JPH095920A - ハロゲン化銀写真感光材料及びそれに用いるヒドロキサム酸化合物 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びそれに用いるヒドロキサム酸化合物

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JPH095920A
JPH095920A JP17296995A JP17296995A JPH095920A JP H095920 A JPH095920 A JP H095920A JP 17296995 A JP17296995 A JP 17296995A JP 17296995 A JP17296995 A JP 17296995A JP H095920 A JPH095920 A JP H095920A
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silver halide
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JP17296995A
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English (en)
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Takashi Mikoshiba
尚 御子柴
Hiroo Takizawa
裕雄 滝沢
Junichiro Hosokawa
淳一郎 細川
Yoshio Ishii
善雄 石井
Keiji Obayashi
慶司 御林
Masakazu Morigaki
政和 森垣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ハロゲン化銀感光材料の乳剤の保存性や潜像の
保存性を改良する方法を提供する。 【構成】下記一般式(I)で表わされる化合物、および
それを含有するハロゲン化銀感光材料。 【化1】 1 は、水素原子又は炭素数1〜30の置換又は無置換
のアルキル基を表わし、R2 は、炭素数の総和が7以上
のヘテロ環基を表わす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性ハロゲン化銀写
真感光材料に関し、更に詳しくは、保存した後の写真性
能の変動が少なく撮影した後、現像処理までの写真性能
の変動が少ない感光材料に関するものである。また、カ
ブリの発生が少ないハロゲン化銀感光材料に関するもの
である。更に本発明は、写真的に有用な効果を与える新
規なヒドロキサム酸系化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料においては、
高感度であることが要望されるとともに感光材料製造後
の保存による写真性の変動、および撮影後、現像処理ま
での写真性の変動が小さいことが望まれる。撮影後、現
像処理までの写真性変動のうち、潜像補力防止について
は、特開昭59−162546号に活性ビニル基を有す
る硬化剤とトリアジン系化合物との併用による方法が開
示されている。しかし、上記の方法では防止効果が十分
ではなく、更なる改良が望まれていた。一方、フルカラ
ー感光材料においては、異る分光感度を有する複数の乳
剤を用い重層構成としてフルカラー写真の目的を達成し
ている。使用される乳剤はかなり改良されたものの潜像
のカブリや補力、退行が起こり必ずしも十分ではない。
これらの保存性改良に例えば2−ヒドロキシアミノ−
1,3,5−トリアジン類が有効である。しかしなが
ら、各層で使用されている前述の保存性は、各々の乳剤
によって異なる。このため、最近ではむしろ特定の層の
乳剤の潜像保存性を改良する方法に対する要望が強い。
【0003】公知の2−ヒドロキシルアミン−1,3,
5−トリアジン類は、拡散するものが多く、目的とする
層以外の層の乳剤にも作用してしまう欠点がある。一
方、米国特許第4,339,515号、同4,330,
606号、特開昭59−198453号、特開平3−2
93666号にピリジン環構造を有するヒドロキサム酸
類が開示されているが、本願とは使用目的が異なり、し
かも、潜像保存性改良効果および特定の層の乳剤のみに
作用させる点では不十分であった。そのため目的とする
層のみの潜像の保存性を大巾に改良する方法の開発が強
く要望されていた。
【0004】本発明は、上記の特定の層の乳剤の保存お
よび潜像の安定性を改良する方法を提供するものであ
る。上記の問題を解決するため、本発明者等は、製造さ
れた乳剤の保存性および潜像の保存性を改良する方法に
ついて鋭意研究を行った。特に炭素数および置換基の種
類について種々検討した結果、特定の置換基数や炭素数
を有する全く新規なヒドロキサム酸系の本発明の化合物
を見い出すに至った。更に本発明の化合物は、ハロゲン
化銀感光材料に添加することによって形成色素の色相を
変化させたり、カプラーの色素形成速度に影響を与えた
り、カプラーや形成色素の分解を促進したり、膜強度を
悪化させたり、さらには乳剤をカブラせたりすることな
しに本発明の目的を達成できることがわかった。又、本
発明に用いる化合物のうち一般式(IV)又は(V)で表わ
される化合物は、過去に知られていない全く新規な化合
物である。この化合物は本発明者らの研究によっての
み、その写真的有用性が判明したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はハロゲ
ン化銀乳剤の保存性および潜像の保存性を改良する効果
の高い化合物を提供することである。又、該化合物を用
いた潜像保存性改良方法を提供することである。本発明
の他の目的は、特定の層の潜像の保存性のみを改良する
化合物を提供することである。又、該化合物を用いた潜
像保存性改良方法を提供することである。本発明の他の
目的は、添加することで種々の写真性へ悪作用を与えな
い潜像の保存性を改良する化合物を提供することであ
る。又、該化合物を用いた潜像保存性改良方法を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
、、によって達成された。 支持体上に、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該
ハロゲン化銀感光材料が下記一般式(I)で表わされる
化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料。
【0007】
【化4】
【0008】式(I)中、R1 は水素原子又は炭素数1
〜30の置換又は無置換のアルキル基を表わし、R
a は、炭素数の総和が7以上のヘテロ環基を表わす。 前記の一般式(I)で表わされる化合物が以下一般
式(II)又は(III) で表わされることを特徴とする上記
のハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】
【化5】
【0010】式(II)中、R1 は、炭素数1〜6の置換
又は無置換のアルキル基である。R2 は、水素原子又は
炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキル基を表わ
す。Q1 は、非芳香族のヘテロ環を形成するのに必要な
原子団を表わす。式(III) 中、R1 は、式(II)のR1
と同義であり、Q2 は、5又は6員の芳香族ヘテロ環を
形成するのに必要な原子団を表わす。 一般式(IV)又は(V)で表わされる化合物。
【0011】
【化6】
【0012】式(IV)中、R1 は、炭素数1〜6の無置
換直鎖アルキル基である。R3 は、炭素数2〜38のア
ルコキシカルボニル基又はアミノカルボニル基を表わ
す。式(V)中、R1 は、炭素数1〜6の無置換直鎖ア
ルキル基である。R4 は、炭素数16〜22の置換又は
無置換のアルキル基である。Ra 、Rb 、Rc 、Rd
e 、Rf 、Rg 、Rh 、Ri は、各々独立に同じでも
異なっていてもよく、水素原子又は、炭素数1〜4のア
ルキル基を表わす。
【0013】以下に一般式(I)について詳細に説明す
る。式(I)中、R1 は水素原子又は、炭素数1〜30
の置換又は無置換のアルキル基を表わす。R1 は好まし
くは、アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜
6のアルキル基である。その好ましい具体例を挙げる
と、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、sec −ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、である。
これらのアルキル基の置換基としては、例えばアルキル
基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン
原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヒドロキ
シル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル又はアリ
ールスルホニル基、アシルアミノ基、アルキル又はアリ
ールスルホンアミド基などが挙げられ、具体例を挙げる
と2−クロロエチル、2−メトキシエチル、2−シアノ
エチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−メチルチ
オプロピル、2−アセチルアミノエチル、3−ヒドロキ
シプロピル、2−アセチルオキシエチル、3−クロロエ
チル、3-メトキシエチルアリル、プレニルである。R1
は無置換アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、
n−ヘキシル基が特に好ましい。
【0014】Ra は、炭素数の総和が7以上のヘテロ環
基を表わす。Ra の表わすヘテロ環は、芳香環でも非芳
香環でもよい。Ra の表わすヘテロ環基としては、酸素
原子、窒素原子、イオウ原子のいずれかを少くとも1つ
含む5又は6員のヘテロ環基が好ましい。Ra の表わす
ヘテロ環基の例を挙げると5員環の例は、チエニル基、
フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル
基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニ
ル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニ
ル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリ
ニル基、2H−ピロリル基が挙げられる。縮環した5員
環のヘテロ環基の例は、イソベンゾフラニル基、インド
リジニル基、イソインドリル3H−インドリル基、イン
ドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、インド
リニル基、イソインドリニル基が挙げられる。6員環の
例は、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリ
ダジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリ
ニル基が挙げられる。縮環した6員環の例は、クロメニ
ル基、キサンテニル基、4H−キノリジニル基、イソキ
ノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニ
ル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニ
ル基、プテリジニル基、β−カルボリニル基、フェナン
トロリニル基、イソクロマニル基、クロマニル基が挙げ
られる。これらのヘテロ環基は、置換基を有しているも
のが好ましい。このときヘテロ環基に置換する置換基と
しては、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、シ
アノ基、スルファモイル基、アシル基、カルバモイル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アルケノキシカルボニル基、アシルアミノ基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノカルボニルア
ミノ基、スルファモイルアミノ基、アミノ基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アシルオキ
シ基、カルバモイルオキシ基、イミド基、スルフィニル
基、ホスホリル基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、シリルオキシ基、ハロゲン
原子、ヒドロキシ基、ニトロ基である。その中でも、ア
ルコキシカルボニル基、アルケノキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル
基、アルコキシ基、アミノカルボニル基が好ましい。
【0015】5又は6員のヘテロ環基の例として、下記
の構造が挙げられる。
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】式(A−1)〜(A−25)、(A−2
7)〜(A−41)式の各々の構造の1つのRをとり去
ってできる一価の基がヘテロ環基の例である。式中、複
数のRおよびR′は、各々同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、または置換基を表わす。RおよびR′
は、水素原子、アリール基、ヘテロ環基、アルキル基、
シアノ基、アシル基、カルバモイル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノカルボ
ニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アミノ基(ア
ニリノ基を含む)、アルコキシ基、アリールオキシ基、
シリルオキシ基、ヘテリルオキシ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、ヘテリルチオ基、ハロゲン原子、ヒド
ロキシル基、ニトロ基、スルファモイル基、アルキルス
ルホニル基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、
イミド基、スルフィニル基、カルボキシル基、アルケノ
キシカルボニル基、アリールスルホニル基、ホスホリル
基、などを表わす。
【0021】RおよびR′の好ましい具体例としては、
水素原子、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、例
えばフェニル、m−アセチルアミノフェニル、p−メト
キシフェニル)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜2
0、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチ
ル、n−オクチル、n−ドデシル)、シアノ基、アシル
基(好ましくは炭素数1〜20、例えばアセチル、ピバ
ロイル、ベンゾイル、フロイル、2−ピリジルカルボニ
ル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、例
えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチ
ルカルバモイル、n−オクチルカルバモイル)、アルコ
キシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、例えば
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポ
キシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ま
しくは炭素数7〜20、例えばフェノキシカルボニル、
p−メトキシフェノキシカルボニル、m−クロロフェノ
キシカルボニル、o−メトキシフェノキシカルボニ
ル)、アシルアミノ基〔好ましくは炭素数1〜20のア
ルキルカルボニルアミノ基(例えば、ホルミルアミノ、
アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、シアノアセチル
アミノ)、好ましくは炭素数7〜20のアリールカルボ
ニルアミノ基(例えば、ベンゾイルアミノ、p−トルイ
ルアミノ、ペンタフルオロベンゾイルアミノ、m−メト
キシベンゾイルアミノ)、好ましくは炭素数4〜20の
ヘテリルカルボニルアミノ基(例えば、2−ピリジルカ
ルボニルアミノ、3−ピリジルカルボニルアミノ、フロ
イルアミノ)〕、アルコキシカルボニルアミノ基(好ま
しくは炭素数2〜20、例えばメトキシカルボニルアミ
ノ、エトキシカルボニルアミノ、メトキシエトキシカル
ボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基
(好ましくは炭素数7〜20、例えばフェノキシカルボ
ニルアミノ、p−メトキシフェノキシカルボニルアミ
ノ、p−メチルフェノキシカルボニルアミノ、m−クロ
ロフェノキシカルボニルアミノ、o−クロロフェノキシ
カルボニルアミノ)、スルホニルアミノ基(好ましくは
炭素数1〜20、例えばメタンスルホニルアミノ、ベン
ゼンスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜2
0、例えばメチルアミノカルボニルアミノ、エチルアミ
ノカルボニルアミノ、アニリノカルボニルアミノ、ジメ
チルアミノカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ
基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチルアミノス
ルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミノ、アニ
リノスルホニルアミノ)、アミノ基(アニリノ基を含
む、好ましくは炭素数0〜20、例えばアミノ、メチル
アミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、n−ブチルアミノ、アニリノ)、アルコキシ基(好
ましくは炭素数1〜20、例えばメトキシ、エトキシ、
イソプロポキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ、n
−ドデシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭
素数6〜20、例えばフェノキシ、m−クロロフェノキ
シ、p−メトキシフェノキシ、o−メトキシフェノキ
シ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20、例
えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ、セシルジメチルシリルオキシ、フェニルジメ
チルシリルオキシ)、ヘテリルオキシ基(好ましくは炭
素数3〜20、例えばテトラヒドロピラニルオキシ、3
−ピリジルオキシ、2−(1,3−ベンゾイミダゾリ
ル)オキシ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜
20、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ブチルチ
オ、t−ブチルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭
素数6〜20、例えばフェニルチオ)、ヘテリルチオ基
(好ましくは炭素数3〜20、例えば2−ピリジルチ
オ、2−(1,3−ベンゾオキサゾリル)チオ、1−ヘ
キサデシル−1,2,3,4−テトラゾリル−5−チ
オ、1−(3−N−オクタデシルカルバモイル)フェニ
ル−1,2,3,4−テトラゾリル−5−チオ)、ヘテ
ロ環基(好ましくは炭素数3〜20、例えば2−ベンゾ
オキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−
2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリ
ル、1−ピロリル、2−フラニル、2−ピリジル、3−
ピリジル)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、ヒ
ドロキシ基、ニトロ基、スルファモイル基(好ましくは
炭素数0〜20、例えばメチルスルファモイル、ジメチ
ルスルファモイル)、スルホニル基(好ましくは炭素数
1〜20、例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニ
ル、トルエンスルホニル)、アシルオキシ基(好ましく
は炭素数1〜20、例えばホルミルオキシ、アセチルオ
キシ、ベンゾイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好
ましくは炭素数1〜20、例えばメチルカルバモイルオ
キシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、イミド基(好ま
しくは炭素数4〜20、例えばこはく酸イミド、フタル
イミド)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜2
0、例えばジエチルアミノスルフィニル)、ホスホリル
基(好ましくは炭素数0〜20、例えばジアミノホスホ
リル)、アルケノキシカルボニル基(好ましくは炭素数
1〜20、例えばアリルオキシカルボニル、オレイルオ
キシカルボニル)、などが挙げられる。その中でもR
は、アルコキシカルボニル基、アルケノキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ア
シル基、アルコキシ基、アミノカルボニル基が好まし
い。Ra は、炭素数の総和が7以上のヘテロ環である
が、好ましくは12以上であり、更に好ましくは18以
上であり、24以上が最も好ましい。
【0022】一般式(I)で表わされる化合物の好まし
い構造は、一般式(II)又は(III)で表わされる構造で
ある。
【0023】式(II)中、R1 は炭素数1〜6の置換又
は無置換のアルキル基である。その具体例はメチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−クロロエチ
ル基、2−シアノエチル基、2−ヒドロキシエチル基が
挙げられる。又、式(I)のR1 で述べたものも挙げら
れる。R1 は、好ましくは炭素数1〜6の無置換直鎖ア
ルキル基である。好ましくは、メチル基、エチル基、n
−プロピル基である。R2 は、水素原子、又は炭素数1
〜30の置換又は無置換のアルキル基を表わす。その具
体例は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−オクチル基、n−ステアリル基、2−クロロエ
チル基、2−シアノエチルが挙げられる。又、式(I)
のR1 で述べたものも挙げられる。好ましくは、水素原
子又は、炭素数1〜6の直鎖無置換アルキル基である。
最も好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−
プロピル基である。Q1 は、非芳香族のヘテロ環を構成
するのに必要な原子団を表わす。好ましくは、Q1 は、
酸素原子、窒素原子、イオウ原子のいずれかを少なくと
も1つを含む5又は6員環を形成するものである。更に
好ましくは、少なくとも1つの窒素原子を含む5又は6
員環を形成するものが好ましく、窒素原子を1つ含む5
又は6員環を形成するものが最も好ましい。式(II)の
構造は、R1 が炭素数1〜6の無置換直鎖アルキル基で
あり、R2が水素原子又は、炭素数1〜6の無置換直鎖
アルキル基であり、Q1 が窒素原子を少なくとも1つ含
む5又は6員環を形成するために必要な原子団である場
合が好ましい。
【0024】式(III)中、R1 は式(II)のR1 と同義
であり、具体例、好ましい例も同じものを挙げることが
