JPH09559U - 食器およびトレイの洗浄装置 - Google Patents

食器およびトレイの洗浄装置

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JPH09559U
JPH09559U JP006399U JP639997U JPH09559U JP H09559 U JPH09559 U JP H09559U JP 006399 U JP006399 U JP 006399U JP 639997 U JP639997 U JP 639997U JP H09559 U JPH09559 U JP H09559U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】食器とトレイとを区分して、一台の洗浄機によ
り同時に同じ方向へ移送しながら順次連続して洗浄する
コンパクトな洗浄装置。 【構成】洗浄機本体1の前端部近傍に食器供給部及びト
レイ供給部12を、後端部近傍に食器取出部及びトレイ
取出部13を設ける。食器供給部と食器取出部との間に
食器洗浄部を、トレイ供給部とトレイ取出部との間にト
レイ洗浄部を備える。食器洗浄部とトレイ洗浄部は左右
に近接して並設し、食器洗浄部には食器供給部から供給
された食器を載置して移送する無端の食器搬送コンベア
5、その上方には下方へ向けて洗浄水を噴射する洗浄ノ
ズル並びに食器搬送コンベアの食器載置部下方に、上方
へ向けて洗浄液を噴射する洗浄ノズルを備える。トレイ
洗浄部には無端のトレイ搬送コンベアを設け、トレイを
順次移送する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、食器とこれを載せて持ち運ぶためのトレ イの洗浄装置、特に食器とトレイとを区分して一台の洗浄機により同時に同じ方 向に移送しながら順次連続して洗浄するようにした装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、学校、工場、病院などの給食においては、トレイに 食器を載せて持ち運び、食後において比較的汚れの軽微なトレイと汚れがひどい 食器は分離し、食器は浸漬槽に浸漬した後、単一の搬送コンベア式食器洗浄機に より順次洗浄し、その後にトレイを同じ食器洗浄機により洗浄しているのが現状 である。
【0003】 一方、食器洗浄機の洗浄室内に搬送コンベアを上下二段に平行に配列し、それ ぞれの搬送コンベアの上下に洗浄ノズルを配して、食器と食缶等、異種の給食用 容器類を併行して同時に洗浄するようにした二段式食器洗浄機も知られている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】搬送コンベアが単一の食器洗浄機において は、二段式食器洗浄機に比べて機器コストが低廉であるが、同時に運ばれてくる 食器とトレイを別々に洗浄するため、洗浄時間が長く、また洗浄後の保管等の処 理を併行して行うことができないという問題がある。
【0005】 洗浄処理の効率化という面では二段式食器洗浄機を用いることが望ましい。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
上記二台の洗浄機を一台にと考えられた従来の二段式食器洗浄機においては、 上下に配したコンベアベルト上に食器やトレイなどの異種の給食用容器類を載せ て搬送しながら上下の洗浄ノズルにより洗浄するという考え方を一貫して採用し ているため、コンベアベルト及びその駆動機構にコストがかかり、また洗浄室の 容積、特に上下方向の容積が大きくなり、それだけ機体コストも高くなる。
【0007】 また、特に上段への供給および取出し作業は作業者にとって困難な作業であり 、上段に供給するときは食べ残したもの、すなわち残飯や残汁が腕を伝わって垂 れてくるなどの衛生面の問題がある。
【0008】 さらに、近年の人手不足から洗浄作業の省力化を図るために、食器洗浄機のコ ンベア搬入側端部上に多数重ねた給食用容器類を一個づつ自動的に供給する自動 分離供給装置、およびコンベア搬出側の端部に洗浄済の給食用容器類を搬出して 自動的に積み重ねる自動取出積み重ね装置を設置することが少なくないが、上記 上下二段式食器洗浄機においてはこれらの各装置をそれぞれ上下のコンベア端部 にそれぞれ配設しなければならないため、上記装置が上下にオーバーラップしな いように上下のコンベアの間隔を相当大きくしなければ設置できず、また高さの 高い上部のコンベアの供給装置に洗浄すべき給食用容器類を供給し、かつ高い位 置から洗浄済の給食用容器類を床上に排出することに機構的に困難を伴うという 問題がある。
