JPH0952540A - 流体圧発生装置 - Google Patents

流体圧発生装置

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JPH0952540A
JPH0952540A JP20586295A JP20586295A JPH0952540A JP H0952540 A JPH0952540 A JP H0952540A JP 20586295 A JP20586295 A JP 20586295A JP 20586295 A JP20586295 A JP 20586295A JP H0952540 A JPH0952540 A JP H0952540A
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忠治 山田
Masanori Ishihara
正紀 石原
Nobuyuki Iwao
信幸 岩男
Yasushi Yamamoto
康 山本
Takao Takano
孝雄 高野
Takahiro Tani
高浩 谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチの自動分断操作に伴う油圧通路内の
負圧発生を防止する。 【解決手段】 本発明に係る流体圧発生装置10は、作
動流体が収容される第1流体室46aを区画するシリン
ダ45と、シリンダ45内を摺動して前記作動流体を加
圧する第1ピストン48と、前記シリンダ45内に摺動
可能に設けられ、前記第1ピストン48との間に第2流
体室47gを区画する第2ピストン47と、前記第1及
び第2ピストン48,47を作動流体加圧方向に押動す
るロッド49と、前記第2流体室47gに連通され、第
2流体室に圧力流体を導入して前記第1ピストン48を
押動するための導入路55と、前記シリンダ45と前記
第1ピストン48との間に設けられ、前記第1及び第2
流体室46a,47gから隔てられて外部に連通された
大気室48gとを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のクラッチや
ブレーキ等を作動させるマスタシリンダに適用される流
体圧発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、バスやトラック等の大型車両にお
いても変速自動化の要請が高まっている。これらの車両
は一般に車重や積載量が大きく、クラッチ形式として乗
用車に採用されるような流体式トルクコンバータを用い
ると損失大となり燃費の面で不利であるため、このよう
な大型車両においては、特に摩擦クラッチを自動操作に
より断続し、その出力を変速機に送り、この変速機をや
はり自動操作するようにして、変速自動化の達成を図っ
ている。このクラッチの自動操作を行うクラッチ断続装
置としては、空圧の給排により摩擦クラッチの断続操作
を行う倍力装置(クラッチブースタ)を備えたものが一
般的である。
【0003】一方、車両発進時等においてはクラッチの
操作がデリケートとなり、その操作を自動制御で行おう
とすると装置が複雑、高価となってしまうため、この場
合にのみクラッチペダルを用いたマニュアル(手動)操
作を行えるようにして、装置のシンプル化、低価格化を
狙ったものがある。この場合、クラッチペダルの操作に
よりマスタシリンダから油圧を給排し、この油圧の給排
により上記倍力装置への空圧の給排を行うようにしてい
る。(関連技術;実公平4-8023号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発進時を除
く自動変速時、倍力装置にはクラッチペダルを操作せず
とも空圧が給排される。そして特に倍力装置は、空圧が
供給されると内部のパワーピストンを押動させてクラッ
チを分断方向に操作するようになっている。
【0005】しかし、従来の構成において、マスタシリ
ンダからの油圧を送る通路は、上記パワーピストンの移
動に応じて容積変化する倍力装置の油圧シリンダに連通
しており、パワーピストンの押動により油圧シリンダ容
