JPH0952325A - 耐侯性強化積層体およびその製造方法 - Google Patents

耐侯性強化積層体およびその製造方法

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JPH0952325A
JPH0952325A JP7229601A JP22960195A JPH0952325A JP H0952325 A JPH0952325 A JP H0952325A JP 7229601 A JP7229601 A JP 7229601A JP 22960195 A JP22960195 A JP 22960195A JP H0952325 A JPH0952325 A JP H0952325A
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JP
Japan
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film
thermoplastic resin
woven fabric
layer
tape
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Application number
JP7229601A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Kokuri
哲郎 国裡
Tsutomu Shioura
勉 塩浦
Hideki Kamei
秀樹 亀井
Tsuneji Funayama
恒司 舟山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、透明性および機械的強度、ヒートシ
ール性等に優れる耐侯性強化積層体およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 少なくともアクリルフィルムまたはシー
トの1層と熱可塑性樹脂フイルムまたはテープの一軸延
伸体からなる不織布または織布の少なくとも1層とを積
層一体化してなることを特徴とする耐候性強化積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐候性と透明性を有
し、引裂強度等の機械的強度やポリオレフイン等の非極
性樹脂とのヒートシール性に優れる耐候性強化積層体お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリルフイルムまたはシート
(以下、場合により単にフイルムという)は透明性、耐
候性に優れるため、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂等とラミネートされてハウス用被覆材等の農業
用資材、カーポート用屋根材等の産業用資材、壁紙、イ
ンテリア等の内装材、ガラス窓用遮光フイルム、広告塔
のカバーフイルム等のオーバーレイフイルム等として使
用されている。しかしながら、このアクリルフイルムは
引裂強度等の機械的強度が弱く、アクリルフイルム単体
では使用し難いという欠点を有している。またポリ塩化
ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等と熱
ラミネートされて使用されているが、ポリオレフイン系
樹脂等の非極性樹脂とのヒートシール性に劣るという課
題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果なされたものであっ
て、耐候性、透明性および機械的強度、ヒートシール性
等に優れる耐侯性強化積層体およびその製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的に沿って鋭意検討した結果、透明性、耐候性に優れる
アクリルフィルムと特に熱可塑性樹脂フイルムまたはテ
ープの一軸延伸テープからなる不織布または織布、ある
いは一軸延伸フィルムを割繊してなる網状フィルムから
なる不織布を張り合わせることにより優れた性能を発揮
することを見出して本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明の請求項1は、少なくと
もアクリルフィルムまたはシートの1層と熱可塑性樹脂
フイルムまたはテープの一軸延伸体からなる不織布また
