JP2001079318A - バグフィルター用フェルト地 - Google Patents

バグフィルター用フェルト地

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JP2001079318A
JP2001079318A JP26402899A JP26402899A JP2001079318A JP 2001079318 A JP2001079318 A JP 2001079318A JP 26402899 A JP26402899 A JP 26402899A JP 26402899 A JP26402899 A JP 26402899A JP 2001079318 A JP2001079318 A JP 2001079318A
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felt
bag filter
fibers
dust
short fibers
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JP26402899A
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English (en)
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Hirobumi Sugiyama
博文 杉山
Shigeki Tanaka
茂樹 田中
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】都市ゴミ、産業廃棄物等の焼却炉用集塵機に要
求される、耐薬品性、寸法安定性、濾過性能等を満足
し、経済的にもすぐれたバグフィルター用フェルト地を
提供する。 【解決手段】ポリイミド繊維のスクリムと短繊維が一体
成形されてなる200℃でのデマッター屈曲疲労試験機
での100万回の屈曲試験でクラックの発生がないバグ
フィルター用フェルト地であって、前記短繊維は平均繊
度が10デニール以下の繊維断面が非定型で相当直径の
30%以上の湾入部を1以上有し、且つ前記スクリム及
び/又は前記短繊維は撥水性樹脂加工されてなるバグフ
ィルター用フェルト地。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ゴミ等の焼却炉
から発生する排ガスの集塵機等に使用されるバグフィル
ター用フェルト地に関するもので、さらに詳しくは、高
温且つ活性ガスを含む環境下でも長時間の使用に対し、
酸性ガスや結露に対する耐久性が高く、煤塵の剥離性が
良好、さらに、廃棄、焼却時の問題がなく、且つコスト
パフォーマンスの良好なバグフィルター用フェルト地に
関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、固体粒子を含む含塵ガスから
固体粒子を分離する作業が色々な場所で行われている。
このための集塵装置としては、各種のものがあるが、大
別すると動力集塵装置、慣性力集塵装置、遠心力集塵装
置、洗浄集塵装置、濾過集塵装置、電気集塵装置等に分
けられるが、特に都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉な
では環境対策の面で、濾過集塵装置が使用されている。
排ガスろ過が200℃程度以下の比較的低い温度で適用
されるのでダイオキシン対策にも有効等といったメリッ
トも大きいといわれ、使用が増加してきている。
【0003】この濾過集塵装置の心臓部はバグフィルタ
ーであり、その濾布には織物やフェルト地が多く用いら
れている。さらに、一般にバグフィルター方式の集塵装
置ではバグフィルターに付着した煤塵を、機械的振動や
逆気流方式の間欠的払い落とし装置を使用して払い落と
す事により、フィルターの使用期間を延長し、且つ高い
捕集効率を得ている。
【0004】このようなろ布として短繊維をニードルパ
ンチ方式で絡合したフェルト地は、集塵性、通気性にす
ぐれ、更にカレンダー処理等によりダスト剥離性も良好
になるが、ろ布には高温下での寸法安定性等が要求され
るため、スクリムと称する織物に短繊維を絡み合わせた
フェルト地を使用すことが一般的に行われている。
【0005】このろ布に要求される特性は、排ガスの、
種類、温度、化学的性質、量、さらに集塵装置、バグフ
ィルター構造、形状及び操業条件等によっても大きく異
