JPH0952308A - 積層体 - Google Patents
積層体Info
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- JPH0952308A JPH0952308A JP20720795A JP20720795A JPH0952308A JP H0952308 A JPH0952308 A JP H0952308A JP 20720795 A JP20720795 A JP 20720795A JP 20720795 A JP20720795 A JP 20720795A JP H0952308 A JPH0952308 A JP H0952308A
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Abstract
な通気性を有し、寸法安定性にも優れ、高温応力下、酸
性条件下などの厳しい条件下でも長期間使用可能な、バ
グフィルター濾過集塵装置に用いられる濾布に好適な素
材を提供すること。 【解決手段】 基布の両面にウェブを有し、そして該基
布と該ウェブが絡合されているシート状積層体であっ
て、該基布はポリイミドおよび/またはポリテトラフル
オロエチレンから構成され、該基布の縦方向の引張強力
は40〜200kgf/5cm幅であり、該ウェブはポ
リイミド繊維から構成され、そして該積層体は、縦方向
の引張強力が40〜250kgf/5cm幅であり、縦
方向および横方向の乾熱収縮率がいずれも0.8%以下
であり、そして5〜30ml/cm2/secの通気性
を有する。
Description
フィルター濾過装置に使用される濾布に好適に用いられ
る積層体、特に、高温応力下、酸性条件下などの厳しい
条件下において、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、およ
び強度のいずれにも優れた濾布として好適に用いられる
積層体に関する。
において、都市ゴミなどの燃焼時に発生するSO2、S
O3、NO、NO2、NO3、HCl、Cl2、HFなどの
ガスはそれら自体有害であり、さらに、ダイオキシンな
どの有害物質を含むダストを含んでいる。このようなダ
ストを除去するために行われる排ガス集塵は、大気汚染
防止策として非常に重要である。排ガス集塵には、電気
集塵法、バグフィルター濾過集塵法などによる方法が用
いられており、特に、バグフィルター濾過による集塵は
最も優れた方法の一つであることがよく知られている。
最近は、ダイオキシン環境指標問題などの観点から、電
気集塵法からバグフィルター濾過集塵法への移行が目立
っている。
濾布(フィルターバグ)が用いられる。排ガス中に含ま
れるダストは濾布表面上に付着して濾過される。濾布に
付着し蓄積したダストは定期的または必要に応じて払い
落とされることにより除去され、一方、濾布は繰り返し
使用される。
えば、幾つかに分かれたブロック毎に濾過作業を一時停
止して機械的振動や逆気流により払い落としを行う方法
や、袋状濾布の外側から内側へ対象ガスを通過させて濾
過を行いながら、内側に高圧エアーを瞬時流入すること
により、濾布の外側に堆積したダストを払い落とすパル
スジェット方式などがある。これらのうち、パルスジェ
ット方式は連続的かつ高速にダストの払い落としが可能
であるため、最も有効な払い落とし方法として、最近広
く用いられている。
に用いられる濾布は、通常、種々の繊維から形成され、
そして円形または楕円形の断面を有する筒状または封筒
のように偏平な袋状の形状に形成されており、いずれの
形状であっても装置1台あたり数十本から数百本の単位
で使用される。このような濾布は、高温応力下、酸性雰
囲気などの厳しい条件下で行われる上記都市ゴミ焼却
炉、産業廃棄物焼却炉などでの排ガス集塵に用いられる
場合には、微細なダストをも効率よく集塵できるように
集塵機能が大きく、かつ、耐熱性および耐薬品性に優れ
ることが重要である。
は、濾過および払い落とし作業を円滑に行い、かつ、濾
布を支えるために、鳥かご状のリテーナーと呼ばれる金
属製支持体が用いられ、リテーナーに被せる形で濾布が
使用されているものがある。この場合、濾過および払い
落とし作業が繰り返し行われることにより、濾布がリテ
ーナーとの接触部においてダメージを受け易いという問
題点がある。バグフィルター濾過集塵装置にはまた、上
記のようなリテーナーを用いず、濾布の収縮による長さ