積が増すと、油圧通路内に負圧が発生して気泡が混入
し、クラッチの正確なマニュアル操作を行えない問題が
ある。
【0006】なお、このような負圧発生を防止するため
には、前記実公平4−8023号公報のように、倍力装
置の油圧出力部にマニュアル操作と自動操作とのキャン
セル機構を備える必要があるが、その機構は複雑とな
り、信頼性にも問題がある。従って倍力装置の変更は行
わずに負圧発生を防止すべく、マスタシリンダをクラッ
チペダルだけでなく、制御系(空圧供給回路)によって
も同様に、且つ互いに干渉することなく駆動できるよう
にすることが望ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、作動流体が収
容される第1流体室を区画するシリンダと、シリンダ内
を摺動して前記作動流体を加圧する第1ピストンと、前
記シリンダ内に摺動可能に設けられ、前記第1ピストン
との間に第2流体室を区画する第2ピストンと、前記第
1及び第2ピストンを作動流体加圧方向に押動するロッ
ドと、前記第2流体室に連通され、その第2流体室に圧
力流体を導入して前記第1ピストンを押動するための導
入路と、前記シリンダと前記第1ピストンとの間に設け
られ、前記第1及び第2流体室から隔てられて外部に連
通された大気室とを備えたものである。この構成によれ
ば、圧力流体により第1ピストンを押動し、作動流体を
加圧することができる。また大気室は、第1流体室から
リークした作動流体や、第2流体室からリークした圧力
流体を大気圧に減圧して外部に排出する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の好適実施例を添付図
面に基づいて詳述する。
【0009】図2は、本発明に係る流体圧発生装置が具
備されたクラッチ断続装置を示す全体構成図で、ここに
流体圧発生装置はマスタシリンダとして適用されてい
る。
【0010】図示するように、クラッチ断続装置1は、
比較的高圧の空気(圧力流体)を供給するための空圧供
給手段2を有する。空圧供給手段2は、エンジン(図示
せず)に駆動されて空圧(空気圧)を発生するコンプレ
ッサ3と、コンプレッサ3からの空気を乾燥させるエア
ドライヤ4と、エアドライヤ4から送られてきた空気を
貯留するエアタンク5と、エアタンク5の入口側に設け
られた逆止弁6とから主に構成される。この空圧供給手
段2からの空圧は倍力装置(クラッチブースタ)7に送
られ、倍力装置7はその空圧の供給により摩擦クラッチ
8を分断側(右側)Aに操作するようになっている。ま
た倍力装置7は、クラッチペダル9の操作によりマスタ
シリンダ10から高圧の作動油(作動流体)即ち油圧も
供給されるようになっている。
【0011】図3は倍力装置7の詳細を示す縦断面図で
ある。なおこの倍力装置7は従来同様に構成される。図
示するように、倍力装置7は、そのボディ11に接続さ
れたシリンダシェル12を有し、このシリンダシェル1
2内にピストンプレート(パワーピストン、倍力ピスト
ン)13が、リターンスプリング14により空圧導入側
(図中左側)に付勢されて設けられている。シリンダシ
ェル12の一端には空圧ニップル15が取り付けられ、
この空圧ニップル15が空圧導入口を形成してエアタン
ク5からの空圧を空圧配管35(図2)から導入する。
空圧が導入されるとピストンプレート13がクラッチ8
側(図中右側)に押動され、こうなるとピストンプレー
ト13はピストンロッド16、ハイドロリックピストン
17、さらにはプッシュロッド18を押動してクラッチ
レバー8a(図2)を押し、クラッチ8を分断する。
【0012】一方、ボディ11内部には、油圧導入口た
る油圧ニップル19に連通する油圧通路20が形成され
る。油圧通路20は、ボディフランジ部11aの一端
(下端)側に形成された孔21、ハイドロリックピスト
ン17を収容するハイドロリックシリンダ(油圧シリン
ダ)22(ボディシリンダ部11bに形成される)、及
びハイドロリックシリンダ22に小孔23aを介して連
通する他端(上端)側の制御孔23によって主に形成さ
