JPH0959058A - マイクロ波用誘電体セラミックス - Google Patents
マイクロ波用誘電体セラミックスInfo
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- JPH0959058A JPH0959058A JP7214328A JP21432895A JPH0959058A JP H0959058 A JPH0959058 A JP H0959058A JP 7214328 A JP7214328 A JP 7214328A JP 21432895 A JP21432895 A JP 21432895A JP H0959058 A JPH0959058 A JP H0959058A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 安価で、導電率の大きなAg(融点960
℃)を導体金属とするため、Agの融点より低い、95
0℃以下で焼成可能な、低温焼成マイクロ波用誘電体セ
ラミックスを提供する。 【解決手段】 マイクロ波用誘電体セラミックスにおい
て、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO
2 )、ホウケイ酸ガラス粉末、酸化ケイ素(Si
O2 )、酸化鉛(PbO)より成り、組成式を(Mg
O)x(TiO2 )と表したとき、xがx=1〜3モル
の範囲にある(MgO)x(TiO2 )45wt%〜6
0.6wt%、ホウケイ酸ガラス粉末20wt%〜3
0.3wt%、酸化ケイ素(SiO2 )5wt%〜16
wt%、酸化鉛(PbO)5wt%〜16wt%より成
る。
℃)を導体金属とするため、Agの融点より低い、95
0℃以下で焼成可能な、低温焼成マイクロ波用誘電体セ
ラミックスを提供する。 【解決手段】 マイクロ波用誘電体セラミックスにおい
て、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO
2 )、ホウケイ酸ガラス粉末、酸化ケイ素(Si
O2 )、酸化鉛(PbO)より成り、組成式を(Mg
O)x(TiO2 )と表したとき、xがx=1〜3モル
の範囲にある(MgO)x(TiO2 )45wt%〜6
0.6wt%、ホウケイ酸ガラス粉末20wt%〜3
0.3wt%、酸化ケイ素(SiO2 )5wt%〜16
wt%、酸化鉛(PbO)5wt%〜16wt%より成
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯域で
使用されるマイクロ波用誘電体セラミックスに関するも
のであり、特に、Ag等の導体と同時焼成可能な、低温
焼成材料に関するものである。
使用されるマイクロ波用誘電体セラミックスに関するも
のであり、特に、Ag等の導体と同時焼成可能な、低温
焼成材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、特公平5−68802号公報に示されるものが
あった。近年、自動車電話、携帯電話等に代表される移
動体通信機器の発展が目覚ましく、これらに用いられて
いるデバイスの小型化、低コスト化が、これらの機器に
とって必須の条件となっている。
例えば、特公平5−68802号公報に示されるものが
あった。近年、自動車電話、携帯電話等に代表される移
動体通信機器の発展が目覚ましく、これらに用いられて
いるデバイスの小型化、低コスト化が、これらの機器に
とって必須の条件となっている。
【0003】誘電体セラミックスは、これらの機器にフ
ィルタ等として使用されている。フィルタの小型、高機
能、低いコスト化を実現する手段として、セラミックス
をシート化し導体印刷後、積層構造にして同時焼成する
方法が注目されている。この積層デバイスは、高周波に
おいて低損失であることが必要であるため、導体は、A
g、Cu、Pd、Pt等の導電率が高い金属を用いなけ
ればならない。従来のマイクロ波用誘電体セラミックス
には、MgO−TiO2 系、BaO−TiO2 系、Ba
O−TiO2 −REO系(REOは、希土類元素の酸化
物を示す)等があるが、いずれも焼成温度が1300℃
以上と高いため、Pd、Pt等の高価な貴金属を用いて
