泡剤と共に撹拌下、圧力容器の外部または内部か
らの加熱で昇温し発泡剤が樹脂に有効に含浸する温度ま
で圧力容器内部の温度を上げ一定時間保持した後、圧力
容器内部の圧力よりも低圧の雰囲気に圧力容器を開放し
て圧力容器内容物を容器外に放出することにより発泡ビ
ーズを得ることができる。前記分散媒は臨界温度が80
℃以上であり、且つ該架橋混合樹脂粒子の分散媒への1
00℃での溶解度が0.1g/g以下であれば特に問題
はないが、好ましくは水がよい。また、分散剤として
は、該架橋混合樹脂粒子の容器内での融着防止のために
用いられるものであり、分散媒への溶解が少ない、無機
又は有機の高融点物であり、具体例としては、例えば、
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸亜鉛、燐酸カルシウム、カオリン、マイカ、タ
ルクが挙げられる。この中では燐酸カルシウム、カオリ
ンが好ましい。また、必要に応じて、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムや、オレイン酸ナトリウム等の界
面活性剤を分散媒に添加してもよい。
【0020】本発明において、容器内容物を高圧帯域か
ら低圧帯域へ放出させる場合の内容物に含まれる発泡粒
子には、二次結晶を含有させてもよい。この二次結晶の
存在する発泡粒子は、型内成形性の良好な発泡粒子であ
る。なお、発泡粒子中における二次結晶の存在は、発泡
粒子の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線に
よって判定することができる。この場合、樹脂発泡粒子
の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線とは、
発泡粒子1〜3mgを示差走査熱量測定装置によって1
0℃/分の昇温速度で220℃まで昇温したときに得ら
れるDSC曲線であり、例えば、測定試料を室温から2
20℃まで10℃/分の昇温速度で昇温したときに得ら
れるDSC曲線を第1回のDSC曲線とし、次いで22
0℃から10℃/分の降温速度で40℃まで降温し、再
度10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温したときに
得られるDSC曲線を第2回のDSC曲線とし、これら
2つののDSC曲線から固有ピーク、高温ピークを求め
ることができる。また、この場合、固有ピークとは、発
泡粒子を構成するポリオレフイン系樹脂の、いわゆる融
解時の吸熱によるものであると考えられる。この固有ピ
ークは第1回目と第2回目のDSC曲線にも現われ、ピ
ーク頂点の温度は第1回目と第2回目で多少異なる場合
があるが、その差は5℃未満、通常は2℃未満である。
一方、高温ピークとは、第1回目のDSC曲線にのみ上
記固有ピークより高温側に現われる吸熱ピークである。
発泡粒子中における二次結晶の存在は、発泡粒子のDS
C曲線にこの高温ピークが現われるか否かで判定され、
実質的な高温ピークが現われない場合には、発泡粒子中
に二次結晶が存在しないものと判定される。
【0021】発泡粒子中の上記二次結晶は、通常、上記
分散媒発泡方法における加熱処理により生成される。二
次結晶を生成させるための加熱処理は、使用する発泡剤
とその量によっても異なるが、有機揮発性発泡剤使用の
場合、架橋混合樹脂粒子の融点(上記2回目のDSC曲
線に現われる固有ピークの頂点温度と実質的に同じ)よ
り約20℃低い温度とその融解終了温度との間の適宜温
度で止めてその温度にて5〜90分間、好ましくは15
〜60分間保つと架橋混合樹脂粒子に二次結晶を形成さ
せることができる。また、二酸化炭素、窒素、空気とい
った無機ガス系発泡剤を使う場合には、架橋混合樹脂粒
子の融点とその補外融解終了温度(JIS K7121
に規定されている温度)との間の適宜温度で止めてその
温度にて上記した通りの時間保てば、架橋混合樹脂粒子
に二次結晶を形成させることができる。そして、該密閉
容器内容物を低圧部に放出すれば二次結晶を持つ発泡粒
子が得られる。また、無機ガス系発泡剤使用の場合、放
出前の架橋混合樹脂粒子中に充分大量の二次結晶があれ
ば、放出時の温度(発泡温度)が架橋混合樹脂粒子の補
外融解終了温度以上であっても、前記高温ピークの頂点
温度以下の場合には二次結晶の存在する型内成形性の良
い発泡粒子が得られる。
【0022】上記分散媒発泡方法における最適発泡温度
は、架橋混合樹脂粒子の融点並びに発泡剤の種類及び使
用量により異なる。例えば、架橋混合樹脂粒子を、無機
ガス系発泡剤で発泡させる場合は、発泡温度を架橋混合
樹脂粒子の融点を基準とし、その融点より約5℃低温か
ら約15℃高温の範囲、好ましくは約3℃低温から約1
0℃高温の範囲にするのが望ましい。そして、分散媒中
の架橋混合樹脂粒子を発泡温度まで昇温させる際の昇温
時における昇温速度は1〜10℃/分、好ましくは2〜
5/℃分とするのが望ましい。なお、発泡させるために