れる。油圧ニップル19から油圧配管54(図2)の油
圧が導入されると、油圧は上記通路を通って制御孔23
に到達し、制御ピストン24を制御シリンダ25に沿っ
て右側に押動する。このようにボディフランジ部11a
の上端側には、倍力装置7をマニュアル作動させるため
の制御バルブ部7aが形成される。
【0013】制御バルブ部7aは右側に突出する制御ボ
ディ部26によって区画される。制御ボディ部26に
は、前述の制御シリンダ25に同軸に連通するコントロ
ール室27及び空圧ポート28が形成される。コントロ
ール室27にはコントロールバルブ29が、空圧ポート
28にはポペットバルブ30がそれぞれ摺動可能に収容
される。空圧ポート28にはニップル31が取り付けら
れ、このニップル31には空圧配管67(図2)が接続
されて空圧が常に供給されている。
【0014】通常、ポペットバルブ30は、空圧とポペ
ットスプリング32とにより左側に付勢されていて、コ
ントロール室27及び空圧ポート28を連通する連通ポ
ート33を閉じている。よってニップル31からの空圧
はポペットバルブ30の位置で遮断される。しかしなが
ら、クラッチペダル9の特に踏み込み操作により油圧が
供給されると、制御ピストン24及びコントロールバル
ブ29がポペットバルブ30を右側に押動して連通ポー
ト33を開く。こうなると、連通ポート33からコント
ロール室27に侵入した空圧は、詳しくは後述するが、
コントロール室27に連通する空圧配管34,35(図
2)を通じて前述のシリンダシェル12に入り、ピスト
ンプレート13を右側に押動し、クラッチ8を分断側に
操作する。
【0015】ここで、クラッチペダル9によるクラッチ
8のマニュアル(手動)操作時、倍力装置7はクラッチ
ペダル9のストローク量に応じてクラッチ8を所定スト
ロークだけ操作することができる。即ち、例えばクラッ
チペダル9が比較的小さくストローク乃至踏み込まれた
場合、前述の空圧作用によりピストンプレート13が右
側に押動される。ところが、これに連動してハイドロリ
ックピストン17が所定ストロークだけ右側に押動され
ると、油圧通路20の容積が増し制御孔23内の油圧が
下がる。こうなると、制御ピストン24がコントロール
バルブ29をポペットバルブ30に押し付けつつ、ポペ
ットバルブ30が連通ポート33を閉鎖するバランス状
態が生じ、これによりコントロール室27、空圧配管3
4,35及びピストンプレート13背面側室内にて所定
の空圧が保持され、ピストンプレート13を所定ストロ
ーク位置に保持し、クラッチ8を所定位置に保持する。
【0016】また、クラッチペダル9を完全に戻すと、
制御孔23内の油圧がさらに下がって、図示の如く制御
ピストン24が最も左側の原位置に戻される。こうなる
と、コントロールバルブ29がポペットバルブ30から
離れ、コントロールバルブ29の内部に設けられた開放
ポート36がコントロール室27等と連通するようにな
る。すると、その空圧は開放ポート36からブリーザ3
7を通じ大気開放され、これによりピストンプレート1
3を押していた空圧が抜けて、クラッチ8が接続側(左
側)Bに操作される。
【0017】このように、倍力装置7はマニュアル操作
用の制御バルブ部7aを有して、主に発進時等にクラッ
チ8のマニュアル操作を可能とするが、後述するよう
に、変速時におけるクラッチ8の自動操作をも可能とす
るものである。
【0018】なお、倍力装置7において、38は、シリ
ンダシェル12で区画されるシリンダ室12aとハイド
ロリックシリンダ22とを油密に仕切るシール部材、3
9及び40はブリーザ37と連通する大気圧ポート、4
1は緩められると作動油のエア抜きを行えるブリーザで
ある。
【0019】図1はマスタシリンダ10の詳細を示す縦
断面図である。図示するように、マスタシリンダ10
は、長手方向に延出されたシリンダボディ45(シリン
ダ)を有する。シリンダボディ45は、その内部に、長
手方向に一定内径のシリンダボア46を有して略円筒状
に形成される。シリンダボア46の一端(左端)は開放
され、その他端(右端)は、シリンダボディ45内部に