できる。Q2 は、5又は6員環の芳香族ヘテロ環を表わ
す。好ましくは、酸素原子、窒素原子あるいはイオウ原
子のいずれかを少なくとも1つ含む5又は6員環の芳香
族ヘテロ環のものである。その中でも少なくとも1つの
窒素原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環が好まし
い。ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピリミジ
ン環を形成するものが最も好ましい。式(III)の構造
は、R1 が炭素数1〜6の無置換直鎖アルキル基で、Q
2 が少なくとも1つの窒素原子を含む5又は6員の芳香
族ヘテロ環を形成するために必要な原子団である場合が
好ましい。
【0025】一般式(III)で表わされる化合物の好まし
い構造は、一般式(IV)′で表わされる構造である。
【0026】
【化11】
【0027】式(IV)′中、R1 は、炭素数1〜6の置換
又は無置換のアルキル基である。具体例、好ましい例
も、式(II)のR1 と同義である。R3 は、アリール
基、ヘテロ環基、アルキル基、シアノ基、アシル基、カ
ルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニ
ルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スル
ホニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、スルファ
モイルアミノ基、アミノ基(アニリノ基も含む)、アル
コキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテリ
ルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテリ
ルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、
スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アシルオキ
シ基、カルバモイルオキシ基、イミド基、スルフィニル
基、ホスホリル基、カルボキシル基、アルケノキシカル
ボニル基、アリールスルホニル基を表わす。nは1〜4
の整数である。nが1のとき、R3 は、炭素数1以上の
置換基である。nが2以上のときR3 は、各々独立して
同じでも異なっていてもよい。R3 の具体例は、式(A
−1)のRで述べたものを挙げることができる。R3
好ましくは、ヒドロキシル基、炭素数1〜38のアルコ
キシル基、炭素数1〜36のアミノ基、炭素数1〜38
のカルバモイル基、炭素数2〜38のアルコキシカルボ
ニル基、炭素数7〜22のアリールオキシカルボニル
基、炭素数2〜22のアシルアミノ基、炭素数1〜38
のアミノカルボニル基である。その中でも、炭素数2〜
38のアルコキシカルボニル基又は、炭素数1〜38の
アミノカルボニル基が好ましい。nは、1又は2が好ま
しい。式(IV)′の好ましい構造は、R1 が炭素数1〜6
の無置換直鎖アルキル基であり、R3 は炭素数2〜38
のアルコキシカルボニル基もしくは、アミノカルボニル
基であり、nは1である。その中でもN−アルキルヒド
ロキシアミノカルボニル基の置換位置は、ピリジン環の
2又は3位が好ましい。式(IV)の最も好ましい構造は、
1 がメチル基であり、R3 が炭素数10〜26のアル
キル基以外の置換基によって置換されていないアルキル
基であり、nが1であり、N−アルキルヒドロキシルア
ミノカルボニル基の置換位置は、ピリジン環の2又は3
位の場合である。
【0028】一般式(II)で表わされる化合物の好まし
い構造は、一般式(V)で表わされる構造である。
【0029】
【化12】
【0030】R1 は、炭素数1〜6の無置換直鎖アルキ
ル基であり、具体例、好ましい例も式(II)のR1 で述
べたものを挙げることができる。Ra 、Rb 、Rc 、R
d 、Re 、Rf 、Rg 、Rh 、Ri は、各々独立に同じ
でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基を表わす。好ましくは、すべて水素原子であ
る。R4 は、炭素数16〜22の置換又は無置換のアル
キル基である。その具体例は、ミリスチル基、パルミチ
ル基、ステアリル基である。式(V)の好ましい構造
は、R1 が炭素数1〜6の無置換直鎖アルキル基であ
る。R4 は炭素数16〜22の無置換アルキル基であ
る。Ra 、Rb 、Rc 、Rd 、Re 、Rf 、Rg 、Rh
は、各々独立に同じでも異なっていてもよく、水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。式(V)の最
も好ましい構造は、R1 がメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基であり、Ra 、Rb 、Rc 、Rd 、Re
f 、Rg 、Rh はすべて水素原子であり、R4 は炭素
数16〜22の無置換アルキル基である。
【0031】一般式(I)で表わされる化合物は、分子
量が300以上が好ましく、350以上が更に好まし
く、450以上が最も好ましい。
【0032】本発明の化合物はゼラチン膜中を拡散しな
い観点から水に実質的に不溶であることが必要である。
なお、水に対して実質的に不溶とは水に対する25℃に
おける溶解度が5%以下のものであるが、好ましくは1
%以下である。
【0033】本発明の化合物は、その合成原料が(例え
ば後述する酸無水物やアルコール)が異性体や同族体の
混合物としてのみ入手が可能な場合がある。そのため、
本発明の化合物は異性体や同族体の混合物として合成を
行った方が製造が簡単な場合がある。このとき、本発明
の化合物は混合物としてハロゲン化銀感光材料へ添加さ
れることが好ましい。
【0034】本発明の化合物の具体例を例示する。ただ
し、これによって本発明が制限されるものではない。
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【化19】
【0042】以下に本発明の化合物の一般的合成法につ
いて説明する。本発明の化合物は、対応するカルボン酸
クロリドとヒドロキシルアミンとを縮合して得られる。
カルボン酸クロリドは、対応するカルボン酸が入手容易
である場合は、カルボン酸を塩化チオニルやオキザリル
クロリドで処理することによって容易に得ることができ
る。又、複雑なカルボン酸の場合には、それぞれに応じ
た合成法によってカルボン酸を合成した後、塩化チオチ
ルやオキザリルクロリドで処理することによって得るこ
とができる。カルボン酸は、以下の合成例に準じて合成
できる。一方、N−アルキルヒドロキシルアミンは、ア
ルキルがメチル基であるものは市販されている。他のも
のについては下記の方法により合成することができる。
【0043】
【化20】
【0044】ヒドロキシルアミンにアセトンを付加し、
アセトキシムに変換した後、アルキル化剤と反応させ、
N−アルキル体(ニトロン)を合成する。その後酸処理
を行いアセトンを脱離させてN−アルキルヒドロキシル
アミンを得る。
【0045】本発明の化合物の合成例を以下に示し、本
発明を更に詳しく説明する。
【0046】合成例1 化合物1の合成
【0047】
【化21】
【0048】工程−1 化合物A50.8g(170mmol)と2,3−ピリジン
ジカルボン酸無水物25.5g(170mmol)を三口フ
ラスコに入れ、120℃で3時間反応させた。反応終了
後、酢酸エチルに溶解させて反応容器から移し、減圧留
去して中間体Iを得た。得られた中間体Iをそのまま次
工程で用いた。 工程−2 中間体I全量と塩化メチレン100mlを三口フラスコに
入れ、攪拌しながらジメチルホルムアミド1mlを加え
た。20℃にて、オキザリルクロリド31.8g(25
0mol )を滴下後、30分反応させた。アスピレーター
にて残存したオキザリルクロリドと塩化メチレンを減圧
留去することによって中間体−IIを76.1g得た。
(収率100%)。
【0049】工程−3 三口フラスコに水酸化ナトリウム4.4g(110mmo
l)と水100mlを加え溶解した後、窒素ガス気流下N
−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩9.2g(110mm
ol)を加えた後、炭酸水素ナトリウム14.3g(17
0mmol)および酢酸エチル100mlを加えた。5〜10
℃にて中間体II 39.6g(85mmol)を酢酸エチル
100mlに溶解したものを滴下した。2時間反応後50
℃に昇温し分液を行った。有機層を、水洗、乾燥後溶媒
を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製し化合物1と化合物64の混合物を16.7g
得た。(収率41.2%)化合物1と64は分離できな
かった。
【0050】工程−4 工程−3のN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩のかわ
りに、ヒドロキシルアミン塩酸塩5.9g(85mmol)
に変える以外は、工程−3の合成法と同様にして化合物
5と化合物67との混合物を合成した。38.1g(収
率96.9%)構造は、NMRスペクトルにて確認し
た。
【0051】
【化22】
【0052】工程−5 化合物B,25.7g(163mmol)とアセトニトリル
100ml、トリエチルアミン17.2g(170mmol)
を氷冷下攪拌しているところへ、中間体III 53.0g
(160mmol)を滴下した。20℃で1時間攪拌した
後、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸
および水で洗浄し乾燥した後、溶媒を減圧留去し中間体
IVを70.2g得た。(収率95.3%)
【0053】工程−6 中間体IV 73.7g(160mmol)と水酸化ナトリウ
ム12.8g(320mmol)とエタノール100ml、水
10mlを加え20℃で30分反応させた。反応終了後塩
酸水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥
後溶媒を減圧留去し、中間体Vを65.0g(収率9
5.9%) 工程−7 中間体V 65.0g(153mmol)と塩化メチレン1
00mlを攪拌しDMF1.0mlを加えた後、オキザリル
クロリド30.5g(240ml)を滴下した。20℃で
1時間攪拌した後、アスピレーターで残存したオキザリ
ルクロリドと塩化メチレンを減圧留去し、中間体VIを6
3.1g得た。(収率93.3%)
【0054】工程−8 三口フラスコに水酸化ナトリウム4.26g(106mm
ol)と水100mlを加え溶解し、氷冷した。窒素ガス気
流下、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩8.9g
(107mmol)を加えた後炭酸水素ナトリウム18.0
g(212mmol)と酢酸エチル100mlを加えた。5〜
10℃で中間体VI 33.9g(80mmol)を酢酸エチ
ル100mlに溶解したものを滴下した。2時間反応させ
た後、反応液を50℃に昇温し分液を行った。有機層を
水洗、乾燥しエバポレーターで減圧留去した。シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物−12
を14.0g得た。(収率38.7%) 構造はNMRスペクトルにて確認した。
【0055】化合物12は、油状物であった。 NMR(300MHz) δ(CDCl3 ):0.70〜0.95(17H,
m),0.97〜1.95(25H,m),2.50〜
2.82(2H,m),3.02〜3.20(2H,
m),3.28(1.5H,bs),3.40(1.5
H,bs),4.10(1H,bs),4.60(1
H,bs),8.85(1H,bs)
【0056】本発明の化合物の添加量に特に制限はない
が、感光性ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合は添加層
のAg1モルに対し1.0×10-4〜1.0×10-1
ルの範囲が好ましく、1.0×10-3〜5.0×10-2
の範囲がさらに好ましい。非感光性層に添加する場合に
は1×10-6〜3×10-4mol/m2が好ましく、1×10
-5〜1×10-4mol/m2がさらに好ましい。
【0057】本発明の化合物は水可溶性溶媒(例えばメ
タノール、エタノール、アセトンのような)に溶解して
添加しても良いし、乳化分散によりカプラー等と共乳化
して添加してもよい。更に乳剤調製時にあらかじめ添加
してもよいが、乳化分散により添加する方法が最も好ま
しい。
【0058】本発明の化合物を添加する層に特に制限は
ないが、ハロゲン化銀乳剤層に添加することが好まし
く、赤感光性層および/あるいは緑感光性層に添加する
ことがさらに好ましい。
【0059】本発明がカラー感光材料に適用される場合
は、支持体上に少なくとも1層の感光性層が設けられて
いればよい。典型的な例としては、支持体上に、実質的
に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン
化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハ
ロゲン化銀写真感光材料である。該感光性層は青色光、
緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感
光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料に
おいては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から
順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置され
る。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、
また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような
設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間
および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。
これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止
剤等が含まれていてもよい。また、像様もしくは逆像様
に色素を放出し、放出した色素と放出前の化合物との間
に拡散性の差を生じせしめる性質を有する化合物を含有
していもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲ
ン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記
載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層
を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列す
るのが好ましい。また、特開昭57-112751 、同62- 2003
50、同62-206541 、62-206543 に記載されているように
支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に
高感度乳剤層を設置してもよい。具体例として支持体か
ら最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青
感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感
光性層(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光
性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、
またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することが
できる。また特公昭 55-34932 公報に記載されているよ
うに、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/
GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-257
38、同62-63936に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列す
ることもできる。また特公昭49-15495に記載されている
ように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中
層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層
を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配
置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度
の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよ
うな感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開
昭59-202464 に記載されているように、同一感色性層中
において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度
乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その
他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、ある
いは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に
配置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、上
記の如く配列を変えてよい。色再現性を改良するため
に、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開
昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,
RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のド
ナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置す
ることが好ましい。
【0060】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ
塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいの
は約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ
臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロ
ゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規
則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な
結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するも
の、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の
粒径は、約 0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約
10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤
でも単分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン
化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22〜23
頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and type
s)”、および同No.18716 (1979年11月),648 頁、同N
o.307105(1989年11月),863 〜865 頁、およびグラフキ
デ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社刊(P.Gl
afkides, Chemie et Phisique Photographique, Paul M
ontel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカ
ルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion C
hemistry,Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真
乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Ze
likman, et al., Making and Coating Photographic Em
ulsion, Focal Press, 1964)などに記載された方法を用
いて調製することができる。
【0061】US 3,574,628、同 3,655,394およびGB 1,4
13,748に記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutof
f, Photographic Science and Engineering)、第14巻
248〜257頁(1970年);US 4,434,226、同 4,414,310、
同 4,433,048、同 4,439,520およびGB 2,112,157に記載
の方法により簡単に調製することができる。結晶構造は
一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成か
らなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エ
ピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が
接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などの
ハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。ま
た種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。上記の
乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、
粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれ
にも潜像を有する型のいずれでもよい。これらの乳剤
は、ネガ型の乳剤であってもポジ型の乳剤(所謂オート
ポジ乳剤)であってもよい。また、ネガ型乳剤として
は、通常の乳剤であっても熱現像可能な乳剤であっても
よい。内部潜像型のうち、特開昭 63-264740に記載のコ
ア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製
方法は特開昭 59-133542に記載されている。この乳剤の
シェルの厚みは現像処理等によって異なるが、3 〜40nm
が好ましく、5 〜20nmが特に好ましい。
【0062】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRDNo. 17643 、同No.