いた。
ィルタ等として使用されている。フィルタの小型、高機
能、低いコスト化を実現する手段として、セラミックス
をシート化し導体印刷後、積層構造にして同時焼成する
方法が注目されている。この積層デバイスは、高周波に
おいて低損失であることが必要であるため、導体は、A
g、Cu、Pd、Pt等の導電率が高い金属を用いなけ
ればならない。従来のマイクロ波用誘電体セラミックス
には、MgO−TiO2 系、BaO−TiO2 系、Ba
O−TiO2 −REO系(REOは、希土類元素の酸化
物を示す)等があるが、いずれも焼成温度が1300℃
以上と高いため、Pd、Pt等の高価な貴金属を用いて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されているPd,Ptは、Agに比べて高価であり、
また比抵抗は、Ptが10.6×10-6Ωcm、Pdが
10.4×10-6Ωcmであり、Agの1.6×10-6
Ωcmに比べ一桁近く大きく、デバイスの低コスト、低
損失化にとって大きな障害であった。
用されているPd,Ptは、Agに比べて高価であり、
また比抵抗は、Ptが10.6×10-6Ωcm、Pdが
10.4×10-6Ωcmであり、Agの1.6×10-6
Ωcmに比べ一桁近く大きく、デバイスの低コスト、低
損失化にとって大きな障害であった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するために、
安価で、導電率の大きなAg(融点960℃)を導体金
属とするため、Agの融点より低い、950℃以下で焼
成可能な、低温焼成マイクロ波用誘電体セラミックスを
提供することを目的とする。
安価で、導電率の大きなAg(融点960℃)を導体金
属とするため、Agの融点より低い、950℃以下で焼
成可能な、低温焼成マイクロ波用誘電体セラミックスを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)マイクロ波用誘電体セラミックスにおいて、酸化
マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO2 )、ホ
ウケイ酸ガラス粉末、酸化ケイ素(SiO2 )、酸化鉛
(PbO)より成り、組成式を(MgO)x(Ti
O2 )と表したとき、xがx=1〜3モルの範囲にある
(MgO)x(TiO2 )45wt%〜60.6wt
%、ホウケイ酸ガラス粉末20wt%〜30.3wt
%、酸化ケイ素(SiO2 )5wt%〜16wt%、酸
化鉛(PbO)5wt%〜16wt%より成るようにし
たものである。
成するために、 (1)マイクロ波用誘電体セラミックスにおいて、酸化
マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO2 )、ホ
ウケイ酸ガラス粉末、酸化ケイ素(SiO2 )、酸化鉛
(PbO)より成り、組成式を(MgO)x(Ti
O2 )と表したとき、xがx=1〜3モルの範囲にある
(MgO)x(TiO2 )45wt%〜60.6wt
%、ホウケイ酸ガラス粉末20wt%〜30.3wt
%、酸化ケイ素(SiO2 )5wt%〜16wt%、酸
化鉛(PbO)5wt%〜16wt%より成るようにし
たものである。
【0007】したがって、950℃の低温度にて焼成し
た場合でも、共振周波数の温度係数が200ppm/℃
以下の値においても、適切な誘電率と、大きな無負荷Q
を有しているため、本セラミックスとAg,Cu等の導
電率の大きな金属を導体として同時焼成、一体積層化が
でき、低コストで低損失な誘電体共振器、あるいは誘電
体フィルタを得ることが可能となった。
た場合でも、共振周波数の温度係数が200ppm/℃
以下の値においても、適切な誘電率と、大きな無負荷Q
を有しているため、本セラミックスとAg,Cu等の導
電率の大きな金属を導体として同時焼成、一体積層化が
でき、低コストで低損失な誘電体共振器、あるいは誘電
体フィルタを得ることが可能となった。
【0008】(2)マイクロ波用誘電体セラミックスに
おいて、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(T