容器内容物を放出する際の低圧部は大気圧以下でも良い
が、通常はコスト的に有利な大気圧下に放出される。前
記の方法で製造された発泡粒子は、平均気泡径が10〜
500μm程度である。また、発泡粒子の嵩比重は発泡
剤使用量等で異なるが0.009〜0.3g/cm3
度である。
【0023】発泡粒子中のポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン系樹脂を使用した場合、その発泡粒子の
上記高温ピーク融解吸熱量は0.1〜15J/g、且つ
前記した煮沸トルエン中での還流後の不溶解成分は3〜
40重量%であることが好ましく、15〜40重量%が
更に望ましい。この不溶解成分が3重量%未満の場合に
は、前記した通り、その発泡粒子からなる型内成形体の
表面に、液状の熱硬化性樹脂を接触させつつ反応硬化さ
せようとすると、該成形体の接触表面が溶解して大きく
収縮しやすくなるので好ましくない。その様な収縮の更
なる安全性の観点から15重量%以上とすることが望ま
しい。また、その不溶解成分を40重量%超にしようと
すると、ポリプロピレン系樹脂の主鎖が分解しやすくな
り、物性の低下につながり、好ましくない。そして、こ
の様な不溶解成分範囲内で、上記高温ピーク融吸熱量が
0.1J/g未満であると、独立気泡率の低下した発泡
粒子が得られ易くなり、その後の型内成形時に悪影響を
与える虞がある。一方、この様な不溶解成分範囲内で、
上記高温ピーク融解吸熱量が15J/g超であると、発
泡粒子間が充分に埋まらない粒子間ポイドの大きい不良
な型内成形体が得られ易くなるので好ましくない。特
に、ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン系樹脂
を採用した場合には、ポリエチレン系樹脂を採用した場
合と比べ、高発泡倍率の型内成形体であっても後述の繊
維強化熱硬化性樹脂との積層接着性に優れるという利点
がある。
【0024】上記の方法で得られた発泡粒子を、型内に
充填し、型内に加熱媒体を導入して発泡粒子を加熱融着
させる型内成形方法を採用することにより、本発明の型
内成形体を得ることができる。上記型内成形において
は、通常、上記架橋混合樹脂粒子の融点と該融点より2
5℃低温との間の任意の温度に発泡粒子を加熱して成形
体にする。そして、本発明の発泡粒子は粒子間の相互融
着性が高いから、前記温度で丈夫な型内成形体が得られ
る。また、該方法で成形した型内成形体表面は薄い又は
厚い表皮に覆われて気泡が閉じている。本発明の型内成
形体は、繊維強化熱硬化性樹脂との積層接着性に優れて
いる。
【0025】本発明における型内成形体の表面に繊維を
含有させた熱硬化性樹脂層、例えば繊維強化不飽和ポリ
エステル樹脂層を設けた、型内樹脂発泡成形体/繊維強
化不飽和ポリエステル樹脂積層体は、従来公知の方法で
製造することができる。例えば、レジンインジェクショ
ンモールディング法(レジントランスファーモールディ
ング法)に従って所望形状の金型内に形状対応の型内成
形体を挿入後、金型の液注入口から液状の不飽和ポリエ
ステル樹脂を注入し、型内成形体の表面と金型内表面間
の空隙部に不飽和ポリエステル樹脂液を充満させ、これ
を反応硬化させる方法で製造することができる。この際
に、型内成形体の表面と金型内表面間の空隙部にガラス
繊維等の強化材を入れておき樹脂層を強化する。また、
積層用の不飽和ポリエステル樹脂液にはこの種の積層に
使われる公知樹脂液を使えば良く、通常は硬化用触媒と
不飽和ポリエステル樹脂を架橋用ビニルモノマーに溶解
した液が使われる。或いは不飽和ポリエステルプリプレ
グを用い型内成形体表面を覆い次いで硬化させることに
よっても積層体を製造することができる。なお、不飽和
ポリエステル樹脂の硬化反応は発熱反応なので加熱は不
要であるが、硬化反応終了後に金型を60〜100℃に
5〜60分間保持して硬化物を強制養生させても良く、
強制養生で繊維強化不飽和ポリエステル樹脂層、ひいて
は積層体の強度を更に高めることができる。そして、硬
化終了後は積層体を金型から取出して製品とするれば良
い。以上のほか、本発明の積層体はハンドレイアップ法
やスプレイアップ法で製造しても良い。これらの場合
は、板状等に成形された型内成形体の片面又は両面に補
強繊維材を含む不飽和ポリエステル樹脂層を設け、これ
を硬化させれば良い。この際、型内成形体の不飽和ポリ
エステル樹脂との積層面の気泡が開放されていると、該
部分に不飽和ポリエステル樹脂液が浸入して型内成形体
と一体化するために、両者の接着強度が大幅に上がる。
従って、型内成形体の繊維強化不飽和ポリエステル樹脂
積層面にあたる表皮をスライス等の方法で事前に除いて
おけば、接着強度を大幅に上げることができる。
【0026】上記においては、強化繊維としてガラス繊
維を、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を例
に説明してきたが、他の強化繊維としては、石綿、ビニ