形成された油圧供給ポート(吐出口)53に連通する以
外は閉止される。油圧供給ポート53には油圧配管54
(図2)が接続される。
【0020】シリンダボア46には特に二つのピストン
47,48が独立して摺動可能に装入される。これらピ
ストン47,48は直列配置され、右側に位置する第1
ピストン48が、これより右側のシリンダボア46内壁
との間で、作動油を収容するための油圧室46a(第1
流体室)を区画形成する。油圧室46a内には、第1ピ
ストン48を左側に付勢するリターンスプリング52
と、リターンスプリング52及び第1ピストン48間に
配置されたピストンカップ51とが装入される。ピスト
ンカップ51はシリンダボア46内壁に対し摺動可能と
なっている。
【0021】第1ピストン48は、その右端部、左端部
及び中間部がシリンダボア46内壁に対し摺動可能とな
っており、それ以外の部分は縮径されてシリンダボア4
6内壁との間に隙間を形成している。そして右端の摺動
部48eと中間摺動部48fとの間の隙間は、その右端
摺動部48e及びピストンカップ51によって油圧室4
6aから隔てられた油室48aを形成している。また、
中間摺動部48fと左端の摺動部48bとの間の隙間
は、その中間摺動部48fによって油室48aから隔て
られた大気室48gを形成している。中間摺動部48f
と左端摺動部48bとにはそれぞれ周溝42a,42b
が設けられ、これら周溝42a,42bにはシーリング
カップ43a,43bが収容されて各摺動部48f,4
8bの周りをシールしている。右端摺動部48eにはピ
ストンカップ51が常時当接しており、このピストンカ
ップ51がその摺動部48eの周りを実質的にシールす
る。
【0022】左側に位置する第2ピストン47も、第1
ピストン48同様右端と左端との摺動部47a,47b
がシリンダボア46内壁に対し摺動可能となっている。
そして左端の摺動部47bにも周溝47cが設けられ、
その周溝47cにシーリングカップ47dが収容されて
シールを行っている。第2ピストン47の中央部は縮径
され、これによりシリンダボア46内壁との間には空気
室47eが形成される。特に右端の摺動部47aの右端
面には、右側に突出された縮径突出部47fが形成さ
れ、この縮径突出部47fの外周側のシリンダボア46
内壁との隙間が、第1ピストン48の左端摺動部48b
によって大気室48gから隔てられた空圧室47g(第
2流体室)を形成する。そしてこの空圧室47gに連通
して、シリンダボディ45には、空圧配管62(図2)
を接続させてその空圧を導入する空圧導入ポート55
(導入路)が設けられる。また同様に、シリンダボディ
45には、大気室48gを外部に連通して大気開放する
ための大気ポート44も設けられる。大気ポート44は
その出口部付近が拡径され、その中には防塵用としての
フィルタ部材64が充填装着されている。このフィルタ
部材64としてはグラスウールが用いられている。な
お、73は、空圧室47gと空気室47eとを連通させ
るために設けられた円周上の切欠きである。
【0023】図示状態にあって、第1及び第2ピストン
48,47は、リターンスプリング52に付勢されて左
側の原位置に位置されており、このとき第1ピストン4
8の左端面と、第2ピストン47の縮径突出部47fの
右端面とは互いに当接されている。またこのとき、これ
らピストン48,47の左側への移動は、シリンダボア
46の左端内壁に取り付けられたスナップリング56に
よって規制される。シリンダボア46の左端開口部に
は、クラッチペダル9の踏み込み或いは戻し操作に合わ
せて挿抜するプッシュロッド49(ロッド)の先端部が
挿入される。さらにその開口部はダストブーツ50で閉
止される。プッシュロッド49の先端面は半球状に形成
され、これに合わせて第2ピストン47の左端面も半球
状に窪まされている。なおこれら端面同士は当接・離間
可能である。
【0024】シリンダボディ45には、油圧室46a及
び油室48aにそれぞれ小径ポート60及び大径ポート
61を介して作動油を補給するための給油通路45aが
設けられる。小径ポート60は、第1ピストン48の右
