JPH0958707A - モノテルペン系化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器 - Google Patents

モノテルペン系化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器

Info

Publication number
JPH0958707A
JPH0958707A JP23772195A JP23772195A JPH0958707A JP H0958707 A JPH0958707 A JP H0958707A JP 23772195 A JP23772195 A JP 23772195A JP 23772195 A JP23772195 A JP 23772195A JP H0958707 A JPH0958707 A JP H0958707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube container
resin layer
container body
layer
polybutylene terephthalate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23772195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3639010B2 (ja
Inventor
Yasuyuki Imaizumi
保幸 今泉
Sumio Takahashi
澄夫 高橋
Matsuji Kawaguchi
末二 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Original Assignee
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yoshino Kogyosho Co Ltd filed Critical Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority to JP23772195A priority Critical patent/JP3639010B2/ja
Publication of JPH0958707A publication Critical patent/JPH0958707A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3639010B2 publication Critical patent/JP3639010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 香料や医薬の成分をなすモノテルペン系化
合物を含有する内填物を充填した場合に、内填物中のこ
れらの化合物に対する非吸着及び非浸透特性を有してお
り、しかもチューブ容器胴部に背貼り部が存在しない押
し出しチューブ容器を提供すること。 【解決手段】 円筒状のチューブ容器胴部及び該チュ
ーブ容器胴部の一方の端部に接合している肩部と口頸部
とによる頭部を有する押し出しチューブ容器であって、
上記円筒状のチューブ容器胴部を、外側層から内側層に
向かって、低密度ポリエチレン樹脂層/接着剤層/エチ
レン−ビニルアルコール共重合体樹脂層/接着剤層/ポ
リブチレンテレフタレート樹脂層からなる積層構成、又
は接着性低密度ポリエチレン樹脂層/エチレン−ビニル
アルコール共重合体樹脂層/接着剤層/ポリブチレンテ
レフタレート樹脂層からなる積層構成の共押し出し成形
体で形成した押し出しチューブ容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペースト状物を収
容する押し出しチューブ容器に関するもので、特に香料
や医薬の成分をなすモノテルペン系化合物が添加されて
いるペースト状物に対しての良好な内填物保存特性を有
する押し出しチューブ容器を提供する。
【0002】
【従来の技術】ペースト状物を収容する押し出しチュー
ブ容器は、下端部を閉塞したチューブ容器胴部、該チュ
ーブ容器胴部の上端部に連続している円錐台形状の肩部
とそれに連続する細首の口頸部とによる頭部、及び前記
口頸部に着脱自在に係合するキャップとからなる。
【0003】従来の押し出しチューブ容器は、チューブ
容器胴部の内周面層をオレフィン系樹脂で形成してある
ため、香料や医薬の成分をなすモノテルペン系化合物で
ある例えばミルセン、リモネン、ピネン、カンフェン、
リナロール、メントール、テルピネオール、フェンチル
アルコール等を含有する内填物を収納すると、該内填物
中のモノテルペン系化合物がチューブ容器胴部の内周面
層に吸着したりあるいは浸透したりするため、内填物に
対する良好な保存特性が得られない。