ロン、テトロン等の合成繊維や合成繊維の不織布等が例
示され、他の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が例
示される。しかしながら、その中でもガラス繊維と不飽
和ポリエステル樹脂との組み合わせが最も望ましい。な
ぜならば、ガラス繊維が耐熱性、寸法安定性、低吸水性
に優れ、伸びが小さいものであり、不飽和ポリエステル
樹脂が本発明の型内成形体と最も接触強度に優れている
ので、ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂が積層さ
れた本発明の積層体では、積層接着面の剥がれにくい高
強度の積層体となるからである。
【0027】本発明の型内成形体は、熱融着法によって
金属と積層させることもできる。ここで使われる金属
は、鉄、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、銀、
銅、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ステンレス、ブリキ
等であるが、特に鉄、ステンレス、アルミニウム及び銅
が好ましい。金属との積層体を製造する場合は、前記の
ようにして得られた型内成形体の両面又は片面に、厚さ
0.01〜50mm、好ましくは0.01〜10mmの
金属箔又は金属板を重ね合せ、100〜200℃、好ま
しくは120〜170℃の温度及び3kg/cm2
下、好ましくは0.5kg/cm2以下の圧力下に、
0.5〜5分間、好ましくは1〜3分間保持して熱融着
させれば良い。なお、厚さ20mm以下の金属板と積層
させる場合には、金属板を型内成形体を構成する混合樹
脂の軟化点以上の温度に加熱し、これを直ちに型内成形
体の積層面に重ね合せて30秒以上静置すれば、金属と
型内成形体との良好な積層体が得られる。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって更
に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限
定されるものではない。なお、以下に示す部及び%はい
ずれも重量基準のものである。使用したポリマーの種類
及び物性について表1に示し、配合処方を表2に示す。
【0029】実施例1〜6、比較例1〜3 発泡粒子を得るための工程として、先ず下記表1のポリ
マー群から選ばれたポリマーを下記表2に従って配合
し、更に水酸化アルミ0.05重量部を混合した後、口
径40mmの単軸押出機に供給し、190℃で溶融混練
後、押出機先端に設けられた口径2mmφ×16穴のダ
イスよりストランド状に引取り、1個あたり約2mgの
ミニペレットを調製した。この際、押出機内でポリマー
のゲル化は観察されなかった。得られたミニペレット1
00重量部と水300重量部、分散剤としてカオリン1
重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.0
2重量部、更に下記表3に示す配合量の二酸化炭素、ジ
ビニルベンゼン(DVB)、ベンゾイルパーオキサイド
(BPO)を、密閉し開放できる圧力容器に仕込み、2
00r.p.mでの撹拌下、約2℃/分で100℃まで
昇温し約30分間保持(架橋工程)した後、再度、下記
表3に示す発泡温度の5℃低い温度まで約2℃/分で昇
温しその温度で15分間保持(二次結晶生成工程)し、
更に約2℃/分で昇温し発泡温度で15分間保持(二次
結晶生長工程)した。次に容器内に高圧空気を導入しつ
つ容器内を40kg/cm2Gに保ちながら、内容物を
容器の一端から大気中に放出して発泡粒子を得た。次
に、得られた発泡粒子を60×300×300mmの内
寸法を持つ成型用金型に充填し、3.8kg/cm2
の蒸気で加熱して型内成形体を得た。この際、金型への
樹脂の付着物は観察されなかった。得られた成形体を6
0℃のオーブンで24時間乾燥し、常温まで徐冷した
後、成形体を評価した。繊維強化熱硬化性樹脂と型内成
形体との積層は次の操作により行った。まず、ポリテト
ラフロロエチレン(テフロン)を表面にコーティングし
たアルミニウムからなる平板を用意し、そのテフロン面
に約300×300mmサイズのガラス繊維からなるチ
ョップドストランドマット(450g/m2)を配し、
次に日本ユピカ株式会社製不飽和ポリエステル樹脂40
72APT−3に硬化剤としてメチルエチルケトンパー
オキサイドを添加し、これをハンドレイアップ法にて上
記チョップドストランドマットに塗布含浸させ、直ちに
この上に型内成形体の300×300mm面をのせ、続
いて型内成形体の上面に上記したものと同じチョップド
ストランドマットを配し、次に上記したものと同じ硬化
剤を添加した不飽和ポリエステル樹脂をチョップドスト
ランドマット上から同様にハンドレイアップ法にて塗布
含浸させた。その後直ちにテフロンコートしたアルミニ
ウム平板(重量1kg)をのせ、放置して不飽和ポリエ
