JPH09188561A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
- Publication number
- JPH09188561A JPH09188561A JP8003908A JP390896A JPH09188561A JP H09188561 A JPH09188561 A JP H09188561A JP 8003908 A JP8003908 A JP 8003908A JP 390896 A JP390896 A JP 390896A JP H09188561 A JPH09188561 A JP H09188561A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- content
- ceramic composition
- component
- dielectric ceramic
- glass powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Ceramic Capacitors (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 比誘電率および無負荷Q値も大きく、しかも
共振周波数の温度係数の小さい誘電体磁器組成物を提供
するものである。 【解決手段】 主成分が組成式、xBaO−yTiO2
−zNd2 O3 −tSm2 O3 (式中、0.1≦x≦
0.2、0.5≦y≦0.8、0.01≦z≦0.2、
0≦t≦0.2、x+y+z+t=1である。)で表さ
れるバリウム、チタン、および酸素等からなる誘電体磁
器組成物であり、かつ副成分としてPbO、ZnOおよ
びB2 O3 から構成されるガラス粉末ならびにGeO2
およびLi2 Oを含有し、主成分に対する副成分ガラス
粉末の含有量a(重量%)が1≦a≦25、GeO2 の
含有量b(重量%)が0.5≦b≦10およびLi2 O
の含有量c(重量%)が0.04≦c≦4であり、さら
に第三成分としてAgを含有し、主成分に対するAgの
含有量d(重量%)が0.1≦d≦5である誘電体磁器
組成物。
共振周波数の温度係数の小さい誘電体磁器組成物を提供
するものである。 【解決手段】 主成分が組成式、xBaO−yTiO2
−zNd2 O3 −tSm2 O3 (式中、0.1≦x≦
0.2、0.5≦y≦0.8、0.01≦z≦0.2、
0≦t≦0.2、x+y+z+t=1である。)で表さ
れるバリウム、チタン、および酸素等からなる誘電体磁
器組成物であり、かつ副成分としてPbO、ZnOおよ
びB2 O3 から構成されるガラス粉末ならびにGeO2
およびLi2 Oを含有し、主成分に対する副成分ガラス
粉末の含有量a(重量%)が1≦a≦25、GeO2 の
含有量b(重量%)が0.5≦b≦10およびLi2 O
の含有量c(重量%)が0.04≦c≦4であり、さら
に第三成分としてAgを含有し、主成分に対するAgの
含有量d(重量%)が0.1≦d≦5である誘電体磁器
組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体共振器等の
材料として好適な誘電体磁器組成物に関する。
材料として好適な誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波回路の集積化に伴い、
小型で高性能な誘電体共振器が求められている。このよ
うな誘電体共振器に使用される誘電体磁器組成物には、
比誘電率εr が大きいこと、無負荷Qが大きいこと、共
振周波数の温度係数τf が小さいこと等の特性が要求さ
れている。
小型で高性能な誘電体共振器が求められている。このよ
うな誘電体共振器に使用される誘電体磁器組成物には、
比誘電率εr が大きいこと、無負荷Qが大きいこと、共
振周波数の温度係数τf が小さいこと等の特性が要求さ
れている。
【0003】このような誘電体磁器組成物として、Ba
O−TiO2 −Nd2 O3 系の誘電体磁器組成物につい
て提案〔Ber.Dt.Keram.Ges.,55(1978)Nr.7;特開昭60
−35406号公報〕、あるいはBaO−TiO2 −N
d2 O3 −Bi2 O3 系(特開昭62−72558号公
報)について提案されている。
O−TiO2 −Nd2 O3 系の誘電体磁器組成物につい
て提案〔Ber.Dt.Keram.Ges.,55(1978)Nr.7;特開昭60
−35406号公報〕、あるいはBaO−TiO2 −N
d2 O3 −Bi2 O3 系(特開昭62−72558号公
報)について提案されている。
【0004】最近、誘電体磁器組成物を積層した積層チ
ップコンデンサ、積層誘電体共振器等が開発されてお
り、磁器組成物と内部電極との同時焼成による積層化が
行われている。
ップコンデンサ、積層誘電体共振器等が開発されてお
り、磁器組成物と内部電極との同時焼成による積層化が