なるが、素材としては無機系の金属繊維、ガラス繊維、
炭素繊維、セラミックス繊維、そして天然素材、合成繊
維も含めた有機繊維から適宜選ばれる。しかし最近は、
機械的性質、化学的性質、熱的特性及び廃棄処理が容易
などの面ですぐれた特徴を持つ合成繊維が多く用いられ
ている。このような合成繊維としては、例えば低温域で
はポリオレフィン系繊維、ポリアクリルニトリル系繊
維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等が一般的
に用いられている。更に、耐熱性、耐薬品性等を向上さ
せるためにポリフェニレンサルファイド系繊維、ポリイ
ミド系繊維、アラミド系繊維、フッ素系繊維等も多く使
用されるようになってきている。なかでも、ポリイミド
系繊維は有機繊維のなかでは高温域での熱安定性が高
く、又優れた耐薬品性に加えて、非常に優れた濾過性を
有し、さらにろ布の燃焼焼却も可能なので今後のバグフ
ィルター用ろ布として使用が増してきている。
【0006】燃焼ガスの排ガス処理条件は、運転方法や
条件など多岐にわたる。中でも、小設備に多く見られる
ような一日8時間あるいは16時間運転などのいわゆる
間欠運転方式では、ガスの冷却においてもボイラーなど
の熱交換器が設置されていない設備が多く、水噴射によ
るガスの冷却を行っている。そのため集塵機に送られる
排ガスには多いものでは40%もの水分が存在する場合
がある。また燃焼ガス中にはSOxが含まれておりこの
中に含まれるSO3が酸結露することが知られている。
そのため集塵機に導入される排ガス温度は酸露点よりも
20℃以上高い温度に保持されるが、運転停止時には多
量に含まれる水分と温度低下によって酸露点を通過しろ
布の性能を低下させる場合がある。ポリイミド繊維から
なるろ布は耐熱性、耐薬品性、ろ過特性に優れるが、特
に重油ボイラーなどの発電設備においては、酸結露する
ことによりダストの凝集性によって、ろ布が目詰まりを
起こしたり、硫酸の触媒作用によるものと思われるが、
酸結露、高温使用を繰り返されることによってろ布が酸
化劣化するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
都市ゴミ、産業廃棄物等の焼却炉で運転され、且つ強酸
性成分、強アルカリ性成分等を含む排ガスを濾過するバ
グフィルターに必要とされる耐薬品性、濾過性能、煤塵
剥離性などを同時に満足し、且つ煤塵剥離操作時の屈曲
耐久性にもすぐれたフェルト地を提供せんとするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目標を
達成するために次のような手段を採用する。すなわち本
発明のバグフィルター用フェルト地は、ポリイミド繊維
のスクリムと短繊維が一体成形されてなる200℃での
デマッター屈曲疲労試験機での100万回の屈曲試験で
クラックの発生がないバグフィルター用フェルト地であ
って、前記短繊維は平均繊度が10デニール以下の繊維
断面が非定型で相当直径の30%以上の湾入部を1以上
有し、且つ前記スクリム及び/又は前記短繊維は撥水性
樹脂加工されてなることを特徴とするバグフィルター用
フェルト地である。そして具体的には、短繊維の平均繊
度が5デニール以下であることを特徴とする上記記載の
バグフィルター用フェルト地、撥水樹脂加工がフッ素樹
脂系撥水剤からなることを特徴とする上記記載のバグフ
ィルター用フェルト地、及びフッ素樹脂系撥水剤の付着
率が3〜15%であることを特徴とする上記記載のバグ
フィルター用フェルト地である。
【0009】以下本発明を詳述する。まず本発明のバグ
フィルター用フェルト地は、フェルト地の耐熱性、熱収
縮強力(耐久性含めて)、防炎性、耐薬品性等を持たせ
るために、スクリム、短繊維ともポリイミド系繊維が使
用される。通常都市ゴミ焼却炉はダイオキシン対策の面
で200℃以下での使用が好ましい。ポリオレフィン系
繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリエステル系繊
維、ポリアミド系繊維は、特に耐熱性の面で、ポリフェ
ニレンサルファイド系繊維、アラミド系繊維でも耐熱
性、耐薬品性等の面で不十分であり、これらの特性にす
ぐれたポリイミド系繊維に限定される。
【0010】ポリイミドには縮合反応型ポリマーと付加
反応型ポリマーとがあるが、一般には耐熱特性に優れた
縮合反応型ポリマーが使用され、二塩基酸とジイソシア
