JPH095928A - 写真材料用支持体及び該支持体を有するハロゲン化銀カラー写真材料 - Google Patents

写真材料用支持体及び該支持体を有するハロゲン化銀カラー写真材料

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JPH095928A
JPH095928A JP15615795A JP15615795A JPH095928A JP H095928 A JPH095928 A JP H095928A JP 15615795 A JP15615795 A JP 15615795A JP 15615795 A JP15615795 A JP 15615795A JP H095928 A JPH095928 A JP H095928A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント画像の鮮鋭度が高く、かつ写真プリ
ントの見た目の光沢感が高い、優れた樹脂被覆紙型写真
材料用支持体及びハロゲン化銀カラー写真材料を提供す
ることを目的とする。 【構成】 基紙面が、少なくとも噴霧乾燥されて製造さ
れた二酸化チタン顔料と特定物性値であるポリエチレン
系樹脂とを含有する樹脂層で被覆された写真材料用支持
体及び該支持体上にハロゲン化銀カラー写真画像形成層
を設けたハロゲン化銀カラー写真材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然パルプを主成分と
する紙を基質として、その一方の写真画像形成層を設け
る側の紙基質(以下、単に基紙と言うことがある)面
が、少なくともポリエチレン系樹脂と二酸化チタン顔料
を含む樹脂層で被覆され、好ましくはその反対側の基紙
面がフィルム形成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆された
樹脂被覆紙型写真材料用支持体及び該支持体を有するハ
ロゲン化銀カラー写真材料に関するものであり、詳しく
はプリント画像の鮮鋭度(シャープネスと言われること
もある)が高い、かつ見た目の光沢感の高い写真プリン
トを提供出来る、優れた樹脂被覆紙型写真材料用支持体
及び該支持体を有するハロゲン化銀カラー写真材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、写真材料は写真材料用支持体と該
支持体上に設けられた写真画像形成層とから構成されて
いる。かかる写真画像形成層としては、ハロゲン化銀写
真乳剤層、保護層、下引層、中間層あるいは色混り防止
層、ハレーション防止層、もしくはフィルター層、紫外
線吸収層などおよびそれらの組み合わせから構成された
ものである。例えば、単一なハロゲン化銀写真材料は、
写真材料用支持体上にハロゲン化銀写真乳剤層とその保
護層を設けたものである。また、多層ハロゲン化銀カラ
ー写真材料は、写真材料用支持体上に下引層、青感ハロ
ゲン化銀写真乳剤層と中間層、緑感ハロゲン化銀写真乳
剤層と紫外線吸収層、赤感ハロゲン化銀写真乳剤層と保
護層などのハロゲン化銀カラー写真画像形成層が順に設
けられて多層配置にされたものである。
【0003】また、天然パルプを主成分とする基紙面が
熱可塑性樹脂層で被覆された樹脂被覆紙型写真材料用支
持体はよく知られている。例えば、特公昭55-12584号公
報には、基紙がフィルム形性能ある樹脂、好ましくはポ
リオレフィン樹脂で被覆された写真材料用支持体につい
ての技術が開示されている。米国特許第3,501,298号明
細書には基紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された
写真材料用支持体についての技術が開示されている。ま
た、ハロゲン化銀写真感光材料の迅速写真現像処理方法
が適用されて以来、基紙の両面がポリエチレン系樹脂で
被覆された写真材料用支持体が、写真印画紙用として主
に実用化されており、必要に応じてその一方の写真画像
形成層を設ける側の樹脂層中には鮮鋭度を付与するため
に、通常二酸化チタン顔料を含有している。
【0004】従来、樹脂被覆紙型写真材料用支持体の写
真画像形成側の樹脂層中に含有せしめられる二酸化チタ
ン顔料としては、アナターゼ型及びルチル型二酸化チタ
ン顔料が知られている。また、二酸化チタン粒子表面が
被覆処理されていない二酸化チタン顔料、あるいは特開
昭52-35625号公報、特開昭57-108849号公報に記載もし
くは例示されているような二酸化チタン粒子表面が含水
酸化アルミニウム、含水酸化珪素等の含水金属酸化物で
被覆処理されている二酸化チタン顔料、更に特開昭52-3
5625号公報、特公昭58-43734号公報、特公昭61-26552号
公報等に記載もしくは例示されているような二酸化チタ
ン粒子表面が多価アルコールやその誘導体、ポリオルガ
ノシロキサンやその誘導体等の有機物質で被覆処理され
ている二酸化チタン顔料が知られている。
【0005】一方、写真材料用としてプリント画像の特
に高い鮮鋭度を必要とする場合には、いくつかの樹脂被
覆紙型写真材料用支持体が、また知られている。例え
ば、(1)樹脂層中に二酸化チタン顔料を高濃度に含有
せしめたもの、(2)樹脂層中の二酸化チタン顔料とし
て、ルチル型のものを含有せしめたもの、(3)特公昭
58-43734号公報等に記載の如く、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の金属石鹸
に代表される界面活性剤を添加して樹脂層中に二酸化チ
タン顔料を含有せしめたもの、(4)樹脂層中の二酸化
チタン顔料として、その粒子表面が前記したような有機
物質で被覆処理された、いわゆる、有機処理二酸化チタ
ン顔料を含有せしめたものなどが知られている。
【0006】しかしながら、これらの樹脂被覆紙型写真
材料用支持体は、目的とするプリント画像の鮮鋭度が不
十分であったり、別種の重大な問題点を有しており、未
だ満足すべき成果が得られていないのが実情である。
【0007】第一に、樹脂被覆紙型写真材料用支持体の
樹脂層中の二酸化チタン顔料の濃度を高くした場合に
は、プリント画像の鮮鋭度の高い写真材料用支持体が得
られるものの、別種の重大な問題がしばしば発生する。
即ち、基紙の写真画像形成層を設ける側(以下、写真画
像形成層を設ける側を表側、表側に被覆される樹脂層を
表樹脂層、その反対側を裏側、裏側に被覆される樹脂層
を裏樹脂層と略すことがある)の面を少なくとも二酸化
チタン顔料とポリエチレン系樹脂とを含む樹脂層で被覆
した写真材料用支持体用途のための樹脂被覆紙は、通常
走行する基紙上に二酸化チタン顔料を含むポリエチレン
系樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリット
ダイからフィルム状に流延して被覆し、加圧ロールと冷
却ロールとの間で圧着し、冷却後ロールから剥離される
という一連の工程で製造される。その際、グロッシー用
途の写真材料用樹脂被覆紙を製造する場合には、冷却ロ
ールとして、鏡面ないしは光沢面または特公昭62-19732
号公報に記載の微粗面を有する平滑性の極めて良い冷却
ロールが用いられる。かくして樹脂被覆紙の表樹脂層
は、その溶融状態で平滑性の極めて良い冷却ロールに圧
接されるため平滑性の良い面に加工され、従って該樹脂
被覆紙を支持体とする写真材料では、見た目の光沢感の
高い写真プリントが得られるはずである。しかしなが
ら、実際に製造した樹脂被覆紙を支持体とする写真材料
では、十分に見た目の光沢感の高い写真プリントを得る
事は出来なかった。
【0008】そのため、本発明者は写真プリントの見た
目の光沢感の要因について種々検討した結果、写真プリ
ントの見た目の光沢感に及ぼす要因としては、支持体で
ある樹脂被覆紙、写真画像形成層、現像処理等の各種の
要因があるが、写真プリントの見た目の光沢感は、支持
体たる樹脂被覆紙の要因によっても大きく影響されるこ
とが判明した。そこで、更に本発明者は、写真プリント
の見た目の光沢感に及ぼす樹脂被覆紙の要因について種
々検討した結果、写真プリントの見た目の光沢感は、基
紙の要因に依存すると共に少なくとも二酸化チタン顔料
とポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物の種類や性質、
ことにポリエチレン系樹脂の種類、性質等並びに樹脂組
成物中に含有せしめる二酸化チタン顔料の種類、性質、
含有量等に大きく依存している事、そして従来公知の二
酸化チタン顔料やポリエチレン系樹脂を併用しても、写
真プリントの見た目の光沢感を改良出来ない事が判明し
た。また、樹脂被覆紙の表樹脂層の厚味が薄くなればな
る程、特に31μm以下の場合には、該樹脂被覆紙を支
持体とする写真材料の写真プリントの見た目の光沢感
が、顕著に低下する事が判明した。元来、グロッシー用
途の写真材料では、写真プリントにした場合に高度の見
た目の光沢感が要求されており、写真プリントの見た目
の光沢感の劣る写真材料は、グロッシー用途のものとし
ては全く不適当で商品価値の無いものになるという問題
があった。
【0009】第二に、樹脂被覆紙型写真材料用支持体の
表樹脂層中に含有せしめる二酸化チタン顔料としてルチ
ル型二酸化チタン顔料を用いた場合には、アナターゼ型
のものを用いた場合に比して、プリント画像の鮮鋭度の
相当高い写真材料用支持体が得られるものの、写真適性
上の別種の重大な問題が発生する。即ち、写真材料用支
持体の写真画像形成側の二酸化チタン顔料を含む樹脂面
がルチル型二酸化チタン顔料に起因して黄色味を帯び、
冴えた白色度の写真材料用支持体が得られないという問
題があった。
【0010】第三に、本発明者が検討の結果、樹脂被覆
紙型写真材料用支持体のポリエチレン系樹脂を含む表樹
脂層中に二酸化チタン顔料を含有せしめる際に、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜
鉛等の金属石鹸に代表される界面活性剤を添加しても、
該写真材料用支持体のプリント画像の鮮鋭度は、実質的
に全く高くないという問題がある事が判明した。
【0011】一般に、二酸化チタン顔料を樹脂被覆紙型
写真材料用支持体のポリエチレン系樹脂を含む表樹脂層
中に含有せしめる方法としては、バンバリーミキサー、
ニーダー、混練用押出機等の通常の溶融混練機を用い
て、予め顔料をポリエチレン系樹脂中に高濃度に含有さ
せた、いわゆるマスターバッチを作成して、それを希釈
樹脂で所望の割合に希釈混合したポリエチレン系樹脂組
成物を溶融押し出し塗工するか、顔料をポリエチレン系
樹脂中に最初から所望の組成比だけ含有させた、いわゆ
るコンパウンドを作成して溶融押し出し塗工するのが通
常である。また、元来樹脂被覆紙型写真材料用支持体の
表樹脂層中に添加される金属石鹸の主目的は、該写真材
料用支持体を溶融押し出し塗工によって製造する際に、
溶融押出機の冷却ロールと樹脂被覆面との剥離性を改良
することである。
【0012】しかしながら、本発明者が検討の結果、表
樹脂層中の金属石鹸の効果について、新しい知見が判明