【0004】また、従来の押し出しチューブ容器は、積
層シートの側辺部同士を重畳して該部分を貼着すること
によって形成した背貼り部を有する円筒状の成形体をチ
ューブ容器胴部に使用しているため、内填物の絞り出し
操作の繰り返し中にチューブ容器胴部の背貼り部が剥離
する恐れを有している。
【0005】さらに従来の押し出しチューブ容器は、前
記のチューブ容器胴部に形成した背貼り部に段差を有し
ているため、チューブ容器胴部内への内填物の充填後に
形成するチューブ容器胴部の尾端部の形成が不安定にな
る等の不都合を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、香料や医薬の成分をなすモノテルペン系化合物を
含有する内填物を充填した場合には、内填物中のこれら
の化合物に対する非吸着及び非浸透特性を有しており、
しかもチューブ容器胴部に背貼り部が存在しない押し出
しチューブ容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の構
成による本発明の押し出しチューブ容器によって達成さ
れる。すなわち本発明は、円筒状のチューブ容器胴部及
び該チューブ容器胴部の一方の端部に接合している肩部
と口頸部とによる頭部を有する押し出しチューブ容器で
あって、上記円筒状のチューブ容器胴部を、外側層から
内側層に向かって、低密度ポリエチレン樹脂層/接着剤
層/エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層/接着
剤層/ポリブチレンテレフタレート樹脂層からなる積層
構成の共押し出し成形体で形成したモノテルペン系化合
物の保持機能を有する押し出しチューブ容器からなる。
【0008】又本発明は、円筒状のチューブ容器胴部及
び該チューブ容器胴部の一方の端部に接合している肩部
と口頸部とによる頭部を有する押し出しチューブ容器で
あって、上記円筒状のチューブ容器胴部を、外側層から
内側層に向かって、接着性低密度ポリエチレン樹脂層/
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層/接着剤層
/ポリブチレンテレフタレート樹脂層からなる積層構成
の共押し出し成形体で形成したモノテルペン系化合物の
保持機能を有する押し出しチューブ容器からなる。
【0009】上記の構成による本発明の押し出しチュー
ブ容器においては、チューブ容器胴部の一方の端部に接
合している肩部と口頸部とによる頭部を、ポリブチレン
テレフタレート樹脂で形成することによって、上記のモ
ノテルペン系化合物の保持機能をより高めることができ
る。
【0010】又、上記の構成による本発明の押し出しチ
ューブ容器においては、チューブ容器胴部の内側層をな
すポリブチレンテレフタレート樹脂層の存在によってチ
ューブ容器胴部の弾撥性が大きいために、チューブ容器
胴部を外部から押圧する内填物の絞り出し操作後にチュ
ーブ容器胴部が復元する力が大きく、これによってエア
バックが生じ易い。
【0011】このため、チューブ容器内に残存している
内填物がエアバックによる酸素の影響で劣化することが
あり、又、再度内填物を押し出すときの絞り出し操作が
円滑でなくなる。従って、本発明の押し出しチューブ容
器においては、チューブ容器胴部を外部から押圧する内
填物の絞り出し操作に伴うエアバックを防止するための
エアバック防止栓を口頸部に具備することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】上記の構成による本発明の押し出
しチューブ容器は、外側層から内側層に向かって、低密
度ポリエチレン樹脂層/接着剤層/エチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂層/接着剤層/ポリブチレンテレ
フタレート樹脂層からなる積層構成の円筒状の成形体、
又は外側層から内側層に向かって、接着性低密度ポリエ
チレン樹脂層/エチレン−ビニルアルコール共重合体樹
脂層/接着剤層/ポリブチレンテレフタレート樹脂層か
らなる積層構成の円筒状の成形体を、共押し出し成形に
よって成形した後、これを所定の長さに裁断して単一の
円筒状のチューブ容器胴部にする工程と、該チューブ容
器胴部の一方の端部に、口頸部及び肩部からなる頭部を
接合する工程とによって得られる。
【0013】前記チューブ容器胴部におけるエチレン−
ビニルアルコール共重合体樹脂層は、押し出しチューブ
容器のガスバリヤー性を確保するためのものであって、
厚さ50〜70μm程度に形成される。又、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂層は、押し出しチューブ容器内に
収納される内填物中に含有される香料や医薬の成分をな
すモノテルペン系化合物に対する非吸着性及び非浸透性
