JPH09510977A - リン元素及び硫黄元素を用いるチオ化合物の製造方法 - Google Patents

リン元素及び硫黄元素を用いるチオ化合物の製造方法

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JPH09510977A JP7525251A JP52525195A JPH09510977A JP H09510977 A JPH09510977 A JP H09510977A JP 7525251 A JP7525251 A JP 7525251A JP 52525195 A JP52525195 A JP 52525195A JP H09510977 A JPH09510977 A JP H09510977A
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Abstract

(57)【要約】 反応温度よりも低温のプレミックスでリンと硫黄を合わせて、反応条件下でリン元素と硫黄元素との反応生成物を製造する新規な方法を開示する。プレミックスは、反応生成物であることが好ましい希釈剤を含み得る。五硫化リンは、発熱温度の低下及び振動の低減が観察される反応温度までプレミックスを加熱することにより製造され得る。有機リン及びチオ化生成物は、硫黄元素及びリン元素を一般にP25に相当する比率で用いて、有機化合物と反応させることにより製造され得る。この方法によって、チオ化化合物及び有機リン化合物を製造するために五硫化リンを別個に製造する必要はなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】 リン元素及び硫黄元素を用いるチオ化合物の製造方法 本発明は、硫黄とリンとの液体混合物を形成することによって硫化リンを製造 する新規な方法に関する。このような供給材料は液体として維持され、五硫化リ ンのような硫化リンを製造するための反応装置に正確で安全に供給されるように 調整され得る。発明の背景 硫化リン、特に五硫化リンを大量に工業的に製造する常用の方法では、液体リ ンと液体硫黄とを五硫化リンから成る沸騰物質(mass)に連続的に導入して リンと硫黄との連続的反応を惹起する。反応生成物の連続的蒸留によって生成物 を反応装置から取出す。反応体の添加速度及び添加比によって反応を制御する。 このような方法はHudsonの米国特許第2,794,705号に記載されて いる。全反応体の供給速度は反応温度を観察することによってほぼ制御されるが 、各反応体の適正な添加比は生成物の分析によって初めて明確に制御できる。分 析作業に基づいて供給速度、温度、滞留時間及び冷却 速度を再調整し、その結果を判断するためには通常は数時間を要する。 リンと硫黄との反応は、常用の高温では迅速で発熱性であるため、反応をより 制御し易くまた効率よくするための多大な努力が払われてきた。S.U.特許第 1,301,775号では、リンと硫黄とを反応させるときに、130℃〜17 5℃の温度で反応させ、かつ、温度上昇が止むまでは硫黄対リンの比を3.5− 4.0:1の割合に維持し、次いで所望の化学量論的量、即ち硫黄対リンの比を 5:2にするために追加のリンを添加することによって反応による熱発生を制御 している。 効率の向上が得られるように方法を制御する別の試みとして、連続的に循環す る液体状の反応混合物を収容した連続ループ反応装置が開発された。リン及び硫 黄から成る液体反応体をループに導入するが、この際、硫黄が濃縮している箇所 でループにリンを供給することによってリンが高度に濃縮することを防止する。 硫化リン生成物を気体状態で反応装置から取出す。このような方法はCoura ntらの米国特許第5,198,202号に記載されている。 このような高温でリンと硫黄とが反応する場合、生成物を蒸留によって取出す ときに反応動態に起因する振動の問題が生じるのは珍しいことではない。この問 題の1つの解決方法としては、より小さい反応装置を使用するかまたは2段階反 応装置を使用する。通常は小さい反応装置で行う第一段階では、リンと硫黄とを リン含量が約28%になるような割合で供給する。第二段階では、所望の硫化物 を与えるために所望量のリンを添加する。第一段階では反応装置を混合物の沸点 で作動させるが、第二段階は300〜353℃という低温で処理する。このよう な方法は、Straussの東ドイツ特許第119,198号に記載されている 。 上述の従来技術の目的は、方法の安全性を改良することであるが、更に、より 安全で正確な処理を行う真に効率的な方法を提供するために一層の進歩が要求さ れている。発明の概要 効率的で安全な反応、より正確に制御された反応が行な得るようにするために 溶融状態のリンと硫黄とを反応させる改良方法が知見された。この改良は、所定 比率のリン元素と硫黄元素 とから成る比較的低温のプレミックスを反応材料として供給することから成る。 リン元素と硫黄元素とのこのような混合物は公知であったが、溶融状態のリンと 硫黄との反応を含む大規模な工業的方法で供給材料として利用されたことはない 。このような反応の一例としては、一般には連続法として行われる硫化リンの製 造方法がある。通常は約120℃以下であると考えられている反応温度よりも低 い比較的低温で硫黄とリンとを混合すると、高度に流動性の液体が形成され得る 。この液体は、硫黄とリンとの原子混合物である。このような混合物は、Izy est.Fiz.Khim. ,21,pp.153−158(1952)に所収 のV.V.Illariornov及びT.I.Sokolovaの論文、、 omt.rend. ,pp.165−168(1902)に所収のR.Boul ochの論文、Van Wazerの“Phosphorus and its Compounds ”,Vol.1,p.289,Interscience ,New York(1958)に記載されている。図面の簡単な説明 図1は、硫黄とリンとを反応させる方法に供給するための液体プレミックス材 料を調製するシステムの可能な一例を示す概略図である。 図2は、約100℃以下の温度における黄リン/硫黄元素混合物の固体−液体 関係を示す相図である。 図3は、活性化温度以上におけるリンと硫黄との反応中に生成される化合物の 相図である。発明の詳細な説明 本発明によれば、硫黄とリンとの反応から得られる化合物の改良された製造方 法が提供される。本発明方法における改良は、リン元素と硫黄元素とから成るプ レミックスをこれらの元素の反応温度よりも低温で提供することである。本発明 の最も明白な利点は、硫化リン反応のオペレーターが最終リン生成物中で望まれ る正確な割合にプレミックスされた供給混合物を調製し、物理的特性によって速 やかに分析し得ることである。プレミックスを分析する分析手順、反応に導入す る前に混合物を所望の範囲または正確な割合に補正する手順は公知である。