は織布の少なくとも1層とを積層一体化してなることを
特徴とする耐候性強化積層体である。
【0006】本発明の請求項2は、前記熱可塑性樹脂フ
イルムまたはテープの一軸延伸体からなる不織布または
織布が、結晶性の第1の熱可塑性樹脂層の少なくとも片
面に第1の熱可塑性樹脂より低い融点を有する第2の熱
可塑性樹脂層を積層した多層フィルムから形成されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の耐候性強化積層体
である。
【0007】本発明の請求項3は、前記熱可塑性樹脂フ
イルムまたはテープの一軸延伸体が(a)縦一軸配向網
状フィルム、(b)横一軸配向網状フィルム、(c)一
軸配向テープから選択された1種であることを特徴とす
る請求項1または2に記載の耐候性強化積層体である。
【0008】本発明の請求項4は、少なくともアクリル
フィルムまたはシートの1層と熱可塑性樹脂の一軸延伸
体からなる不織布または織布の少なくとも1層とを接着
剤を介して積層一体化してなることを特徴とする耐候性
強化積層体の製造方法である。
【0009】本発明の請求項5は、予めアクリルフィル
ムまたはシートの少なくとも一面に接着剤を塗布したア
クリルフイルムまたはシートと熱可塑性樹脂フイルムま
たはテープの一軸延伸体からなる不織布または織布とを
加熱し、熱融着により積層一体化してなることを特徴と
する耐候性強化積層体の製造方法である。
【0010】
【作用】耐候性、透明性に優れるアクリルフイルムに特
定の熱可塑性樹脂の一軸延伸されたフイルムまたはテー
プからなる不織布または織布を積層することにより、引
裂強度等の機械的強度と、ポリオレフイン等の非極性樹
脂とのヒートシールができる積層体となり、積層体の応
用範囲を種々拡張展開できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明の一例の断面図を示したも
のであり、1の耐候性強化積層体は、2のアクリルフイ
ルム(PMMA)と3の一軸延伸体からなる不織布また
は織布(以下不織布といい、略してCLAFとする)を
4の接着剤(HM)を介して接着されている(PMMA
/HM/CALF)。
【0012】図2の耐侯性強化積層体1Aは、3Aの不
織布(CLAF)の両面に4A、4A′の接着剤(H
M)を2A、2A′のアクリルフイルム(PMMA)を
積層一体化したものである(PMMA/HM/CLAF
/HM/PMMA)。
【0013】図3の耐侯性強化積層体1Bは、2Bのア
クリルフイルム(PMMA)の両面に4B、4B′の接
着剤(HM)を3B、3B′の不織布(CLAF)を積
層一体化したものである(CLAF/HM/PMMA/
HM/CLAF)。本発明の耐候性強化積層体は、上記
の2層または3層構造に限定されるものではなく、4
層、5層等の多層構造でもよい。
【0014】また、図4の1Cように、アクリルフィル
ム(PMMA)2に接着剤(HM)4を介して不織布
(CLAF)3を積層し、該不織布3の第2の熱可塑性
樹脂層にポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)等のポリエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリエステ
ル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物(EVOH)等の熱可塑性フイルムおよびそれらの延
伸フィルム、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布
等の不織布または織布、紙、アルミニウム箔等の基材5
を積層してもよい。具体的な例としてはPMMA/HM
/CLAF/EVA、PMMA/HM/CLAF/P
E、PMMA/HM/CLAF/PC、CLAF/HM
/PMMA/HM/CLAF/EVA等の積層体が挙げ
られる。
【0015】本発明で用いるアクリルフィルムまたはシ
ートとは、ポリメタアクリル樹脂、ポリアクリル樹脂ま
たはその誘導体からなる樹脂フイルムまたはシートであ
って、ポリメチルメタアクリル樹脂、ポリエチルメタア
クリル樹脂、ポリメチルアクリル樹脂、ポリエチルアク
リル樹脂等が挙げられる。具体的には、商品名:アクリ
プレン(三菱レイヨン(株)製)、商品名:サンデユレ