した。即ち、二酸化チタン顔料のマスターバッチあるい
はコンパウンドを調製する際に添加される金属石鹸の樹
脂被覆紙型写真材料用支持体の表樹脂層中の濃度とし
て、二酸化チタン顔料に対して1.5重量%、そして樹
脂組成物に対して0.15重量%までは該写真材料用支
持体のプリント画像の鮮鋭度は上昇するが、この含有量
では剥離性が悪い事、また、二酸化チタン顔料に対して
1.5重量%及至7.5重量%、そして樹脂組成物に対し
て0.15重量%及至0.75重量%の範囲の含有量で
は、その添加量に伴って剥離性は改良されるが、該写真
材料用支持体のプリント画像の鮮鋭度がかなり低くな
り、時として金属石鹸が無い場合よりも低くなる事が判
明した。
【0013】更に、それ以上の含有量になると写真材料
用支持体のプリント画像の鮮鋭度は、その添加量に伴っ
て徐々に低下し、油煙の発生が多くなって、溶融押し出
し塗工時の製造適性が極めて悪くなる事が判明した。以
上のように、樹脂被覆紙型写真材料用支持体の表樹脂層
中に二酸化チタン顔料を配合する際に金属石鹸を添加し
ても、プリント画像の鮮鋭度が高い写真材料用支持体が
得られないという問題があった。
【0014】第四に、本発明者が検討の結果、樹脂被覆
紙型写真材料用支持体のポリエチレン系樹脂を含む表樹
脂層中に含有せしめる二酸化チタン顔料として、いわゆ
る、有機処理二酸化チタン顔料を用いても、該写真材料
用支持体のプリント画像の鮮鋭度は実質的に全く高くな
いという問題がある事が判明した。即ち、樹脂被覆紙型
写真材料用支持体の表樹脂層中に有機処理二酸化チタン
顔料と共にステアリン酸亜鉛等で代表される金属石鹸
を、写真材料用支持体の製造時に十分な剥離性を発揮さ
せる量まで添加すると、該写真材料用支持体のプリント
画像の鮮鋭度は、有機処理をしていない二酸化チタン顔
料を用いた場合に比して、ほとんど同程度であるという
問題がある事が判明した。
【0015】一方、写真画像形成層の側からプリント画
像の鮮鋭度を向上する方法がある。その代表的な例とし
ては、特開平3-274045号公報、特開平3-156454号公報に
記載もしくは開示の如く、写真画像形成層中に鮮鋭度向
上色素を含有せしめて写真材料を着色し、有害な反射光
や散乱光等を吸収させてプリント画像の鮮鋭度を向上す
ることが行われる。しかしながら、もともとプリント画
像の鮮鋭度の低い樹脂被覆紙を支持体とする写真材料で
は、写真画像形成層を着色しても、鮮鋭度の向上効果は
制限されたものしか得られないという問題があったし、
又鮮鋭度向上色素の含有量を多くすると不要な感度低下
を招来するという問題もあった。
【0016】以上のように、天然パルプを主成分とする
基紙の写真画像形成層を設ける側の面を、少なくともポ
リエチレン系樹脂と二酸化チタン顔料を含有する樹脂層
で被覆した樹脂被覆紙型写真材料用支持体及び該支持体
を有するハロゲン化銀カラー写真材料のプリント画像の
鮮鋭度を、支持体のその他の性能及び支持体製造時の成
形加工性を損なうことなく改良する方法は知られていな
い。更に、写真プリントの見た目の光沢感に及ぼす樹脂
被覆紙、特に少なくともポリエチレン系樹脂と二酸化チ
タン顔料を含む樹脂層の要因または機構は全く知られて
いないし、また見た目の光沢感の高い写真プリントを提
供出来る、樹脂被覆紙型写真材料用支持体及び該支持体
を有するハロゲン化銀カラー写真材料は知られていな
い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、写真画像形成層を設ける側の基紙面が少なく
ともポリエチレン系樹脂と二酸化チタン顔料を含む樹脂
層で被覆された、プリント画像の鮮鋭度が高く、かつ見
た目の光沢感の高い写真プリントを提供出来る樹脂被覆
紙型写真材料用支持体を提供することである。本発明の
第二の目的は、写真画像形成層を設ける側の基紙面が少
なくともポリエチレン系樹脂と二酸化チタン顔料を含む
樹脂層で被覆された写真材料用支持体上にハロゲン化銀
カラー写真画像形成層を設けた、プリント画像の鮮鋭度
が高く、かつ見た目の光沢感の高い写真プリントを提供
出来るハロゲン化銀カラー写真材料を提供することであ
る。本発明のその他の目的は、以下の明細書の記載から
明らかとなろう。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者は、
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、天然パルプを
主成分とする紙を基質として、その一方の写真画像形成
層を設ける側の紙基質面が、少なくともポリエチレン系
樹脂と二酸化チタン顔料を含有する樹脂層で被覆された
写真材料用支持体において、二酸化チタン顔料は、噴霧
乾燥されて製造されたものであり、かつポリエチレン系
樹脂は、下記で規定されるヘキサン抽出量が3.0重量
%以下であり、なおかつ下記で規定される溶融張力(M
T)が4.5g以下のものであることを特徴とする写真
材料用支持体によって、本発明の第一の目的が達成され
ることを見い出した。また、該写真材料用支持体上にハ
ロゲン化銀カラー写真画像形成層を設けたハロゲン化銀
カラー写真材料によって、本発明の第二の目的が達成さ
れることを見い出した。
【0019】本明細書で言うヘキサン抽出量とは、15
0℃で加工した、厚み約38μmのインフレーションフ
ィルムを15cm×2.5cmの短冊に切断したサンプル約
2.5gを、50℃に保ったn−ヘキサン300mlに浸
漬して2時間抽出し、前後のフィルムの重量変化から抽
出前の重量に対する抽出により減少した重量の割合をヘ
キサン抽出量(重量%)と規定する。
【0020】また、本明細書で言う溶融張力(MT)と
は、樹脂をJIS K 6760(ポリエチレン試験方
法)のメルトフローレート測定法において使用するノズ
ルから160℃、0.25g/分で押出し、1.52m/分の
速度で引っ張ったときのノズルから25cm離れたところ
で測定した張力(g)を溶融張力(MT)と規定する。
【0021】本発明の第一の目的は、天然パルプを主成
分とする基紙の写真画像形成層を設ける側の紙基質面が
少なくともポリエチレン系樹脂と二酸化チタン顔料を含
有する樹脂層で被覆された写真材料用支持体において、
二酸化チタン顔料として、噴霧乾燥されて製造されたも
のを用い、かつポリエチレン系樹脂として、特定物性値
であるものを用いることにより、相乗的に達成される事
を見い出した。また、本発明の第二の目的は、上記第一
目的の写真材料用支持体上にハロゲン化銀カラー写真画
像形成層が設けられたハロゲン化銀カラー写真材料によ
って達成され、そして未露光、未処理の該ハロゲン化銀
カラー写真材料の550nm及び680nmにおける光学反
射濃度をそれぞれの特定値以上にすることにより、顕著
に達成される事を見い出した。また、本発明の目的は、
二酸化チタン顔料として、その表面が二酸化チタン当た
り無水金属酸化物の形で計算して0.25重量%〜1.5
重量%、特に0.35重量%〜1.25重量%の特定の含
水金属酸化物、特に少なくとも含水酸化アルミニウムで
表面処理されたものを用いることにより、顕著に達成さ
れる事を見い出した。また、本発明の目的は、二酸化チ
タン顔料として、その表面が二酸化チタン当たり0.0
5重量%〜4.0重量%の有機系物質で表面処理された
ものを用いることにより、顕著に達成される事、そして
二酸化チタン顔料として、その表面が上記特定範囲量の
含水金属酸化物、好ましくは含水酸化アルミニウムで表
面処理され、かつ上記特定範囲量の有機系物質で表面処
理されたものを用いる事により、相乗的に極めて顕著に
達成される事を見い出した。更に、本発明の目的は、基
紙として、触針式3次元表面粗さ計を用いて測定される
カットオフ値0.8mmでの抄紙方向での中心面平均 粗さ
(SRa)が、好ましくは1.40μm以下、更に好ま
しくは1.35μm以下、なお一層好ましくは1.25μ
m以下、特に好ましくは1.15μm以下のものを用い
ることにより、顕著に達成される事を見い出し、本発明
に到ったものである。
【0022】更に述べれば、二酸化チタン顔料を噴霧乾
燥することについては、特開平3-50120号公報に開示が
あるが、樹脂被覆紙型写真材料用支持体の表樹脂層中に
単に噴霧乾燥して製造された二酸化チタン顔料を含有せ
しめても本発明の効果は全く得られず、特定物性値であ
るポリエチレン系樹脂と噴霧乾燥されて製造された二酸
化チタン顔料を併用して表樹脂層中に含有せしめること
により、本発明の目的が相乗的に達成される事を見い出
し、本発明に到ったものである。
【0023】なお、本明細書で言う触針式3次元表面粗
さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの中心
面平均粗さ(SRa)とは、数1で規定されるものであ
る。
【0024】
【数1】
【0025】数1において、Wxは試料面域のX軸方向
(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸方
向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは試
料面域の面積を表わす。
【0026】具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び
3次元粗さ解析装置として、小坂研究所(株)製SE−
3AK型機及びSPA−11型機を用い、カットオフ値
0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従ってSa=1
60mm2の条件で求めることが出来る。なお、X軸方向
のデータ処理としてはサンプリングを500点行い、Y
軸方向の走査としては、17線以上行う。
【0027】本発明における写真材料用支持体の写真画
像形成層を設ける側の基紙面は、少なくとも特定物性値
であるポリエチレン系樹脂と噴霧乾燥されて製造された
二酸化チタン顔料を含む樹脂層で被覆される。本発明の
実施に用いられる、特定物性値であるポリエチレン系樹
脂としては、ヘキサン抽出量が3.0重量%以下、好ま
しくは2.0重量%以下、特に好ましくは1.5重量%以
下のものであり、かつ溶融張力(MT)が4.5g以
下、好ましくは4.0g以下、特に好ましくは3.5g以
下のものである。この特性値の範囲にあるポリエチレン
系樹脂は、ポリエチレン系樹脂メーカーへオーダーする
ことによって入手すること出来る。なお、二種以上のポ
リエチレン系樹脂を併用する場合には、ポリエチレン系
樹脂のトータルとしての物性値が上記範囲内にあれば良
い。また、それらのポリエチレン系樹脂としては、低密
度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度
ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エ
チレンとプロピレン、ブチレン等のα−オレフィンとの
共重合体、エチレンとアクリル酸、アクリル酸エチルエ
ステル、無水マレイン酸等の共重合体またはグラフト共
重合体である、所謂カルボキシ変性ポリエチレン樹脂