【0009】 そして近年、給食センターで調理し運搬、学校等で給食、食器残飯などを回収 し、再び給食センターに運搬し、前記の食器及び残飯を回収した食缶を洗浄する 装置として本願出願人が出願した実開昭62−27557号に記載された装置、 すなわち、食器洗浄装置と食缶洗浄装置とを並設した装置も知られている。
【0010】 この従来装置で洗浄される食器及び食缶はいずれもうつ伏せにした状態で多数 の穴が設けられたネットコンベアに載せ、上方及び下方に設けた洗浄ノズルから 洗浄水を噴射して洗浄する装置である。
【0011】 この装置の場合、並設した食缶洗浄部と食器洗浄部との荒洗浄、仕上げ洗浄パ ターンが異なることに加えて、食缶及び食器のいずれもうつ伏せにした状態であ るので、機体が著しく巾広となって床上設置スペースの減少はわずかであるとい う課題があった。
【0012】 また、近年カフェテリアの普及、バイキング方式の普及によりトレイの上に食 器を載せて運び、食事をした後でトレイと食器を返却するシステムを採用するこ とが多くなり、この食器とトレイとを前記の従来装置の問題点を有することなく 効率よく洗浄する装置が望まれていた。
【0013】 前記のように、食器とトレイとはワンセットとして扱われることが多く、別々 に返却することなく同じ場所で返却し、ついでトレイはトレイ洗浄部、食器は食 器洗浄部で洗浄することが望まれ、これらのトレイと食器とを上記食器食缶併設 洗浄装置の技術を応用してうつ伏せにして洗浄する洗浄部を並設した場合、床上 設置スペースの減少はわずかであり、特にトレイは周囲の高さが低く、平坦な部 分が多く、消費される洗浄水の量が著しく多いという課題を有していた。
【0014】
【問題点を解決するための手段】洗浄装置の前方の端部あるいは端部近傍に 食器供給部およびトレイ供給部が設けられ、後方の端部あるいは端部近傍に食器 取出部およびトレイ取出部が設けられ、前記食器供給部と食器取出部との間に食 器洗浄部が設けられ、前記トレイ供給部とトレイ取出部との間にトレイ洗浄部が 設けられ、食器洗浄部とトレイ洗浄部とは左右に近接して並設され、食器洗浄部 には食器供給部から供給された食器を載置して移送する無端の食器搬送コンベア と、この食器搬送コンベアの食器載置部の上方に設けた下方に向けて洗浄水を噴 射する洗浄ノズルおよび食器搬送コンベアの食器載置部の下方に設けた上方に向 けて洗浄液を噴射する洗浄ノズルが設けられ、前記トレイ洗浄部には無端のトレ イ搬送コンベアが設けられ、前記トレイ供給部から受入れたトレイを一枚ずつそ のトレイの上面あるいは下面のいずれかを前記食器洗浄部側に向けると共に、ト レイ載置部とトレイの一つの縁とが接した状態で縦向きに載置し、このトレイを 順次移送するトレイ搬送コンベアと、前記トレイ載置部の斜め上方の左右両側に 対向した方向に洗浄水を噴射する洗浄ノズルが設けられ、前記トレイ搬送コンベ アのトレイ載置部の斜め上方の左右両側にトレイ傾倒防止用のガイドが設けられ 、前記ガイドはトレイ洗浄部においてはその左右のガイドの間隔が前記縦向き状 態のトレイが若干の遊びをもって通過可能なように幅狭に構成され、かつトレイ 供給部から供給されるトレイを受入れる部分においては左右のガイドの間隔がト レイを余裕をもって受入可能なように前記トレイ洗浄部における間隔より幅広に 形成され、さらにトレイ取出部にトレイを排出する部分においては食器洗浄部側 のガイドがこれに相対するガイドよりもトレイの搬送方向に長く、しかも食器洗 浄部側とは反対側の側部に向けて斜め横向きに屈曲されている食器及びトレイの 洗浄装置を提案するものである。
【0015】 上記のように、食器を伏せて進行方向の中心から見たとき、左右対称な状態で 進行させて洗浄する食器洗浄部と、同じく伏せることなくほぼ垂直に立てかけて 進行方向の中心から見たとき、左右非対称の状態でトレイを進行させて洗浄する トレイ洗浄部とを並設した食器及びトレイの洗浄装置としたことによって次の作 用効果を有する。
【0016】 1)トレイ搬送コンベアの載置部上にトレイの一つの縁を載せてトレイ傾倒防止 用のガイドに支持案内しながらトレイを縦向き状態で搬送し、この搬送中におい て左右の洗浄ノズルから洗浄液を噴射することにより、同時に食器を洗浄する食 器洗浄部に近接して並設したごく巾狭なトレイ洗浄部を利用して全体としてコン パクトな一個の洗浄装置により、トレイと食器を並行して同時に洗浄することを 可能とした。