ステル樹脂を反応硬化させた。反応硬化後、アルミニウ
ム平板を剥がし、ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹
脂硬化体(FRP)/型内成形体/ガラス繊維強化不飽
和ポリエステル樹脂硬化体(FRP)からなる積層体
(FRP積層品)を得た。このFRP積層品について
は、積層部の接着性及び積層面収縮により評価した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】〔発泡剤の配合及び成形品の評価結果〕
【0033】表3中の評価に用いられている○、×、△
の記号については、以下の評価の基準に基づいた評価結
果を意味している。 *二次発泡性 ○…型内成形後の型内成形体に金型形状が不足なく転写
された場合 △…型内成形体に金型の角部以外が不足なく転写された
場合 ×…型内成形体に金型の転写がなされず、おこし状成形
体となった場合 *…融着性 ○…型内成形体に切り込みを入れ、成形体のせん断破壊
強度以上の力で成形体を破壊する検査において、相互融
着していた発泡粒子の70%以上が材料破壊を示した場
合 △…上記検査に対して、相互融着していた発泡粒子の3
0%以上70%未満が材料破壊を示した場合 ×…上記現象に対して、相互融着していた発泡粒子の材
料破壊が30%未満である場合 *接着性 FRP積層品に対し、FRP側と型内成形体が破断する
ように、引っ張り速度10mm/分で破断させ、破断後
のFRP側接着面に型内成形体がどの程度付着している
かを観察した。すなわち、型内成形体とFRPの界面が
破断するか型内成形体の内部で破断が起るかを調べたも
のであり、該試験は引っ張り試験機で行った。そして、
FRP側に型内成形体が大量に付着しているほどFRP
と型内成形体の接着性が良いことになるから,FRPの
接着面側表面の全面積の70%以上で80%未満に型内
成形体が付着している場合を○、10%以上で70%未
満に付着している場合を△、付着の割合が10%未満の
場合を×として評価した。 *積層面収縮 ○…FRP積層品において、FRPと型内成形体との接
触面で型内成形体に変化がなく、且つ接着面に剥がれの
無い場合 △…FRP積層品において、FRPと型内成形体との接
触面で型内成形体にFRP積層時の硬化発熱等によるし
わが見られるが、接着面に剥がれの無い場合 ×…FRP積層品において、FRPと型内成形体との接
触面で型内成形体にFRP積層時の硬化発熱等により著
しく芯材の溶解が観察される場合 *総合評価 ○…評価において問題のないもの △…評価において問題はあるが、商品として問題のない
もの ×…評価においても、商品としても問題のあるもの
【0034】
【発明の効果】従来技術での、繊維強化された熱硬化性
樹脂との接着性に優れた型内発泡成形体に使用されるポ
リオレフィン樹脂を主成分とする発泡粒子では、ポリ
オレフィン樹脂のペレタイズ(発泡に適した大きさにす
る)工程、樹脂ペレットの架橋工程、樹脂ペレット
へのスチレンモノマー等によるグラフト重合工程、及び
発泡粒子製造工程が採用されており、ペレタイズ後に
架橋工程及びグラフト重合工程の2工程が必要であり、
そのため、その様な発泡粒子ひいてはその型内発泡成形
体は、必然的にコストの高いものであった。一方、本発
明の請求項1による発泡粒子は、ポリオレフィン系樹脂
に対してスチレン−ジエン共重合体を混合してペレタイ
ズしたものに対し架橋を行い、これを発泡させるだけで
得られるものであるから、従来の様なグラフト重合工程
を必要としないのでコスト的に有利である。更に、この
様な発泡粒子からなる型内成形体は、衝撃吸収性、圧縮
又は衝撃後の回復性、耐熱性及び耐薬品性にも優れる
上、繊維強化熱硬化性樹脂との積層接着強度にも優れて
おり、その上、型内成形体の繊維強化熱硬化性樹脂積層
面が大きく収縮しないため、その用途において非常に有
益である。その様な積層体は、ユニットバスの浴槽又は
防水パン、プール、浄化槽、船の甲板、船室の壁や床や
天井といった用途に好適に使用される。また、請求項2
の様にスチレン−ジエン共重合体としてハイインパクト
ポリスチレンを使用すると、混合樹脂の架橋効率が高ま
り、且つ架橋時に混合樹脂中のポリオレフィン系樹脂
(特にポリプロピレン系樹脂)の主鎖の分解が抑えられ
た良好な発泡粒子が提供できる。また、請求項3の発泡
粒子は、型内成形時の二次発泡性が極めて良好であるた
め、発泡粒子間が充分に埋まった発泡粒子間の融着強度
に優れた型内成形体を容易に得ることができるという利
点がある。また、その様な発泡粒子からなる型内成形体
は、繊維強化熱硬化性樹脂との積層接着強度にいっそう
優れる。また、請求項4のポリプロピレン系樹脂発泡粒
子は、独立気泡率が高く、型内成形時の二次発泡性に優
れたものである。しかも、ポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン系樹脂を採用した発泡粒子からなる高発
泡型内成形体は高発泡であっても繊維強化熱硬化性樹脂