によるモノテルペン系化合物の保持機能を奏すると共
に、チューブ容器胴部と頭部との間の接合及びチューブ
容器胴部の尾端部の形成をヒートシールによって行ない
得るシール特性を奏するものであって、厚さ80〜12
0μm程度に形成される。
【0014】接着剤層は、アドマーやモディック等の商
品名で市販されている接着性ポリオレフィン樹脂等によ
って、厚さ40〜70μm程度に形成される。更に、外
側層をなす低密度ポリエチレン樹脂層又は接着性低密度
ポリエチレン樹脂層は、チューブ容器胴部に表面光沢を
与え、かつ耐水性をもたらすものであって、厚さ150
〜250μm程度に形成される。
【0015】上記構成による本発明の押し出しチューブ
容器は、5層又は4層の共押し出し形成機によって成形
した円筒状の成形体を、所定の長さに裁断して単一の円
筒状のチューブ容器胴部を得た後、該チューブ容器胴部
の一方の端部に対して口頸部と肩部とからなる頭部を接
合することによって得られる。
【0016】この押し出しチューブ容器を得る際のチュ
ーブ容器胴部と頭部との接合には、例えばチューブ容器
胴部を挿入した雄型マンドレルのチューブ容器胴部の端
面に、ベルト状に搬送されてくる頭部用樹脂をカッター
で円盤状に打ち抜いた頭部成形用素材を接合した後、こ
れを雌型内に圧縮インサートして成形し、チューブ容器
胴部の一方の端部に口頸部と肩部とからなる頭部を圧縮
成形すると同時に接合する方法、あるいはチューブ容器
胴部を挿入した金型内にて、口頸部と肩部とからなる頭
部を合成樹脂の射出成形によって成形し、チューブ容器
胴部の一方の端部に口頸部と肩部とからなる頭部を射出
成形すると同時に接合する方法等をとることができる。
【0017】上記の圧縮成形によるチューブ容器の頭部
の成形に利用する頭部用樹脂には、例えば低密度ポリエ
チレン樹脂の単層シートや、アドマーやモディック等の
商品名で市販されている接着性ポリオレフィン樹脂層/
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂やナイロン樹
脂による中間層/アドマーやモディック等の商品名で市
販されている接着性ポリオレフィン樹脂層からなる積層
シート等を利用してもよいが、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂の単層シート又はポリブチレンテレフタレート
樹脂層が頭部内周面層に成形されるようになっている積
層シートが好ましい。なお、積層シートを使用する場合
には、頭部の外周面層の厚さを内周面層の厚さよりも厚
くするのがよい。
【0018】
【実施例】以下、本発明のモノテルペン系化合物の保持
機能を有する押し出しチューブ容器の具体的な構成を実
施例に基づいて説明する。
【0019】実施例1 チューブ容器胴部の成形 5層の共押し出し成形機によって、外側層から内側層に
向かって、低密度ポリエチレン樹脂層(200μm)/
接着剤層(50μm)/エチレン−ビニルアルコール共
重合体樹脂層(50μm)/接着剤層(50μm)/ポ
リブチレンテレフタレート樹脂層(100μm)からな
る積層構成を有する直径4.0cmの円筒体を成形した
後、該円筒体を長さ16.5cmに裁断して単一のチュ
ーブ容器胴部を得た。
【0020】押し出しチューブ容器の成形 上記のチューブ容器胴部を雄型マンドレルに挿入し、次
いで該雄型マンドレルのチューブ容器胴部の端面に、ベ
ルト状に搬送されてくる厚さ3mmのポリブチレンテレ
フタレート樹脂シートをカッターで円盤状に打ち抜いた
頭部成形用素材を接合した後、これを雌型内に圧縮イン
サートして成形することにより、チューブ容器胴部の一
方の端部に、口頸部と肩部とからなる頭部を圧縮成形す
ると同時に接合し、押し出しチューブ容器を得た。
【0021】実施例2 チューブ容器胴部の成形 4層の共押し出し成形機によって、外側層から内側層に
向かって、接着性低密度ポリエチレン樹脂層(250μ
m)/エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層(5
0μm)/接着剤層(50μm)/ポリブチレンテレフ
タレート樹脂層(100μm)からなる積層構成を有す
る直径4.0cmの円筒体を成形した後、該円筒体を長
さ16.5cmに裁断して単一のチューブ容器胴部を得
た。
【0022】押し出しチューブ容器の成形 上記のチューブ容器胴部を雄型マンドレルに挿入し、次
いで該雄型マンドレルのチューブ容器胴部の端面に、ベ
ルト状に搬送されてくる厚さ3mmのポリブチレンテレ
フタレート樹脂シートをカッターで円盤状に打ち抜いた
頭部成形用素材を接合した後、これを雌型内に圧縮イン
サートして成形することにより、チューブ容器胴部の一
方の端部に、口頸部と肩部とからなる頭部を圧縮成形す
ると同時に接合し、押し出しチューブ容器を得た。
【0023】実施例3 実施例1で得たチューブ容器胴部を雄型マンドレルに挿
