JPH0957849A - 熱収縮性脂肪族ポリエステルフィルム及びその製造方法 - Google Patents
熱収縮性脂肪族ポリエステルフィルム及びその製造方法Info
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- JPH0957849A JPH0957849A JP24053095A JP24053095A JPH0957849A JP H0957849 A JPH0957849 A JP H0957849A JP 24053095 A JP24053095 A JP 24053095A JP 24053095 A JP24053095 A JP 24053095A JP H0957849 A JPH0957849 A JP H0957849A
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Abstract
量が低く、熱収縮性に優れた、収縮包装に好適な、熱収
縮性脂肪族ポリエステルフィルム及びその製造方法を提
供する。 【構成】 主としてグリコールと脂肪族二塩基酸または
その誘導体とから合成された、温度190℃、せん断速
度100(sec-1)における溶融粘度が4,00〜1
00,000ポイズであり、融点が70〜200℃であ
り、数平均分子量が30,000以上である脂肪族ポリ
エステル樹脂を、融点よりも15〜45℃低い温度範囲
で、縦横それぞれ2倍以上にチューブラー同時二軸延伸
した、厚みが7〜30μm、80℃における縦横の収縮
率がそれぞれ20%以上の熱収縮性脂肪族ポリエステル
フィルム。
Description
に詳しくは、実用上充分な高分子量を持った生分解性の
脂肪族ポリエステル樹脂を用いてチューブラー同時二軸
延伸方法によって得られる、熱収縮性に優れた熱収縮性
脂肪族ポリエステルフィルム及びその製造方法に関す
る。
ィルムとしては、ポリ塩化ビニル系、ポリプロピレン
系、ポリエチレン系などのフィルムが公知であり、熱収
縮性の他に、ヒートシール性、耐衝撃性などそれぞれ固
有の特性を持っている。しかし、これらの熱収縮性フィ
ルムは非生分解性であるため、再利用あるいは焼却処理
されなければ自然界に半永久的に存在することになり、
今日ではその廃棄物処理の困難さが問題となっている。
焼却処理には多額の費用がかかるばかりか、焼却の際に
発生する高熱量、或いはポリ塩化ビニル系においては焼
却の際に発生する腐食性ガスにより焼却炉を傷めること
もある。
解性の樹脂を原料とした成形品が注目されており、生分
解性の樹脂としては、例えば、デンプンとエチレンビニ
ルアルコールの共重合体、キチンとセルロースの複合
体、微生物発酵によって生産される脂肪族ポリエステ
ル、ε−カプロラクトンより化学合成された脂肪族ポリ
エステル等が報告されている。しかし、これらは成形加
工性に劣る等の欠点を有しているため、利用範囲に制約
を受けている。
肪族二塩基酸またはその酸無水物から、生分解性を有す
る、従来にない高分子量の脂肪族ポリエステルが得られ
ること、これらが実用上充分な物性と成形加工性とを有
していることを、例えば、特開平4−189822号公
報、等により提案した。
用して、シートあるいはフィルムに加工できること、得
られたシートあるいはフィルムは、微生物による分解が
可能であり、廃棄されたとしても燃焼発熱量が小さく、
熱安定性及び機械的性質に優れ、ヒートシール性を有
し、更に延伸されたものは透明性があるという、包装用
シートあるいはフィルムとして優れた性質を有するもの
であることを、例えば、特開平6−170941号公
報、同7−47598号公報、等により提案した。しか
しながらこれらシートあるいはフィルムは、縦横の熱収
縮率が小さいなど熱収縮性に関しては不充分であり、収
縮包装の際に収縮が不足して包装仕上りが不充分である
等の欠点があり、熱収縮性包装材料としては、実用上満
足できるものとはいい難かった。
ニル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系等の従来の
熱収縮性フィルムが有する、再利用や焼却処理がなされ
なければ自然界に半永久的に存在するという問題や焼却
された際の発生熱量が高いという問題、或いは焼却の際
に腐食性ガスが発生するという問題がなく、かつ、従来
の脂肪族ポリエステルフィルムでは得られなかった収縮
包装材料としての性能、即ち収縮包装材料として充分な
熱収縮性を有する、生分解性の熱収縮性脂肪族ポリエス
テルフィルム及びその製造方法を提供することを課題と
する。
題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の脂肪族ポリエ
ステル樹脂を使用し、特定の延伸条件でチューブラー同
時二軸延伸することにより好適に二軸延伸フィルムが得
られること、フィルムの厚みにより熱収縮率が大きく異
なること、厚みが30μm以下であると収縮包装材料と
しての性能に優れていることを見出し、本発明に到達し
たものである。すなわち本発明は、主としてグリコール
と脂肪族二塩基酸またはその誘導体とから合成された、
温度190℃、せん断速度100(sec-1)における
溶融粘度が4,000〜100,000ポイズであり、
融点が70〜200℃であり、数平均分子量が30,0