使用 され 得る分析方法は、屈折率、粘度並びにIR及び可視スペクトル分光法のような分 光法である。リンと硫黄との正確な割合は所望の生成物の種類に従って決定され 、最も広く使用されている生成物は硫化物、特に五硫化リンである。 特に硫化リンの製造における本発明方法の別の利点は、反応装置内で発生する 振動の量の減少である。何故なら、プレミックスしたリンと硫黄との導入によっ てオペレーターは確実にリンの局部的濃縮が発生し難いようにするからである。 反応体をプレミックスすることによって、反応装置に導入する前のプレミックス の成分を適正にブレンドする機会も広がる。均一混合物は反応装置内の反応体の 不均衡の可能性を少なくし、五硫化リン生成反応で頻発する振動の殆どの原因を 根本的に除去し得る。 本発明によるリンと硫黄とのプレミックスは通常は100℃以下の温度に維持 され、一般には、典型的な手段によって約30℃〜約80℃の範囲に維持される 。黄リンの場合に知られているように混合物を水中に維持してもよい。このよう な温度は約120℃というこれらの元素の反応温度よりも低温なので、 混合物を熱源から保護するだけでよい。しかしながら安全のために、通常は保有 タンク及び輸送ラインが混合物の温度を制御するための加熱手段及び冷却手段の 双方を備えている。 本発明方法で代表的に使用されるリンは黄リンである。一般にリンは44.1 ℃で溶融し、従って硫黄と容易にブレンドされて容易に液体状態に維持される混 合物を生じる。硫黄元素はまた液相及び固相の双方で複数の同素体の形態を示す 。斜方晶形態は112℃で溶融するが単斜晶形態は119℃で溶融する。硫黄に は3つの液体形態が知られている。低温形態Sλは8員環であると推測されてい る。Sπ及びSμは明確に定義されていないが、それらの存在は確認されている 。例えばSμは二硫化炭素または液体リンに可溶性でない。Sμは長鎖であると 推測されているが、Sπは短鎖であるかもしれない。平衡混合物は液体硫黄の3 つの形態を全部含む。リン元素と硫黄元素とを120℃以下の温度で混合すると 、これらの元素はより高い温度で反応を開始させるまでは反応しない。反応する 代わりに、リン含量対硫黄含量の比率次第では10℃という低温で十分に液体と して挙動する合金を形成する。元素は速やかに相互溶融して合金を形成する。大 抵の合金は室温でも流動性の透明な淡 黄色の液体である。五硫化リンに対応するリン/硫黄比で、液体は80℃未満の 温度で透明な黄色結晶として結晶化する。これらの混合物の相図は添付の図2に 関連して後述する。 一般にP25のような常用の硫化物の製造方法においては、元素の重量比は約 72%〜約75%の硫黄原子対約25%〜約28%のリン原子の範囲である。五 硫化リンは、殺虫剤、潤滑油添加剤及びゴム化学薬品のような広範囲の異なる化 合物を製造するための中間体として広く使用されている。従って、本発明の好ま しいプレミックスの1つはリンと硫黄とをかかる化合物に相当する比で含んでい る。 また、本発明のプレミックスは、リンと硫黄との原子混合物に対して少ない割 合の希釈剤を含有し得る。好ましくは、このような希釈剤は溶融状態のリンと硫 黄との反応で生成されるべき硫化リンである。例えば、P25は、五硫化リンの 製造方法においてリンと硫黄とのプレミックス中で希釈剤として使用され得る。 このような希釈剤は、反応温度に到達したときに生じる発熱温度を減衰させる。 少ない割合という用語は、混合物全量の50重量%未満の量を意味し、通常は混 合物全量の約2%〜約35%の範囲を意味する。極めて典型的には、P S 希釈剤の量はプレミックス全量の約2重量%〜約10重量%の範囲である。P2 5希釈剤は、リンと硫黄とを迅速かつ容易に溶解させて均一物質にすることが 判明した。化合物P2S及びP23のような他の硫化リンもリンと硫黄との元素 プレミックス中で希釈剤として使用され得る。これらの化合物は低融点を有して おり、硫黄元素及びリン元素の溶解を助ける。五硫化リンを製造するための代表 的なプレミックスは約72%〜約78%の硫黄原子と約25%〜約28%のリン 原子と約2重量%〜約10重量%のプレミックス五硫化リンとを含有しているで あろう。リン元素及び硫黄元素のプレミックスに添加された固体P25は結晶化 すると空気に安定な固体となり得る。 リンと硫黄とのプレミックスを調製するために二硫化炭素のような他の相溶性 の希釈剤も使用し得るが、このような希釈剤は通常は混合物が溶融状態になる反 応条件に達する前に蒸発によって除去される。希釈剤の回収を含む反応はより複 雑になるのでこのような希釈剤の使用は好ましくない。生成の目的となる生成物 は除去される必要がなく従って回収及び再循環の費用が不要なのでこの生成物を 希釈剤として使用するのが好ましい。 上述のような希釈剤非含有のリンと硫黄とのプレミックスを 調製するときは、溶融リンに固体硫黄を添加するのがより好都合であることが判 明した。硫黄がリン層と接触する前に固化するように混合室内で溶融硫黄を気体 または液体の冷却相に通すことによって添加を行うのが極めて都合がよい。反応 は全く起こらず、硫黄は溶融リン相に溶解する。硫黄の温度を低下させ、従って 混合温度を低下させる目的で使用される代表的な冷媒は水または炭酸ガスである 。この順序の添加によって2種類の溶融材料の迅速で均一な混合が可能である。 固体状態の材料を組合わせ次いで混合物を溶融させることは本発明の範囲内であ るが、このような方法は小規模処理を除いては好ましくはない。大規模処理の場 合、各材料を溶融状態でブレンドするのが極めて都合がよい。上記に指定した好 ましい順序の添加を行うと、方法が反応条件まで進む前に均一なブレンドが調製 されるという所望の結果に達する最も好都合で迅速な手段が得られる。更に、プ レミックスを溶融状態で完全にブレンドした後、完全な固体状態まで冷却し将来 の使用に備えて保管し得る。プレミックスを液体状態まで再加熱してリンと硫黄 との反応に使用し得る。 本発明の別の実施態様によれば、冷媒の代わりに硫黄元素及 びリン元素が参加する反応の反応体を使用する。硫黄を反応装置に配置し、次に リンを制御しながら反応装置に供給する。例えば、溶融硫黄元素の冷媒として混 合室で水または二酸化炭素を使用する代わりに、アルコールまたは混合アルコー ルのような反応体を使用して硫黄と接触させてもよい。液化リンは反応体層を通 って系に供給される。リンは反応体層(アルコール)を通過してアルコール相の 下方の液体硫黄富化媒体に到達する。リンが活性化温度に維持されている硫黄富 化媒体中の硫黄と接触すると、リンと硫黄だけでなく反応体層(アルコール)が 参加する反応が惹起され、五硫化リンとアルコールまたは混合アルコールのよう な反応体との反応生成物である公知種類の化合物が生成することが判明した。