ネートの重縮合反応により副生するCO2を脱気する方
法で得られる。得られたポリイミドポリマーは非プロト
ン性有機溶媒に可溶であり、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの有機
溶媒に対する濃度が20〜40%のポリイミド溶液をオ
リフィス数20〜800、各オリフィス直径100〜3
00μmである円形オリフィスを有する紡糸口金から射
出速度20〜100m/分、引き取り速度100〜80
0m/分、紡糸温度200〜350℃、ガス量40〜1
00Nm3/時にて乾式紡糸法する。その後、洗浄、乾
燥、延伸工程を得てポリイミド繊維が得られる。このポ
リマー濃度、紡糸速度、紡糸温度などある一定条件の範
囲でランダムな異形断面を有するポリイミド繊維が得ら
れる。なお、本バグフィルター用フェルト地はスクリ
ム、短繊維ともポリイミド系繊維からだけでなく、特性
を損なわない範囲でポリフェニレンサルファイド系繊
維、フッ素系繊維等他の繊維が混合されていても構わな
い。
【0011】次に、短繊維の平均繊度は10デニール以
下であることが必要である。ダストサイズはゴミ質や燃
焼条件によっても異なるが、小さいものでは1μm以下
のものも存在し、環境問題からも排気濃度を小さくする
必要がある。そのため、バグフィルター用ろ布のろ過層
を形成する短繊維は10デニール以下であることが必要
で、さらに好ましくは5デニール以下である。微粒子の
捕捉という面から考えると比表面積が大きいものが好ま
しく、ランダムな異形断面をしたポリイミド繊維はろ過
特性においても最適である。
【0012】次に、短繊維の断面は非定型で相当直径の
30%以上湾入部を1以上有していることが必須であ
る。これは定型断面の繊維の場合には繊維間空隙がほぼ
一定になり、煤塵がつまると濾過性が極端に低下するの
に対して、本発明のように断面形状の異なるものからな
るものは、繊維間空隙はその隣接する繊維形状によって
大きいものから小さいものまであり更に、繊維表面積も
大きくなり、ミクロの煤塵まで捕集出来る、更に煤塵の
捕集面積も大きくなり、且つ払い落としの際の脱落性も
よくなるのである。又、相当直径の30%以上の湾入部
を1以上持っているのは、上述の表面積が大きくなる、
繊維間空隙が更に多様化するといった効果のためであ
る。更に、表面積が大きくなるために撥水加工剤の付着
性、付着強度も高くなり、煤塵払い落としによる屈曲操
作でも性能劣化が少ないのである。こう言った効果を充
分に発揮するためには、小さい湾入部では効果がないの
で、相当直径の30%以上の湾入部が1以上必要となる
のである。ここで、相当直径というのは短繊維を真円と
したときに比重とデニールから算定される直径をいう。
次に、湾入部の大きさは、短繊維を通常のアクリル樹脂
包埋法等で固定したあと適当な倍率で断面写真を撮り、
両端をスムースな円弧の一部で結び、湾入部の底までの
距離を測定して、前記の相当直径との比で表す。全ての
短繊維に湾入部が有ったほうが好ましいが、本効果を発
揮するためには少なくとも短繊維本数の40%以上、好
ましくは50%以上の繊維にあればよい。又、スクリム
の繊維にも同様の理由で湾入部が有ったほうが好まし
い。更に上記の効果を一層大きくするためには、短繊維
は繊度の異なるものが混合されていた方がより好まし
い。
【0013】次に、ポリイミド系繊維はこれまでに述べ
たように、高温耐久性、耐酸性等には非常に優れている
が、水分率が大きい間欠運転において結露の影響を受け
た場合には、ダストの目詰まりによるろ過性能の低下や
酸結露などによって物性面で性能低下する場合が見られ
たが、ダスト剥離性の優れた撥水加工剤で繊維表面を覆
ってやることによってこういった問題を解決することが
できる。
【0014】このために使用される撥水加工剤としては
バグフィルターの使用条件である、高温耐久性、耐薬品
(強酸性、強アルカリ性)、耐磨耗性に優れたものであ
ることが必須であり、フッ素樹脂系撥水剤に限定され
る。具体的には、例えば、四フッ化エチレン・パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレ
ン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・四
フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン等がある。