00以上である脂肪族ポリエステル樹脂を、融点よりも
15〜45℃低い温度範囲で縦横それぞれ2倍以上にチ
ューブラー同時二軸延伸した、厚みが7〜30μmで、
縦横の収縮率が80℃においてそれぞれ20%以上であ
る熱収縮性脂肪族ポリエステルフィルム及びその製造方
法を提供するものである。以下、本発明の内容を詳細に
説明する。
としてグリコール類と脂肪族二塩基酸またはその酸無水
物とから合成されるポリエステルを主成分とするもので
あり、分子量を充分に高くするため、末端にヒドロキシ
ル基を有する比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成した後カップリング剤により、更にこれらプレ
ポリマーをカップリングさせたものであり、例えば、特
開平4−189822号公報、同4−189823号公
報、同6−41288号公報、同6−298920号公
報、同7−53700号公報、同7−70296号公
報、同7−90043号公報等に開示された方法で製造
されるものである。
脂は、温度190℃、せん断速度100(sec-1)に
おける溶融粘度が、4,000〜100,000ポイズ
のものであり、好ましくは8,000〜50,000ポ
イズのものである。溶融粘度が4,000ポイズより小
さいとチューブラー同時二軸延伸のガス圧を適用した際
に膨張したチューブが揺動し易く不安定であるため、得
られる延伸フィルムの厚薄斑が大きく実用には供しえな
いものとなる。一方、100,000ポイズを超えると
押出機のモーター負荷が大きくなり溶融押し出しが困難
となる。
ル樹脂は、数平均分子量が30,000以上、融点が7
0〜200℃であることが必要である。数平均分子量が
30,000未満又は融点が70℃未満である場合、チ
ューブラー同時二軸延伸法においてチューブにガス圧を
適用した際、膨張バブルが揺動しやすくなって安定で均
一な延伸を行うことができなくなる。一方、融点が20
0℃を超える場合、チューブラー同時二軸延伸法におい
てチューブにガス圧を適用した際の加熱温度をより高温
にする必要があり、収縮包装の際に充分な熱収縮率を得
るには高温を要するようになって、通常使用される収縮
トンネル等の加熱では充分な熱収縮性が発現されない。
特に制限はないが、押出成形に適当とされる融点、製造
原料コスト等の理由によって、好適には多価アルコール
成分として1、4−ブタンジオールやエチレングリコー
ルが、酸成分としてコハク酸あるいはアジピン酸が好ま
しい。また、脂肪族ポリエステル樹脂としては、1、4
−ブタンジオールとコハク酸からなるポリブチレンサク
シネート、あるいは1、4−ブタンジオールとコハク酸
及びアジピン酸からなるポリブチレンサクシネート・ア
ジペート共重合体は、引張破断伸度が300%以上と大
きいために融点以下の温度で2倍以上の延伸加工が行い
易いために好ましい。とりわけ、ポリブチレンサクシネ
ート・アジペート共重合体をチューブラー同時二軸延伸
法において使用した場合、延伸可能となる温度範囲が広
く主熱器による加熱温度コントロールが容易であり、加
熱膨張したバブルが揺動することなく安定であり、得ら
れる延伸フィルムの厚薄斑が著しく低減するため、特に
好ましい。
樹脂が、数平均分子量が10,000以上、かつ融点が
60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重
量部に、0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応さ
せることにより得られる、線状構造の脂肪族ポリエステ
ル系樹脂を使用することができ、ジイソシアナートとし
ては、ヘキサメチレンジイソシアナートのような脂肪族
系のものが、芳香族系のものに比べて好ましい。
脂の一部または全体が、脂肪族グリコール(シクロ環を
含む)及び脂肪族ジカルボン酸(またはその無水物)を
主体とし、且つ3官能以上の多価アルコール、クエン酸
あるいは酒石酸のような3官能以上のオキシカルボン酸
(またはその無水物)及び無水トリメット酸のような3
官能以上の多価カルボン酸(またはその無水物)からな
る群から選ばれる少なくとも1種類の多官能成分を加え
て反応させてなる、数平均分子量が10,000以上の
ポリエステルプレポリマーをウレタン結合を介して連鎖
した構造を有し、長鎖分岐構造をとる、高溶融張力の脂
肪酸ポリエステル系樹脂を使用することができる。また
本発明のポリエステルプレポリマーが、第三成分として
3官能あるいは4官能多価アルコールとして、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン及びペンタエリトリットか
らなる群から選ばれる少なくとも1種類以上を0.1〜
2モル%を含有する、前記長鎖分岐構造の脂肪酸ポリエ
ステル系樹脂を使用することができる。
ル系樹脂の一部または全体が、脂肪族グリコール及び脂
肪族ジカルボン酸(またはその無水物)を主体として得
られ、かつ数平均分子量が10,000以上のポリエス
テルプレポリマーに、多官能イソシアネートを反応して
得られる、数平均分子量が30,000以上であり、比
較的長い長鎖分岐構造を有する、前記の脂肪族ポリエス
テル系樹脂を使用することができる。
が、トリメチロールプロパン・ヘキサメチレンジイソシ