等、またオートクレーブ型反応器、チューブラ型反応器
等を用いた高圧ラジカル重合法によるポリエチレン系樹
脂、メタロセン重合触媒を用いて重合製造したポリエチ
レン系樹脂、チーグラ法、フィリップ法等を用いた、メ
タロセン以外の金属触媒を用いて重合製造したポリエチ
レン系樹脂及びこれらの混合物であり、各種の密度、メ
ルトフローレート(以下、JISK 6760で規定さ
れるメルトフローレートのことを単にMFRと略す)、
分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度
が0.90〜0.97g/cm3の範囲、MFRが0.1g/10分
〜50g/10分、好ましくは、MFRが0.3g/10分〜4
0g/10分の範囲のものを単独に或は混合して有利に使用
できる。また、表樹脂層が多層構成の場合、最外層の樹
脂として、例えば、MFRが5g/10分〜20g/10分のも
の、下層の樹脂として、例えば、MFRが2g/10分〜1
0g/10分のものを使用する等別の性質、構成の樹脂を使
用することもできる。また、最外層のみを本発明におけ
る特定の樹脂層とする多層構成でもよい。
【0028】本発明における写真材料用支持体の基紙の
裏側の面は、フィルム形成能ある樹脂を含有する樹脂層
で被覆される。それらのフィルム形成能ある樹脂として
は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアミド樹脂またはそれらの混合物等
の熱可塑性樹脂が好ましく、中でも溶融押し出しコーテ
ィング性の点からポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹
脂またはそれらの混合物が更に好ましく、ポリエチレン
系樹脂が特に好ましい。また、特公昭60-17104号公報に
記載もしくは例示の電子線硬化樹脂層で被覆してもよ
い。
【0029】本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔
料としては、噴霧乾燥されて製造されたものであれば、
ルチル構造のもの、アナターゼ構造のもの、また、塩素
法のもの、硫酸法のものいずれのものでも使用できる。
それらの具体的な製造法について述べれば、塩素法の場
合、二酸化チタン粒子は四塩化チタンの高温での気相酸
化分解によって形成され、ルチル構造のものが一般に得
られやすい。硫酸法の場合、硫酸チタニール水溶液の加
水分解によって含水酸化チタンが形成され、その顔料的
性質を発達させるため焼成される。硫酸チタニール水溶
液の加水分解は、温水中に硫酸チタニール溶液を添加し
て、含水酸化チタンを折出させてシードとする所謂セル
フシード法あるいは硫酸チタニールまたは四塩化チタン
を中和してチタンの水酸化物をシードとして添加する所
謂外部シード法で行うことが出来る。硫酸法の場合、ア
ナターゼ構造のものも、ルチル構造のものも得られる
が、ルチル構造のものを製造しようとする場合には、焼
成温度をアナターゼ構造のものの場合に比し、高温にし
たり、焼成時にルチル構造への形成を促進するための亜
鉛化合物等の金属化合物を共存させたりする。焼成ある
いは酸化により生じた生成物は以後二酸化チタンクリン
カーを呼称することにする。二酸化チタンクリンカー
は、遠心ローラミル(主としてレーモンドミル)で乾式
粉砕され、粉砕物を水に懸濁させて二酸化チタンスラリ
ーとなし、更に湿式ボールミルあるいは振動ミルにかけ
られて湿式粉砕され、連続式横型遠心分離機を使用する
かあるいは/および振動式二重デッキスクリーン(32
5メッシュU.S.標準スクリーン)を通過させて湿式分
級が行われ、以後ファイン(fines )と呼称される実質
的に粗粒の二酸化チタンが無い二酸化チタンスラリーと
なす。粗大粒子が除去された依然としてスラリー形態に
あるファインについて、好ましくは含水金属酸化物で二
酸化チタン粒子の表面がかきまぜ機付の反応処理槽で表
面処理される。表面処理後、好ましくはフィルタープレ
スでろ過・水洗され、水洗後フィルタープレスより二酸
化チタンケーキを取り出し、水槽にて二酸化チタンスラ
リーとなし、その後噴霧乾燥装置により噴霧乾燥され
る。更に衝撃粉砕機あるいは/および流体エネルギーミ
ル、好ましくはスチームミルによる微粉砕が行われて、
二酸化チタン顔料が製造される。流体エネルギーミルと
しては、バッグフィルター(Bag Filter)を装備したも
のが好ましい。
【0030】本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔
料は、噴霧乾燥して製造されたものである。噴霧乾燥装
置としては、原理的に、二酸化チタンスラリーを熱風流
路上の蒸発管内へ、二流体ノズルを介して噴霧させ、霧
状になった二酸化チタンスラリーを電気ヒーター、スチ
ームヒーター等で加熱された熱風と同伴させると同時
に、蒸発面積を著しく増大せしめ、それ故に短時間に水
を蒸発させて乾燥微粒粉体となし、該微粒粉体がサイク
ロン(捕集部)へ導かれる装置のものであれば、各種の
ものを用いることが出来る。また、噴霧手段として超音
波を用いた装置のものや乾燥手段としてマイクロ波を併
用した装置のものも使用出来る。噴霧乾燥後、更に追加
の乾燥を行うことも出来る。二酸化チタンスラリーの噴
霧乾燥条件としては、噴霧乾燥装置の種類によって適宜
決定することが出来、具体的には、粒径が均一で微細な
乾燥微粒粉が得られるように、二酸化チタンスラリーの
噴霧量、噴霧圧、噴霧液滴の大きさ、熱風の温度、乾燥
時間などの条件を最適化するのが好ましい。
【0031】本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔
料としては、その粒子表面が、二酸化チタン当たり無水
金属酸化物の形で計算して0.25重量%〜1.5重量%
の、少なくともアルミニウム原子を含み二酸化珪素分と
しては0.4重量%以下(0を含む)の含水金属酸化物
で処理されたものが好ましい。二酸化チタン表面の処理
量が0.25重量%未満であると、該二酸化チタン顔料
を表樹脂層中に含む樹脂被覆紙型写真材料用支持体は、
プリント画像の鮮鋭度が悪くなり、また写真プリントの
見た目の光沢感が低くなる。一方、処理量が1.5重量
%より多いと多くなればなる程、該二酸化チタン顔料を
表樹脂層中に含む樹脂被覆紙型写真材料用支持体は、プ
リント画像の鮮鋭度が不十分となるし、また写真プリン
トの見た目の光沢感が低くなって問題である。好ましい
処理量の範囲としては、二酸化チタンに対して無水金属
酸化物の形で計算して0.35重量%〜1.25重量%の
範囲、特に好ましくは0.5重量%〜1.25重量%の範
囲である。少なくともアルミニウム原子を含み二酸化珪
素分としては0.4重量%以下(0を含む)の含水金属
酸化物としては、含水酸化アルミニウムで表面処理され
るのが好ましく、必要に応じて更に二酸化珪素分として
0.4重量%以下、好ましくは0.25重量%未満の含水
酸化珪素、あるいは無水金属酸化物の合計量で1.5重
量%以下の含水酸化チタン等のその他の含水金属酸化物
を用いることが出来る。
【0032】本発明の実施に好ましく用いられる二酸化
チタン顔料は、その粒子表面が、二酸化チタン当たり無
水金属酸化物の形で計算して0.25重量%〜1.5重量
%の、少なくともアルミニウム原子を含み二酸化珪素分
としては0.4重量%以下(0を含む)の含水金属酸化
物で処理されて製造されたものである。二酸化チタン粒
子の表面を含水金属酸化物で処理する方法の具体例とし
ては、二酸化チタンスラリー、好ましくはファインのp
Hを5以上、好ましくは6以上、特に好ましくは7付近
に調整後、二酸化チタンスラリーに水溶性アルミニウム
塩、必要に応じて他の水溶性金属塩や水溶性珪素化合物
を加え、引続きスラリー中のpHを変えることにより、
難溶性含水酸化アルミニウム、及び必要に応じてその他
の難溶性含水酸化物及び/または難溶性金属化合物を二
酸化チタン粒子に沈澱させて表面処理することができ
る。例えば、かきまぜ機付の反応処理槽で表面処理する
場合の代表的な方法について述べれば、二酸化チタンス
ラリー、好ましくはファインに苛性ソーダ、水酸化カリ
ウムのような水溶性アルカリの水溶液を添加して、スラ
リーのpHを7.0±1.0に調整する。pH調節をした
二酸化チタンスラリーにアルミン酸アルカリのようなア
ルミン酸塩、必要に応じて更に苛生ソーダ、水酸化カリ
ウムのような水溶性アルカリの水溶液を添加し、その後
アルカリ性を呈するスラリーに、pHを減らし、かつ含
水酸化アルミニウムを二酸化チタン粒子表面に沈澱させ
るために、例えば硫酸、塩酸のような鉱酸あるいは酸性
反応を呈する塩の水溶液を添加して表面処理される。表
面処理後の二酸化チタンスラリーのpHは通常7.0±
1.0の範囲である。また、アルミン酸アルカリの中で
は、特にアルミン酸ナトリウムが有用である。また、ア
ルミン酸塩の他になお他の無機表面処理剤で表面処理す
ることができる。この場合、アルミン酸塩の添加前、添
加中あるいは添加後の任意の段階で添加することができ
るが、ことにアルミン酸塩の添加前に添加するのが有利
である。これらの表面処理に用いられるアルミン酸塩以
外の無機表面処理剤としては、珪素化合物として、珪酸
アルカリ、四塩化珪素など、チタン化合物として、四塩
化チタンなどの他、ジルコニウム、亜鉛、マグネシウ
ム、マンガンなどの金属化合物、リン酸化合物など各種
のものが使用できる。また、二酸化チタン粒子の表面を
含水金属酸化物で処理する方法としては、特開平3-2757
68号公報、特開平5-286721号公報等に記載の方法で行う
ことも出来る。
【0033】本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔
料としては、特公平1-38292号公報に記載の如く適切に
水洗され微粉砕されて懸濁液電気伝導度が55μmho
(μΩ- 1)/cm以下、特に50μmho(μΩ-1)/cm以下
のものが好ましく、特開平3-2749号公報に記載の如く、
電子顕微鏡による定方向測定での個数平均径で表示した
粒子径が、0.110μm〜0.150μmのものが好ま
しく、特公平5-71932号公報に記載の如く、外部シード
法で製造されたものが好ましく、特に個数平均径が0.
110μm〜0.150μmの範囲である、外部シード
法で製造されたアナターゼ型二酸化チタン顔料が好まし
い。更に、特公昭63-4489号公報に記載の如く、110
℃で2時間の条件下での二酸化チタン顔料の乾燥減量が
0.35重量%以下であるものが好ましい。
【0034】本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔
料としては、その表面が有機系物質で処理された、所謂
有機表面処理された二酸化チタン顔料を用いるのが好ま
しい。具体的には、特公昭60-3430号公報、特公昭61-26
652号公報に記載もしくは例示のシランカップリング
剤、オルガノポリシロキサン化合物、アルカノールアミ
ン化合物等で二酸化チタンに対して0.05重量%〜4.