18716 および同No.307105 に記載されており、その該当
箇所を後掲の表にまとめた。本発明の感光材料には、感
光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、
ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特
性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使
用することができる。US 4,082,553に記載の粒子表面を
かぶらせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 5
9-214852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒
子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/ま
たは実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用するこ
とが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問
わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化
銀粒子のことをいい、その調製法は、US 4,626,498、特
開昭 59-214852に記載されている。粒子内部がかぶらさ
れたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成す
るハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよ
い。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀とし
ては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいず
れをも用いることができる。これらのかぶらされたハロ
ゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm
、特に0.05〜0.6 μm が好ましい。また、粒子形状は
規則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散
性(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも
95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)
であることが好ましい。
【0063】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好
ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン
化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表
面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も
不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立
ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベン
ゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または
亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好
ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイ
ド銀を含有させることができる。本発明の感光材料の塗
布銀量は、6.0g/ m2以下が好ましく、4.5g/ m2以下が最
も好ましい。
【0064】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648 頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5. 光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6. バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 7. 可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8. 塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9. スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10. マツト剤 878 〜879 頁
【0065】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わさ
れるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされる
カプラー (特に18頁のY-28); 特願平4-134523の請求項
1の一般式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576の
カラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラ
ー; 特開平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされ
るカプラー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載の
カプラー(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式
(Y) で表わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41
頁)); US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(I
V)で表わされるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II
-24(カラム19))。 マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-
68(12 頁右下),L-77(13 頁右下); EP 456,257 の A-4 -
63(134頁), A-4 -73,-75(139頁); EP 486,965のM-4,-6
(26 頁),M-7(27頁); 特願平4-234120の段落0024のM-4
5; 特願平4-36917 の段落0036のM-1;特開平4-362631の
段落0237のM-22。 シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,1
4,15(14 〜16頁);特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),34,3
5(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特願平4-236333の
請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプラ
ー。 ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
【0066】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁
に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエ
ローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EP
に記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202
頁) 、EX-1(249頁) 、EX-7(251頁) 、US 4,833,069に記
載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム8)、
CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、WO92
/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマスキ
ングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好まし
い。現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物残
基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以下
のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 378,2
36A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わされ
る化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36頁),
T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP436,938A2
の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-49(5
1 頁))、特願平4-134523の式(1) で表わされる化合物
(特に段落0027の(23)) 、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記
載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁の
I-(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁
の式(I),(I')で表わされる化合物(特に61頁の(60),(6
1)) 及び特願平4-325564の請求項1の式(I) で表わされ
る化合物(特に段落0022の(7) );リガンド放出化合
物:US 4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わさ
れる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロ
イコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化
合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレー
ム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10
の化合物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合
物:US 4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表
わされる化合物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,6
37A2の75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素と
なる基を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の
式(I) で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜
Y-19) 。
【0067】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,
16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,199,
363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャ
ー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わ
される化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜
5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4
頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24
〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特に
III-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-
2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,
42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させ
る素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-4
6; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁
のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の
17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式
(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-
214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜7
6),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合
物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-2
4,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載
の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US
4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,
9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,79
3のカラム6 〜16のI-1 〜(14),特にI-1,60,(2),(13), U
S 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36:
化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5-40324 の化合物50;染料: 特開平3-156450の15〜18
頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29
頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-
1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28
頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26の
Dye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の
化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ない
し(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,26
8,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜1
0), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜
(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式
(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜
9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(6
6)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1
〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物
(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0068】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に
適用することができる。また、特公平2-32615 、実公平
3-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット
用に好適である。さらに、熱現像を用いた拡散転写方式
カラー写真、オートポジ乳剤を用いた拡散転写写真、お
よびオートポジ乳剤を用いた湿式反転カラーコピー材料
に適用できる。本発明に使用できる適当な支持体は、例
えば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の 647
頁右欄から 648頁左欄、および同No.307105 の 879頁に
記載されている。本発明の感光材料は、乳剤層を有する
側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下であ
ることが好ましく、23μm 以下がより好ましく、18μm
以下が更に好ましく、16μm 以下が特に好ましい。また
膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下がよ
り好ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3 分15秒処
理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし
たとき、膜厚そのが1/2 に到達するまでの時間と定義す
る。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定
した膜厚を意味し、T1/2 は、エー・グリーン(A.Gree
n)らのフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エン
ジニアリング (Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124 〜12
9 頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用する
ことにより測定できる。T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は 150〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さ
きに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨
潤膜厚−膜厚)/膜厚により計算できる。本発明の感光
材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和
が2μm〜20μm の親水性コロイド層(バック層と称
す)を設けることが好ましい。このバック層には、前述
の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチッ
ク防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布
助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバ
ック層の膨潤率は150 〜500 %が好ましい。
【0069】本発明の感光材料は、前述のRD.No.176
43の28〜29頁、同No.18716の 651左欄〜右欄、および同
No.307105 の880 〜881 頁に記載された通常の方法によ
って現像処理することができる。本発明の感光材料の現
像処理に用いる発色現像液は、好ましくは芳香族第一級
アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性水溶液
である。この発色現像主薬としては、アミノフェノール
系化合物も有用であるが、p-フェニレンジアミン系化合
物が好ましく使用され、その代表例及び好ましい例とし
てはEP 556700Aの28頁43〜52行目に記載の化合物が挙げ
られる。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用する
こともできる。発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、
ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物
塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベン
ゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像
抑制剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的であ
る。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチル
ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメ
チルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミカル
バジド類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン
酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコール、
ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン
類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラ
ー、1-フェニル-3- ピラゾリドンのような補助現像主
薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホ
スホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に
代表されるような各種キレート剤、例えば、エチレンジ
アミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエ
チルイミノジ酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホ
スホン酸、ニトリロ-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、
エチレンジアミン-N,N,N,N- テトラメチレンホスホン
酸、エチレンジアミン- ジ(o- ヒドロキシフェニル酢
酸) 及びそれらの塩を添加する。
【0070】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1-フェニ
ル-3- ピラゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メ
チル-p- アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。これらの発色現像液及び黒白現像液
のpHは9〜12であることが一般的である。またこれらの
現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよ
るが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル
以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させて
おくことにより 500ml以下にすることもできる。補充量
を低減する場合には処理槽の空気との接触面積を小さく
することによって液の蒸発、空気酸化を防止することが