【0017】 2)食器とトレイの供給部とそれらの取出部とがそれぞれ横に近接して設けられ ているため、食器とトレイの供給ならびに取出作業が容易であるとともに、食器 とトレイの供給部ならびに食器とトレイの取出部とを相互に重なり合うことなく 設置することが可能で、それぞれの装置の高さも低く、各装置に対するトレイ及 び食器の出し入れも楽に行える。
【0018】 3)コンベアのトレイ載置部の斜め上方の左右両側に対向した方向に洗浄水を噴 射する洗浄ノズルが設けられ、トレイ載置部の斜め上方の左右両側にトレイ傾倒 防止用のガイドが設けられているため、トレイ洗浄部の横幅が小さく、トレイと 食器を同時に洗浄する一個の洗浄機としてコンパクトに構成される。
【0019】 4)幅広なトレイ傾倒防止用ガイド部分においてトレイ供給部からトレイを確実 に受け入れた後、トレイ洗浄部の幅狭なトレイ傾倒防止用ガイドによりトレイを 安定して立てた状態に保って搬送しながら、コンベアのトレイ載置部の斜め上方 の左右両側に対向した方向に洗浄液を噴射する洗浄ノズルにより、少ない水量で 効率よく洗浄し、その上でトレイをガイド終端の横向き屈曲部においてトレイ取 出部側に自動的に倒して排出することができる。
【0020】 またこの考案は、トレイ搬送コンベアの食器搬送コンベア側と反対側の側方に 、トレイ供給部およびトレイ取出部を設けてなる上記食器及びトレイの洗浄装置 を提案するものである。
【0021】 これによって、食器の供給部を食器搬送コンベアの前方に、かつ食器取出部を 食器搬送コンベアの後方に余裕を持って設置することができる。
【0022】 さらにこの考案は、トレイ供給部として、トレイを多数積み重ねて載せた運搬 車からその積み重ねたトレイ群を受入れる昇降棚と、この昇降棚上のトレイ群を 一枚ずつ剥離して移送し、トレイ搬送コンベア上に降下させる剥離移送機構とか ら構成した上記食器及びトレイの洗浄装置を提案するものである。
【0023】 これによって多数積み重ねたトレイを運搬車で運搬し、これをトレイ供給部に おいて自動的に分離して供給することができる。
【0024】 さらにこの考案は、トレイ取出部として、トレイ搬送コンベアから排出された トレイを伏せた状態で滑落させる排出シュートと、この排出シュートの下方に設 置した押上シリンダにより前記排出シュートの下方からこれを横切ってその上方 にかけて上昇し、排出シュート上のトレイの周縁を支持して上昇させる押杆とか らなるトレイ押上機構と、前記トレイ押上機構に相対する前記排出シュート上に 設置され、前記トレイの周縁を位置決め規制して上昇させるガイドと、このガイ ドに沿って前記押杆に支持されて上昇してきたトレイを係止して上昇位置に支持 する支持杆とからなるトレイ受入機構とから構成した上記食器及びトレイの洗浄 装置を提案するものである。
【0025】 これによって、洗浄済みのトレイを排出シュートに排出し、これらを一枚づつ 自動的に持ち上げて所要数積み重ねた上で取り出すことができる。
【0026】
【実施例】以下この考案を図面に示す実施例について説明すると、図1、図 2に示すように、食器洗浄機本体1の排水槽2上に洗浄室3を覆うトンネル状の 洗浄室フード4が設けられ、この洗浄室3内の下部に無端網目帯状の食器搬送コ ンベア5及びその側方に無端チェーンコンベアからなるトレイ搬送コンベア6が 排水槽2の前端部から後端部にかけて循環走行可能に設置されており、食器搬送 コンベア5及びトレイ搬送コンベア6の前方の端部あるいは端部近傍に、洗浄す べき食器を食器搬送コンベア5上に順次供給する装置としての食器供給部(図示 しない)および洗浄すべきトレイTをトレイ搬送コンベア6上に供給する装置と してのトレイ供給部12が設けられ、後方の端部あるいは端部近傍に、洗浄済み の食器を順次取り出す装置としての食器取出部(図示しない)および洗浄済みの トレイTを順次取り出す装置としてのトレイ取出部13が設けられ、これら食器 供給部と取出部間に食器洗浄部が、またトレイ供給部12と取出部13間にトレ イ洗浄部が左右に近接して並設されている。
【0027】 トレイ供給部12およびトレイ取出部13は、トレイ搬送コンベア6の食器搬 送コンベア側5と反対側の側方に設けられている。
【0028】 即ち、一般に食器の供給部は食器搬送コンベア5の進行方向に向かって食器を 供給するよう食器搬送コンベア5の前端部に設置されるが、トレイ供給部12を トレイ搬送コンベア6の進行方向に向かってトレイTを供給するようにその前端 部に設ける場合には、トレイTの幅分だけのスペースを確保することになり、洗 浄機の幅を大きくするか食器の供給間口を狭くすることになり、食器供給間口を 狭くすると食器の供給を円滑に行えなくなる。