側への押動、或いは作動油加圧方向への移動とともに、
シーリングカップ47d又は右端摺動部48eで閉止さ
れ、一方大径ポート61は常に油室48aに連通するよ
うになっている。そして給油通路45aには給油ニップ
ル57が取り付けられ、給油ニップル57は、作動油が
貯留されたリザーバタンク58(図2)に給油配管59
(図2)を介して接続する。なお油圧室46aには、油
圧供給ポート53を適宜開閉するチェック弁53bも設
けられる。45bは、マスタシリンダ10を車両のボデ
ィ等に固定するためのボルト挿通穴である。
【0025】このマスタシリンダ10にあっては、クラ
ッチペダル9を用いたマニュアル操作と、後述の空圧供
給による自動操作との両方で作動油を加圧し、油圧を発
生することができる。即ち、マニュアル操作のときは、
クラッチペダル9の踏み込みによりプッシュロッド49
を介して両方のピストン48,47を一緒に押動し、こ
れによって油圧室46aの作動油を加圧し、油圧供給ポ
ート53から油圧を供給する。一方、自動操作による場
合は、空圧導入ポート55から空圧室47gに空圧を供
給し、これにより第1ピストン48のみを押動させ、作
動油を加圧する。なおこのとき、空圧は空気室47eに
も流入し、左端摺動部47bにも作用して第2ピストン
47を左側に押すが、その移動はスナップリング56に
よって規制されるため、第2ピストン47は左端側の原
位置にそのまま保持される。
【0026】ここで、空圧により第1ピストン48を押
動すると、空圧室47gと油圧室46aとはともに高圧
となる。このとき、空圧室47gの空気が油圧室46a
にリークすると、油圧室46aや油圧配管54等に気泡
が混入し所定の油圧が得られない。そこで、これら間の
シールを完璧とするため上記大気室48gを介在させる
ようにしている。即ち、大気室48gは大気ポート44
によって外部と連通されて大気圧状態となっている。そ
して万が一空圧室47gの空気がシーリングカップ42
b等を抜けて大気室48gに侵入したとしても、これは
大気圧に減圧され且つ大気ポート44を通じて外部に排
出される。一方、油圧室46aの高圧の作動油が、ピス
トンカップ51及び第1ピストン48の右端摺動部48
eを抜けて油室48aにリークしたとする。しかしこの
油室48aは、リザーバタンク58内の作動油が大気圧
であるため同じく大気圧となっている。よってそのリー
クした作動油は大気圧に減圧されることになる。そして
仮に油室48aの作動油が大気室48gにリークしたと
しても、それは大気ポート44から外部に排出される。
【0027】従って、大気室48g及び油室48aは空
圧室47gと油圧室46a間の圧力の緩衝ゾーンを形成
し、特に大気室48gはリークしてきた空気又は作動油
を外部に排出してシールの完全化を図るものである。ま
た万が一、大気室48gの空気がシーリングカップ42
a等を抜けて油室48aに侵入したとしても(大気圧同
士なのでまずあり得ないが)、これは大径ポート61、
給油配管59を通じてリザーバタンク58内で大気開放
されるため問題はない。
【0028】加えて、このマスタシリンダ10において
は、第1及び第2ピストン48,47の各摺動部48
e,48f,48b,47a,47bのみを部分的に摺
動させるようにしたため、摺動面積を減小して摩擦抵抗
を減らし、これによりスムーズな動作を達成できる。
【0029】また油室48aと大気室48gとの間、及
び大気室48gと空圧室47gとの間にそれぞれシーリ
ングカップ42a,42bを設けて各シーリングカップ
42a,42bを離間したため、前者は作動油のリーク
防止のためのもの、後者は空気リーク防止のためのもの
と役割を分担できて、それぞれ異なった性状(材質、形
状等)のものを使用することができる。特に、空圧室4
7gに導入される空気には、コンプレッサ3でのエンジ
ンオイル上がりによるエンジンオイルミストを含んでお
り、このエンジンオイルと作動油(ブレーキオイル等)
との両者に耐え得るシールカップ材はないという現状か
ら、それぞれに適した十分耐久性のある材質を選定で
き、これによりシールの耐久性を向上することができ