ン(鐘淵化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0016】本発明で用いる熱可塑性樹脂フイルムまた
はシートの一軸延伸体からなる不織布または織布とは、
結晶性の熱可塑性樹脂フィルムを延伸または圧延して得
られる一軸延伸体であって、例えば延伸テープ、フラッ
トヤーン、割繊維膜等を配向軸が交差するように織成ま
たは織らずに、経緯積層したものである。
【0017】特に結晶性の第1の熱可塑性樹脂層の少な
くとも片面に、第1の熱可塑性樹脂より低い融点を有す
る第2の熱可塑性樹脂層を付与して形成する多層延伸体
が好ましい。より具体的には、結晶性の第1の熱可塑
性樹脂層の少なくとも片面に、第1の熱可塑性樹脂より
低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂層を付与して形成
した延伸テープを経緯積層した不織布もしくは織成した
織布、溶融樹脂を押出成形によりフィルム化して、延
伸後、割繊した網状組織の割繊維膜または同割繊維膜を
経緯積層した割繊維膜不織布、溶融樹脂を押出成形に
よりフィルム化して、熱刃等でスリットを入れ、延伸さ
せた網状フィルムを経緯積層した不織布、多層延伸膜
を熱針、パンチング等で貫通した貫通膜を積層した不織
布等が挙げられる。これらの中でも後述の多層フィルム
を延伸し、割繊した網状組織を有する割繊維膜、多層フ
ィルムにスリットを入れ、その後延伸して得られる網状
フィルムまたはこれら割繊維膜または網状フィルムを経
緯積層した不織布、延伸テープまたは延伸テープを経緯
積層または経緯織成した不織布もしくは織布が好まし
い。
【0018】本発明における熱可塑性樹脂フイルムまた
はシートの一軸延伸体として好ましいものは、(a)縦
一軸配向網状フィルム、(b)横一軸配向網状フィル
ム、(c)一軸延伸テープが好ましく使用される。
【0019】本発明において(a)一軸配向網状フィル
ムとは、図5に示されるように、好ましくは第1の熱可
塑性樹脂(I)と、該第1の熱可塑性樹脂(I)より低
い融点を有する接着層(II)とを用い、多層インフレー
ション法、多層Tダイ法等の押出成形により製造した、
少なくとも2層以上の多層フィルムを縦方向に伸長倍率
1.1〜15倍、好ましくは3〜10倍に一軸延伸した
後、スプリッターで縦に千鳥掛け状に割繊化し、所望に
より固定化した一軸延伸網状フィルムとするものであ
る。図5において、縦一軸延伸網状フィルム11は、結
晶性の第1の熱可塑性樹脂層12と第1の熱可塑性樹脂
より低融点の第2の熱可塑性樹脂層13で構成され、幹
繊維14と枝繊維15で網状体が形成されている。
【0020】本発明において(b)横一軸配向網状フィ
ルムとは、図6に示されるように前記(a)と同様に、
好ましくは第1の熱可塑性樹脂(I)と、該第1の熱可
塑性樹脂(I)より低い融点を有する接着層(II)とを
用い、多層インフレーション法、多層Tダイ法等の押出
成形により製造した、少なくとも2層以上の多層フィル
ムを縦方向に1.1〜3倍位に圧延等で微配向した後、
熱刃等で横方向に千鳥掛け状にスリットを入れ、横方向
に伸長倍率1.1〜15倍、好ましくは3〜10倍に横
延伸して得た横一軸配向網状フィルムである。図6にお
いて、横一軸延伸網状フィルム16は、上記同様に結晶
性の第1の熱可塑性樹脂層12と第1の熱可塑性より低
融点の第2の熱可塑性樹脂層13で構成され、繊維はほ
ぼ同じ太さで網状体が形成されている。
【0021】本発明において(c)一軸延伸テープと
は、好ましくは図7に示されるように第1の熱可塑性樹
脂(I)と、該第1の熱可塑性樹脂(I)より低い融点
を有する接着層(II)とを用い、多層インフレーション
法、多層Tダイ法等の押出成形により製造した少なくと
も2層以上の多層フィルムを裁断前および/または後
に、縦および/または横手方向に伸長倍率1.1〜15
倍、好ましくは3〜10倍に一軸配向し、裁断して一軸
延伸多層テープとするものである。図7において、一軸
延伸多層テープ17も上記同様に結晶性の第1の熱可塑
性樹脂層12と第1の熱可塑性樹脂より低融点の第2の
熱可塑性樹脂層13で構成されている。
【0022】本発明の代表的な(a)縦一軸延伸網状フ
ィルムを製造する方法は、1)押出成形による第1の熱
可塑性樹脂(I)と、該第1の熱可塑性樹脂(I)より
低い融点を有する接着層(II)を構成する多層フィルム