の変化に対応できるように濾布をスプリングによって緊
張させた状態で使用する内面濾過方式バグフィルター濾
過集塵装置もある。この場合には、高温下で長時間使用
すると濾布の寸法変化が起こり、それにより、スプリン
グが伸びてしまったり、破損もしくは破損寸前の状態に
なるという問題がある。
などの厳しい条件下でも、耐熱性、耐薬品性、および寸
法安定性に優れ、強度が高く、そして集塵効率の高い濾
布が要求されている。
ラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド(以下PP
S)繊維、ポリイミド繊推、フッ素系繊維、およびガラ
ス繊維などの濾布素材を用いて、基布とウェブとを積層
し、ニードルパンチを用いて絡合する方法;噴射水流に
よる絡合などの方法により積層体を形成し、得られた積
層体を所定の形状に形成することにより得られる。
のうち、メタアラミド繊維は、耐薬品性が低い。そのた
め、フッ素系樹脂などで処理して耐酸性を向上させたも
のも市販されているが、耐久性の点で限界がある。PP
S繊維は、耐薬品性には優れるが、耐熱性にやや劣り、
高温での長期間の使用に適さない。フッ素系繊維は、耐
熱性および耐薬品性のいずれにも優れるが、強度が十分
でなく、非常に高価であるため、用途が限定されてい
る。ガラス繊維は、耐折強度に劣るため、連続で払い落
としが行われるパルスジェット方式の高速濾過には適さ
ない。
どの粘着性成分を高い割合で含有している場合には、ダ
ストの濾布からの剥離性が不十分であり、ダストの払い
落とし効率が低く、濾布が汚染されて目詰まりを起こし
やすいため十分な濾過効果が得られないという問題があ
る。
は、上記繊維を用いて得られた濾布に撥水撥油剤を付与
し、濾布表面をシリコン系、フッ素系などの撥水撥油剤
の成分で被覆することにより、濾布の耐薬品性およびダ
スト剥離性を向上させ、濾布素材を保護すると共に濾布
表面の特性を変えるという方法がとられているが、十分
な効果が得られていない。
耐熱性、耐薬品性、および強度のいずれにも優れ、コス
ト面でも有利であるため、最近、濾布用素材として専ら
用いられている。しかし、ポリイミド繊維は、Y字形断
面、L字形断面、U字形断面などが混在する異形断面を
特徴とし、融点がなく、ガラス転移点も315℃と高い
ため、上記従来の製造法により製造された濾布では、ポ
リイミド繊維が用いられていてもその本来の特性が十分
に発揮されていない。
布とポリイミド繊維から構成されるウェブとをニードル
パンチを用いて絡合してシート状積層体を形成し、得ら
れたシート状積層体を所望の形状とすることにより製造
された濾布は、元来、ポリイミド繊維自体が耐熱性に優
れているので、高温下で長時間使用されても寸法変化や
強度低下は起こリにくいはずである。しかし、ニードル
パンチを用いて形成されたシート状積層体の場合、その
大部分を占めるウェブが、多方向を向き絡み合った多数
の曲線状の繊維から構成されているため、繊維間の空隙
部分が拡大または縮小して寸法変化が起こり易い。従っ
て、このような積層体を用いて得られる濾布においても
また寸法変化が起こりやすい。このような現象は、特
に、高温下で応力が存在する場合に顕著に現れる。さら
に、得られる積層体の通気性が大きすぎて微細なダスト
が通過してしまうため、集塵効率が低く、濾布に適さな
いという問題もある。
る積層体を用いて得られる濾布が、パルスジェット連続
払い落とし方式のバグフィルター濾過集塵装置に用いら
れる場合、バグフィルターの形状によっては、高温下で
長時間使用すると濾布とリテーナーとの間の寸法的な余
裕がなくなり、交換時に濾布からリテーナーを抜き取る
ことが困難であったり、使用中に濾布の長さが収縮する
ことにより、リテーナーが浮き上がるなどの問題があ
る。
問題を解決するためになされたものであり、その目的と
するところは、高温応力下および酸性雰囲気下において
も、耐熱性、耐薬品性、および寸法安定性に優れ、強度
が高く、適度な通気性を有し、集塵効率の高いバグフィ
ルター用濾布の製造に好適に用いられる積層体を提供す
ることである。
の両面にウェブを有し、そして該基布と該ウェブが絡合
されているシート状積層体であって、該基布はポリイミ
ドおよび/またはポリテトラフルオロエチレンから構成
され、該基布の縦方向の引張強力は40〜200kgf
/5cm幅であり、該ウェブはポリイミド繊維から構成
され、そして該積層体は、縦方向の引張強力が40〜2