る。
【0030】さて、図2に戻って、マスタシリンダ10
の空圧導入ポート55とエアタンク5とは空圧配管62
で接続され、この空圧配管62には2つの分岐63,6
5が設けられる。分岐63には空圧配管67が接続さ
れ、空圧配管67の他端は倍力装置7のニップル31に
接続される。分岐65には空圧配管68が接続され、こ
の空圧配管68の他端は、空圧配管34及び35にシャ
トル弁(ダブルチェックバルブ)69を介して接続され
る。シャトル弁69は、空圧配管34或いは68の一方
を空圧配管35に接続するよう、圧力差に応じて切替え
を行う。
【0031】ここで、エアタンク5から分岐65、シャ
トル弁69、及び倍力装置7の空圧ニップル15を順に
結ぶ空圧配管62,68,35は第1の空圧供給路aを
形成する。またエアタンク5から分岐63を分岐して倍
力装置7の空圧ニップル15までを結ぶ空圧配管62,
67,34,35は第2の空圧供給路bを形成する。そ
してこれら第1及び第2の空圧供給路a,bはシャトル
弁69により切替可能となる。
【0032】ここで、第1の空圧供給路aの空圧配管6
8には、コンピュータ式制御装置(コントローラ)72
により切替制御される二つの電磁切替弁78,79が設
けられる。これら切替弁78,79は、ONのときには開
となって下流側(倍力装置7側)への空圧の供給を許容
し、OFF のときには空圧供給を遮断する一方、下流側の
空圧を大気開放するようになっている。そして特に上流
側(エアタンク5側)の切替弁78は、下流側の空圧を
絞りを通じて大気開放するようになっている。
【0033】よって、切替弁78,79のONとOFF との
組合せが、ON/ON なら倍力装置7に対し空圧供給を、ON
/OFFなら比較的短時間で空圧排出を、OFF/ONなら比較的
長時間で空圧排出を行うようになっている。なおOFF/OF
F のときはON/OFFのときと実質的に同一である。これは
特に、2段階のクラッチ接続速度を選べることになるか
ら、最適な組合せを選択することでクラッチ接続ショッ
クの低減等を図ることができる。なおクラッチ8の分断
は比較的速い一定速度で行われる。
【0034】一方、エアタンク5とマスタシリンダ10
とを結ぶ空圧配管62は第3の空圧供給路cを形成し、
特にその配管62にも電磁切替弁81が設けられる。切
替弁81は、前記切替弁78,79と同様のもので、制
御装置72により切替制御され、ONのときには空圧をマ
スタシリンダ10に供給し、OFF のときにはマスタシリ
ンダ10からの空圧を大気開放するようになっている。
なお切替弁81の開度をデューティ制御するようにする
と、空圧の供給・排出速度を制御することもできる。
【0035】変速機71は自動変速を行う構成がなされ
ており、即ち、手動シフトレバーで変速ポジションが選
択されると、電気スイッチによる変速信号が制御装置7
2に送られ、図示しないアクチュエータが動作されて実
質的な変速操作を行うようになっている。従って、運転
手はスイッチの切替えを行うのみである。
【0036】他、制御装置72には、アクセルペダル7
5に設けられたストロークセンサ82及びアイドルスイ
ッチ83、変速機71のシフトレバー付近に設けられた
非常スイッチ84、変速機71の出力軸付近に設けられ
た車速センサ85、エアタンク5に設けられた圧力スイ
ッチ86、クラッチペダル9に設けられたペダルスイッ
チ87、及びクラッチ8に設けられたクラッチストロー
クセンサ88等が接続される。
【0037】次に、上記クラッチ断続装置1の動作説明
を行う。
【0038】先ず、自動変速の概要に含めてクラッチ8
の自動分断操作について説明する。運転手のシフト操作
による変速信号の入力により、制御装置72は両方の切
替弁78,79をON乃至開とし、第1の空圧供給路aを
通じ倍力装置7に空圧を供給する。そしてクラッチ8が
分断され、図示しないアクチュエータにより変速機71
の変速操作が完了すると、切替弁78,79を所定の組
合せでOFF とし、倍力装置7の空圧を所定速度で抜いて
クラッチ8の接続操作を行い、変速を完了する。なおこ
