JPH0954449A - 電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体および電子写真装置

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JPH0954449A
JPH0954449A JP22606295A JP22606295A JPH0954449A JP H0954449 A JPH0954449 A JP H0954449A JP 22606295 A JP22606295 A JP 22606295A JP 22606295 A JP22606295 A JP 22606295A JP H0954449 A JPH0954449 A JP H0954449A
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electrophotographic
photoreceptor
layer
photosensitive member
exposure
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JP22606295A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Yamaguchi
康浩 山口
Taketoshi Hoshizaki
武敏 星崎
Yasuo Sakaguchi
泰生 坂口
Kazuo Yamazaki
一夫 山崎
Katsumi Daimon
克己 大門
Masakazu Iijima
正和 飯島
Fumiaki Taho
文明 田甫
Ryosaku Igarashi
良作 五十嵐
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負帯電動作が可能である電子写真特性に優れ
たS字型有機感光体およびそれを用いた高画質のデジタ
ル式電子写真装置を提供する。 【解決手段】 導電性基体の上にn型光導電性粒子と結
着樹脂を含有する単層型の光導電層を有する電子写真感
光体であって、n型光導電性粒子が下記一般式(1)で
示されるキレート化合物の少くとも1種を含有し、か
つ、負帯電における50%電位減衰に要する露光量が1
0%電位減衰に要する露光量の3倍未満である。 MX (1) (Mは複数の酸化状態を安定にとり得る金属イオンであ
って、より高酸化数の状態のものを示し、Xは中性また
は1価の配位子を示し、Lは共役π電子系を有するキレ
ート配位子を示し、mおよびnはMXが中性分子
となるように選ばれた整数を意味する。但しnは1以上
の整数、mは0以上の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性基体、有機光導
電層を含む電子写真感光体に関し、特にデジタル式電子
写真法に好適な負帯電型の電子写真感光体およびそれを
用いた電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、光導電層の層構成か
ら単層型のものと積層型のものとに大別される。このう
ち、積層型感光体は、光導電の2つの過程である光電荷
発生と電荷輸送をそれぞれ別個の層に分担させた機能分
離型2層構成の感光体であり、機能を分離させることに
より、各機能層ごとに材料の最適化がはかれるという利
点が生じ、高性能化に向けての活発な材料開発がなさ
れ、著しい性能の向上を遂げ、現在では電子写真感光体
の主流となり、複写機、プリンター、ファクシミリ等の
分野で活用されている。積層感光体に用いられる電荷発
生材料としては、無機あるいは有機の顔料および染料が
有効であり、露光波長に応じて、可視光用には六方晶セ
レン、ビスアゾ系顔料、多環キノン系顔料、ペリレン系
顔料などが、また近赤外光用にはフタロシアニン系顔
料、トリスアゾ系顔料等が実用されている。一方、電荷
輸送材料は、輸送電荷の極性でホール(正電荷)輸送材
料とエレクトロン(負電荷)輸送材料に大別され、トリ
アリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、スチル
ベン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の電子供与性化合
物がホール輸送に、またフルオレノン系化合物、マロノ
ニトリル系化合物、ジフェノキノン系化合物等の電子吸
引性化合物がエレクトロン輸送に、それぞれ有効である
ことが知られている。しかしながら、これまでのとこ
ろ、実用レベルの輸送特性が得られているものは、ホー
ル輸送性のもののみであり、特殊な例を除いては、エレ
クトロン輸送材料の実用化例はない。
【0003】積層感光体の層構成に関しては、図1に示
すような電荷輸送層4を上層にするもの(以下、順積層
構成と称する)と、図2に示すような電荷発生層3を上
層にするもの(以下、逆積層構成と称する)の2つの構
成が可能であるが、機械的強度、傷に対する画像への影
響、帯電性等の点で、薄膜の電荷発生層を下層とし、厚
膜の電荷輸送層を上層とする方が有利である。上記した
ような事情により、有機感光体は、ホール輸送性の電荷
輸送層を上層に用いる順積層構成をとることが通例であ
り、その結果、負帯電でのみ動作する動作極性上の制約
を有する。この制約に伴い、有機感光体を用いる電子写
真分野では、現像剤、現像装置、転写装置等の帯電極性
が関連する周辺技術において、感光体の帯電極性が負で
あることを前提として研究開発がなされてきており、正
帯電用の周辺技術は整備されていないというのが現状で
ある。特に、反転現像法を採用するデジタルカラー複写
機、デジタルカラープリンターなどに用いられるカラー
トナーとしては、正帯電感光体用のもので実用レベルの
特性を有するものは皆無である。
【0004】ところで、従来の光学的に原稿を感光体上
に結像させて露光するアナログ方式の電子写真式複写機
に用いる感光体としては、濃度階調による中間調再現性
を良くするために、図3に示すような、露光量に対し比
例的に電位減衰を起こす感光体(以下、「J字型感光
体」という。)が要求される。上記の機能分離積層型有
機感光体はこの範疇に入る光誘起電位減衰特性を示すも
のである。しかしながら、近年のさらなる高画質化、高
付加価値化、ネットワーク化等の要請に伴い、盛んに研
究開発が行われているデジタル方式の電子写真装置で
は、一般にドット等の有無の面積率で階調を出す面積階
調方式を採用または併用するため、むしろ図4に示すよ
うな、ある露光量に達するまでは電位が減衰せず、その
露光量を越えると急峻な電位減衰が起こる、いわゆるS
字型の光誘起電位減衰特性を有する感光体(以下、「S
字型感光体」という。)を使用する方が、S/N比や画
素の鮮鋭度が高められる等の点から望ましい。また、文
字および線画のみを複写対象とする場合等、忠実な濃度
階調が不要である場合には、アナログ複写機において
も、同様の理由からS字型感光体が有効である。
【0005】S字型光誘起電位減衰特性は、ZnO等の
無機顔料あるいはフタロシアニン等の有機顔料を樹脂中
に粒子分散した単層型感光体において公知の現象である
{例えば、R.M.Schaffert:「Elect
rophotography」,Focal Pres
s,p.344(1975)、J.W.Weigl、
J.Mammino,G.L.Whittaker,
R.W.Radler,J.F.Byrne:「Cur
rent Problems in Electrop
hotography」,Walter de Gru
yter,p.287(1972)}。特に、現在多用
されている半導体レーザーおよびLEDの発信波長域で
ある600〜850nmに光感度を有するフタロシアニ
ン系顔料を樹脂中に分散したレーザあるいはLED露光
用単層型感光体について、多数提案されている{例え
ば、グエン・チャン・ケー,相沢:日本化学会誌,p.
393(1986)、特開平1−169454号公報、
同2−207258号公報、同3−31847号公報、
同5−313387号公報}。しかしながら、フタロシ
アニン系顔料は、一般にホール輸送性であり、これらに
電荷発生および電荷輸送の両機能を担わせる上記単層型
感光体は、正帯電でのみ動作するものであるため、負帯
電感光体用に整備された周辺技術を転用することができ
ないという問題があった。負帯電で動作するS字型感光
体としては、ペリレン顔料、多環キノン顔料、ペリノン
顔料、チオピリリウム塩顔料、ビスアゾ顔料、ZnO顔
料等のn型半導体を樹脂中に粒子分散した単層型感光体
が報告されているが(例えば、Dullmage等:
J.Appl.Phys.,vol.4,p.555
5、特開平5−323644号公報)、これらの顔料は
電荷輸送能および/または電荷発生能が低く、実用に耐
え得る特性を有するものではない。唯一の例外的な成功
例は、染料増感あるいは顔料増感を施したZnO樹脂分
散単層型感光体であり、ダイレクト製版式のオフセット
印刷用マスター版として、活用されている。しかしなが
ら、ZnO顔料はトラップが多く、帯電性、電荷輸送能
等に劣ることが知られており、この例も電子写真特性に
おける高速性、耐久性に対する要求の低いマスター版故
の成功例であり、本発明の主な利用分野である複写機、
プリンター、ファクシミリ等に用いる感光体としては不
適当である{河村:「電子写真技術の基礎と応用」,電
子写真学会編,コロナ社,p.424(1988)}。
【0006】ところで最近、フタロシアニン系顔料の一
つであるジクロロ錫フタロシアニンが特異的に高い電荷
発生能を有するn型半導体であることが発見された{山
崎等:日本化学会第67春季年会,1B4 06(19
94)}。しかしながら、ジクロロ錫フタロシアニンの
S字型感光体への適用性に関しては開示がなされていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点に鑑みてなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、導電性基体、光導電層
を含む電子写真感光体において、負帯電動作が可能であ
り、従来の負帯電J字型有機感光体で育まれた周辺技術
を活用することができ、かつ、それ自身、電子写真特性
に優れたS字型有機感光体を提供することにある。本発
明の他の目的は、上記負帯電S字型有機感光体を用いた
高画質のデジタル式電子写真装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、エレクト
ロン輸送性材料及びn型半導性材料について、鋭意検討
を重ねた結果、下記一般式(1)で示されるキレート化
合物が電荷発生能とエレクトロン輸送能を兼ね備えたn
型光導電性材料であり、これらを絶縁性樹脂中に粒子状
に分散させた単層型の感光体が、負帯電においてS字型
の光誘起電位減衰挙動を示すことを見出した。さらにこ
れ等のキレート化合物の中で、ジクロロ錫フタロシアニ
ンに代表される4価の錫を中心金属とするフタロシアニ
ン系キレート化合物が、近赤外域での光感度等の点で特
に優れていることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】本発明は、導電性基体上にn型光導電性粒
子と結着樹脂を含有する単層型の光導電層を有する電子
写真感光体であって、そのn型光導電性粒子が下記一般
式(1)で示されるキレート化合物の少くとも1種を含
有し、かつ、負帯電における50%電位減衰に要する露
光量が10%電位減衰に要する露光量の3倍未満である
ことを特徴とする。 MX (1) (式中、Mは複数の酸化状態を安定にとり得る金属イオ
ンのより高酸化数の状態を示し、Xは中性または1価の
配位子を示し、Lは共役π電子系を有するキレート配位
子を示し、mおよびnはキレート化合物が中性分子とな
るように選ばれた整数を意味する。但しnは1以上の整
数、mは0以上の整数である。) 本発明の電子写真装置は、負帯電を施すための帯電装置
およびデジタル処理された画像信号に基づき露光を行う
露光装置を備えたものであって、負帯電用感光体とし
て、上記の電子写真感光体を備えたことを特徴とする。
【0010】なお、ここでn型光導電性材料とは、それ
のみを非電荷輸送性の結着樹脂中に分散し、単層型感光
体とした場合、正帯電よりも負帯電の方がより高い光感
度を示し、主たる電荷輸送がエレクトロン(負電荷)で
あるものを指す。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体例をあ
げてさらに詳細に説明する。図5は、本発明の電子写真
感光体の断面を示す模式図であって、1は導電性基体、
2は光導電層を示す。また、随意に、導電性基体と光導
電層の間に下引き層、光導電層の上に保護層等を設ける
ことができる。
【0012】本発明において、導電性基体としては、ア
ルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼等の金属製のドラ
ム、ベルトまたはシート等、或いは、金属製、セラミッ
ク製または樹脂製のドラム、ベルトまたはシート等の支
持体表面に、アルミニウム、ITO等の導電性膜を設け
たもの、または導電性樹脂等を塗布したもの等を用いる
ことができる。さらに必要に応じて、導電性基体の表面
には、酸化処理、薬品処理等の各種の処理を施すことが
できる。なお、本発明では、導電性基体は粗面化する必
要はないという利点がある。すなわち、レーザー光等の
可干渉光を露光用光源として用いる場合、従来の薄膜電
荷発生層と厚膜電荷輸送層からなる積層型感光体では、
導電性基体および/または電荷発生層と電荷輸送層との
界面からの入射光の反射により縞模様の画像欠陥(干渉
縞)が発生するという問題があり、この問題を回避する
ために可干渉光が乱反射するように導電性基体表面を粗
面化する方策が広く用いられている。ところが、導電性
基体表面を粗面化すると、その表面不均一性に起因し、
画像上に黒点、白抜け等の画像欠陥が発生する等の問題
があるのに対して、本発明の感光体は単層型であり、上
記のような内部反射が起らないため、上記のような問題
を生起する粗面化処理を導電性基体表面に施す必要はな
い。
【0013】また、導電性基体と光導電層の間には、下
引き層を設けてもよい。この下引き層は、光導電層の帯
電時に導電性基体から光導電層への電荷の注入を阻止
し、帯電能とその面内均一性を向上させる作用、および
/または、光導電層を導電性基体に対して一体的に接着
保持させる接着層としての作用等を示す。この下引き層
としては、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコー
ル、アルコール可溶性ナイロン等の有機樹脂膜、或いは
ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、シラ
ンカップリング剤等の金属有機化合物を用いて形成した
金属酸化物膜等の公知のものを用いることができる。ま
た、エレクトロンのみを輸送し、ホール注入を阻止する
エレクトロン輸送層も下引き層として有効である。
【0014】下引き層の膜厚は、0.05〜10μmの
範囲で任意に設定されるが、好ましくは0.1〜7μm
の範囲である。成膜方法としては、ブレードコーティン
グ法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティ
ング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、
エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング
法、真空蒸着法等の公知の方法を用いることができる。
【0015】本発明においては、n型光導電性粒子とし
て、前記一般式(1)で示されるキレート化合物を少な
くとも1種含有させることが必要である。n型光導電性
粒子の大きさとしては、最終的な感光体中において、平
均粒子径が0.001〜0.5μmの範囲にあることが
好ましい。特に好ましくは、平均粒子径0.01〜0.
2μmの範囲である。n型光導電性粒子個々の形状は、
何如なるものでも構わないが、例えば、球形、針形、柱
形、不定形等の形状をとることができる。また、n型光
導電性粒子は、非結晶体、多結晶体、単結晶体のいずれ
でも構わないが、電荷発生能および/または電荷輸送能
の点で、結晶体が好ましい。一般に、有機顔料は複数の
結晶形を取り得、各結晶形ごとに電子写真特性が異なる
ことが知られている。本発明の感光体においても、同一
の材料を用いてもn型光導電性粒子の結晶形、粒子形状
等の違いにより、光感度等の電子写真特性に違いが生じ
るが、それ等は全て本発明の範囲に包含される。また、
n型光導電性粒子としては、前記一般式(1)で示され
るキレート化合物を単独で用いても複数を混合して用い
てもよく、さらにその個々の粒子は50容量%未満であ
れば、前記一般式(1)で示されるキレート化合物以外
の絶縁性化合物またはエレクトロン輸送性化合物を含む
ことができる。ただし、エレクトロン輸送性化合物を用
いる場合、そのエレクトロン輸送性化合物が結着樹脂中
に固溶してしまうとS字性が損なわれる傾向にあるた
め、この問題を回避すべく材料或いは製造方法を選択す
る必要がある。
【0016】複数の酸化状態を安定に取り得る金属とし
ては、配位化学の分野で公知のものを用いることができ
るが、例えば、II価およびIII 価を取り得る鉄、コバル
ト、II価およびIV価を取り得る錫、III 価およびIV価を
取り得るチタン、II価、III価およびIV価を取り得るク
ロム等をあげることができる{例えば、山田:「配位化
合物の構造」,化学同人(1980)}。これ等の金属
イオンのより高酸化数の状態にあるもの(例えば、II
価、III 価およびIV価を取り得るクロムの場合、III 価
またはIV価の状態)は、電子を受け取り、より低酸化数
の状態(クロムの場合、II価またはIII 価の状態)にな
ることができ、この酸化能が後記するように電子吸引性
をもたらす要因となる。ただし、I価およびII価を取り
得る銅に関しては、II価銅の平面キレート化合物中での
銅の半空の3d軌道がdx2-y2 軌道であるため、キレー
ト配位子のπ電子系とは位相が一致せず、有効な電子吸
引性を発現し得ず、本発明に用いる複数の酸化状態を安
定に取り得る金属としては不適当である。
【0017】共役π電子系を有するキレート配位子とし
ては、ポルフィリン、フタロシアニン、2,2′−ビピ
リジン、1,10−フェナントロン、8−オキシキノリ
ン、1,2−ベンゼンジチオール等およびこれ等の誘導
体があげられるが、特にフタロシアニン、置換フタロシ
アニン等のフタロシアニン系配位子が好ましい。また、
共役π電子系を有するキレート配位子と共に含有させる
ことができる1価または中性の配位子としては、強いπ
電子供与性を示すもの以外のものが使用され、具体的に
は、ハロゲン化物イオン、シアン化物イオン、ピリジン
等の含窒素芳香族化合物等の電子吸引性を有する配位子
が好ましい。また、本願発明において、mおよびnの値
は、キレート化合物が中性分子となるように選ばれるこ
とが必要である。
【0018】前記一般式(1)で示される化合物の具体
例としては、ジフルオロ錫(IV)フタロシアニン、ジク
ロロ錫(IV)フタロシアニン、ジブロモ錫(IV)フタロ
シアニン、ジシアノ錫(IV)フタロシアニン、フルオロ
鉄(III )フタロシアニン、クロロ鉄(III )フタロシ
アニン、ブロモ鉄(III )フタロシアニン、シアノ鉄
(III )フタロシアニン、フルオロクロム(III )フタ
ロシアニン、クロロクロム(III )フタロシアニン、ブ
ロモクロム(III )フタロシアニン、シアノクロム(II
I )フタロシアニン、ジフルオロ錫(IV)−2,3−ナ
フタロシアニン、ジクロロ錫(IV)−2,3−ナフタロ
シアニン、ジブロモ錫(IV)−2,3−ナフタロシアニ
ン、ジシアノ錫(IV)−2,3−ナフタロシアニン等を
あげることができる。このうち、ジクロロ錫(IV)フタ
ロシアニンに関しては、特開平4−93366号公報、
同5−140473号公報、同6−228453号公
報、同6−316677号公報等に記載の全ての公知の
結晶形を使用することができる。
【0019】本発明において、エレクトロン輸送能発現
の作用機構に関しては必ずしも明らかではないが、公知
のエレクトロン輸送性有機化合物およびn型半導電性有
機化合物には、それが電子吸引性基を有する共役π電子
系化合物であるという共通点がある。有機固体では個々
の分子の最低非占軌道(LUMO)がエレクトロンの担
体であり、LUMOの空間的広がりが大きく、かつLU
MOがエネルギー的に安定であることが、エレクトロン
輸送にとって有利な条件であると推察され、電子吸引性
基を有する共役π電子系化合物はこの条件を満足するも
のである。本発明の複数の酸化状態を取り得る金属イオ
ンのより高酸化数の状態に共役π電子系を有する有機配
位子が少なくとも1つ以上結合されてなるキレート化合
物に関しては、有機配位子の共役π電子系が空間的広が
りの大きいLUMOを提供し、かつ、高酸化数状態の金
属イオンの空軌道或いは半空軌道が電子吸引性を発現
し、これらに配位した共役π電子系有機配位子のLUM
Oをエネルギー的に安定化することで、高いエレクトロ
ン輸送能が具現されるものと推測される。したがって、
有機配位子の共役π電子系と金属イオンの空軌道または
半空軌道が共平面をなし、かつ位相が揃っており、両軌
道の波動関数の重なりの大きいキレート化合物が特に好
ましく、上記錫(IV)フタロシアニン系化合物はその範
疇に入るものである。また、共役π電子系を有する有機
配位子以外の配位子をあわせもつ場合、その配位子とし
ては、酸化物イオン等のπ電子供与性の強いものは、金
属イオンの電子吸引性を低下させるために不適当であ
り、ハロゲン化物イオン、シアン化物イオン、ピリジン
等の含窒素芳香族化合物等の1価または中性の配位子が
好ましい。
【0020】結着樹脂としては、成膜性を有する任意の
絶縁性樹脂を用いることができる。具体例としては、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリ
スチレン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアクリレー
ト、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化
ビニル、ポリシロキサン、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性および熱
硬化性高分子重合体および共重合体、またはこれ等の混
合物があげられる。これ等の中でも、ポリカーボネート
とポリアリレートは、機械的強度、帯電性、繰り返し安
定性等の点で、本発明に用いる結着樹脂として特に好ま
しい。また、架橋硬化により絶縁性の3次元マトリック
スを形成し得る金属アルコキシド等も使用可能である。
【0021】n型光導電性粒子と結着樹脂を含有する光
導電層の作成方法は、特に限定されるものではなく、適
当な何如なる方法を採用してもよい。例えば、適当な溶
剤中に上記のような結着樹脂を溶解させた溶液に、上記
のようなn型光導電性物質の微結晶をボールミル法、ア
トライター法、サンドミル法、ペイントシェーク法、超
音波法等の湿式分散法にて分散させ、得られた分散液を
浸漬コーティング法等の湿式塗布法にて塗布した後、乾
燥させることにより得られる。また、あらかじめn型光
導電性微粒子を熱硬化性樹脂或いはシランカップリング
剤等により被覆不溶化したものを、適当な溶剤中に絶縁
性樹脂を溶解させた溶液に分散させ、塗布した後、乾燥
させることによって作製してもよい。また、絶縁性樹脂
中にn型光導電性物質を均一に分散させたものに加熱処
理、溶剤処理等を施すことによりn型光導電性物質の微
結晶を析出させることによって作製することもできる。
さらにまた、絶縁性のブロックとn型光導電性のブロッ
クからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体に
おいて、n型光導電性ブロック部分が島、絶縁性ブロッ
ク部分が海となる海島構造のミクロ相分離をなす系も使
用可能である。
【0022】この光導電層中のn型光導電性粒子と結着
樹脂の含有量は体積比で1/20〜4/1の範囲で任意
に設定されるが、特に1/10〜3/1の範囲が好まし
い。n型光導電性粒子の体積比率が上記範囲よりも少な
いと、十分な電荷輸送能が得られず、光感度、応答速度
等の低下を招く傾向にある。他方n型光導電性粒子の体
積比率が上記範囲よりも多いと、暗減衰の増加、帯電性
の低下、S字性の低下等の障害が発生する傾向にある。
ただし、前者の問題に関しては、このn型光導電性粒子
とは別にエレクトロン輸送性の粒子を添加するか、或い
はn型光導電性粒子として、針状或いは柱状のものを用
いること等により、また、後者の問題に関しては、n型
光導電性粒子をあらかじめ絶縁物質で被覆処理しておく
こと等により、それぞれの傾向を緩和することができ
る。光導電性層の膜厚は5〜50μmの範囲で任意に設
定されるが、好ましくは10〜35μmの範囲である。
【0023】また、光導電層中に、ホール輸送性化合物
或いは電子供与性化合物を添加することにより、電荷発
生効率の向上、残留電位の低下、繰り返し安定性の向上
等の効果を得ることができる。有効なホール輸送性化合
物或いは電子供与性化合物としては、ベンジジン系、ア
ミン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、カルバゾール系
等の低分子化合物およびこれらを側鎖または主鎖にもつ
高分子化合物等があげられる。
【0024】また、光導電層の上には、帯電部材等から
発生するオゾンや酸化性ガス等、及び紫外光等の化学的
ストレス或いは現像剤、紙、クリーニング部材等との接
触に起因する機械的ストレス等から光導電層を保護し、
光導電層の実質の寿命を向上させる、帯電電荷の光導電
層への注入を阻止し、帯電性を向上させる、および/ま
たは、トナー等と感光体との付着力を低減させ、感光体
表面のクリーニング性を向上させる等の目的で保護層を
設けることができる。保護層としては、公知のいかなる
ものをも使用可能であるが、例えば、特開昭60−36
38号公報に記載されているような導電性材料を適当な
結着樹脂中に分散させた半導電性複合膜等をあげること
ができる。その導電性材料としては、ジメチルフェロセ
ン等のメタロセン化合物、酸化アンチモン、酸化スズ、
酸化チタン、酸化インジウム、ITO等の金属酸化物等
を用いることができる。結着樹脂としては、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリアクリルアミド、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の公知
の樹脂を用いることができる。また、アモルファスカー
ボン等の半導電性無機膜も保護層として用いることがで
きる。
【0025】保護層の電気抵抗は、109 〜1014Ω・
cmの範囲内にあることが好ましい。電気抵抗が上記の
範囲以上になると、残留電位が増加し、他方、上記範囲
以下になると沿面方向での電荷漏洩が無視できなくな
り、解像力の低下が生じてしまう。保護層の膜厚は0.
5〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲である。
上記のような半導電性保護層を設けた場合、必要に応じ
て、光導電層と保護層との間に、保護層から光導電層へ
の電荷の漏洩を阻止する電荷注入阻止層を設けることが
好ましい。この電荷注入阻止層としては、特開昭60−
3638号公報に記載のもの等の公知のものを用いるこ
とができる。
【0026】上記の目的の保護層としては、上記半導電
性膜以外にも、絶縁性ホール輸送膜を用いることができ
る。ただし、この場合、保護層の膜厚は光導電層の膜厚
の1/4以下であることが好ましく、それ以上ではS字
性が低下し、望ましいデジタル特性が得られなくなる傾
向にある。このホール輸送性保護層としては、J字型積
層感光体のホール輸送層として用いられるいかなるもの
も使用可能であるが、機械的強度等の点から、ホール輸
送性高分子化合物、或いは熱硬化性樹脂を用いたものが
好ましい。
【0027】また、本発明の電子写真感光体において
は、帯電部材等から発生するオゾンや酸化性ガス、或い
は光、熱による感光体材料の劣化を防止する目的で、各
層または最上層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等
を添加することができる。酸化防止剤としては、例え
ば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、フェニ
レンジアミン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピ
ロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、
有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、
ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメ
ート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられ
る。さらに、表面摩耗の低減、転写性の向上、クリーニ
ング性の向上等を目的として、最表面層にフッ素樹脂等
の絶縁性粒子を分散させる等の方策をとることもでき
る。
【0028】本発明の電子写真感光体において、負帯電
における50%電位減衰に要する露光量が10%電位減
衰に要する露光量の3倍未満であることが必要である。
光誘起電位減衰曲線のS字性の尺度としては、例えば、
帯電電位を50%減衰させるに要する露光量E50%と1
0%減衰させるに要する露光量E10%との比E50/E10
を用いることができる。理想的なJ字型感光体であっ
て、電位減衰が露光量に比例している場合、E50/E10
値は5となる。一般のJ字型感光体では、電界強度の低
下に伴い、電荷発生効率および/または電荷輸送能が低
下し、E50/E10値は5を越える値を示す。一方、S字
形の究極である、ある露光量までは全く電位減衰せず、
その露光量で一気に残留電位レベルまで電位減衰する階
段状の光誘起電位減衰曲線では、E50/E10値は1とな
る。したがって、S字形とは、E50/E10値が1〜5の
範囲内にあるものとして規定されるが、上記したような
デジタル方式を採用する電子写真装置に用いる場合、3
未満の値であることが必要である。E50/E10の値が、
3以上になると、デジタル方式を採用する電子写真装置
において、鮮鋭度が低下し、良好な画質の画像を得るこ
とができなくなる。
【0029】本発明の電子写真感光体を用いる電子写真
装置としては、電子写真法を用いるものであれば、何如
なるものでも構わないが、特にデジタル処理された画像
信号に基づき露光を行う露光装置を有する電子写真装置
が好ましい。デジタル処理された画像信号に基づき露光
を行う露光装置を有する電子写真装置とは、レーザーま
たはLED等の光源を用いデジタル処理された画像信号
に基づき、2値化またはパルス幅変調や強度変調を行い
多値化された光により露光を行う電子写真装置であり、
例として、LEDプリンター、レーザープリンター、レ
ーザー露光式デジタル複写機等をあげることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によってより具体的に
説明する。しかしながら、本発明は、それらに限定され
るものではなく、公知の電子写真技術に基づいて本発明
の範囲内で適宜変更を加えることができる。 実施例1 アルミニウム基板上に、ジクロロ錫(IV)フタロシアニ
ン微結晶(特開平5−140473号公報記載の合成例
2及び実施例2にしたがい製造した)1重量部、ポリア
リレート(BPC−typePAR、ユニチカ社製、重
量平均分子量60,000)3重量部、シクロヘキサノ
ン15重量部、およびクロロベンゼン15重量部を1m
mφのガラスビーズを用いたペイントシェーク法により
3時間分散処理して得られた分散液を、浸漬コーティン
グ法にて塗布した後、120℃で1時間加熱乾燥して、
膜厚10μmの単層型電子写真感光体を作成した。ここ
で、感光層中のジクロロ錫(IV)フタロシアニン微結晶
の体積比率はおよそ20%、ジクロロ錫(IV)フタロシア
ニン微結晶の平均粒子径は0.02μmである。上記の
ようにして得られた電子写真感光体に対し、静電複写紙
試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA
−8100、川口電機製作所製)を用いて、常温常湿
(20℃、40%RH)の環境下、電子写真特性の評価
を行った。−6.5kVのコロナ放電にて、感光体表面
を負に帯電させた後、感光体表面上での光強度が1μW
/cm2 になるように調整した750nmの単色光(東
芝硝子社製干渉フィルターKL−75を通したハロゲン
ランプ光)を5秒間照射した。得られた光誘起電位減衰
曲線は図6に示す通りS字形であった。また、この光誘
起電位減衰曲線から、半減露光量E50%は1.1μJ/
cm2 、E50/E10値は1.4と算出された。
【0031】実施例2 ポリアリレートの代りにポリカーボネート(PC−Z、
三菱瓦斯化学社製、重量平均分子量40,000)を使
用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を
作製し、実施例1と同様にして評価したところ、図6と
同様のS字形の光誘起電位減衰曲線を示すことが確認さ
れた。また、E50%は1.3μJ/cm2 、E50/E10
値は1.5であった。
【0032】比較例1 ジクロロ錫(IV)フタロシアニン微結晶の代りにジクロ
ロ錫(II)フタロシアニン微結晶(40,454−3、
アルドリッチ社製)を使用した以外は、実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして
評価したところ、有意な光誘起電位減衰は認められなか
った。 比較例2 ジクロロ錫(IV)フタロシアニン微結晶の代りに多環キ
ノン顔料の一種であるジブロモアンスアンスロン微結晶
(MONOLITE Red 2Y、ICI社製)を使
用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を
作製し、露光波長を750nmから500nmに変えた
以外は、実施例1と同様にして評価したところ、半減露
光量E50%が5μJ/cm2 よりも高い値であり、低感
度を示すものであった。
【0033】実施例3 アルミニウム基板の代りに鏡面処理を施したアルミニウ
ムドラムを使用した以外は、実施例1と同様に電子写真
感光体を作製し、負帯電反転現像方式のレーザープリン
ター(Laser Press 4105、富士ゼロッ
クス社製)に搭載し、印字試験を行った。その際、最適
露光量を得るために、レーザー光の光路にNDフィルタ
ー挿入した。このレーザープリンターの概略の構成を図
7に示す。感光体ドラム11の周りに前露光用の赤色L
ED12、帯電用スコロトロン13、レーザー光14を
発する露光用レーザー光学系、現像器15、転写用コロ
トロン16およびクリーニング用ブレード17が順次配
置されている。発振波長780nmの露光用レーザーダ
イオードがデジタル処理された画像信号に基づき発振さ
れ、ポリゴンミラーと複数のレンズおよびミラーにより
掃引されながら感光体上を露光する。この実施例で得ら
れた印字サンプリを、Laser Press 410
5純正のJ字型有機積層感光体を用いて得られた印字サ
ンプルと比較したところ、この実施例で得られた印字サ
ンプルの方が細線の鮮鋭性、S/N比等の点で、印字品
質に優れていた。
【0034】
【発明の効果】本発明のS字型電子写真感光体は、上記
の構造のn型光導電性粒子を有効成分として用いたこと
により、高感度で、かつ繰り返し安定性が高いという優
れた効果を奏する。また、本発明のS字型電子写真感光
体は、負帯電で動作するので、新たに正帯電用の周辺技
術を開発する必要がなく、従来の負帯電積層型有機感光
体に用いられている周辺技術をそのまま利用し得るとい
う利点を有する。さらにまた、本発明の上記S字型電子
写真感光体を装着した電子写真装置は、優れた印字品質
および画質を有する画像を形成し、長寿命であるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 順積層感光体の模式的断面図である。
【図2】 逆積層感光体の模式的断面図である。
【図3】 J字型感光体における露光量と表面電位の関
係を示すグラフ(J字形光誘起電位減衰曲線)である。
【図4】 S字型感光体における露光量と表面電位の関
係を示すグラフ(S字形光誘起電位減衰曲線)である。
【図5】 本発明の電子写真感光体の模式的断面図であ
る。
【図6】 実施例1の電子写真感光体の光誘起電位減衰
曲線である。
【図7】 実施例3に用いるデジタル処理された画像信
号に基づき露光を行う電子写真装置の概略を示す構成図
である。
【符号の説明】
1…導電性基体、2…光導電層、3…電荷発生層、4…
電荷輸送層、11…感光体ドラム、12…赤色LED、
13…帯電用スコロトロン、14…レーザー光、15…
現像器、16…転写用コロトロン、17…クリーニング
用ブレード。
フロントページの続き (72)発明者 山崎 一夫 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 大門 克己 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 飯島 正和 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 田甫 文明 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 五十嵐 良作 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体の上にn型光導電性粒子と結
    着樹脂を含有する単層型の光導電層を有する電子写真感
    光体において、該n型光導電性粒子が下記一般式(1)
    で示されるキレート化合物の少くとも1種を含有し、か
    つ、負帯電における50%電位減衰に要する露光量が1
    0%電位減衰に要する露光量の3倍未満であることを特
    徴とする電子写真感光体。 MX (1) (式中、Mは複数の酸化状態を安定にとり得る金属イオ
    ンであって、より高酸化数の状態のものを示し、Xは中
    性または1価の配位子を示し、Lは共役π電子系を有す
    るキレート配位子を示し、mおよびnはキレート化合物
    が中性分子となるように選ばれた整数を意味する。但し
    nは1以上の整数、mは0以上の整数である。)
  2. 【請求項2】 n型光導電性粒子と結着樹脂の組成が、
    体積比で1/10ないし3/1の範囲にあり、かつ該n
    型光導電性粒子の平均粒子径が0.001ないし0.5
    μmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)における金属イオンM
    が4価の錫、キレート配位子Lがフタロシアニン系配位
    子、Xがハロゲン化物イオン、nが1であることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 結着樹脂がポリカーボネートまたはポリ
    アリレートであることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 負帯電を施すための帯電装置およびデジ
    タル処理された画像信号に基づき露光を行う露光装置を
    備えた電子写真装置において、負帯電用感光体として、
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子写真感
    光体を備えたことを特徴とする電子写真装置。
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