好ましい。処理槽での写真処理液と空気との接触による
処理効果は、開口率(=〔処理液と空気との接触面積 c
m2〕÷〔処理液の容量 cm3〕)で評価することができ
る。この開口率は、0.1 以下であることが好ましく、よ
り好ましくは 0.001〜0.05である。開口率を低減させる
方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋等の遮蔽
物を設けるほかに、特開平 1-82033に記載された可動蓋
を用いる方法、特開昭63-216050に記載されたスリット
現像処理方法を挙げることができる。開口率は、発色現
像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例
えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全て
の工程において低減することが好ましい。また、現像液
中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることによ
り補充量を低減することもできる。発色現像処理の時間
は、通常2〜5分の間で設定されるが、高温、高pHと
し、かつ発色現像主薬を高濃度に使用することにより、
更に処理時間の短縮を図ることもできる。
【0071】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III )などの多
価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が
用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III )の有機錯
塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイ
ミノ二酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、グリコール
エーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸
類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩など
を用いることができる。これらのうちエチレンジアミン
四酢酸鉄(III )錯塩、及び1,3-ジアミノプロパン四酢
酸鉄(III )錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄
(III )錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好ま
しい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III )錯塩は漂
白液においても、漂白定着液においても特に有用であ
る。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III )錯塩を用
いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常 4.0〜8である
が、処理の迅速化のためにさらに低いpHで処理すること
もできる。
【0072】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:US 3,893,858、DE 1,290,812、同 2,059,988、特
開昭53-32736、同53-57831、同53-37418、同53-72623、
同53-95630、同53-95631、同53-104232 、同53-12442
4、同53-141623 、同53-28426、RDNo. 17129 (1978
年7月)に記載のメルカプト基またはジスルフィド基を
有する化合物;特開昭50-140129 に記載のチアゾリジン
誘導体;特公昭45-8506 、特開昭52-20832、同53-3273
5、US 3,706,561に記載のチオ尿素誘導体;DE 1,127,71
5、特開昭58-16,235 に記載の沃化物塩;DE 966,410、
同 2,748,430に記載のポリオキシエチレン化合物類;特
公昭45-8836 記載のポリアミン化合物;その他特開昭49
-40,943 、同49-59,644 、同53-94,927、同54-35,727
、同55-26,506 、同58-163,940記載の化合物;臭化物
イオンが使用できる。なかでもメルカプト基またはジス
ルフィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好
ましく、特にUS 3,893,858、DE 1,290,812、特開昭53-9
5,630 に記載の化合物が好ましい。更に、US 4,552,834
に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材
中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定
着するときにこれらの漂白促進剤は特に有効である。漂
白液や漂白定着液には上記の化合物の他に、漂白ステイ
ンを防止する目的で有機酸を含有させることが好まし
い。特に好ましい有機酸は、酸解離定数(pKa)が2〜5
である化合物で、具体的には酢酸、プロピオン酸、ヒド
ロキシ酢酸などが好ましい。定着液や漂白定着液に用い
られる定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チ
オエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩をあ
げることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であ
り、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用でき
る。また、チオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル
系化合物、チオ尿素の併用も好ましい。定着液や漂白定
着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボ
ニル重亜硫酸付加物あるいはEP 294769Aに記載のスルフ
ィン酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着液に
は液の安定化の目的で、アミノポリカルボン酸類や有機
ホスホン酸類の添加が好ましい。本発明において、定着
液または漂白定着液には、pH調整のために pKaが6.0 〜
9.0 の化合物、好ましくは、イミダゾール、1-メチルイ
ミダゾール、1-エチルイミダゾール、2-メチルイミダゾ
ールの如きイミダゾール類を1リットル当り0.1〜10モ
ル添加することが好ましい。
【0073】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。好ましい
温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ処理後の
ステイン発生が有効に防止される。脱銀工程において
は、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。
攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭 62-183460に
記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方
法や、特開昭 62-183461の回転手段を用いて攪拌効果を
上げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレード
と乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表
面を乱流化することによってより攪拌効果を向上させる
方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げら
れる。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定着
液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上
は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果とし
て脱銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の攪
拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効で
あり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による
定着阻害作用を解消させることができる。本発明の感光
材料に用いられる自動現像機は、特開昭 60-191257、同
60-191258、同 60-191259に記載の感光材料搬送手段を
有していることが好ましい。前記の特開昭 60-191257に
記載のとおり、このような搬送手段は前浴から後浴への
処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の性能劣化を
防止する効果が高く、各工程における処理時間の短縮
や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0074】本発明の感光材料は、脱銀処理後、水洗及
び/又は安定工程を経るのが一般的である。水洗工程で
の水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等の使
用素材による)、用途、更には水洗水温、水洗タンクの
数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々の条
件によって広範囲に設定し得る。このうち、多段向流方
式における水洗タンク数と水量の関係は、Journal of t
he Society of MotionPicture and Television Enginee
rs 第64巻、P. 248〜253 (1955 年5月)に記載の方法
で、求めることができる。この文献に記載の多段向流方
式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内
における水の滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖
し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生
じる。この解決策として、特開昭62-288,838に記載のカ
ルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法
が極めて有効である。また、特開昭57-8,542に記載のイ
ソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イ
ソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベ
ンゾトリアゾール類、堀口博著「防菌防黴剤の化学」
(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺
菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学
会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用
いることもできる。本発明の感光材料の処理における水
洗水のpHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。
水洗水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途により設
定できるが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好まし
くは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、
本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によ
って処理することもできる。このような安定化処理にお
いては、特開昭57-8543 、同58-14834、同60-220345 に
記載の公知の方法が適用できる。また、前記水洗処理に
続いて、更に安定化処理する場合もあり、その例とし
て、撮影用カラー感光材料の最終浴として使用される色
素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を挙げること
ができる。色素安定化剤としては、ホルマリンやグルタ
ルアルデヒドなどのアルデヒド類、N-メチロール化合
物、ヘキサメチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫
酸付加物を挙げることができる。この安定浴にも各種キ
レート剤や防黴剤を加えることもできる。
【0075】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
水を加えて濃縮補正することが好ましい。本発明の感光
材料には処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬
を内蔵しても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の
ブロック化合物を用いることが好ましい。例えばUS 3,3
42,597記載のインドアニリン系化合物、同 3,342,599、
リサーチ・ディスクロージャーNo. 14,850及び同No. 1
5,159に記載のシッフ塩基型化合物、同13,924記載のア
ルドール化合物、US 3,719,492記載の金属塩錯体、特開
昭53-135628 記載のウレタン系化合物を挙げることがで
きる。本発明の感光材料は、必要に応じて、発色現像を
促進する目的で、各種の1-フェニル-3- ピラゾリドン類
を内蔵しても良い。典型的な化合物は特開昭56-64339、
同57-144547 、および同58-115438 に記載されている。
本発明の感光材料の処理に用いられる処理液は10℃〜50
℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準
的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短
縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安
定性を改良することができる。
【0076】本発明が黒白感光材料に適用される場合に
用いられる種々の添加剤、現像処理方法等については特
に制限はなく、例えば特開平2-68539 号公報、同5-1138
9 号公報、および同2-58041 号公報の下記該当個所のも
のを好ましく用いることができる。
【0077】1.ハロゲン化銀乳剤とその製法: 特開平
2-68539 号公報第8頁右下欄下から6行目〜同第10頁右
上欄12行目。 2.化学増感方法: 同第10頁右上欄13行目〜同左下欄16
行目、特開平5-11389 号に記載のセレン増感法。 3.カブリ防止剤・安定剤: 特開平2-68539 号公報第10
頁左下欄17行目〜同第11頁左上欄7行目及び同第3頁左
下欄2行目〜同第4頁左下欄。 4.分光増感色素: 同第4頁右下欄4行目〜同第8頁右
下欄及び特開平2-58041号公報第12頁左下欄8行目〜同
右下欄19行目。 5.界面活性剤・帯電防止剤: 特開平2-68539 号公報第
11頁左上欄14行目〜同第12頁左上欄9行目及び特開平2-
58041 号第2頁左下欄14行目〜第5頁12行目。 6.マット剤・可塑剤・滑り剤: 同第12頁左上欄10行目
〜同右上欄10行目及び特開平2-58041 号公報第5頁左下
欄13行目〜同第10頁左下欄3行目。 7.親水性コロイド: 特開平2-68539 号公報第12頁右上
欄11行目〜同左下欄16行目。 8.硬膜剤: 同第12頁左下欄17行目〜同第13頁右上欄6
行目。 9.現像処理方法: 同第15頁左上欄14行目〜同左下欄13
行目。
【0078】上記で述べた他に、本発明は拡散転写写
真、所謂インスタント写真に適用することができる。こ
の拡散転写写真の例は、特開平5-297544号に記載されて
いる。また、本発明は、熱現像感光材料にも利用でき
る。本発明が利用できる熱現像感光材料は、白黒画像を
形成するものでもカラー画像を形成するものでもよく、
例えば特開昭60-162251 号、同64-13546号、特開平1-16
1236号、米国特許第4,474,867 号、同第4,478,927 号、
同第4,507,380 号、同第4,500,626 号、同第4,483,914
号、同第4,783,396 号、同第4,740,445 号、特開昭59-2
31539 号、同60-2950 号等に記載されている熱現像感光
材料が挙げられる。また、本発明は、オートポジ乳剤を
用いた湿式はんてんからひコピー材料に利用することが
できる。この材料については、特開平3-152530号の実施
例-1の試料101 および特開平2-90145 号の試料1に記載
されている。
【0079】以下、本発明を適用できるカラー拡散転写
用のハロゲン化銀感光材料について説明する。本発明に
用いる感光材料は、基本的には支持体上に感光性ハロゲ
ン化銀、バインダーをおよび色素供与性化合物(還元剤
を兼ねる場合がある)などを有するものである。これら
の成分は同一の層に添加することが多いが、反応可能な
状態であれば別層に分割して添加することもできる。例
えば着色している色素供与性化合物はハロゲン化銀乳剤
の下層に存在させると感度の低下を防げる。
【0080】イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用
いて色度図内の広範囲の色を得るためには、少なくとも
3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハ
ロゲン化銀乳剤層を組み合わせて用いる。例えば青感
層、緑感層、赤感層の3層の組み合わせ、緑感層、赤感
層、赤外感光層の組み合わせ、あるいは、赤感層、第一
赤外層、第二赤外層の組合せなどがある。各感光層は通
常型のカラー感光材料で知られている種々の配列順序を
採ることができる。また、これらの各感光層は必要に応
じて2層以上に分割してもよい。熱現像感光材料には、
保護層、下塗り層、中間層、黄色フィルター層、アンチ
ハレーション層、バック層等の種々の補助層を設けるこ
とができる。 (ハロゲン化銀粒子の基本的構成と調製方法)本発明に
使用し得るハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、沃臭化
銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩沃臭化銀のいずれでもよい
が、好ましくは、30モル%以下の沃化銀を含む沃臭化
銀、塩化銀、臭化銀および塩臭化銀である。本発明で使
用するハロゲン化銀乳剤は、表面潜像型であっても内部
潜像型であってもよい。内部潜像型乳剤は造核剤や光カ
ブラセとを組合わせて直接反転乳剤として使用される。
また、粒子内部と粒子表面で異なるハロゲン組成をもっ
たいわゆる多重構造粒子であってもよい。多重構造粒子
のうち二重構造のものを特にコアシェル乳剤と呼ぶこと
がある。
【0081】本発明で使用するハロゲン化銀は、多重構
造粒子である方が好ましく、コアシェル乳剤はさらに好
ましい。しかし、本発明は、これに限定されるものでは
ない。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、単分散乳剤
であることが好ましく、特開平3−110555号に記
載されている変動係数で20%以下が好ましい。より好
ましくは16%以下で、さらに好ましくは10%以下で
ある。しかし、本発明は、この単分散乳剤に限定される
ものではない。
【0082】本発明で用いるハロゲン化銀粒子の平均粒
子サイズは、0.1μmから2.2μmで、好ましくは
0.1μmから1.2μmである。ハロゲン化銀粒子の
晶癖は、立方体、八面体、高アスペクト比の平板状、ジ
ャガイモ状、その他のいずれでもよい。より好ましくは
立方体乳剤である。具体的には、米国特許第45006
26号第50欄、同4628021号、リサーチ・ディ
スクロージャー誌(以下RDと略する。)17029
(1978年)、特開昭62−25159号等に記載さ
れているハロゲン化銀乳剤のいずれもが使用できる。
【0083】本発明のハロゲン化銀乳剤を調製する過程
で、過剰の塩を除去するいわゆる脱塩工程を行う場合
に、このための手段として古くから知られたゼラチンを
ゲル化させて行うヌーデル水洗法を用いてもよく、また
多価アニオンより成る無機塩類、例えば硫酸ナトリウ
ム、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例え
ばポリスチレンスルホン酸)、あるいは、ゼラチン誘導
体(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼ
ラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチンなど)を利用し
た沈降法(フロキュレーション)を用いてもよい。好ま
しくは、後述する沈降剤(a)や沈降剤(b)などで表
される化合物を用いた沈降法とするのがよいが、本発明
はこれによって限定されるものではない。前記の沈降剤
を全く用いず限外濾過法によってもよい。なお、過剰の
塩の除去は省略してもよい。
【0084】本発明で用いるハロゲン化銀乳剤は、種々
の目的でイリジウム、ロジウム、白金、カドミウム、亜
鉛、タリウム、鉛、鉄、クロムなどの重金属を含有させ
てもよい。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、
また2種以上組み合わせて用いてもよい。添加量は使用
する目的によるが、一般的にはハロゲン化銀1モルあた
り10-9〜10-3モル程度である。また、含有させる時
には、粒子に均一に入れてもよいし、また粒子の表面や
内部に局在化させてもよい。
【0085】本発明で用いるイリジウムの好ましい添加
量は、ハロゲン化銀1モルあたり10-9〜10-4モルで
あり、より好ましくは10-8〜10-6モルである。コア
シェル乳剤の場合は、コアおよび/またはシェルにイリ
ジウムを添加してもよい。化合物としては、K2 IrC
6 やK3 IrCl6 が好ましく用いられる。
【0086】また、本発明で用いるロジウムの好ましい
添加量は、ハロゲン化銀1モルあたり10-9〜10-6
ルである。また、本発明で用いる鉄の好ましい添加量
は、ハロゲン化銀1モルあたり10-7〜10-3モルであ
り、より好ましくは10-6〜10-3モルである。これら
の重金属の一部、または全部を塩化銀、塩臭化銀、臭化
銀、沃臭化銀等の微粒子乳剤にあらかじめドープさせて
からこの微粒子乳剤を添加することにより、ハロゲン化
銀乳剤表面に局所的にドープさせる方法も好ましく用い
られる。ハロゲン化銀粒子の形成段階において、ハロゲ
ン化銀溶剤としてロダン塩、NH3 および後述する化合
物(a)で示されるような四置換チオエーテル化合物や
特公昭47−11386号記載の有機チオエーテル誘導
体または特開昭53−144319号に記載されている
含硫黄化合物などを用いることができる。ハロゲン化銀
粒子の形成段階において特公昭46−7781号、特開
昭60−222842号、特開昭60−122935号
などに記載されているような含窒素化合物を添加するこ
とができる。本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとしておよびその他の親水性コロイドのバインダ
ーとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ
以外にも親水性コロイドも用いることができる。例えば
ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリ
マー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエ
チルセルロース、セルロース硫酸エステル類等のような
セルロース誘導体;アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体;ポ
リビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタ
ール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、
ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイ
ミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共
重合体のような多種の合成親水性高分子物質を用いるこ
とができる。
【0087】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンやブリテン、ソサイエティ オブ
ザ サイエンティフィック、フォトグラフィ オブ ジ
ャパン(Bull.Soc.Sci.Phot.,Japan)、No. 16:Page
30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチン
を用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分
解物も用いることができる。
【0088】その他の条件についてはピー グラフキデ
(P.Glafkides )著、「シミー エフィジック フォト
グラフィック(Chemie et Physique Photographique)」
〔ポールモンテル Paul Montel 社刊、1697年)、
ジー エフ デュフィン(G.F.Duffin)著、「フォトグラ
フィック エマルジョン ケミストリー( Photographi
c Emulsion Chemistry)」(ザ フォーカル プレス
The Focal Press 社刊、1966年)、ヴィ エル ツ
ェリクマン他(V.L.Zelikman et al)著、「メーキング
アンド コーティング フォトグラフィック エマル
ジョン(Makingand Coating Photographic Emulsion)」
(ザ フォーカル プレス The Focal Press 社刊、1
964年)などの記載を参照すればよい。すなわち酸性
法、中性法、アンモニア法のいずれでもよく、また、可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては
片側混合法、同時混合法、それらの組合わせのいずれを
用いてもよい。
【0089】粒子を銀イオン過剰の下において形成させ
る方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同
時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される
液相中のpAgを一定に保つ方法、いわゆるコントロー
ルド、ダブルジェット法を用いることもできる。また、
粒子成長を速めるため、添加する銀塩およびハロゲン塩
の添加濃度、添加量または添加速度を上昇させてもよい
(特開昭55−142329号、同55−158124
号、米国特許第3650757号等)。粒子形成中また
は粒子形成後にハロゲン化銀粒子表面を難溶性のハロゲ
ン化銀粒子を形成するハロゲンで置換してもよい。さら
に反応液の攪拌方法は公知のいずれの攪拌法でもよい。
またハロゲン化銀粒子形成中の反応液の温度、pHはど
のように設定してもよい。好ましいpHの範囲は2.2
〜6.0、より好ましくは3.0〜5.5である。本発
明で使用される青感層用乳剤としては、特願平3−30
8225号に記載されている。粒子表面に高い沃化銀含
有率の層を持つハロゲン化銀粒子からなり、かつ脱塩お
よび沃素イオン添加前に化学増感を行ったハロゲン化銀
乳剤が特に好ましい。
【0090】(増感色素の添加方法)増感色素の添加方
法は基本的にはいつでもよい。つまり、ハロゲン化銀乳
剤粒子の形成の始め(核形成の前に添加してもよい)、
途中、形成後、あるいは、脱塩工程の始め、途中、終了
後、ゼラチンの再分散時、さらに、化学増感の前後、途
中、または、塗布液調製時である。好ましくは、ハロゲ
ン化銀粒子形成途中および終了後あるいは、化学増感の
前後、途中に添加することである。化学増感後の添加と
は、化学増感に必要な全ての薬品が添加された後に、増
感色素を添加することである。
【0091】米国特許第4183756号に記載されて
いるようにハロゲン化銀粒子が生じる前に可溶性銀塩
(例えば硝酸銀)とハロゲン化物(例えば臭化カリウ
ム)との反応系に存在させてもよいし、米国特許第42
25666号に記載されているようにハロゲン化銀粒子
の核形成後で、且つハロゲン化銀粒子形成工程終了前
に、前記の反応系に存在させてもよい。またハロゲン化
銀粒子形成と同時、すなわち前記銀塩とハロゲン化物と
を混合するのと同時に増感色素を反応液中に存在させて
もよく、このようにして調整した乳剤を含有する感光材
料は高温状態下での保存性、および階調においてより優
れている。添加液の濃度、溶媒、添加する時間(一括添
加でも時間をかけて添加してもよい。)、温度、pHな
どは、いずれの条件でもよい。また、液面添加、液中添
加のいずれでもよい。これらの条件は、特開平3−11
0555号などに詳しく記載されている。
【0092】(増感色素の種類)本発明で用いられる乳
剤で使用する増感色素には、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホ
ロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル
色素およびヘミオキソノール色素が包含される。具体的
には、米国特許第4617257号、特開昭59−18
0550号、同60−140335号、RD17029
(1978年)12〜13頁等に記載の増感色素が挙げ
られる。これらの増感色素は単独に用いてもよいが、そ
れらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用を持たない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増感
を示す化合物を乳剤中に含んでもよい(例えば米国特許
第3615641号、特開昭63−23145号等に記
載のもの)。
【0093】本発明では、前記のいずれの添加方法にお
いても、増感色素の総添加量を一度に添加してもよく、
また、何回かに分割して添加してもよい。さらには可溶
性銀塩および/またはハロゲン化物との混合物の形で増
感色素を添加してもよい。増感色素はメタノール、エタ
ノール、プロパノール、フッ素化アルコール、メチルセ
ロソルブ、ジメチルホルムアミド、アセトン等の水と相
溶性のある有機溶剤や水(アルカリ性でも酸性でもよ
い)に溶解させて添加してもよいし、前記のものを2種
類以上併用してもよい。また水/ゼラチン分散系に分散
した形でまたは凍結乾燥した粉末の形で添加してもよ
い。さらに界面活性剤を用いて分散した粉末または溶液
の形で添加してもよい。本発明の乳剤に用いる増感色素
は、例えば、特開平3−296745、同4−3185
4号等に記載されているものであってもよい。増感色素
の使用量は乳剤製造に使用する銀100gあたり0.0
01g〜20gが適当であり、好ましくは0.01〜2
gである。
【0094】(化学増感)本発明で用いられるハロゲン
化銀乳剤は、未化学増感のままでも使用できるが、化学
増感して感度を上げたものの方が好ましい。化学増感と
しては、硫黄増感、金増感、還元増感、またこれらの組
合わせのいずれでもよい。その他、セレン、テルルなど
の硫黄以外のカルコゲン元素を含む化合物による化学増
感や、パラジウム、イリジウムなどの貴金属による化学
増感も上記の化学増感に組合せてもよい。また、4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−(1,3,3a,7)−テトラ
アザインデンに代表される含窒素複素環化合物等の抑制
剤添加する方法も好ましく用いられる。添加量の好まし
い範囲はハロゲン化銀1モルあたり10-1〜10-5モル
である。化学増感時のpHは、好ましくは5.3〜1
0.5、より好ましくは5.5〜9.5である。
【0095】硫黄増感剤としては、活性ゼラチンや銀と
反応し得る硫黄を含む化合物であり、例えばチオ硫酸
塩、アリルチオカルバミド、チオ尿素、アリルイソチア
シアナート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸、
ローダン、メルカプト化合物類などが用いられる。その
他、米国特許第1574944号、同第2410689
号、同第2278947号、同第2728668号、同
第3656955号等に記載されたものも用いることが
できる。
【0096】本発明において使用される感光性ハロゲン
化銀の塗布量は、銀換算1mg/m2ないしは10g/m2
範囲である。ハロゲン化銀乳剤は未後熟のまま使用して
もよいが通常は化学増感して使用する。通常型感光材料
用乳剤で公知の硫黄増感法、還元増感法、貴金属増感法
およびセレン増感法などを単独または組合わせて用いる
ことができる。これらの化学増感を含窒素複素環化合物
の存在下で行うこともできる(特開昭62−25315
9号)。本発明において使用される感光性ハロゲン化銀
の塗設量は、銀換算1mgないし10g/m2の範囲であ
る。本発明を熱現像感光材料に応用する場合には、感光
性ハロゲン化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用
することもできる。このような有機金属塩の中、有機銀
塩は、特に好ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤
を形成するのに使用し得る有機化合物としては、米国特
許第4,500,626号第52〜53欄等に記載のベ
ンゾトリアゾール類、脂肪酸その他の化合物がある。ま
た特開昭60−113235号記載のフェニルプロピオ
ール酸銀などのアルキニル基を有するカルボン酸の銀塩
や、特開昭61−249044号記載のアセチレン銀も
有用である。有機銀塩は2種以上を併用してもよい。以
上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり、
0.01ないし10モル、好ましくは0.01ないし1
モルを併用することができる。感光性ハロゲン化銀と有
機銀塩の塗布量合計は銀換算で50mgないし10g/m2
が適当である。
【0097】本発明においては種々のカブリ防止剤また
は写真安定剤を使用することができる。その例として
は、RD17643(1978年)24〜25頁に記載
のアゾール類やアザインデン類、特開昭59−1684
42号記載の窒素を含むカルボン酸類およびリン酸類、
あるいは特開昭59−111636号記載のメルカプト
化合物およびその金属塩、特開昭62−87957号に
記載されているアセチレン化合物類などが用いられる。
【0098】感光材料や色素固定要素の構成層のバイン
ダーには親水性のものが好ましく用いられる。その例と
しては特開昭62−253159号の(26)頁〜(2
8)頁に記載されたものが挙げられる。具体的には、透
明か半透明の親水性バインダーが好ましく、例えばゼラ
チン、ゼラチン誘導体等のタンパク質またはセルロース
誘導体、デンプン、アラビアゴム、デキストラン、プル
ラン等の多糖類のような天然化合物と、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合
体、その他の合成高分子化合物が挙げられる。また、特
開昭62−245260号等に記載の高吸水性ポリマ
ー、すなわち−COOMまたは−SO3 M(Mは水素原
子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独
重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニ
ルモノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウ
ム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のス
ミカゲルL−5H)も使用される。これらのバインダー
は2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0099】微量の水を供給して熱現像を行うシステム
を採用する場合、上記の高吸水性ポリマーを用いること
により、水の吸収を迅速に行うことが可能となる。ま
た、高吸水性ポリマーを色素固定層やその保護層に使用
すると、転写後に色素が色素固定要素から他のものに再
転写するのを防止することができる。本発明において、
バインダーの塗布量は1m2当たり20g以下が好まし
く、特に10g以下、更には7g以下にするのが適当で
ある。感光材料または色素固定要素の構成層(バック層
を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜
のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良の目的
で種々のポリマーラテックスを含有させることができ
る。具体的には、特開昭62−245258号、同62
−136648号、同62−110066号等に記載の
ポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、ガラ
ス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックスを媒
染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止することがで
き、またガラス転移点が高いポリマーラテックスをバッ
ク層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0100】本発明に用いる還元剤としては、感光材料
の分野で知られているものを用いることができる。ま
た、後述する還元性を有する色素供与性化合物も含まれ
る(この場合、その他の還元剤を併用することもでき
る)。また、それ自身は還元性を持たないが現像過程で
求核試薬や熱の作用により還元性を発現する還元剤ブロ
ック化合物も用いることができる。本発明に用いられる
還元剤の例としては、米国特許第4,500,626号
の第49〜50欄、同4,483,914号の第30〜
31欄、同4,330,617号、同4,590,15
2号、特開昭60−140335号の第(17)〜(1
8)頁、同57−40245号、同56−138736
号、同59−178458号、同59−53831号、
同59−182449号、同59−182450号、同
60−119555号、同60−128436号から同
60−128439号まで、同60−198540号、
同60−181742号、同61−259253号、同
62−244044号、同62−131253号から同
62−131256号まで、欧州特許第220,746
A2号の第78〜96頁等に記載の還元剤や還元剤ブロ
ック化合物がある。
【0101】米国特許第3,039,869号に開示さ
れているもののような種々の還元剤の組合せも用いるこ
とができる。耐拡散性の還元剤を使用する場合には、耐
拡散性還元剤と現像可能なハロゲン化銀との間の電子移
動を促進するために、必要に応じて電子伝達剤および/
または電子伝達剤ブロック化合物を組合せて用いること
ができる。電子伝達剤またはそのブロック化合物は、前
記した還元剤またはそのブロック化合物の中から選ぶこ
とができる。電子伝達剤またはそのブロック化合物はそ
の移動性が耐拡散性の還元剤(電子供与体)より大きい
ことが望ましい。特に有用な電子伝達剤は1−フェニル
−3−ピラゾリドン類又はアミノフェノール類である。
電子伝達剤と組合せて用いる耐拡散性の還元剤(電子供
与体)としては、前記した還元剤の中で感光材料の層中
で実質的に移動しないものであればよく、好ましくはハ
イドロキノン類、スルホンアミドフェノール類、スルホ
ンアミドナフトール類、特開昭53−110827号に
電子供与体として記載されている化合物および後述する
耐拡散性で還元性を有する色素供与性化合物等が挙げら
れる。本発明に於いては還元剤の添加量は銀1モルに対
して0.01〜20モル、特に好ましくは0.1〜10
モルである。
【0102】本発明においては、高温状態下で銀イオン
が銀に還元される際、この反応に対応して、あるいは逆
対応して可動性色素を生成するか、あるいは放出する化
合物、すなわち色素供与性化合物を含有させる。本発明
で使用し得る式(I) 以外の色素供与性化合物の例とし
て次の一般式〔LI〕で表わすことができる。 (Dye−G)q −Y 〔LI〕 Dyeは色素基、一時的に短波化された色素基または色
素前駆体基( 特にマゼンタ、シアン色を与えるもの)を
表わし、q、G、Yは式(II) のq、G、Yと同義であ
る。色素供与性化合物、耐拡散性還元剤などの疎水性添
加剤は米国特許第2,322,027号記載の方法など
の公知の方法により感光材料の層中に導入することがで
きる。この場合には、特開昭59−83154号、同5
9−178451号、同59−178452号、同59
−178453号、同59−178454号、同59−
178455号、同59−178457号などに記載の
ような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃〜1
60℃の低沸点有機溶媒と併用して用いることができ
る。
【0103】高沸点有機溶媒の量は用いられる色素供与
性化合物1gに対して10g以下、好ましくは5g以下
である。また、バインダー1gに対して1cc以下、更に
は0.5cc以下、特に0.3cc以下が適当である。特公
昭51−39853号、特開昭51−59943号に記
載されている重合物による分散法も使用できる。水に実
質的に不溶な化合物の場合には、前記方法以外にバイン
ダー中に微粒子にして分散含有させることができる。疎
水性化合物を親水性コロイドに分散する際には、種々の
界面活性剤を用いることができる。例えば特開昭59−
157636号の第(37)〜(38)頁に界面活性剤
として挙げたものを使うことができる。
【0104】本発明においては感光材料に現像の活性化
と同時に画像の安定化を図る化合物を用いることができ
る。好ましく用いられる具体的化合物については米国特
許第4,500,626号の第51〜52欄に記載され
ている。本発明においては、鮮鋭度向上等の目的で非拡
散性のフィルター染料を含有することができる。必要に
応じて赤外域に吸収をもつフィルター染料を使用するこ
ともできる。このようなフィルター染料の詳細について
は、特願平2−137885号、特開平4−21724
3号、同4−276744号、同5−45834号など
に記載されている。
【0105】色素の拡散転写により画像を形成するシス
テムにおいては感光材料と共に色素固定要素が用いられ
る。色素固定要素は感光材料とは別々の支持体上に別個
に塗設される形態であっても、感光材料と同一の支持体
上に塗設される形態であってもよい。感光材料と色素固
定要素相互の関係、支持体との関係、白色反射層との関
係は米国特許第4,500,626号の第57欄に記載
の関係が本願にも適用できる。本発明に好ましく用いら
れる色素固定要素は媒染剤とバインダーを含む層を少な
くとも1層有する。媒染剤は写真分野で公知のものを用
いることができ、その具体例としては米国特許第4,5
00,626号第58〜59欄や特開昭61−8825
6号第(32)〜(41)頁に記載の媒染剤、特開昭6
2−244043号、同62−244036号等に記載
のものを挙げることができる。また、米国特許第4,4
63,079号に記載されているような色素受容性の高
分子化合物を用いてもよい。色素固定要素には必要に応
じて保護層、剥離層、カール防止層などの補助層を設け
ることができる。特に保護層を設けるのは有用である。
【0106】感光材料や色素固定要素の構成層のバイン
ダーには親水性のものが好ましく用いられる。その例と
しては特開昭62−253159号の(26)頁〜(28)頁に
記載されたものが挙げられる。具体的には、透明か半透
明の親水性バインダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼ
ラチン誘導体等のタンパク質またはセルロース誘導体、
デンプン、アラビアゴム、デキストラン、プルラン等の
多糖類のような天然化合物と、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体、その他
の合成高分子化合物が挙げられる。また、特開昭62−
245260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち
−COOMまたは−SO3 M(Mは水素原子またはアル
カリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体または
このビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーと
の共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリ
ル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−
5H)も使用される。これらのバインダーは2種以上組
み合わせて用いることもできる。
【0107】微量の水を供給して熱現像を行なうシステ
ムを採用する場合、上記の高吸水性ポリマーを用いるこ
とにより、水の吸収を迅速に行なうことが可能となる。
また、高吸水性ポリマーを色素固定層やその保護層に使
用すると、転写後に色素が色素固定要素から他のものに
再転写するのを防止することができる。本発明におい
て、バインダーの塗布量は1m2当たり20g以下が好ま
しく、特に10g以下、さらには7g以下にするのが適
当である。感光材料および色素固定要素の構成層には、
可塑剤、スベリ剤、あるいは感光材料と色素固定要素の
剥離性改良剤として高沸点有機溶媒を用いることができ
る。具体的には特開昭62−253159号の(25)
頁、同62−245253号などに記載されたものがあ
る。更に、上記の目的のために、各種のシリコーンオイ
ル(ジメチルシリコーンオイルからジメチルシロキサン
に各種の有機基を導入した変性シリコーンオイルまでの
総てのシリコーンオイル)を使用できる。その例として
は、信越シリコーン(株)発行の「変性シリコーンオイ
ル」技術資料P6−18Bに記載の各種変性シリコーン
オイル、特にカルボキシ変性シリコーン(商品名X−2
2−3710)などが有効である。また特開昭62−2
15953号、同63−46449号に記載のシリコー
ンオイルも有効である。
【0108】感光材料や色素固定要素には退色防止剤を
用いてもよい。退色防止剤としては、例えば酸化防止
剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯体がある。
酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合物、クマラ
ン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒンダードフ
ェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミ
ン誘導体、スピロインダン系化合物がある。また、特開
昭61−159644号記載の化合物も有効である。紫
外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物(米
国特許第3,533,794号など)、4−チアゾリド
ン系化合物(米国特許第3,352,681号など)、
ベンゾフェノン系化合物(特開昭46−2784号な
ど)、その他特開昭54−48535号、同62−13
6641号、同61−88256号等に記載の化合物が
ある。また、特開昭62−260152号記載の紫外線
吸収性ポリマーも有効である。金属錯体としては、米国
特許第4,241,155号、同4,245,018号
第3〜36欄、同第4,254,195号第3〜8欄、
特開昭62−174741号、同61−88256号
(27)〜(29)頁、同63−199248号、特開
平1−75568号、同1−74272号等に記載され
ている化合物がある。
【0109】有用な退色防止剤の例は特開昭62−21
5272号(125)〜(137)頁に記載されてい
る。色素固定要素に転写された色素の退色を防止するた
めの退色防止剤は予め色素固定要素に含有させておいて
もよいし、感光材料などの外部から色素固定要素に供給
するようにしてもよい。上記の酸化防止剤、紫外線吸収
剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせて使用してもよ
い。感光材料や色素固定要素には蛍光増白剤を用いても
よい。特に色素固定要素に蛍光増白剤を内蔵させるか、
感光材料などの外部から供給させるのが好ましい。その
例としては、K.Veenkataraman 編「The Chemistry of S
ynthetic Dyes 」第V巻第8章、特開昭61−1437
52号などに記載されている化合物を挙げることができ
る。より具体的には、スチルベン系化合物、クマリン系
化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル系化
合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、