を製造する製膜工程と、2)該多層フィルムの延伸工程
と、3)延伸多層フィルムを配向軸と平行にスプリット
化またはスリット化する工程と、4)スプリット化また
はスリット化した延伸多層フィルムを所望により拡幅
し、接着層(II)を介して配向軸を交差するように経緯
積層する工程と、5)積層フィルムを熱融着する工程と
を包含する。以下各工程を説明する。
【0023】1)製膜工程とは、好ましくはインフレー
ション成形により第1の熱可塑性樹脂層(I)を中心層
とし、内および/または外層に該第1の熱可塑性樹脂
(I)より低い融点を有する接着層(II)を配して多層
フィルムを作成する工程である。 2)延伸工程とはロール延伸法により第1段で1.1〜
8倍、好ましくは5〜7倍に1次配向させ、さらに第2
段以降で、初期寸法に対し延伸倍率5〜15倍、好まし
くは6〜10倍に2次、3次の一軸延伸を行う工程であ
る。 3)スプリット化工程とは上記延伸した多層フィルムを
高速で回転するスプリッター(回転刃)に該延伸多層フ
ィルムを摺動接触させてフィルムにスプリット(割繊
化)を行う。また、スリット化工程とは該延伸多層フィ
ルムを回転する焼き刃で押圧して千鳥掛け状に網状化す
る工程である。 4)経緯積層工程とは、該スプリット化またはスリット
化された網状フイルムを所望により拡幅し、接着層(I
I)を介して配向軸が交差するように経緯積層する工程
である。該交差積層とは、直交、斜交等いずれでもよ
い。 5)熱融着工程とは、上記配向軸を交差するように経緯
積層した網状フイルムを加熱シリンダー上に供給し、幅
収縮が起きないように固定しながら中心層の第1の熱可
塑性樹脂の延伸性が失われないように、融点以下接着層
の融点以上の温度で熱融着する工程により製造される。
【0024】また、(b)横一軸配向網状フィルムを製
造する方法は、1)押出成形による第1の熱可塑性樹脂
(I)と、該第1の熱可塑性樹脂(I)より低い融点を
有する接着層(II)を構成する多層フィルムを製造する
製膜工程と、2)該多層フィルムを長手方向に対して直
角にスリットを入れる工程と、3)スリットを入れたフ
ィルムを横方向に延伸する工程と、4)該延伸フィルム
を接着層(II)を介して配向軸が交差するように経緯積
層する工程と、5)積層フィルムを熱融着する工程とを
包含する。
【0025】一方、延伸多層テープの具体的な製法とし
ては、まず結晶性の熱可塑性樹脂(I)とそれより低い
融点を有する接着層(II)の樹脂を、多層インフレーシ
ョン法、多層Tダイ法等の押出成形により成形して、2
層または3層からなる多層フィルムを製造する。次いで
上記多層フィルムを延伸し、一軸配向させる。該配向倍
率(延伸倍率)は、1.1〜15倍であるが、好ましく
は多段で配向することが延伸むらを防止するために望ま
しい。例えば、第1段で1.1〜8倍、好ましくは5〜
7倍に1次配向させ、さらに第2段以降で、初期寸法に
対し延伸倍率5〜15倍、好ましくは6〜10倍に2
次、3次の配向を行う。
【0026】上記一軸延伸多層フィルムまたは延伸多層
テープの延伸倍率が1.1倍未満では、織布や不織布の
機械的強度が十分でない。一方、延伸倍率が15倍を超
える場合は、通常の方法で延伸させることが難しく、高
価な装置を必要とする等の問題が生ずる。延伸テープの
場合には上記フィルムを幅3mm〜50mm、 好まし
くは5mm〜30mmのテープ状に裁断した後、長手方
向に圧延および/または延伸によって一軸配向するか、
または一軸配向した後にテープ状に裁断してもよい。
【0027】上記一軸延伸テープまたは一軸延伸テープ
を経緯積層した不織布もしくは織成した織布とは、第1
の熱可塑性樹脂と、第1の熱可塑性樹脂より低い融点を
有する第2の熱可塑性樹脂とを用い、多層インフレーシ
ョン法、多層Tダイ法等の押出成形により製造した少な
くとも2層以上の多層フィルムを裁断前および/または
後に、縦および/または横手方向に伸長倍率1.1〜1
5倍、好ましくは3〜10倍に一軸または二軸配向し、
裁断して多層テープを製造し、同多層テープを配向軸に
対して直角または斜方向に経緯織成し、もしくは積層し
て熱固定し、織布(図10)または不織布(図9)とす
るものである。
【0028】上記配向倍率(伸長倍率)は、1.1〜1
5倍であるが、好ましくは多段で配向することが延伸む
らを防止するために望ましい。例えば、第1段で1.1
