JPH0953065A - 撥水処理剤、撥水処理方法及び撥水処理物品 - Google Patents

撥水処理剤、撥水処理方法及び撥水処理物品

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JPH0953065A
JPH0953065A JP22591495A JP22591495A JPH0953065A JP H0953065 A JPH0953065 A JP H0953065A JP 22591495 A JP22591495 A JP 22591495A JP 22591495 A JP22591495 A JP 22591495A JP H0953065 A JPH0953065 A JP H0953065A
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liquid
acid
treated
water repellent
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JP22591495A
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English (en)
Inventor
Eiji Osawa
英治 大澤
Miki Kawahara
幹 河原
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Toyo Riken Corp
Original Assignee
Toyo Riken Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フルオロアルキルシランを1重量%以上含有
する撥水処理剤は、余剰のフルオロアルキルシンランや
その分解物が処理面に残留し、初期の接触角が著しく低
下し、この物質を有機溶媒で除去する作業は煩雑であっ
た。一方、フルオロアルキルシランを1重量%未満とす
ると上記の問題は一応解決でき、しかも経済的ではある
が、撥水処理剤の保存期間の経過とともに撥水効果やそ
の耐久性が低下するという問題があった。 【解決手段】 本発明の撥水処理剤は、フルオロアルキ
ルシランの水混和性有機溶媒溶液よりなる第1液と、酸
と水とを含む第2液とからなるものである。本発明の撥
水処理方法は、上記処理剤をフルオロアルキルシランの
濃度が0.01重量%以上、1重量%未満、水の濃度が
0.05重量%以上、10重量%未満となり、且つ酸の
濃度:X(ミリモル/kg)が下記一般式で示される範
囲となるように第1液と第2液とを混合した後、被処理
物表面に塗布するものである。 【化1】(15÷n)≦X<(90÷n) (但
し、nは酸の価数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は撥水処理剤、撥水処
理方法及び撥水処理物品に関し、主として自動車のフロ
ント・リアーガラス、窓ガラス、サイドミラー等の表面
の撥水処理に好適な撥水処理剤、その処理剤を用いた撥
水処理方法及び撥水処理した物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車ガラスの撥水処理を行うための処
理剤として、シリコーン系化合物を含有する処理剤が知
られており、例えば特公昭50−15473号公報に
は、ポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロ
キサンをイソプロピルアルコールに分散させた処理剤が
提案されている。
【0003】また、特開平5−311156号公報に
は、フルオロアルキルシランを1.0〜10重量%、酸
触媒を0.01〜5重量%、水を0.01〜40重量%
含有するアルコール溶液からなる撥水処理剤が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ポリジメチルシロ
キサンやポリメチルフェニルシロキサンを主成分とする
特公昭50−15473号公報に記載されている撥水処
理剤は、耐久性に乏しく、また初期の接触角が低いとい
う問題を有していた。
【0005】これに対し特開平5−311156号公報
に記載されている撥水処理剤は、初期の接触角を大きく
し、且つ撥水性能の耐久性を改善することのできるもの
である。ところで撥水処理剤中のフルオロアルキルシラ
ン含有量を多くする程、一般に撥水効果も向上するが、
フルオロアルキルシランの含有量が多くなるとコスト高
となるとともに、余剰のフルオロアルキルシランの加水