0重量%の範囲の処理量で有機表面処理された二酸化チ
タン顔料を用いるのが好ましい。この範囲において有機
表面処理と噴霧乾燥を併用することによって、それらの
相乗効果により、プリント画像の鮮鋭度及び写真プリン
トの見た目の光沢感を顕著に改良出来ることが判明し
た。最も好ましい表面処理量としては、二酸化チタンに
対して0.3重量%〜2.0重量%の範囲である。一方、
表面処理量が0.05重量%未満だと有機表面処理の効
果が小さいし、4.0重量%より多いと写真材料用支持
体製造時の冷却ロールからの剥離性が悪くなるし、別種
の問題点として表樹脂層と写真画像形成層との接着性、
特に写真材料の現像処理時の膜付き性が悪化して問題で
ある。
【0035】特に好ましく用いられる有機表面処理剤と
しては、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシ
エトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(2
−メトキシエトキシ)シラン、β−(3、4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング
剤、アルキルポリシロキサン、アルキルアリールポリシ
ロキサン、アルキルハイドロジエンポリシロキサン、例
えばジメチルポリシロキサン、ジメチルフェニルポリシ
ロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン等のオ
ルガノポリシロキサン化合物、特公平4-34139号公報に
記載のポリエーテル変性シロキサン、特公平4-76463号
公報に記載のジルコアルミネート系カップリング剤、ト
リエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の
アルカノールアミン化合物、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン等の多価アルコール化合物、特公
平4-76464号公報に記載のアミド化合物など及びそれら
の混合物をあげることが出来る。有機表面処理する時期
としては、二酸化チタンスラリーを噴霧乾燥する前の任
意の段階で二酸化チタンスラリー中に有機表面処理剤を
添加して行うのが好ましい。有機表面処理剤は、水、メ
タノール、エタノール、アセトン等の適当な溶媒に溶解
・希釈して添加してもよいし、希釈しないで添加しても
よい。
【0036】本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔
料を基紙被覆用の表樹脂層中に含有せしめる方法として
は、予め二酸化チタン顔料を樹脂中に一定濃度に含有さ
せた所謂マスターバッチを作成し、それを希釈用の樹脂
で所望の割合に希釈混合して使用するか、或は二酸化チ
タン顔料を樹脂中に所望の組成比だけ含有させた所謂コ
ンパウンドを作成して使用するのが適当であるが、マス
ターバッチとして含有せしめるのが好ましい。これらの
マスターバッチ、コンパウンドを作成するには通常、バ
ンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機、ロール練
り機、特開平6-110158号に開示の混練機等が用いられ
る。又、これら各種混練機を二種類以上組み合わせて使
用してよい。
【0037】本発明における写真材料用支持体の表樹脂
層中に含有せしめる二酸化チタン顔料の含有量として
は、樹脂層に対して5重量%以下であれば、写真材料用
支持体としてプリント画像の鮮鋭度が不十分であり、一
方40重量%以上では樹脂組成物の流動性が低下して成
形加工性が悪化し、また写真プリントの見た目の光沢感
が低下して好ましくなく、好ましくは7.5重量%〜3
0重量%の範囲、特に好ましくは10重量%〜25重量
%の範囲である。
【0038】本発明の実施に好ましく用いられる二酸化
チタン顔料のマスターバッチは、その酸化誘導期が、3
0秒〜900秒であるものが好ましく、40秒〜600
秒であるものが更に好ましく、50秒〜350秒である
ものが特に好ましい。ここで言う酸化誘導期とは、示差
走査熱量計に試料10mgをアルミニウム製の受け皿にセ
ットして窒素ガスを通し、5分後温度を急激に上げ20
0℃で固定する。5分後窒素ガスを空気ガスに切り替え
測定を開始し、少なくとも発熱ピークまでの時間経過に
伴う熱量変化を自動記録によりチャートにとる。かくし
て、測定開始(空気ガスに切り替えた時点)から、測
定開始から発熱反応初期までの熱量変化曲線の接線と
発熱反応初期から発熱ピークまでの熱量変化曲線の接線
との交点までの時間を求め、この時間を酸化誘導期
(秒)と規定する。
【0039】二酸化チタン顔料のマスターバッチまたは
コンパウンドの調製に際し、適量の適切な滑剤の存在下
に調製を行うのが好ましい。具体的には、滑剤としては
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミ
チン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウ
ム等の脂肪酸金属塩を用いるのが好ましく、特にステア
リン酸亜鉛または/及びステアリン酸マグネシウムが好
ましい。又、その存在量としては、二酸化チタン顔料に
対して0.1重量%〜20重量%の範囲が有用であり、
1重量%〜7.5重量%の範囲が好ましい。
【0040】また、二酸化チタン顔料のマスターバッチ
またはコンパウンドの調製に際し、適量の適切な酸化防
止剤の存在下に調製を行うのが好ましい。具体的には、
特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のヒンダード
フェノール系の酸化防止剤、特開昭55-142335号公報に
記載もしくは例示のリン系酸化防止剤の他ヒンダードア
ミン、硫黄系等の各種酸化防止剤を適量存在せしめるの
が好ましい。二酸化チタンのマスターバッチまたはコン
パウンドを調製中の酸化防止剤の存在量としては、50
ppm〜1500ppmの範囲が好ましいが、120ppm〜9
50ppmの範囲が更に好ましい。
【0041】また、二酸化チタン顔料のマスターバッチ
またはコンパウンドの調製時に好ましく存在せしめられ
るヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)]メタン、オ
クタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナメート、2,2',2"−トリス[(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、1,3,5−
トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−
ジ−メチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4'−ビフェ
ニレンジ亜リン酸エステル、4,4'−チオビス−(6−
tert−ブチル−0−クレゾール)、2,2'−チオビス−
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、トリス
−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフ
ェニル)ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチ
ル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレン
−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,
4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール、4−ヒドロキシ−メチル−2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4
−n−ブチルフェノールなどがあげられる。又、酸化防
止剤の特性に応じて、2種以上の酸化防止剤を組み合わ
せて使用してもよい。
【0042】また、二酸化チタン顔料のマスターバッチ
またはコンパウンドの調製時に酸化防止剤を存在せしめ
る方法としては、使用する樹脂中に予め酸化防止剤を含
有せしめた所謂コンパウンドを使用してもよいし、ある
いは比較的高濃度に酸化防止剤が配合されている樹脂を
適量使用してもよいし、あるいは混練機にてマスターバ
ッチまたはコンパウンドを製造する際に酸化防止剤を加
えてもよい。更に使用する酸化防止剤の種類及び含有量
によっては、上記の方法を適宜組み合わせてもよい。
【0043】本発明における写真材料用支持体の基紙面
に樹脂層を被覆する方法としては、走行する基紙上に樹
脂層を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイから
フィルム状に流延して被覆する、所謂溶融押し出しコー
ティング法によって被覆するのが好ましい。その際、溶
融フィルムの温度は270〜330℃であることが好ま
しい。スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フ
ィッシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリ
ット開口径は0.1〜2mmであることが望ましい。ま
た、樹脂層を基紙にコーティングする前に、基紙にコロ
ナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施すのが好まし
い。また、特公昭61-42254号公報に記載の如く、基紙に
接する側の溶融樹脂面にオゾン含有ガスを吹きつけた後
に走行する基紙に樹脂層を被覆してもよい。また、表、
裏の樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコー
ティングされる、所謂タンデム押し出しコーティング方
式で基紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて表・
裏の樹脂層は、二層以上の多層構成にする、多層押し出
しコーティング方式で被覆されるのが好ましい。また、
樹脂層面は光沢面、特公昭62-19732号公報に記載の微粗
面、マット面或は絹目面等に加工することが出来る。特
に、本発明の効果は、表樹脂層が光沢面又は微粗面であ
る写真材料用支持体において顕著である。
【0044】本発明における写真材料用支持体の表樹脂
層の被覆厚さとしては、8〜100μmの範囲が有用で
あるが。12〜60μmの範囲が好ましく、18〜40
μmの範囲が特に好ましい。また、裏側の基紙面は、フ
ィルム形成能ある樹脂を主成分とする裏樹脂層で被覆さ
れるが、その樹脂はポリエチレン系樹脂が特に好まし
く、その被覆厚さとしては表側の樹脂層と、特にカール
バランスを取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般
に8〜100μmの範囲が有用であるが、好ましくは1
2〜60μmの範囲である。
【0045】本発明における写真材料用支持体の表樹脂
層中及び必要に応じて裏樹脂層中には、前記した二酸化
チタン顔料、脂肪酸金属塩及び酸化防止剤の他に各種の
添加剤を含有せしめることが出来る。二酸化チタン顔料
の他に酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔
料、離型剤として、ステアリン酸アミド、アラキジン酸
アミド等の脂肪酸アミド、コバルトブルー、群青、セリ
アンブルー、フタロシアニンブルー等のブルー系の顔料
や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレッ
ト、マンガンバイオレット等のマゼンタ系の顔料や染
料、特公平4-2175号公報に記載もしくは例示のキナクリ
ドン系赤味顔料、特開平2-254440号公報に記載もしくは
例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適
宜組み合わせて含有せしめることが出来る。それらの添
加剤は、本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料の
マスターバッチまたはコンパウンド中に併用含有せしめ
るか或いは別途の樹脂のマスターバッチあるいはコンパ
ウンドとして含有せしめるのが好ましい。
【0046】本発明の実施に用いられる基紙は通常の天
然パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。ま
た、天然パルプを主成分として合成パルプ、合成繊維と
からなる混抄紙でもよい。それらの天然パルプとして
は、特開昭58-37642号公報、特開昭60-67940号公報、特
開昭60-69649号公報、特開昭61-35442号公報等に記載も
しくは例示してあるような適切に選択された天然パルプ
を用いるのが有利である。天然パルプは塩素、次亜塩素
酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ
抽出もしくはアルカリ処理および必要に応じて過酸化水
素、酸素などによる酸化漂白処理など、およびそれらの
組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、
針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが有利に用いら
れ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソー
ダパルプなどの各種のものを用いることができる。
【0047】本発明の実施に好ましく用いられる天然パ
ルプを主成分とする基紙中には、紙料スラリー調製時に
各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤と
して、脂肪酸金属塩、脂肪酸あるいはそれらの併用、特
公昭62-7534号公報に記載もしくは例示のアルキルケテ
ンダイマー乳化物、エポキシ化高級脂肪酸アミドあるい
はそれらの併用、アルケニルまたはアルキルコハク酸無
水物乳化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、
アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルア
ミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性
ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミ
ンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、
クレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定
着剤として、塩化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性
アルミニウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭
酸ソーダ、硫酸等、その他特開昭63-204251号公報、特
開平1-266537号公報等に記載もしくは例示の着色顔料、
着色染料、蛍光増白剤などを適宜組み合せて含有せしめ
るのが有利である。
【0048】また、本発明の実施に好ましく用いられる
天然パルプを主成分とする基紙中あるいは基紙上には、
各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラ
テックス、帯電防止剤、添加剤から成る組成物をサイズ
プレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗
工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは
塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親
水性コロイドとして、特開平1-266537号公報に記載もし
くは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポ
リマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポ
リマー、セルローズ系ポリマーなど、エマルジョン、ラ
テックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55-4
027号公報、特開平1-180538号公報に記載もしくは例示
のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少な
くとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくは
ラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アク
リル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニ
ル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及
びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもし
くはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウ
ム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状
シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホ
ン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、
カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸
化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエ
ン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着
色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめるのが有利である。
【0049】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、その坪量は20〜250g/
m2のものが好ましい。
【0050】また、本発明の実施に用いられる基紙とし
ては、下記で規定される抄紙方向の膜厚むら指数Rpy
が250mV以下のものが好ましく、200mV以下のもの
が更に好ましく、150mV以下のものが最も好ましい。
ここで言う膜厚むら指数Rpyとは、2つの球状の触針
の間に試料を走行させ、試料の厚み変動を電子マイクロ
メーターを介し電気信号として測定するフィルム厚み測
定器を用い、電子マイクロメーターの感度レンジが±1
5μm/±3Vの条件で、ゼロ点調整後試料の抄紙方向
に1.5m/分の定速で走査することで試料の抄紙方向の
厚み変動を測定し、得られた測定信号値を、FFTアナ
ライザーを用いて、時間窓にハニングウィンドウを使用
して高速フーリエ変換して、128回の積算の加算平均
によるパワースペクトル(単位:mV2)を求め、2Hz〜
25Hzの周波数域のパワー値を総和して2/3を掛けた
値を1/2乗することにより求められる値(単位:mV)
である。
【0051】本発明の実施に好ましく用いられる、膜厚
むら指数Rpyが250mV以下の基紙を製造する方法と
しては、具体的には、短繊維で平滑性のでやすい広葉樹
パルプを30重量%以上、好ましくは50重量%以上用
い、叩解機により長繊維分がなるべく少なくなるように
叩解する。例えば、パルプの叩解は叩解後のパルプの加
重平均繊維長が0.4〜0.75mmになるようにすること
が好ましい。ついで、内添薬品を添加した紙料スラリー
に適切な抄紙方法を採用して長網抄紙機により、均一な
地合が得られるように基紙を抄造したものが好ましい。
具体的には、例えば、紙料スラリーに適切なタービュレ
ンスを与える、特開昭61-284762号公報に記載もしくは
例示の様な適切な上部脱水機構を有する長網抄紙機を用
いる、ウエットパートのプレスとしては、多段のウェッ
トプレス、好ましくは3段以上のウェットプレスを行
い、プレスパートの最終段にはスムージンクロールを設
ける、等の適切な抄紙方法を組み合わせて均一な地合が
得られるように抄造し、更に抄造後マシンカレンダー、
スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカレンダ
ー処理を施し、膜厚むら指数Rpyが250mV以下の基
紙を製造することが出来る。
【0052】本発明の実施に用いられる天然パルプを主
成分とする基紙としては、写真プリントの見た目の光沢
感を一層改良する観点から、基紙の表側の触針式3次元
表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmで
の抄紙方向の中心面平均粗さ(SRa)[以下、基紙の
表側の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカッ
トオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心面平均粗さ(SR
a)なる術語を、単に中心面平均粗さ(SRa)と略す
ことがある]が1.40μm以下のものが有用であり、
1.35μm以下のものが好ましく、1.25μm以下の
ものが更に好ましく、1.15μm以下のものが特に好
ましい。
【0053】本発明の実施に好ましく用いられる、中心
面平均粗さ(SRa)が1.40μm以下の基紙を製造
する方法としては、具体的には、平滑性の出やすいサル
ファイトパルプ、好ましくは広葉樹サルファイトパルプ
を30重量%以上、好ましくは50重量%以上用い、湿
紙の乾燥途中で多段の緊度プレスを行い、更に基紙を抄
造後マシンカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレン
ダー等を用いて少なくとも2系列以上のカレンダー処
理、例えば基紙に第1系列のカレンダー処理としてマシ
ンカレンダー処理あるいは/及び熱マシンカレンダー処
理を行い、その後第2系列以降のカレンダー処理として
必要に応じて更にマシンカレンダー処理を行った後特開
平4-110939号公報に記載もしくは例示の熱ソフトカレン
ダー処理を行って、中心面平均粗さ(SRa)が1.4
0μm以下の基紙を製造することが出来る。また、基紙
中あるいは基紙上に各種の水溶性ポリマーもしくは親水
性コロイドあるいはポリマーラテックスをサイズプレス
もしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エア
ーナイフ塗工などの塗工によって固形塗布量として1.