〜8倍、好ましくは5〜7倍に1次配向させ、さらに第
2段以降で、初期寸法に対し伸長倍率5〜15倍、好ま
しくは6〜10倍に2次、3次の配向を行う。上記多層
延伸フィルムの伸長倍率が1.1倍未満では、織布や不
織布の機械的強度が十分でない。一方、伸長倍率が15
倍を超える場合は、通常の方法で伸長させることが難し
く、高価な装置を必要とする等の問題が生ずる。これら
の多層一軸延伸テープとしては、第1の熱可塑性樹脂層
の両面に第2の熱可塑性樹脂層を付与して3層構造とし
たものを使用してもよい。また熱固定の方法としては、
加熱シリンダードラムに巻きながら上記織布または積層
したシートを連続的に加熱固定する方法が最も好まし
い。
【0029】本発明の一軸延伸体からなる不織布または
織布の具体例は上記(a)の縦一軸配向網状フィルム、
(b)横一軸配向網状フィルム、(c)一軸延伸テープ
を所望により拡幅し熱固定して、図8、図9および図1
0に示されるように経緯積層し、熱固定したものであ
る。図8は(a)の縦一軸配向網状フィルム11同士を
経緯積層した網状不織布18の拡大模式図であり、図9
は(c)一軸延伸テープ17同士を経緯積層した網状不
織布19の拡大模式図であり、図10は(c)一軸延伸
テープ17同士を経緯織成した織布20の拡大模式図で
ある。図8の高密度ポリエチレン系の網状不織布の具体
的な商品としては「日石ワリフ」等が挙げられる。
【0030】配向方法としては、圧延法または延伸法の
いずれでもよいが、延伸法においては、特に擬一軸延伸
法が好ましい。本発明でいう圧延法とは、熱可塑性樹脂
フィルムを、その厚みより小さい間隙を有する2本の加
熱ロールの間を通過させ、同樹脂フィルムの融点(軟化
点)より低い温度において圧延して、厚みの減少分だけ
長さを伸長する方法をいう。また擬一軸延伸法とは、熱
可塑性樹脂フィルムを、ロール間隙をできるだけ小さく
した低速ロールと高速ロール(近接ロール)の間を通過
させ、幅方向の収縮をなるべく小さく抑えて延伸する方
法である。
【0031】上記多層フィルムの第1の熱可塑性樹脂層
と第2の熱可塑性樹脂層との厚み比率は、特に限定され
ないが、第1の熱可塑性樹脂より低融点の第2の熱可塑
性樹脂が接着層として使われる場合には、その厚みを多
層フィルム全体の厚みの50%以下、好ましくは40%
以下とする。第2の熱可塑性樹脂層の厚みは、5μm以
上であれば熱融着時の接着強度等の諸物性を満足する
が、好ましくは10〜100μmの範囲から選択され
る。
【0032】本発明で用いる結晶性の第1の熱可塑性樹
脂としては、高・中密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、
ポリヘキセン−1等のα−オレフィンの単独重合体、プ
ロピレン−エチレン共重合体等のα−オレフィン同士の
共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール等の結晶
性樹脂類が挙げられる。
【0033】本発明に用いる低融点の第2の熱可塑性樹
脂としては、高・中・低密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体およ
びエチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル
共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、エチレン−マレイン酸またはそのエステル共重合
体;ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等
のプロピレン系重合体;不飽和カルボン酸を用いて変性
したポリオレフィン;共重合ポリエステル等が挙げられ
る。製造上の理由から、上記第1の熱可塑性樹脂との融
点の差は少なくとも5℃以上が必要であり、好ましくは
10〜50℃以上である。
【0034】多層延伸フィルムの具体的な樹脂の構成と
しては、高密度ポリエチレン(HDPE)/低密度ポリ
エチレン(LDPE)、LDPE/HDPE/LDP
E、HDPE/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、EVA/HDPE/EVA、ポリプロピレン(P
P)/プロピレン−エチレン共重合体(PEC)、PE
C/PP/PEC、ポリエステル(PEs)/共重合ポ