カルボスチリル系化合物などが挙げられる。蛍光増白剤
は退色防止剤と組み合わせて用いることができる。
【0110】感光材料や色素固定要素の構成層に用いる
硬膜剤としては、米国特許第4,678,739号第4
1欄、特開昭59−116655号、同62−2452
61号、同61−18942号等に記載の硬膜剤が挙げ
られる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルム
アルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬
膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−
ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N
−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ある
いは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号などに
記載の化合物)が挙げられる。感光材料や色素固定要素
の構成層には、塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、
帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用
することができる。界面活性剤の具体例は特開昭62−
173463号、同62−183457号等に記載され
ている。
【0111】感光材料や色素固定要素の構成層には、ス
ベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フル
オロ化合物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代
表例としては、特公昭57−9053号第8〜17欄、
特開昭61−20944号、同62−135826号等
に記載されているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油
などのオイル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレ
ン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ
素化合物が挙げられる。感光材料や色素固定要素にはマ
ット剤を用いることができる。マット剤としては二酸化
ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレートなど
の特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物の
他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート
樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274
944号、同63−274952号記載の化合物があ
る。マット剤は接着防止やスベリ性調節、ニュートンリ
ング防止の目的以外にも色素固定要素表面(画像表面)
の非光沢化の目的にも用いることができる。その他、感
光材料および色素固定要素の構成層には、熱溶剤、消泡
剤、防菌防バイ剤、コロイダルシリカ等を含ませてもよ
い。これらの添加剤の具体例は特開昭61−88256
号第(26)〜(32)頁に記載されている。
【0112】本発明において感光材料及び/又は色素固
定要素には画像形成促進剤を用いることができる。画像
形成促進剤には銀塩酸化剤と還元剤との酸化還元反応の
促進、色素供与性物質からの色素の生成または色素の分
解あるいは拡散性色素の放出等の反応の促進および、感
光材料層から色素固定層への色素の移動の促進等の機能
があり、物理化学的な機能からは塩基または塩基ブロッ
ク化合物、求核性化合物、高沸点有機溶媒(オイル)、
熱溶剤、界面活性剤、銀または銀イオンと相互作用を持
つ化合物等に分類される。ただし、これらの物質群は一
般に複合機能を有しており、上記の促進効果のいくつか
を合せ持つのが常である。これらの詳細については米国
特許4,678,739号第38〜40欄に記載されて
いる。塩基ブロック化合物としては、熱により脱炭酸す
る有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転
位またはベックマン転位によりアミン類を放出する化合
物などがある。その具体例は米国特許第4,511,4
93号、特開昭62−65038号等に記載されてい
る。少量の水の存在下に熱現像と色素の転写を同時に行
うシステムにおいては、塩基及び/又は塩基ブロック化
合物は色素固定要素に含有させるのが感光材料の保存性
を高める意味で好ましい。上記の他に、欧州特許公開2
10,660号、米国特許第4,740,445号に記
載されている難溶性金属化合物およびこの難溶性金属化
合物を構成する金属イオンと錯形成反応しうる化合物
(錯形成化合物という)の組合せや、特開昭61−23
2451号に記載されている電解により塩基を発生する
化合物なども塩基ブロック化合物として使用できる。特
に前者の方法は効果的である。この難溶性金属化合物と
錯形成化合物は、感光材料と色素固定要素に別々に添加
するのが有利である。
【0113】本発明において感光材料及び/又は色素固
定要素には、現像時の処理温度および処理時間の変動に
対し、常に一定の画像を得る目的で種々の現像停止剤を
用いることができる。ここでいう現像停止剤とは、適性
現像後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中
の塩基濃度を下げ現像を停止する化合物または銀および
銀塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。具体
的には、加熱により酸を放出する酸ブロック化合物、加
熱により共存する塩基と置換反応を起す親電子化合物、
または含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物及びそ
の前駆体等が挙げられる。更に詳しくは特開昭62−2
53159号(31)〜(32)頁に記載されている。
本発明において感光材料や色素固定要素の支持体として
は、処理温度に耐えることのできるものが用いられる。
一般的には、紙、合成高分子(フィルム)が挙げられ
る。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリアセチ
ルセルロース)またはこれらのフィルム中へ酸化チタン
などの顔料を含有させたもの、更にポリプロピレンなど
から作られるフィルム法合成紙、ポリエチレン等の合成
樹脂パルプと天然パルプとから作られる混抄紙、ヤンキ
ー紙、バライタ紙、コーティッドペーパー(特にキャス
トコート紙)、金属、布類、ガラス類等が用いられる。
【0114】これらは、単独で用いることもできるし、
ポリエチレン等の合成高分子で片面または両面をラミネ
ートされた支持体として用いることもできる。この他
に、特開昭62−253159号(29)〜(31)頁
に記載の支持体を用いることができる。これらの支持体
の表面に親水性バインダーとアルミナゾルや酸化スズの
ような半導体金属酸化物、カーボンブラックその他の帯
電防止剤を塗布してもよい。感光材料に画像を露光し記
録する方法としては、画像情報を電気信号を経由して発
光ダイオード、各種レーザーなどを発光させ露光する方
法、画像情報をCRT、液晶ディスプレイ、エレクトロ
ルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイな
どの画像表示装置に出力し、直接または光学系を介して
露光する方法などがある。具体的には特開平2−129
625号、特願平3−338182号、同4−0093
88号、同4−281442号等に記載の露光方法を用
いることができる。感光材料へ画像を記録する光源とし
ては、上記のように、発光ダイオード、レーザー光源、
CRT光源などの米国特許第4,500,626号第5
6欄記載の光源を用いることができる。
【0115】次に、本発明に好ましく用いられる磁気記
録層について説明する。磁気記録層とは、磁性体粒子を
バインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液
を支持体上に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe
2O3 などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグ
ネタイト、、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロ
ム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライ
ト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを
使用できる。Co被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄
が好ましい。形状としては針状、米粒状、球状、立方体
状、板状等いずれでもよい。比表面積では SBETで20m2/
g以上が好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性
体の飽和磁化(σs)は、好ましくは 3.0×104 〜 3.0×
105A/mであり、特に好ましくは4.0 ×104〜2.5 ×105A/
mである。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアル
ミナや有機素材による表面処理を施してもよい。さら
に、磁性体粒子は特開平6-161032に記載された如くその
表面にシランカップリング剤又はチタンカップリング剤
で処理されてもよい。又特開平4-259911、同5-81652 号
に記載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使
用できる。
【0116】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解
性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導
体など)およびそれらの混合物を使用することができ
る。上記の樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均分子量
は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セ
ルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルローストリプロピオネートなどの
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特に
セルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダ
ーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の
架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシア
ネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネ
ート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリ
レンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1m
olの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮
合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、
例えば特開平6-59357 に記載されている。
【0117】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、特開平6-35092 に記載されている方法のよう
に、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好
ましく併用も好ましい。特開平5-088283に記載の分散剤
や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の
厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜 5μ
m、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体粒
子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:100
からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁性
体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2、好ましくは0.01〜 2
g/m2、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2である。磁気記
録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.
03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。
磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によ
って全面またはストライプ状に設けることができる。磁
気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレ
ード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、
トランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、ス
プレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利
用でき、特開平5-341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0118】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同
5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されてい
る。
【0119】次に本発明に好ましく用いられるポリエス
テル支持体について記すが、後述する感材、処理、カー
トリッジ及び実施例なども含め詳細については、公開技
報、公技番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載され
ている。本発明に用いられるポリエステルはジオールと
芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族
ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及
び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げら
れる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキ
サンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙
げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステ
ルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,
6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000
ないし 200,000である。本発明のポリエステルのTgは50
℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0120】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しな
がら熱処理してもよい。この熱処理時間は、 0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時
間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施して
もよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。
表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無
機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端
部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻
芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望
ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、
バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布
後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防
止剤塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤
を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、
三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエ
ステル用として市販されている染料または顔料を練り込
むことにより目的を達成することが可能である。
【0121】支持体と感材構成層を接着させるために、
表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的処理、
コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、
グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混
酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理が挙げ
られる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照射処
理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。次に下
塗法について述べると、単層でもよく2層以上でもよ
い。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体
を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレン
イミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセ
ルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体を膨潤させる
化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールがあ
る。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロ
ム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グ
ルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハ
ロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S
−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビ
ニルスルホン化合物などを挙げることができる。SiO2
TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重
合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤として含有させ
てもよい。
【0122】また、好ましく用いられる帯電防止剤とし
ては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含
む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合
物を挙げることができる。帯電防止剤として最も好まし
いものは、 ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2
MgO、 BaO、MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種
の体積抵抗率が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω
・cm以下である粒子サイズ 0.001〜 1.0μm結晶性の金
属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,
C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量と
しては、 5〜500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜35
0mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化
物とバインダーの量の比は1/300 〜 100/1が好ましく、
より好ましくは 1/100〜 100/5である。
【0123】本発明の感材には滑り性がある事が好まし
い。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いるこ
とが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.
25以下0.01以上である。この時の測定は直径 5mmのステ
ンレス球に対し、 60cm/分で搬送した時の値を表す(25
℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面
に置き換えてももほぼ同レベルの値となる。本発明に使
用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高
級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級
アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサ
ンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシ
ロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサン等を用いることができる。添加層と
しては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリ
ジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステル
が好ましい。
【0124】本発明の感材にはマット剤が有る事が好ま
しい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでも
よいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。
マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好
ましくは両者を併用することである。例えばポリメチル
メタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタク
リル酸= 9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子など
が好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、そ
の粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9〜 1.