0g/m2以上、特に2.2g/m2以上含有あるいは塗設せし
めるのが好ましい。
【0054】本発明における写真材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61-84643号公報、特開平1-92740
号公報、特開平1-102551号公報、特開平1-166035号公報
等に記載もしくは例示のような下引層を塗設することが
できる。また、本発明における写真材料用支持体の裏樹
脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコー
ト層を塗設することができる。また、バックコート層に
は、特公昭52-18020号公報、特公昭57-9059号公報、特
公昭57-53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59
-214849号公報、特開昭58-184144号公報等に記載もしく
は例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バイ
ンダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適
宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0055】本発明における写真材料用支持体は、各種
の写真画像形成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白
黒写真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写
真材料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料
用等各種の用途に用いることができる。例えば、塩化
銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を
設けることができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラー
カプラーを含有せしめてなるハロゲン化銀カラー写真画
像形成層を設けて本発明によるハロゲン化銀カラー写真
材料とすることができる。また、銀塩拡散転写法用写真
画像形成層を設けることができる。それらの写真画像形
成層の結合剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸
エステル化合物などの親水性高分子物質を用いることが
できる。また、上記の写真画像形成層には各種の添加剤
を含有せしめることができる。例えば、増感色素とし
て、シアニン色素、メロシアニン色素など、化学増感剤
として、水溶性金化合物、イオウ化合物など、カブリ防
止剤もしくは安定剤として、ヒドロキシ−トリアゾロピ
リミジン化合物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜
剤としてホルマリン、ビニルスルフォン化合物、アジリ
ジン化合物など、塗布助剤として、アルキルベンゼンス
ルフォン酸塩、スルホコハク酸エステル塩など、汚染防
止剤として、ジアルキルハイドロキノン化合物など、そ
のほか蛍光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH
調製剤、カブらせ剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時
に水溶性イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜
組み合わせて含有せしめることができる。
【0056】本発明におけるハロゲン化銀カラー写真材
料は、本発明における写真材料用支持体上にハロゲン化
銀カラー写真画像形成層が設けられたものであり、好ま
しくは、写真材料用支持体上に下引層、イエローカプラ
ーを含む青感ハロゲン化銀写真乳剤層と中間層、マゼン
タカプラーを含む緑感ハロゲン化銀写真乳剤層と紫外線
吸収層、シアンカプラーを含む赤感ハロゲン化銀写真乳
剤層と保護層などのハロゲン化銀カラー写真画像形成層
が順に設けられて多層配置にされた多層ハロゲン化銀カ
ラー写真材料である。本発明におけるハロゲン化銀カラ
ー写真材料としては、プリント画像の鮮鋭度を一層改良
する観点から、ハロゲン化銀カラー写真画像形成層中に
鮮鋭度向上色素を含有せしめて、未露光、未処理のハロ
ゲン化銀カラー写真材料の550nmにおける光学反射濃
度が0.20以上であり、かつ680nmにおける光学反
射濃度が0.40以上であるものが好ましい。また、未
露光、未処理の該写真材料の550nmにおける光学反射
濃度が0.30以上であり、かつ680nmにおけるの光
学反射濃度が0.40以上であるもの、または550nm
における光学反射濃度が0.20以上であり、かつ68
0nmにおける光学反射濃度が0.60以上であるものが
更に好ましく、550nmにおける光学反射濃度が0.3
0以上であり、かつ680nmにおける光学反射濃度が
0.60以上であるものが特に好ましい。
【0057】本発明の実施に用いられる鮮鋭度向上色素
としては、ハロゲン化銀カラー写真材料の現像処理中に
完全に脱色され、該写真材料中から溶出して現像処理後
に鮮鋭度向上色素による残色汚染が無く、又写真乳剤に
対してカブリ、減感、増感等の影響を与えないものを適
宜選択して使用するのが好ましい。それらの鮮鋭度向上
色素の具体例としては、特開平3-27045号公報、特開平3
-156454号公報に記載または開示されているものをあげ
ることが出来る。
【0058】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、本発明におけるハロゲン化銀カラー写真材
料、好ましくは多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベ
ンジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像
促進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアル
コールを実質的に含まない現像液で処理することもでき
る。
【0059】
【実施例】次に、本発明を更に具体的に説明するため
に、実施例を述べる。
【0060】実施例1〜5及び比較例1〜4 硫酸法によるアナターゼ型二酸化チタン製造時、硫酸チ
タニール溶液中に、予め別に硫酸チタニール溶液を中和
して作った水酸化物をシードとして添加したのち、昇温
し沸騰させ、加水分解を行って二酸化チタンを作った。
その後、濾過洗浄し、電子顕微鏡による定方向測定での
個数平均径が0.120μmになる様に予め決定された
焼成条件下で製造したアナターゼ型二酸化チタンクリン
カーを遠心ローラミルで乾式粉砕し、粉砕物を水酸化ナ
トリウムの存在下に水に懸濁させて二酸化チタンスラリ
ーとなし、更に湿式ボールミルにかけて湿式粉砕し、連
続式横型遠心分離機を使用して湿式分級を行い、粗粒の
二酸化チタンが実質的にない約25重量%の二酸化チタ
ンスラリーに対して、乾燥基準の二酸化チタンに対して
Al23の形で計算して0.15重量%、0.50重量%
または2.0重量%になる量の50重量%のアルミン酸
ソーダ水溶液を添加し、30分間保持した。次いで、ス
ラリーのpHを20重量%硫酸の添加により7.0に下
げ更にスラリーを2時間熟成した。熟成後、含水酸化ア
ルミニウムで表面処理された二酸化チタンスラリーの最
初の母液をフィルタープレスで濾過し、引続きフィルタ
ープレス内の二酸化チタンケーキを流水にて、50μmh
o(μΩ-1)/cmの懸濁液電気伝導度を有する二酸化チタン
顔料が得られるまで、予め決定された水洗条件下で水洗
した。
【0061】その後、この二酸化チタンケーキを取り出
し、水を加えて工業用ミキサーで二酸化チタン濃度が5
00g/lの水性スラリーに調製し、引き続き熱風の入口
温度約150℃で噴霧乾燥装置(EYELA社製、SD
−1型)を用いて噴霧乾燥し、更に定量フィーダー付き
のスチームミルを用い、約250℃の過熱スチームを通
して粉砕し、本発明で用いられる二酸化チタン顔料を製
造した。
【0062】また、別途上記二酸化チタンケーキを回転
式乾燥炉で乾燥し、引き続き定量フィーダー付きのスチ
ームミルを用い、約250℃の過熱スチームを通して粉
砕し、乾燥方式の異なる比較用の二酸化チタン顔料を製
造した。
【0063】この様にして得られたそれぞれの二酸化チ
タン顔料について、表1に記載の物性値である低密度ポ
リエチレン樹脂47.5重量%、二酸化チタン顔料50
重量%およびステアリン酸亜鉛2.5重量%とを、酸化
防止剤として240ppmの1、3、5−トリス(4−ter
t−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチル−ベン
ジル)シアヌレートの存在下に、バンバリーミキサーを
用いて150℃でよく混練し、冷却、ペレット化して製
造された、二酸化チタン顔料のマスターバッチをそれぞ
れ得た。
【0064】一方、広葉樹漂白クラフトパルプ30重量
%及び広葉樹漂白サルファイトパルプ70重量%から成
る混合パルプを叩解後のパルプの繊維長(JAPAN
TAPPI紙パルプ試験方法No,52−89「紙及び
パルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平
均繊維長で表示して)が0.58mmになるように叩解
後、パルプ100重量部に対して、カチオン化澱粉3重
量部、アニオン化ポリアクリルアミド0.2重量部、ア
ルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分とし
て)0.4重量部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂
0.4重量部及び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色
染料を添加して紙料スラリーを調製した。その後、紙料
スラリーを200m/分で走行している長網抄紙機にの
せ、適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウ
ェットパートで15kg/cm〜100kg/cmの範囲で線圧が
調節された3段のウェットプレスを行った後、スムージ
ングロールで処理し、引き続く乾燥パートで30kg/cm
〜70kg/cmの範囲で線圧が調節された2段の緊度プレ
スを行った後、乾燥した。その後、乾燥の途中でカルボ
キシ変性ポリビニルアルコール4重量部、蛍光増白剤
0.05重量部、青色染料0.002重量部、塩化ナトリ
ウム4重量部及び水92重量部から成るサイズプレス液
を25g/m2サイズプレスし、最終的に得られる基紙水分
が絶乾水分で8重量%になるように乾燥し、線圧70kg
/cmでマシンカレンダー処理して、坪量170g/m2の膜
厚むら指数Rpyが130mV、かつ中心面平均粗さSR
aが1.20μmである基紙を製造した。
【0065】次に、写真画像形成層を設ける側とは反対
側の基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、該裏面に
低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR
=1g/10分)30重量部と高密度ポリエチレン樹脂(密
度0.967g/cm3、MFR=15g/10分)70重量部から
成るコンパウンド樹脂組成物を樹脂温度320℃で25
μmの樹脂厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し
出しコーティングした。この際、冷却ロールとしては、
該裏樹脂層面のJIS K 0601で規定される中心線
平均粗さRaが1.0μmである粗面度となるものを用
いた。尚使用した冷却ロールは液体ホーニング法で粗面
化された冷却ロールで、冷却水温度12℃で操業した。
【0066】引き続き、写真画像形成層を設ける側の基
紙面(表面)をコロナ放電処理した後、該表面に前記し
た二酸化チタン顔料のマスターバッチ30重量部及び表
1に記載の希釈用低密度ポリエチレン樹脂(二酸化チタ
ン顔料のマスターバッチの調製に用いられたものと同じ
物性値であるもの)70重量部から成る配合の樹脂組成
物を樹脂温度315℃で30μmの厚さに基紙の走行速
度200m/分で、溶融押し出し塗布機を用いて、冷却ロ
ールとプレスロールの実効プレス圧30kg/cm2で溶融押
し出しコーティングした。この際、冷却ロールとして
は、クロムメッキが施された微粗面のものを用い、冷却
水温度12℃で操業した。また、表、裏の樹脂組成物の
溶融押し出しコーティングは、逐次押し出しコーティン
グが行われる、いわゆるタンデム方式で行われた。
【0067】引き続き、表、裏樹脂層を加工後巻き取る
までの間に、樹脂被覆紙の裏側の樹脂層面にコロナ放電
処理後、下記のバックコート塗液をオンマシン塗布し
た。スチレン・無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩の
25重量%水溶液8g、平均粒子径0.4μmの澱粉粒
子1g、スチレン・アクリル系ラテックスの45重量%
液(三井東圧株式会社製ボンロンSX−224)2g、
コロイド状シリカの20重量%水分散液40g、水溶性
エポキシ化合物(長瀬産業株式会社製NER−010)
の20重量%メタノール溶液1.5g及びドデシルベン
ゼンスルフォン酸ソーダ5重量%水溶液1gを含み、全
量を水で100gに調製した配合のバックコート塗液を
塗布量3g/m2(湿分)で均一にオンマシン塗布した。
【0068】更に、バックコート塗液を塗布後、樹脂被
覆紙を巻き取るまでの間に、表側の樹脂面にコロナ放電
処理を施し、石灰処理ゼラチン0.75g、低分子量ゼ
ラチン(新田ゼラチン株式会社製P−3226)0.7
5g、パラオキシ安息香酸ブチルの10重量%メタノー
ル溶液0.3g及びスルフォコハク酸−2−エチルヘキ
シルエステル塩のメタノールと水の5重量%混合液0.