入し、次いで該雄型マンドレルのチューブ容器胴部の端
面に、ベルト状に搬送されてくる厚さ3mmのポリブチ
レンテレフタレート樹脂シートをカッターで円盤状に打
ち抜いた頭部成形用素材を接合した後、これを雌型内に
圧縮インサートして成形することにより、[図1]にお
いて、チューブ容器胴部1の一方の端部に、円筒状の口
頸部2と截頭円錐形状の肩部3とからなる頭部を圧縮成
形すると同時に接合した。なお、上記の円筒状の口頸部
2には、該口頸部2の下部に、中央部に透孔4を形成し
てある隔壁5を設けてある。
【0024】続いて、上記の円筒状の口頸部2の内部
に、別個に成形してあるポリブチレンテレフタレート樹
脂の射出成形体からなる弁栓6を、口頸部2の内面に嵌
着することにより、口頸部にエアバック防止栓を具備す
る押し出しチューブ容器を得た。
【0025】この弁栓6は、[図1]及び[図2]にお
いて、底面7と側壁8とによる有底円筒体からなり、底
面7には、側壁8に沿う細溝形状の長溝9が穿設されて
おり、弁栓6を円筒状の口頸部2の内部に嵌着したとき
には、[図1]に示すように、弁栓6の底面7が隔壁5
の透孔4に密接して透孔4を閉塞状態に保つと共に、長
溝9を隔壁5上に位置させるものであり、隔壁5を弁座
とする弁作用を果たす。
【0026】実施例4 実施例2で得たチューブ容器胴部をチューブ容器成形用
のマンドレルに装着し、該チューブ容器胴部の一方の端
部に、常法によって、截頭円錐形状の肩部とそれに連続
する細首の口頸部とからなる頭部を、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂の射出成形によって成形し、[図3]に
おいて、チューブ容器胴部11の一方の端部に、円筒状
の口頸部12と截頭円錐形状の肩部13とからなる頭部
を接合し、押し出しチューブ容器を得た。
【0027】なお、上記押し出しチューブ容器の頭部に
は、円筒状の口頸部12の下部の内壁の1部から、底面
部15を水平にしたときに上面部16が斜上方向への傾
斜面となる断面直角三角形状をなす弁板17を、連設部
14において屈折可能に一体に設けてある。この弁板1
7は、底面部15の直径を口頸部12の内径よりもやや
小さくし、上面部16の直径を口頸部12の内径よりも
やや大きくしてあり、弁板17は連設部14部分におい
て屈曲可能な薄肉に、又先端部において厚肉になってい
る。
【0028】これによって、弁板17の底面部15をほ
ぼ水平状にし、上面部16を傾斜状にした状態におい
て、弁板17の側面がほぼ垂直になり、従って弁板17
の側面と口頸部12の内周面との間に形成される間隙1
8が、上方から下方に順次狭小になる形状をとる。
【0029】しかして、チューブ容器胴部を外方から押
圧すると、[図3]において仮想線で示したように弁板
17は上方に変形し、内填物の絞り出しが円滑に行なわ
れる。そして、内填物の絞り出しを終えると、チューブ
容器胴部の素材の特性である弾撥作用によって該容器胴
部が復元するために弁板17の先端が下方に下がり、径
の大きな方の上面部16の周縁が口頸部12の内周面に
接して停止する。このときに、弁板17の周縁と口頸部
12の内周面との間の僅かな間隙18は、該部に付着し
たペースト状の内填物によって閉塞される。このため
に、ポリブチレンテレフタレート樹脂層の存在によって
弾撥性が高くなっているチューブ容器胴部であっても、
チューブ容器内の内填物を絞り出したときのエアバック
を有効に防止できる。
【0030】なお、モノテルペン系化合物の不吸着性及
び不浸透性自体は、例えばポリアクリルニトリル樹脂や
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂によっても得
られるが、ポリアクリルニトリル樹脂層を積層したチュ
ーブ容器胴部によるチューブ容器は、該チューブ容器胴
部に積層したポリアクリルニトリル樹脂層の伸度が十分
でなく、しかも、該ポリアクリルニトリル樹脂層がモノ
テルペン系化合物を含有するエタノール水溶液に浸漬さ
れると収縮することから、変形、クラック等の発生の恐
れがあり、しかもスクイズ性の悪いものになる。
【0031】又、エチレン−ビニルアルコール共重合体
樹脂層を内側層に備えるチューブ容器胴部によるチュー
ブ容器は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層
がモノテルペン系化合物含有液で浸漬されると、引張強
伸度が徐々に低下してしまうため、チューブ容器胴部の
内側層に使用することができない。
【0032】これに対して、本発明の押し出しチューブ
容器におけるチューブ容器胴部の内側層を形成している
ポリブチレンテレフタレート樹脂層は、チューブ容器胴
部に必要とされる優れた引張強伸度を有しており、又、
モノテルペン系化合物含有液に浸漬されても、収縮した