過 度の加熱を防止しまた五硫化リンとアルコールのような有機物との反応に関する 在来型の他の問題を防止するために、リンの添加速度によって反応を制御し得る 。副次的に、硫化水素の発生速度も本発明方法によってより容易に制御できる。 このような知見から、公知の中間体である五硫化リンを別個のシステムで調製す ることが不要な有機リン誘導体の製造方法が発見された。 添付図面に基づいて本発明を更に分かり易く説明する。図面の詳細な説明 図1は本発明方法の可能な実施方法の1つを示す。リンとイオウとが実際に反 応する反応装置は当業界で公知であり本発明の場合にも実質的に現行同様に使用 できるので図示していない。図1は、閉鎖タンク1を示しており、タンクの内容 物の下部を撹拌するために回転軸と羽根車とからなる手段3が備えられている。 手段3の駆動手段は図示していないが公知の任意のリン駆動手段でよい。溶融硫 黄はパイプ5からタンク1に導入される。通常は、処理に適した流動性が得られ るように溶融硫黄を約150℃に維持する。タンク1の上部7は二酸化炭素また は窒素のような溶融硫黄に対して不活性の雰囲気を収容している。好ましくは水 または他の冷媒からなる冷媒層9が部分7の不活性雰囲気の下方に存在しており 、溶融硫黄は粒子11で示すようにこの層を通過する。冷媒9は硫黄及びリンの 双方が実質的に不溶性の液体である。溶融硫黄粒子は冷媒9を通過するときに冷 却されるがアモルファス状態を維持し得る。冷媒9は約60℃〜約70℃の温度 、典型的には65℃に維持されている。リンをタンク1に導入するパイプ13は タンクの下部7の好都合な箇所に配置されている。リンも液体状態に維持されて いる。 硫黄とリンとはタンク内の冷媒層の下方の領域15で結合する。硫黄とリンとは 重力または機械的ポンプ輸送(図示せず)によってパイプ17を介してタンクか ら放出される前に図1に駆動軸と羽根車3として示す撹拌手段によって完全に混 合される。パイプ17は反応装置に接続されており、硫黄とリンとは反応装置内 で高温、典型的には約120℃〜約125℃の範囲の温度で反応し得る。一般に は適当な任意の手段によって硫化リンを反応装置から留去させる。該手段として は、例えば反応生成物を液体または固体として取出す反応などに使用される当業 界で公知の適当な任意の反応装置を使用し得る。 タンクの領域15においてリンと硫黄とが完全に混合されるだけでなく混合物 が構成決定のために検査される。混合物を光学的にまたはそれ以外の方法で検査 するサンプリング手段を配備し得る。また、混合物の分析用サンプルを定期的ま たは連続的に取出すためにタンク1に結合させたパイプを使用してもよい。この ような定常分析図式の一例がFeldらの米国特許第5,260,026号に記 載されており、該特許の開示は参照によって本発明に含まれるものとする。引用 特許で記載された システムで使用されているようなレーザー分光法の使用はこのシステムには推薦 できない。一旦開始されると自動的に継続するリンと硫黄との反応の開始を阻止 するためにこのシステムに対するエネルギー入力を慎重に制御及び制限しなけれ ばならない。タンク1の領域15の混合物の分析結果に従って、正確な成分比の 所望混合物を与えるように硫黄またはリンの量を加減する。一般には、タンク1 の領域15が十分に広いので、タンク1内にある程度の滞留時間があり、従って リンまたは硫黄の供給速度の調節を行うことが可能である。本発明方法の別の利 点は、リンと硫黄とのプレミックスが少量の在庫で済むようにタンク1の寸法を 最小限にしていることである。処理される材料が液体状態であるから、流量制御 ポンプを用い、同じく最小寸法の適当な反応装置に入るまでは反応しない混合物 を用いて方法を容易に進行させ得る。 図2は、約100℃以下の温度の黄リンと硫黄との混合物の相図を示す。図2 において、横座標は混合物中のリンの量を%(原子)で示す。縦座標は温度を℃ で示す。図2の直線1は完全に液体状の(溶融)混合物の最低温度を規定する。 図2から 分かるように、74原子%のリンが含まれているときに9.8℃の液相線温度を 有する共融混合物が生成される。図2の領域Aにおいては、S分子と同じ結晶構 造を有する固溶体が形成されている。図2の領域Bにおいては、P分子と同じ結 晶構造を有する固溶体が形成されている。図2の領域Cにおいては、A及びBの 双方のタイプの結晶の混合物である固溶体が形成されている。図2の領域Dにお いては、種々の量のAタイプの結晶が液体媒体中に観察され、結晶質材料の量は 直線2で示すように温度依存性である。図2の領域Eにおいては、Bタイプの結 晶が液体中に観察され、結晶の量は直線3で示すように温度依存性である。 本発明の改良方法においては、図2に示す混合物が全て有用である。図2の領 域D及びEの液体混合物は処理が容易であり、領域A、B及びCの混合物は固体 である。しかしながら、リンと硫黄とが参加する反応は通常は図2に示す全部の 混合物を液体またはほぼ液体にするような温度において行われる。 図3はリンと硫黄との反応生成物の相状態図を示す。このような組成物の液相 /固相は系の内部のリンの量に応じて変化し、 系の硫黄富化側では多形性が明らかである。図3の一部はR.Forthman n and A.Schneider,Z.Physik.Chem.(49) p.22,1966の状態図を採用し、五硫化リンに必要な量よりも少ない量で リンを含有する硫黄富化組成物に関する情報を付加した。79%のリンを含有す る組成物は液体であり、0℃よりも50℃以上低温の温度に達するまで固化しな いことが判明している。 チオ化反応 本発明の様々な実施例によって後段に示すように、本発明の方法は広範なチオ 化反応を実現する。それらの反応では従来、アリールチオノホスフィンスルフィ ド、典型的には「Lawessen試薬」としても知られる2,4−ビス(p− メトキシフェニル)−1,3−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィドな どの有機チオ化試薬が用いられた。上記チオ化試薬は、アニソールなどのアリー ル化合物と五硫化リンとを反応させることによって製造した。この試薬とその改 良物並びにその様々な用途は、本明細書に参考として含まれるTetrahed ron, Vol.41, No.22, pp.5061−5087, 19 85に掲載された論文中にM. P. Cava及びM.I. Levinso nによって詳細に検討されている。 本発明によれば、石油添加物、ゴム化学製剤、合成中間体及び殺虫剤のような 有用化合物の製造にリン元素及び硫黄元素を直接用い得ることが判明し、その際 硫黄元素及びリン元素をLawessen試薬有機前駆体の存在下に適当な有機 物質と直接反応させるので、従来公知の中間体であるLawessen試薬を別 個に製造する必要はない。 