これらのフッ素系樹脂を微粒子化し必要に応じてエチレ
ングリコール、酢酸エチル、界面活性剤等と合わせて適
度な濃度で水分散させたものを使用する。 更に、必要
に応じて柔軟性を持たせる、繰り返し耐久性を持たせる
ための助剤を使用する。この溶液にフェルト地を浸漬さ
せ次いでマングルで絞った後、所定の付着量になるよう
にしたあと熱風ドライヤーで固着乾燥させる。
【0015】更に、このような撥水性樹脂加工すること
により、結露の影響を受けてもダスト剥離性など高いろ
過性能を示すことができる。このためには、フッ素樹脂
系撥水剤の付着量は3〜15%である。フッ素系樹脂量
が少ないと均一付着が難しく、繊維同士の接着点に主に
付着し、樹脂被覆という面で十分な効果が得られない。
しかし逆に付着量が多いと、異形断面を有するポリイミ
ド繊維の湾入部に撥水加工剤が侵入し比表面積を小さく
したり、フェルト地が硬くなり煤塵払い落とし操作によ
ってフッ素系樹脂が脱落したり、さらにはクラックが発
生しやすくなり、逆にフェルト地の寿命が短くなるとと
もに、更に撥水加工でのコストアップの要因にもなり好
ましくない。
【0016】このためには、スクリム、短繊維の両方処
理されているほうが好ましいが、使用条件、焼却炉・装
置、焼却物によっては何れか一方に処理されていればよ
いものもある。
【0017】次に、本フェルト地は200℃でのデマッ
ター疲労試験機での100万回の屈曲疲労試験でクラッ
クの発生のないことが必須である。実機でのダスト払い
落としにおいては、ゲージ接触面あるいはゲージ間で屈
曲されるタテ方向にクラックが発生するので、フェルト
地ではヨコ方向になり、この方向の疲労屈曲に耐えれば
いいことになる。更に実際に煤塵の払い落としは200
℃前後で実施されるので、200℃での評価が必要であ
る。次に、屈曲回数については24時間連続運転で20
分に一度払い落としをすると、5年で約13万回になる
が、本発明では100万回の評価とした。ここで、クラ
ックは目視と顕微鏡で観察し、観察サンプル10点当た
り9個所以上にクラックが認められない状態をいう。
【0018】次に、本フェルト地の240℃での経伸度
は30%以下が好ましい。ここで、240℃での経伸度
は240℃の雰囲気下でJIS L 1096に準じて
測定される。240℃に於ける経伸度が30%以上のフ
ェルト地は使用時経時的に伸びて、弛み、皺も発生して
フィルターとしての有効面積が縮小して性能が低下しや
すい、さらに煤塵振り落としのためのパルスジェットや
振動を与えても剥離性が悪くなるなどの問題も生じやす
いという問題もある。
【0019】次に、本フェルトの目付は350g/m2
以上が好ましい。フェルトの目付は通気度、濾過速度、
濾過効率等のフェルトの性能を決める一つのファクター
である。実際の運転においては、ダスト漏れが小さく、
目詰まりもなく、さらに低圧損での運転が可能なろ布が
必要とされるが、その為には、十分量の短繊維によって
ろ過層を形成する必要があり350g/m2以上が好ま
しく、さらに好ましくは400g/m2以上である。
【0020】次に、本フェルト地のスクリムはマルチフ
ィラメントあるいは紡績糸を用いることができ、各種織
物あるいは編物として使用することができる。
【0021】次に、本フェルト地の見掛けの空隙率は4
0〜90%、更に好ましくは70〜85%である。40
%未満ではフェルトの緻密化によってダスト漏れや目詰
まりは小さいが、圧力損失が非常に大きくなり、実使用
においては好ましくない。逆に90%を越えると煤塵が
空隙に入り込み、濾過効率を著しく低下させるので何れ
も好ましくない。ここで見掛け空隙率は次式により求め
る。バグフィルター用フェルト地の濾布を2.5cm×1
0cmにカットし、60g/cm2の荷重下のダイヤルゲージ
で厚さt(cm)とサンプル重量w(g) を測定する。また、
繊維の比重ρから見掛けの空隙率εを次式で求める。 ε(%)={1−w/(2.5×10×t×ρ)}100
【0022】本発明のバグフィルター用フェルト地は、
支持層としてのスクリムと、短繊維からなるろ過層から
構成されているが、短繊維のフェルト成形は、短繊維を
カードウエブ等により積層したあとニードルパンチング
法やウオーターパンチング法で絡合できるが本発明では
いずれでも構わない。 短繊維のスクリムへの積層方法
も特に限定はしないが、経方向への配向度をあげるため
には、例えばカードウェブの供給速度とスクリムの移動
