JPH0952985A - 電力ケーブルの半導電層用組成物 - Google Patents

電力ケーブルの半導電層用組成物

Info

Publication number
JPH0952985A
JPH0952985A JP20466795A JP20466795A JPH0952985A JP H0952985 A JPH0952985 A JP H0952985A JP 20466795 A JP20466795 A JP 20466795A JP 20466795 A JP20466795 A JP 20466795A JP H0952985 A JPH0952985 A JP H0952985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
power cable
semiconductive layer
component
carbon black
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20466795A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nitta
眞 仁田
Shinichi Sugiyama
真一 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP20466795A priority Critical patent/JPH0952985A/ja
Publication of JPH0952985A publication Critical patent/JPH0952985A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水トリー性、押出加工性、耐熱性、機械
的特性に優れた電力ケーブルの半導電層用組成物を提供
する。 【解決手段】 半導電層を有する架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルにおける半導電層用組成物に関し、基本
組成が樹脂混合物とカーボンブラックとの2種からな
り、該樹脂混合物の10重量%以上40重量%以下が密
度が0.89g/cc未満の非結晶性或いは微結晶性エ
チレン−αオレフィン共重合体からなり、残部が高圧法
低密度ポリエチレンからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導電層を有する架橋
ポリエチレン絶縁電力ケーブルの半導電層用組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年のポリエチレン絶縁電力ケーブル用
絶縁線心には、絶縁層と導体との界面、或いは絶縁層と
金属遮蔽層との界面の電界集中緩和や部分放電防止を目
的に、絶縁層の上下両面に半導電層が設けられている。
図1に、このような架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル
を構成する絶縁線心の断面の一例を示す。図1中符号1
は導体、2は内部半導電層、3は絶縁体(架橋ポリエチ
レン)である。また4は外部半導電層である。
【0003】最近、このような半導電層は電力ケーブル
用絶縁線心製造時に押出成形法によって形成されること
が多くなってきている。また半導電層は、ポリエチレン
或いはエチレン共重合体等のポリオレフィン樹脂をベー
スとして、これに導電性を持つカーボンブラックを適当
量混合して半導電化された組成物からなる。この組成物
の体積抵抗率は一般に105 Ω・cm程度以下に調整さ
れている。
【0004】ここで、このベースのポリオレフィン樹脂
としては、まず通常絶縁体を形成しているものと同じ高
圧法低密度ポリエチレンが挙げられる。しかし、このも
のは中低圧法高密度ポリエチレンの結晶性に比べれば低
いものの、やはり結晶性が高いのでフィラー受容性に劣
り、カーボンブラックの添加によって機械的特性(引張
特性、耐寒性等)が著しく低下する。さらに、半導電層
からの水トリー(内部半導電層の場合、生じる水トリー
を「内導トリー」、外部半導電層の場合「外導トリー」
と云う)が発生しやすく、これが絶縁破壊を誘発する危
険があるため、電気的な長期信頼性に不安がある。
【0005】そのため通常、フィラー受容性の改善を目
的に、非結晶性或いは低結晶性のエチレン−酢酸ビニル
共重合体、あるいはエチレン−アクリル酸エチル共重合
体に導電性カーボンブラックを添加した組成物が用いら
れることが多い。しかし、これらは軟化点が低いことか
ら、耐熱性(熱変形特性)に劣り、また、極性基の影響