【0029】 一方、一般に食器の取出しは食器搬送コンベア5の食器洗浄部における進行方 向と同じ方向の食器搬送コンベア5の後端部で取出されるが、トレイTをトレイ 搬送コンベア6の進行方向と同方向に取り出すようにトレイ取出部13をトレイ 搬送コンベア6の後端部に設置した場合には、トレイTを横倒しにして取出して 積み重ねる際のスペースが大きく、その分食器の取出しスペースが減少し、円滑 な食器の取出しが困難になる。
【0030】 食器洗浄部には、食器搬送コンベア5の上側走行部の上方及び下方に洗浄ノズ ル7及び仕上洗浄ノズル7’が設置され、このコンベア5に搬送されてくる食器 にその上方および下方から洗浄液及び仕上湯を噴射して洗浄及び仕上洗浄し、エ アー噴射により水切りした後、後部から取出されるようになっている。
【0031】 洗浄後の洗浄液は、排水槽2から下方の貯水タンク8に一旦貯溜され、適宜汚 水をオーバーフローさせると共に、新液を補給しながら送水ポンプ9により洗浄 ノズル7に送水するようになっている。
【0032】 トレイTを載置してトレイ洗浄部を通ってトレイ取出部13に至るトレイ搬送 コンベア6は図3に示すように、食器を載置して食器洗浄部を通して食器取出部 に至る食器搬送コンベア5と並設されている。
【0033】 トレイ搬送コンベア6は、チェーンリンクの外周に、例えば溝型のリンクから なるトレイ載置部6’が連続して取付けられ、これにトレイTの一つの縁を載せ てトレイ搬送コンベア6のトレイ載置部6’の斜め上方の左右両側に対設したト レイ傾倒防止用のガイド10,10に支持案内されながら縦向き状態でトレイT を搬送し、洗浄するようになっている。
【0034】 そしてトレイ供給部12から供給されるトレイを受入れる部分においては左右 のトレイ傾倒防止用のガイド10,10の間隔が、トレイ洗浄部における左右の ガイド10,10の間隔よりも広くなっており、トレイ取出部13にトレイを排 出する部分においては左右のガイド10,10のうち食器洗浄部側に設けられた 一方のガイド10の方が長く、この長いガイド10が食器洗浄部側とは反対側の 側方に向けて斜め横向きに屈曲されている。
【0035】 このようにトレイ供給部12から供給されるトレイTを受入れる部分のガイド 10,10の間隔を広くしたことにより、トレイ搬送コンベア6上への載置を確 実にするとともにトレイ取出部13におけるトレイTの排出をトレイTの上面及 び下面を一定の方向、すなわち食器洗浄部側の面を上方にしてトレイ取出部13 に排出することができる。
【0036】 トレイ洗浄部には、トレイ搬送コンベア6の搬送方向に沿ってその上方の適宜 箇所に、搬送されてくるトレイTに向かって横向きに洗浄液を噴射する洗浄ノズ ル11,11’及び仕上げ洗浄ノズル(図示せず)が設けられている。
【0037】 このように、洗浄液を上下方向から噴射する食器洗浄部に近接して洗浄液を左 右方向から噴射するトレイ洗浄部を並設し、トレイTの上下面のいずれかを食器 洗浄部側に向けて立てた状態でトレイ搬送コンベア6に載置して搬送しながら洗 浄するようにしたことにより、トレイ洗浄部を極く巾狭とし全体としてコンパク トな1個の洗浄装置により食器とトレイTを並行して同時に洗浄することが可能 となる。
【0038】 図3および図4はトレイ供給部12として多数積み重ねられたトレイTを一枚 ずつ順次自動的にトレイ搬送コンベアに供給するようにしたトレイ自動供給機構 の具体例を示したもので、食器洗浄機本体1に近接してボックス型の架台14が 設置され、その後背部内に左右一対の垂直なネジ軸15,15が上下の軸受16 に回転自在に支承され、このネジ軸15,15には昇降棚17の後端の左右に設 けた雌ネジ部18がねじ込み挿着されており、ネジ軸15,15をモーター19 によりスプロケットチェーンなどの動力伝達機構を介して同速で正逆回転するこ とにより、洗浄すべきトレイTを多数積み重ねた昇降棚17を昇降するように構 成されている。
【0039】 洗浄すべきトレイTは、昇降棚17の再降下高さよりも若干高い位置にトレイ 置き棚20’を左右に間隔を開けて設けた運搬車20により運搬し、トレイ置き 棚20’上に積み重ねたトレイTを昇降棚17上に位置するように運搬車20を 架台14内に進入させた後、昇降棚17を上昇させる。