45gを含み、全量を水で100gに調製した配合の下
引塗液をゼラチン塗布量0.06g/m2になるように均一
にオンマシン塗布して写真材料用支持体を得た。
【0069】多層ハロゲン化銀カラー写真画像形成層
は、写真材料用支持体の下引層に隣接して順に青感ハロ
ゲン化銀乳剤層、中間層、緑感ハロゲン化銀乳剤層、紫
外線吸収剤層、赤感ハロゲン化銀乳剤層及び保護層が位
置するように、多層塗布用Eバーから6層同時塗布され
た。
【0070】青感ハロゲン化銀写真乳剤層は、適量のヘ
キサクロロイリジウム(III)酸カリウムの存在下に第
1熱成して製造したAgBr/AgCl=95/5なる
ハロゲン組成を有する平均粒子径0.8μmの最適感度
に硫黄増感した〔1、0、0〕と〔1、1、1〕面の混
晶から成る中性法ハロゲン化銀乳剤を硝酸銀量で0.6g
/m2含み、更にゼラチン1.5g/m2、未露光、未処理のハ
ロゲン化銀カラー写真材料の470nmにおける光学反射
濃度が0.20になる量の化1で示される鮮鋭度向上色
素及びイエロー発色カプラーの他、適量の安定剤、青感
用増感色素、塗布助剤、硬膜剤、増粘剤等を含む。中間
層は、ゼラチン1.5g/m2の他に適量の色混り防止剤、
塗布助剤、増粘剤、硬膜剤等を含む。
【0071】
【化1】
【0072】緑感ハロゲン化銀乳剤層は、適量のヘキサ
クロロロジウム(III)酸カリウム及びヘキサクロロイ
リジウム(III)酸カリウムの存在下に第1熱成して製
造したAgBr/AgCl=95/5なるハロゲン組成
を有する平均粒子径0.4μmの最適感度に硫黄増感し
た実質的に〔1、0、0〕面から成る酸性法ハロゲン化
銀乳剤を硝酸銀量で0.6g/m2含み、更にゼラチン1.5
g/m2、未露光、未処理のハロゲン化銀カラー写真材料の
550nmにおける光学反射濃度が表1に記載のものにな
る量の化2で示される鮮鋭度向上色素及びマゼンタ発色
カプラーの他、適量の安定剤、緑感用増感色素、塗布助
剤、硬膜剤、増粘剤等を含む。紫外線吸収層はゼラチン
1.5g/m2の他に適量の紫外線吸収剤、塗布助剤、増粘
剤、硬膜剤等を含む。
【0073】
【化2】
【0074】赤感ハロゲン化銀乳剤層は、緑感ハロゲン
化銀乳剤と全く同様にして製造したハロゲン化銀乳剤を
硝酸銀量で0.6g/m2で含み、更にゼラチン1.5g/m2
未露光、未処理のハロゲン化銀カラー写真材料の680
nmにおける光学反射濃度が表1に記載のものになる量の
化3及び化4で示される鮮鋭度向上色素の混合物(重量
比で、化3:化4=2:5)及びシアン発色カプラーの
他、適量の安定剤、赤感用増感色素、塗布助剤、硬膜
剤、増粘剤等を含む。保護層はゼラチン1.5g/m2の他
に適量の塗布助剤、増粘剤、硬膜剤等を含む。
【0075】
【化3】
【0076】
【化4】
【0077】塗布・乾燥した試料は40℃、常湿下に4
日間保存後、集合写真を焼き付け、現像、漂白・定着、
水洗の現像処理をした後乾燥し、得られた写真プリント
の鮮鋭度につき10人のモニターにより視覚的に評価し
た。又、別途白べた(未露光)及び黒べた(黒色発色)
の焼き見本を作成し、上記写真プリントと合わせて、1
0人のモニターにより視覚的に写真プリントの見た目の
光沢感を総合的に評価した。なお、露光、現像、乾燥の
一連の処理は、自動プリンター及び自動現像機により行
われた。
【0078】プリント画像の鮮鋭度の評価基準として
は、以下の通りである。 ◎:鮮鋭度がかなり高い。 ○:鮮鋭度が高い。 □:鮮鋭度がやや高い。 △:鮮鋭度がやや低いが、実用可能である。 ×:鮮鋭度が低く、実用上問題がある。
【0079】写真プリントの見た目の光沢感の評価基準
としては、以下の通りである。 ◎:見た目の光沢感がかなり高い。 ○:見た目の光沢感が高い。 □:見た目の光沢感がやや高い。 △:見た目の光沢感がやや低いが、実用可能である。 △〜×:見た目の光沢感が低いが、実用限度内である。 ×:見た目の光沢感が低く、実用上問題がある。
【0080】得られた結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】なお、表1中の(注1)〜(注4)は、以
下の通りである。
【0083】(注1)噴霧式:噴霧乾燥する方式を表
す。 回転乾燥式:回転乾燥炉で乾燥する方式を表す。
【0084】(注2)Al23の形で計算して二酸化チ
タンに対する重量%を表す。
【0085】(注3)二酸化チタン顔料マスターバッチ
の調製用及び希釈用に用いられたポリエチレン樹脂(R
1)、(R4)及び(R7)は、以下の通りである。 ポリエチレン樹脂(R1):密度0.921g/cm3、MF
R7.0g/10分、ヘキサン抽出量0.8重量%、溶融張力
(MT)3.3gのオートクレーブ法低密度ポリエチレ
ン樹脂。 ポリエチレン樹脂(R4):密度0.924g/cm3、MF
R3.5g/10分、ヘキサン抽出量0.8重量%、溶融張力
(MT)6.9gのオートクレーブ法低密度ポリエチレ
ン樹脂。 ポリエチレン樹脂(R7):密度0.921g/cm3、MF
R13g/10分、ヘキサン抽出量3.2重量%、溶融張力
(MT)0.9gのオートクレーブ法低密度ポリエチレ
ン樹脂。
【0086】(注4)未露光、未処理のハロゲン化銀カ
ラー写真材料の550nm及び680nmにおける光学反射
濃度を表す。
【0087】表1から明らかな如く、樹脂被覆紙型写真
材料用支持体の表樹脂層中に含有せしめられる二酸化チ
タン顔料として、噴霧乾燥されて製造された二酸化チタ
ン顔料を用い、かつポリエチレン系樹脂として、ヘキサ
ン抽出量が3.0重量%以下であり、なおかつ溶融張力
(MT)が4.5g以下であるポリエチレン樹脂を用い
た本発明における写真材料用支持体(実施例1〜5)及
び該支持体上にハロゲン化銀カラー写真画像形成層を設
けた本発明におけるハロゲン化銀カラー写真材料(実施
例1〜5)は、プリント画像の鮮鋭度が高い、かつ写真
プリントの見た目の光沢感が高い、優れた写真材料用支
持体及びハロゲン化銀カラー写真材料であることがよく
わかる。また、本発明におけるハロゲン化銀カラー写真
材料の中では、未露光、未処理のハロゲン化銀カラー写
真材料の550nmにおける光学反射濃度が0.20以上
であり、かつ680nmにおける光学反射濃度が0.40
以上であるハロゲン化銀カラー写真材料は、プリント画
像の鮮鋭度が特に高い、かつ写真プリントの見た目の光
沢感が高い、特に優れたハロゲン化銀カラー写真材料で
あることがよくわかる(実施例1〜2と実施例3との比
較)。また、表樹脂層中に含有せしめられる二酸化チタ
ン顔料としては、プリント画像の鮮鋭度及び写真プリン
トの見た目の光沢感の改良効果の点から、その表面が二
酸化チタン当たり無水金属酸化物で計算して0.25重
量%〜1.5重量%の、少なくともアルミニウム原子を
含む含水金属酸化物で処理されたものが好ましいことが
よくわかる(実施例2と実施例4または実施例5との比
較)。
【0088】一方、ポリエチレン系樹脂として、溶融張
力(MT)が4.5gより大きいポリエチレン樹脂を用
いた場合(比較例1及び比較例4)、またはヘキサン抽
出量が3.0重量%より大きいポリエチレン樹脂を用い
た場合(比較例2)、あるいは二酸化チタン顔料とし
て、回転乾燥方式で乾燥されたものを用いた場合(比較
例3〜4)の本発明外の写真材料用支持体及びハロゲン
化銀カラー写真材料は、プリント画像の鮮鋭度が低く、
更に写真プリントの見た目の光沢感が低くて、問題があ
ることがよくわかる。
【0089】実施例6〜12及び比較例5〜8 実施例1において使用した、表樹脂層中に含有せしめら
れる二酸化チタン顔料マスターバッチの調製用及び希釈
用低密度ポリエチレン樹脂の代わりに、下記のポリエチ
レン樹脂(R1〜R10)またはポリエチレン樹脂組成
物(R11)を使用すること以外は実施例1と同様に実
施した。なお、得られたハロゲン化銀カラー写真材料の
未露光、未処理の470nm、550nm及び680nmにお
ける光学反射濃度は、それぞれ0.20、0.35及び
0.70であった。
【0090】ポリエチレン樹脂(R1):密度0.92
1g/cm3、MFR7.0g/10分、ヘキサン抽出量0.8重
量%、溶融張力(MT)3.3gの実施例1で用いた同
じオートクレーブ法低密度ポリエチレン樹脂。
【0091】ポリエチレン樹脂(R2):密度0.91
9g/cm3、MFR7.5g/10分、ヘキサン抽出量1.0重
量%、溶融張力(MT)3.8gのオートクレーブ法低
密度ポリエチレン樹脂。
【0092】ポリエチレン樹脂(R3):密度0.91
9g/cm3、MFR7.0g/10分、ヘキサン抽出量1.0重
量%、溶融張力(MT)4.1gのオートクレーブ法低
密度ポリエチレン樹脂。