から誘電正接が局所的に増大し、その結果ケーブルの電
気特性(AC破壊電圧値)を低下させる(特開昭61−
235444号公報)。
【0006】なお、特開昭60−141745号公報記
載の技術では、機械的特性(硬度、引張伸び、耐ストレ
スクラッキング性など)を改良するため、結晶性を制御
した中低圧法直鎖状低密度ポリエチレンを用いる。しか
し、中低圧法直鎖状低密度ポリエチレンは結晶性を有す
るので、従来技術の欠点である低フィラー受容性を完全
には解決できず、また、このものは一般に融点が115
℃以上と高く、そのためにケーブル製造時の押出加工性
(流動性)が悪かった。この押出加工性を向上させるた
めに加工温度を高くする(130℃以上)と、良好な押
出加工性が得られるが、半導電層形成過程で早期架橋
(スコーチ)を引き起こし、その結果、絶縁体との界面
に突起が形成され、ケーブルの絶縁不良が生じやすくな
るという欠点が生じる。
【0007】ここで、半導電層を形成する樹脂組成物の
取扱温度と、ケーブルの絶縁不良との関係について説明
する。電力ケーブルの絶縁体を形成する樹脂としては、
高圧法低密度ポリエチレンが主に用いられ、これは予め
架橋剤として有機過酸化物(通常、ジクミルパーオキサ
イド)と混合されて押出成形により絶縁体として形成さ
れた後、最終的な熱処理により架橋される。
【0008】電力ケーブル用絶縁線心製造で最近主流と
なった三層同時押出成形法において、半導電層の押出成
形温度が高くなると、その熱の影響で絶縁体押出でのス
コーチが発生したり、半導電層用組成物自体のスコーチ
により、その押出表面、すなわち絶縁体との界面に突起
が形成されることがあるが、この突起が水トリー発生の
起点、さらには絶縁破壊を引き起こす原因となる。
【0009】一方、特開昭61−235444号公報に
記載の技術では電気的特性(特にAC破壊電圧値)を改
良するために、超低密度ポリエチレンを用いるものであ
るが、このものの融点は110℃以上と高いため、特開
昭60−141745号公報記載の中低圧法直鎖状低密
度ポリエチレンを用いる場合と同様に、押出加工性が悪
く、また、充分な押出加工性を得ようとするとスコーチ
が発生しやすい、125℃以上の押出成形温度が必要で
あった。
【0010】また、特開昭63−105405号公報記
載の技術では、耐水トリー性を改良するために、エチレ
ンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体を用
いていたが、このものは密度が0.890g/cc以上
で、かつ融点が110℃以上のものであったため、やは
り押出加工性に劣り、これを改善しようとするとスコー
チが発生しやすくなり、また、コスト高となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を鑑み、耐水トリー性、スコーチが生じるおそれ
のない低温(120℃以下)設定での押出加工性、耐熱
性、機械的特性及び経済性に優れた電力ケーブルの半導
電層用組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る絶縁電力ケ
ーブルの半導電層用組成物は、請求項1に記載のよう
に、基本組成が樹脂混合物とカーボンブラックとの2種
からなり、該樹脂混合物の10重量%以上40重量%以
下が密度が0.89g/cc未満の非結晶性或いは微結
晶性エチレン−αオレフィン共重合体からなり、残部が
高圧法低密度ポリエチレンからなる構成を有する。
【0013】上記エチレン−αオレフィン共重合体にお
いて、密度が0.89g/cc未満のものは非結晶性で
あり、また結晶性があってもその程度は極めて微少であ
る。このようなエチレン−αオレフィン共重合体を、絶
縁体に用いられる材料と同じ高圧低密度ポリエチレンに
添加することによって、本発明の特定の効果である、ス
コーチが生じるおそれのない低温(120℃以下)設定
での充分な押出加工性、フィラー受容性、耐水トリー
性、機械特性、耐熱性及び経済性を同時に得ることが可
能となる。
【0014】なお、本発明で用いるエチレン−αオレフ
ィン共重合体において、αオレフィンとしては炭素数が
3〜20であるものが好適に用い得る。また、エチレン
−αオレフィン共重合体としては、2種以上のこれらα
オレフィンをエチレンと共重合させたいわゆる多元ポリ
マーであっても差し支えない。
【0015】ここで、ポリエチレンの完全な結晶の密度
は1.002g/cc、非結晶部分の密度は0.855
g/ccであると云われている。この値から0.89g
/ccのエチレン−αオレフィン共重合体の密度から計
算される結晶化度は、ポリエチレンに換算すると23.
