JPH11228216A - 誘電体磁器組成物およびこれを用いた通信機器用デバイス - Google Patents

誘電体磁器組成物およびこれを用いた通信機器用デバイス

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JPH11228216A
JPH11228216A JP10101308A JP10130898A JPH11228216A JP H11228216 A JPH11228216 A JP H11228216A JP 10101308 A JP10101308 A JP 10101308A JP 10130898 A JP10130898 A JP 10130898A JP H11228216 A JPH11228216 A JP H11228216A
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博司 加賀田
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波、ミリ波などの高周波領域で、比
誘電率が低く、低損失で、共振周波数の温度係数が小さ
い誘電体組成物を提供する。 【解決手段】 Al23、MgOおよびROaを含有
し、前記Al23、MgOおよびROaが、組成式xA
lO3/2―yMgO―zROa(Rは、La、Ce、P
r、Nd、SmおよびGdから選ばれる少なくとも一種
の元素;aは、選択されたRの価数に応じて化学量論的
に定まる数値)により表示して、x≧55、y≧0.
5、z≧0.5およびx+y+z=100となるように
含まれる誘電体組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にマイクロ波、
ミリ波などの高周波帯域で、共振器、フィルタ、アンテ
ナ、コンデンサ、インダクタ、回路基板などとして使用
されるデバイスに有用な誘電体磁器組成物、およびこの
ような誘電体磁器組成物を用いて構成した通信機器用デ
バイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信などの普及に伴い、通
信機器のフィルタ用材料として誘電体磁器が広く用いら
れている。このような誘電体磁器には、比誘電率
(εr)が高いこと、誘電損失(tanδ)が低い、すなわ
ちその逆数のQ値が高いこと、さらに共振周波数の温度
係数(TCF)の絶対値が小さいことが求められている
今後、通信システムではさらに高周波化が進展し、使用
される電波の波長が短くなってくると予想される。従っ
て、加工精度や導体損失を考慮すると、比誘電率の低い
誘電体に対する需要が大きくなってくると考えられる。
従来の誘電体磁器組成物で比誘電率の低いものとして
は、例えば特開平6−92727号公報に開示されてい
るようなMgTiO3−CaTiO3系やAl23系など
が知られている。また、比誘電率が低く、1100℃以
下の低温でAgなどの高い導電率を有する導体と同時に
焼結できる積層デバイス用の誘電体磁器組成物として、
Al 23にガラスを添加した系などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、MgTiO3
−CaTiO3系誘電体磁器組成物は、低損失でTCF
もゼロに近いが比誘電率が20程度と高い。またAl2
3系誘電体磁器組成物は、低損失で比誘電率も10程
度と小さいが、TCFが負に大きい値を有する。同様
に、Al23にガラスを添加した系も、比誘電率は10
以下と小さいがTCFが負に大きな値を有する。このよ
うな事情から、MgTiO3−CaTiO3系よりも比誘
電率が低く、実用的な損失とTCFを有する誘電体磁器
組成物や、前記Al23にガラスを添加した系と比誘電
率は同程度でこの系よりもTCFがゼロに近い誘電体磁
器組成物が望まれている。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みて為されたも
のであって、比誘電率が低く低損失で、しかも共振周波
数の温度係数(TCF)の絶対値が小さい誘電体磁器組
成物、およびこの誘電体磁器組成物を利用した、ミリ波
やマイクロ波などの高周波帯域における使用に適した通
信機器用デバイスを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の誘電体磁器組成物は、Al23、MgOお
よびROaを含有し、前記Al23、MgOおよびROa
が、組成式xAlO3/ 2―yMgO―zROaにより表示
して、x≧55、y≧0.5、z≧0.5およびx+y
+z=100となるように含まれることを特徴とする。
【0006】ただし、Rは、La、Ce、Pr、Nd、
SmおよびGdから選ばれる少なくとも一種の元素であ
り、aは、選択されたRの価数に応じて化学量論的に定
まる数値である。aは、一般にはRの価数をnとしてn
