JPH09188561A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH09188561A
JPH09188561A JP8003908A JP390896A JPH09188561A JP H09188561 A JPH09188561 A JP H09188561A JP 8003908 A JP8003908 A JP 8003908A JP 390896 A JP390896 A JP 390896A JP H09188561 A JPH09188561 A JP H09188561A
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glass powder
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Koichi Fukuda
晃一 福田
Atsushi Mitani
敦志 三谷
Masataka Fujinaga
昌孝 藤永
Masatoshi Takeda
将利 竹田
Shinichi Ishitobi
信一 石飛
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 比誘電率および無負荷Q値も大きく、しかも
共振周波数の温度係数の小さい誘電体磁器組成物を提供
するものである。 【解決手段】 主成分が組成式、xBaO−yTiO2
−zNd2 3 −tSm2 3 (式中、0.1≦x≦
0.2、0.5≦y≦0.8、0.01≦z≦0.2、
0≦t≦0.2、x+y+z+t=1である。)で表さ
れるバリウム、チタン、および酸素等からなる誘電体磁
器組成物であり、かつ副成分としてPbO、ZnOおよ
びB2 3 から構成されるガラス粉末ならびにGeO2
およびLi2 Oを含有し、主成分に対する副成分ガラス
粉末の含有量a(重量%)が1≦a≦25、GeO2
含有量b(重量%)が0.5≦b≦10およびLi2
の含有量c(重量%)が0.04≦c≦4であり、さら
に第三成分としてAgを含有し、主成分に対するAgの
含有量d(重量%)が0.1≦d≦5である誘電体磁器
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体共振器等の
材料として好適な誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波回路の集積化に伴い、
小型で高性能な誘電体共振器が求められている。このよ
うな誘電体共振器に使用される誘電体磁器組成物には、
比誘電率εr が大きいこと、無負荷Qが大きいこと、共
振周波数の温度係数τf が小さいこと等の特性が要求さ
れている。
【0003】このような誘電体磁器組成物として、Ba
O−TiO2 −Nd2 3 系の誘電体磁器組成物につい
て提案〔Ber.Dt.Keram.Ges.,55(1978)Nr.7;特開昭60
−35406号公報〕、あるいはBaO−TiO2 −N
2 3 −Bi2 3 系(特開昭62−72558号公
報)について提案されている。
【0004】最近、誘電体磁器組成物を積層した積層チ
ップコンデンサ、積層誘電体共振器等が開発されてお
り、磁器組成物と内部電極との同時焼成による積層化が
行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記誘
電体磁器組成物は焼成温度が1300℃〜1400℃と
高いため内部電極との同時焼成を行うことは困難な面が
あり、積層化構造とするためには電極材料として高温に
耐えるパラジウム(Pd)や白金(Pt)等の材料に限
定されていた。このため、電極材料として安価な銀(A
g)、銀−パラジウム(Ag−Pd)、銅(Cu)を使
用して1200℃以下の低温で同時焼成できる誘電体磁
器組成物が求められている。また、積層品を製造する際
に、電気特性にバラツキが見られることがあり、このバ
ラツキの低減が望まれている。
【0006】本発明の目的は、上記課題を解決し、誘電
体共振器等の材料として優れた特性、特に高誘電率で、
無負荷Qが大きく、共振周波数の温度変化が小さいとい
う特性を有し、しかも低温で焼成した場合にも焼結性が
良好な誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、主成分が組成
式、xBaO−yTiO2 −zNd2 3 −tSm2
3 (式中、0.1≦x≦0.2、0.5≦y≦0.8、
0.01≦z≦0.2、0≦t≦0.2、x+y+z+
t=1である。)で表されるバリウム、チタン、ネオジ
ム、サマリウムおよび酸素からなる誘電体磁器組成物で
あり、かつ副成分としてPbO、ZnOおよびB2 3
から構成されるガラス粉末ならびにGeO2 およびLi
2 Oを含有し、主成分に対する副成分ガラス粉末の含有
量a(重量%)が1≦a≦25、GeO2 の含有量b