り引張強伸度が徐々に低下したりすることがない。
【0033】そして、このことによって本発明の押し出
しチューブ容器は、香料や医薬の成分をなすモノテルペ
ン系化合物を含有する内填物を充填したときの内填物中
のこれらの化合物に対する非吸着及び非浸透特性に優れ
るだけでなく、押し出しチューブ容器に必要な引張物性
とスクイズ性とにおいても優れた特性を有するものにな
る。
【0034】次ぎに、ポリブチレンテレフタレート樹脂
フィルム、ポリアクリルニトリル樹脂フィルム、及びエ
チレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムの耐メ
ントール性等についての試験及びその結果について説明
する。
【0035】先ず、試験試料として、厚さ50μmのポ
リブチレンテレフタレート樹脂フィルム(PBT)、厚
さ30μmのポリアクリルニトリル樹脂フィルム(PA
N)、及び厚さ20μmのエチレン−ビニルアルコール
共重合体樹脂フィルム(EVOH)を用意し、これらの
各フィルムについて以下の試験を行なった。
【0036】 耐メントール性試験 引張試験片用のサイズに裁断した各フィルムを、約0.
2重量%のl−メントールを含有する40℃の市販のゲ
ル状歯磨き「ブラッシュライオン(ライオン (株) )」
中に所定期間浸漬放置後、このフィルムを取り出してゲ
ル状歯磨きを水で洗い落してから、各フィルムの透明性
の測定及び引張試験(N=3)を行なった。引張試験
は、40℃の雰囲気中で、引張速度50mm/min.
で行なった。この試験によるポリブチレンテレフタレー
ト樹脂フィルムについての結果を[表1]に、ポリアク
リルニトリル樹脂フィルムについての結果を[表2]
に、更に、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フ
ィルムについての結果を[表3]に、それぞれ示す。
【0037】 l−メントールの保香性 約1gのl−メントールを計り取ったスクリュー瓶を、
各フィルムの4方シール袋に封入し、更に、各同一種の
フィルムの袋ごとに大きなスクリュー瓶に入れて蓋を
し、23℃にて所定期間放置後、大きなスクリュー瓶の
蓋を開け、該スクリュー瓶内の臭気を3人のモニターに
よって測定し、メントール臭の有,無を5段階評価した
(N=3)。評価結果を、0・・・・全く臭わない、1・・・・
微かに臭うようである、2・・・・わずかに臭う、4・・・・臭
う、5・・・・かなり激しく臭う、によって、[表4]に示
す。
【0038】 l−メントールの耐吸着性 上記のに説明した条件でゲル状歯磨き中に浸漬した後
のフィルム、及びに説明した条件で23℃にて所定期
間放置した後の4方シール袋を、エタノールで抽出した
後、この抽出物中のl−メントールをガスクロマトグラ
フィーによって定量することにより、l−メントールの
吸着量を測定した。のフィルムによるl−メントール
の吸着量(ppm)を[表5]に、又のフィルムによ
るl−メントールの吸着量(ppm)を[表6]に示
す。
【0039】
【表1】(PBT)
【0040】
【表2】(PAN)
【0041】
【表3】(EVOH)
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】以上の試験結果により、モノテルペン系化
合物の不吸着性及び不浸透性自体は、ポリアクリルニト
リル樹脂フィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合
体樹脂フィルムによっても得られるが、ポリアクリルニ
トリル樹脂フィルムは、伸度が十分でなく、しかも、該
ポリアクリルニトリル樹脂フィルムがモノテルペン系化
合物含有液に浸漬されると収縮する。これによって、ポ
リアクリルニトリル樹脂フィルムを内側層に利用したチ
ューブ容器胴部には、変形、クラック等の発生の恐れが
あり、しかもスクイズ性の悪いものになる。
【0046】又、エチレン−ビニルアルコール共重合体
フィルムはモノテルペン系化合物含有液で浸漬される
と、引張強伸度が徐々に低下するため、これをチューブ
容器胴部の内側層に使用することができない。
【0047】これに対して、ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂フィルムは、チューブ容器胴部に必要とされる優
れた引張強伸度を有しており、又、モノテルペン系化合
物含有液に浸漬されても、収縮したり引張強伸度が低下
したりすることがなく、しかもモノテルペン系化合物の
不吸着性及び不浸透性に対して優れた特性を有している
ことが確認できる。
【0048】
【発明の効果】本発明の押し出しチューブ容器は、その
チューブ容器胴部を、外側層から内側層に向かって、低
密度ポリエチレン樹脂層/接着剤層/エチレン−ビニル
アルコール共重合体樹脂層/接着剤層/ポリブチレンテ
レフタレート樹脂層からなる積層構成の共押し出し成形
体、又は外側層から内側層に向かって、接着性低密度ポ
リエチレン樹脂層/エチレン−ビニルアルコール共重合
体樹脂層/接着剤層/ポリブチレンテレフタレート樹脂
層からなる積層構成の共押し出し成形体で形成してい
る。
【0049】従って、チューブ容器胴部内の内填物が接
触する面をポリブチレンテレフタレート樹脂層にしてあ
るために、該樹脂層の有する固有の性質によって、香料
や医薬の成分をなすモノテルペン系化合物である例えば
ミルセン、リモネン、ピネン、カンフェン、リナロー
ル、メントール、テルピネオール、フェンチルアルコー
ル等を含有する内填物を収納しても、該内填物中のモノ
テルペン系化合物がチューブ容器胴部の内周面層に吸着
したりあるいは浸透したりすることがなく、内填物中の
モノテルペン系化合物の保持性能が良好である。
【0050】又、本発明の押し出しチューブ容器のチュ
ーブ容器胴部には、背貼り部が存在しないため、内填物
の絞り出し操作の繰り返し中に背貼り部が剥離すること
がなく、又、内填物の充填後のチューブ容器胴部の尾端
部の形成が不安定になることがない。
【0051】更に請求項3の発明の押し出しチューブ容
器では、肩部と口頸部とによる頭部をポリブチレンテレ
フタレート樹脂で成形してあるため、上記の内填物中の
モノテルペン系化合物の保持性能がより良好になる。
【0052】更に又、請求項4の発明の押し出しチュー
ブ容器では、口頸部にエアバック防止栓を有しているた
めに、チューブ容器胴部に利用されているポリブチレン
テレフタレート樹脂層の存在によってチューブ容器胴部
の弾撥性が高くなっているにも拘らず、チューブ容器内
の内填物を絞り出したときのエアバックを有効に防止で
き、かかる効果を上記の内填物中のモノテルペン系化合
物の保持性能に加えて奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押し出しチューブ容器の1実施例品の
要部を示す縦断面図である。
【図2】[図1]の押し出しチューブ容器に使用した弁
栓の底面図である。
【図3】本発明の押し出しチューブ容器の別の実施例品
の要部を示す縦断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のチューブ容器胴部及び該チュ
    ーブ容器胴部の一方の端部に接合している肩部と口頸部
    とによる頭部を有する押し出しチューブ容器であって、
    上記円筒状のチューブ容器胴部を、外側層から内側層に
    向かって、低密度ポリエチレン樹脂層/接着剤層/エチ
    レン−ビニルアルコール共重合体樹脂層/接着剤層/ポ
    リブチレンテレフタレート樹脂層からなる積層構成の共
    押し出し成形体で形成したことを特徴とするモノテルペ
    ン系化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器。
  2. 【請求項2】 円筒状のチューブ容器胴部及び該チュ
    ーブ容器胴部の一方の端部に接合している肩部と口頸部
    とによる頭部を有する押し出しチューブ容器であって、
    上記円筒状のチューブ容器胴部を、外側層から内側層に
    向かって、接着性低密度ポリエチレン樹脂層/エチレン
    −ビニルアルコール共重合体樹脂層/接着剤層/ポリブ
    チレンテレフタレート樹脂層からなる積層構成の共押し
    出し成形体で形成したことを特徴とするモノテルペン系
    化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器。
  3. 【請求項3】 チューブ容器胴部の一方の端部に接合
    している肩部と口頸部とによる頭部を、ポリブチレンテ
    レフタレート樹脂で形成したことを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載のモノテルペン系化合物の保持機能
    を有する押し出しチューブ容器。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記
    載の押し出しチューブ容器において、口頸部にエアバッ
    ク防止栓を具備することを特徴とするモノテルペン系化
    合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器。