本発明の方法によれば、五硫化リンの製造が回避されるのみでなく、Lawe ssen試薬有機前駆体と五硫化リンとを反応させてLawessen試薬を生 成させることにより中間体を製造する必要性も回避される。 本発明の方法は通常、リン元素と硫黄元素とをP25に通常相当する量でLa wessen試薬の有機前駆体の存在下にチオ化するべき有機化合物と反応させ ることを含み、前記量は普通、先に触れたように重量に基づき、硫黄原子は約7 2〜約75%、リン原子は約25〜約28%とする。反応混合物は典型的には、 硫黄元素、チオ化するべき有機化合物、及びLawessen試薬有機前駆体を 含有する。この反応混合物を普通不活性雰囲気下に加熱し、その後リン元素を反 応混合物に導入する。反応混合物の温度を、リン元素と硫黄元素との反応を惹起 するのに十分な程度まで上昇させる。典型的には、反応温度は約115〜約12 5℃とする。一旦反応が始まったら、温度は普通リン添加速度によって制御され る。リン元素と硫黄元素との反応を可能にする条件下にLawessen試薬を 製造するのに通常用いる有機前駆体反応物と、チオ化するべき有機反応物とを化 合させることによってチオ化有機生成物を 得る。 典型的な有機物質は先に触れた刊行物に、五硫化リンとの反応によって様々な Lawessen試薬を生成させる有機前駆体反応物として聞示されている。そ のような芳香族物質にはアニソール、ナフタレン、メトキシベンゼン、エトキシ ベンゼン、トルエン、ナフタレン等が含まれる。従来Lawessen試薬を用 いたチオ化反応は今や本発明により、Lawessen試薬のための上記有機前 駆体反応物と、リン元素と、硫黄元素と、チオ化するべき有機物質とを用いて実 現することができる。 本発明の方法によれば、対応するチオケトンに変換される芳香族及び脂肪族ケ トンを含めた任意の種類の有機化合物をチオ化し得る。他の有機化合物には、本 発明の方法でジチオホスフィン酸、ジチオホスホノアミド、ジチオホスホネート 及びジアザホスホリンをそれぞれ与えるグリニャール試薬、アミン、アルコキシ ド及びヒドラゾンが含まれる。また、O及びS置換エステル及びラクトンも、L awesson試薬有機前駆体反応物、リン元素、硫黄元素、及びチオ化するべ き有機物質を用いることにより対応するチオエステル、ジチオエステル及びチオ ンに変換でき る。 Lawesson試薬有機前駆体、リン元素、硫黄元素、及び変換するべき有 機物質を用いれば、本発明の方法によってアリール、アルキル並びに不飽和アミ ド及びラクタムを対応するチオ類似体に変換し得る。先に触れた刊行物にはM. P. Cava及びM. I. Levinsonによってチオカルホキサミ ドの例が多数挙げられているが、それらは今や本発明の方法により、五硫化リン やLawessen試薬の製造及び使用を回避して製造可能である。ヒドロキシ ベンズアミド並びにLawesson試薬有機前駆体、リン元素及び硫黄元素か らヒドロキシ置換チオベンズアミドが製造できる。同様にして、β−ラクタムか ら置換及び非置換β−チオラクタム; エナミノンからエナミノチオン; ヒド ラジドからチオヒドラジド;ヒドロキシピリダジン及びヒドロキシピリダゾンか らメルカプトピリダジン及びメルカプトピリダゾン; 尿素からチオ尿素; 並 びにアミドからチオアミドが製造できる。 チオ化するべき有機化合物と共にLawessen試薬を用いる反応は実質的 にいずれも今や、リン元素と、硫黄元素と、Lawessen試薬有機前駆体と 、チオ化する べき有機化合物とを反応させる本発明の方法によって置き換えることができる。 本発明の方法によれば、アリールまたはアルキルアルコールをリン元素及び硫 黄元素と反応させてジアルキルホスホロジチオ酸を得ることにより、農薬を好ま しく合成することができる。大抵の場合、アルコールを硫黄元素と共に適当な反 応容器に入れ、この反応容器にリン元素を添加する。反応容器の内容物を活性化 温度まで加熱して硫黄元素とリン元素とを反応させると、用いるアルコールの種 類に応じたホスホロジチオ酸エステルが生成する。適当な反応容器は普通、還流 冷却器、不活性雰囲気創出手段及び加熱手段を具備する。ほとんどのアルコール は高い、即ちリン元素及び硫黄元素の活性化温度を上回る沸点を有する。このよ うな場合、反応は硫黄/リン活性化温度に到達するとただちに、かつ効率的に生 起する。しかし、アルコールが上記活性化温度より低い沸点を有する、例えばメ チル、エチル及びプロピルアルコールとその異性体などである場合は、初期反応 温度を当該アルコールの沸点より僅かに低く維持する。最初、低めの温度におけ る反応速度は比較的低いが、ジアルキルホスホロジチオ酸またはそのエステル の生成が進むにつれて反応混合物の沸点が上昇し、それによって反応温度を高め ることが可能となり、その結果反応速度は上昇する。上記リン及び硫黄を低沸点 のアルコールと混合したプレミックスを用いることの方が、各元素を独立に反応 容器に添加することよりも好ましい。典型的には、1〜20個の炭素原子を有す るアルキルアルコールが通常使用可能で、かつ本発明の方法に有用である。しか し、本発明の方法では、80〜350℃の反応温度で液体となり得る任意のアル コールを好ましく用い得る。 アリール酸及びアルキル酸のチオ化も本発明により、アルコールに関する上述 の操作と同様の操作で行ない得る。リン元素と硫黄元素との比率は通常P25に 対応することが判明した。この操作ではチオ酸が得られる。通常使用可能な酸に は、安息香酸、アルキル基が1〜20個の炭素原子を有するアルキル酸、ナフト エ酸を含めた多核アリール酸が含まれ、また置換フェノキシ酢酸などのアリール 置換アルキル酸も含まれる。 NOKES試薬 米国特許第2,811,255号には、鉱石から金属を回収するための処理助 剤が開示されており、この特許は本 明細書に参考として含まれる。この特許において上記処理助剤は、泡立ちを低減 する発泡抑制試薬と、金属回収率を改善する洗浄試薬との両方として開示されて いる。この特許によれば、上記処理助剤はチオリン酸ナトリウムであり、水酸化 ナトリウムを水に溶解させ、これに五硫化リンを添加することによって製造する 。得られた混合物を硫化物が完全に溶解するまで攪拌する。典型的には、混合物 の温度を沸点より低く維持する冷却手段が用いられる。硫化水素がチオリン酸形 態として放出される。非常に有用なこの試薬はその名称を、上記米国特許の発明 者から得ている。 本発明によれば、Nokes試薬は、苛性水溶液に硫黄を導入し、次に硫黄層 にリンを、リンと硫黄との反応の開始に十分な加熱下に導入することによって製 造する。リンが活性化温度で反応する硫黄層に管を介してリンを導入すれば、苛 性水溶液との接触は回避できる。リンの添加は、反応速度、及びNokes試薬 が生成するにつれて得られる反応温度を制御するべく制御する。