8%である。
【0016】ポリオレフィン樹脂において、その結晶部
分にはフィラーが入り込まない。従って結晶化度が高い
ポリオレフィン樹脂はフィラー受容性が劣る。しかし、
本発明における、エチレン−αオレフィン共重合体は
0.89g/cc未満の非結晶性或いは微結晶性のもの
であるため、このフィラー受容性も優れ、これと混合す
る結晶性の高圧法低密度ポリエチレンのフィラー受容性
の悪さを補う効果を有することになる。なお、このよう
な非結晶性或いは微結晶性エチレン−αオレフィン共重
合体は、三井石油化学工業等から入手可能である。
【0017】また、本発明で用いるポリエチレンは、絶
縁体の主成分と同じであること、適当な融点を有する
(100℃以上110℃以下)こと、極性基を有しない
こと、価格が安いことなどの理由によって高圧法低密度
ポリエチレンであることが必要である。なお、このもの
の密度は、0.91g/cc以上0.93g/cc以下
である。
【0018】一方、樹脂混合物への導電性付与剤として
は、カーボンブラックを用いる。こうしたカーボンブラ
ックとしては、一般に市販されているアセチレンブラッ
ク、導電性ファーネスブラック等が用いることができる
が、組成物の機械的特性の低下が少なく、少量の配合量
で所望の導電性が得られるので、高導電性ファーネスブ
ラックが望ましい。
【0019】ここで、カーボンブラックのDBP吸油量
は、カーボンブラックのストラクチャー(粒子の連鎖状
態)を示す目安であって、この値が200ml/100
g以上であると、本発明の組成物のように結晶性の高圧
法低密度ポリエチレンをベース樹脂に含む場合といえど
も、少量の配合量で機械的特性の低下を少なく抑えて所
望の導電性を付与できるので望ましい。
【0020】また、カーボンブラックの比表面積は50
0m2 /g以上であることが望ましい。ここで、500
2 /g以上であると、本発明の組成物のように結晶性
の高圧法低密度ポリエチレンをベース樹脂に含む場合と
いえども、少量の配合量で機械的特性の低下を少なく抑
えて所望の導電性を付与できるので望ましい。上記のよ
うな条件を満たすものはライオンやキャボット社等から
入手可能である。
【0021】本発明の組成物は、上記原料の内、密度が
0.89g/cc未満の非結晶性或いは微結晶性エチレ
ン−αオレフィン共重合体と高圧法低密度ポリエチレン
とをニーダー、バンバリー、混練押出機等の混練装置を
用いて混合し樹脂混合物を得た後、カーボンブラックを
添加して再度混練して作製しても良いし、当初よりこれ
ら3成分を混合して混練しても良い。
【0022】ここで、樹脂混合物中の前記エチレン−α
オレフィン共重合体の重量含有率は10%以上40%以
下であることが必要である。10%未満であると、耐水
トリー性に劣る。充分な耐水トリー性を得るには、前記
共重合体の重量含有率は20%以上であることが望まし
い。一方、前記共重合体の重量含有率が40%超である
と、押出加工性に劣り、外観不良等が生じて良好な電力
ケーブル用絶縁線心を得ることができなくなる。
【0023】また、カーボンブラックの配合量として
は、樹脂混合物の重量を100部としたときに、5〜6
0部であることが望ましい。ここで5部未満であると、
半導電層用組成物として求められる導電性が得られず、
一方、添加量が60部超であると、組成物の機械的特性
が低下しやすい。なお、カーボンブラックとして、DB
P吸油が200ml/100g以上、比表面積が500
2 /g以上である高導電性ファーネスブラックを用い
た場合は、15部以下の配合量で所望の導電性を付与す
ることができる。
【0024】組成物の機械的特性として最も重要なもの
は引張伸び率である。JIS・C3005に準拠して測
定したときの引張伸び率が200%以上あることが必要
である。ここで200%未満であると経年劣化も考え併
せた場合の耐屈曲性に劣ってくるので、電力ケーブルの
絶縁線心の被覆として相応しくない。
【0025】なお、これら混練時に、必要に応じ、酸化
防止剤、加工助剤、架橋助剤或いは架橋剤等を添加する
ことができる。しかし、このうち架橋剤については、本
発明の半導電層用組成物の特有の構成により、全く配合
を要しないか、或いは、必要があってもごく少量の配合
で充分である。このため本発明の半導電層用組成物で
は、電力ケーブル用絶縁線心を製造する際の押出成形時
にスコーチ(早期架橋)発生のおそれが全くないか、或
いはあっても極めて微少であり、このスコーチによって
生じる半導電層面突起形成などのトラブルは防止され
る。
【0026】このように得られた本発明に係る半導電層
用組成物は、半導電層を有するポリエチレン絶縁電力ケ
ーブル用絶縁線心製造工程において、押出成形によって
半導電層に形成される。
【0027】
【実施例】表1に示す各種原料を用いて、表2に示す組
成の10種の半導電層用組成物(実施例1〜5及び比較
例1〜5)を得た。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】これら半導電層用組成物の具体的な作製方