/2と表され、例えばRが3価である場合には3/2、
Rが4価である場合には2となる。
【0007】このような誘電体磁器組成物とすることに
より、比誘電率が低く低損失で、しかも共振周波数の温
度係数(TCF)の絶対値が小さい各種デバイスを構成
することが可能となる。この誘電体磁器組成物は、上記
組成式で表される成分を主成分として含むことが好まし
い。
【0008】一方、上記誘電体磁器組成物は、ガラス組
成物を添加した形態で使用してもよい。この場合は、上
記組成式により表示される第一成分に加え、SiO2
よびB2Oから選ばれる少なくとも一種を含むガラス組
成物を第二成分として70重量%以下の割合で含有する
ことが好ましい。また、この第二成分は、さらに、Al
23、ZrO2、TiO2、BaO、SrO、CaO、M
gO、La23、PbO、ZnO、Li2O、Na2Oお
よびK2Oから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含む
ことが好ましい。
【0009】さらに具体的には、上記第二成分は、以下
の組成I〜組成IIIのいずれかの組成を有することが好
ましい。なお、以下の表示%は全て重量%である。 [組成I]SiO2:20〜70%、B23:0〜35
%、Al23:1〜35%、MO:0〜50% [組成II]SiO2:30〜60%、B23:2〜8
%、Al23:2〜10%、MO:20〜50%、La
23:5〜15% [組成III]SiO2:30〜70%、B23:10〜3
5%、Al23:5〜30%、MO:2〜15%、Zr
2:0.5〜13% ここで、MはCa、SrおよびBaから選ばれる少なく
とも一種の元素である。
【0010】なお、上記Rは、特に限定するものではな
いが、La、NdおよびSmから選ばれる少なくとも1
種の元素であることが好ましい。
【0011】また、上記誘電体磁器組成物は、上記第一
成分を含む結晶相と、上記第二成分を含むガラス相とを
含むことが好ましく、さらに上記結晶相がマグネトプラ
ンバイト相を含み、上記マグネトプランバイト相がAl
23を含むことが好ましい。
【0012】このような観点から、本発明の誘電体磁器
組成物の別の構成は、結晶相とガラス相からなり、前記
結晶相がマグネトプランバイト相を含み、前記マグネト
プランバイト相がAl23を含むことを特徴とする。
【0013】上記結晶相は、さらに、コランダム相、ス
ピネル相、トリジマイト相、クリストバライト相および
ペロブスカイト相から選ばれる少なくとも一つの相を含
むことが好ましい。また、この組成物は、上記に説明し
たように、MgOと、ROaと、SiO2およびB23
ら選ばれる少なくとも一種とを含有することが好まし
い。ここで、Rおよびaは、上記と同様である。
【0014】また、本発明の通信機器用デバイスは、上
記誘電体磁器組成物を含むことを特徴とする。このデバ
イスは、特にマイクロ波、ミリ波などのGHz帯域にお
ける使用に適したものである。また、このデバイスは適
宜金属導体と組み合わされて構成される。例えば上記誘
電体磁器組成物は、金属導体と積層されて積層デバイス
として用いられる。この積層デバイスは、上記誘電体磁
器組成物からなる誘電体層と、Ag、Au、Cuおよび
Pdから選ばれる少なくとも一種の金属を主成分とする
導体層とを積層して形成した積層体を含むことを特徴と
する。本発明の通信機器用デバイスには、誘電体フィル
タ、誘電体共振器、誘電体アンテナ、コンデンサ、イン
ダクタ、回路基板などが含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の誘電体磁器組成物
からなる成型体を得るための方法の例について説明す
る。
【0016】本発明の誘電体磁器組成物を製造するため
の出発原料としては、各構成元素の酸化物、炭酸塩、硝
酸塩、有機金属塩などを用いる。純度は99%以上が望
ましいが特に限定されない。これらの原料を、上記組成
範囲になるように秤量し、混合する。混合は、ボールミ
ル、媒体撹拌ミル、乳鉢などで行い、湿式、乾式いずれ
により混合してもよい。湿式の場合、溶媒としては、
水、アルコール、エーテルなどを用いることできる。必
要に応じて乾燥させた混合物を、るつぼに入れ、熱処理
する。るつぼとしては、ムライト、アルミナ、白金など
からなるものがよい。熱処理温度は800℃〜1500
℃が好ましい。
【0017】ガラス化が必要な場合には溶融物を急冷す
る。急冷は、加熱により溶融させた原料を、水中に滴下
させる、金属板に滴下させるなどの方法により行うこと
ができる。得られた熱処理物は、上記混合と同様の方法
により、粉砕する。粉砕に際しては、必要に応じて乾燥
を施してもよい。このようにして誘電体結晶粉末および
/またはガラス粉末を得る。誘電体結晶粉末とガラス粉
末は、必要に応じて上記混合と同様の方法により混合
し、乾燥する。
【0018】次に得られた粉末を造粒する。造粒方法と