アナート・アダクト、ヘキサメチレンジイソシアナート
環状トリマー、あるいはヘキサメチレンジイソシアナー
ト・水・アダクトである前記の脂肪族ポリエステル系樹
脂を使用することができる。これらイソシアネートの添
加量は、プレポリマー100重量部に対して0.1〜4
重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部である。
構造体を単独で、あるいは長鎖分岐構造体を単独で使用
することができるが、両者を混合して使用することもで
き、例えば、ポリブチレンサクシネート・アジペート共
重合体は、結晶化速度が遅いので、その線状構造体に、
ポリブチレンサクシネートのトリメチロールプロパン含
有の長鎖分岐構造体を10〜40重量%混合すると、結
晶化速度が向上し、フィルムの成形加工時のバブルの安
定性が更に向上し、厚みむらの更に少ない二軸延伸フィ
ルムを製造することができる。
発明の目的に支障をきたさない範囲で、他の樹脂、例え
ばポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリエチレン・ワッ
クス、ポリプロピレン・ワックス、エチレン−α−オレ
フィン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリブテン、
石油樹脂等を混合して使用することができる。
囲であれば、酸化防止剤、着色防止剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、UV吸収剤等の添
加剤が、それぞれ有効な作用を具備される目的で、適宜
使用されるのは当然である。
ルムは、脂肪族ポリエステル樹脂の融点よりも15〜4
5℃低い温度範囲で縦横それぞれ2倍以上にチューブラ
ー同時二軸延伸することにより製造される。製造方法を
図1及び図2を用いて詳しく説明する。図1はチューブ
ラー同時二軸延伸装置の概念図、図2はフィルム延伸帯
域の説明図である。
成物を一台の押出機により溶融混練し、単層環状ダイス
より押出し、延伸することなく一旦冷却固化してチュー
ブ状未延伸フィルムを作製する。このチューブ状未延伸
フィルムをチューブラー同時二軸延伸装置に供給し、低
速ニップロール2と高速ニップロール3の間のチューブ
内部にガス圧を適用し予熱器4及び主熱器5にて加熱し
て、融点よりも15〜45℃低い温度範囲で縦横それぞ
れ2倍以上に膨張延伸するが、その際、(イ)膨張開始
点8のフィルム表面温度を樹脂の融点より25〜40℃
低い温度になるようにし、(ロ)膨張開始点8から膨張
終了点10に至る延伸帯域の距離Lの1/4〜1/3の
位置のフィルム表面温度が最高温度点9となるように温
度勾配をとり、(ハ)最高温度点9のフィルム表面温度
を樹脂の融点より15〜35℃低い温度にし、(ニ)膨
張終了点のフィルム表面温度を樹脂の融点より25〜4
5℃低い温度になるように調整することが望ましい。
至る延伸帯域の距離Lの1/4〜1/3の位置になく、
膨張開始点側に近い位置であれば膨張チューブの安定性
は向上するが、延伸は縦横にバランスして進行せずにフ
ィルムの厚薄斑が大きくなり、逆に膨張終了点側に近い
位置であればチューブを膨張せしめることが困難にな
る。また、最高温度点のフィルム表面温度が樹脂の融点
より15℃低い温度を超えるとフィルムの抗張力が小さ
くなり、得られるフィルムの熱収縮率が小さくなった
り、チューブの膨張が不安定になって揺動を生じ易くな
り、逆に樹脂の融点より35℃低い温度よりも低いとい
わゆるネック延伸を生じ易くなり、得られるフィルムの
厚薄斑が大きくなったり、透明性が低下し、更に低温に
なると膨張チューブ内圧が過大となっていわゆるパンク
を生じ易くなる。この際、膨張開始点のフィルム表面温
度を樹脂の融点よりも25〜40℃低い温度にし、膨張
終了点のフィルム表面温度を樹脂の融点よりも25〜4
5℃低い温度に調整することによって、延伸帯域の最高
温度点の位置及び温度の調整が容易となり、更に延伸チ
ューブが安定となって、厚薄斑の少ない均一に延伸され
たフィルムを得ることができる。
れぞれ2倍以上、好ましくは2.5倍以上、更に好まし
くは3倍以上に膨張させることによって行われ、延伸帯
域のフィルム表面温度を樹脂の融点以下にすることによ
って初めてフィルムの同時二軸配向が可能となる。この
延伸倍率とチューブ状未延伸フィルムの厚みによって、
延伸フィルムの厚みを調整することができる。延伸フィ
ルムの厚みは7〜30μmであり、好ましくは10〜2
5μmが望ましい。7μm未満では、延伸加熱時にガス
圧を適用させた際にフィルム強度が弱く膨張チューブが
すぐに破裂してしまい、30μm以上では、実際の収縮
包装の際にフィルムを充分に収縮させるのに高温或いは
通常よりも長い収縮時間を必要とする点で好ましくな
い。また、延伸によって透明性が改善され、ヘイズ5%
以下のフィルムを容易に得ることができる。
と同じ距離を進行する間にフィルム表面温度が60℃以
下になるように延伸フィルムを急冷することが好まし
い。このように急冷を行わないと膨張チューブ全体の揺
れが生じ易く、その揺れによって延伸の局部的な斑が生
成し得られるフィルムの厚み斑が大きくなるので好まし
くない。また、急冷によってフィルムの延伸配向が固定