法としては、2種の樹脂成分からなるものの場合にはこ
れら樹脂成分を先にロールミルを用いて120〜130
℃で予備混練した後、カーボンブラック及び酸化防止剤
を添加して再度120〜130℃で混練し作製した。な
お樹脂成分が1種のものの場合には、予備混練は行わ
ず、直ちに樹脂とカーボンブラック及び酸化防止剤とを
120〜130℃で混練した。(上記において、各混練
は120〜130℃で行ったが、本発明に係る組成物に
おいては、混練時にスコーチが発生するおそれがないた
め、これら温度より高い適当な温度を選択して混練を行
うことができる。)
【0031】なお、通常、結晶性の低いポリマーの融点
はブロードとなるため、厳密には求められないことがあ
るが、表1中で融点として示したのは示差走査熱量計
(DSC)によって吸熱挙動を調べ、吸熱ピークから求
めた値である。一方、表1中、軟化点として示したのは
ビカット軟化点であり、JIS・K6760に準拠して
測定した数値である。同様に表1中、カーボンブラック
における比表面積は窒素の沸点における吸着量からBE
T1点法によって算出したものである。また、DBP吸
油量とは、カーボンブラック100g当たりのジブチル
フタレートの吸収量をJIS・K6221に準拠して測
定したものである。
【0032】これら実施例1〜5、及び比較例1〜5の
半導電層用組成物を用いて架橋ポリエチレン絶縁電力ケ
ーブルの絶縁線心を作製した。即ち、図1に示す構造図
のように、これら組成物を内部半導電層に適用し、この
内部半導電層と絶縁体(架橋ポリエチレン)並びに外部
導電層を三層同時押出成形し、これを窒素雰囲気中で加
熱して化学架橋して10種類の乾式架橋の6kv−CV
(60mm2 )の絶縁線心を作製した。
【0033】なお、実施例1〜5、比較例1、2及び4
においては押出機設定温度を120℃に設定して良好に
成形できたが、比較例3の組成物では外観不良が生じ、
比較例5の組成物ではこの温度での加工が困難で、やむ
なく絶縁層でスコーチが発生するおそれのある温度であ
る130℃に設定して加工を行った。これらのサンプル
において、導体部太さ(直径)、内部半導電層厚さ、絶
縁層厚さ、及び外部半導電層厚さはそれぞれ、9.3m
m、1mm、3mm、及び1mmである。
【0034】これら電力ケーブルの絶縁線心の耐水トリ
ー性、耐熱性及び機械的特性の評価を行った。耐水トリ
ー性は、これら電力ケーブルの絶縁線心に1000H
z、6.9kVの交流電圧を3ヶ月印加した周波数加速
浸水課電後の、内部半導電層からの内導トリー発生数を
絶縁体の0.5mm厚スライス片100枚(合計長さ:
5cm)を光学顕微鏡で観察して計数した値で評価し
た。
【0035】また、これら組成物のプレス成形による1
mm厚のダンベル状試験片の引張時の伸び率をJIS・
C3005に準拠して測定し、200%以上のものを
○、200%未満のものを×として評価した。なお、耐
熱性の評価として、これら組成物のプレス成形による2
mm厚の試験片を架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの
連続使用導体許容温度である90℃の環境下に30分間
放置した後、34Nの荷重を加え、さらに30分間90
℃の熱履歴を加えたときの厚さの変形率を調べ、そのと
きの変形率が40%以上のものを×、40%未満のもの
を○として評価した。これら電力ケーブルの絶縁線心作
製時の押出加工性(サンプル外観評価結果を含む)の評
価結果を、これら電力ケーブルの絶縁線心の耐水トリー
性、耐熱性及び機械的特性の評価結果とともに表2に示
す。
【0036】表2により、本発明に係る絶縁電力ケーブ
ルの半導電層用組成物を用いると、優れた耐水トリー
性、耐熱性及び機械的特性に優れた絶縁線心を、良好な
押出加工性で得ることできることが判る。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る組成物で用いる樹脂混合物
において、特定のエチレン−αオレフィン共重合体、即
ち、密度が0.89g/cc未満の非結晶性或いは微結
晶性のエチレン−αオレフィン共重合体は、非結晶性或
いは微結晶性であるためフィラー(カーボンブラックの
ような導電性付与剤等)受容性に非常に優れ、また、融
点が低い(110℃以下)。このようなエチレン−αオ
レフィン共重合体を、低廉で適当な融点を有する(10
0℃以上110℃以下)高圧法低密度ポリエチレンに混
合することによって、スコーチが発生するおそれのない
温度での良好な押出加工性及び耐熱性(熱変形特性)を
保ちながら、高圧法低密度ポリエチレンの欠点であるフ
ィラー受容性が向上し、カーボンブラック添加による機
械的特性(引張特性、耐寒性等)の低下を防止すること
が可能となり、また、耐水トリー性が著しく改善され
る。
【0038】また、本発明に係る組成物で用いる樹脂混
合物は高圧法低密度ポリエチレンを第1成分としている
ため、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アク
