JP5281754B2 - ヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法 - Google Patents

ヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヨウ素含有化合物を含む液体を原料とした高純度のヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法に関し、特に、燃焼法を利用したヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法に関する。
ヨウ素は、生活関連用原料として、レントゲン造影剤、医薬品、殺菌防黴剤、また工業用として、触媒安定剤、写真用原料、農業用として飼料添加剤、除草剤等に使用されており、世界的に貴重な資源である。一般的なヨウ素の製造方法として、ヨウ素又はヨウ素化合物を含有する混合物から、ヨウ素を精製する方法が行われている。ヨウ素の精製の原料としては、鉱石、かん水、海草燃焼灰あるいは、ヨウ素またはヨウ化物を含む廃棄物などが知られている。特に、廃棄物から高価なヨウ素を回収することは、経済的、自然環境保護的、省資源の点から見ても非常に有益である。前述のように、ヨウ素は種々製品の原料、中間体、触媒等に使用される。例えば、有機化合物の合成にはヨウ素が単体あるいは化合物として使用されるが、使用された全てのヨウ素が合成に関与するわけではない。一部は、反応しないでそのまま残ったり、他の化合物になったりする。従って、製造工程より排出される廃棄物は、ヨウ素単体、または、種々の無機及び有機化合物の形でヨウ素を含有し、その形状も廃液(廃水、廃油)、汚泥物と様々である。このような廃棄物からヨウ素を回収する方法の一例として、燃焼法に関するヨウ素回収法が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、ヨウ素またはヨウ素化合物を含有する廃棄物にアルカリ金属化合物および溶剤を混合し、その混合物を燃焼し、その処理ガス中に含まれるヨウ化ナトリウムまたはヨウ化水素をアルカリ性の水溶液に吸収させることを特徴とする技術が開示されている。そして、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化水素を吸収した水溶液からヨウ素が精製されるのである。
特開平6‐157005号公報(平成6年6月3日公開)
上述のように、精製されたヨウ化アルカリ金属塩水溶液は、ヨウ素の精製に有用な原料となる。そのため、ヨウ素またはヨウ素化合物を含有する混合物、たとえば、廃棄物から、高純度のヨウ化アルカリ金属塩水溶液を製造することが望まれている。しかしながら、通常廃棄物には、目的とするヨウ化アルカリ金属塩以外に、有機金属化合物、金属、有機化合物など多種多様な不要物が含まれている。このような混合物から高純度のヨウ化アルカリ金属塩水溶液を得ようとすると、混合物の有機分を除去できる有効な方法として、燃焼法が挙げられる。燃焼法は可燃分をCOガス、Nガスなどにして除去できると共に、得られるヨウ化アルカリ金属塩を回収する溶液量を調製することで、容易に高純度のヨウ化アルカリ金属塩を得ることができる有用な方法である。燃焼炉としては、旋回炉、流動燃焼炉、キルン炉、液中燃焼炉などが挙げられるが、特に、混合物が液体であれば、燃焼炉への供給が容易であり、連続回収ができると共に、得ようとするヨウ化アルカリ金属塩水溶液の濃度調節が容易である液中燃焼炉が優れている。また、混合物が固体でも燃焼前に液体と混合することで、同様の処理を行うことができるのである。
このような液中燃焼法を利用して、高純度のヨウ化アルカリ金属塩溶液を得たい場合に、この混合物を直接燃焼に供すると、以下のような問題が起こることがある。たとえば、混合物の燃焼時に生じた分解生成物同士が反応することで、新たなアルカリ金属塩が形成されることがある。アルカリ金属塩は、一般に融点が高く、炉内の温度によっては、炉の内壁に付着(固化)してしまい、固化したアルカリ金属塩が、自重により目的液中に落下し、水蒸気爆発などを引き起こすことがあり、ヨウ化アルカリ金属塩水溶液の製造を妨げてしまう。さらに、これらの高融点生成物の固化が、処理液の供給口で起きてしまった場合、供給口(ノズル)を詰まらせ、処理液の供給が難しくなり、処理自体を中断せざるを得ないこともある。
このような問題は、混合物中に含有されている物質の種類または炉の性能に応じて起こり得る問題である。そのため、混合物中に含有されている成分や炉の性能に依存することなく、ヨウ素またはヨウ素化合物を含有する混合物から高純度のヨウ化アルカリ金属塩溶液を製造する技術の開発が望まれている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヨウ素またはヨウ素化合物を含有する液体から高純度のヨウ化アルカリ金属塩溶液を製造する方法を提供することにある。