速度を調整する事などによって変更できる。また、クロ
スとパラレルを複合してもかまわない。さらに、煤塵剥
離性を向上させるために表面を平滑化するために、短繊
維を収縮させて緻密化する方法、さらに加熱ローラーに
接触プレスするカレンダー仕上げ、表面シャーリング、
毛焼きなども適用できる。
【0023】撥水性樹脂加工は、前記のフッ素樹脂系ポ
リマーの粉末、エチレングリコール、酢酸エチル、界面
活性剤、ジルコニューム化合物等の撥水加工剤、柔軟剤
等を含むエマルジョンにフェルト地を浸漬ーマングルー
熱風ドライヤーで固着ー乾燥する。実際の樹脂化皮膜形
成は更に、200℃程度で3〜5分加熱してもよいし、
バグフィルターとして実機に装着、昇温時に形成させて
もよい。
【0024】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制約され
るものではない。本実施例で用いる物性は下記の方法で
測定したものである。
【0025】目付はJIS L 1096 6.4単位面
積当たりの質量で表す。20cm×20cm の試料を3枚
採り、それぞれの絶乾質量W' を測定し、次式で求め
る。 目付(g/m2)=W’×(1+R/100)×1/A ここで W’:絶乾質量 (g) R :公定水分率 (%) A :試験片の面積(m2
【0026】通気度はデクノワールド社製高圧型通気度
試験器を使用してn=3で測定、その平均値で表す。
(測定圧:142Pa)
【0027】濾過特性の測定には、図1のような東洋紡
製濾過試験機を使用し, ダストにはJIS試験用ダスト
10種(フライアッシュ;50%、平均粒径3.55μ
m )を使用した。テスト条件は、フェルトの濾過面積:
0,04m2、入口粉塵濃度:13g/m3、濾過速度3
m/分、ダスト払い落し方法:パルスジェット(エアー
圧 3kg/cm2、噴射時間0.1秒、圧力損失150mm
H2 Oで噴射)で300回行った。そして、ろ過面
積、流量、ダスト濃度、150mmH2Oに達するまでの各
時間を測定し、1回1回でのダスト保持量(g/m2)を計算
した。第1回目のダスト保持量をW1 (g/m2)とし、3
00回でのダスト保持量をW2(g/m2)としてダスト保持
率をもとめた。 ダスト保持率(%)=(W2 /W1 )×100 また、ろ布を通過したダスト量(排気濃度)U1は、ろ
布の後段に設置した粉塵濃度計(柴田化学社製/粉塵濃
度計AP−632T)にて測定し、300回での全ダス
ト量U2から、捕集効率(%)を次式によって求めた。 捕集効率(%)={(U2−U1)/U2}×100 圧力損失(mmH2O)については、マノメーターによって測
定し、未使用の状態と300回のダスト払い落とし後の
圧損を測定した。
【0028】屈曲疲労試験は200℃の雰囲気下でデマ
ッター屈曲試験機(テスター産業社製、恒温層付きデマ
ッター屈曲試験機)を用いて、フェルト地をヨコ方向に
幅2.5cm長さ12.5cmにカットし、つかみ間隔7.
5cmとし、屈曲された時のつかみ間隔が1.9cmになる
ように、ストローク5.6cmにて行った。屈曲速度は3
00回/分であった。この条件で所定回の屈曲試験を行
い、次いで該フェルト地を40倍の顕微鏡と目視でクラ
ックの有無を観察した。写真に撮って観察してもよい。
【0029】SO3の結露性を想定した結露テストにお
いては、0.1N−H2SO4溶液を作成し、フェルトを1
分浸漬し、その後200℃の雰囲気に1時間暴露させ
た。この操作を20回繰返し、20回後のサンプルの引
張試験を行ない、初期強力から比較した残存強力を強力
保持率として求めた。用いたサンプルはフェルト地のタ
テ方向で、巾5cm、長さ20cmでn=3にて行っ
た。また、引張試験については、JIS L 1096に従い、つ
かみ間隔10cm、引張速度10(cm/min)、n=3にて行
った。用いた引張試験機は東洋ボールドイン社性テンシ
ロンRTM-500であった。
【0030】
【実施例】(実施例1)バグフィルター用フェルト地は
一般的な不織布加工工程により作成した。フェルトとし
て用いたポリイミド短繊維は平均繊度2.0デニール、
60mm、スクリムには960デニール480フィラメン
トのポリイミド繊維(インスペック ファイバー社製P
84)をタテ、ヨコそれぞれ12本/inで平織にして
用いた。まず、表1の断面形状、繊度CVのポリイミド
短繊維を混打綿機で予備開繊したあとローラーカードに