行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記誘
電体磁器組成物は焼成温度が1300℃〜1400℃と
高いため内部電極との同時焼成を行うことは困難な面が
あり、積層化構造とするためには電極材料として高温に
耐えるパラジウム(Pd)や白金(Pt)等の材料に限
定されていた。このため、電極材料として安価な銀(A
g)、銀−パラジウム(Ag−Pd)、銅(Cu)を使
用して1200℃以下の低温で同時焼成できる誘電体磁
器組成物が求められている。また、積層品を製造する際
に、電気特性にバラツキが見られることがあり、このバ
ラツキの低減が望まれている。
電体磁器組成物は焼成温度が1300℃〜1400℃と
高いため内部電極との同時焼成を行うことは困難な面が
あり、積層化構造とするためには電極材料として高温に
耐えるパラジウム(Pd)や白金(Pt)等の材料に限
定されていた。このため、電極材料として安価な銀(A
g)、銀−パラジウム(Ag−Pd)、銅(Cu)を使
用して1200℃以下の低温で同時焼成できる誘電体磁
器組成物が求められている。また、積層品を製造する際
に、電気特性にバラツキが見られることがあり、このバ
ラツキの低減が望まれている。
【0006】本発明の目的は、上記課題を解決し、誘電
体共振器等の材料として優れた特性、特に高誘電率で、
無負荷Qが大きく、共振周波数の温度変化が小さいとい
う特性を有し、しかも低温で焼成した場合にも焼結性が
良好な誘電体磁器組成物を提供することにある。
体共振器等の材料として優れた特性、特に高誘電率で、
無負荷Qが大きく、共振周波数の温度変化が小さいとい
う特性を有し、しかも低温で焼成した場合にも焼結性が
良好な誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、主成分が組成
式、xBaO−yTiO2 −zNd2 O3 −tSm2O
3 (式中、0.1≦x≦0.2、0.5≦y≦0.8、
0.01≦z≦0.2、0≦t≦0.2、x+y+z+
t=1である。)で表されるバリウム、チタン、ネオジ
ム、サマリウムおよび酸素からなる誘電体磁器組成物で
あり、かつ副成分としてPbO、ZnOおよびB2 O3
から構成されるガラス粉末ならびにGeO2 およびLi
2 Oを含有し、主成分に対する副成分ガラス粉末の含有
量a(重量%)が1≦a≦25、GeO2 の含有量b
(重量%)が0.5≦b≦10およびLi2 Oの含有量
c(重量%)が0.04≦c≦4であり、さらに第三成
分としてAgを含有し、主成分に対するAgの含有量d
(重量%)が0.1≦d≦5であることを特徴とする誘
電体磁器組成物に関する。
式、xBaO−yTiO2 −zNd2 O3 −tSm2O
3 (式中、0.1≦x≦0.2、0.5≦y≦0.8、
0.01≦z≦0.2、0≦t≦0.2、x+y+z+
t=1である。)で表されるバリウム、チタン、ネオジ
ム、サマリウムおよび酸素からなる誘電体磁器組成物で
あり、かつ副成分としてPbO、ZnOおよびB2 O3
から構成されるガラス粉末ならびにGeO2 およびLi
2 Oを含有し、主成分に対する副成分ガラス粉末の含有
量a(重量%)が1≦a≦25、GeO2 の含有量b
(重量%)が0.5≦b≦10およびLi2 Oの含有量
c(重量%)が0.04≦c≦4であり、さらに第三成
分としてAgを含有し、主成分に対するAgの含有量d
(重量%)が0.1≦d≦5であることを特徴とする誘
電体磁器組成物に関する。
【0008】本発明によれば、組成式xBaO−yTi
O2 −zNd2 O3 −tSm2 O3で表される誘電体磁
器組成物に、副成分としてPbO、ZnOおよびB2 O
3 から構成されるガラス粉末ならびにGeO2 およびL
i2 Oを含有させ、さらに第三成分としてAgを含有さ
せることにより、低温焼結でき、高誘電率で、無負荷Q
が大きく、共振周波数の温度変化が小さく、内部電極
(Ag)との同時焼成時にセラミックス層への電極材料
(Ag)の拡散を抑制し、特性バラツキの少ないという
特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができる。
O2 −zNd2 O3 −tSm2 O3で表される誘電体磁
器組成物に、副成分としてPbO、ZnOおよびB2 O
3 から構成されるガラス粉末ならびにGeO2 およびL
i2 Oを含有させ、さらに第三成分としてAgを含有さ
せることにより、低温焼結でき、高誘電率で、無負荷Q
が大きく、共振周波数の温度変化が小さく、内部電極
(Ag)との同時焼成時にセラミックス層への電極材料
(Ag)の拡散を抑制し、特性バラツキの少ないという
特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができる。
【0009】本発明において、BaOのモル分率が過度
に大きい場合には、共振しなくなり、過度に小さい場合
には、誘電率、無負荷Qが小さくなる。TiO2 のモル