分解物と思われる物質の処理面上への残留が多くなり、
初期の接触角は著しく低下するという問題が生じる。こ
の物質は有機溶媒によって除去することも可能である
が、残留物が多量になると除去作業が困難となる。この
ため本発明者等は、撥水処理剤中のフルオロアルキルシ
ンランの含有量を1重量%未満とすることを検討した。
【0006】しかしながら、フルオロアルキルシランの
含有量を1重量%未満とすると、撥水処理剤の保存時間
の経過とともに、撥水効果が低下してくるという問題が
あった。また、本発明者等の研究によると、酸の量をあ
る一定の範囲とした場合に、耐磨耗性に優れた撥水被膜
が形成されることが判ったが、酸の量を耐磨耗性に優れ
た撥水被膜が形成される量とした場合、フルオロアルキ
ルシランの量が1重量%未満であると、撥水処理剤の保
存時間の経過に伴う撥水効果の低下が特に著しいことも
判った。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
従来の欠点を解決した撥水処理剤、撥水処理方法を提供
することを目的とする。また本発明は優れた撥水処理剤
で処理した撥水処理物品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の撥水処理剤
は、フルオロアルキルシランの水混和性有機溶媒溶液よ
りなる第1液と、酸と水とを含む第2液とからなること
を特徴とする。本発明処理剤において、第1液はフルオ
ロアルキルシランを0.05重量%以上、10重量%未
満含有し、第2液は酸を0.1重量%以上、50重量%
未満、水を0.1重量%以上、40重量%未満含有する
ことが好ましい。本発明において第1液におけるフルオ
ロアルキルシランは、下記一般式(1)で示される化合
物が好ましい。
【0009】
【化3】Rf SiXY2 ・・・・(1)
【0010】(但し、Rf は3原子以上が弗素原子で置
換された弗素置換アルキル基、Xはハロゲン、アルコキ
シ基、アセトキシ基、ヒドロキシ基のいずれかであり、
Yはハロゲン、アルコキシ基、アセトキシ基、ヒドロキ
シ基、飽和・不飽和脂肪族炭化水素基、環式脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基、水素より選ばれた1種又は
2種を示す。)
【0011】本発明の撥水処理剤は、第1液及び/又は
第2液の溶媒がアルコールであるか、或いはアルコール
を含む溶媒であることが好ましい。
【0012】本発明の撥水処理方法は、上記撥水処理剤
を、フルオロアルキルシランの濃度が0.01重量%以
上、1重量%未満、水の濃度が0.05重量%以上、1
0重量%未満となり、且つ且つ酸の濃度:X(ミリモル
/kg)が下記一般式(2)で示される範囲となるよう
に第1液と第2液とを混合した後、被処理物表面に塗布
することを特徴とする。
【0013】
【化4】 (15÷n)≦X<(90÷n) ・・・・(2)
(但し、nは酸の価数を示す。)
【0014】本発明方法において撥水処理剤で処理した
面を、更にシリコーンオイル及び/又は含弗素エーテ
ル、或いはこれらを含む液で処理表面を処理することが
好ましく、また被処理物は少なくとも表面の一部に、酸
性水酸基を有することが好ましい。
【0015】本発明の撥水処理物品は、上記いずれかの
方法で処理した物品である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明においてフルオロアルキル
シランとしては、高い撥水性を有するフルオロアルキル
基を持ち、なおかつガラス表面と迅速に反応して強固な
シロキサン結合を形成できる、下記一般式(1)で示さ
れるフルオロアルキルシランを用いることが好ましい。
【0017】
【化5】Rf SiXY2 ・・・・(1)
【0018】上記一般式(1)において、Rf は3原子
以上の弗素原子で置換された弗素置換アルキル基、Xは
ハロゲン、アルコキシ基、アセトキシ基、ヒドロキシ基
のいずれか、Yはハロゲン、アルコキシ基、アセトキシ
基、ヒドロキシ基、飽和・不飽和脂肪族炭化水素基、環
式脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は水素であ
る。式中、2つのYは同一の基であっても異なる基であ
っても良く、また、2つのYのうちの一方又は両方とX
とが同一の基であっても良い。
【0019】上記ハロゲンとしては、弗素以外の塩素、
ヨウ素、臭素等が挙げられるが、経済性および環境に与
える影響の少なさから塩素が好ましい。またアルコキシ
基としては、アルキル基の炭素数1〜5のものが好まし