iO2 )、ホウケイ酸ガラス粉末、酸化ケイ素(SiO
2 )、酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi2 O3 )
より成り、組成式を(MgO)x(TiO2 )と表した
とき、xがx=1〜3モルの範囲にある(MgO)x
(TiO2 )40.4wt%〜58.2wt%、ホウケ
イ酸ガラス粉末19wt%〜28.8wt%、酸化ケイ
素(SiO2 )4.5wt%〜14.3wt%、酸化鉛
(PbO)4.5wt%〜14.3wt%、酸化ビスマ
ス(Bi2 O3 )15.2wt%未満(0wt%を含ま
ず)より成るようにしたものである。
おいて、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(T
iO2 )、ホウケイ酸ガラス粉末、酸化ケイ素(SiO
2 )、酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi2 O3 )
より成り、組成式を(MgO)x(TiO2 )と表した
とき、xがx=1〜3モルの範囲にある(MgO)x
(TiO2 )40.4wt%〜58.2wt%、ホウケ
イ酸ガラス粉末19wt%〜28.8wt%、酸化ケイ
素(SiO2 )4.5wt%〜14.3wt%、酸化鉛
(PbO)4.5wt%〜14.3wt%、酸化ビスマ
ス(Bi2 O3 )15.2wt%未満(0wt%を含ま
ず)より成るようにしたものである。
【0009】したがって、950℃の低温度にて焼成し
た場合でも、共振周波数の温度係数が200ppm/℃
以下の値においても、適切な誘電率と、大きな無負荷Q
を有しているため、本セラミックスとAg,Cu等の導
電率の大きな金属を導体として同時焼成、一体積層化が
でき、低コストで低損失な誘電体共振器、あるいは誘電
体フィルタを得ることが可能となった。
た場合でも、共振周波数の温度係数が200ppm/℃
以下の値においても、適切な誘電率と、大きな無負荷Q
を有しているため、本セラミックスとAg,Cu等の導
電率の大きな金属を導体として同時焼成、一体積層化が
でき、低コストで低損失な誘電体共振器、あるいは誘電
体フィルタを得ることが可能となった。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て図面を参照しながら説明する。出発原料には、化学的
に高純度の酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン
(TiO2 )、ホウケイ酸ガラス粉末、酸化鉛(Pb
O)、二酸化ケイ素(SiO2 )を使用した。
て図面を参照しながら説明する。出発原料には、化学的
に高純度の酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン
(TiO2 )、ホウケイ酸ガラス粉末、酸化鉛(Pb
O)、二酸化ケイ素(SiO2 )を使用した。
【0011】
【表1】
【0012】まず、MgCO3 とTiO2 を表1に示す
(MgO)x(TiO2 )の組成になるように正確に秤
量した。これをプラスチック製のポットミルとジルコニ
アボールを用い、純水と共に24時間湿式混合した。こ
の混合物を1000℃〜1100℃の温度で3時間仮焼
し、(MgO)x(TiO2 )の仮焼物を得た。この仮
焼物とホウケイ酸ガラス粉末、酸化鉛(PbO)、二酸
化ケイ素(SiO2 )を表1に示す組成になるようる正
確に秤量し、前記のポットミルとジルコニアボールを用
い、純水と共に24時間湿式混合した。
(MgO)x(TiO2 )の組成になるように正確に秤
量した。これをプラスチック製のポットミルとジルコニ
アボールを用い、純水と共に24時間湿式混合した。こ
の混合物を1000℃〜1100℃の温度で3時間仮焼
し、(MgO)x(TiO2 )の仮焼物を得た。この仮
焼物とホウケイ酸ガラス粉末、酸化鉛(PbO)、二酸
化ケイ素(SiO2 )を表1に示す組成になるようる正
確に秤量し、前記のポットミルとジルコニアボールを用
い、純水と共に24時間湿式混合した。
【0013】この混合物を800℃〜900℃の温度で
さらに仮焼した。この仮焼物を前記湿式混合工程と同様