1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ま
しい。又 マット性を高めるために 0.8μm以下の微粒
子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメ
タクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート
/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μm))、ポリス
チレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)
が挙げられる。
【0125】次に本発明で好ましく用いられるフィルム
パトローネについて記す。本発明で使用されるパトロー
ネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ま
しいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更
に本発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1-312537、同1-312538に記
載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下
が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を
付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込ん
だプラスチックを使って製作される。パトローネのサイ
ズは現在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化
には、現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22
mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの
容積は、30cm3以下好ましくは 25cm3以下とすることが
好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用さ
れるプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0126】更に、スプールを回転してフイルムを送り
出すパトローネでもよい。またフイルム先端がパトロー
ネ本体内に収納され、スプール軸をフイルム送り出し方
向に回転させることによってフイルム先端をパトローネ
のポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらは
US 4,834,306、同 5,226,613に開示されている。本発明
に用いられる写真フイルムは現像前のいわゆる生フイル
ムでもよいし、現像処理された写真フイルムでもよい。
又、生フイルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パト
ローネに収納されていてもよいし、異なるパトローネで
もよい。
【0127】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0128】実施例1 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層よりなる多層カラー感光材
料である試料101を作製した。 (感光層の組成)塗布量はハロゲン化銀およびコロイド
銀については銀のg/m2単位で表した量を、またカプラ
ー、添加剤およびゼラチンについてはg/m2単位で表し
た量を、また増感色素については同一層内のハロゲン化
銀1モルあたりのモル数で示した。なお、添加物を示す
記号は下記に示す意味を有する。ただし、複数の効用を
有する場合はそのうち一つを代表して載せた。 UV;紫外線吸収剤、Solv;高沸点有機溶剤、Ex
F;染料、ExS;増感色素、ExC;シアンカプラ
ー、ExM;マゼンタカプラー、ExY;イエローカプ
ラー、Cpd;添加剤
【0129】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.15 ゼラチン 2.33 UV−1 1.9×10-2 UV−2 4.7×10-2 UV−3 8.6×10-2 ExF−3 5.0×10-3 ExM−3 2.3×10-2 Solv−1 0.16 Solv−2 0.10
【0130】第2層(中間層) ゼラチン 0.88 ポリエチルアクリレートラテックス 2.6×10-1 ExC−7 5.0×10-2
【0131】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 塗布銀量 0.24 沃臭化銀乳剤B 塗布銀量 0.65 ゼラチン 1.75 ExS−1 6.9×10-4 ExS−2 4.0×10-4 ExS−5 6.7×10-4 ExS−7 1.4×10-5 ExC−1 3.0×10-1 ExC−5 2.0×10-1 ExC−9 2.2×10-2 Cpd−4 5.3×10-2 ExC−4 6.1×10-2
【0132】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 塗布銀量 0.67 ゼラチン 0.94 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 2.0×10-4 ExS−5 3.4×10-4 ExS−7 6.9×10-6 ExC−1 1.3×10-1 ExC−4 4.6×10-2 ExC−5 8.6×10-2 ExC−6 1.1×10-2 ExC−7 4.6×10-2 Cpd−4 2.1×10-2
【0133】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 塗布銀量 0.67 ゼラチン 0.68 ExS−1 3.2×10-4 ExS−2 1.8×10-4 ExS−5 3.1×10-4 ExS−7 4.8×10-5 ExC−1 5.1×10-2 ExC−6 9.0×10-3 ExC−4 2.0×10-2 ExC−9 1.0×10-2 Cpd−4 2.1×10-3 Solv−1 0.08 Solv−2 0.04
【0134】第6層(中間層) ゼラチン 0.62 Cpd−1 0.08 ポリエチルアクリレートラテックス 4.1×10-2 Solv−1 4.0×10-2
【0135】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 塗布銀量 0.14 ゼラチン 0.49 ExS−8 5.7×10-5 ExS−4 9.0×10-4 ExS−5 1.8×10-4 ExM−1 0.26 Solv−1 0.15 Solv−3 7.0×10-3
【0136】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤F 塗布銀量 0.08 沃臭化銀乳剤E 塗布銀量 0.01 ゼラチン 0.14 ExS−8 4.3×10-5 ExS−4 6.8×10-4 ExS−5 1.3×10-4 ExM−1 4.9×10-2 ExM−7 1.0×10-2 ExY−1 5.0×10-3 Solv−1 3.3×10-2 Solv−3 1.5×10-3
【0137】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 塗布銀量 0.60 ゼラチン 0.60 ExS−4 5.0×10-4 ExS−5 9.9×10-5 ExS−8 3.2×10-5 ExM−7 2.4×10-2 ExM−1 8.4×10-2 ExY−1 6.7×10-2 ExC−1 6.0×10-3 ExC−4 8.0×10-3 Cpd−6 8.0×10-3 Solv−1 0.12 Solv−2 0.06 Solv−3 6.0×10-3
【0138】第10層(中間層) ゼラチン 0.39 UV−2 1.4×10-2 UV−3 1.6×10-2 UV−5 4.2×10-2 Cpd−1 2.6×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 1.4×10-2 Solv−1 2.8×10-2 第11層(赤感層に対する重層効果のドナー層) 沃臭化銀乳剤H 塗布銀量 1.12 沃臭化銀乳剤I 塗布銀量 0.26 ゼラチン 1.61 ExS−3 6.4×10-4 ExM−2 2.7×10-2 ExM−1 2.0×10-1 ExM−7 1.7×10-1 ExY−2 2.0×10-1 Solv−1 0.50 第12層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 3.3×10-2 ゼラチン 0.61 Cpd−1 4.3×10-2 Cpd−2 7.9×10-2 Cpd−5 1.0×10-3 Solv−1 4.7×10-2
【0139】第13層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 塗布銀量 0.62 ゼラチン 1.67 ExS−9 8.8×10-4 ExY−2 1.2×10-1 ExY−3 5.5×10-1 ExY−7 3×10-2 ExY−8 1×10-2 ExC−9 6.3×10-2 ExC−1 3.0×10-2 ExC−10 8.4×10-2 Solv−1 0.33
【0140】第14層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤K 塗布銀量 0.14 沃臭化銀乳剤L 塗布銀量 0.10 沃臭化銀乳剤M 塗布銀量 0.22 ゼラチン 1.00 ExS−6 4.4×10-4 ExY−2 7.6×10-2 ExY−3 1.1×10-1 ExY−6 3.1×10-1 ExY−7 3×10-2 ExY−8 1×10-2 ExC−1 1.8×10-2 ExC−10 2.3×10-2 Solv−1 1.7×10-1
【0141】第15層(第1保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤N 塗布銀量 0.06 ゼラチン 0.51 UV−2 4.0×10-2 UV−3 4.9×10-2 UV−5 0.12 Cpd−3 0.10 ExF−4 2.1×10-3 ExF−5 6.3×10-3 Solv−4 2.0×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 9.0×10-2
【0142】第16層(第2保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤N 塗布銀量 0.18 ゼラチン 0.84 B−1 (直径 2.0μm) 8.0×10-2 B−2 (直径 2.0μm) 8.0×10-2 B−3 3.5×10-2 W−5 1.8×10-2 H−1 0.18
【0143】こうして作製した試料には、上記の他に、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(ゼラチンに
対して平均 200ppm )、n−ブチル−p−ヒドロキシベ
ンゾエート(同約 1,000ppm )、および2−フェノキシ
エタノール(同約 10,000ppm)が添加された。更に、各
層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、
帯電防止性および塗布性をよくするためにW−1〜W−
6、B−1〜B−6、F−1〜F−17および鉄塩、鉛
塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有さ
れている。
【0144】
【表1】
【0145】表1において、 (1)乳剤A〜Mは、特開平2-191938号の実施例に従
い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調
製時に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Mは、特開平3-237450号の実施例に従
い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナト
リウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施さ
れている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子および粒子構造を有する正常晶粒子に
は特開平3-237450号に記載されているような転位線が高
圧電子顕微鏡を用いて観察されている。 (5)乳剤A〜Mは、B.H.Carroll,Photographic Scien
ce and Engineering,24,265(1980) などに記載の方法で
粒子内部にイリジウムを含有している。
【0146】
【化23】
【0147】
【化24】
【0148】
【化25】
【0149】
【化26】
【0150】
【化27】
【0151】
【化28】
【0152】
【化29】
【0153】
【化30】
【0154】
【化31】
【0155】
【化32】
【0156】
【化33】
【0157】
【化34】
【0158】
【化35】
【0159】
【化36】
【0160】
【化37】
【0161】
【化38】
【0162】
【化39】
【0163】試料101の第4層に一般式(I)の化合
物又は比較化合物をこの層のカプラーと共乳化して、こ
の層のAg1モルに対して1×10-2モルになるように
添加した。その他は試料101を作製した方法に準じて
表2のように試料102〜128を作製した。又、化合
物が2つ記してある場合は、1:1のモル比で混合して
用いて、合計のモル数がAg1モルに対して1×10-2
モルになるようにした。
【0164】撮影後、処理するまでの写真性の変動の評
価を以下の方法で行なった。これらの感光材料センシト
メトリー用露光を与えた後、40℃60%及び30℃8
0%の強制劣化条件下に1か月間保存した後に下記カラ
ー現像処理を38℃にして行ない、処理後の試料を赤色
フィルター及び青色フィルターで濃度測定した。これと
露光後直ちに現像処理を行なったサンプルとの感度の差
異の大きさを評価した。
【0165】
【化40】
【0166】以上の如くのカラー写真感光材料を露光し
たのち、以下に記載の方法で処理した。 (処理方法) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 3分15秒 38℃ 漂 白 3分00秒 38℃ 水 洗 30秒 24℃ 定 着 3分00秒 38℃ 水 洗(1) 30秒 24℃ 水 洗(2) 30秒 24℃ 安 定 30秒 38℃ 乾 燥 4分20秒 55℃
【0167】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5 mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−〔N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ〕− 2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0 リットル pH 10.05
【0168】 (漂白液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.03 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5 ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル pH 6.0
【0169】 (定着液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸アンモニウム 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 295.0 酢酸(90%) 3.3 水を加えて 1.0 リットル pH 6.7
【0170】(安定液) p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメ
チル)ピペラジン 0.75 ヒドロキシ酢酸 0.02 ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル化学HEC S
P−2000) 0.1 1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン 0.05 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0171】写真性の感度表示には光学濃度がカブリよ
りも1.0だけ高くなるのに要した露光量の逆数の対数
値を用いた。撮影後処理するまでの写真性の変動は露光
後強制劣化条件下に保存したものの感度を露光後直ちに
処理したものの感度に対する相対感度(対数値の差)で
示した。この値が0に近いほど写真性の変動が小さく好
ましい。
【0172】評価は一般式(I)の化合物を添加した赤
感性層の写真性変動と非添加層である青感性層の両方で
行なった。一般式(I)の化合物あるいは比較化合物を
添加した場合、添加しない場合(試料101)に対して
青感性層の写真性が変化することは、赤感性層(添加
層)から青感性層(非添加層)へ化合物が拡散している
ことを示しており好ましくない。
【0173】結果を表2に示した。
【0174】
【表2】
【0175】表2に示したように本発明の一般式(I)
の化合物を用いた感材は添加層(赤感光性層)の撮影後
処理するまでの写真性の経時変動が小さく、かつ非添加
層(青感光性層)の経時変動を悪化させることなく好ま
しいことが明らかである。また、本発明の一般式(I)
の化合物は他の写真性には無影響であり、非添加層の保
存性には無影響であった。
【0176】実施例2 実施例1表2に示した以外、本発明の化合物4〜6、
8、13〜18、20〜25、27〜28、30〜3
3、36〜38、41〜46、48〜51、53〜6
3、65〜67についても評価を行なったところ、実施
例1の試料には及ばないものの、これらの化合物は撮影
後放置した場合の写真性の経時変化を好ましく減少させ
る効果を示した。
【0177】実施例3 本発明の化合物を緑感光性層あるいは青感光性層に用い
ても実施例1と同様、添加層の保存性が改良され、かつ
非添加層には無影響であり好ましい効果を示した。
【0178】実施例4 実施例1の試料101のかわりに以下に示す試料201
を作製し、本発明の化合物の評価を行なったところ、実
施例1と同様に本発明の化合物を含有する本発明の感材
は添加層の保存性が改良され、かつ非添加層の保存性を
悪化させないという好ましい性能を示した。
【0179】1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。市販のポリエチレン−2、6−ナフタレートポリマ
ー 100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326 (チ
バ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部とを常法により
乾燥した後、300 ℃にて溶融後、T型ダイから押し出
し、 140℃で3.0 倍の縦延伸を行い、続いて130 ℃で3.
0 倍の横延伸を行い、さらに 250℃で6秒間熱固定して
厚さ90μmのPEN フイルムを得た。さらに、その一部を
直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、 110℃、48時
間の熱履歴を与えた。 2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理、および火焔処理をした後、
それぞれの面に下記組成の下塗液を塗布して、下塗層を
延伸時高温面側に設けた。コロナ放電処理はピラーPill
ar社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用
い、30cm幅支持体を20m/分で処理する。このとき、電流
・電圧の読み取り値より、被処理物は0.375KV ・ A ・ 分
/m2 の処理がなされた。処理時の放電周波数は、9.6KH
z、電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは 1.6m
mであった。又UV放電処理は、75℃の加熱下行なった。
さらにグロー放電処理は、円柱電極で 3000Wで30秒間照
射した。
【0180】 ゼラチン 3g 蒸留水 25ml ソジウム α−スルホ−ジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g サリチル酸 0.1 g ジアセチルセルロース 0.5 g p−クロロフェノール 0.5 g レゾルシン 0.5 g クレゾール 0.5 g (CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2 CH2 0.02g トリメチロールプロパンのアジリジン3倍モル付加物 0.02g トリメチロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍モル付加物 0.02g メタノール 15ml アセトン 85ml ホルムアルデヒド 0.01g 酢酸 0.01g 濃塩酸 0.01g
【0181】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面に、バック層として下記
組成の帯電防止層、磁気記録層、および滑り層を塗設し
た。 3−1)帯電防止層の塗設 3−1−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アン
チモン複合物分散液)の調製 塩化第二スズ水和物 230重量部と三塩化アンチモン23重
量部をエタノール3000重量部に溶解し、均一溶液を得
た。この溶液に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を前記溶
液のpHが3になるまで滴下し、コロイド状酸化第二スズ
と酸化アンチモンの共沈澱を得た。得られた共沈澱を50
℃に24時間放置し、赤褐色のコロイド状沈澱を得た。
【0182】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため、沈澱に水を加え遠心
分離によって水洗した。この操作を3回繰り返し、過剰
イオンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈
澱 200重量部を水1500重量部に再分散し、650 ℃に加熱
した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径 0.005μm
の酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子粉末を得
た。この微粒子粉末の比抵抗は5Ω・cmであった。上記
の微粒子粉末40重量部と水60重量部の混合液をpH 7.0に
調製し、攪拌機で粗分散の後、横型サンドミル(商品名
ダイノミル; WILLYA. BACHOFENAG製)で滞留時間が30分
になるまで分散して調製した。この時の二次凝集体の平
均粒径は約0.04μmであった。
【0183】3−1−2)導電性層の塗設 下記の処方による導電性層を乾燥膜厚が0.2 μmになる
ように塗布し、115 ℃で60秒間乾燥した。 3−1−1)で作製の導電性微粒子分散液 20重量部 ゼラチン 2重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 P−クロロフェノール 0.5重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレン ノニルフェニルエーテル 0.01重量部 得られた導電性膜の抵抗は、108.0 (100V)であり、優れ
た帯電防止性能を有するものであった。 3−2)磁気記録層の塗設 磁性体 Co-被着γ-Fe2O3(長軸0.14μm、単軸0.03μm
の針状、比表面積41m2/g、飽和磁化89 emu/g、表面は酸
化アルミと酸化珪素でそれぞれ Fe2O3の 2重量% で表面
処理されている、保磁力930 Oe、Fe+2/Fe +3比は 6/94)
1100gを水220g及びポリ (重合度16) オキシエチレンプ
ロピル トリメトキシシランのシランカップリング剤を
150 g添加して、オープンニーダーで3時間良く混練し
た。この粗分散した粘性のある液を70℃で1昼夜乾燥
し、水を除去した後、 110℃、1時間加熱して表面処理
をした磁気粒子を作製した。さらに以下の処方で、再び
オープンニーダーにて混練した。
【0184】 上記表面処理済み磁気粒子 1000g ジアセチルセルロース 17g メチルエチルケトン 100g シクロヘキサノン 100g さらに、以下の処方でサンドミル(1/4G)で200
rpm、4時間微細分散した。 上記混練品 100g ジアセチルセルロース 60g メチルエチルケトン 300g シクロヘキサノン 300g さらにジアセチルセルロースと、硬化剤としてトリメチ
ロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍モル
付加物をバインダーに対して20wt%添加した。得られた
液の粘度が約80cPとなるように、等量のメチルエチルケ
トンとシクロヘキサノンで希釈した。又、塗布は、上記
の導電性層の上にバーコーターで膜厚が1.2 μmとなる
ように行なった。磁性体の量は 0.6g/m2となるように塗
布した。またマット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研
磨剤の酸化アルミ(0.5μm)をそれぞれ 10mg/m2となる
ように添加した。乾燥は 115℃、6分実施した(乾燥ゾ
ーンのローラーや搬送装置はすべて 115℃となってい
る)。X-ライトのステータスMでブルーフィルターを用
いた時の、磁気記録層のD B の色濃度の増加分は、約0.