リル酸エチル共重合体をベース樹脂として用いる場合に
比べ、耐熱性(熱変形特性)に優れることから、架橋剤
を全く必要としないか、或いはごく少量の配合で充分な
ため、半導電層形成時の押出成形工程において、相当量
の架橋剤を含有する場合にはしばしば生じるスコーチの
発生、及びそれによる各種障害が生じないか、或いは、
著しく軽減することができる。
【0039】また、本発明に係る半導電層用組成物の主
成分は、多くの電力ケーブル用絶縁線心で絶縁体として
用いられるのと同じ高圧法低密度ポリエチレンであるた
め、絶縁体の成形と同程度の温度で成形することがで
き、それは絶縁体が架橋剤を伴う高圧法低密度ポリエチ
レンであってもそのスコーチが生じるおそれがある温度
(125℃)より低い温度設定で加工が可能である。
【0040】上記のように、本発明に係る絶縁電力ケー
ブルの半導電層用組成物は、加工時にスコーチの発生が
少ないため表面突起などの欠陥が少なく、非常に優れた
フィラー受容性、耐水トリー性及び機械的特性を有する
ものである。また、安価な高圧法低密度ポリエチレンを
樹脂混合物中90%〜60%配合することができるので
低コストとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導電層を有する絶縁電力ケーブルの絶縁線心
の例である。
【符号の説明】
1 導体 2 内部半導電層 3 絶縁層(架橋ポリエチレン) 4 外部半導電層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】近年の架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブ
ル用絶縁線心には、絶縁層と導体との界面、或いは絶縁
層と金属遮蔽層との界面の電界集中緩和や部分放電防止
を目的に、絶縁層の上下両面に半導電層が設けられてい
る。図1に、このような架橋ポリエチレン絶縁電力ケー
ブルを構成する絶縁線心の断面の一例を示す。図1中符
号1は導体、2は内部半導電層、3は絶縁体(架橋ポリ
エチレン)である。また4は外部半導電層である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る架橋ポリエ
チレン絶縁電力ケーブルの半導電層用組成物は、請求項
1に記載のように、基本組成が樹脂混合物とカーボンブ
ラックとの2種からなり、該樹脂混合物の10重量%以
上40重量%以下が密度が0.89g/cc未満の非結
晶性或いは微結晶性エチレン−αオレフィン共重合体か
らなり、残部が高圧法低密度ポリエチレンからなる構成
を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】このように得られた本発明に係る半導電層
用組成物は、半導電層を有する架橋ポリエチレン絶縁電
力ケーブル用絶縁線心製造工程において、押出成形によ
って半導電層に形成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【表1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】これら実施例1〜5、及び比較例1〜5の
半導電層用組成物を用いて架橋ポリエチレン絶縁電力ケ
ーブルの絶縁線心を作製した。即ち、図1に示す構造図
のように、これら組成物を内部半導電層に適用し、この
内部半導電層と絶縁体(架橋ポリエチレン)並びに外部
導電層を三層同時押出成形し、これを窒素雰囲気中で加
熱して化学架橋して10種類の乾式架橋の6k−CV
(60mm)の絶縁線心を作製した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】表2により、本発明に係る架橋ポリエチレ
絶縁電力ケーブルの半導電層用組成物を用いると、優
れた耐水トリー性、耐熱性及び機械的特性に優れた絶縁
線心を、良好な押出加工性で得ることできることが判
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】上記のように、本発明に係る架橋ポリエチ
レン絶縁電力ケーブルの半導電層用組成物は、加工時に
スコーチの発生が少ないため表面突起などの欠陥が少な
く、非常に優れたフィラー受容性、耐水トリー性及び機
械的特性を有するものである。また、安価な高圧法低密
度ポリエチレンを樹脂混合物中90%〜60%配合する
ことができるので低コストとなる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】半導電層を有する架橋ポリエチレン絶縁電力ケ
ーブルの絶縁線心の例である。
【符号の説明】 1 導体 2 内部半導電層 3 絶縁層(架橋ポリエチレン) 4 外部半導電層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導電層を有する架橋ポリエチレン絶縁
    電力ケーブルにおける半導電層用組成物に関し、 該組成物の基本組成が樹脂混合物とカーボンブラックと