こでは、マニュアル操作ではないので空圧配管34内は
低圧であり、よってシャトル弁69は空圧配管68から
の高圧でその配管68のみを配管35に接続する。
【0039】ここで図3を参照して、特にクラッチ8の
自動分断操作時、ハイドロリックピストン17が右側に
移動することで、作動油が充填されているハイドロリッ
クシリンダ22の容積が増し、これにより油圧通路20
及び油圧配管54内等(合わせて油圧通路内という)に
負圧が生じて、作動油に気泡が混入する虞がある。こう
なると油圧の正確な供給を行えず、クラッチ8のマニュ
アル操作が困難となる問題が生じる。
【0040】そこで、かかる構成にあっては、クラッチ
8の自動分断操作時に、マスタシリンダ10の空圧室4
7gに空圧配管62を通じて空圧を供給し、第1ピスト
ン48を適宜押動し、油圧通路内を適当に加圧するよう
にしている。こうすると、油圧通路内の負圧化を防止で
き、トラブルを未然に防止することができる。
【0041】特にかかる構成にあっては、クラッチ8の
自動分断操作時に、切替弁78,79を開とする前に、
切替弁81を若干早めに開として適当な初期圧を与える
ようにしている。このことによって、負圧化の完全な防
止を達成することができる。
【0042】他方、クラッチ8の自動接続操作時、こん
どは切替弁78,79をON/OFF或いはOFF/ONのいずれか
として閉とし、倍力装置7から空圧を排出する。こうす
ると油圧通路内が順次増圧されるから、これに合わせて
空圧室47gの空圧を切替弁81から適宜大気開放させ
る。こうなると第1ピストン48の原位置への復帰が可
能となる。またこのときにも、切替弁78,79を閉と
した後に切替弁81を遅れて閉とし、最後まで空圧を与
えるようにして負圧化の完全防止を図っている。
【0043】次に、クラッチペダル9を用いたマニュア
ル操作時には、クラッチペダル9を踏み込んだ瞬間にマ
スタシリンダ10から油圧が送られ、これにより制御バ
ルブ部7aが開となり、空圧でシャトル弁69が切替
り、空圧配管34,35同士が接続される。こうなる
と、倍力装置7には空圧が供給されてクラッチ8が分断
される。特にこのマニュアル操作時には、油圧通路内を
積極的に加圧するため負圧化は生じない。他方、クラッ
チペダル9を戻せば、倍力装置7から空圧が排出され、
クラッチ8が接続される。なおこのマニュアル操作のと
きは、いずれの切替弁78,79,81もOFF である。
こうして、電気系トラブル等で自動操作が不可能となっ
ても、マニュアル操作によるクラッチ断続が可能とな
り、発進、変速等が可能となる。
【0044】ところで、自動操作の途中、即ちマスタシ
リンダ10の空圧室47gに空圧が供給された状態で、
クラッチペダル9が踏み込まれたときは以下のようにな
る。このとき、第1ピストン48は原位置から所定スト
ロークだけ押動されており、且つ第2ピストン47は原
位置にて空圧が作用されていて、これを空圧反力に逆ら
って強制的に押すことになる。この場合、空圧反力があ
るものの通常の踏力でクラッチペダル9の踏み込みは可
能である。何故なら、その踏み込みにより第2ピストン
47を押動させると、エアタンク5の容量が比較的大き
いことから、空圧室47gの内圧は若干上昇するもの
の、空圧室47gの空気は空圧配管62に逆流するから
である。これにより空圧室47gの内圧をほぼ一定に保
て、第1ピストン48の移動乃至オーバーストロークを
防止して、クラッチ8の誤作動等を防止することができ
る。
【0045】かかる構成にあっては、油圧通路内を負圧
化させない程度に加圧すればよいので、第1ピストン4
8等を特に大径とする必要がなく、マスタシリンダ10
を従来程度の外径に設定でき、大形となるのを防止する
ことができる。
【0046】なお、上記の如き油圧通路の加圧は、倍力
装置7のハイドロリックシリンダ22周辺の内部構造を
変更することによっても可能であるが、こうすると狭い
スペースで複雑な構造を採用せざるを得ず、シール等の
問題もあり信頼性やメンテナンス性の点で不利である。
本実施例は従来同様の倍力装置7に変更を加えることな