50kgf/5cm幅であり、縦方向および横方向の乾
熱収縮率がいずれも0.8%以下であり、そして5〜3
0ml/cm2/secの通気性を有する。そのことに
より上記目的が達成される。
0kgf/5cm幅以下である。
ーテル型ポリウレタンからなる撥水撥油剤が付与されて
いる。
イミドおよび/またはポリテトラフルオロエチレンから
好適に製造される。基布とウェブの耐熱性および耐薬品
性を同レベルに揃える点から、主として、後述のウェブ
と同種のポリイミドを用いることが好ましい。耐薬品性
に優れることから、ポリテトラフルオロエチレンもまた
好適に用いられる。
63−27444号公報に開示されているような、以下
の一般式
およびダスト剥離性に非常に優れる芳香族ポリイミドで
ある。
テトラカルボン酸二無水物、トリレンジイソシアネー
ト、およびメチレンジフェニルジイソシアネートを、非
プロトン性有機溶媒中で反応させることにより調製され
得る。
レンチング社(LenzingAG)よりポリイミド
「P84」(登録商標)として市販されている。
チレンは、従来より公知であり、以下の一般式
ば、テトラフルオロエチレンを、少量の酸素を触媒とし
て2200〜1600psiの圧力下にて重合すること
により得られる。
体の通気性が大きく損なわれず、得られる積層体の強度
および寸法安定性を向上するという目的が達成される限
り、繊維から形成される基布、フィルム状成形体、スリ
ットヤーンからの成形体、網状成形体などであり得る。
絡合に用いられるニードルパンチ時の被損傷性の点か
ら、繊維から形成される基布が好ましい。
よびポリテトラフルオロエチレンから各々乾式紡糸法、
ペースト抽出法などの方法により形成されたポリイミド
繊維およびポリテトラフルオロエチレン繊維を用いて形
成されるモノフィラメント糸またはマルチフィラメント
糸を、単独でまたは組み合わせて、平織、モクレノ織、
綾織などに製織することにより、好適に形成され得る。
よび/またはポリテトラフルオロエチレンモノフィラメ
ント糸またはマルチフィラメント糸は、50デニール〜
2000デニール、好ましくは200デニール〜150
0デニール、さらに好ましくは、300デニール〜10
00デニールの範囲の繊度を有する。繊度が50デニー
ル未満では得られる積層体の強度に劣り、2000デニ
ールを越えると厚さが大きくなりすぎるおそれがある。
が、基布が平織に製織される場合には、その密度は10
〜100本/5cm、好ましくは16〜80本/5cm
である。密度が10本/5cm未満では形態不安定であ
り、100本/cmを越えると通気性不良のおそれがあ
る。基布がモクレノ織に製織されている場合には、その
密度は16〜100本/5cm、好ましくは20〜80
本/cmである。密度が16本/5cm未満では形態不
安定であり、100本/cmを越えると通気性不良のお
それがある。
00kgf/5cm幅、好ましくは、50〜120kg
f/5cm幅、さらに好ましくは、60〜110kgf
/5cm幅である。縦方向の引張強力が40kgf/5
cm幅に未満では、後述のウェブを積層して、好ましく
はニードルパンチ絡合させることにより形成される積層
体の縦引張強力が40kgf/5cm幅未満となる。そ
の結果、バグフィルター用濾布として使用すると、短時
間で破損、穴あきの恐れがあり好ましくない。逆に、縦
方向の引張強力が200kgf/5cm幅を越えると、
強度的には問題はないが、過剰品質となり、さらに、上
記繊維のような基布構成材料を必要以上の量で使用する
こととなるため、コスト面で好ましくない。
L 1096 6.12.1(1)A法カットストリッ
プ法に準じて、定速伸長形引張試験機にて試験片の幅5
cm、つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分で測
定される特性である。
からなる繊維により構成される。
られるポリイミドと同様のものが用いられる。
造されたポリイミドの単糸繊維に、さらに通常の捲縮工
程および切断工程を施し、ポリイミド繊維のステープル
に加工される。
面積を大きくし濾過機能を向上させる点から、0.4〜
6デニール、好ましくは0.6〜4デニールの繊度、か
つ、30mm〜200mm、好ましくは40mm〜12
0mmの繊維長を有することが好ましい。繊度が0.4
デニール未満では強度不足であり、6デニールを越える
と、通気性不良のおそれがある。繊維長が30mm未満