【0040】 架台14の上部には、横送りシリンダ21が左右方向横向きに設置され、食器 洗浄機本体1に向かって突出する伸縮ロッド21’の先端には縦向きの昇降シリ ンダ22が取付けられ、その下向きの伸縮ロッド22’の先端にバキュウーム式 吸着板23が取付けられており、この吸着板23の内面中央には真空ポンプによ り真空吸引する吸気孔が開けられている。
【0041】 横送りシリンダー21の伸縮ロッド21’は、その収縮時にその先端部が昇降 棚18の中央部上に位置するように設定され、トレイTを多数積み重ねた昇降棚 18が上死点位置に上昇したとき、昇降シリンダ22の伸縮ロッド22’を伸長 させて先端の吸着板23を最上端のトレイTに圧着させ、真空吸引によりトレイ Tを吸着するように構成されている。
【0042】 吸着板23に吸着されたトレイTは、伸縮ロッド22’の収縮作動により下方 のトレイT群より離れた位置まで上昇した後、横送りシリンダー21の伸縮ロッ ド21’を伸長することにより食器洗浄機本体1側に横移動する。
【0043】 横送りシリンダー21の前方における洗浄室フード4にはトレイ供給口24が 設けられ、その内側には横送りシリンダー21の伸縮ロッド21’の伸長時にそ の先端部が位置する下方の部分から、洗浄室3内部のトレイ搬送コンベア6の側 方上にかけて斜め下り勾配をなす供給シュート25が設けられている。
【0044】 従って、吸着板23に吸着されて横送りシリンダー21によって供給シュート 25上に横送りされたトレイTは、吸着板23の吸引を解除することにより、供 給シュート25上に落下して斜め下向きに滑落し、その周縁の一つの縁がトレイ 搬送コンベア6の支受リンク6’に受け止められる。
【0045】 トレイTが供給シュート25上を滑落した際に反対側に落ちることを防止する ために、供給シュート25の下部に相対する部分にストッパー26が設けられて いる。
【0046】 このようにしてトレイ搬送コンベア6の支受リンク7に載せられたトレイTは ガイド10に支持案内されながらトレイ搬送コンベア6と共に搬送されるが、ガ イド10はトレイTが供給シュート25上を滑落した時点で斜めに傾いた状態か ら徐々にほぼ垂直に立て起こされるように、供給シュート25及びストッパー2 6の側方からトレイ搬送コンベア6のほぼ直上に位置する部分にかけて屈曲して 幅広に形成されている。
【0047】 そして、トレイTは上面側、下面側を同一方向に揃え縦向き状態で搬送されな がら洗浄ノズル11,11’及び仕上げ洗浄ノズルにより洗浄された後、トレイ 自動取出部13に至る。
【0048】 図5〜図7はトレイ取出部13として洗浄済みのトレイを順次自動的に積み重 ねて取り出すようにしたトレイ自動積み重ね機構の具体例を示したもので、洗浄 室フード4の後部には取出口27が設けられ、その内側にトレイ搬送コンベア6 の側方上から洗浄室3の外部にかけて斜め下り勾配をなすトレイTの排出シュー ト28が設けられている。
【0049】 この排出シュート28側に迫り出して屈曲したガイド10によって排出シュー ト28上に押し倒されて滑落したトレイTは、排出シュート28の下部において 図5〜図7に示すトレイ押上機構29とトレイ受入機構30とからトレイ自動積 重ね装置として構成されたトレイ取出部13に受け止められて1枚づつ積み重ね られる。
【0050】 トレイ押上機構29は、排出シュート28の下部の下方の固定板31に取付け た押上シリンダ32と、その伸縮ロッド32’の先端にその進退方向に突設した 左右各2本の押杆33とから構成されている。
【0051】 左右の押杆32は、押上シリンダ32の伸縮ロッド32’の先端に直交上に取 付けた基板34上に、トレイTの左右巾より若干広い間隔を保持して鉛直に突設 され、その先端部には揺動爪35が取付けられており、伸縮ロッド32’が伸縮 作動することにより排出シュート28に対して鉛直方向に昇降し、その昇降時に は排出シュート28の滑板28aの下部両側に設けた通孔36を揺動爪35と共 に通過するようになっている。
【0052】 揺動爪35は図8に示すように、左右に相対する押杆33の内側に斜め上向き 状態でその平坦な底面35aを押杆33に係止されて内向きに突設され、突設側 の斜め上向きの内側面35bを押圧することにより斜め上向き状態から上向き直 立状態にかけて揺動するようになっており、その先端面には内側面から外側にか けて水平面35cが形成され、外側端には外側に向かって斜め上向きの係止面3 5dが形成されている。
【0053】 トレイ受入機構30は、トレイ押上機構29に相対する排出シュート28上に 設置され、トレイTの周縁を位置決め規制して上昇させるガイド37,38,3 9と、左右各2本の支持杆40とから構成されている。