しては、バインダを加えて混練し、メッシュを通して造
粒する方法、スプレードライなどで市販の造粒装置を用
いて造粒する方法などが挙げられる。バインダとして
は、ポリビニルアルコール系、ワックス系、アクリル系
などを用いることができる。またバインダの添加量とし
ては、粉末に対して1〜15重量%が好ましい。なお、
上記メッシュの開口径としては、100〜1000μm
の範囲が好ましい。
【0019】引き続いて造粒粉末をプレス成型する。成
型法としては、金型を用いた一軸加圧成型、静水圧成型
などが好ましい。成型圧は、100〜2000kg/c
2の範囲がよい。得られた成型体を、大気中などの酸
化性雰囲気中350℃〜800℃で熱処理することによ
りバインダ成分を飛散させ、さらに800℃〜1700
℃の範囲で焼成する。焼成雰囲気は、中性であっても酸
化性であってもよく特に限定されない。
【0020】以上に説明したような方法により、焼結体
とした誘電体磁器組成物を得ることができる。この誘電
体磁器は、従来から用いられてきた方法により、適宜金
属導体などと組み合わされて各種通信機器用デバイスと
される。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、以下の実施例において、特性評価は、比
誘電率、誘電損失(Q値)および共振周波数の温度係数
(TCF)について実施した。比誘電率と誘電損失(Q
値)とは、ネットワークアナライザを用いて誘電体共振
器法により求めた。このときの共振周波数は、3〜10
GHzとした。また、TCFは、焼結体をインバー製の
キャビティに入れたときの共振周波数を85℃から−2
5℃まで測定し、最小二乗法により算出した。
【0022】(実施例1)出発原料として、Al23
MgO、La23、CeO2、Pr611、Nd23、S
23およびGd23を用いた。これらの出発原料を、
組成式:xAlO3/2―yMgO―zROa(R:La、
Ce、Pr、Nd、Sm、Gd)により表したときの
x、y、zが表1の種々の値になるように適宜配合し
た。
【0023】全量が100gとなるように配合し、これ
を純水130cc、直径10mmのジルコニア製玉石6
00gとともに、容量600ccのポリエチレン製ポッ
トに入れ、18時間回転させて混合、粉砕を行った。ス
ラリー状の混合物を金属製のバットに入れて150℃で
乾燥させた。乾燥物をアルミナ製るつぼに入れ、ふたを
し、1450℃で4時間仮焼した。この仮焼物を混合と
同様の方法により粉砕し、乾燥させた。得られた誘電体
粉末に、6重量%のポリビニルアルコール系のバインダ
を加え、混練し、開口径500μmのメッシュを通して
造粒した。造粒粉を金型に充填し、1000kg/cm
2の圧力で一軸加圧して成型した。この成型体を空気中
650℃で2時間保持してバインダ成分を飛散させた
後、1500〜1700℃の温度範囲で焼成した。焼結
体の寸法は、直径約11mm、高さ約5mmとなった。
上記範囲内における種々の温度で焼成して得た焼結体の
うち、密度が最高となったものについて誘電特性の評価
を上記記載の方法により実施した。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示した試料No.1からNo.18のうち、
#印を付した試料(No.1、No.3、No.7、No.10およびNo.
13)を除いては、比誘電率が12前後で、Q値と共振周
波数との積であるQf積が10000GHz以上と高
く、TCFは−60ppm/℃以上(絶対値が60pp
m/℃以下)と良好な特性となることがわかった。この
ように、上記組成式により示される酸化物を用いた誘電
体磁器組成物によれば、低い誘電率と実用的なQf積お
よびTCFとを実現できた。
【0026】(実施例2)実施例1と同様の方法により
誘電体粉末を得た。この誘電体粉末の組成は、90Al
23−8MgO−2ROaとした。Rは表3に記載の元
素を選択した。
【0027】次にガラス粉末を以下の方法により作製し
た。出発原料として、SiO2、B23、Al23、C
aCO3、SrCO3、BaCO3、La23、ZrO2
TiO2、MgO、PbO、ZnO、Li2CO3、Na2
CO3およびK2CO3を用いた。これらの出発原料を、
全量が60gで、表2に示した割合となるように適宜選
択して配合した。エタノール130cc、直径10mm
のジルコニア製玉石600gとともに、容量600cc
のポリエチレン製ポットに入れ、18時間回転させて混
合、粉砕を行った。スラリー状の混合物を金属製のバッ
トに入れ、150℃で乾燥させた。乾燥物を白金製るつ
ぼに入れ、ふたをし、1300℃で溶融させた後、溶融
物を水中に入れ急冷した。得られたガラスを混合と同様
の方法にて粉砕し、乾燥させ、ガラス粉末を得た。
【0028】上記誘電体粉末(第一成分)とガラス粉末
(第二成分)とを合計80g、所定の割合に配合し、前
記ガラス粉末の混合と同様の方法にて混合し、乾燥させ