では、絡合不足となり、200mmを越えると開繊不良
のおそれがある。
ミド繊維から、目付け50g/m2〜800g/m2、好
ましくは300g/m2〜700g/m2となるように、
調合、開繊、カードなどの方法により製造され得る。目
付が50g/m2未満では通気性が大きすぎ、800g
/m2を越えると通気性不良のおそれがある。
ポリイミド繊維からなるウェブを積層し、次いで、ウェ
ブと基布との間の繊維を、例えば、通常のニードルパン
チ、噴射水流などによる絡合を行うことにより得られ
る。絡合度が高いことから、ニードルパンチ法が好まし
い。さらに、必要に応じて形態安定化のために、250
℃〜310℃の高温で0.5分間〜5分間熱処理し、表
面をガス毛焼きし、そして表面温度200℃〜300℃
の熱ロールにて5kg/cm〜30kg/cmの圧力を
かけてプレスが行われる。従って、本発明の積層体は、
ウェブに基布が挟まれたサンドイッチ状の構造を有す
る。
(長尺方向)および横方向(短尺方向)のいずれにおい
ても0.8%以下、好ましくは0.6%以下、さらに好
ましくは0.4%以下である。乾熱収縮率が0.8%を
越えると、高温下での長時間の使用により、支持体であ
るリテーナーとの寸法的余裕がなくなり、バグ交換時に
バグからリテーナーを抜き取ることが困難であったり、
使用中のバグ長の収縮によりリテーナーが浮き上がるな
どの問題が発生する。
で1時間積層体を乾熱処理する前後での積層体の寸法の
変化率をいい、下式
/sec、好ましくは、5〜15ml/cm2/se
c、さらに好ましくは、7〜13ml/cm2/sec
の通気性を有する。通気性が5ml/cm2/sec未
満では、そのような積層体を用いて得られる濾布の使用
初期には一時的に優れた集塵効果が得られるが、短時問
で濾布が目詰まり状態に達して使用できなくなる。通気
性が30ml/cm2/secを越えると、微細ダスト
が濾布を通過してしまうため、所望の集塵効果が得られ
ない。
1096−6.27.1A法に準じて、フラジール形試
験機で測定される特性である。
cm幅以下、さらに好ましくは9kgf/5cm幅以
下、特に好ましくは8kgf/5cm幅以下の熱応力を
有する。熱応力が10kgf/5cm幅を越える場合に
は、前記の乾熱収縮率の240℃×1時間での値が0.
8%以下であっても、リテーナーを浮き上がらせること
があり好ましくない。特に、熱応力が極度に大きい場合
には、この積層体を用いて得られる濾布がリテーナーを
押し曲げることもあり得る。このような現象は、バグフ
ィルターの設計に依存して起こる。例えば、濾布とリテ
ーナーの寸法差にゆとりがない場合、または、濾布の収
縮によりリテーナーが容易に持ち上げられ、かつ、濾布
に発生した熱応力がリテーナーを固定する力を上回った
場合に、上記現象が生じる。さらに、リテーナーを用い
ず、濾布の収縮による長さの変化に対応できるように濾
布をスプリングによって緊張させた状態で使用する内面
濾過方式バグフィルター濾過集塵装置においては、熱応
力が10kgf/5cm幅を越えると、スプリングが伸
びてしまったり、破損もしくは破損寸前の状態になるこ
とがある。
体が一旦加熱されたときに膨張し、次いで冷却されて収
縮する時に発生する応力である。
初荷重2kgf/5cm幅を加え、両端を引張試験機の
クランプに固定したまま260℃で1時間加熱した後、
常温中にさらしたときに発生する応力として、以下のよ
うに測定され、数値で表される。
30cm(つかみ間隔20cm)の試験片の長手方向の
両端を把持して、初荷重2kgf/5cm幅を加える。
このときの手順としては、上記試験片の一端を引張試験
機のクランプに固定し、次いで初荷重を加え、その状態
で他の一端をもう一方のクランプに固定する方法、もし
くは、試験片の両端をそれぞれのクランプに固定した
後、クランプを移動させて初荷重を加える方法が用いら
れ得る。いずれの場合も、所定の初荷重を加えた後は、
測定が終了するまで試験片を固定している両クランプは
動かさず、そのまま260℃で1時間加熱した後、常温
中にさらし、試験片から生じる応力をチャート上で読み
とる。本発明では、縦方向の熱応力を測定して、試料の
代表値とする。この測定で用いられる初荷重の値は、通
常の引張強力測定の場合などと比較して非常に大きい
が、それは、測定した熱応力の大きさを判定し易くする
ためである。
1に示す。図1は、温度と応力の変化を時間に対してプ