【0054】 前面ガイド37は排出シュート28上を伏せた状態で滑落してきたトレイTの 前端縁を受け止めて、このトレイTを容器押上機構29に対応する位置に停止さ せるように排出シュート28に鉛直に突設され、その上部は排出シュート28の 下方側に若干傾斜している。
【0055】 側面ガイド38及び後面ガイド39は、上記受け止めたトレイTの両側縁を位 置決め規制して上昇させるもので、側面ガイド38は排出シュート28上から突 設され、後面ガイド39は排出シュート28上に設置したカバー41上に突設さ れており、それぞれ前面ガイド37よりも短く突設されている。
【0056】 左右の支持杆40は、カバー41にトレイTが通過可能に設けた開口42の側 縁にトレイTの左右巾より若干広い間隔を保持して鉛直に取付けられ、その上下 部には揺動爪43,43’が斜め上向きに取付けられている。
【0057】 揺動爪43,43’は上記揺動爪35と同形態で図9に示すように、左右に相 対する支持杆40の内側に斜め上向き状態でその平坦な底面43aを支持杆40 に係止されて内向きに突設され、突設側の斜め上向きの内側面43bを押圧する ことにより斜め上向き状態から上向き直立状態にかけて揺動するようになってお り、その先端面には内側面から外側にかけて水平面43cが形成され、外側端に は外側に向かって斜め上向きの係止面43dが形成されている。
【0058】 前面ガイド37が突設された位置における排出シュート28上にはセンサー4 4が設置され、このセンサー44は排出シュート28の側壁28bを位置決めガ イドとして左右の側面ガイド38,38と前面ガイド37に囲まれた部分に受け 止められたトレイTの前縁を感知し、押上シリンダ32の作動制御回路に信号を 発信する。
【0059】 押上シリンダ32の作動制御回路は、第一にセンサー44の感知信号に基づい て押上シリンダ32を、押杆33の先端の揺動爪35が支持杆40の下部の揺動 爪43’の先端上に上昇する位置まで伸長作動させた後に、伸縮作動して押杆3 3を下降させる作動制御を行う。
【0060】 押杆33が上昇するとき、その先端の揺動爪35の水平面35cにトレイTの 側縁が引っかけられてそのまま持ち上げられて上昇し、上昇するトレイTの側縁 が支持杆40の下部の揺動爪43’の内側面を押圧して外側に押し出しながら通 過し、揺動爪43’の水平面43c上に上昇すると、揺動爪43’は再び斜め上 向き状態に復帰する。
【0061】 この状態で押上シリンダ32が収縮作動して押杆33が下降すると、揺動爪4 3’の水平面43c上にトレイTの側縁が係止されて保持される。
【0062】 このように順次同様に、滑落してきたトレイTは次々に上昇させられて先行の トレイTの下側に重ねられながら揺動爪43’上に保持される。
【0063】 押上シリンダ32の作動制御回路は、第二に次々に滑落してくるトレイTをセ ンサー44の感知信号に基づいてカウントし、予め設定された枚数(例えば、学 級の人数分)のトレイTが揺動爪43’上に上昇したときに、押上シリンダ32 を押杆33の先端の揺動爪35が支持杆40の上部の揺動爪43の先端上に上昇 する位置まで伸長作動させた後、収縮伸縮作動して押杆33を下降させる作動制 御を行う。
【0064】 このように押杆33がより高く上昇すると、上記トレイTの積み重ね保持の動 作と同様に、先端の揺動爪35の水平面35cに設定枚数重ねられたトレイTの 側縁が引っかけられてそのまま持ち上げられて上昇し、上昇するトレイTの側縁 が支持杆40の上部の揺動爪43の水平面43c上に上昇し、この状態で押上シ リンダ32が収縮作動して押杆33が下降すると、揺動爪43の水平面43c上 に最下端のトレイTの側縁が係止されて設定枚数のトレイTが保持される。
【0065】 従ってこの状態において、揺動爪43上に積み重ねられた設定枚数のトレイT を短い側面ガイド38及び後面ガイド39の上端上方から容易に取出すことがで きる。
【0066】 なお、押杆33及び支持杆40を設置する位置は、排出シュート28の下部で 受け止められたトレイTの周囲に対応する位置であればよく、例えばトレイTの 前後端縁あるいは前端縁及び両側端縁を揺動爪35,43で支持するように配置 することができ、本数も3本以上であればよい。
【0067】 また、この考案のトレイ押上機構29とトレイ受入機構30は、トレイのみな らず各種食器類の積み重ね整理に用いることができる。