即ち、本発明の 操作は、五硫化リンの製造、その運搬、貯蔵及び取り扱いを必要としない。 方法の変形例 本発明の方法にはきわめて様々な有機及び無機化合物を用い得るので、様々な 添加方式を用いなければならない。リン及び硫黄に対する様々な反応物の反応性 /物理特性は良く知られているので、上述の方法は本発明により様々に実施し得 る。即ち、硫黄またはリンは適当な反応容器に任意の順序で、または硫化リンの 製造方法に関して先に述べたプレミックス中に共に存在させて添加し得る。この ような変形には添加順序の逆転、即ちリン及び他の反応物を収容した適当な反応 容器に硫黄を添加することも含まれる。 ここまでの開示では本発明を概説した。ここに説明のためにのみ示す、本発明 の範囲を限定しない以下の特定実施例を参照すれば、より完璧な理解が可能とな る。 好ましい実施態様の説明 実施例1 2つのサイドアーム及び加熱マントルを具備したフラスコに、窒素を通気しな がら、0.2782gの硫黄、0.1075gのリン及び0.154gの五硫化 リンを装入した。フラスコに熱電対を取り付けて内容物の温度をモニターした。 連続的に窒素を通気しながら、ふたをしたフラスコを加熱し、内容物を均質な溶 液になるまで溶融させた。 次いで、該溶液を124℃に加熱すると、発熱反応が発生し、温度が225℃に 上昇した。冷却後、X線回折により生成物を分析すると、反応中にP25が生成 したことが示された。 実施例2 実施例1に記載のような装置を具備したフラスコに0.112gのリン及び0 .3153gの硫黄(これはP25の正確な比率である)を装入し、ふたをした フラスコに絶えず窒素を通気し、内容物を77.5℃の温度に加熱すると、フラ スコ中で完全に液状の混合物が形成された。次いで、該混合物を約119℃〜約 122℃の範囲の温度に加熱すると発熱反応が発生した。加熱手段を停止させる と、発熱反応により、内容物の温度が520℃に上昇した。五硫化リンが生成し た。 実施例3 実施例1のような装置を具備したフラスコに、0.1210gのリン、0.3 147gの硫黄及び0.0285gのP25を装入した。内容物をゆっくり加熱 して材料を溶融混合物とした。該混合物は溶融しているようであった。溶融体を 十分に混合してから、温度を117℃〜約12 2℃の範囲に上げて、発熱反応を開始させた。加熱を中断すると、フラスコの内 容物は、248℃の温度に達した。五硫化リンが生成した。 実施例4 一連の実験を実施して、リン元素と硫黄元素とのプレミックスの安全性を測定 した。混合物は、五硫化リンに相当する比率のリン及び硫黄を含んでいた。これ らの混合物に、種々の量の予備形成化合物五硫化リンを加えた。十分に混合して 溶融状態にした後、混合物を室温に冷却して固化した。次いで、混合物を室温( 約22℃)で空気に暴露した。これらの実験の結果を以下の表Iに示す。表Iに おいて、P25の量は、試料全体に対する重量%で示されている。 上記表Iのデータから、ドーパントレベルのP25を含む本発明のプレミック ス組成物は室温では自燃性ではないことが示された。本発明により提供されるプ レミックス供給材料の有用性は、さもなければ自燃性である材料を鎮静させるこ とにより増強される。 実施例5 一連の実験を実施して、五硫化リンの製造法におけるリンと硫黄の反応中に発 生する発熱の低減を実証した。リンと硫黄との混合物を調製し、種々の量のP2 5と混合した。温度センサー及び加熱マントルを具備した丸底フラスコ中で、 十分に攪拌して溶融状態にした混合物を反応させて、五硫化リンを生成した。初 期温度と断熱反応の最大発熱温度とを観察した。該反応の特性も記録した。デー タ及び所見を以下の表IIに要約する。該表において、P25の量は、混合物全体 に対する重量%で示され、温度は℃で示されている。 表IIのデータから、P25を生成する反応の発熱温度(断熱反応中に認められ た最高温度)は非ドープ混合物のの約半分に低下し、該反応が爆発と発火を伴っ て発生することを示している。上記から、溶融状態のリンと硫黄との反応を含む 方法は、既に知られている方法より低い温度で且つより高い安全性をもって実施 し得ることがわかる。 実施例6 本発明のプレミックスを溶融状態のリン及び硫黄を含む反応に用いた。該反応 において、ジアルキルホスホロジチオ酸がリン元素及び硫黄元素の溶融混合物に 適量のアルコールを添加することにより直接生成された。10mlフラスコに、 2.4023gのオキソアルコール(C7及びC9アルキルアルコールを含む混合 物)を装入した。アル コール混合物を還流冷却器を用いずに窒素下に2〜4分間105℃〜110℃で 沸騰させて、水分及び低沸点不純物を除去した。該精製段階の後では、わずか2 .3791gのアルコールしか残留していなかった。精製したアルコールを40 ℃に冷却し、0.7303gの試薬グレードの硫黄と合わせた。この混合物を、 還流及び窒素雰囲気下に30℃以下の温度で5分間攪拌した。次いで、0.28 41gの無水黄リンを硫黄とアルコールの混合物に移し、窒素雰囲気下に15分 間十分に混合した。攪拌した混合物を2時間の間に107〜114℃の温度まで 徐々に加熱し、次いで、温度を115〜122℃の範囲に上げて反応速度を増大 させ、リン/硫黄混合物が完全に反応するようにした。反応が進むにつれ、硫化 水素が放出され、空中に消え去った。反応は約5時間で完結した。この反応にお いて、反応の制御には、最初の2時間の間に温度を114℃以下に維持するのが 重要であることが判明した。該期間中に温度をそれ以上に高くすると、極めて制 御困難な発熱反応が発生する。室温では銀白/黄色の結晶を少量含む液体を13P NMRにかけて分析すると、該液体が、89重量%の純粋なジアルキルホスホロ ジチオ酸を含んでいることが 示された。そのような結果は驚異的である。というのは、前記アルコールと予備 形成したP25との公知従来技術反応では、平均して約80%の所望生成物しか 生成されないからである。上記のようにして、但し、種々の量の過剰アルコール を用い、プレミックス組成物のリン含量をわずかに調整して、一連の実験を行っ た。リン元素と硫黄元素とのプレミックスは一般に五硫化リンに相当する。以下 の表IIIにおいて、収率は、最終反応混合物中の所望生成物の量に基づいている 。表IIIでは、典型的な従来技術条件下にアルコールと予備形成した五硫化リン とを反応させる典型的な大量生産実験の結果を示す。 上記データから、化学量論量よりわずかに過剰なアル コールにより最高収率で所望生成物が得られることがわかる。 実施例7 実施例6の手順を繰り返したが、但し、一連の種々のアルコールを用いた。全 ての実験において、リンの量は、リン元素及び硫黄元素の全体量の27.80% であった。各実験において、化学量論量以上又は以下の過剰アルコールの量を以 下の表IVに示す。