リエステル(CPEs)、CPEs/PEs/CPEs
等が挙げられる。
【0035】本発明に用いられる接着剤4としては、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体のエマルジョンまたはホッ
トメルト、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着
剤、ポリアミド系接着剤等が挙げられる。
【0036】本発明の耐候性強化積層体の製造法とは、
アクリルフイルムと前記熱可塑性樹脂フィルムまたはシ
ートの一軸延伸体からなる不織布または織布との間に接
着剤としてホットメルトを介して、ホットメルトの融点
以上一軸延伸体の融点以下で接着し、一体化するもので
ある。他の方法としては、予めホットメルト等の接着剤
を塗布したアクリルフイルムに一軸延伸体からなる不織
布または織布を積層して、加熱シリンダー等で熱接着す
る方法が挙げられる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。実施例1 〔多層延伸膜からなる割繊維不織布の製造〕多層水冷イ
ンフレーション法により、第1の熱可塑性樹脂として高
密度ポリエチレン(HDPEと称する、MFR1.0g
/10min、密度0.956g/cm3、融点129
℃;商品名:日石スタフレンE710、日本石油化学
(株)製)を内部層とし、その両面に第2の熱可塑性樹
脂として低密度ポリエチレン(LDPEと称する、MF
R3.0g/10min、密度0.924g/cm3
融点109℃;商品名:日石レクスロンF30、日本石
油化学(株)製)を配して、多層フィルムを製造し、該
多層フィルムを8倍延伸した後、スプリット(割繊)
し、幅1mの3層構造からなる縦一軸延伸網状フィルム
(a)を得た。次いで該縦一軸延伸網状フィルムを配向
軸が直交するように経緯積層して割繊維不織布(坪量3
5g/m2)を製造した。 〔耐候性強化積層体の製造〕予めホットメルト(EVA
系接着剤、商品名:ヒロダイン7520、ヒロダイン工
業(株)製)をTダイを使用して加工温度200℃、加
工速度50m/min.で加工処理したアクリルフイル
ム(商品名:アクリプレン、三菱レイヨン(株)製)に
上記割繊維不織布を温度85℃、加工速度30m/mi
n.圧力2.0〜4.0kg/cm2で熱融着し、耐候
性強化積層体(PMMA25μm/HM15μm/CL
AF坪量35g/m2)を得た。この耐候性強化積層体
の機械的強度は強く、耐候性、透明性は良好であった。
【0038】実施例2 多層水冷インフレーション法により、第1の熱可塑性樹
脂として高密度ポリエチレン(HDPEと称する、MF
R1.0g/10min、密度0.956g/cm3
融点129℃;商品名:日石スタフレンE710、日本
石油化学(株)製)を内部層とし、その両面に第2の熱
可塑性樹脂として低密度ポリエチレン(LDPEと称す
る、MFR3.0g/10min、密度0.924g/
cm3、融点109℃;商品名:日石レクスロンF3
0、日本石油化学(株)製)を配して、多層フィルムを
製造し、該多層フィルムに熱刃で横方向にスリットを入
れ、特公昭57−30368号公報の横延伸装置により
図6に示される横一軸延伸網状フィルム(b)を得、次
いで実施例1の縦一軸延伸網状フィルム(a)と経緯積
層して割繊維網状不織布(坪量31g/m2)を製造
し、実施例1と同様にして耐候性強化積層体(PMMA
25μm/HM15μm/CLAF坪量31g/m2
を得た。この耐候性強化積層体の機械的強度は強く、耐
候性、透明性は良好であった。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の耐候性強化積層
体は、耐候性、透明性が良好であり、機械的強度に優
れ、ポリオレフイン等に対してヒートシール性等の二次
加工性を有し、熱融着により簡単に接着するため、農・
園芸用、土木建築用、物流資材、包装資材等に適してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の耐侯性強化積層体の第1の実施例の
断面図。
【図2】 本発明の耐侯性強化積層体の第2の実施例の
断面図。
【図3】 本発明の耐侯性強化積層体の第3の実施例の
断面図。
【図4】 本発明の耐侯性強化積層体の第4の実施例の
断面図。
【図5】 縦一軸配向網状フィルムの斜視図。