【0068】 また、トレイTを搬送コンベア6上に供給する機構および取出す機構は上記実 施例に限られることなく、他の各種の機構を用いることができる。
【0069】
【考案の効果】以上の通りこの考案によれば、トレイ搬送コンベアの載置部 上にトレイの一つの縁を載せてトレイ傾倒防止用のガイドに支持案内しながらト レイを縦向き状態で搬送し、この搬送中において左右の洗浄ノズルから洗浄液を 噴射することにより、同時に食器を洗浄する食器洗浄部に近接して並設した極く 巾狭なトレイ洗浄部を利用して全体としてコンパクトな一個の洗浄装置によりト レイと食器を並行して同時に洗浄することが可能となった。
【0070】 食器とトレイの供給部とそれらの取出部とがそれぞれ横に近接して設けられて いるため、食器とトレイの供給ならびに取出作業が容易であると共に、食器とト レイの供給部ならびに食器とトレイの取出部とを相互に重なり合うことなく設置 することが可能で、それぞれの装置の高さも低く、各装置に対するトレイ及び食 器の出し入れも楽に行える。
【0071】 コンベアのトレイ載置部の斜め上方の左右両側に対向した方向に洗浄水を噴射 する洗浄ノズルが設けられ、トレイ載置部の斜め上方の左右両側にトレイ傾倒防 止用のガイドが設けられているため、トレイ洗浄部の横幅が小さく、トレイと食 器を同時に洗浄する一個の洗浄機としてコンパクトに構成される。
【0072】 幅広なトレイ傾倒防止用ガイド部分においてトレイ供給部からトレイを確実に 受け入れた後、トレイ洗浄部の幅狭なトレイ傾倒防止用ガイドによりトレイを安 定して立てた状態に保って搬送しながら、コンベアのトレイ載置部の斜め上方の 左右両側に対向した方向に洗浄水を噴射する洗浄ノズルにより、少ない水量で効 率よく洗浄し、その上でトレイをガイド終端の横向き屈曲部においてトレイ取出 部側に自動的に倒して排出することができる。
【0073】 また、トレイ搬送コンベアの食器搬送コンベア側と反対側の側方に、トレイ供 給部およびトレイ取出部を設けてなるので、食器の供給部を食器搬送コンベアの 前方に、かつ食器取出部を食器搬送コンベアの後方に余裕を持って設置すること ができる。
【0074】 さらに、トレイ供給部として、トレイを多数積み重ねて載せた運搬車からその 積み重ねたトレイ群を受入れる昇降棚と、この昇降棚上のトレイ群を一枚ずつ剥 離して移送し、トレイ搬送コンベア上に降下させる剥離移送機構とから構成した ので、多数積み重ねたトレイを運搬車で運搬し、これをトレイ供給部において自 動的に分離して供給することができる。
【0075】 さらにまた、トレイ取出部として、トレイ搬送コンベアから排出されたトレイ を伏せた状態で滑落させる排出シュートと、この排出シュートの下方に設置した 押上シリンダにより前記排出シュートの下方からこれを横切ってその上方にかけ て上昇し、排出シュート上のトレイの周縁を支持して上昇させる押杆とからなる トレイ押上機構と、前記トレイ押上機構に相対する前記排出シュート上に設置さ れ、前記トレイの周縁を位置決め規制して上昇させるガイドと、このガイドに沿 って前記押杆に支持されて上昇してきたトレイを係止して上昇位置に支持する支 持杆とからなるトレイ受入機構とから構成したので、洗浄済みのトレイを排出シ ュートに排出し、これらを一枚づつ自動的に持ち上げて積み重ねた上で取り出す ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の実施例を示す側面図。
【図2】この考案の実施例を示す平面図。
【図3】この考案に係るトレイ供給機構の縦断正面図。
【図4】この考案に係るトレイ供給機構の縦断側面図。
【図5】この考案に係るトレイ取出機構の縦断側面図。
【図6】この考案に係るトレイ取出機構の正面図。
【図7】この考案に係るトレイ取出機構の平面図。
【図8】この考案に係る押杆の揺動爪の取付け状態を示
す縦断側面図。
【図9】この考案に係る支持杆の揺動爪の取付け状態を
示す縦断側面図。 1 食器洗浄機本体 2 排水槽 3 洗浄室 4 洗浄室フード、 5 食器搬送コンベア 6 トレイ搬送コンベア 6’ 支受リンク 7 洗浄ノズル 7’仕上洗浄ノズル 8 貯水タンク 9 送水ポンプ 10 ガイド 11 洗浄ノズル 11’ 洗浄ノズル 12 トレイ供給部 13 トレイ取出部 14 架台 15 ネジ軸 16 軸受 17 昇降棚 18 雌ネジ部 19 モーター 20 運搬車 20’ トレイ置き棚 21 横送りシリンダ 21’ 伸縮ロッド 22 昇降シリンダ 22’ 伸縮ロッド 23 吸着板 24 トレイ供給口 25 供給シュート 26 ストッパー 27 取出口 28 排出シュート 28a 滑板 29 トレイ押上機構 30 トレイ受入機構 31 固定板 32 押上シリンダ 32’ 伸縮ロッド 33 押杆 34 基板 35 揺動爪 35a 底面 35b 内側面 35c 水平面 35d 係止面 36 通孔 37 前面ガイド 38 側面ガイド 39 後面ガイド 40 支持杆 41 カバー 42 開口 43 揺動爪 43’ 揺動爪 43a 底面 43b 内側面 43c 水平面 43d 係止面