ロットしたチャートである。上記測定法では、応力は2
60℃での1時間の加熱を停止した時点から増加し、約
3時間半から4時間で一旦横這いになり、その後徐々に
下降する。応力が横這いになった点、すなわち最高点を
熱応力として読みとり、測定値とする。
ダストのような粘着性成分を含有するダストに対して使
用される濾布に用いられる場合には、好ましくは、その
両表面上に撥水撥油剤が付与され得る。このことによ
り、ダストの粘着成分が濾布表面に蓄積し、目詰まりが
起こるのが防止され、粘着性ダストの剥離が容易になり
得る。
ル型ポリウレタン、含フッ素ウレタンオリゴマー、含フ
ッ素ポリアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、
ジメチルシロキサン系シリコン、アミノ変性シロキサン
系シリコン、エポキシ変性シロキサン系シリコンなどが
好適に用いられ得る。高温使用時の撥水撥油性能の点か
ら、含フッ素エーテル型ポリウレタンが最も好ましい。
体を撥水撥油剤の溶液に浸漬した後、引き上げてマング
ルで絞って乾燥させる方法;撥水撥油剤の溶液を積層体
表面にコーティングし乾燥する方法;撥水撥油剤の溶液
を発泡させて積層体表面にコーティングし乾燥する方法
などの従来公知の方法が用いられ得る。
100重量部に対して0.5〜10重量部、さらに好ま
しくは1〜5重量部の範囲である。付与量が0.5重量
部未満では、所望の粘着性ダスト剥離性が得られず、1
0重量部を越えると、通気性不良のおそれがある。
よび強度のいずれにも優れるポリイミドおよび/または
耐熱性と耐薬品性とに優れるポリテトラフルオロエチレ
ンから構成され、所定の引張強力を有する基布の両面
に、ポリイミドから構成されるウェブを有し、該基布と
該ウェブがニードルパンチ絡合しているサンドイッチ状
の構造と、緻密化され、ガス毛焼きなどで処理された表
面状態とを有し、かつ、所定の引張強力、乾熱収縮率、
および通気性を有する。従って、微細なダストも濾過さ
れ得(即ち、濾過機能が大きく)、かつ、高温応力下、
酸性雰囲気下などの厳しい条件下でも、ポリイミドの有
する特性が十分に発揮され、耐熱性、耐薬品性、および
強度のいずれにも優れ、高温応力下での寸法変化が少な
い。
範囲にあるため、変形しにくい。
場合には、常温および高温のいずれにおいても撥水撥油
効果に優れ、そして粘着性ダストによる汚染および目詰
まりが起こりにくく、ダストの払い落としが容易であ
る。
説明するが、本発明はこれらに限定されない。
マルチフィラメント糸を用いて、縦30本/5cmおよ
び横22本/5cmの密度の平織物を製織した。得られ
た平織物の引張強力は、縦91kgf/5cm、横77
kgf/5cmであった。この平織物を基布とし、両面
に2デニール×60mm繊維長のポリイミドステープル
からなるウェブを積層した後、ニードルパンチを施して
絡合し、280℃の高温で3分間熱処理し、表面をガス
毛焼きし、そして表面温度200℃の熱ロールにて20
kg/cmの圧力をかけてプレスすることにより、目付
512g/m2および厚さ2.0mmの積層体を得た。
ルチフィラメント糸を用いて、縦25本/5cmおよび
横20本/5cmの密度の平織物を製織し、この平織物
を基布とし、両面に2デニール×60mm繊維長のポリ
イミドステープルからなるウェブを積層した後、ニード
ルパンチを施して絡合し、300℃の高温で3分間熱処
理し、表面をガス毛焼きし、そして表面温度250℃の
熱ロールにて20kg/cmの圧力をかけてプレスする
ことにより、目付508g/m2および厚さ1.9mm
の積層体を得た。
同じ織物を基布とし、両面に2デニール×60mm繊維
長のポリイミドステープルからなるウェブを積層した
後、ニードルパンチを施して絡合することにより積層体
を得た。次いで、得られた積層体を、含フッ素エーテル
型ポリウレタンからなる撥水撥油剤に浸漬した後引き上
げ、マングルで絞って乾燥させることにより、撥水撥油
剤を付与した。さらに、この積層体を、300℃の高温
で3分間熱処理した後、表面をガス毛焼きし、表面温度
250℃の熱ロールにて20kg/cmの圧力をかけて
プレスすることにより、目付498g/m2および厚さ
2.1mmの積層体を得た。
フルオロエチレン(PTFE)モノフィラメント糸を用
いて縦60本/5cm、横60本/5cmの密度のモク
レノ織物を製織した。仕上がった織物の引張強力は縦7
5kgf/5cm、横76kgf/5cmであった。こ