1 であった。また、磁気記録層の飽和磁化モーメントは
4.2 emu/m2、保磁力923 Oe、角形比は65%であった。
【0185】3−3)滑り層の調製 下記処方液を化合物の固形分塗布量が下記のようになる
ように塗布し、110 ℃で5分乾燥させて滑り層を得た。 ジアセチルセルロース 25mg/m2 C6H13CH(OH)C10H20COOC40H81(化合物a) 6mg/m2 C50H101O(CH2CH2O)16H (化合物b) 9mg/m2 なお、化合物a/化合物b (6:9) は、キシレンとプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル (容量比1:1)溶媒中で
105℃に加熱, 溶解し、この液を10倍量のプロピレング
リコールモノメチルエーテル (25℃) に注加して微細分
散液とした。さらに5 倍量のアセトン中で希釈した後、
高圧ホモジナイザー(200気圧) で再分散し、分散物(平
均粒径0.01μm)にしてから添加して用いた。得られた
滑り層の性能は、動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬
球、荷重100g、スピード6cm/min)、静摩擦係数 0.07(ク
リップ法) であり、優れた特性を有する。また後述の乳
剤面との滑り特性も動摩擦係数0.12であった。
【0186】4)感材層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作成した。
これを試料201とする。
【0187】各層に使用する素材の主なものは下記のよ
うに分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0188】(試料201) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0189】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0190】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0191】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.015 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0192】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0193】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0194】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0195】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0196】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.005 ExC−6 0.005 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33
【0197】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0198】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0199】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0200】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ExF−8 2.1×10-3 ExF−9 6.3×10-3 ゼラチン 1.8
【0201】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0202】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0203】
【表3】
【0204】表3において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450号の実施例に従い、
各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウ
ムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されて
いる。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450号に記載されてい
るような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 号に記載されている内
部高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0205】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシ
エトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリット
ル並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキ
シエチレンエ−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリ
ットルのポットミルに入れ、染料ExF−2を 5.0gと
酸化ジルコニウムビ−ズ(直径1mm) 500ミリリットル
を添加して内容物を2時間分散した。この分散には中央
工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散後、内容
物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビ
ーズを濾過して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染
料微粒子の平均粒径は0.44μmであった。
【0206】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5は欧州特許出願公開(EP)第549,489A号明細
書の実施例1に記載の微小析出(Microprecipitation)
分散方法により分散した。平均粒径は0.06μmであっ
た。
【0207】
【化41】
【0208】
【化42】
【0209】
【化43】
【0210】
【化44】
【0211】
【化45】
【0212】
【化46】
【0213】
【化47】
【0214】
【化48】
【0215】
【化49】
【0216】
【化50】
【0217】
【化51】
【0218】
【化52】
【0219】
【化53】
【0220】
【化54】
【0221】
【化55】
【0222】
【化56】
【0223】実施例5 特開平6−118533号、実施例1の試料101の第
4、5、6層にそれぞれ本発明の化合物2、7、52を
Ag1モルに対し3×10-2モル添加したサンプルを作
製した。このサンプルを露光後40℃60%の強制劣化
条件下に7日間放置した後、特開平6−118533
号、p37〜38記載のカラー反転用処理を行なって評
価したところ、本発明の化合物を添加した感材は添加し
ていない感材に比べて、露光後放置した際の感度増加が
小さく、最大発色濃度の低下が小さいという好ましい性
能を示した。
【0224】実施例6 乳剤Aの調製 水1リットルに25gの臭化カリウム、15gの沃化カリウ
ム、 1.9gのチオシアン酸カリウムおよび24gのゼラチ
ンが入った容器を60℃に温度を保ち、激しく攪拌しなが
ら通常のアンモニア法で硝酸銀水溶液、臭化カリウム水
溶液をダブルジェット添加して、沃度含有量10モル%、
平均粒径 1.0μmの比較的不定型に近い厚い板状の沃臭
化銀乳剤を調製した。この後、温度を35℃に下げ、凝集
沈降法により可溶性塩類を除去した後、40℃に昇温して
ゼラチン82gを添加し、苛性ソーダと臭化ナトリウムに
よりpH6.40、pAg8.80に調整した。温度を61℃に昇
温した後、2−フェノキシエタノール0.95gを加え、さ
らに下記に示す増感色素−Aを 213mg添加した。10分後
にチオ硫酸ナトリウム5水和物1.2mg、チオシアン酸カ
リウム28mg、塩化金酸 0.4mgを添加し、65分後に急冷し
て固化させた。
【0225】
【化57】
【0226】乳剤Bの調製 水1リットルに25gの臭化カリウム、9gの沃化カリウ
ム、 7.6gのチオシアン酸カリウム、および24gのゼラ
チンが入った容器を40℃に温度を保ち、激しく攪拌しな
がら通常のアンモニア法で硝酸銀水溶液、臭化カリウム
水溶液をダブルジェット添加して、沃度含有量6モル
%、平均粒径 0.6μの比較的不定型に近い厚板状の沃臭
化銀乳剤を調製した。この後、温度を35℃に下げ、沈降
法により可溶性塩類を除去した後、40℃に昇温してゼラ
チン 110gを添加し、苛性ソーダと臭化ナトリウムによ
りpH6.60、pAg8.90に調整した。温度を56℃に昇温
した後、 0.8mgの塩化金酸、9mgのチオシアン酸カリウ
ム、4mgのチオ硫酸ナトリウムを加えた。55分後に色素
−Aを 180mg加え、その10分後に急冷して固化させた。
【0227】塗布試料の作製 特開昭62−115035号公報に記載された製造方法
により作製し、乳剤塗布面をあらかじめ下引き加工し、
裏面に、 化合物−I 60 mg/m2 ジアセチルセルロース 143 mg/m2 酸化ケイ素 5 mg/m2
【0228】
【化58】
【0229】を塗設したトリアセチルセルロース支持体
上に、下記の層を塗布し、塗布試料601を作製した。
【0230】 第1層(ハレーション防止層) ゼラチン 1.0 g/m2 化合物−II 140 mg/m2 化合物−III 15 mg/m2 染料−I 26 mg/m2 染料−II 16 mg/m2
【0231】
【化59】
【0232】 第2層(中間層) ゼラチン 0.4 g/m2 ポリポタシウム−p−ビニルベンゼンスルホネート 5 mg/m2
【0233】 第3層(乳剤層) 乳剤B 塗布銀量 1.36 g/m2 ゼラチン 2.0 g/m2 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン 15 mg/m2 C18H35O(CH2CH2O)25H 10 mg/m2 化合物−IV 1.5 mg/m2 ポリポタシウム−p−ビニルベンゼンスルホネート 50 mg/m2 ビス−(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 65 mg/m2
【0234】
【化60】
【0235】 第4層(乳剤層) 乳剤A 塗布銀量 4.2 g/m2 ゼラチン 6.5 g/m2 デキストラン(平均分子量15万) 1.2 g/m2 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン 41 mg/m2 C18H35O(CH2CH2O)25H 23 mg/m2 トリメチロールプロパン 500 mg/m2 ポリポタシウム−p−ビニルベンゼンスルホネート 88 mg/m2 ポリアクリル酸 54 mg/m2
【0236】 第5層(表面保護層) ゼラチン 0.8 g/m2 化合物−V 13 mg/m2 化合物−VI 50 mg/m2 化合物−VII 1.8 mg/m2 ポリポタシウム−p−ビニルベンゼンスルホネート 6 mg/m2 ポリメチルメタアクリレート微粒子(平均粒径3μm) 24 mg/m2 化合物−VIII 50 mg/m2
【0237】
【化61】
【0238】本発明の化合物12を18.9g、ポリ−
t−ブチルアクリルアミド(分子量10万)19.0
g、高沸点有機溶媒(Sovl-1) 9.5g、界面活性剤
(W−1)38.0gを酢酸エチル300ccに加え、加
熱溶解した。これを10%ゼラチン水溶液に添加し、家
庭用ミキサーで10分間乳化分散した。この乳化物を試
料601の第3層と第4層に、本発明の化合物12がA
g1モルに対して0.03モルになるように添加して試
料603を作製した。試料603の乳化物から本発明の
化合物12だけを除いたものを試料602、本発明の化
合物4のかわりに化合物35、52を用いたものを試料
604、605とした。これらの試料を30℃、65%RH
の温湿度で、塗布後14日間保存した。各々の試料を下記
の方法でテストした。
【0239】(1)感度の測定 各々の試料を光学くさびを通して1/100 秒間露光し
た。色温度2854Kのタングステン光源に色温度変化フィ
ルターを通して5400Kの色温度とし、これを用いて光楔
露光を行った。これを、それぞれ自動現像機を用いて現
像、定着、水洗、乾燥を行った。それぞれの試料に対
し、同じ方法を用いてかぶり濃度より高い一定濃度(
0.5の光学濃度)を測定し、感度、かぶりを得た。現像
の条件は以下の通り。 処理液 温度 時間 現像 HPD 26.5℃ 55秒 定着 スーパーフジックスDP2 26.5℃ 76秒 水洗 流水 20℃ 95秒 乾燥 50℃ 69秒
【0240】感光材料を撮影後放置した場合の写真性の
経時安定性を以下の方法で評価した。試料601〜60
5を前記の方法で露光した後、30℃60%RHの条件
下で1か月間放置した。これを前記の方法で処理、測定
を行なった。露光後すぐに処理したサンプルに対する相
対値として結果を表4に示した。この値が0に近いほど
経時変化が小さく好ましい。
【0241】
【表4】
【0242】表4より本発明の化合物を含有する感光材
料は撮影後放置した場合の写真性の経時安定性が著しく
改良されていることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/392 G03C 7/392 Z (72)発明者 石井 善雄 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 御林 慶司 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 森垣 政和 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少くとも1層のハロゲン化銀
    乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、下
    記一般式(I)で表わされる化合物を少くとも1種含有
    することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 一般式(I)中、R1 は水素原子又は炭素数1〜30の
    置換又は無置換のアルキル基を表わし、Ra は、炭素数
    の総和が7以上のヘテロ環基を表わす。
  2. 【請求項2】 前記の一般式(I)で表わされる化合物
    が以下一般式(II)又は(III) で表わされることを特徴
    とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化2】 式(II)中、R1 は、炭素数1〜6の置換又は無置換の
    アルキル基である。R2 は、水素原子又は、炭素数1〜
    30の置換又は無置換のアルキル基を表わす。Q1 は、
    非芳香族のヘテロ環を形成するのに必要な原子団を表わ
    す。式(III) 中、R1 は、式(II)のR1 と同義であ
    り、Q2 は、5又は6員の芳香族ヘテロ環を形成するの
    に必要な原子団を表わす。
  3. 【請求項3】 下記一般式(IV)又は(V)で表わされ
    る化合物。 【化3】 式(IV)中、R1 は、炭素数1〜6の無置換直鎖アルキ
    ル基である。R3 は、炭素数2〜38のアルコキシカル
    ボニル基又はアミノカルボニル基を表わす。式(V)
    中、R1 は、炭素数1〜6の無置換直鎖アルキル基であ
    る。R4 は、炭素数16〜22の置換又は無置換のアル
    キル基である。Ra 、Rb 、Rc 、Rd 、Re 、Rf
    g 、Rh 、Ri は、各々独立に同じでも異なっていて
    もよく、水素原子又は、炭素数1〜4のアルキル基を表
    わす。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100705416B1 (ko) * 2005-06-15 2007-04-10 삼성전자주식회사 포토레지스트 제거용 조성물, 이의 제조방법, 이를 이용한포토레지스트의 제거 방법 및 반도체 장치의 제조 방법

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KR100705416B1 (ko) * 2005-06-15 2007-04-10 삼성전자주식회사 포토레지스트 제거용 조성물, 이의 제조방법, 이를 이용한포토레지스트의 제거 방법 및 반도체 장치의 제조 방법

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