い。更に上記飽和・不飽和脂肪族炭化水素基や環式脂肪
族炭化水素基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、i−プロピル、アリル、ブチル、sec-ブチル、tert
−ブチル、アミル、イソアミル、活性アミル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシル、ノナデシル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル等の基が挙げられる。また芳
香族炭化水素基としては、フェニル基、ベンジル基等が
挙げられる。更に、上記脂肪族炭化水素基、環式脂肪族
炭化水素基、芳香族炭化水素基に、更にハロゲン、アル
コキシ基、アセトキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、
エステル基、アミド基、ニトリル基、ケトン基、カルボ
キシル基、ホルミル基、カルボキシペルオキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、シアノ基、イミノ基、スルホン基、ス
ルフィン基、スルホキシド基、ホスフォン基、ホスフィ
ン基、シリコン基等の置換基が導入されたものであって
も良い。
【0020】このようなフルオロアルキルシランの具体
例としては、例えば、tri-フルオロプロピル-tris-(メ
トキシ) シラン、tri-フルオロプロピル-tri- クロロシ
ラン、trideca-フルオロオクチル-tri- クロロシラン、
trideca-フルオロオクチル-tris-(メトキシ)シラン、
heptadeca-フルオロデシル-tri- クロロシラン、heptad
eca-フルオロデシル-tris-(メトキシ)シラン、heptad
eca-フルオロデシルメチル-di-クロロシラン、heptadec
a-フルオロデシルメチル-bis-(メトキシ)シラン、heni
cosa- フルオロドデシル-tris-(メトキシ)シラン、he
ptadeca-フルオロデシル-tris-(エトキシ)シラン、he
nicosa- フルオロドデシル-tris-(エトキシ)シラン等
が挙げられる。
【0021】上記一般式(1)で示されるフルオロアル
キルシランは、3原子以上が弗素原子で置換された弗素
置換アルキル基を有することを必須とするが、中でも9
原子以上が弗素原子で置換した弗素置換アルキル基を有
するフルオロアルキルシランが好ましく、特に17原子
以上が弗素原子で置換した弗素置換アルキル基を有する
フルオロアルキルシランが105°以上の高い接触角が
得られるために好ましい。本発明において特に好ましい
フルオロアルキルシランは、充分大きな過フルオロアル
キル基を持ち、なおかつ3つの脱離基(硅素原子から脱
離してガラス表面のシラノールと縮合反応を起こし得る
ハロゲン、アルコキシ等)を持つ、heptadeca-フルオロ
デシル-tris-(メトキシ)シラン、heptadeca-フルオロ
デシル-tris-(エトキシ)シラン、henicosa- フルオロ
ドデシル-tris-(メトキシ)シラン、henicosa- フルオ
ロドデシル-tris-(エトキシ)シラン等である。上記一
般式(1)で示されるフルオロアルキルシランは、1種
又は2種以上を混合して用いることができる。
【0022】本発明において酸としては、塩酸、硝酸、
硫酸、リン酸等の鉱酸類、蟻酸、酢酸、シュウ酸、トリ
フルオロ酢酸等の有機酸類を用いることができるが、揮
発性の強酸で、処理後にガラス表面に残留しにくい塩酸
ないし硝酸が好ましい。
【0023】本発明の撥水処理剤は、上記フルオロアル
キルシランの水混和性有機溶媒溶液よりなる第1液と、
上記酸と水とを含む第2液とからなる、2液型の処理剤
であることが特徴である。第1液における水混和性有機
溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、se
c-ブチルアルコール等のアルコール類、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、アセトン、DMF、DMSO
等が挙げられるが、フルオロアルキルシラン類の溶解性
が良好で、かつ適度の揮発性を持つアルコール類が好ま
しい。また第2液は酸を水に溶解した水溶液であっても
良いが、第1液と第2液とを混合して用いる際に、フル
オロアルキルシラン、酸、水の量を、後述する範囲に容
易に調整できるようにするため、第2液は酸と水とを水
混和性有機溶媒に溶解した溶液とすることもでき、第2