表IVに示されている収率は、生成されたジアルキルホスホロジ チオ酸の理論収率に基づいている。 実施例8 50ml丸底フラスコ中に、攪拌棒、12.5gの試薬グレードのトルエン、 5.37gのアニソール(Lawessen試薬有機前駆体)、3.57gの3 ,2−ピリダゾン及び3.38gの硫黄を装入した。フラスコに還流冷却器を取 り付け、次いで、混合物を不活性窒素ブランケット下に10分間攪拌した。次い で、フラスコに1.2810gのリンを加え、不活性雰囲気下に室温でさらに1 5分間激しく攪拌した。反応の対照として作用するように、リンの添加を調節し た。還流及び不活性雰囲気下に撹拌を継 続し、フラスコの内容物の温度を7時間の間に115〜127℃の範囲に上昇さ せた。それによって、暗い深緑色結晶の3−メルカプトピリダジンが形成され、 反応混合物から濾過して該結晶を回収した。 実施例9 実施例8の手順を繰り返したが、但し、等量の3,6−ジヒドロキシピリダジ ンを3,2−ピリダゾンに取り換えた。反応により、暗橙色結晶の3,6−ジメ ルカプトピリダジンを得た。 実施例10 25ml丸底フラスコに、6.57gのm−クレゾールを装入し、104〜約 108℃の範囲の温度に加熱して水分を除去した。残留m−クレゾールの重量は 6.42gであった。m−クレゾールに2.35gの硫黄を37℃以下のポット 温度で加えた。混合物を不活性窒素雰囲気下に攪拌し、フラスコに還流冷却器を 取り付け、温度を30℃以下に維持した。次いで、フラスコに0.91gの黄リ ンを素早く加えた後、系に通気して、不活性雰囲気を確実にした。次いで、温度 を約104〜105℃に上げ、該温度を約5時間維持した。一晩加熱を中断し、 さらに1時間45 分110〜120℃の範囲で再開した。反応が生起したことは、硫化水素の発生 及びフラスコからリン及び硫黄が消失したことで示された。ジアリールホスホロ ジチオ酸が生成されたようであった。 実施例11 25mlフラスコに、10.3gのp−ノニルフェノールを装入した。材料を 不活性窒素雰囲気下に105〜110℃の範囲の温度で15分間攪拌しながら加 熱して水分を除去し、それによってアルキルフェノールの重量を約10.2gに 減少させた。アルキルフェノールを37℃以下に冷却後、フラスコに1.82g の硫黄を攪拌しながら加えた。フラスコに還流冷却器を取り付け、混合物を窒素 雰囲気下に32℃以下の温度に加熱した。次いで、フラスコに0.7gのリンを 加え、不活性雰囲気を回復した。フラスコを室温に冷却した。フラスコに熱を加 え、約1時間の間に温度を113〜115℃に上昇させた。温度が約99.8℃ を超えて上昇するにつれ、硫化水素がフラスコから発生し始め、温度が増大する に従ってその量が増大した。次いで、温度を2時間の間に118〜123℃の範 囲に上昇させた。一晩中断した後、系をさらに1時間40分の間118〜1 25℃の範囲に再加熱した。リンと硫黄はもう見えなくなり、ジアリールホスホ ロジチオ酸が生成されたようであった。 実施例12 25ml丸底フラスコに、6.94gのヘキサン酸を装入した。該酸を加熱沸 騰させて、水分を除去し、次いで、35℃以下に冷却すると、6.8gのヘキサ ン酸がフラスコに残った。フラスコに1.86gの硫黄を素早く加え、10〜1 5分間窒素雰囲気下に攪拌した。次いで、0.72gの黄リンを加え、混合物を 窒素下に攪拌しながら加熱した。1時間の間に温度を101〜103℃に上げる と、硫化水素が発生し始め、次いでさらに7時間104〜110℃に加熱すると 、リンと硫黄の全てが反応するように見えた。チオカルボン酸が生成されたよう であった。 実施例13 還流冷却器、加熱マントル、攪拌手段及び不活性窒素雰囲気供給手段を備えた 反応器に、3.5488gのイソブロピルアルコール及び2.2360gの硫黄 を装入する。該混合物を不活性雰囲気及び還流条件下に15分間攪拌する。次い で、0.8780gのリンを絶えず攪拌しながら 素早く混合物に導入した。リンを添加すると混合物の温度は約73℃になり、2 時間の間に徐々に76℃に上昇した。温度が約73℃を超えて上昇するにつれ、 硫化水素が発生し始め、温度が増大するに従ってその量が増大した。2時間後、 温度を80℃以上にゆっくり増大させ、1.5時間の間に82℃にした。次いで 、反応混合物中の所望生成物の量が増大したので、温度を86℃に上げ、該温度 をさらに11時間維持した。リン及び硫黄は全て消失し、反応器の温度は130 〜132℃の範囲に上昇した。反応混合物を陽子NMRにかけて分析すると、用 いたアルコールの量に基づいて理論量の85%の収率が得られたことが示された 。 実施例14 実施例13の手順を繰り返したが、但し、エタノールをイソプロパノールに取 り換えた。合計3.8990gの7%過剰エタノールを用い、リンと硫黄とのプ レミックスを反応器に加えた。プレミックスは合計3.3712gであり、0. 9355gのリンと2.4357gの硫黄から構成された。反応器中、不活性雰 囲気下に15分間アルコールを予備加熱した後、プレミックスを周囲室温で加え た。反応混合物を以下のプロフィールでゆっくり加熱した: 約10時間の反応時間後、プレミックスは反応器から消え、温度は最後の1時 間の間に急速に上昇した。反応混合物を分析すると、用いたリンの量に基づく理 論量の60%の収率でジメチルホスホロジチオ酸トリエステルを含んでいること が示された。 かなり詳細に記載した特定の実施態様に関連して本発明を説明したが、この記 載は例示のみを目的とし、本発明が必ずしも該記載に限定されるものでないこと を理解されたい。代替え実施態様及び操作法は、本開示を考慮すれば当業者には 明らかになるであろう。従って、記載されている本発明の精神から逸脱せずに行 われ得る変更も本発明に包含される。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項 【提出日】1995年8月4日 【補正内容】 請求の範囲 1.(a)チオ化すべき有機化合物及びLawessen試薬有機前駆体を不活 性雰囲気下の適切な反応器内に導入するステップ、 (b)少なくとも化学量論量の硫黄元素及び少なくともこの化学量論量の硫黄と 反応する量の黄リン元素を反応器に加えて、硫黄と黄リンが反応する温度まで反 応器の内容物を加熱して、前記有機化合物をチオ化するステップ、及び (c)チオ化生成物を反応器から回収するステップ からなるチオ化有機化合物の製造方法。 2.Lawessen試薬有機前駆体がアリール化合物である請求項1に記載の 方法。 3.アリール化合物がアニソールである請求項2に記載の方法。 4.ステップ(a)で硫黄元素を反応器に加え、反応速度を黄リン元素の添加速 度で調節する請求項1に記載の方法。 