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗浄装置の前方の端部あるいは端部近傍に
    食器供給部およびトレイ供給部が設けられ、後方の端部
    あるいは端部近傍に食器取出部およびトレイ取出部が設
    けられ、前記食器供給部と食器取出部との間に食器洗浄
    部が設けられ、前記トレイ供給部とトレイ取出部との間
    にトレイ洗浄部が設けられ、食器洗浄部とトレイ洗浄部
    とは左右に近接して並設され、食器洗浄部には食器供給
    部から供給された食器を載置して移送する無端の食器搬
    送コンベアと、この食器搬送コンベアの食器載置部の上
    方に設けた下方に向けて洗浄水を噴射する洗浄ノズルお
    よび食器搬送コンベアの食器載置部の下方に設けた上方
    に向けて洗浄液を噴射する洗浄ノズルが設けられ、前記
    トレイ洗浄部には無端のトレイ搬送コンベアが設けら
    れ、前記トレイ供給部から受入れたトレイを一枚ずつそ
    のトレイの上面あるいは下面のいずれかを前記食器洗浄
    部側に向けると共に、トレイ載置部とトレイの一つの縁
    とが接した状態で縦向きに載置し、このトレイを順次移
    送するトレイ搬送コンベアと、前記トレイ載置部の斜め
    上方の左右両側に対向した方向に洗浄水を噴射する洗浄
    ノズルが設けられ、前記トレイ搬送コンベアのトレイ載
    置部の斜め上方の左右両側にトレイ傾倒防止用のガイド
    が設けられ、前記ガイドはトレイ洗浄部においてはその
    左右のガイドの間隔が前記縦向き状態のトレイが若干の
    遊びをもって通過可能なように幅狭に構成され、かつト
    レイ供給部から供給されるトレイを受入れる部分におい
    ては左右のガイドの間隔がトレイを余裕をもって受入可
    能なように前記トレイ洗浄部における間隔より幅広に形
    成され、さらにトレイ取出部にトレイを排出する部分に
    おいては食器洗浄部側のガイドがこれに相対するガイド
    よりもトレイの搬送方向に長く、しかも食器洗浄部側と
    は反対側の側方に向けて斜め横向きに屈曲されているこ
    とを特徴とする食器及びトレイの洗浄装置。
  2. 【請求項2】トレイ搬送コンベアの食器搬送コンベア側
    と反対側の側方に、トレイ供給部およびトレイ取出部を
    設けてなることを特徴とする請求項1記載の食器及びト
    レイの洗浄装置。
  3. 【請求項3】トレイ供給部は、トレイを多数積み重ねて
    載せた運搬車からその積み重ねたトレイ群を受入れる昇
    降棚と、この昇降棚上のトレイ群を一枚ずつ剥離して移
    送し、トレイ搬送コンベア上に降下させる剥離移送機構
    とから構成してなることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の食器及びトレイの洗浄装置。
  4. 【請求項4】トレイ取出部は、トレイ搬送コンベアから
    排出されたトレイを伏せた状態で滑落させる排出シュー
    トと、この排出シュートの下方に設置した押上シリンダ
    により前記排出シュートの下方からこれを横切ってその
    上方にかけて上昇し、排出シュート上のトレイの周縁を
    支持して上昇させる押杆とからなるトレイ押上機構と、
    前記トレイ押上機構に相対する前記排出シュート上に設
    置され、前記トレイの周縁を位置決め規制して上昇させ
    るガイドと、このガイドに沿って前記押杆に支持されて
    上昇してきたトレイを係止して上昇位置に支持する支持
    杆とからなるトレイ受入機構とから構成してなることを
    特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の食器
    及びトレイの洗浄装置。
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