液における水混和性有機溶媒としては、フルオロアルキ
ルシラン類の溶解性が良好で、かつ適度の揮発性を持
ち、酸に対して比較的安定であるアルコール類が好まし
い。
【0024】上記したように本発明の撥水処理剤は、フ
ルオロアルキルシランを含む第1液と、酸及び水を含む
第2液とに分離することが必要であるが、フルオロアル
キルシランの安定性を高めるために、第1液はフルオロ
アルキルシランを0.05重量%以上含有することが好
ましい。一方、フルオロアルキルシランの濃度が高くな
り過ぎると粘度が増し、比重も増大するため第2液との
混合が容易ではなくなる。このため第1液におけるフル
オロアルキルシランの濃度は10重量%未満とすること
が好ましい。一方、第2液中の酸は揮発性のものが好ま
しいが、酸濃度が高過ぎると臭気が強くなり、周囲の金
属製品を腐食させる傾向が強くなるため、第2液におけ
る酸の濃度は、0.1重量%以上、50重量%未満が好
ましく、また第2液における水の濃度は、第1液、第2
液を混合した時に後述する水の濃度に調整し易くする上
で、0.1重量%以上、40重量%未満が好ましい。
【0025】本発明の撥水処理剤による撥水処理方法
は、フルオロアルキルシランの濃度が0.01重量%以
上、1重量%未満、水の濃度が0.05重量%以上、1
0重量%未満となり、且つ酸の濃度:X(ミリモル/k
g)が下記一般式(2)で示される範囲となるように第
1液と第2液とを混合した後、この混合物を被処理物表
面に塗布する方法である。
【0026】
【化6】 (15÷n)≦X<(90÷n) ・・・・(2)
(但し、nは酸の価数を示す。)
【0027】上記式(2)は、例えば塩酸、硝酸、酢酸
等の1価の酸場合には、酸が15ミリモル/kg〜90
ミリモル/kgとなるように配合し、硫酸、シュウ酸等
の2価の酸の場合は、酸が7.5ミリモル/kg〜45
ミリモル/kgとなるように配合することを意味するも
のである。フルオロアルキルシラン、酸、水を上記の範
囲となるように第1液と第2液とを混合して処理するこ
とにより、耐磨耗性に優れた撥水被膜が形成されるとと
もに、フルオロアルキルシランの量が少ないことによ
り、処理後のガラス表面にフルオロアルキルシランの分
解物の残留が殆どなく、たとえ分解物が残留してもその
除去はきわめて容易であり、且つコストの低減化を図る
ことができる。本発明において第1液と第2液を混合し
た時の各成分の濃度は、より好ましくはフルオロアルキ
ルシラン0.4〜0.95重量%、水0.1〜8重量
%、酸が30ミリモル/kg〜70ミリモル/kgとな
るように配合すると、撥水被膜の耐磨耗性が著しく向上
されるため好ましい。
【0028】本発明において、被処理物の表面を上記の
ようにして撥水処理剤で処理した後、更にシリコーンオ
イル及び/又は含弗素エーテル、或いはこれらを含む液
で処理すると、撥水効果の耐久性が飛躍的に向上するた
め好ましい。シリコーンオイルを含む液、含弗素エーテ
ルを含む液としては、シリコーンオイルや含弗素エーテ
ルのアルコール溶液及び分散液等が挙げられる。
【0029】上記シリコーンオイルとしては、ポリジメ
チルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ジメ
チルジロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー
等が挙げられる。一方、含弗素エーテルとしては例え
ば、ポリ(ペルフルオロエチレンオキサイド)、ポリ
(ペルフルオロプロピレンオキサイド)、ポリフルオロ
エチレンオキサイド−ペルフルオロプロピレンオキサイ
ドコポリマー等が挙げられる。
【0030】上記シリコーンオイル、含弗素エーテルや
これらを含む液の他に、飽和・不飽和炭化水素類、石油
留分、芳香族化合物、飽和・不飽和脂肪酸、アルコール
類、多価アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステ
ル類、リン酸類、アミド類、アミン類、スルホキシド
類、ハロゲン化物、界面活性剤や、アセトニトリル、二
硫化炭素、天然蝋質、油脂等や、これらを含む水溶液、
有機溶媒溶液等で処理することによっても、撥水効果の
耐久性を向上することができる。
【0031】上記飽和・不飽和炭化水素類としては、例
えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘキセン、オクタン、
オクテン、イソオクテン、ノナン、デカン、デセン等が
挙げられ、石油留分としては例えば、ガソリン、リグロ