のモクレノ織物を基布とし、両面に2デニール×60m
m繊維長のポリイミドステープルからなるウェブを積層
しニードルパンチを施し、280℃の高温で3分間熟処
理の後、表面をガス毛焼きし、表面温度200℃の熱ロ
ールにて20kg/cmの圧力をかけプレスし、目付5
17g/m2および厚さ1.9mmの積層体を得た。
リアクリレートを用いたこと以外は実施例3と同様にし
て、目付499g/m2および厚さ2.1mmの積層体
を得た。
マルチフィラメント糸を用いて、縦30本/5cm、横
22本/5cmの密度の平織物を製織した。仕上がった
平織物の引張強力は、縦93kgf/5cm、横78k
gf/5cmであった。この平織物を基布とし、両面に
2デニール×60mm繊維長のポリイミドステープルか
らなるウェブを積層しニードルパンチを施し、250℃
の温度で3分間熱処理の後、表面をガス毛焼きし、表面
温度200℃の熱ロールにて20kg/cmの圧力をか
けプレスし、目付520g/m2および厚さ2.2mm
の積層体を得た。
cm、横20本/5cmの密度のポリイミド平織物を基
布とし、両面に2デニール×60mm繊維長のポリイミ
ドステープルからなるウェブを積層しニードルパンチを
施し、300℃の温度で3分間熱処理の後、表面をガス
毛焼きし、表面温度200℃の熱ロールにて5kg/c
mの圧力をかけプレスし、目付495g/m2および厚
さ2.4mmの積層体を得た。
マルチフィラメント糸を用いて縦50本/5cm、横4
0本/5cmの密度の平織物を製織した。仕上がった平
織物の引張強力は縦71kgf/5cm、横68kgf
/5cmであった。この平織物を基布とし、両面に2デ
ニール×60mm繊維長のポリイミドステープルからな
るウェブを積層しニードルパンチを施し、300℃の高
温で3分間熱処理の後、表面をガス毛焼きし、表面温度
250℃の熱ロールにて、20kg/cmの圧力をかけ
プレスし、目付509g/m2および厚さ1.9mmの
積層体を得た。
ルチフィラメント糸を用いて縦60本/5cm、横46
本/5cmの平織物を製織し、これを基布とし、両面に
2デニール×60mm繊維長のポリイミドステープルか
らなるウェブを積層しニードルパンチを施し、表面をガ
ス毛焼きした後、表面温度250℃の熱ロールにて20
kg/cmの圧力をかけプレスし、目付517g/m2
および厚さ2.2mmの積層体を得た。
以下の項目(a)〜(d)について評価した。
ストリップ法に準じて、上記実施例および比較例で得ら
れた各積層体から切り出した幅5cmおよび長さ30c
m(つかみ間隔20cm)の試験片を、定速伸長形引張
試験機にて引張速度20cm/分で測定することによ
り、引張強力を評価した。
0cmおよび長さ30cmの試験片を切り出した。得ら
れた試験片に長さ25cmの標準線を縦横それぞれ5本
ずつ記した後、正確に長さを測定しておき、送風循環型
オーブンを用いて240℃で1時間加熱し、次いで20
℃、相対湿度65%の条件下で放冷した後、各標準線の
長さを測定し、下式
ラジール形試験機で、上記実施例および比較例で得られ
た各積層体を測定することにより、通気性を評価した。
5cmおよび長さ30cmに切り出し、試験片を得た。
このとき、長尺方向に長さを取るようにした。得られた
試験片の一端を引張試験機のクランプに固定し、2kg
f/5cm幅の初荷重を加えた状態で、他の一端をもう
一方のクランプに固定した。所定の初荷重を加えた後
は、測定が終了するまで試験片を固定している両クラン
プは動かさない。温度を記録しながら、この状態の試験
片を260℃で1時間加熱した後、常温中にさらし、試
験片から生じる縦方向の応力を記録し、得られたチャー
ト上の最大応力を熱応力値として読みとった。
用いて、都市ゴミ焼却炉に用いられるバグフィルター濾
過集塵装置(NKK(株)製「密閉ボトムインレッ
ト」)用の濾布(直径164mm×長さ5200mmの
袋型)を作製した。比較例2で得られた濾布以外の濾布
は全て、同時期に使用を開始し、同条件で使用し、以下
の項目(e)〜(g)について、9ヶ月目に一度評価を
行い、寸法変化が認められた濾布は交換した。この時点
で寸法変化が認められなかった濾布はそのまま継続して
使用し、12ヶ月目に上記項目について評価した。
230℃〜240℃、水分率が5%〜30%、HCl濃
度が300mg/Nm3、SOx濃度が120ppm、N
Ox濃度が100ppm、および見かけ濾過速度が1.