【図6】 横一軸配向網状フィルムの斜視図。
【図7】 一軸配向多層テープの各々の斜視図。
【図8】 割繊維不織布の斜視図。
【図9】 延伸テープからなる不織布の平面図。
【図10】 延伸テープからなる織布の斜視図。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C:耐侯性強化積層体、2,2A,
2A′,2B:アクリルフィルム、3,3A,3B,3
B′:不織布、4,4A,4A′,4B,4B′:ホッ
トメルト接着剤、5:基材、11:縦一軸延伸網状フィ
ルム、12:第1の熱可塑性樹脂、13:第2の熱可塑
性樹脂、14:幹繊維、15:枝繊維、16:横一軸延
伸網状フィルム、17:一軸延伸多層テープ、18,1
9:網状不織布、20:織布。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀井 秀樹 東京都中央区京橋二丁目3番19号三菱レイ ヨン株式会社内 (72)発明者 舟山 恒司 東京都中央区京橋二丁目3番19号三菱レイ ヨン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともアクリルフィルムまたはシー
    トの1層と熱可塑性樹脂フイルムまたはテープの一軸延
    伸体からなる不織布または織布の少なくとも1層とを積
    層一体化してなることを特徴とする耐候性強化積層体。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂フイルムまたはテープ
    の一軸延伸体からなる不織布または織布が、結晶性の第
    1の熱可塑性樹脂層の少なくとも片面に第1の熱可塑性
    樹脂より低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂層を積層
    した多層フィルムから形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の耐候性強化積層体。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂フイルムまたはテープ
    の一軸延伸体が下記(a)、(b)、(c)から選択さ
    れた1種であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の耐候性強化積層体。 [一軸配向体] (a)縦一軸配向網状フィルム (b)横一軸配向網状フィルム (c)一軸配向テープ
  4. 【請求項4】 少なくともアクリルフィルムまたはシー
    トの1層と熱可塑性樹脂フイルムまたはテープの一軸延
    伸体からなる不織布または織布の少なくとも1層とを接
    着剤を介して積層一体化してなることを特徴とする耐候
    性強化積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 予めアクリルフィルムまたはシートの少
    なくとも一面に接着剤を塗布したアクリルフィルムまた
    はシートと熱可塑性樹脂フイルムまたはテープの一軸延
    伸体からなる不織布または織布とを加熱し、熱融着によ
    り積層一体化してなることを特徴とする耐候性強化積層
    体の製造方法。
JP7229601A 1995-08-16 1995-08-16 耐侯性強化積層体およびその製造方法 Pending JPH0952325A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005047234A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Nippon Petrochemicals Co Ltd 補強層入り包装材料およびこれを用いた包装袋
JP2012184645A (ja) * 2011-02-16 2012-09-27 Achilles Corp 農畜産用の断熱パネル
JP2016052730A (ja) * 2014-09-03 2016-04-14 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 網状積層不織布

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