イン、灯油、軽油等が挙げられる。また芳香族化合物と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、メチ
ルナフタレン、エチルナフタレン、スードクメン、メシ
チレン、ピリジン、ピコリン、ニトロベンゼン等が、飽
和・不飽和脂肪酸としては、例えばステアリン酸、オレ
イン酸、リノール酸、リノレイン酸、ミリスチン酸、エ
ナント酸、カプロン酸、カプリル酸、ウンデシル酸、ラ
ウリン酸、ラウリル酸、トリデシル酸、ペンタデシル
酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ノナデカン酸、ア
ラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘ
プタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、
イソクロトン酸、ウンデシレン酸、エライジン酸、セト
レイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、アラ
キドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸等が挙げら
れる。
【0032】またアルコール類としては、例えばエタノ
ール、プロパノール、i−プロパノール、ブタノール、
sec-ブタノール、tert−ブタノール、アミルアルコー
ル、i−アミルアルコール、活性アミルアルコール、ベ
ンジルアルコール、フェノール等が、多価アルコールと
しては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、グリセリン、ペンタンジオ
ール、ヘキシレングリコール等が、エーテル類としては
例えば、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジ
プロピルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
【0033】更にケトン類としては例えば、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジイ
ソプロピルケトン、シクロペンタノン、ジクロヘキサノ
ン、アセチルアセトン、アセトフェノン、プロピオフェ
ノン等が、エステル類としては例えば、蟻酸エチル、蟻
酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸アミル、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチル、酢酸
ジエチレングリコールモノエチル、アセト酢酸エチル、
モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、モノオレイ
ン、ジオレイン、トリオレイン等が、リン酸類としては
例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸
トリクレシル等が挙げられる。
【0034】またアミド類としては、ホルムアミド、モ
ノメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等が、ア
ミン類としては例えば、モルホリン、トリエチルアミ
ン、アニリン等が、スルホキシド類としては例えば、ジ
メチルスルホキシド、スホラン等が挙げられる。更にハ
ロゲン化物としては、塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素、トリクロルエタン、トリクロルエチレン、ブ
ロモホルム、テトラクロルエチレン、クロルベンゼン、
ブロモベンゼン等が挙げられる。
【0035】本発明の撥水処理剤による処理を行うに際
し、上記第1液と第2液とは、容積比で1:1に混合し
て用いるのが一般的ではあるが、第1液と第2液とを混
合後において、フルオロアルキルシラン、酸、水の量が
上記した範囲となるようにすれば、必ずしも第1液と第
2液とを1:1に混合する必要はない。第1液と第2液
とを混合する比率は、容積比で第1液:第2液=1:1
0〜10:1程度とすることが混合のし易さから好まし
い。
【0036】本発明方法において被処理物としては、少
なくとも表面の一部に酸性水酸基を有するものが好まし
く、本発明の撥水処理剤の有する優れた撥水効果、耐久
性等の効果が充分発現される。このような被処理物とし
ては、ガラス、陶器、無機粉体を練り込んだ合成樹脂等
が挙げられる。
【0037】本発明の撥水処理剤の塗布方法としては、