分率が過度に大きい場合には、共振周波数の温度係数が
大きくなり、過度に小さい場合には、誘電率が小さくな
る。Nd2 O3 のモル分率が過度に大きい場合には、誘
電率、無負荷Qが小さくなり、過度に小さい場合には、
共振周波数の温度係数が大きくなる。Sm2 O3 のモル
分率が過度に大きい場合には、誘電率、無負荷Qが小さ
くなる。
に大きい場合には、共振しなくなり、過度に小さい場合
には、誘電率、無負荷Qが小さくなる。TiO2 のモル
分率が過度に大きい場合には、共振周波数の温度係数が
大きくなり、過度に小さい場合には、誘電率が小さくな
る。Nd2 O3 のモル分率が過度に大きい場合には、誘
電率、無負荷Qが小さくなり、過度に小さい場合には、
共振周波数の温度係数が大きくなる。Sm2 O3 のモル
分率が過度に大きい場合には、誘電率、無負荷Qが小さ
くなる。
【0010】また、本発明において、主成分に対する副
成分PbO、ZnOおよびB2 O3から構成されるガラ
ス粉末の含有量a(重量%)ならびにGeO2 の含有量
b(重量%)が過度に大きい場合には、無負荷Qが小さ
くなり、Li2 Oの含有量c(重量%)が過度に大きい
場合には、共振しなくなる。また、PbO、ZnOおよ
びB2 O3 から構成されるガラス粉末の含有量a(重量
%)が過度に小さいかゼロの場合には、1200℃以下
での低温焼成が困難になる。GeO2 の含有量b(重量
%)が過度に小さいかゼロの場合には、無負荷Qが小さ
くなる。Li2Oを含有させることにより、焼結温度が
さらに低下し、Agの内部電極が容易に形成可能とな
る。したがって、副成分PbO、ZnOおよびB2 O3
から構成されるガラス粉末の含有量a(重量%)、Ge
O2 の含有量b(重量%)およびLi2 Oの含有量c
(重量%)は上記範囲に設定される。また、PbO、Z
nOおよびB2 O3 から構成されるガラス粉末におい
て、PbO、ZnOおよびB2 O 3 の構成割合は特に限
定されないが、ZnOの含有量が過度に大きい場合には
ガラスの軟化点が上昇し、低温焼成が困難になるため、
ガラス粉末中のZnOの含有量は50重量%以下が好ま
しい。さらに、第三成分としてAgを含有させることに
より、電気特性のバラツキを低減させることができる
が、主成分に対するAgの含有量d(重量%)が過度に
大きい場合には、無負荷Qが小さくなるのでAgの含有
量d(重量%)は上記範囲に設定される。
成分PbO、ZnOおよびB2 O3から構成されるガラ
ス粉末の含有量a(重量%)ならびにGeO2 の含有量
b(重量%)が過度に大きい場合には、無負荷Qが小さ
くなり、Li2 Oの含有量c(重量%)が過度に大きい
場合には、共振しなくなる。また、PbO、ZnOおよ
びB2 O3 から構成されるガラス粉末の含有量a(重量
%)が過度に小さいかゼロの場合には、1200℃以下
での低温焼成が困難になる。GeO2 の含有量b(重量
%)が過度に小さいかゼロの場合には、無負荷Qが小さ
くなる。Li2Oを含有させることにより、焼結温度が
さらに低下し、Agの内部電極が容易に形成可能とな
る。したがって、副成分PbO、ZnOおよびB2 O3
から構成されるガラス粉末の含有量a(重量%)、Ge
O2 の含有量b(重量%)およびLi2 Oの含有量c
(重量%)は上記範囲に設定される。また、PbO、Z
nOおよびB2 O3 から構成されるガラス粉末におい
て、PbO、ZnOおよびB2 O 3 の構成割合は特に限
定されないが、ZnOの含有量が過度に大きい場合には
ガラスの軟化点が上昇し、低温焼成が困難になるため、
ガラス粉末中のZnOの含有量は50重量%以下が好ま
しい。さらに、第三成分としてAgを含有させることに
より、電気特性のバラツキを低減させることができる
が、主成分に対するAgの含有量d(重量%)が過度に
大きい場合には、無負荷Qが小さくなるのでAgの含有
量d(重量%)は上記範囲に設定される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物の好適
な製造法の一例を次に説明する。炭酸バリウム、酸化チ
タン、酸化ネオジムおよび酸化サマリウムの出発原料を
各所定量ずつ水、アルコール等の溶媒と共に湿式混合す
る。続いて、水、アルコール等を除去した後、粉砕し、
酸素含有ガス雰囲気(例えば空気雰囲気)下に1000
〜1300℃で約1〜5時間程度仮焼する。このように
して得られた仮焼粉に、副成分PbO、ZnOおよびB
2 O3 から構成されるガラス粉末、ならびにGeO2 お
よびLi2 CO3 、第三成分Ag粉をアルコール等の溶
媒と共に湿式混合、粉砕する。続いて、水、アルコール
等を除去した後、ポリビニルアルコールの如き有機バイ
ンダと共に混合して均質にし、乾燥、粉砕、加圧成型
(圧力100〜1000Kg/cm2 程度)する。得ら
れた成形物を空気の如き酸素含有ガス雰囲気下に850
℃〜1100℃で焼成することにより上記組成式で表さ
れる誘電体磁器組成物が得られる。