    の2種からなり、 該樹脂混合物の10重量%以上40重量%以下が密度が
    0.89g/cc未満の非結晶性或いは微結晶性エチレ
    ン−αオレフィン共重合体からなり、残部が高圧法低密
    度ポリエチレンからなることを特徴とする架橋ポリエチ
    レン絶縁電力ケーブルの半導電層用組成物。
JP20466795A 1995-08-10 1995-08-10 電力ケーブルの半導電層用組成物 Withdrawn JPH0952985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20466795A JPH0952985A (ja) 1995-08-10 1995-08-10 電力ケーブルの半導電層用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20466795A JPH0952985A (ja) 1995-08-10 1995-08-10 電力ケーブルの半導電層用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0952985A true JPH0952985A (ja) 1997-02-25

Family

ID=16494299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20466795A Withdrawn JPH0952985A (ja) 1995-08-10 1995-08-10 電力ケーブルの半導電層用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0952985A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6337367B1 (en) 2000-07-11 2002-01-08 Pirelli Cables And Systems, Llc Non-shielded, track resistant, silane crosslinkable insulation, methods of making same and cables jacketed therewith
WO2006007927A1 (en) * 2004-07-22 2006-01-26 Borealis Technology Oy Semiconductive polymer composition
JP2006124510A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Furukawa Electric Co Ltd:The 樹脂組成物及びそれを被覆した絶縁電線
FR2950728A1 (fr) * 2009-09-30 2011-04-01 Nexans Cable electrique a moyenne ou haute tension
US20110186328A1 (en) * 2010-02-01 2011-08-04 General Cable Technologies Corp. Vulcanizable copolymer semiconductive shield compositions
KR20110104331A (ko) * 2010-03-16 2011-09-22 엘에스전선 주식회사 전선용 절연 조성물 및 이를 이용한 전선
JP2019504902A (ja) * 2015-11-27 2019-02-21 ボレアリス エージー 半導電性ポリエチレン組成物
CN116769359A (zh) * 2022-03-09 2023-09-19 昭和电线电缆株式会社 半导电性涂料及其制备方法和电力电缆的末端处理方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6337367B1 (en) 2000-07-11 2002-01-08 Pirelli Cables And Systems, Llc Non-shielded, track resistant, silane crosslinkable insulation, methods of making same and cables jacketed therewith
WO2006007927A1 (en) * 2004-07-22 2006-01-26 Borealis Technology Oy Semiconductive polymer composition
EP1630823A1 (en) * 2004-07-22 2006-03-01 Borealis Technology Oy Semiconductive polymer composition
JP2006124510A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Furukawa Electric Co Ltd:The 樹脂組成物及びそれを被覆した絶縁電線