5.3−メルカプトピリダジン及び3,6−ジメルカプトピリダジンからなる群 の中から選択される化合物の製造方法であって、Lawessen試薬有機前駆 体の存在下、不活性雰囲気下にて、黄リンと硫黄が反応する活性化温度 よりも高温で、対応するピリダゾン又はピリダイジンを黄リン元素及び硫黄元素 と反応させることからなる前記方法。 6.チオ化すべき有機化合物が、それぞれ対応するジチオホスフィン酸、ホスホ ンアミドジチオネート、ジチオホスホネート、ピリジジン及びジアザホスホリン を得るためのグリニャール試薬、アミン、アルコキシド、ピリダジン、ピリダゾ ン及びヒドラゾンからなる群の中から選択される請求項1に記載の方法。 7.チオ化すべき有機化合物が、それぞれ対応するチオケトン、ホスホロジチオ エート、チオラクタム、チオアミド、ヒドロキシ置換チオベンズアミド、β−チ オラクタム、エナミンチオ及びチオベンズアミドを得るためのアリール及びアル キルケトン、アルキル及びアリールアルコール、ラクタム、アリールアミド、ア ルキルアミド、ヒドロキシ置換ベンズアミド、β−ラクタム、エナミネオン並び にベンズアミドからなる群の中から選択される請求項1に記載の方法。 8.(a)アルキルアルコールを硫黄元素及び黄リン元素と合わせ、ここで硫黄 及び黄リンは一般にP25に相当する量で存在し、 (b)(a)の混合物を、硫黄と黄リンが反応する温度まで加熱し、 (c)ジアルキルホスホロジチオ酸を反応混合物から回収する ことからなるジアルキルホスホロジチオ酸の製造方法。 9.ステップ(a)の混合物が化学量論的過剰のアルキルアルコールを含んでい る請求項8に記載の方法。 10.アルコールがC7−C9アルキルアルコールの混合物である請求項9に記載 の方法。 11.硫黄元素の下層を含み、この上方に液体高沸点アルキルアルコール層が接 触している反応器を用意し、この反応器内に黄リン元素を導入し、アルキルアル コール層を通過させて硫黄と黄リンとの反応温度で黄リン元素を硫黄層と接触さ せることにより、黄リン、硫黄及びアルコール間で反応を生起させてジアルキル ホスホロジチオ酸を生成することからなるジアルキルホスホロジチオ酸の製造方 法。 12.アルコールが、n−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、n−ペ ンタノール及びイソオクタノールからなる群の中から選択される請求項11に記 載の方法。 13.メタノール及びエタノールからなる群の中から選択 されたアルコールを黄リン元素及び硫黄元素と混合することからなるジアルキル ジチオホスホロジチオエートの製造方法であって、黄リン及び硫黄の量は一般に P25に相当し、黄リンと硫黄とのプレミックスを適切な反応器内のアルコール に添加して、黄リンと硫黄が反応する活性化温度まで温度を上昇させる前記方法 。 14.適切な反応器で硫黄元素と水酸化ナトリウムとを合わせ、次いで黄リン元 素を一般にP25に相当する硫黄対黄リンの比率で反応器に添加し、反応器の内 容物を硫黄と黄リンが反応する温度まで加熱することからなるチオリン酸ナトリ ウムの製造方法。 15.適切な反応器で実質的に無水のヒドロキシ置換アリール化合物と硫黄元素 と黄リン元素とを合わせ、反応器の内容物を黄リンと硫黄が反応する温度まで加 熱することからなるジアリールホスホロジチオ酸の製造方法であって、黄リンと 硫黄との比率が一般にP25に相当する前記方法。 16.アリール化合物がm−クレゾールである請求項15に記載の方法。 17.アリール化合物がp−ノニルフェノールである請求 項15に記載の方法。 18.不活性雰囲気下の適切な反応器内で実質的に無水のカルボン酸を硫黄と合 わせ、次いで反応器に黄リンを添加して、反応器内の内容物を硫黄と黄リンが反 応する温度まで加熱することからなるチオカルボン酸の製造方法であって、黄リ ンと硫黄との比率が一般にP25に相当する前記方法。 19.カルボン酸がヘキサン酸である請求項18に記載の方法。 20.リン元素と硫黄元素との反応温度よりも低温の該元素のプレミックスを反 応に供することからなるリンと硫黄を反応条件下で反応させる方法。 21.プレミックスを液状で提供する請求項20に記載の方法。 22.プレミックスが完全に液体である請求項21に記載の方法。 23.液体がリン又は硫黄を少なくとも一部固体状態で含んでいる請求項21に 記載の方法。 24.固体状態のプレミックスでプロセスを実施する請求項20に記載の方法。 25.プレミックスがS8タイプの固体を含んでいる請求項24に記載の方法。 26.プレミックスがP4タイプの固体を含んでいる請求項24に記載の方法。 27.プレミックスがS8及びP4両タイプの固体を含んでいる請求項24に記載 の方法。 28.温度制御手段及びプレミックス攪拌手段を備えた配合タンク内で液状のプ レミックスを生成する請求項20に記載の方法。 29.プレミックスを約30℃〜約80℃の範囲の温度に維持する請求項21に 記載の方法。 30.リン元素と硫黄元素との反応温度よりも低温の該元素のプレミックス及び 少量の希釈剤を反応に供することからなるリンと硫黄を反応条件下で反応させる 方法。 31.希釈剤が、リンと硫黄を反応条件下で反応させるプロセスの生成物である 請求項30に記載の方法。 32.プレミックスの約2重量%〜約35重量%の量の希釈剤が存在する請求項 30に記載の方法。 33.約2重量%〜約10重量%の量の希釈剤が存在する請求項32に記載の方 法。 34.リンと硫黄を反応させて硫化リンを生成し、希釈剤がこの硫化リンである 請求項30に記載の方法。 35.約2重量%〜約35重量%の量の希釈剤がプレミックス中に存在する請求 項34に記載の方法。 36.約2重量%〜約10重量%の量の希釈剤が存在する請求項35に記載の方 法。 37.プレミックスが、約72〜約75原子%の硫黄と約25〜約28原子%の リンと少量の五硫化リンとを含んでいる請求項34に記載の方法。 38.約2重量%〜約35重量%の量の五硫化リンがプレミックス中に存在する 請求項37に記載の方法。 39.約2重量%〜約10重量%の量の五硫化リンがプレミックス中に存在する 請求項37に記載の方法。 40.約22〜約25原子%のリン元素と約75〜約78原子%の硫黄元素とを 含む該元素の反応温度よりも低温のプレミックスを反応に供して硫黄元素をリン 元素と反応条件下で反応させることからなる五硫化リンの製造方法。 41.プレミックスが更に少量の希釈剤を含んでいる請求項40に記載の方法。 42.希釈剤が五硫化リンであり、プレミックスの約2〜 約10重量%の量存在する請求項41に記載の方法。 43.反応開始温度が約120℃〜約125℃の範囲内であり、発熱温度が約2 25℃〜約250℃の範囲内である請求項42に記載の方法。 44.プレミックスを液状で反応に供する請求項40に記載の方法。 45.リンと硫黄を反応条件下で反応させて生成物を製造するプロセスのための 供給材料の製造方法であって、リン元素と硫黄元素との反応温度よりも低温のこ れら2元素を、反応生成物である化合物からなる少量の希釈剤と合わせることか らなる前記方法。 46.生成物が五硫化リンであり、供給材料が約75〜約78原子%の硫黄、約 22〜約28原子%のリン、及び約2〜約35%の五硫化リンを含む請求項45 に記載の方法。 47.供給材料を液状で供給する請求項46に記載の方法。 48.供給材料が完全に液体である請求項47に記載の方法。 49.液体がリン又は硫黄を少なくとも一部結晶質状態で含んでいる請求項47 に記載の方法。 50.固体状態の供給材料でプロセスを実施する請求項4 5に記載の方法。 51.プレミックスがS8タイプの結晶を含んでいる請求項50に記載の方法。 52.供給材料がP4タイプの結晶を含んでいる請求項50に記載の方法。 53.供給材料がS8及びP4両タイプの結晶を含んでいる請求項50に記載の方 法。 54.温度制御手段及びプレミックス攪拌手段を備えた配合タンク内で液状の供 給材料を生成する請求項45に記載の方法。 55.供給材料を30℃〜約80℃の範囲の温度に維持する請求項45に記載の 方法。 56.3−メルカプトピリダジン及び3,6−ジメルカプトピリダジンからなる 群の中から選択される化合物の製造方法であって、不活性雰囲気下にて、リンと 硫黄が反応する活性化温度よりも高温で、対応するピリダゾン又はピリダイジン をリン元素及び硫黄元素と反応させることからなる前記方法。 57.硫黄元素とリン元素と約2〜約35重量%の五硫化リンとを含んでなり、 リンと硫黄が反応する活性化温度よ りも低温で空気安定性を示す組成物。 58.硫黄が約25〜約28%の量存在し、リンが約72〜約78%の量存在す る請求項56に記載の組成物。 59.約25〜約28%の硫黄元素と約72〜約78%のリン元素と約2〜約1 0%の五硫化リンとを含んでなり、リンと硫黄が反応する活性化温度よりも低温 で空気安定性を示す組成物。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)チオ化すべき有機化合物及びLawessen試薬有機前駆体を不活 性雰囲気下の適切な反応器内に導入するステップ、 (b)少なくとも理論量の硫黄元素及び少なくともこの理論量の硫黄と反応する 量のリン元素を反応器に加えて、硫黄とリンが反応する温度まで反応器の内容物 を加熱して、前記有機化合物をチオ化するステップ、及び (c)チオ化生成物を反応器から回収するステップ からなるチオ化有機化合物の製造方法。 2.Lawessen試薬有機前駆体がアリール化合物である請求項1に記載の 方法。 3.アリール化合物がアニソールである請求項2に記載の方法。 4.ステップ(a)で硫黄元素を反応器に加え、反応速度をリン元素の添加速度 で調節する請求項1に記載の方法。 5.3−メルカプトピリダジン及び3,6−ジメルカプトピリダジンからなる群 の中から選択される化合物の製造方法であって、Lawessen試薬有機前駆 体の存在下、不活性雰囲気下にて、リンと硫黄が反応する活性化温度よ りも高温で、対応するピリダゾン又はピリダイジンをリン元素及び硫黄元素と反 応させることからなる前記方法。 6.チオ化すべき有機化合物が、それぞれ対応するジチオホスフィン酸、ホスホ ンアミドジチオネート、ジチオホスホネート、ピリジジン及びジアザホスホリン を得るためのグリニャール試薬、アミン、アルコキシド、ピリダジン、ピリダゾ ン及びヒドラゾンからなる群の中から選択される請求項1に記載の方法。 7.チオ化すべき有機化合物が、それぞれ対応するチオケトン、ホスホロジチオ エート、チオラクタム、チオアミド、ヒドロキシ置換チオベンズアミド、β−チ オラクタム、エナミンチオ及びチオベンズアミドを得るためのアリール及びアル キルケトン、アルキル及びアリールアルコール、ラクタム、アリールアミド、ア ルキルアミド、ヒドロキシ置換ベンズアミド、β−ラクタム、エナミネオン並び にベンズアミドからなる群の中から選択される請求項1に記載の方法。 8.(a)アルキルアルコールを硫黄元素及びリン元素と合わせ、ここで硫黄及 びリンは一般にP25に相当する量で存在し、 (b)(a)の混合物を、硫黄とリンが反応する温度まで加熱し、 (c)ジアルキルホスホロジチオ酸を反応混合物から回収する ことからなるジアルキルホスホロジチオ酸の製造方法。 9.ステップ(a)の混合物が化学量論的過剰のアルキルアルコールを含んでい る請求項8に記載の方法。 10.アルコールがC7−C9アルキルアルコールの混合物である請求項9に記載 の方法。 11.硫黄元素の下層を含み、この上方に液体高沸点アルキルアルコール層が接 触している反応器を提供し、この反応器内にリン元素を導入し、アルキルアルコ ール層を通過させて硫黄とリンとの反応温度でリン元素を硫黄層と接触させるこ とにより、リン、硫黄及びアルコール間で反応を生起させてジアルキルホスホロ ジチオ酸を生成することからなるジアルキルホスホロジチオ酸の製造方法。 12.アルコールが、n−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、n−ペ ンタノール及びイソオクタノールからなる群の中から選択される請求項11に記 載の方法。 13.メタノール及びエタノールからなる群の中から選択 されたアルコールをリン元素及び硫黄元素と混合することからなるジアルキルジ チオホスホロジチオエートの製造方法であって、リン及び硫黄の量は一般にP2 5に相当し、リンと硫黄とのプレミックスを適切な反応器内のアルコールに添 加して、リンと硫黄が反応する活性化温度まで温度を上昇させる前記方法。 14.適切な反応器で硫黄元素と水酸化ナトリウムとを合わせ、次いでリン元素 を一般にP25に相当する硫黄対リンの比率で反応器に添加し、反応器の内容物 を硫黄とリンが反応する温度まで加熱することからなるチオリン酸ナトリウムの 製造方法。 15.適切な反応器で実質的に無水のヒドロキシ置換アリール化合物と硫黄元素 とリン元素とを合わせ、反応器の内容物をリンと硫黄が反応する温度まで加熱す ることからなるジアリールホスホロジチオ酸の製造方法であって、リンと硫黄と の比率が一般にP25に相当する前記方法。 16.アリール化合物がm−クレゾールである請求項15に記載の方法。 17.アリール化合物がp−ノニルフェノールである請求項15に記載の方法。 18.不活性雰囲気下の適切な反応器内で実質的に無水のカルボン酸を硫黄と合 わせ、次いで反応器にリンを添加して、反応器内の内容物を硫黄とリンが反応す る温度まで加熱することからなるチオカルボン酸の製造方法であって、リンと硫 黄との比率が一般にP25に相当する前記方法。 19.カルボン酸がヘキサン酸である請求項18に記載の方法。
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