され、更にこの延伸配向固定の効果を大きくするため
に、フィルムが高速ロール部を通過する時点でフィルム
表面温度が20〜30℃になるように冷却することが好
ましい。
を再度樹脂の融点よりも0〜35℃低い温度に加熱して
熱固定処理を行うことによって、50℃における縦横そ
れぞれの熱収縮率が2%以下となり保存時の自然収縮率
を抑制することができる。熱固定処理の温度を樹脂の融
点よりも高い温度で熱処理を行うと、フィルムの延伸配
向効果が小さくなって収縮包装の際に充分な収縮性を示
さず包装の仕上がりが悪くなる。逆に、熱固定処理の温
度を樹脂の融点よりも35℃以上低い温度で熱処理を行
うと常温での収縮が抑えられず、例えばフィルムの製品
ロールを倉庫等に保管した場合に時間の経過とともに収
縮して、フィルムの平面性の低下、フィルム幅の縮小、
ロールの巻き締まり等を生じ易くなってフィルムの製品
価値を失ってしまう。この熱固定処理の方法は、従来行
われている方法、例えばテンター方式やヒートロール方
式で行うことができる。
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
は、JIS法K7210−1976のA法操作(手動切
取り法)の条件4(試験温度190℃、試験荷重2.1
6kgf、ポリエチレン及びポリプロピレンなど用)に
従った。測定試料は、ペレットまたは切断小片を、予め
90℃の真空下で3〜6時間乾燥したものを使用した。
特に、ことわらない限りは安定剤ほかの添加剤を含む。
は、次のようにGPC法に従った。 使用機種:Shodex GPC SYSTEM-11(昭和電工社製) 溶離液:HFIP(ヘキサフロロイソプロパノール)/2mM CF
3COONa サンプルカラム:HFIP-800PおよびHFIP-806M×2本 リファレンスカラム:HPIP-800R×2本 ポリマー溶液:0.1wt%、200μl 操作条件:液流量1.0ml/分、カラム温度40℃、圧力30k
g/cm2 検出器:Shodex RI (4×10-5 RI/FS) 分子量スタンダード:PMMA (Shodex STANDARD M-75)
レオメーターを用いて、温度190℃、剪断速度100
sec-1で測定した。ノズル径は1.0mmであり、L
/D=10のノズルを用い樹脂温度190℃で測定した
剪断速度が100sec-1のときの粘度を求めた。
び生分解性の評価方法は、次の通りである。 1)熱収縮率 :JIS Z 1709 2)厚み :JIS Z 1709 3)ヘイズ :JIS K 6714 4)引張強度 :JIS Z 1707 5)衝撃強度 :JIS P 8134 6)生分解性評価方法:フィルムを畑土壌中に埋設し、3
カ月間の生分解性を試験。 ○:3カ月後にフィルムに穴あきを伴い、ボロボロの状
態であるとき。 ×:3カ月後にもフィルムがしっかりとしているとき。
共重合体(図3、A1)の製造) 重縮合反応 80リットルの反応機を窒素置換してから、1,4−ブ
タンジオール17.4kg、コハク酸17.3kg、ア
ジピン酸5.4kg(コハク酸とアジピン酸のモル%比
80:20)を仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、1
90〜210℃にて3.5時間、更に窒素を停止して2
0〜2mmHgの減圧下にて3.5時間にわたり脱水縮
合によるエステル化反応を行った。採取された試料は、
酸価が9.6mg/g、数平均分子量が5,100、ま
た重量平均分子量が11,000であった。引き続い
て、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプロポキシチ
タン2.0gを添加した。温度を上昇させ、温度210
〜220℃で15〜0.2mmHgの減圧下にて6.5
時間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は数
平均分子量が18,000、また重量平均分子量が4
7,000であった。このプレポリマー(a1)は、凝
縮水を除くと有機酸基準の理論収量は32.6kgであ
った。
ガイギー社製)を34g、着色防止剤として亜リン酸を
6.6g、及び滑剤としてステアリン酸カルシウムを3
4g加えて、さらに30分間攪拌を続けた。プレポリマ
ー(a1)32.6kgを含む反応機に攪拌下にヘキサ
メチレンジイソシアナート342g(プレポリマー(a
1)100重量部に対して1.05重量部)を添加し、
180〜200℃で1時間結合反応を行った。粘度は急
激に増大したが、ゲルは生じなかった。この反応生成物
を窒素加圧下に反応機の底からギヤポンプにて水中にス
トランドを押し出し、回転カッターで裁断してペレット
にした。70℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステ
ル(A1)の収量は30.0kgであった。本ポリエス
テル(A1)は、僅かにアイボリー調の白色で、融点が
95.7℃、融解熱(ΔH)45.3ジュール、数平均
分子量が34,000、重量平均分子量が132,00
0、MFR(190℃、2.16kg)は2.3g/1
0分であった。また、剪断速度100sec-1(190
℃)における溶融粘度はη=14×103 ポイズであ
り、燃焼発熱量は5,600kcal/kgであった。