な製造法の一例を次に説明する。炭酸バリウム、酸化チ
タン、酸化ネオジムおよび酸化サマリウムの出発原料を
各所定量ずつ水、アルコール等の溶媒と共に湿式混合す
る。続いて、水、アルコール等を除去した後、粉砕し、
酸素含有ガス雰囲気(例えば空気雰囲気)下に1000
〜1300℃で約1〜5時間程度仮焼する。このように
して得られた仮焼粉に、副成分PbO、ZnOおよびB
2 O3 から構成されるガラス粉末、ならびにGeO2 お
よびLi2 CO3 、第三成分Ag粉をアルコール等の溶
媒と共に湿式混合、粉砕する。続いて、水、アルコール
等を除去した後、ポリビニルアルコールの如き有機バイ
ンダと共に混合して均質にし、乾燥、粉砕、加圧成型
(圧力100〜1000Kg/cm2 程度)する。得ら
れた成形物を空気の如き酸素含有ガス雰囲気下に850
℃〜1100℃で焼成することにより上記組成式で表さ
れる誘電体磁器組成物が得られる。
【0012】このようにして得られた誘電体磁器組成物
は、必要により適当な形状およびサイズに加工、あるい
はドクターブレード法等によるシート成形およびシート
と電極による積層化により、誘電体共振器、誘電体基
板、積層素子等の材料として利用できる。
は、必要により適当な形状およびサイズに加工、あるい
はドクターブレード法等によるシート成形およびシート
と電極による積層化により、誘電体共振器、誘電体基
板、積層素子等の材料として利用できる。
【0013】なお、バリウム、チタン、ネオジム、サマ
リウム、鉛、亜鉛、ホウ素、ゲルマニウム、リチウムの
原料としては、BaCO3 、TiO2 、Nd2 O3 、S
m2O3 、PbO、ZnO、B2 O3 、GeO2 、Li
2 CO3 の他に、焼成時に酸化物となる硝酸塩、水酸化
物等を使用することができる。
リウム、鉛、亜鉛、ホウ素、ゲルマニウム、リチウムの
原料としては、BaCO3 、TiO2 、Nd2 O3 、S
m2O3 、PbO、ZnO、B2 O3 、GeO2 、Li
2 CO3 の他に、焼成時に酸化物となる硝酸塩、水酸化
物等を使用することができる。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明を
さらに具体的に説明する。 実施例1 炭酸バリウム粉末(BaCO3 )0.13モル、酸化チ
タン粉末(TiO2 )0.70モル、酸化ネオジム粉末
(Nd2 O3 )0.17モルをエタノールと共にボール
ミルに入れ、12時間湿式混合した。溶液を脱媒後、粉
砕し、空気雰囲気下1250℃で仮焼した。また、酸化
鉛粉末(PbO)84wt%、酸化亜鉛粉末(ZnO)
7wt%および酸化ホウ素粉末(B2 O3 )9wt%か
ら構成されるガラス粉末Aを常法により調製した。上記
で得られた仮焼物にこのPbO、ZnOおよびB2 O3
から構成されるガラス粉末Aを10wt%ならびに酸化
ゲルマニウム粉末(GeO2 )3wt%、炭酸リチウム
粉末(Li2 CO3 )1wt%(Li2 O換算で0.4
wt%)および銀粉末0.2wt%を添加しエタノール
と共にボールミルに入れ、48時間湿式混合した。溶液
を脱媒後、粉砕し、この粉砕物に適量のポリビニルアル
コール溶液を加えて乾燥後、直径12mmφ、厚み4m
mtのペレットに成形し、空気雰囲気下において955
℃で2時間焼成した。
さらに具体的に説明する。 実施例1 炭酸バリウム粉末(BaCO3 )0.13モル、酸化チ
タン粉末(TiO2 )0.70モル、酸化ネオジム粉末
(Nd2 O3 )0.17モルをエタノールと共にボール
ミルに入れ、12時間湿式混合した。溶液を脱媒後、粉
砕し、空気雰囲気下1250℃で仮焼した。また、酸化
鉛粉末(PbO)84wt%、酸化亜鉛粉末(ZnO)
7wt%および酸化ホウ素粉末(B2 O3 )9wt%か
ら構成されるガラス粉末Aを常法により調製した。上記
で得られた仮焼物にこのPbO、ZnOおよびB2 O3
から構成されるガラス粉末Aを10wt%ならびに酸化
ゲルマニウム粉末(GeO2 )3wt%、炭酸リチウム
粉末(Li2 CO3 )1wt%(Li2 O換算で0.4
wt%)および銀粉末0.2wt%を添加しエタノール
と共にボールミルに入れ、48時間湿式混合した。溶液
を脱媒後、粉砕し、この粉砕物に適量のポリビニルアル
コール溶液を加えて乾燥後、直径12mmφ、厚み4m
mtのペレットに成形し、空気雰囲気下において955
℃で2時間焼成した。
【0015】こうして得られた磁器組成物を直径7mm
φ、厚み約3mmtの大きさに加工したのち、誘電共振
法によって測定し、共振周波数(3〜6GHz)におけ
る無負荷Q、比誘電率および共振周波数の温度係数を求
めた。その結果を表2に示す。また、第三成分Agの添
加効果を調べるために、ドクターブレード法により積層
シートを作製し、図1に示すような銀を内部電極とし、
1端面を除く5側面に銀電極を設けたトリプレートタイ
プの共振器(約6mm×3mm×2mmt)を構成し
た。この共振器の共振周波数のバラツキよりAgの添加