て、開繊、繊維配列を行ったあと、クロスレイヤーによ
りウエブを積層し、プレニーパン、仕上げパンチをして
ろ過層を形成し、このろ過層を上記支持層(スクリム)
上下に積層してさらにニードルパンチ工程により一体化
させフェルト地を得た。このフェルト地を300℃で熱
風処理した。次いで、240℃、35Kg/cm2のカレンダ
ーロールでプレスし表1のような目付のフェルトを得
た。ついでこのフェルト地をフッ素樹脂、エチレングリ
コール、酢酸エチル、界面活性剤をエマルジョンにした
例えば高松油脂社製TKガードNA−996、水溶性ジ
ルコニウム化合物例えば高松油脂社製ネオラックスR−
500、更に必要に応じて柔軟剤として例えば高松油脂
社製キャタライザー−228の混合溶液中に浸漬し、絞
ったあと成分付着量が表−1になるように付着量を調整
した。ついで110℃の熱風ドライヤーで乾燥し、さら
に140℃ドラムドライヤーで乾燥固着した。
【0031】(実施例2)実施例1と同様な支持層(ス
クリム)に、6デニール、60mmのポリイミド短繊維か
らなるウエブを支持層上下に、実施例1と同様に積層し
ニードルパンチ工程によって積層一体化した。その後、
実施例1と同様に熱処理、フッ素樹脂加工した。
【0032】(比較例1〜5)実施例と同様の方法で、
短繊維を変えてフェルト地を作成、撥水樹脂加工も付着
率等を変えて同様の方法で加工した。また、比較例1で
は、フッ素樹脂加工をしていないフェルト地を用いた。
【0033】実施例1、2のバグフィルター用フェルト
は屈曲試験でのクラックもなく、そのほかの、ダスト保
持率、圧力損失、硫酸テスト後の強力保持率、いずれも
良好であるフェルト地が得られたことが分かる。一方、
フッ素系樹脂加工をしていない比較例1では、酸結露を
想定した硫酸テストにおいて強力が大きく低下してしま
った。樹脂加工量の大きい比較例2では、ダスト保持量
や硫酸テストには優れるものの、屈曲疲労試験において
クラックが発生してしまった。その他の比較例3〜5で
は、耐硫酸テストには優れるものの、いずれも目詰まり
や捕集効率の面で問題があった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、バグフィルターに必要
とされる耐薬品性、濾過性能、煤塵剥離性などを同時に
満足し、且つ煤塵剥離操作時の屈曲耐久性にもすぐれた
フェルト地を提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルターハ゛ク゛用ろ過試験機の模式図。
【符号の説明】
1:スクリューフィーダー、2:フライアッシュ10
種、3:オーバーフローフィルター、4:テストサンプ
ル、5:パルスエアー、6:粉塵濃度計、7:排気ダス
トトラップ用フィルター、8:流量計、9:吸引ポン
プ、10:ガスメーター、11:排気、12:ダスト吸
引。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミド繊維のスクリムと短繊維が一体
    成形されてなる200℃でのデマッター屈曲疲労試験機
    での100万回の屈曲試験でクラックの発生がないバグ
    フィルター用フェルト地であって、前記短繊維は平均繊
    度が10デニール以下の繊維断面が非定型で相当直径の
    30%以上の湾入部を1以上有し、且つ前記スクリム及
    び/又は前記短繊維は撥水性樹脂加工されてなることを
    特徴とするバグフィルター用フェルト地。
  2. 【請求項2】短繊維の平均繊度が5デニール以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のバグフィルター用フェ
    ルト地。
  3. 【請求項3】撥水樹脂加工がフッ素樹脂系撥水剤からな
    ることを特徴とする請求項1記載のバグフィルター用フ
    ェルト地。
  4. 【請求項4】フッ素樹脂系撥水剤の付着率が3〜15%
    であることを特徴とする請求項1記載のバグフィルター
    用フェルト地。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20240038046A (ko) 2021-09-08 2024-03-22 호쿠에츠 코포레이션 가부시키가이샤 에어 필터용 여과재

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