ノーレ#3001)を一台の押出機を用いて、120〜
220℃で溶融混練し、220℃に保った単層環状ダイ
スより押出した。押出された溶融チューブ状フィルムの
内側は外表面が20℃の循環冷却水で覆われている円筒
状マンドレルを摺動させることによって、溶融チューブ
状フィルムの外側は水槽を通すことにより水冷して引き
取り、厚み179μmのチューブ状未延伸フィルムを得
た。このチューブ状未延伸フィルムを原反としてチュー
ブラー同時二軸延伸装置に供給し、最高温度点のフィル
ム表面温度を樹脂の融点より26℃低い温度とする表1
に記載の温度勾配で、縦方向4.0倍、横方向2.8倍
に延伸し、冷却エアーリングによって室温まで冷却し、
フィルム表面温度を樹脂の融点より6℃低い90℃で熱
固定処理を行い、再度室温まで冷却して巻き取った。膨
張チューブの安定性は良好であり、不均一延伸状態も観
察されなかった。得られた延伸フィルムの平均厚みは1
6μmであり、その特性値を表2に示した。このフィル
ムを用い、86×58×32mmの固形石鹸箱を各方向
に余裕率11%で仮包装し、設定温度が80℃で通過時
間が4秒の収縮トンネルを通過させたところ、角の小さ
いタイト感のある仕上がりとなった。また、このフィル
ムの製品ロールを室温で3カ月間放置したが、フィルム
の平面性の低下、フィルム幅の縮小、ロールの巻き締ま
り等は全く見られなかった。
ジペート共重合体(図3、A2)の製造) 重縮合反応 製造例1の重縮合反応と同様に実施し、プレポリマー
(a2)を得た。採取された試料は、数平均分子量が1
8,300、また重量平均分子量が55,300であっ
た。
6.6g加えて、更に30分間攪拌を続けた。プレポリ
マー(a2)32.6kgを含む反応機に攪拌下にヘキ
サメチレンジイソシアナート261g(プレポリマー
(a2)100重量部に対して0.8重量部)を添加
し、180〜200℃で20分間予備結合反応を行っ
た。次いで、トリメチロールプロパン・ヘキサメチレン
ジイソシアナート・アダクト261g(日本ポリウレタ
ン工業社製のコロネートHLの75%酢酸溶液、プレポ
リマー(a2)100重量部に対して0.8重量部)を
追加し、更に2時間攪拌速度を徐々に落としながら(1
00から10rpm)反応させた。ストランドを水中に
押し出してペレット化した。70℃で6時間真空乾燥し
た後のポリエステルA2は、ペレット収量が28kg、
融点が97℃、数平均分子量が38,000、重量平均
分子量が190,000、MFR(190℃、2.16
kg)が1.6g/10分であった。また、剪断速度1
00sec-1(190℃)における溶融粘度はη=16
×103 ポイズであった。
ノーレ#3001V)を一台の押出機を用いて、120
〜220℃で溶融混練し、220℃に保った単層環状ダ
イスより押出した。押出された溶融チューブ状フィルム
の内側は外表面が20℃の循環冷却水で覆われている円
筒状マンドレルを摺動させることによって、溶融チュー
ブ状フィルムの外側は水槽を通すことにより水冷して引
き取り、厚み173μmのチューブ状未延伸フィルムを
得た。このチューブ状未延伸フィルムを原反としてチュ
ーブラー同時二軸延伸装置に供給し、最高温度点のフィ
ルム表面温度を樹脂の融点より32℃低い温度とする表
1に記載の温度勾配で、縦方向4.0倍、横方向2.7
倍に延伸し、冷却エアーリングによって室温まで冷却
し、フィルム表面温度を樹脂の融点より7℃低い90℃
で熱固定処理を行い、再度室温まで冷却して巻き取っ
た。膨張チューブの安定性は良好であり、不均一延伸状
態も観察されなかった。得られた延伸フィルムの平均厚
みは16μmであり、その特性値を表2に示した。この
フィルムを用い、ビデオテープを余裕率10%で仮包装
し、90℃に設定した収縮トンネルを通過させたとこ
ろ、透明感があって、角の小さいタイト感のある仕上が
りとなった。また、このフィルムの製品ロールを室温で
3カ月間放置したが、フィルムの平面性の低下、フィル
ム幅の縮小、ロールの巻き締まり等は全く見られなかっ
た。
してチューブラー同時二軸延伸装置に供給し、最高温度
点のフィルム表面温度を樹脂の融点より17℃低い温度
とする表1に記載の温度勾配で、縦方向4.0倍、横方
向2.7倍に延伸し、冷却エアーリングによって室温ま
で冷却し、フィルム表面温度を樹脂の融点より32℃低
い65℃として熱固定処理を行い、再度室温まで冷却し
て巻き取った。膨張チューブの安定性は良好であり、不
均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フィル
ムの平均厚みは16μmであり、その特性値を表2に示
した。このフィルムを用い、実施例2と同様にして収縮
包装を行ったところ、透明感があって、角が小さくて柔
らかいタイト感のある仕上がりとなった。また、このフ
ィルムの製品ロールを室温で3カ月間放置したが、フィ
ルムの平面性の低下、フィルム幅の縮小、ロールの巻き
締まり等は全く見られなかった。
外は実施例1と同条件で実施することにより、平均厚み
10μmの延伸フィルムを得た。その特性値を表2に示
した。このフィルムを用い、実施例1と同様にして収縮
包装を行ったところ、角が小さくて柔らかいタイト感の
ある仕上がりとなった。また、このフィルムの製品ロー
ルを室温で3カ月間放置したが、フィルムの平面性の低
下、フィルム幅の縮小、ロールの巻き締まり等は全く見
られなかった。
外は実施例1と同条件で実施することにより、平均厚み
25μmの延伸フィルムを得た。その特性値を表2に示
した。このフィルムでノート10冊を余裕率11%で仮
包装し、設定温度85℃で通過時間4秒の収縮トンネル
を通過させたところ、タイト感のある仕上がりとなっ
た。また、このフィルムの製品ロールを室温で3カ月間
放置したが、フィルムの平面性の低下、フィルム幅の縮
小、ロールの巻き締まり等は全く見られなかった。
ート・アジペート共重合体(図3、A3)の製造) 重縮合反応 80リットルの反応機を窒素置換してから、1,4−ブ
タンジオール17.4kg、コハク酸17.3kg、ア
ジピン酸5.4kg(コハク酸とアジピン酸のモル%比
80:20)、トリメチロールプロパン126g(ジカ
ルボン酸成分に対して0.5モル%)を仕込んだ。窒素
気流下に昇温を行い、190〜210℃にて3.5時
間、更に窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下にて
3.5時間にわたり脱水縮合によるエステル化反応を行
った。採取された試料は、酸価が10.4mg/g、数
平均分子量が5,800、また重量平均分子量が17,
100であった。引き続いて、常圧の窒素気流下に触媒
のテトライソプロポキシチタン2.0gを添加した。温
度を上昇させ、温度210〜220℃で15〜0.2m
mHgの減圧下にて6.5時間、脱グリコール反応を行
った。採取された試料は数平均分子量が17,800、
また重量平均分子量が62,300であった。このプレ
ポリマー(a3)は、凝縮水を除くと有機酸基準の理論
収量は32.6kgであった。
g、着色防止剤として亜リン酸を6.6g加えて、さら
に30分間攪拌を続けた。プレポリマー(a3)32.
6kgを含む反応機に攪拌下にヘキサメチレンジイソシ
アナート245g(プレポリマー(a3)100重量部
に対して0.75重量部)を添加し、160〜190℃
で2時間結合反応を行った。粘度は急激に増大したが、
ゲルは生じなかった。この反応生成物を釜下のギヤポン
プにて水中に押し出し、カッターで裁断してペレットに
した。70℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(A3)の収量は30.0kgであった。本ポリエステ
ル(A3)は、僅かにアイボリー調の白色で、融点が9
5.8℃、融解熱(ΔH)45.3ジュール、数平均分
子量が35,000、重量平均分子量が157,00
0、MFR(190℃、2.16kg)は2.0g/1
0分であった。また、剪断速度100sec-1(190
℃)における溶融粘度はη=13×103 ポイズであ
り、燃焼発熱量は5,500kcal/kgであった。
て、製造例3で製造された脂肪族ポリエステル樹脂A3
を使用した以外は実施例1と同様に成形・評価した。未
延伸フィルムの厚みは176μmであり、得られた延伸
フィルムの平均厚みは17μmであった。その特性値を
表2に示す。このフィルムを用い、実施例1と同様にし
て収縮包装を行ったところ、透明感があって、角の小さ
いタイト感のある仕上がりとなった。また、このフィル
ムの製品ロールを室温で3カ月間放置したが、フィルム
の平面性の低下、フィルム幅の縮小、ロールの巻き締ま
り等は全く見られなかった。
て、脂肪族ポリエステルA1、40重量部と脂肪族ポリ
エステルA2、60重量部をタンブラーでドライブレン
ドした樹脂を使用した以外は実施例1と同様に成形・評
価した。未延伸フィルムの厚みは180μmであり、得
られた延伸フィルムの平均厚みは18μmであった。そ
の特性値を表2に示す。このフィルムを用い、実施例1
と同様にして収縮包装を行ったところ、透明感があっ
て、角の小さいタイト感のある仕上がりとなった。ま
た、このフィルムの製品ロールを室温で3カ月間放置し
たが、フィルムの平面性の低下、フィルム幅の縮小、ロ
ールの巻き締まり等は全く見られなかった。
ート重合体(図3、B1)の製造) 重縮合反応 80リットルの反応機を窒素置換してから、1,4−ブ
タンジオール17.4kg、コハク酸22.1kg、ト
リメチロールプロパン126g(コハク酸に対して0.
5モル%)を仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、19
0〜210℃にて3.5時間、更に窒素を停止して20
〜2mmHgの減圧下にて5.5時間にわたり脱水縮合
によるエステル化反応を行った。採取された試料は、酸
価が12mg/g、数平均分子量が4,500、また重
量平均分子量が9,100であった。引き続いて、常圧
の窒素気流下に触媒のテトライソプロポキシチタン2.
0gを添加した。温度を上昇させ、温度210〜220
℃で15〜0.7mmHgの減圧下にて4.5時間、脱
グリコール反応を行った。採取された試料は数平均分子
量が24,300、また重量平均分子量が55,600
であった。このプレポリマー(b3)は、凝縮水を除く
と有機酸基準の理論収量は35.4kgであった。
60℃で着色防止剤として亜リン酸3.5gを投入し、
次いで抗酸化剤としてイルガノックスB225を35.
4g、及び滑剤としてステアリン酸カルシウムを35.
4gを加えて、更に30分間攪拌を続けた。次いで攪拌
下にヘキサメチレンジイソシアナート319g(プレポ
リマー(b1)100重量部に対して0.90重量部)
を添加し、180〜20℃で1.5時間、次いで30分
間の200〜400mmHgの減圧下脱泡と1.5時間
の攪拌停止下の静置(全3.5時間)のカップリング反
応を行った。粘度は急激に増大したが、ゲルは生じなか
った。この反応生成物を釜下のギヤポンプを稼働させ
て、190〜200℃のダイスで4本ストランドを水中
に押し出し、カッターで裁断してペレットにした。90
℃で3時間、真空乾燥した後のポリエステル(B1)の
収量は29kgであった。本ポリエステル(B1)は、
白色ペレット状で、融点が114℃、数平均分子量が3
6,700、重量平均分子量が147,400、MFR
(190℃、2.16kg)は5.4g/10分であっ
た。また、剪断速度100sec-1(190℃)におけ
る溶融粘度はη=8.0×103 ポイズであり、燃焼発
熱量は5,800kcal/kgであった。
例4で製造したポリエステル樹脂B1とを、重量比にお
いて90:10の比率でタンブラーにてブレンド後、田
辺機械社製押出機(スクリュー径50mmφ、L/D=
32、ベントタイプ)で樹脂温度170℃にて、吐出量
30kg/時間で、真空脱気しながらペレタイズした。
得られた脂肪族ポリエステル系樹脂組成物(A1/B1
=90/10)の剪断速度100sec-1(190℃)
における溶融粘度はη=1.0×104 ポイズ、MFR
(190℃、2.16kg)は2.5g/10分であっ
た。
評価した。未延伸フィルムの厚みは180μmであり、
得られた延伸フィルムの平均厚みは16μmであった。
その特性値を表2に示す。本組成物は線状構造体に比べ
て成形加工性が更に優れており、成形時のバブルの安定
性も非常によく、厚みむらの少ない透明フィルムが得ら
れるのが特徴である。
0〜200℃で溶融混練し、200℃に保った単層環状
ダイスより押出量20Kg/hrで押出した。押出され
た溶融チューブ状フィルムの内部に空気を送り込み、ブ
ローアップ比2.5にて膨張させ、冷却エアーリングに
よって室温まで冷却し折り畳んで巻取った。得られたイ
ンフレーションフィルムは、平均厚み26μmであり、
その物性値を表2に示した。80℃の縦方向の熱収縮率
は20%であったが、横方向の熱収縮率は0%であっ
た。引張破断強度は二軸延伸フィルムの約2〜4割程度
で二軸延伸フィルムに比べて機械的強度がかなり劣って
いた。また、このフィルムを用い、実施例5と同様に収
縮包装を行ったところ、縦方向には収縮したが横方向に
は全く収縮せず、タイト感のない包装仕上がりとなっ
た。更に、設定温度95℃で通過時間4秒の収縮トンネ
ルを通して収縮包装を行ったところ、フィルムが溶融白
化してしまった。
より3℃高い温度とする表1に記載の温度勾配にした以
外は実施例1と同条件にして、延伸を開始したところ膨
張チューブが揺れ始め、最後にはチューブが主熱器に接
触して開口してしまい、延伸フィルムを得ることはでき
なかった。
より37℃低い温度とする表1に記載の温度勾配にした
以外は実施例2と同条件にして、延伸を行ったところチ
ューブを充分に膨張せしめることができず、目的とする
延伸倍率を得ようと更にガス圧を高くすると膨張チュー
ブの内圧が過大となってパンクしてしまった。
伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムを原
反としてチューブラー同時二軸延伸装置に供給し、最高
温度点のフィルム表面温度を樹脂の融点より26℃低い
温度とする表1に記載の温度勾配で、縦方向1.7倍、
横方向1.8倍に延伸し、冷却エアーリングによって室
温まで冷却し、フィルム表面温度を樹脂の融点より21
℃低い75℃で熱固定処理を行い、再度室温まで冷却し
て巻き取った。膨張チューブはゆれを生じており、不均
一延伸状態も観察された。得られた延伸フィルムの平均
厚みは26μmであり、その特性値を表2に示した。こ
のフィルムを用い実施例5と同様にして収縮包装を行っ
たところ、充分に収縮せずに、角が大きくてタイト感の
ない仕上がりとなった。
条件で実施して厚み60μmのチューブ状未延伸フィル
ムを得た。このチューブ状未延伸フィルムを原反として
チューブラー同時二軸延伸装置に供給し、最高温度点の
フィルム表面温度を樹脂の融点より31℃低い温度とす
る表1に記載の温度勾配で延伸を開始するためにガス圧
を適用したところ、フィルム強度が弱く膨張チューブは
すぐに破裂してしまい、延伸フィルムを得ることはでき
なかった。
外は実施例1と同条件で実施し、平均厚み50μmの延
伸フィルムを得た。その特性値を表2に示した。このフ
ィルムを用い1.8リットルの酒パックを各方向に余裕
率11%で仮包装し、設定温度90℃で通過時間4秒に
設定した収縮トンネルを通過させたところ、充分に収縮
せずに、角が大きくてタイト感のない仕上がりとなっ
た。
熱固定処理を行った以外は実施例2と同条件で実施し
た。得られた延伸フィルムの平均厚みは16μmであ
り、その特性値を表2に示した。このフィルムを用い実
施例2と同様にして収縮包装を行ったところ、充分に収
縮せずに角が大きくてタイト感がなく、透明感もない仕
上がりとなった。