処理剤を刷毛、布、ティッシュペーパー等に染み込ませ
て塗布する方法の他に、スプレー等によって塗布する方
法が挙げられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1〜4 表1に示す第1液と第2液からなる撥水処理剤を容積比
で1:1の割合で混合した。混合後のフルオロアルキル
シラン、酸、水の濃度をカッコ内に示した。
【0039】
【表1】
【0040】両液を混合後5分以内に、混合液を自動車
用ソーダガラス板に塗布し、室温で5分間放置した後、
イソプロピルアルコールで洗浄し、更に水洗して乾燥さ
せた。この処理後のガラス面と水との接触角を測定した
結果を表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】次に上記のようにして処理したガラス板を
用い、撥水効果の耐久性を試験した。撥水処理剤で処理
した上記ガラス板を、道路に面した屋外の実験場に処理
面を上にして並べた。実験場には屋根を設けず、並べた
試験用のガラス板は日光や雨に晒され、塵や埃が付着す
るようにした。このような試験にかけたガラス板表面
は、塵や埃の粒子によって擦られて、撥水処理被膜の部
分的な剥離が生じて撥水効果が徐々に低下してくる。こ
のため撥水効果の耐久性試験は、上記実験場に並べた各
ガラス板の処理面を絞った濡れタオルで1日おきに拭い
た後、水洗して乾燥させ、次いでガラス面全面に霧吹き
で水を噴霧し、撥水性が低下して霧が付着した部分が、
全体の面積の50%となった時に撥水効果が失われたと
して評価した。結果を表2にあわせて示す。
【0043】表2に於ける撥水効果の耐久性の評価は以
下の基準による。 ○:240日以上撥水性が残存する。 △:120日以内に撥水性が消失する。 ×:30日以内に撥水性が消失する。
【0044】比較例1 実施例1と同一の第1液、第2液を、容量比で1:1に
混合し、7日間室温で放置したものを用い、実施例1〜
4と同様にしてガラス表面の処理を行った。処理後のガ
ラス表面の接触角、撥水効果の耐久性を実施例1〜4と
同様にして測定した結果を、表2にあわせて示す。
【0045】比較例2 実施例2と同一の第1液、第2液を、容量比で1:1に
混合し、7日間室温で放置したものを用い、実施例1〜
4と同様にしてガラス表面の処理を行った。処理後のガ
ラス表面の接触角、撥水効果の耐久性を実施例1〜4と
同様にして測定した結果を、表2にあわせて示す。
【0046】比較例3 実施例3と同一の第1液、第2液を、容量比で1:1に
混合し、7日間室温で放置したものを用い、実施例1〜
4と同様にしてガラス表面の処理を行った。処理後のガ
ラス表面の接触角、撥水効果の耐久性を実施例1〜4と
同様にして測定した結果を、表2にあわせて示す。
【0047】比較例4 実施例4と同一の第1液、第2液を、容量比で1:1に
混合し、7日間室温で放置したものを用い、実施例1〜
4と同様にしてガラス表面の処理を行った。処理後のガ
ラス表面の接触角、撥水効果の耐久性を実施例1〜4と
同様にして測定した結果を、表2にあわせて示す。
【0048】比較例5 シリコーン系撥水剤を用い、実施例1〜4と同様にして
ガラス表面の処理を行った。処理後のガラス表面の接触
角、撥水効果の耐久性を実施例1〜4と同様にして測定
した結果を、表2にあわせて示す。尚、シリコーン系撥
水剤は特公昭50−15473号公報の例に準じ、分子
量約1100のジメチルポリシロキサン10%、硫酸1
%、イソプロピルアルコール89%からなる撥水処理剤
を調整して用いた。
【0049】実施例5、比較例6 実施例1で用いたと同じ第1液、第2液を容量比で1:
1に混合した後、直ちに4台の乗用車(車体No. A〜
D)のウィンドガラスの半分に塗布し、室温で5分間放
置した後、イソプロピルアルコールで洗浄し、更に水洗
して乾燥させた(実施例5)。ウィンドガラスの上記撥
水剤を塗布しなかった部分には、比較例1と同様にして
実施例1と同一の第1液、第2液を、容量比で1:1に
混合し、7日間室温で放置したものを塗布して乾燥させ
た(比較例6)。各撥水処理剤でウィンドガラスを処理
した4台の乗用車のウィンドガラスに散水し、別途調整
した接触角が90°、110°のガラス板に散水したも
のを車のウィンドガラスと同じ角度に傾け、水滴の接触
角を目視で比較し、おおよその接触角を測定し、また水
滴が付着した状態で乗用車を走行させて、水滴が除去さ
れる様子を観察した。各乗用車を8か月間使用し、処理
直後、4か月後、8か月後の撥水効果を調べた。結果を
表3に示した。尚、各乗用車のワイパーブレードは実験