く、マスタシリンダ10の構造や空圧回路の構成によっ
て対応しているため、上記の欠点はなく構成がシンプル
となり、十分な信頼性、メンテナンス性等を確保でき
る。そして、クラッチペダル9による機械的な駆動及び
空圧供給制御により、それぞれが互いに干渉することな
く所望の油圧を発生させることができる。
【0047】このように、かかる流体圧発生装置(マス
タシリンダ)を用いれば、クラッチの自動操作時におけ
る油圧通路内の負圧発生を防止することができる。また
本発明は上記実施例の他にも変形実施例が可能である。
上記実施例においては圧力流体を空気とし、大型車両に
通常装備されているコンプレッサを利用するようにした
が、これを例えば作動油等とすることもできる。また作
動流体を空気とすることもできる。そして本発明は、マ
スタシリンダ以外のものにも広く適用可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0049】(1) クラッチの自動操作時、油圧通路
内の負圧状態となることを防止でき、作動油に気泡が混
入することがないので、クラッチのマニュアル操作が困
難となるなどのトラブルを未然に防げる。
【0050】(2) 従来の装置を大きく変更すること
なく、シンプルな構成により(1)の効果を得ることが
できるので、十分な信頼性を確保できる。
【0051】(3) 大気室にリークしてきた作動流体
や加圧流体を大気圧に減圧して外部に排出でき、シール
性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体圧発生装置の一実施例を示す
縦断面図である。
【図2】本発明に係る流体圧発生装置が具備されたクラ
ッチ断続装置を示す全体構成図である。
【図3】倍力装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ(流体圧発生装置) 45 シリンダボディ(シリンダ) 46a 油圧室(第1流体室) 47 第2ピストン 47g 空圧室(第2流体室) 48 第1ピストン 48g 大気室 49 プッシュロッド(ロッド) 55 空圧導入ポート(導入路)
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】なお、倍力装置7において、38は、シリ
ンダシェル12で区画されるシリンダ室12aとハイド
ロリックシリンダ22とを油密に仕切るシール部材、3
9及び40はブリーザ37と連通する大気圧ポート、4
1は緩められると作動油のエア抜きを行えるブリーダ
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 康 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 高野 孝雄 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番1号 いすゞ自動車株式会社川崎工場内 (72)発明者 谷 高浩 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番1号 いすゞ自動車株式会社川崎工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体が収容される第1流体室を区画
    するシリンダと、該シリンダ内を摺動して前記作動流体
    を加圧する第1ピストンと、前記シリンダ内に摺動可能
    に設けられ、前記第1ピストンとの間に第2流体室を区
    画する第2ピストンと、前記第1及び第2ピストンを作
    動流体加圧方向に押動するロッドと、前記第2流体室に
    連通され、該第2流体室に圧力流体を導入して前記第1
    ピストンを押動するための導入路と、前記シリンダと前
    記第1ピストンとの間に設けられ、前記第1及び第2流
    体室から隔てられて外部に連通された大気室とを備えた
    ことを特徴とする流体圧発生装置。
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