の方法で、湿式粉砕後、脱水、乾燥して微粒子の粉体を
得た。この粉体にバインダを添加して十分に粉体と混合
し造粒物を得た。この造粒粉を金型と油圧プレスを用い
て、成形圧力1〜2t/cm2 で直径12mm、厚さ6
mmの円板状の成形体を得た。
さらに仮焼した。この仮焼物を前記湿式混合工程と同様
の方法で、湿式粉砕後、脱水、乾燥して微粒子の粉体を
得た。この粉体にバインダを添加して十分に粉体と混合
し造粒物を得た。この造粒粉を金型と油圧プレスを用い
て、成形圧力1〜2t/cm2 で直径12mm、厚さ6
mmの円板状の成形体を得た。
【0014】このようにして作製した成形体をマグネシ
ア製の容器に入れて、950℃の温度で2時間大気中で
焼成し、焼成体を得た。この焼成体を両面平行に研磨し
た後、誘電特性を次の方法で測定した。比誘電率(ε
r)、無負荷Q(Qu)は、両端短絡型誘電体共振器法
により測定した。また、共振周波数の温度係数(τf)
は、20℃における共振周波数f(20)を基準とし
て、−30℃と70℃の温度における共振周波数f(−
30)、f(70)と温度差ΔT(ここでは、−30℃
と70℃でΔT=100℃)から次の(1)式に従って
求めた。なお、これらの測定における測定周波数は、約
12GHzであった。
ア製の容器に入れて、950℃の温度で2時間大気中で
焼成し、焼成体を得た。この焼成体を両面平行に研磨し
た後、誘電特性を次の方法で測定した。比誘電率(ε
r)、無負荷Q(Qu)は、両端短絡型誘電体共振器法
により測定した。また、共振周波数の温度係数(τf)
は、20℃における共振周波数f(20)を基準とし
て、−30℃と70℃の温度における共振周波数f(−
30)、f(70)と温度差ΔT(ここでは、−30℃
と70℃でΔT=100℃)から次の(1)式に従って
求めた。なお、これらの測定における測定周波数は、約
12GHzであった。
【0015】 τf=〔f(70)−f(−30)〕/〔f(20)×100〕 …(1) 各組成の誘電特性の測定結果を表1に示す。Qu値はf
*Q=一定として、1GHzの値に換算したものであ
る。なお、ここで*印を付けた試料No.は本発明の範
囲外の比較例であり、それ以外の試料No.が本発明の
実施例である。
*Q=一定として、1GHzの値に換算したものであ
る。なお、ここで*印を付けた試料No.は本発明の範
囲外の比較例であり、それ以外の試料No.が本発明の
実施例である。
【0016】表1によれば、MgO/TiO2 のモル比
が0.8(No.1)の時、共振周波数の温度係数τf
が450ppm/℃と大きく不適当であり、3.5(N
o.8)の時は、Quが小さすぎ誘電特性が測定不能
で、本発明の目的に適せず、MgO/TiO2 のモル比
は、1.0〜3.0の範囲が適当である。(MgO)x
(TiO2 )は、45wt%未満(No.22)では、
Quが小さく誘電特性が測定不能で、また、60.6w
t%を超える(No.21)では、950℃で焼結せ
ず、本発明の目的に適せず、(MgO)x(TiO2 )
は、45wt%〜60wt%の範囲が適当である。
が0.8(No.1)の時、共振周波数の温度係数τf
が450ppm/℃と大きく不適当であり、3.5(N
o.8)の時は、Quが小さすぎ誘電特性が測定不能
で、本発明の目的に適せず、MgO/TiO2 のモル比
は、1.0〜3.0の範囲が適当である。(MgO)x
(TiO2 )は、45wt%未満(No.22)では、
Quが小さく誘電特性が測定不能で、また、60.6w
t%を超える(No.21)では、950℃で焼結せ
ず、本発明の目的に適せず、(MgO)x(TiO2 )
は、45wt%〜60wt%の範囲が適当である。
【0017】ガラス粉末は、20wt%未満(No.
9)では950℃で焼結せず、30.3wt%を超える
(No.19)では、Quが小さすぎて誘電特性が測定
不能で、本発明の目的には適せず、ガラス粉末は、20
wt%〜30.3wt%の範囲が適当である。PbO及
びSiO2 はいずれも5wt%未満(No.10)で
は、比誘電率εrが小さく、16wt%を超える(N
o.17,18)では比誘電率εrが小さく、共振周波
数の温度係数τfが530ppm/℃,430ppm/
℃と大きく、本発明の目的に適せず、PbO及びSiO