本発明にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法は、
燃焼用処理液を燃焼して、該燃焼用処理液中の可燃成分を燃焼した後、生じた分解生成物を含むガスを冷却することを含むヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法であって、
(a)ヨウ化アルカリ金属塩と、燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成し得る無機塩形成物質と、有機化合物とを含む液体を準備する工程と、
(b)前記無機塩形成物質を析出させる析出溶媒を前記液体に添加する工程と、
(c)前記工程(b)により析出した前記無機塩形成物質を前記液体から除去し、前記燃焼用処理液を得る工程と、
(d)前記燃焼用処理液を燃焼し、生じた分解生成物を含むガスを冷却する工程と、を含むことを特徴とする。
なお、本発明において、「アルカリ金属含有無機塩」とは、ヨウ化アルカリ金属塩を除く化合物のことをいう。「燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成し得る無機塩形成物質」とは、燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を生じせしめる元素成分を含む化合物のことをいう。
本発明にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法では、前記工程(b)の前後に、前記液体中の溶媒を留去する工程を含むことが好ましい。
なお、本発明において、「溶媒を留去する」とは、該液体中の溶媒の少なくとも一部を留去する場合を含む意味であり、必ずしも該液体中の溶媒の全量が留去される必要はない。なお、本発明において、「溶媒」とは、アルカリ金属塩および無機塩形成物質の少なくとも一部を溶解し得る溶媒のことをいう。なお、留去にあたっては、常圧蒸留および減圧蒸留などの一般的な蒸留を行うことができる。また、工程(b)の前後とは、工程(b)の前、工程(b)の後、およびその双方を含む意味である。
本発明にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法では、前記アルカリ金属含有無機塩の融点は、1000℃を超えるものである。
本発明にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法では、前記析出溶媒は、水であることが好ましい。
本発明にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法では、前記析出溶媒の添加は、50℃以上、100℃以下の水を添加することが好ましい。
本発明にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法では、前記アルカリ金属含有無機塩は、リン元素、硼素元素およびケイ素元素の少なくとも1種を含有する化合物である。
本発明にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法は、工程(b)で燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成し得る無機塩形成物質を析出させ、工程(c)で析出した無機塩形成物質を除去する。アルカリ金属含有無機塩は、一般的に高融点であるため、燃焼時の炉内において該無機塩が形成されないことが望まれる。本発明では、上記工程(b)(c)を行うことで高融点の無機塩が燃焼時に形成されることを抑制し得る。そのため、炉内においてアルカリ金属含有無機塩を生じさせる要因となる物質の含有量が低減された燃焼用処理液を得ることができる。この燃焼用処理液を用いて工程(d)を行うことにより、炉内でアルカリ金属含有無機塩が形成されることが抑制され、良好に燃焼処理に供することができる。その結果、高純度のヨウ化アルカリ金属塩溶液を得ることができる。
さらに、本発明にかかる製造方法では、前記液体中の溶媒を留去することで、析出溶媒の添加の効果を高めるとともに、特に炉内の温度を上昇させる有機溶媒の含有割合を低下させることもできる。その結果、炉内の温度上昇を抑制することができる。たとえば、炉内の温度を1000℃以下に制御することができ、NOの発生を抑制することができる。また、上記のように炉内の温度上昇を抑制できることにより、炉を構成する耐火レンガの劣化を防止できる。