開始時に全て新品と交換した。
【0050】
【表3】
【0051】上記表3における評価は以下の通りであ
る。 ◎:水滴はウィンドガラス全面で約100°以上の接触
角をもち、時速40kmで走行すると水滴が除去され始
める。 ○:水滴の接触角は部分的に約90°まで低下し、この
部分の水滴は時速50kmで走行すると除去され始め
る。 △:水滴の接触角は部分的に90°未満まで低下し、こ
の部分の水滴が除去され始めるのには、時速60km以
上での走行が必要となる。 ×:水滴の接触角は部分的に目視で推定できない程まで
低下し、高速走行を行ってもガラス面から水滴が除去さ
れない。
【0052】上記表3の結果から明らかなように、本発
明撥水処理剤により処理した乗用車は、8か月後に4台
のうちの1台が僅かに評価が劣ったが、他の3台は処理
直後と同じ評価を維持した。これに対し市販の撥水処理
剤で処理した乗用車は、4か月を経過した時点で、いず
れも処理直後に比べて評価が低下し、8か月後には1台
の乗用車では撥水効果は著しく低下した。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の撥水処理剤
は、撥水処理剤としての処理能力が長期間維持され、本
発明方法によれば、従来のフルオロアルキルシラン系の
撥水剤よりもフルオロアルキルシンランの使用量が少な
くて済み、処理後にフルオロアルキルシランおよびその
分解物の残留が殆どなく、たとえ残留してもその除去は
容易であり、且つ経済的であるとともに、耐磨耗性や耐
久性に優れた撥水被膜を形成することができる。また撥
水剤で処理した表面を、シリコーンオイル及び/又は含
弗素エーテル、或いはこれらを含む液で処理することに
より、撥水効果の耐久性が飛躍的に向上する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオロアルキルシランの水混和性有機
    溶媒溶液よりなる第1液と、酸と水とを含む第2液とか
    らなることを特徴とする撥水処理剤。
  2. 【請求項2】 第1液がフルオロアルキルシランを0.
    05重量%以上、10重量%未満含有し、第2液が酸を
    0.1重量%以上、50重量%未満含有し、水を0.1
    重量%以上、40重量%未満含有することを特徴とする
    請求項1記載の撥水処理剤。
  3. 【請求項3】 フルオロアルキルシランが下記一般式
    (1)で示される化合物である請求項1又は2記載の撥
    水処理剤。 【化1】Rf SiXY2 ・・・・(1) (但し、Rf は3原子以上が弗素原子で置換された弗素
    置換アルキル基、Xはハロゲン、アルコキシ基、アセト
    キシ基、ヒドロキシ基のいずれかであり、Yはハロゲ
    ン、アルコキシ基、アセトキシ基、ヒドロキシ基、飽和
    ・不飽和脂肪族炭化水素基、環式脂肪族炭化水素基、芳
    香族炭化水素基、水素より選ばれた1種又は2種を示
    す。)
  4. 【請求項4】 第1液及び/又は第2液の溶媒がアルコ
    ールであるか、或いはアルコールを含む溶媒である請求
    項1〜3のいずれかに記載の撥水処理剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の撥水処
    理剤を、フルオロアルキルシランの濃度が0.01重量
    %以上、1重量%未満、水の濃度が0.05重量%以
    上、10重量%未満となり、且つ酸の濃度:X(ミリモ
    ル/kg)が下記一般式(2)で示される範囲となるよ
    うに第1液と第2液とを混合した後、被処理物表面に塗
    布することを特徴とする撥水処理方法。 【化2】 (15÷n)≦X<(90÷n) ・・・・(2)
    (但し、nは酸の価数を示す。)
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法において、撥水処理
    剤で処理した後、更にシリコーンオイル及び/又は含弗
    素エーテル、或いはこれらを含む液で処理表面を処理す
    ることを特徴とする撥水処理方法。
  7. 【請求項7】少なくとも表面の一部に、酸性水酸基を有
    する被処理物を処理することを特徴とする請求項5又は
    6記載の撥水処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の方法で
    処理した撥水処理物品。
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