2 は5.0wt%〜16.0wt%の範囲が適当であ
る。
9)では950℃で焼結せず、30.3wt%を超える
(No.19)では、Quが小さすぎて誘電特性が測定
不能で、本発明の目的には適せず、ガラス粉末は、20
wt%〜30.3wt%の範囲が適当である。PbO及
びSiO2 はいずれも5wt%未満(No.10)で
は、比誘電率εrが小さく、16wt%を超える(N
o.17,18)では比誘電率εrが小さく、共振周波
数の温度係数τfが530ppm/℃,430ppm/
℃と大きく、本発明の目的に適せず、PbO及びSiO
2 は5.0wt%〜16.0wt%の範囲が適当であ
る。
【0018】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。出発原料には、化学的に高純度の酸化マグネシウム
(MgO)、二酸化チタン(TiO2 )、ホウケイ酸ガ
ラス粉末、酸化鉛(PbO)、二酸化ケイ素(Si
O2 )、酸化ビスマス(Bi2 O3 )を使用した。
る。出発原料には、化学的に高純度の酸化マグネシウム
(MgO)、二酸化チタン(TiO2 )、ホウケイ酸ガ
ラス粉末、酸化鉛(PbO)、二酸化ケイ素(Si
O2 )、酸化ビスマス(Bi2 O3 )を使用した。
【0019】
【表2】
【0020】まず、MgCO3 とTiO2 を表2に示す
(MgO)x(TiO2 )の組成になるように正確に秤
量した。これをプラスチック製のポットミルとジルコニ
アボールを用い、純水と共に24時間湿式混合した。こ
の混合物を1000℃〜1100℃の温度で3時間仮焼
し、(MgO)x(TiO2 )の仮焼物を得た。この仮
焼物とホウケイ酸ガラス粉末、酸化鉛(PbO)、二酸
化ケイ素(SiO2 )、酸化ビスマス(Bi2 O3 )を
表2に示す組成になるように正確に秤量し、前記のポッ
トミルとジルコニアボールを用い、純水と共に24時間
湿式混合した。
(MgO)x(TiO2 )の組成になるように正確に秤
量した。これをプラスチック製のポットミルとジルコニ
アボールを用い、純水と共に24時間湿式混合した。こ
の混合物を1000℃〜1100℃の温度で3時間仮焼
し、(MgO)x(TiO2 )の仮焼物を得た。この仮
焼物とホウケイ酸ガラス粉末、酸化鉛(PbO)、二酸
化ケイ素(SiO2 )、酸化ビスマス(Bi2 O3 )を
表2に示す組成になるように正確に秤量し、前記のポッ
トミルとジルコニアボールを用い、純水と共に24時間
湿式混合した。
【0021】この混合物を800℃〜900℃の温度で
さらに仮焼した。この仮焼物を前記湿式混合工程と同様
の方法で、湿式粉砕後、脱水、乾燥して微粒子の粉体を
得た。この粉体にバインダを添加して十分に粉体と混合
し造粒物を得た。この造粒粉を金型と油圧プレスを用い
て、成形圧力1〜2t/cm2 で直径12mm、厚さ6
mmの円板状の成形体を得た。
さらに仮焼した。この仮焼物を前記湿式混合工程と同様
の方法で、湿式粉砕後、脱水、乾燥して微粒子の粉体を
得た。この粉体にバインダを添加して十分に粉体と混合
し造粒物を得た。この造粒粉を金型と油圧プレスを用い
て、成形圧力1〜2t/cm2 で直径12mm、厚さ6
mmの円板状の成形体を得た。
【0022】このようにして作製した成形体をマグネシ
ア製の容器に入れて、950℃の温度で2時間大気中で
焼成し、焼成体を得た。この焼成体を両面平行に研磨し
た後、誘電特性を次の方法で測定した。比誘電率εr、
無負荷Q(Qu)は、両端短絡型誘電体共振器法により
測定した。また、共振周波数の温度係数τfは、20℃
における共振周波数f(20)を基準として、−30℃
と70℃の温度における共振周波数f(−30)、f
(70)と温度差ΔT(ここでは、−30℃と70℃で
ΔT=100℃)から前記した(1)式に従って求め
た。なお、これらの測定における測定周波数は、約12
GHzであった。
ア製の容器に入れて、950℃の温度で2時間大気中で
焼成し、焼成体を得た。この焼成体を両面平行に研磨し
た後、誘電特性を次の方法で測定した。比誘電率εr、
無負荷Q(Qu)は、両端短絡型誘電体共振器法により
測定した。また、共振周波数の温度係数τfは、20℃
における共振周波数f(20)を基準として、−30℃