との積層接着強度に優れる。また、繊維強化熱硬化性樹
脂における不飽和ポリエステル樹脂は、本発明の型内成
形体との接着性に最も優れる。またガラス繊維は寸法安
定性及び耐熱性が高く、吸水性が無く、且つ伸びが小さ
い。従って、ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂が
積層された本発明の積層体は、積層面の剥がれにくい高
強度のものとなる。請求項8及び9における積層体の製
造方法は、型内成形体と繊維強化熱硬化性樹脂との最も
効率的な積層方法である。しかも両層間の接着性に最も
優れるという利点もある。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂にスチレン−ジエ
    ン共重合体を配合した混合樹脂の発泡粒子であって、煮
    沸トルエン中で5時間還流後の不溶解成分が3〜70重
    量%であることを特徴とする発泡粒子。
  2. 【請求項2】 前記スチレン−ジエン共重合体が、ハイ
    インパクトポリスチレンであることを特徴とする請求項
    1記載の発泡粒子。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン系樹脂と前記スチレ
    ン−ジエン共重合体との混合比率が、両成分の総和を1
    00重量%とした場合、前者が50〜95重量%及び後
    者が50〜5重量%であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の発泡粒子。
  4. 【請求項4】 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピ
    レン系樹脂であり、また、前記発泡粒子は、示差走査熱
    量測定によって得られるDSC曲線(条件:発泡粒子を
    示差走査熱量測定装置により昇温速度10℃/分で22
    0℃まで昇温)に、ポリプロピレン系樹脂固有の固有ピ
    ークと、該固有ピークの温度よりも高温側の高温ピーク
    とを有し、且つ該高温ピークの融解吸熱量が0.1〜1
    5J/gである結晶構造を有し、更に前記不溶解成分3
    〜40重量%であることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか記載の発泡粒子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか記載の発泡粒
    子を型内で成形してなる型内成形体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の型内成形体と繊維強化熱
    硬化性樹脂との積層体。
  7. 【請求項7】 繊維強化熱硬化性樹脂がガラス繊維強化
    不飽和ポリエステル樹脂である請求項6記載の積層体。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の型内成形体の表面に、繊
    維を配すると共に、液状の熱硬化性樹脂を接触させなが
    ら該樹脂を反応硬化させることを特徴とする請求項6記
    載の積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の型内成形体の表面に、ガ
    ラス繊維を配すると共に、液状の不飽和ポリエステル樹
    脂を接触させながら該樹脂を反応硬化させることを特徴
    とする請求項7記載の積層体の製造方法。
JP23602095A 1995-08-22 1995-08-22 発泡粒子、その型内成形体、該成形体と熱硬化性樹脂との積層体、及び該積層体の製造方法 Pending JPH0959417A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999056949A1 (de) * 1998-05-02 1999-11-11 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verbundwerkstoff und verfahren zu seiner herstellung
JP2009161749A (ja) * 2007-12-13 2009-07-23 Kaneka Corp スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法及び発泡成形体
JP2012040787A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Jsp Corp 複合積層体
JP2015093457A (ja) * 2013-11-13 2015-05-18 株式会社ジェイエスピー 複合成形体及びその製造方法

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