(重量%)が0.5≦b≦10およびLi2 Oの含有量
c(重量%)が0.04≦c≦4であり、さらに第三成
分としてAgを含有し、主成分に対するAgの含有量d
(重量%)が0.1≦d≦5であることを特徴とする誘
電体磁器組成物に関する。
【0008】本発明によれば、組成式xBaO−yTi
2 −zNd2 3 −tSm2 3で表される誘電体磁
器組成物に、副成分としてPbO、ZnOおよびB2
3 から構成されるガラス粉末ならびにGeO2 およびL
2 Oを含有させ、さらに第三成分としてAgを含有さ
せることにより、低温焼結でき、高誘電率で、無負荷Q
が大きく、共振周波数の温度変化が小さく、内部電極
(Ag)との同時焼成時にセラミックス層への電極材料
(Ag)の拡散を抑制し、特性バラツキの少ないという
特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができる。
【0009】本発明において、BaOのモル分率が過度
に大きい場合には、共振しなくなり、過度に小さい場合
には、誘電率、無負荷Qが小さくなる。TiO2 のモル
分率が過度に大きい場合には、共振周波数の温度係数が
大きくなり、過度に小さい場合には、誘電率が小さくな
る。Nd2 3 のモル分率が過度に大きい場合には、誘
電率、無負荷Qが小さくなり、過度に小さい場合には、
共振周波数の温度係数が大きくなる。Sm2 3 のモル
分率が過度に大きい場合には、誘電率、無負荷Qが小さ
くなる。
【0010】また、本発明において、主成分に対する副
成分PbO、ZnOおよびB2 3から構成されるガラ
ス粉末の含有量a(重量%)ならびにGeO2 の含有量
b(重量%)が過度に大きい場合には、無負荷Qが小さ
くなり、Li2 Oの含有量c(重量%)が過度に大きい
場合には、共振しなくなる。また、PbO、ZnOおよ
びB2 3 から構成されるガラス粉末の含有量a(重量
%)が過度に小さいかゼロの場合には、1200℃以下
での低温焼成が困難になる。GeO2 の含有量b(重量
%)が過度に小さいかゼロの場合には、無負荷Qが小さ
くなる。Li2Oを含有させることにより、焼結温度が
さらに低下し、Agの内部電極が容易に形成可能とな
る。したがって、副成分PbO、ZnOおよびB2 3
から構成されるガラス粉末の含有量a(重量%)、Ge
2 の含有量b(重量%)およびLi2 Oの含有量c
(重量%)は上記範囲に設定される。また、PbO、Z
nOおよびB2 3 から構成されるガラス粉末におい
て、PbO、ZnOおよびB2 3 の構成割合は特に限
定されないが、ZnOの含有量が過度に大きい場合には
ガラスの軟化点が上昇し、低温焼成が困難になるため、
ガラス粉末中のZnOの含有量は50重量%以下が好ま
しい。さらに、第三成分としてAgを含有させることに
より、電気特性のバラツキを低減させることができる
が、主成分に対するAgの含有量d(重量%)が過度に
大きい場合には、無負荷Qが小さくなるのでAgの含有
量d(重量%)は上記範囲に設定される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物の好適
な製造法の一例を次に説明する。炭酸バリウム、酸化チ
タン、酸化ネオジムおよび酸化サマリウムの出発原料を
各所定量ずつ水、アルコール等の溶媒と共に湿式混合す
る。続いて、水、アルコール等を除去した後、粉砕し、
酸素含有ガス雰囲気(例えば空気雰囲気)下に1000
〜1300℃で約1〜5時間程度仮焼する。このように
して得られた仮焼粉に、副成分PbO、ZnOおよびB
2 3 から構成されるガラス粉末、ならびにGeO2
よびLi2 CO3 、第三成分Ag粉をアルコール等の溶
媒と共に湿式混合、粉砕する。続いて、水、アルコール
等を除去した後、ポリビニルアルコールの如き有機バイ
ンダと共に混合して均質にし、乾燥、粉砕、加圧成型
(圧力100〜1000Kg/cm2 程度)する。得ら
れた成形物を空気の如き酸素含有ガス雰囲気下に850
℃〜1100℃で焼成することにより上記組成式で表さ
れる誘電体磁器組成物が得られる。
【0012】このようにして得られた誘電体磁器組成物
は、必要により適当な形状およびサイズに加工、あるい
はドクターブレード法等によるシート成形およびシート
と電極による積層化により、誘電体共振器、誘電体基
板、積層素子等の材料として利用できる。
【0013】なお、バリウム、チタン、ネオジム、サマ
リウム、鉛、亜鉛、ホウ素、ゲルマニウム、リチウムの
原料としては、BaCO3 、TiO2 、Nd2 3 、S
23 、PbO、ZnO、B2 3 、GeO2 、Li
2 CO3 の他に、焼成時に酸化物となる硝酸塩、水酸化
物等を使用することができる。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明を
さらに具体的に説明する。 実施例1 炭酸バリウム粉末(BaCO3 )0.13モル、酸化チ