た。得られた混合粉末から、実施例1と同様の方法にて
焼結体を作製し、特性の評価を行った。焼結温度は、8
00〜1100℃の範囲で行った。作製したガラスの組
成と状態を表2に、得られた焼結体の組成と特性を表3
にそれぞれ示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表3に示した試料No.17からNo.39のうち、
70重量%を超えるガラス組成物を添加したNo.20及びN
o.27については、Qf積が低くなって誘電特性の測定が
できなくなった。なお、No.28については第二成分自体
が溶融せずガラス組成物を得ることができなかった。一
方、その他の誘電体磁器組成物については、1100℃
以下の低温で焼結し、6〜8の比誘電率、3000GH
z以上のQf積、−50ppm/℃よりも高い(絶対値
が50ppm/℃以下である)TCF値という良好な特
性を得ることができた。このように、上記組成式により
示される酸化物にガラス組成物を70重量以下の割合で
加えた誘電体磁器組成物によれば、低い誘電率と実用的
なQf積およびTCFとを実現できた。
【0032】また、これら良好な特性を得られた誘電体
磁器組成物のうち、さらにNo.17からNo.19を除いたもの
については、1000℃以下の温度で焼結することがで
きた。特に、ZrO2を含む上記組成IIIに属するガラス
組成を用いたNo.34からNo.37については、950℃以下
の低温で焼結することができた。ただし、ZrO2
0.5重量%より少ないか13重量%よりも多いと焼結
温度を950℃以下とすることができなかった(##印
を付したNo.38およびNo.39)。
【0033】また、La23を含む上記組成IIに属する
ガラス組成を用いたNo.29からNo.31については、Qf積
が5000GHz以上と高い値を示した。ただし、##
印を付したNo.32およびNo.33から明らかなように、La
23量が5重量%より少ないかまたは15重量%よりも
多いとQf積を5000GHz以上とすることができな
かった。
【0034】また、第二成分として添加する組成物を構
成するその他成分の一般的な好ましい範囲は以下のとお
りである。すなわち、表2に示した組成物I〜Mから明
らかなように、SiO2が20重量%よりも少なくなる
と組成物がガラス化せず、一方、70重量%よりも多く
なると溶解しにくくなる。B23が35重量%よりも多
くなると吸湿性が高くなり過ぎる。Al23が35重量
%よりも多くなると、ガラスは得られるものの、焼結体
が焼成のさやにくっついてしまう。また、MOの量が5
0重量%よりも多くなると溶融しにくくなる。
【0035】また、本実施例で作製した焼結体の生成相
を、X線回折により解析した結果、マグネトプランバイ
ト相、コランダム相、スピネル相、およびガラス相が検
出された。マグネトプランバイト相は、一般にPO・6
23(Pは2価イオン、Qは3価イオン)で表示され
る。本発明の組成物の場合は、Q23としてAl23
含まれている。
【0036】上記実施例で作製した誘電体粉末をグリー
ンシートにし、Agペーストを印刷して、加圧圧着し、
個片に切断したものを焼成すると、良好な積層体が得ら
れた。このように、本発明で得られる誘電体磁器組成物
は、Ag、Au、Cu、Pd等の金属からなる層と積層
した積層構造を有するデバイスとして用いることができ
る。また、上記実施例からも明らかなように、上記各誘
電体組成物は、上記のような金属と適宜組み合わせるこ
とにより、特性評価帯域としたGHz帯域において特に
優れた高周波デバイスとして利用できる。
【0037】なお、上記に説明したような製造方法によ
れば、Zr、Ti、Si、Fe、Ca等の元素が製造中
に混入したり、出発原料に混入している場合が考えられ
る。しかし、このような不純物は、本発明の上記目的が
達成される限り混入しても構わない。ただし、不純物濃
度は、酸化物換算で全量中0.2重量%以下とすること
が好ましい。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、Al23、MgOおよびROaを含有し、前記A
23、MgOおよびROaが、組成式xAlO3/2―y
MgO―zROa(Rは、La、Ce、Pr、Nd、S
mおよびGdから選ばれる少なくとも一種の元素;a
は、Rの価数に応じて化学量論的に定まる数値)により
表示して、x≧55、y≧0.5、z≧0.5およびx
+y+z=100となるように含まれる誘電体磁器組成
物とすることにより、低い比誘電率と実用的な誘電損失
と絶対値が小さい共振周波数温度係数(TCF)とを兼
ね備えた誘電体磁器組成物を提供することができる。こ
のような誘電体磁器組成物により、マイクロ波やミリ波
などの帯域における使用に適した通信機器用デバイスを
構成することができる。この通信機器用デバイスは、例
えば、導体層との積層体を含む積層型のデバイスとして