と70℃の温度における共振周波数f(−30)、f
(70)と温度差ΔT(ここでは、−30℃と70℃で
ΔT=100℃)から前記した(1)式に従って求め
た。なお、これらの測定における測定周波数は、約12
GHzであった。
【0023】各組成の誘電特性の測定結果を2に示す。
Qu値はf*Q=一定として1GHzの値に換算したも
のである。なお、ここで*印を付けた試料No.は本発
明の範囲外の比較例であり、それ以外の試料No.が本
発明の実施例である。表2によれば、MgO/TiO2
のモル比が0.8(No.1)の時、共振周波数の温度
係数τfが410ppm/℃と大きく不適当であり、
3.5(No.7)の時は、Quが小さすぎ誘電特性が
測定不能で、本発明の目的に適せず、MgO/TiO2
のモル比は、1.0〜3.0の範囲が適当である。
Qu値はf*Q=一定として1GHzの値に換算したも
のである。なお、ここで*印を付けた試料No.は本発
明の範囲外の比較例であり、それ以外の試料No.が本
発明の実施例である。表2によれば、MgO/TiO2
のモル比が0.8(No.1)の時、共振周波数の温度
係数τfが410ppm/℃と大きく不適当であり、
3.5(No.7)の時は、Quが小さすぎ誘電特性が
測定不能で、本発明の目的に適せず、MgO/TiO2
のモル比は、1.0〜3.0の範囲が適当である。
【0024】(MgO)x(TiO2 )は、40.4w
t%未満(No.18)では、Quが小さく誘電特性が
測定不能で、また、58.2wt%を超える(No.1
7)では、950℃で焼結せず、本発明の目的に適せ
ず、(MgO)x(TiO2 )は、40.4wt%〜5
8.2wt%の範囲が適当である。ガラス粉末は、19
wt%未満(No.17)では950℃で焼結せず、2
8.8wt%を超える(No.19)では、Quが小さ
すぎて誘電特性が測定不能で、本発明の目的には適せ
ず、ガラス粉末は、19wt%〜28.8wt%の範囲
が適当である。
t%未満(No.18)では、Quが小さく誘電特性が
測定不能で、また、58.2wt%を超える(No.1
7)では、950℃で焼結せず、本発明の目的に適せ
ず、(MgO)x(TiO2 )は、40.4wt%〜5
8.2wt%の範囲が適当である。ガラス粉末は、19
wt%未満(No.17)では950℃で焼結せず、2
8.8wt%を超える(No.19)では、Quが小さ
すぎて誘電特性が測定不能で、本発明の目的には適せ
ず、ガラス粉末は、19wt%〜28.8wt%の範囲
が適当である。
【0025】SiO2 は4.5wt%未満(No.2
4)では、比誘電率εrが6.0、Quが600と小さ
く、PbOは4.5wt%未満(No.22)では焼結
せず、PbOが14.3wt%を超える(No.21)
ではQuが小さく、誘電特性が測定不能であり、SiO
2 が14.3wt%を超える(No.23)では、比誘
電率εrが6.7、Quが600と小さく、本発明の目
的に適せず、PbO及びSiO2 は、4.5wt%〜1
4.3wt%の範囲が適当である。
4)では、比誘電率εrが6.0、Quが600と小さ
く、PbOは4.5wt%未満(No.22)では焼結
せず、PbOが14.3wt%を超える(No.21)
ではQuが小さく、誘電特性が測定不能であり、SiO
2 が14.3wt%を超える(No.23)では、比誘
電率εrが6.7、Quが600と小さく、本発明の目
的に適せず、PbO及びSiO2 は、4.5wt%〜1
4.3wt%の範囲が適当である。
【0026】更に、Bi2 O3 量を増加することによ
り、Bi2 O3 量15.2wt%まで共振周波数の温度
係数τfを小さくする効果が大きい(No.8〜No.
12)が、15.2wt%を超える(No.13)で
は、Quが小さく誘電特性が測定不能で、本発明の目的
に適せず、不適当である。なお、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々
の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
り、Bi2 O3 量15.2wt%まで共振周波数の温度
係数τfを小さくする効果が大きい(No.8〜No.