【0093】ポリエチレン樹脂(R4):密度0.92
4g/cm3、MFR3.5g/10分、ヘキサン抽出量0.8重
量%、溶融張力(MT)6.9gの比較例1で用いた同
じオートクレーブ法低密度ポリエチレン樹脂。
【0094】ポリエチレン樹脂(R5):密度0.91
9g/cm3、MFR11g/10分、ヘキサン抽出量2.0重量
%、溶融張力(MT)1.2gのオートクレーブ法低密
度ポリエチレン樹脂。
【0095】ポリエチレン樹脂(R6):密度0.92
0g/cm3、MFR11.5g/10分、ヘキサン抽出量2.5
重量%、溶融張力(MT)1.1gのオートクレーブ法
低密度ポリエチレン樹脂。
【0096】ポリエチレン樹脂(R7):密度0.92
1g/cm3、MFR13g/10分、ヘキサン抽出量3.2重量
%、溶融張力(MT)0.9gのオートクレーブ法低密
度ポリエチレン樹脂。
【0097】ポリエチレン樹脂(R8):密度0.91
8g/cm3、MFR6.5g/10分、ヘキサン抽出量1.5重
量%、溶融張力(MT)3.8gのチューブラ法低密度
ポリエチレン樹脂。
【0098】ポリエチレン樹脂(R9):密度0.92
4g/cm3、MFR3.0g/10分、ヘキサン抽出量1.5重
量%、溶融張力(MT)6.3gのチューブラ法低密度
ポリエチレン樹脂。
【0099】ポリエチレン樹脂(R10):密度0.9
18g/cm3、MFR6.0g/10分、ヘキサン抽出量3.2
重量%、溶融張力(MT)4.1gのチューブラ法低密
度ポリエチレン樹脂。
【0100】ポリエチレン樹脂組成物(R11):密度
0.919g/cm3、MFR8.0g/10分のオートクレーブ
法低密度ポリエチレン樹脂80重量部と密度0.967g
/cm3、MFR6.8g/10分の高密度ポリエチレン樹脂と
を混練用押し出し機を用いて予め溶融・混合して調製し
たコンパウンド樹脂組成物であって、ヘキサン抽出量
0.8重量%、溶融張力2.5gのポリエチレン樹脂組成
物。
【0101】得られた結果を表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】表2から明らかな如く、本発明における写
真材料用支持体(実施例6〜12)及び該支持体上にハ
ロゲン化銀カラー写真画像形成層を設けた本発明におけ
るハロゲン化銀カラー写真材料(実施例6〜12)は、
プリント画像の鮮鋭度が高い、かつ写真プリントの見た
目の光沢感が高い、優れた写真材料用支持体及びハロゲ
ン化銀カラー写真材料であることがよくわかる。また、
表樹脂層中に含有せしめられるポリエチレン系樹脂とし
ては、プリント画像の鮮鋭度及び写真プリントの見た目
の光沢感の改良効果の点から、ヘキサン抽出量が2.0
重量%以下のものが好ましく、1.5重量%以下のもの
が特に好ましいこと、また溶融張力(MT)が4.0g
以下のものが好ましく、3.5g以下のものが特に好ま
しいことがよくわかる。
【0104】一方、ポリエチレン系樹脂として、溶融張
力(MT)が4.5gより大きいポリエチレン樹脂を用
いた場合(比較例5及び比較例7)、またはヘキサン抽
出量が3.0重量%より大きいポリエチレン樹脂を用い
た場合(比較例6及び比較例8)の本発明外の写真材料
用支持体及びハロゲン化銀カラー写真材料は、プリント
画像の鮮鋭度が低く、更に写真プリントの見た目の光沢
感が低くて、問題があることがよくわかる。
【0105】実施例13〜21 実施例1において使用した、緑感ハロゲン化銀乳剤層及
び赤感ハロゲン化銀乳剤層の代わりに、未露光、未処理
のハロゲン化銀カラー写真材料の550nmにおける光学
反射濃度が表3に記載のものになる量の化2で示される
鮮鋭度向上色素を含有せしめた緑感ハロゲン化銀乳剤層
及び未露光、未処理のハロゲン化銀カラー写真材料の6
80nmにおける光学反射濃度が表3に記載のものになる
量の化3及び化4で示される鮮鋭度向上色素の混合物
(重量比で化3:化4=2:5)を含有せしめた赤感ハ
ロゲン化銀乳剤層を使用すること以外は実施例1と同様
に実施した。
【0106】得られた結果を表3に示す。
【0107】
【表3】
【0108】なお、表3中の(注4)は、表1中のそれ
と同意義である。
【0109】表3から明らかな如く、本発明におけるハ
ロゲン化銀カラー写真材料(実施例13〜21)は、プ
リント画像の鮮鋭度が高い、かつ写真プリントの見た目
の光沢感が高い、優れたハロゲン化銀カラー写真材料で
あることがよくわかる。また、本発明におけるハロゲン
化銀カラー写真材料の中では、未露光、未処理のハロゲ
ン化銀カラー写真材料の550nmにおける光学反射濃度
が0.30以上であるものまたは680nmにおける光学
反射濃度が0.60以上のものが好ましく、また550n
mにおける光学反射濃度が0.30以上であり、かつ68
0nmにおける光学反射濃度が0.60以上であるものが
特に好ましいことがよくわかる。
【0110】実施例22〜34 実施例2において、二酸化チタン顔料として、乾燥基準
の二酸化チタンに対してAl23の形で計算して表4に
記載の重量%になる量のアルミン酸ソーダの50重量%
水溶液を添加する以外は実施例2と同様にして製造し
た、含水酸化アルミニウムで表面処理された二酸化チタ
ン顔料、または乾燥基準の二酸化チタンに対してSiO
2の形で計算して表4に記載の重量%になる量のケイ酸
ソーダの10重量%水溶液を添加後、乾燥基準の二酸化
チタンに対してAl23の形で計算して表4に記載の重
量%になる量のアルミン酸ソーダの50重量%水溶液を
添加する以外は実施例2と同様にして製造した、含水酸
化珪素又は含水酸化珪素と含水酸化アルミニウムで表面
処理された二酸化チタン顔料、あるいは二酸化チタンス
ラリーのpHを水酸化ナトリウムであげる前に、乾燥基
準の二酸化チタンに対してTiO2の形で計算して表4
に記載の重量%になる量の硫酸チタニールの5重量%水
溶液を添加し、かつ乾燥基準の二酸化チタンに対して表
4に記載の重量%になる量のアルミン酸ソーダの50重
量%水溶液を添加する以外は実施例2と同様にして製造
した、含水酸化アルミニウム及び含水酸化チタンで表面
処理された二酸化チタン顔料のマスターバッチを用いる
以外は実施例2と同様に実施した。なお、二酸化チタン
の個数平均径は、0.120μm〜0.125μmの範囲
であった。
【0111】得られた結果を表4に示す。
【0112】
【表4】
【0113】なお、表4中の(注5)は、以下の通りで
ある。
【0114】(注5)二酸化チタンの表面を含水酸化ア
ルミニウム、含水二酸化珪素あるいは/及び含水二酸化
チタンで表面処理した表面処理剤の処理量を、乾燥基準
の二酸化チタンに対してそれぞれAl23、SiO2
TiO2の形で計算した時の重量%で表示してある。
【0115】表4から明らかな如く、本発明における写
真材料用支持体(実施例22〜34)及び該支持体上に
ハロゲン化銀カラー写真画像形成層を設けた本発明にお
けるハロゲン化銀カラー写真材料(実施例22〜34)
は、プリントの鮮鋭度が高い、かつ写真プリントの見た
目の光沢感が高い、優れた写真材料用支持体及びハロゲ
ン化銀カラー写真材料であることがよくわかる。また、
表樹脂層中に含有せしめられる二酸化チタン顔料として
は、プリント画像の鮮鋭度及び写真プリントの見た目の
光沢感の改良効果の点から、噴霧乾燥されて製造された
ものであり、かつその表面が二酸化チタン当たり、無水
金属酸化物の形で計算して、好ましくは0.25重量%
〜1.5重量%の、特に好ましくは0.35重量%〜1.
25重量%の、少なくともアルミニウム原子を含む含水
金属酸化物で処理されたものであることがよくわかる。
【0116】実施例35〜40 実施例2で用いた基紙の代わりに、以下に記載の基紙を
用いる以外は実施例2と同様に実施した。
【0117】実施例2で用いた混合パルプの代わりに、
広葉樹漂白クラフトパルプ10重量%と広葉樹漂白サ
ルファイトパルプ90重量%、広葉樹漂白クラフトパ
ルプ30重量%と広葉樹漂白サルファイトパルプ70重
量、広葉樹漂白クラフトパルプ30重量%と広葉樹漂
白サルファイトパルプ70重量%、広葉樹漂白クラフ
トパルプ50重量%と広葉樹漂白サルファイトパルプ5
0重量%、広葉樹漂白クラフトパルプ70重量%と広
葉樹漂白サルファイトパルプ30重量%または広葉樹
漂白クラフトパルプ80重量%と広葉樹漂白サルファイ
トパルプ20重量%から成る混合パルプを用い、叩解後
の混合パルプの繊維長をそれぞれ順に0.58mm、
0.58mm、0.60mm、0.61mm、0.62mm、
0.62mmになるように叩解する以外は、実施例2と
同様に基紙を抄造し、坪量170g/m2の中心面平均粗さ
SRaがそれぞれ順に1.15μm、1.20μm、
1.25μm、1.35μm、1.40μm、1.