用いることもできる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al23、MgOおよびROaを含有
    し、前記Al23、MgOおよびROaが、組成式xA
    lO3/2―yMgO―zROaにより表示して、x≧5
    5、y≧0.5、z≧0.5およびx+y+z=100
    となるように含まれることを特徴とする誘電体磁器組成
    物。ただし、Rは、La、Ce、Pr、Nd、Smおよ
    びGdから選ばれる少なくとも一種の元素であり、a
    は、前記Rの価数に応じて化学量論的に定まる数値であ
    る。
  2. 【請求項2】 前記組成式により表示される第一成分に
    加え、SiO2およびB23から選ばれる少なくとも一
    種を含むガラス組成物を第二成分として70重量%以下
    の割合で含有する請求項1に記載の誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 前記第二成分が、さらに、Al23、Z
    rO2、TiO2、BaO、SrO、CaO、MgO、L
    23、PbO、ZnO、Li2O、Na2O、およびK
    2Oから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含む請求項
    2に記載の誘電体磁器組成物。
  4. 【請求項4】 前記第二成分が、20〜70重量%のS
    iO2、0〜35重量%のB23、1〜35重量%のA
    23、0〜50重量%のMOにより構成される請求項
    3に記載の誘電体磁器組成物。ただし、MはCa、Sr
    およびBaから選ばれる少なくとも一種の元素である。
  5. 【請求項5】 前記第二成分が、30〜60重量%のS
    iO2、2〜8重量%のB23、2〜10重量%のAl2
    3、20〜50重量%のMO、5〜15重量%のLa2
    3により構成される請求項3に記載の誘電体磁器組成
    物。ただし、MはCa、SrおよびBaから選ばれる少
    なくとも一種の元素である。
  6. 【請求項6】 前記第二成分が、30〜70重量%のS
    iO2、10〜35重量%のB23、5〜30重量%の
    Al23、2〜15重量%のMO、0.5〜13重量%
    のZrO2から構成される請求項3に記載の誘電体磁器
    組成物。ただし、MはCa、SrおよびBaから選ばれ
    る少なくとも一種の元素である。
  7. 【請求項7】 RがLa、NdおよびSmから選ばれる
    少なくとも1種の元素である請求項1〜6のいずれかに
    記載の誘電体磁器組成物。
  8. 【請求項8】 前記第一成分を含む結晶相と、前記第二
    成分を含むガラス相とを含む請求項2に記載の誘電体磁
    器組成物。
  9. 【請求項9】 前記結晶相がマグネトプランバイト相を
    含み、前記マグネトプランバイト相がAl23を含む請
    求項8に記載の誘電体磁器組成物。
  10. 【請求項10】 前記結晶相が、さらに、コランダム
    相、スピネル相、トリジマイト相、クリストバライト相
    およびペロブスカイト相から選ばれる少なくとも一つの
    相を含む請求項9に記載の誘電体磁器組成物。
  11. 【請求項11】 結晶相とガラス相からなり、前記結晶
    相がマグネトプランバイト相を含み、前記マグネトプラ
    ンバイト相がAl23を含むことを特徴とする誘電体磁
    器組成物。
  12. 【請求項12】 前記結晶相が、さらに、コランダム
    相、スピネル相、トリジマイト相、クリストバライト相
    およびペロブスカイト相から選ばれる少なくとも一つの
    相を含む請求項11に記載の誘電体磁器組成物。
  13. 【請求項13】 MgOと、ROaと、SiO2およびB
    23から選ばれる少なくとも一種とを含有する請求項1
    1に記載の誘電体磁器組成物。ただし、Rは、La、C
    e、Pr、Nd、SmおよびGdから選ばれる少なくと
    も一種の元素であり、aは、前記Rの価数に応じて化学
    量論的に定まる数値である。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の誘
    電体磁器組成物を含むことを特徴とする通信機器用デバ
    イス。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれかに記載の誘
    電体磁器組成物からなる誘電体層と、Ag、Au、Cu
    およびPdから選ばれる少なくとも一種の金属を主成分
    とする導体層とを積層して形成した積層体を含むことを
    特徴とする通信機器用デバイス。
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