本発明にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液は、上記の製造方法により製造されたものである。そのため、純度が高くヨウ素の回収処理に好適に供することができるヨウ化アルカリ金属塩溶液を提供することができる。
本発明に係るヨウ素の回収方法は、前記ヨウ化アルカリ金属塩溶液に、塩素添加および加熱溶融を行うことを含む。本発明にかかるヨウ素の回収方法によれば、純度の高いヨウ化アルカリ金属塩溶液を用いるため、純度の高いヨウ素の精製を行うことができる。
本発明に係るヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法は、以上のように、工程(b)および工程(c)を含むことで、液中燃焼時において高融点物質の一つであるアルカリ金属含有無機塩の形成が抑制される。特に、融点が1000℃を超える高融点物質の形成が抑制される。そのため、良好に液中燃焼処理を施すことができ、純度が高いヨウ化アルカリ金属塩水溶液を製造できるという効果を奏する。
1.ヨウ化アルカリ金属塩溶液およびその製造方法
次に、本実施形態にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法について説明する。本実施形態にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法は、液中燃焼法を用いた製造方法であり、
燃焼用処理液を燃焼して、該燃焼用処理液中の可燃成分を燃焼した後、生じた分解生成物を含むガスを冷却することを含むヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法であって、
(a)ヨウ化アルカリ金属塩と、燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成し得る無機塩形成物質と、有機化合物とを含む液体を準備する工程と、
(b)前記無機塩形成物質を析出させる析出溶媒を前記液体に添加する工程と、
(c)前記工程(b)により析出した前記無機塩形成物質を前記液体から除去し、前記燃焼用処理液を得る工程と、
(d)前記燃焼用処理液を燃焼し、生じた分解生成物を含むガスを冷却する工程と、を含む。
以下に各工程について説明する。
工程(a):
まず、ヨウ素化合物を含む液体を準備する。この液体は、たとえば、ヨウ素化反応を含む化学合成の廃液であることができ、未反応のヨウ素、出発物質、触媒、溶媒などの有機化合物、無機化合物を含んでいることができる。ここで、準備するとは、後述する工程(b)に供することができる状況にすることを意味する。例えば、廃液を入手することが、液体を準備する工程に相当する。
上記のような化学合成の廃液を入手し特に本実施形態にかかる液体は、ヨウ化アルカリ金属塩と、燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成し得る無機塩形成物質とを含む。液体中に含有されるヨウ化アルカリ金属塩としては、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)などを例示することができる。燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成し得る無機塩形成物質とは、燃焼雰囲気(熱処雰囲気)下で、ヨウ化アルカリ金属や他のアルカリ金属塩と反応し得る元素成分を含む化合物である。具体的には、有機リン化合物、有機硼素化合物、有機ケイ素化合物である。なお、これらの化合物は、前記液体中で少なくとも一部が溶解している。
上記アルカリ金属含有無機塩の一例としては、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなどを例示することができる。これらの化合物は、1000℃を超える融点を有する。
また、1000℃を超える融点を有するアルカリ金属含有無機塩を形成し得る物質を燃焼時に生じさせる化合物としては、リン元素、硼素元素およびケイ素元素の少なくとも1種を含有した化合物が挙げられる。有機リン化合物として、たとえば、トリフェニルホスフィン、リン酸トリフェニルおよびトリフェニルホスフィンオキシドを例示することができる。有機硼素化合物として、トリアリール硼素などを例示することができる。有機ケイ素化合物として、トリエチルシラノールなどを例示することができる。
また、本実施形態にかかる液体に含有される有機化合物とは、メタノール、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルアミン、ジメチルホルムアミド、イソブタノールなどの有機溶媒を意味し、前記無機塩形成物質(有機リン化合物、有機硼素化合物、有機ケイ素化合物など)を除く有機化合物である。
工程(b):