49μmである基紙を抄造した。
【0118】得られた結果を表5に示す。
【0119】
【表5】
【0120】表5から明らかな如く、本発明における写
真材料用支持体(実施例35〜40)及び該支持体上に
ハロゲン化銀カラー写真画像形成層を設けた本発明にお
けるハロゲン化銀カラー写真材料(実施例35〜40)
は、プリント画像の鮮鋭度が高い、かつ写真プリントの
見た目の光沢感が高い、優れた写真材料用支持体及びハ
ロゲン化銀カラー写真材料であることがよくわかる。ま
た、本発明に用いられる基紙としては、1.40μm以
下のものが有用であり、1.35μm以下のものが好ま
しく、1.25μm以下のものが更に好ましく、1.15
μm以下のものが特に好ましいことがよくわかる。
【0121】実施例41〜53 実施例22〜34において、噴霧乾燥する前の水性スラ
リー中に、メチルトリメトキシシランの2重量%水溶液
を二酸化チタン当たり1.0重量%(有機系物質分とし
て)添加し、よく攪拌混合した後噴霧乾燥する以外は実
施例22〜34と同様にして表6に記載の二酸化チタン
顔料を製造した。これらの二酸化チタン顔料を実施例2
で用いた二酸化チタン顔料の代わりに用いる以外は実施
例2と同様に実施した。
【0122】得られた結果を表6に示す。
【0123】
【表6】
【0124】なお、表6中の(注5)は、表4中のそれ
と同意義である。
【0125】表6から明らかな如く、本発明における写
真材料用支持体(実施例41〜53)及び該支持体上に
ハロゲン化銀カラー写真画像形成層を設けた本発明にお
けるハロゲン化銀カラー写真材料(実施例41〜53)
は、プリント画像の鮮鋭度が高い、かつ写真プリントの
見た目の光沢感が高い、優れた写真材料用支持体及びハ
ロゲン化銀カラー写真材料であることがよくわかる。ま
た、表4と表6との比較から、本発明に用いられる二酸
化チタン顔料としては、有機表面処理されたものが好ま
しく、特に本発明の効果は、二酸化チタン顔料として、
その表面が二酸化チタン当たり無水金属酸化物の形で計
算して、好ましくは0.25重量%〜1.5重量%の、特
に好ましくは0.35重量%〜1.25重量%の少なくと
もアルミニウム原子を含む含水金属酸化物で処理された
ものであり、かつ有機表面処理されたものを用いること
により、極めて顕著であることがよくわかる。
【0126】実施例54〜63 実施例44において、メチルトリメトキシシランの2重
量%水溶液を二酸化チタン当たり表7に記載の量を添加
する以外は、実施例44と同様に実施した。
【0127】得られた結果を表7に示す。
【0128】
【表7】
【0129】なお、表7中の(注6)〜(注7)は、以
下の通りである。
【0130】(注6)乾燥基準の二酸化チタンに対する
有機表面処理剤の処理量を重量%(有機系物質分とし
て)で表示してある。
【0131】(注7)乳剤膜付きの評価方法としては、
現像後、釘にて縦横にそれぞれ1cm間隔で乳剤面を引掻
き、碁盤目状の傷を付け、その後流水中で指先でその面
を擦り、乳剤層の剥離の程度で評価した。評価基準とし
ては以下の通りである。 ◎:乳剤層の剥離がなく、膜付きが良好。 ○:乳剤層の剥離がわずかあるが、実用上問題ない。 △:乳剤層の剥離がやや多いが、実用可能。 ×:乳剤層の剥離が多く、膜付きが実用上問題がある。
【0132】表7から明らかな如く、本発明における写
真材料用支持体(実施例54〜63)及び該支持体上に
ハロゲン化銀カラー写真画像形成層を設けた本発明にお
けるハロゲン化銀カラー写真材料(実施例54〜63)
は、プリント画像の鮮鋭度が高い、かつ写真プリントの
見た目の光沢感が高い、優れた写真材料用支持体及びハ
ロゲン化銀カラー写真材料であることがよくわかる。ま
た、本発明に用いられる二酸化チタン顔料としては、プ
リント画像の鮮鋭度及び写真プリントの見た目の光沢感
の改良効果及び乳剤膜付き性能の点から、有機表面処理
されたものが好ましく、有機系物質での表面処理量が
0.05重量%〜4.0重量%であるものが好ましく、
0.5重量%〜2.0重量%であるものが特に好ましいこ
とがよくわかる。
【0133】実施例64〜65 実施例44において、メチルトリメトキシシランの2重
量%水溶液の代わりに、N−β−アミノエチル−γ−ア
ミノプロピルジメトキシシラン(実施例64)またはε
−カプロラクタム(実施例65)の2重量%水溶液を二
酸化チタン当たり1.0重量%(有機系物質分として)
添加する以外は実施例44と同様に実施して、プリント
画像の鮮鋭度が高く、かつ写真プリントの見た目の光沢
感が高い、優れた写真材料用支持体及びハロゲン化銀カ
ラー写真材料(実施例64〜65)を得た。
【0134】
【発明の効果】本発明により、プリント画像の鮮鋭度が
高く、かつ写真プリントの見た目の光沢感が高い、優れ
た樹脂被覆紙型写真材料用支持体及びハロゲン化銀カラ
ー写真材料を提供出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/00 520 D21H 1/22 B

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、その一方の写真画像形成層を設ける側の紙基質面
    が、少なくともポリエチレン系樹脂と二酸化チタン顔料
    とを含有する樹脂層で被覆された写真材料用支持体にお
    いて、二酸化チタン顔料は、噴霧乾燥されて製造された
    ものであり、かつポリエチレン系樹脂は、下記で規定さ
    れるヘキサン抽出量が3.0重量%以下であり、なおか
    つ下記で規定される溶融張力(MT)が4.5g以下の
    ものであることを特徴とする写真材料用支持体。 ヘキサン抽出量:150℃で加工した、厚み約38μm
    のインフレーションフィルムを15cm×2.5cmの短冊
    に切断したサンプル約2.5gを、50℃に保ったn−
    ヘキサン300mlに浸漬して2時間抽出し、前後のフィ
    ルムの重量変化から抽出前の重量に対する抽出により減
    少した重量の割合をヘキサン抽出量(重量%)と規定す
    る。 溶融張力(MT):樹脂をJIS K 6760(ポリエ
    チレン試験方法)のメルトフローレート測定法において
    使用するノズルから160℃、0.25g/分で押出し、
    1.52m/分の速度で引っ張ったときのノズルから25c
    m離れたところで測定した張力(g)を溶融張力(M
    T)と規定する。
  2. 【請求項2】 二酸化チタン顔料は、その表面が二酸化
    チタン当たり無水金属酸化物の形で計算して0.25重
    量%〜1.5重量%の、少なくともアルミニウム原子を
    含み二酸化珪素分としては0.4重量%以下(0を含
    む)の含水金属酸化物で処理されたものである請求項1
    記載の写真材料用支持体。
  3. 【請求項3】 二酸化チタン顔料は、その表面が二酸化
    チタン当たり無水金属酸化物の形で計算して0.35重
    量%〜1.25重量%の、少なくともアルミニウム原子
    を含み二酸化珪素分としては0.4重量%以下(0を含
    む)の含水金属酸化物で処理されたものである請求項2
    記載の写真材料用支持体。
  4. 【請求項4】 含水金属酸化物が、含水酸化アルミニウ
    ムおよび含水酸化珪素である請求項2または3記載の写
    真材料用支持体。
  5. 【請求項5】 含水金属酸化物が、含水酸化アルミニウ
    ムである請求項2または3記載の写真材料用支持体。
  6. 【請求項6】 二酸化チタン顔料は、その表面が二酸化
    チタン当たり0.05重量%〜4.0重量%の有機系物質
    で処理されたものである請求項1、2、3、4または5
    記載の写真材料用支持体。
  7. 【請求項7】 二酸化チタン顔料は、その表面が二酸化
    チタン当たり0.3〜2.0重量%の有機系物質で処理さ
    れたものである請求項6記載の写真材料用支持体。
  8. 【請求項8】 基紙は、触針式3次元表面粗さ計を用い
    て測定されるカットオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心
    面平均粗さ(SRa)が1.40μm以下のものである
    請求項1、2、3、4、5、6または7記載の写真材料
    用支持体。
  9. 【請求項9】 写真画像形成層を設ける側とは反対側の
    紙基質面が、フィルム形成能ある樹脂を含有する樹脂層
    で被覆されたものである請求項1、2、3、4、5、
    6、7または8記載の写真材料用支持体。
  10. 【請求項10】 フィルム形成能ある樹脂が、ポリオレ
    フィン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはそれらの混合
    物である請求項9記載の写真材料用支持体。
  11. 【請求項11】 ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレ
    ン系樹脂である請求項10記載の写真材料用支持体。
  12. 【請求項12】 請求項1の写真材料用支持体上にハロ
    ゲン化銀カラー写真画像形成層が設けられたハロゲン化
    銀カラー写真材料。
  13. 【請求項13】 請求項12の未露光、未処理のハロゲ
    ン化銀カラー写真材料の550nmにおける光学反射濃度
    が0.20以上であり、かつ680nmにおける光学反射
    濃度が0.40以上であるハロゲン化銀カラー写真材
    料。
  14. 【請求項14】 未露光、未処理のハロゲン化銀カラー
    写真材料の550nmにおける光学反射濃度が0.30以
    上である請求項13記載のハロゲン化銀カラー写真材
    料。
  15. 【請求項15】 未露光、未処理のハロゲン化銀カラー
    写真材料の680nmにおける光学反射濃度が0.60以
    上である請求項13または14記載のハロゲン化銀カラ
    ー写真材料。
  16. 【請求項16】 二酸化チタン顔料は、その表面が二酸
    化チタン当たり無水金属酸化物の形で計算して0.25
    重量%〜1.5重量%の、少なくともアルミニウム原子
    を含み二酸化珪素分としては0.4重量%以下(0を含
    む)の含水金属酸化物で処理されたものである請求項1
    2、13、14または15記載のハロゲン化銀カラー写
    真材料。
  17. 【請求項17】 二酸化チタン顔料は、その表面が二酸
    化チタン当たり無水金属酸化物の形で計算して0.35
    重量〜1.25重量%の、少なくともアルミニウム原子
    を含み二酸化珪素分としては0.4重量%以下(0を含
    む)の含水金属酸化物で処理されたものである請求項1
    6記載のハロゲン化銀カラー写真材料。
  18. 【請求項18】 含水金属酸化物が、含水酸化アルミニ
    ウムおよび含水酸化珪素である請求項16または17記
    載のハロゲン化銀カラー写真材料。
  19. 【請求項19】 含水金属酸化物が、含水酸化アルミニ
    ウムである請求項16または17記載のハロゲン化銀カ
    ラー写真材料。
  20. 【請求項20】 二酸化チタン顔料は、その表面が二酸
    化チタン当たり0.05重量%〜4.0重量%の有機系物
    質で処理されたものである請求項12、13、14、1
    5、16、17、18または19記載の写真材料用支持
    体。
  21. 【請求項21】 二酸化チタン顔料は、その表面が二酸
    化チタン当たり0.3〜2.0重量%の有機系物質で処理
    されたものである請求項20記載の写真材料用支持体。
  22. 【請求項22】 基紙は、触針式3次元表面粗さを用い
    て測定されるカットオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心
    面平均粗さ(SRa)が1.40μm以下のものである
    請求項12、13、14、15、16、17、18、1
    9、20または21記載のハロゲン化銀カラー写真材
    料。
  23. 【請求項23】 写真画像形成層を設ける側とは反対側
    の紙基質面が、フィルム形成能ある樹脂を含有する樹脂
    層で被覆されたものである請求項12、13、14、1
    5、16、17、18、19、20、21または22記
    載のハロゲン化銀カラー写真材料。
  24. 【請求項24】 フィルム形成能ある樹脂が、ポリオレ
    フィン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはそれらの混合
    物である請求項23記載のハロゲン化銀カラー写真材
    料。
  25. 【請求項25】 ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレ
    ン系樹脂である請求項24記載のハロゲン化銀カラー写
    真材料。
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