2m/分であった。
ぎたため使用しなかった。
開始から9ヶ月目または12ヶ月目に取り出して寸法を
測り、使用前後での寸法変化の有無を調べた。
い、その容易さを調べた。
ストリップ法に準じて、9ヶ月または12ヶ月使用した
各濾布から、幅5cmおよび長さ30cm(つかみ間隔
20cm)の試験片を5枚ずつ切り出し、定速伸長形引
張試験機にて引張速度20cm/分の条件で、各濾布か
ら得られた各試験片の使用後の引張強力を測定して平均
することにより、各濾布の使用後の引張強力とした。
と、各濾布に使用された各積層体の引張強力の値(上記
項目(a)で得られた値)とを用いて、下式
た。
られた積層体ならびにそれを用いて上記のように作製さ
れた濾布について、以下の項目(h)および(i)の評
価を行った。
れ5cm×5cmの大きさの試験片を2枚ずつ切り出し
た。
面を上方に向けて水平に置き、B重油を0.03g滴下
した。30秒後に吸い取り紙にて試験片表面に残ってい
るB重油を吸い取り、その後の試験片表面の汚れ具合
を、汚染グレースケールで判定し、常温防汚性を評価し
た。
う一方の試験片を予め260℃に加熱しておき、上記の
手順のうちのB重油滴下までを260℃で実施した。残
りの手順は上記のように行い、高温防汚性を評価した。
上である場合を良好とし、3級未満の場合を不良とし
た。
した濾布を、それぞれバグフィルター式集塵機(近藤設
備設計社製、「密閉ボトムインレット」)に用いて、1
2ヶ月使用したときの目詰まりおよび圧力損失について
評価した。
77に準拠して、集塵機の入口および出口ダクトにおけ
る処理ガスの平均全圧の差を測定することにより評価し
た。結果を表3に示す。
の引張強力を有するポリイミドおよび/またはポリテト
ラフルオロエチレンから構成される基布の両面にポリイ
ミドから構成されるウェブを有し、該基布と該ウェブと
がニードルパンチで絡合しており、そして所定の引張強
力、乾熱収縮率、通気性を有する積層体を用いて得られ
た実施例1〜5で得られた濾布は、比較例1〜4で得ら
れた積層体を用いて作製された濾布に比べて、耐熱性、
耐薬品性、および高温応力下での寸法安定性に優れ、フ
ィルター交換し易く、かつ、長期間使用可能である。
れも12ヶ月間使用された時点で全く問題がないことが
確認され、さらに継続して使用され得る。引張強力につ
いても殆ど低下は見られない。
が大きく、熱応力もわずかに大きい。この積層体を用い
て作製された濾布は、9ヶ月目にはリテーナーの浮き上
がりが生じており、交換が必要であった。このとき、リ
テーナーとバグとの間の寸法的余裕が無くなっており、
リテーナーからのバグの抜き取りは困難であった。
乾熱収縮率、熱応力はいずれも本発明に用いられる範囲
内であるが、通気性が大きすぎてダストの吹き漏れが懸
念された。そのため、この積層体を用いて作製された濾
布は使用し得なかった。
発明に用いられる範囲を越えている。この積層体を用い
て作製された濾布は、9ヶ月目には異常は発見されなか
ったが、12ヶ月目には寸法変化の兆候が見られた。そ
して、濾布交換の際、リテーナーからの濾布の抜き取り
が困難であった。
応力が本発明に用いられる範囲を越えている。この積層
体を用いて作製された濾布は、9ヶ月目にはリテーナー
の浮き上がりが発見され、交換が必要であった。そして
濾布交換の際、リテーナーからの濾布の抜き取りが困難
であった。
素ポリエーテル型ポリウレタンが撥水撥油剤として付与
された本発明の積層体は特に、粘着性ダストの集塵を行
う場合でも、常温(20℃)および高温(260℃)の
いずれにおいても防汚性に優れ、粘着性ダストによる目
詰まりが生じにくく、圧力損失が低く長期間使用可能で
ある。
および強度のいずれにも優れるポリイミドおよび/また
は耐熱性と耐薬品性とに優れるポリテトラフルオロエチ
レンから構成され、所定の引張強力を有する基布の両面
に、ポリイミドから構成されるウェブを有し、該基布と
該ウェブがニードルパンチ絡合されているサンドイッチ
状の構造と適切な表面状態とを有し、かつ、所定の引張
強力、乾熱収縮率、および通気性を有する。従って、微
細なダストも濾過され得(濾過機能が大きく)、かつ、
高温応力下、酸性雰囲気下などの厳しい条件下でも、ポ
リイミドの有する特性が十分に発揮され、耐熱性、耐薬
品性、および強度のいずれにも優れ、高温応力下での寸
法変化が少ない。本発明の積層体は、通常、熱応力が所
定の範囲にあるため、変形しにくい。本発明の積層体に
撥水撥油剤が付与された場合には、常温および高温のい
ずれにおいても撥水撥油効果に優れ、さらに粘着性ダス
トによる汚染および目詰まりが起こりにくく、ダストの
払い落としが容易である。
り、高温応力下、酸性条件下などの厳しい条件下での排
ガス集塵においても集塵効率が高く、強度、耐熱性、お
よび耐薬品性に優れると共に、寸法安定性および濾布交
換時の作業性にも優れ、適度な通気性を有し、目詰まり
しにくく、そして長期間使用可能なバグフィルター濾過
集塵装置に用いられる濾布が提供される。
布をリテーナーに被せて使用する場合には、これらのウ
ェブのうちのリテーナー側(内側)のウェブにより、基