熱固定処理を行った以外は実施例2と同条件で実施し
た。得られた延伸フィルムの平均厚みは16μmであ
り、その特性値を表2に示した。このフィルムを用い実
施例2と同様にして収縮包装を行ったところ、角が小さ
くてタイト感のある仕上がりとなった。しかし、このフ
ィルムの製品ロールを室温で3カ月間放置したところ、
フィルムの平面性は低下し、フィルム幅が縮小して平面
性が悪くなり、ロールも巻き締まりを生じて巻き芯に使
用した紙管が潰れてしまった。
縮性脂肪族ポリエステルフィルムは、回収や焼却処理が
なくとも自然界の微生物によって分解され、焼却する際
には発生熱量が低く、腐食性ガスを発生することがない
ので廃棄物処理が容易であり、また、通常延伸によって
生分解速度は遅くなる傾向にあるが、フィルムの厚みが
薄いため分解される絶対量が少なく、生分解速度の低下
の影響がほとんどない。更に、80℃における縦横それ
ぞれの熱収縮率が20%以上であるため、このフィルム
で被包装物を仮包装して収縮トンネルを通過させると角
が小さくタイト感のある美麗な包装仕上がりとなるとと
もに、包装後も透明感があり、収縮包装に好適なもので
ある。
る。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 主としてグリコールと脂肪族二塩基酸ま
たはその誘導体とから合成された、温度190℃、せん
断速度100(sec-1)における溶融粘度が4,00
0〜100,000ポイズであり、融点が70〜200
℃であり、数平均分子量が30,000以上である脂肪
族ポリエステル樹脂を、融点よりも15〜45℃低い温
度範囲で縦横それぞれ2倍以上にチューブラー同時二軸
延伸した、厚みが7〜30μm、80℃における縦横の
収縮率がそれぞれ20%以上である熱収縮性脂肪族ポリ
エステルフィルム。 - 【請求項2】 チューブラー同時二軸延伸の条件が、
(イ)膨張開始点のフィルム表面温度が樹脂の融点より
25〜40℃低い温度、(ロ)膨張開始点から膨張終了
点に至る延伸帯域の距離の1/4〜1/3の位置のフィ
ルム表面温度が最高温度点となるような温度勾配、
(ハ)最高温度点のフィルム表面温度が樹脂の融点より
15〜35℃低い温度、(ニ)膨張終了点のフィルム表
面温度が樹脂の融点より25〜45℃低い温度、であ
る、請求項1記載の熱収縮性脂肪族ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項3】 脂肪族ポリエステル樹脂が、線状構造の
主としてポリブチレンサクシネートあるいは線状構造の
ポリブチレンサクシネート・アジペート共重合体であ
る、請求項1及び2記載の熱収縮性脂肪族ポリエステル
フィルム。 - 【請求項4】 脂肪族ポリエステル樹脂が、長鎖分岐構
造の主としてポリブチレンサクシネートあるいは長鎖分
岐構造の主としてポリブチレンサクシネート・アジペー
ト共重合体である、請求項1及び2記載の熱収縮性脂肪
族ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】 脂肪族ポリエステル樹脂が、線状構造ま
たは長鎖分岐構造のポリブチレンサクシナート1〜99
重量%及びポリブチルサクシネート・アジペート共重合
体99〜1重量%からなる組成物である、請求項1、
2、3及び4記載の熱収縮性脂肪族ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項6】 50℃における縦横の収縮率がそれぞれ
2%以下である、請求項1、2、3、4及び5記載の熱
収縮性脂肪族ポリエステルフィルム。 - 【請求項7】 主としてグリコールと脂肪族二塩基酸ま
たはその誘導体とから合成された、温度190℃、せん
断速度100(sec-1)における溶融粘度が4,00
0〜100,000ポイズであり、融点が70〜200
℃であり、数平均分子量が30,000以上である脂肪
族ポリエステル樹脂を、チューブラー同時二軸延伸法に
よって縦横それぞれ2倍以上に延伸する際、(イ)膨張
開始点のフィルム表面温度を樹脂の融点より25〜40
℃低い温度になるようにし、(ロ)膨張開始点から膨張
終了点に至る延伸帯域の距離の1/4〜1/3の位置の
フィルム表面温度が最高温度点となるように温度勾配を
とり、(ハ)最高温度点のフィルム表面温度を樹脂の融
点より15〜35℃低い温度に維持し、(ニ)膨張終了
点のフィルム表面温度を樹脂の融点より25〜45℃低
い温度になるようにすることを特徴とする、厚みが7〜
30μm、80℃における縦横の収縮率がそれぞれ20
%以上である熱収縮性脂肪族ポリエステルフィルムの製
造方法。
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JP24053095A JP4037921B2 (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 熱収縮性脂肪族ポリエステルフィルム及びその製造方法 |
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ID=17060905
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