12)が、15.2wt%を超える(No.13)で
は、Quが小さく誘電特性が測定不能で、本発明の目的
に適せず、不適当である。なお、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々
の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、以下のような効果を奏することができる。 (1)請求項1記載の発明によれば、本発明のマイクロ
波用誘電体セラミックスは、950℃の低温度にて焼成
した場合でも、共振周波数の温度係数が200ppm/
℃以下の値においても、適切な誘電率と、大きな無負荷
Qを有しているため、本セラミックスとAg,Cu等の
導電率の大きな金属を導体として同時焼成、一体積層化
ができ、低コストで低損失な誘電体共振器、あるいは誘
電体フィルタを得ることが可能となった。
れば、以下のような効果を奏することができる。 (1)請求項1記載の発明によれば、本発明のマイクロ
波用誘電体セラミックスは、950℃の低温度にて焼成
した場合でも、共振周波数の温度係数が200ppm/
℃以下の値においても、適切な誘電率と、大きな無負荷
Qを有しているため、本セラミックスとAg,Cu等の
導電率の大きな金属を導体として同時焼成、一体積層化
ができ、低コストで低損失な誘電体共振器、あるいは誘
電体フィルタを得ることが可能となった。
【0028】(2)請求項2記載の発明によれば、本発
明のマイクロ波用誘電体セラミックスは、950℃の低
温度にて焼成した場合でも、共振周波数の温度係数が2
00ppm/℃以下の値においても、適切な誘電率と、
大きな無負荷Qを有しているため、本セラミックスとA
g,Cu等の導電率の大きな金属を導体として同時焼
成、一体積層化ができ、低コストで低損失な誘電体共振
器、あるいは誘電体フィルタを得ることが可能となっ
た。
明のマイクロ波用誘電体セラミックスは、950℃の低
温度にて焼成した場合でも、共振周波数の温度係数が2
00ppm/℃以下の値においても、適切な誘電率と、
大きな無負荷Qを有しているため、本セラミックスとA
g,Cu等の導電率の大きな金属を導体として同時焼
成、一体積層化ができ、低コストで低損失な誘電体共振
器、あるいは誘電体フィルタを得ることが可能となっ
た。
Claims (2)
- 【請求項1】 酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタ
ン(TiO2 )、ホウケイ酸ガラス粉末、酸化ケイ素
(SiO2 )、酸化鉛(PbO)より成り、組成式を
(MgO)x(TiO2 )と表したとき、xがx=1〜
3モルの範囲にある(MgO)x(TiO2 )45wt
%〜60.6wt%、ホウケイ酸ガラス粉末20wt%
〜30.3wt%、酸化ケイ素(SiO2 )5wt%〜
16wt%、酸化鉛(PbO)5wt%〜16wt%よ
り成ることを特徴とするマイクロ波用誘電体セラミック
ス。 - 【請求項2】 酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタ
ン(TiO2 )、ホウケイ酸ガラス粉末、酸化ケイ素
(SiO2 )、酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi
2 O3 )より成り、組成式を(MgO)x(TiO2 )
と表したとき、xがx=1〜3モルの範囲にある(Mg
O)x(TiO2 )40.4wt%〜58.2wt%、
ホウケイ酸ガラス粉末19wt%〜28.8wt%、酸
化ケイ素(SiO2 )4.5wt%〜14.3wt%、
酸化鉛(PbO)4.5wt%〜14.3wt%、酸化
ビスマス(Bi2 O3 )15.2wt%未満(0wt%
を含まず)より成ることを特徴とするマイクロ波用誘電
体セラミックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7214328A JPH0959058A (ja) | 1995-08-23 | 1995-08-23 | マイクロ波用誘電体セラミックス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7214328A JPH0959058A (ja) | 1995-08-23 | 1995-08-23 | マイクロ波用誘電体セラミックス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959058A true JPH0959058A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16653937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7214328A Withdrawn JPH0959058A (ja) | 1995-08-23 | 1995-08-23 | マイクロ波用誘電体セラミックス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0959058A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100842854B1 (ko) * | 2007-05-23 | 2008-07-02 | 요업기술원 | 저온 소결용 마이크로파 유전체 세라믹스 및 그 제조방법 |
-
1995
- 1995-08-23 JP JP7214328A patent/JPH0959058A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100842854B1 (ko) * | 2007-05-23 | 2008-07-02 | 요업기술원 | 저온 소결용 마이크로파 유전체 세라믹스 및 그 제조방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021105 |