布が直接リテーナーに接触せず、濾過および高圧エアー
による払い落とし作業の繰り返しによる衝撃から保護さ
れるため、基布の強度低下が防止され、その結果、濾布
自体の強度の低下が防止される。
り、通常、熱応力が小さく、リテーナー、スプリングな
どのバグフィルター濾過集塵装置の他の部品に悪影響を
与えない、バグフィルター濾過集塵装置用濾布が提供さ
れる。
る場合に、本発明の積層体を用いることにより、常温お
よび高温のいずれにおいても汚染されにくく、目詰まり
しにくく、圧力損失が少ないバグフィルター濾過集塵装
置用濾布が提供される。
ートである。チャートの横軸は、測定開始後の経過時間
を表し、左側の縦軸は応力を、右側の縦軸は温度を表
す。図中の2本の曲線は、それぞれ時間の経過に伴う応
力および温度の変化を表す。
Claims (3)
- 【請求項1】 基布の両面にウェブを有し、そして該基
布と該ウェブが絡合されているシート状の積層体であっ
て、 該基布が、ポリイミドおよび/またはポリテトラフルオ
ロエチレンから構成され、 該基布の縦方向の引張強力が40〜200kgf/5c
m幅であり、 該ウェブがポリイミド繊維から構成され、そして該積層
体の縦方向の引張強力が40〜250kgf/5cm幅
であり、縦方向および横方向の乾熱収縮率がいずれも
0.8%以下であり、そして通気性が5〜30ml/c
m2/secである、積層体。 - 【請求項2】 熱応力が10kgf/5cm幅以下であ
る、請求項1に記載の積層体。 - 【請求項3】 含フッ素エーテル型ポリウレタンからな
る撥水撥油剤が付与されている、請求項1に記載の積層
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20720795A JP3769780B2 (ja) | 1995-08-14 | 1995-08-14 | 積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20720795A JP3769780B2 (ja) | 1995-08-14 | 1995-08-14 | 積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0952308A true JPH0952308A (ja) | 1997-02-25 |
JP3769780B2 JP3769780B2 (ja) | 2006-04-26 |
Family
ID=16536016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20720795A Expired - Lifetime JP3769780B2 (ja) | 1995-08-14 | 1995-08-14 | 積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3769780B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009097117A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-07 | Kaneka Corp | 非熱可塑性不織布及びその利用、並びに当該非熱可塑性不織布の製造方法。 |
CN102580402A (zh) * | 2012-04-07 | 2012-07-18 | 江苏东方滤袋有限公司 | 耐高温水解的聚酰亚胺纤维滤料的制备方法 |
US9023534B2 (en) | 2005-07-29 | 2015-05-05 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Polyamide imide fiber, non-woven fabric composed of the fiber, process for manufacture of the non-woven fabric, and separator for electronic component |
JP2016073960A (ja) * | 2014-10-09 | 2016-05-12 | 日本ゼム株式会社 | アスファルトプラント用集塵装置のフィルタバグ |
US11344836B2 (en) | 2017-11-24 | 2022-05-31 | Lg Chem, Ltd. | Porous fluorine resin film and preparation method thereof |
-
1995
- 1995-08-14 JP JP20720795A patent/JP3769780B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
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Publication number | Publication date |
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