タン粉末(TiO2 )0.70モル、酸化ネオジム粉末
(Nd2 3 )0.17モルをエタノールと共にボール
ミルに入れ、12時間湿式混合した。溶液を脱媒後、粉
砕し、空気雰囲気下1250℃で仮焼した。また、酸化
鉛粉末(PbO)84wt%、酸化亜鉛粉末(ZnO)
7wt%および酸化ホウ素粉末(B2 3 )9wt%か
ら構成されるガラス粉末Aを常法により調製した。上記
で得られた仮焼物にこのPbO、ZnOおよびB2 3
から構成されるガラス粉末Aを10wt%ならびに酸化
ゲルマニウム粉末(GeO2 )3wt%、炭酸リチウム
粉末(Li2 CO3 )1wt%(Li2 O換算で0.4
wt%)および銀粉末0.2wt%を添加しエタノール
と共にボールミルに入れ、48時間湿式混合した。溶液
を脱媒後、粉砕し、この粉砕物に適量のポリビニルアル
コール溶液を加えて乾燥後、直径12mmφ、厚み4m
mtのペレットに成形し、空気雰囲気下において955
℃で2時間焼成した。
【0015】こうして得られた磁器組成物を直径7mm
φ、厚み約3mmtの大きさに加工したのち、誘電共振
法によって測定し、共振周波数(3〜6GHz)におけ
る無負荷Q、比誘電率および共振周波数の温度係数を求
めた。その結果を表2に示す。また、第三成分Agの添
加効果を調べるために、ドクターブレード法により積層
シートを作製し、図1に示すような銀を内部電極とし、
1端面を除く5側面に銀電極を設けたトリプレートタイ
プの共振器(約6mm×3mm×2mmt)を構成し
た。この共振器の共振周波数のバラツキよりAgの添加
効果を調べた。具体的には中心周波数からのズレが±1
%を超えるサンプルの数を調べた。その結果を表2に示
す。
【0016】実施例2〜21および比較例1〜15 実施例1の炭酸バリウム、酸化チタン、酸化ネオジムお
よび酸化サマリウムの混合割合、副成分であるPbO、
ZnOおよびB2 3 から構成されるガラス粉末の種類
(ガラス粉末B:PbO80wt%,ZnO10wt
%,B2 3 10wt%)と副成分の添加量、第三成分
の添加量を表1記載のように代えた他は、実施例1と同
様にして誘電体磁器組成物を製造し、特性を測定した。
その結果を表2に示す。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、比誘電率εr が大き
く、かつ無負荷Q値も大きく、しかも共振周波数の温度
係数τf の小さい誘電体磁器組成物を提供することがで
きる。また、低温焼結が可能であり、Ag、Ag−P
d、Cu等を内部電極とした積層化が可能な誘電体磁器
組成物を提供することができる。さらに、セラミックス
層への内部電極の拡散を抑制できるため、特性のバラツ
キを低減できる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体磁器組成物を使用して作製した
トリプレートタイプの共振器を示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 将利 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 石飛 信一 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分が組成式、xBaO−yTiO
    2 −zNd2 3 −tSm2 3 (式中、0.1≦x≦
    0.2、0.5≦y≦0.8、0.01≦z≦0.2、
    0≦t≦0.2、x+y+z+t=1である。)で表さ
    れるバリウム、チタン、ネオジム、サマリウムおよび酸
    素からなる誘電体磁器組成物であり、かつ副成分として
    PbO、ZnOおよびB2 3 から構成されるガラス粉
    末ならびにGeO2 およびLi2 Oを含有し、主成分に
    対する副成分ガラス粉末の含有量a(重量%)が1≦a
    ≦25、GeO2 の含有量b(重量%)が0.5≦b≦
    10およびLi2 Oの含有量c(重量%)が0.04≦
    c≦4であり、さらに第三成分としてAgを含有し、主
    成分に対するAgの含有量d(重量%)が0.1≦d≦
    5であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2236478A1 (en) * 2009-03-30 2010-10-06 TDK Corporation Dielectric Ceramic Composition

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EP2236478A1 (en) * 2009-03-30 2010-10-06 TDK Corporation Dielectric Ceramic Composition

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