効果を調べた。具体的には中心周波数からのズレが±1
%を超えるサンプルの数を調べた。その結果を表2に示
す。
φ、厚み約3mmtの大きさに加工したのち、誘電共振
法によって測定し、共振周波数(3〜6GHz)におけ
る無負荷Q、比誘電率および共振周波数の温度係数を求
めた。その結果を表2に示す。また、第三成分Agの添
加効果を調べるために、ドクターブレード法により積層
シートを作製し、図1に示すような銀を内部電極とし、
1端面を除く5側面に銀電極を設けたトリプレートタイ
プの共振器(約6mm×3mm×2mmt)を構成し
た。この共振器の共振周波数のバラツキよりAgの添加
効果を調べた。具体的には中心周波数からのズレが±1
%を超えるサンプルの数を調べた。その結果を表2に示
す。
【0016】実施例2〜21および比較例1〜15 実施例1の炭酸バリウム、酸化チタン、酸化ネオジムお
よび酸化サマリウムの混合割合、副成分であるPbO、
ZnOおよびB2 O3 から構成されるガラス粉末の種類
(ガラス粉末B:PbO80wt%,ZnO10wt
%,B2 O3 10wt%)と副成分の添加量、第三成分
の添加量を表1記載のように代えた他は、実施例1と同
様にして誘電体磁器組成物を製造し、特性を測定した。
その結果を表2に示す。
よび酸化サマリウムの混合割合、副成分であるPbO、
ZnOおよびB2 O3 から構成されるガラス粉末の種類
(ガラス粉末B:PbO80wt%,ZnO10wt
%,B2 O3 10wt%)と副成分の添加量、第三成分
の添加量を表1記載のように代えた他は、実施例1と同
様にして誘電体磁器組成物を製造し、特性を測定した。
その結果を表2に示す。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、比誘電率εr が大き
く、かつ無負荷Q値も大きく、しかも共振周波数の温度
係数τf の小さい誘電体磁器組成物を提供することがで
きる。また、低温焼結が可能であり、Ag、Ag−P
d、Cu等を内部電極とした積層化が可能な誘電体磁器
組成物を提供することができる。さらに、セラミックス
層への内部電極の拡散を抑制できるため、特性のバラツ
キを低減できる。
く、かつ無負荷Q値も大きく、しかも共振周波数の温度
係数τf の小さい誘電体磁器組成物を提供することがで
きる。また、低温焼結が可能であり、Ag、Ag−P
d、Cu等を内部電極とした積層化が可能な誘電体磁器
組成物を提供することができる。さらに、セラミックス
層への内部電極の拡散を抑制できるため、特性のバラツ
キを低減できる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【図1】本発明の誘電体磁器組成物を使用して作製した
トリプレートタイプの共振器を示す斜視図である。
トリプレートタイプの共振器を示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 将利 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 石飛 信一 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 主成分が組成式、xBaO−yTiO
2 −zNd2 O3 −tSm2 O3 (式中、0.1≦x≦
0.2、0.5≦y≦0.8、0.01≦z≦0.2、
0≦t≦0.2、x+y+z+t=1である。)で表さ
れるバリウム、チタン、ネオジム、サマリウムおよび酸
素からなる誘電体磁器組成物であり、かつ副成分として
PbO、ZnOおよびB2 O3 から構成されるガラス粉
末ならびにGeO2 およびLi2 Oを含有し、主成分に
対する副成分ガラス粉末の含有量a(重量%)が1≦a
≦25、GeO2 の含有量b(重量%)が0.5≦b≦
10およびLi2 Oの含有量c(重量%)が0.04≦
c≦4であり、さらに第三成分としてAgを含有し、主
成分に対するAgの含有量d(重量%)が0.1≦d≦
5であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00390896A JP3509359B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00390896A JP3509359B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09188561A true JPH09188561A (ja) | 1997-07-22 |
JP3509359B2 JP3509359B2 (ja) | 2004-03-22 |
Family
ID=11570296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00390896A Expired - Fee Related JP3509359B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3509359B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2236478A1 (en) * | 2009-03-30 | 2010-10-06 | TDK Corporation | Dielectric Ceramic Composition |
-
1996
- 1996-01-12 JP JP00390896A patent/JP3509359B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2236478A1 (en) * | 2009-03-30 | 2010-10-06 | TDK Corporation | Dielectric Ceramic Composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3509359B2 (ja) | 2004-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2003176171A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP3467874B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0855518A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0855519A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP3467876B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH09188561A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0971462A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH08167322A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0845348A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP2004026543A (ja) | 誘電体磁器組成物およびこれを用いた積層セラミック部品 | |
JPH08208328A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0864031A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH08208329A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0855517A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH06260024A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0845344A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH0869713A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP3257152B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP3858395B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH09315861A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP3291817B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH07105729A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP3467927B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH06150719A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JPH07169330A (ja) | 誘電体磁器組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20031209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20031222 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |