JPH0953701A - ディファレンシャル装置 - Google Patents

ディファレンシャル装置

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JPH0953701A
JPH0953701A JP20822895A JP20822895A JPH0953701A JP H0953701 A JPH0953701 A JP H0953701A JP 20822895 A JP20822895 A JP 20822895A JP 20822895 A JP20822895 A JP 20822895A JP H0953701 A JPH0953701 A JP H0953701A
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正夫 寺岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、左右の出力軸に均等な差動制
限特性が得られるディファレンシャル装置の提供を課題
とする。 【解決手段】 デフケース1と、ピニオンシャフト9
と、ピニオンギヤ11と、ピニオンギヤ11と噛み合う
一対のサイドギヤ15,17と、サイドギヤ15,17
の背面側にそれぞれ設けられ両サイドギヤ15,17間
の差動を制限する多板クラッチ21,23と、デフケー
ス1に設けられサイドギヤ15と一体的に回転するサン
ギヤ43とこれと噛み合いデフケース1と一体的に回転
するポンプハウジング47内に配設された複数個のポン
プギヤ45とを有する複数組のオイルポンプ41と、オ
イルポンプ41の吐出圧を受け両サイドギヤ15,17
間の差動を制限する多板クラッチ21,23とを備える
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いられる
差動制限機能を備えたディファレンシャル装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のディファレンシャル装置として
は、例えば特開平6−81909号公報に、図4に示す
ものが開示されている。このディファレンシャル装置
は、図示のように、平行軸式の差動機構201を備え、
各ギヤがヘリカルギヤであるのでこれによるトルク感応
型の差動制限作用を有すると共に、高粘度流体を封入し
たカップリング203により左右のサイドギヤ205,
207間を連結する構成としているので、これによる回
転差感応型の差動制限作用を併せ持っている。
【0003】すなわち、差動機構201は、デフケース
209内に対向配置された左右一対の出力側サイドギヤ
205,207と、これらの周囲に配置されサイドギヤ
205,207と各々別に噛合うと共に互いに噛合う複
数組のピニオンギヤ211,212(212は図外)組
と、デフケース209に形成されピニオンギヤ211,
212をそれぞれ収納する収納孔213,214(21
4は図外)などから構成されると共に、左のサイドギヤ
205と連結されカップリング203の周囲を取り巻く
一側部材215と、この一側部材215に形成された隙
間217を図4の左方から右方へ貫通して延び右のサイ
ドギヤ207とスプライン連結された他側部材219な
どから構成されている。そして、この一側部材215の
内周側のハブ221に左の出力軸がスプライン連結さ
れ、右のサイドギヤ207の内周に右の出力軸がスプラ
イン連結される。
【0004】トルクの伝達中、左右のサイドギヤ20
5,207間に駆動抵抗差が生じると、サイドギヤ20
5,207とピニオンギヤ211,212との噛合いに
より生じる噛合い反力およびスラスト力により各ギヤ2
05,207,211,212とデフケース209等の
収納部材との間の摩擦力によってデフケース209入力
トルクに応じた差動制限力が発生すると共に、カップリ
ング203により左右のサイドギヤ205,207間の
回転数差に応じた差動制限力が発生する。
【0005】こうして、トルク感応型の差動制限力に回
転差感応型の差動制限力が加わるので大きな差動制限力
が得られると共に、左右いずれの側の出力軸の空転時に
も差動制限特性に差が生じないので、左右均等な差動制
限特性が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このディフ
ァレンシャル装置では、左右のサイドギヤ205,20
7間を連結する構成が複雑になるので、装置がコスト高
になるという問題点が残る。
【0007】本発明は、このような問題点に着目してな
されたものであり、構造が簡単で、左右の出力軸に均等
な差動制限特性が得られるディファレンシャル装置の提
供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、エンジンにより回転駆動
されるケースと、ケース内に設けられケースと一体的に
回転するピニオンシャフトと、ピニオンシャフトに回転
自在に支持されたピニオンギヤと、ピニオンギヤと噛み
合う一対の出力側サイドギヤと、前記一対のサイドギヤ
の背面側にそれぞれ設けられ両サイドギヤ間の差動を制
限する第1の摩擦クラッチと、前記ケースに設けられ前
記サイドギヤの一方と一体的に回転するロータと該ロー
タと噛み合いケースと一体的に回転するポンプハウジン
グ内に配設された複数個のポンプギヤとを有する複数組
のオイルポンプと、前記オイルポンプの吐出圧を受け両
サイドギヤ間の差動を制限する第2の摩擦クラッチとを
備えることを特徴とする。
【0009】したがって、左右の出力軸に均等な差動制
限力が得られると共に、両摩擦クラッチの差動制限力に
より差動制限力が強化される。
【0010】また、複数組のオイルポンプを備えている
ので、吐出圧を高くすることができ、第2の摩擦クラッ
チの差動制限力を高めることができる。
【0011】さらに、オイルポンプはロータと該ロータ
と噛み合う複数個のポンプギヤとにより複数組構成され
ているので、ディファレンシャル装置を大型化せずに差
動制限力を高めることができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
ディファレンシャル装置であって、前記ロータは、前記
サイドギヤの一方と前記ケースとの間に配置されて、該
一方のサイドギヤ側の出力軸に連結される円筒状部材に
より駆動され、前記円筒状部材は、前記一方のサイドギ
ヤに所定の隙間を持って隣接配置され、該サイドギヤ側
の出力軸を介して該サイドギヤに連結されるものである
ことを特徴とする。
【0013】したがって、請求項1記載の発明による作
用に加え、ロータを駆動する円筒状部材が一方のサイド
ギヤと所定の隙間を持って隣接配置されているため、円
筒状部材は該サイドギヤからのスラスト力を受けないの
で、この円筒状部材により駆動されるロータもそのスラ
スト力の影響を受けない。したがって、サンギヤの両側
面の摩耗が進展することがなく、オイルポンプの吐出量
が安定し、差動制限力が安定したものとなる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載のディファレンシャル装置であって、前記第1の
摩擦クラッチと第2の摩擦クラッチとが同一のものであ
ることを特徴とする。したがって、請求項1または2記
載の発明による作用に加え、構造が簡単で、左右の出力
軸に均等な差動制限力が得られると共に、差動制限力が
強化される。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2記載のディファレンシャル装置であって、前記第2の
摩擦クラッチが、前記オイルポンプに隣接して設けられ
ると共に、前記第1の摩擦クラッチと前記ケースの軸方
向略同位置に配置されてなることを特徴とする。したが
って、請求項1または2記載の発明による作用に加え、
ディファレンシャル装置を軸方向に小型化することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1、図
2により説明する。
【0017】図1は本実施形態のディファレンシャル装
置の断面図であり、図2はオイルポンプ部を示す図1の
B−B断面図である。
【0018】デフケース(ケース)1はボルト3により
固定されたケース本体5とカバー7とからなり、両端の
ボス部5a,7aにて図示しないデフキャリア内に回転
可能に支持されている。ケース本体5にはリングギヤ
(図示省略)が固定され、このリングギヤを介してエン
ジンの駆動力がデフケース1に入力される。上記デフキ
ャリアにはオイル溜りが形成されている。
【0019】デフケース1の内部には、図1示のよう
に、ピニオンシャフト9がそのボス部9aを中心にして
放射状に複数本配置され、その外側端部はケース本体5
の溝5bに嵌合し、ピニオンシャフト9はデフケース1
と共に回転する。また、ピニオンシャフト9はこの溝5
b内をデフケース1の軸方向に移動可能である。これら
のピニオンシャフト9上にはそれぞれピニオンギヤ11
が回転自在に嵌合し、ピニオンギヤ11の背面とデフケ
ース1間に球面ワッシャ13が配置されピニオンギヤ1
1をそのスラスト方向に支持している。また、デフケー
ス1の内部には、左右一対の出力側サイドギヤ15,1
7が対向配置され、各ピニオンギヤ11と噛み合ってい
る。これらのサイドギヤ15,17はこの噛み合いによ
って支持されている。そして、左右のサイドギヤ15,
17の内周には図示しない左右の出力軸がそれぞれスプ
ライン連結される。こうして、差動機構19が構成され
ている。
【0020】一方、サイドギヤ15,17の背面側に位
置して、第1の摩擦クラッチとしての多板クラッチ2
1,23が配置されている。右方の多板クラッチ23
は、軸方向に、右のサイドギヤ17とデフケース1との
間に配置され、左方の多板クラッチ21は、軸方向に、
左のサイドギヤ15と後述するアクチュエータ31を構
成するピストン33との間に配置されている。
【0021】多板クラッチ21,23は同サイズで、そ
れぞれデフケース1に回転方向に係止されたアウタプレ
ート27とサイドギヤ15,17に回転方向に係止され
たインナプレート29とが軸方向に交互に配置されて構
成されている。こうして、多板クラッチ21,23は、
上記差動機構19の差動回転時にサイドギヤ15,17
により押圧されると、発生する摩擦力によって、デフケ
ース1を介してサイドギヤ15,17間の差動を制限す
る。
【0022】オイルポンプ41は、デフケース1の軸心
部に配置されたロータとしてのサンギヤ43と、サンギ
ヤ43の周囲に等分配置されサンギヤ43とそれぞれ噛
み合う複数個のポンプギヤ45(本実施形態では図2に
示す4個)と、これらを収納するデフケース1のカバー
7と、ポンプハウジング47と、チェックバルブ49,
51などから構成されている。こうして、4組のオイル
ポンプ41が設けられている。
【0023】上記ポンプハウジング47はボルト53に
よりカバー7に固定され、カバー7(デフケース1)と
一体に回転する。サンギヤ43と各ポンプギヤ45はこ
のポンプハウジング47に形成された収納孔47b,4
7aに収納されている。
【0024】上記サンギヤ43はその内周が、円筒状部
材としてのハブ55にスプライン連結されている。この
ハブ55は軸方向には左のサイドギヤ15と所定の隙間
57を持って隣接配置され、その内周がサイドギヤ15
側の出力軸にスプライン連結される。こうして、サンギ
ヤ43はハブ55および左の出力軸を介して左のサイド
ギヤ15に連結されこれと一体的に回転する。
【0025】一方、上記各ポンプギヤ45はポンプハウ
ジング47(デフケース1)と一体的に公転すると共
に、サンギヤ43との噛み合いにより収納孔47a内で
自転可能である。こうして、オイルポンプ41は差動機
構19の差動回転時、すなわち左のサイドギヤ15とデ
フケース1との差動回転時に作動する。
【0026】4組のオイルポンプ41は同じ構成である
ので、そのうちの1組について構成の詳細を説明する。
オイルポンプ41の吸込側であるカバー7と吐出側であ
るポンプハウジング47にはそれぞれ、サンギヤ43と
ポンプギヤ45との噛合初め部と噛合終り部とにそれぞ
れ対応する部位に開口59,61が2個宛貫通して設け
られている。そして、この各開口59,61に座ぐり部
59a,61aが設けられ、カバー7側の座ぐり部59
aはカバー7の内壁側に設けられ、ポンプハウジング4
7側の座ぐり部61aはポンプハウジング47の外壁側
(右側)に設けられている。また、座ぐり部59a,6
1aにはそれぞれチェックバルブ49,51が設けら
れ、各チェックバルブ49,51は4組のオイルポンプ
41に共用のリング63,65により脱落を防止されて
いる。
【0027】こうして、吸込側であるカバー7側のチェ
ックバルブ49は、差動機構19の差動回転に応じて、
2個の開口59のうち負圧(吸込口)となる開口を開
き、吐出圧となる開口を閉じる。一方、吐出側であるポ
ンプハウジング47側のチェックバルブ51は逆に、2
個の開口61のうち吐出圧(吐出口)となる開口を開
き、負圧となる開口を閉じる。こうして、常にカバー7
の2個の開口59のうちの1個が吸込口となり、ポンプ
ハウジング47の2個の開口61のうちの1個が吐出口
となるように構成されている。
【0028】カバー7の開口59に対応する外壁面には
オイルポケット67が固定されている。このオイルポケ
ット67はリング部材69と弾性部材71とからなり、
カバー7との間でオイル溜りを形成している。このオイ
ル溜りは弾性部材71により液密にされている。リング
部材69には摺動リング73が摺動自在に連結されてお
り、この摺動リング73はデフキャリア側に固定されて
いる。
【0029】摺動リング73とオイルポケット67の一
方には周溝が設けられ、他方にはオイル孔が設けられて
いる。摺動リング73とオイルポケット67とが相対回
転しても、これらの周溝とオイル孔とは常時連通してお
り、摺動リング73とオイルポケット67との間でオイ
ルコネクタが構成されている。
【0030】また、摺動リング73にはオイルパイプが
接続されており、このオイルパイプはオイルストレーナ
と制御弁とを介してデフキャリアのオイル溜りに連通し
ている。この制御弁にはエアをオイルに混入させるエア
パイプが流量調整弁を介して接続されている。これらの
制御弁と流量調整弁の制御はコントローラによって行わ
れる。オイルポケット67には、このようにしてオイル
またはオイルとエアの混合物が供給され、開口59は常
時これらに浸漬されている。
【0031】オイルポンプ41の吐出側のポンプハウジ
ング47に隣接して、これと第2の摩擦クラッチを構成
する一方の多板クラッチ21との間にアクチュエータ3
1が配置されている。アクチュエータ31は、ポンプハ
ウジング47、デフケース1およびピストン33などか
ら構成されている。
【0032】上記ピストン33はポンプハウジング47
の内径側のボス部47bとケース本体5間に、軸方向に
移動可能に配置されている。そして、このピストン33
とポンプハウジング47とデフケース1とに囲まれて圧
力室75が形成され、これらとピストン33に設けられ
たシール77,79とにより液密にされている。また、
ピストン33には多板クラッチ21を押圧していないと
きの圧抜きのオリフィス33aが設けられている。
【0033】オイルポンプ41の吐出油圧によりピスト
ン33が第2の摩擦クラッチを構成する一方の多板クラ
ッチ21を押圧すると、押圧力は左のサイドギヤ15、
ピニオンギヤ11、ピニオンシャフト9および右のサイ
ドギヤ17を経て第2の摩擦クラッチを構成する他方の
多板クラッチ23をも押圧するので、第2の摩擦クラッ
チとしての多板クラッチ21,23は差動機構19の差
動回転時にサイドギヤ15,17間の差動を制限する。
【0034】こうして、第1と第2の摩擦クラッチの両
方の摩擦クラッチを多板クラッチ21,23が兼ねる構
成である。
【0035】つぎに、このディファレンシャル装置の作
用を説明する。
【0036】リングギヤを介してデフケース1に入力さ
れたエンジンの駆動力は、ピニオンシャフト9からピニ
オンギヤ11を介して左右のサイドギヤ15,17に分
配される。サイドギヤ15,17間に駆動抵抗差が生じ
ると、エンジンの駆動力は各ピニオンギヤ11の自転に
より各サイドギヤ15,17に差動分配される。
【0037】このとき、サイドギヤ15,17はピニオ
ンギヤ11との噛み合い反力により、それぞれ多板クラ
ッチ21,23を押圧し、多板クラッチ21,23部に
摩擦抵抗が発生する。この摩擦抵抗は入力トルクに応じ
て増減する。これによりトルク感応型の差動制限作用が
得られる。
【0038】これと同時に、この駆動抵抗差に伴う差動
回転により4個のオイルポンプ41が作動し、デフキャ
リアのオイル溜りから吸い込んだオイルを圧力室75に
吐き出す。圧力室75の油圧によりピストン33は、左
方の多板クラッチ21を右方へ押圧すると共に、図1の
矢印Aのように左のサイドギヤ15、ピニオンギヤ1
1、ピニオンシャフト9および右のサイドギヤ17を経
て右の多板クラッチ23をも押圧する。差動回転数が大
きくなるとそれに伴ってオイルポンプ41の吐出量が増
え、圧力室75の油圧が上昇するので多板クラッチ2
1,23の押圧力が増大する。
【0039】こうして、回転差感応型の差動制限力が同
時に発生するので、差動制限力が強化される。また、左
右のサイドギヤ15,17の噛み合い反力がそれぞれ多
板クラッチ21,23を押圧するので、差動制限作用は
左右均等に得られる。
【0040】なお、上記のコントローラによってオイル
ポンプ41の吸い込みオイルへのエアの混入量を調整し
圧力室75の油圧を変えることにより多板クラッチ2
1,23の摩擦抵抗力を変えることができるので、種々
の差動制限特性が得られる。
【0041】こうして、本実施形態のディファレンシャ
ル装置によれば、オイルポンプ41がサイドギヤ15と
カバー7間に配置されると共に、多板クラッチ21,2
3がそれぞれサイドギヤ15,17の背面に設けられ第
1と第2の摩擦クラッチを兼ねているので構造がさらに
簡単になり、左右の出力軸に均等な差動制限力が得られ
る。
【0042】また、4個のオイルポンプ41を放射状に
配置しているので配置スペースを軸方向に大きくしない
で済み、ディファレンシャル装置を軸方向に小型化でき
ると共に、ポンプ数を多く配置できるので吐出油圧を高
くでき、ディファレンシャル装置を大型化せずに差動制
限力を強化することができる。
【0043】また、サンギヤ43を駆動するハブ55と
左のサイドギヤ15との間に隙間57を設けてあるた
め、ハブ55はサイドギヤ15からのスラスト力を受け
ないので、サンギヤ43の両側面の摩耗が進展すること
がない。したがってオイルポンプ41の吐出量が安定
し、差動制限力が安定したものとなる。
【0044】つぎに、本発明の第2実施形態を図3によ
り説明する。
【0045】図3は本実施形態のディファレンシャル装
置の断面図である。
【0046】このディファレンシャル装置の構成は、上
記第1の多板クラッチ21,23の代りにコーンクラッ
チを用いている点が上記第1実施形態と相違する。その
他の構成は上記第1実施形態と同様である。そこで、こ
の相違点を説明し、同じ機能の部材には同じ符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0047】図3のように、左右のサイドギヤ115,
117のボス部115a,117aには外方に向って小
径になるテーパ面115b,117bが形成されてい
る。そして、ケース本体105のボス部105aには右
のサイドギヤ117のテーパ面117bと摺動するテー
パ面105bが形成されている。一方、カバー107
(デフケース101)にボルト53により固定されたポ
ンプハウジング147のボス部147aには左のサイド
ギヤ115のテーパ面115bと摺動するテーパ面14
7bが形成されている。ケース本体105とポンプハウ
ジング147とのテーパ面105b,147bには、図
3に示すように、それぞれオイル溝が形成されている。
こうして、第1の摩擦クラッチとしてのコーンクラッチ
121,123が構成されている。
【0048】一方、左サイドギヤ115とデフケース1
01との間には、第2の摩擦クラッチとしての多板クラ
ッチ125が配置されている。この多板クラッチ125
は軸方向にはピストン133とデフケース101側のプ
レート127間に配置され、ピストン133により押圧
される。
【0049】こうして、コーンクラッチ121と多板ク
ラッチ125とはデフケース101の軸方向略同位置に
配置されている。
【0050】このような構成により、エンジンの駆動力
の伝達中、左右のサイドギヤ115,117間に駆動抵
抗差が生じると、サイドギヤ115,117はピニオン
ギヤ11との噛み合い反力により、それぞれデフケース
101とポンプハウジング147とに押圧され、コーン
クラッチ121,123部に摩擦抵抗が発生する。この
摩擦抵抗は入力トルクに応じて増減するので、これによ
りトルク感応型の差動制限力が得られる。
【0051】同時に、差動回転により4個のオイルポン
プ41が作動し、多板クラッチ125が押圧されるの
で、これにより回転差感応型の差動制限力が得られる。
【0052】こうして、本実施形態のディファレンシャ
ル装置によれば、上記第1実施形態と同等の作用・効果
が得られると共に、コーンクラッチ121と多板クラッ
チ125とが軸方向略同位置に配置されているので、デ
ィファレンシャル装置を軸方向に小型化することができ
る。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、一対のサイドギヤの背面側に
両サイドギヤ間の差動を制限する第1の摩擦クラッチを
設けると共に、複数組のオイルポンプの吐出圧を受け両
サイドギヤ間の差動を制限する第2の摩擦クラッチを備
えているので、両摩擦クラッチの差動制限力により差動
制限力が強化される。
【0054】また、複数組のオイルポンプを備えている
ので、吐出圧を高くすることができ、第2の摩擦クラッ
チの差動制限力を高めることができる。
【0055】さらに、オイルポンプはロータと該ロータ
と噛み合う複数個のポンプギヤとにより複数組構成され
ているので、ディファレンシャル装置を大型化せずに差
動制限力を高めることができる。
【0056】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
記載の発明による効果に加え、ロータを駆動する円筒状
部材が一方のサイドギヤに所定の隙間を持って隣接配置
されているため、円筒状部材は該サイドギヤからのスラ
スト力を受けないので、この円筒状部材により駆動され
るロータもそのスラスト力の影響を受けない。したがっ
て、サンギヤの両側面の摩耗が進展することがなく、オ
イルポンプの吐出量が安定し、差動制限力が安定したも
のとなる。
【0057】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
または2記載の発明による効果に加え、第1の摩擦クラ
ッチと第2の摩擦クラッチとが同一のものであるので、
構造が簡単で、左右の出力軸に均等な差動制限力が得ら
れると共に、差動制限力が強化される。
【0058】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
または2記載の発明による効果に加え、第2の摩擦クラ
ッチが、オイルポンプに隣接して設けられると共に、第
1の摩擦クラッチとケースの軸方向略同位置に配置され
ているので、ディファレンシャル装置を軸方向に小型化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のディファレンシャル装置の断面
図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】第2実施形態のディファレンシャル装置の断面
図である。
【図4】従来例のディファレンシャル装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1,101 デフケース(ケース) 5,105 ケース本体 7,107 カバー 9 ピニオンシャフト 11 ピニオンギヤ 15,17,115,117 サイドギヤ 19 差動機構 21,23 多板クラッチ(第1の摩擦クラッチ、第2
の摩擦クラッチ) 33,133 ピストン 41 オイルポンプ 43 サンギヤ(ロータ) 45 ポンプギヤ 47,147 ポンプハウジング 49,51 チェックバルブ 55 ハブ(円筒状部材) 57 隙間 59,61 開口 67 オイルポケット 75 圧力室 105b,115b,117b,147b テーパ面 121,123 コーンクラッチ(第1の摩擦クラッ
チ) 125 多板クラッチ(第2の摩擦クラッチ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにより回転駆動されるケース
    と、ケース内に設けられケースと一体的に回転するピニ
    オンシャフトと、ピニオンシャフトに回転自在に支持さ
    れたピニオンギヤと、ピニオンギヤと噛み合う一対の出
    力側サイドギヤと、前記一対のサイドギヤの背面側にそ
    れぞれ設けられ両サイドギヤ間の差動を制限する第1の
    摩擦クラッチと、前記ケースに設けられ前記サイドギヤ
    の一方と一体的に回転するロータと該ロータと噛み合い
    ケースと一体的に回転するポンプハウジング内に配設さ
    れた複数個のポンプギヤとを有する複数組のオイルポン
    プと、前記オイルポンプの吐出圧を受け両サイドギヤ間
    の差動を制限する第2の摩擦クラッチとを備えることを
    特徴とするディファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のディファレンシャル装置
    であって、 前記ロータは、前記サイドギヤの一方と前記ケースとの
    間に配置されて、該一方のサイドギヤ側の出力軸に連結
    される円筒状部材により駆動され、 前記円筒状部材は、前記一方のサイドギヤに所定の隙間
    を持って隣接配置され、該サイドギヤ側の出力軸を介し
    て該サイドギヤに連結されるものであることを特徴とす
    るディファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のディファレンシ
    ャル装置であって、前記第1の摩擦クラッチと第2の摩
    擦クラッチとが同一のものであることを特徴とするディ
    ファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のディファレンシ
    ャル装置であって、前記第2の摩擦クラッチが、前記オ
    イルポンプに隣接して設けられると共に、前記第1の摩
    擦クラッチと前記ケースの軸方向略同位置に配置されて
    なることを特徴とするディファレンシャル装置。
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