FR2950728A1 (fr) * 2009-09-30 2011-04-01 Nexans Cable electrique a moyenne ou haute tension
WO2011039474A1 (fr) * 2009-09-30 2011-04-07 Nexans Câble électrique à moyenne ou haute tension
US20110186328A1 (en) * 2010-02-01 2011-08-04 General Cable Technologies Corp. Vulcanizable copolymer semiconductive shield compositions
WO2011094055A3 (en) * 2010-02-01 2011-12-08 General Cable Technologies Corporation Vulcanizable copolymer semiconductive shield compositions
CN102906824A (zh) * 2010-02-01 2013-01-30 通用电缆技术公司 硫化共聚物半导电屏蔽结构
US8388868B2 (en) 2010-02-01 2013-03-05 General Cable Technologies Corporation Vulcanizable copolymer semiconductive shield compositions
KR20110104331A (ko) * 2010-03-16 2011-09-22 엘에스전선 주식회사 전선용 절연 조성물 및 이를 이용한 전선
JP2019504902A (ja) * 2015-11-27 2019-02-21 ボレアリス エージー 半導電性ポリエチレン組成物
CN116769359A (zh) * 2022-03-09 2023-09-19 昭和电线电缆株式会社 半导电性涂料及其制备方法和电力电缆的末端处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1880395B1 (en) Improved strippable cable shield compositions
CA2145366C (en) Semiconductive power cable shield
EP2532011B1 (en) Vulcanizable copolymer semiconductive shield compositions
US4909960A (en) Semiconductor resin composition
EP2637178A2 (en) Insulating composition and electric cable comprising same
EP0334992A1 (en) Easily peelable semiconductive resin composition
JP5795778B2 (ja) 改善された半導電性組成物
US4451536A (en) Heat distortion-resistant thermoplastic semi-conductive composition
US6231978B1 (en) Crosslinkable polyethylene composition
KR20180097507A (ko) 반도전성 차폐 조성물
JPH0952985A (ja) 電力ケーブルの半導電層用組成物
EP0952172B1 (en) Tree resistant cable
EP1041582B1 (en) A crosslinkable polyethylene composition
KR20190011296A (ko) 비가교 수지로 이루어진 절연층을 포함하는 케이블
CA2409175C (en) High performance power cable shield
JP3367356B2 (ja) 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの半導電層用組成物
JP4227244B2 (ja) 半導電性組成物を用いた直流用絶縁ケーブル
JPS5956441A (ja) 半導電性組成物
KR100291669B1 (ko) 고압 내열 케이블용 반도전 재료
JPH09245520A (ja) 電力ケーブルの半導電層用組成物
JPH11329077A (ja) 半導電層用組成物及び電力ケーブル
JPH0850809A (ja) 電力ケーブル用半導電性樹脂組成物
JP3414581B2 (ja) 電力ケーブルの半導電層用組成物
JPS63148503A (ja) 架橋ポリエチレン電力ケ−ブル
JP2000123647A (ja) 電力ケーブルの半導電層用樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021105