JP23772195A 1995-08-23 1995-08-23 モノテルペン系化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器 Expired - Lifetime JP3639010B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23772195A JP3639010B2 (ja) 1995-08-23 1995-08-23 モノテルペン系化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23772195A JP3639010B2 (ja) 1995-08-23 1995-08-23 モノテルペン系化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0958707A true JPH0958707A (ja) 1997-03-04
JP3639010B2 JP3639010B2 (ja) 2005-04-13

Family

ID=17019516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23772195A Expired - Lifetime JP3639010B2 (ja) 1995-08-23 1995-08-23 モノテルペン系化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3639010B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016069034A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社吉野工業所 合成樹脂製多層容器
JP2016185940A (ja) * 2014-06-10 2016-10-27 ロート製薬株式会社 眼科用組成物
JP2022078461A (ja) * 2020-11-13 2022-05-25 株式会社ベッセル・ジャパン 多層押出しチューブ容器

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7093576B2 (ja) * 2020-11-25 2022-06-30 株式会社ベッセル・ジャパン 押出しチューブ容器の形成方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016185940A (ja) * 2014-06-10 2016-10-27 ロート製薬株式会社 眼科用組成物
JP2016069034A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社吉野工業所 合成樹脂製多層容器
JP2022078461A (ja) * 2020-11-13 2022-05-25 株式会社ベッセル・ジャパン 多層押出しチューブ容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3639010B2 (ja) 2005-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH04267727A (ja) 多層成形容器及びその製造方法
CA2962723C (en) Delamination container
JP2557154Y2 (ja) 口栓付き液体容器
JPWO2003043895A1 (ja) 包装袋及びその製造方法
JP3639010B2 (ja) モノテルペン系化合物の保持機能を有する押し出しチューブ容器
JP5034452B2 (ja) 逆止弁付きチューブ
JP4513253B2 (ja) 剥離可能な蓋材
JPS6357316B2 (ja)
JPH11221891A (ja) チューブ容器
JPH11105896A (ja) 逆止弁付きチューブ容器
JPH01139347A (ja) 紋り出しチューブ容器
JP4202449B2 (ja) 突刺し密封性蓋材及び包装体
JP2008001371A (ja) 逆止弁付きチューブ容器
JPH0741020A (ja) チューブ容器胴部
JP3121075B2 (ja) ロンデル材料
JPH101149A (ja) 多層チューブ容器
JP3701318B2 (ja) 押出しチューブ容器
JPH1086952A (ja) 密封性多層チューブ容器
JPH0613346B2 (ja) チュ−ブ状容器
JP2795901B2 (ja) 食品容器
JPH10167292A (ja) ラミネ−トチュ−ブ容器
JP2544253Y2 (ja) 押出しチューブ容器
JPS6123394Y2 (ja)
JP2003054589A (ja) 多層押出しチューブ容器
JP2021059026A (ja) 低吸着性積層体

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050113

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080121

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term