ついで、上記液体中の無機塩形成物質を析出させる。具体的には、前記無機塩形成物質の溶解度が低い溶媒(析出溶媒)を液体に添加する。これにより、液体中で無機塩形成物質が析出する。この析出溶媒としては、前記無機塩形成物質を析出することができる溶媒であれば、特に制限されない。例えば、水を好適に用いることができる。なお、この水には、上記役割を果たすことができる範囲で、水以外の混合物が含まれてもよい。混合物としては、pH調整用の酸、アルカリ、例えば、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。
また、工程(b)では、液体中の溶媒の含有量に応じて、溶媒の留去を行うことが好ましい。溶媒の留去は、常圧もしくは減圧の条件で、一般的な蒸留操作により行うことができる。ここで、留去することが好ましい溶媒は、具体的には、メタノール、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルアミン、イソブタノールを例示することができる。このように、溶媒を留去することで、燃焼炉の性能(耐火性など)に依存することのない燃焼用処理液を調製することができる。さらに、上記した、有機リン化合物または有機硼素化合物の溶解度を低下させ、無機塩形成物質を析出しやすくすることができる。なお、ここで、工程(a)で説明した液体から、溶媒の少なくとも一部を除去することができれば、本発明の留去に該当する。
溶媒の留去は、析出溶媒の添加前に行うことが好ましい。さらに、析出溶媒の添加前に溶媒の留去を行う場合、析出溶媒として、蒸留操作により加温された液体との温度差が大きくならないよう、温度が50℃以上、100℃以下の条件の水を用いることが好ましい。これにより、蒸留操作を終えた後の液体の温度を急激に低下させることがなく、結晶状の沈殿物を得ることができる。例えば、析出溶媒の添加により、液体の温度を急激に低下させてしまう場合には、沈殿物がケーキ状になってしまい、良好にろ過することができないことがあるばかりか、装置を破損する場合がある(攪拌軸やバックルの破損)。しかし、上記のように、所定温度の温度を有する水を添加することで、このような問題を回避することができる。特に、本製造方法を、工業的な生産に適用する場合には、ケーキ状の析出物は、後述するろ過工程を実施する装置(配管、フィルター等)を詰まらせる恐れがある。しかし、上記温度範囲の水を添加する場合には、結晶状の沈殿物が得られるため、工業的な生産に適用した場合であっても上記問題を回避することができる。
工程(c):
上記析出溶媒の添加により、析出した沈殿物を除去する。この除去は、たとえば、ろ過により行うことができる。このように、燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成しえる無機塩形成物質を含む沈殿物を除去することで、燃焼時に炉内で、アルカリ金属含有無機塩が形成することを抑制することができる。特に炉内で形成を抑制したいアルカリ金属含有無機塩は、その融点が1000℃を超える無機塩である。以上の工程(a)〜(c)により、燃焼用処理液を調製することができる。
なお、工程(b)で説明した、溶媒の留去は、析出溶媒の添加前、析出溶媒を添加し、析出した沈殿物を除去した後および析出溶媒を添加し、析出した沈殿物を除去する前のいずれのタイミングで行ってもよい。しかし、上述したように、析出溶媒の添加前に「溶媒の留去」を行った場合には、析出溶媒の添加温度を制御することが好ましい。
工程(d):
次に工程(d)において、燃焼用処理液を燃焼し、生じた分解生成物を含むガスを冷却し、ヨウ化アルカリ金属塩溶液を得る。まず、この工程で使用する液中燃焼炉について説明する。液中燃焼炉10は、燃焼用処理液を助燃料および可燃ガスと共に燃焼させる燃焼炉本体11と、燃焼炉本体11の下部に配設され燃焼炉本体11から落下する分解生成物を含むガスを回収する冷却缶12と、を含む。なお、この図1では、液中燃焼炉10のみを示すが、液中燃焼炉システム全体としては、図示しないが排気ガス回収機構など公知の各種構成が組み込まれている。燃焼炉本体11の上部には、助燃料バーナー8、可燃ガスと燃焼用処理液を供給するための供給口(図示せず)が設けられている。可燃ガスと燃焼用処理液は、矢印6に従って燃焼炉本体11に供給される。
この燃焼炉に、燃焼用処理液を供給することで、燃焼用処理液中の可燃物を燃焼する。具体的には、燃焼液中に含まれる有機成分(C、Hなど)は完全に酸化分解される。排ガスは、矢印4に従って、排ガス処理機構(図示せず)に供給される。そして、ヨウ素、あるいは、アルカリ金属ヨウ化物を含む熱処理ガスを冷却缶12に導入する。冷却缶12には、pHが7以上、13以下であり、温度が5℃以上、100℃未満である水が保持されている。熱処理ガスが冷却缶12に導入されることで、上記水と接触しヨウ化アルカリ金属塩溶液を得ることができる。さらに、熱処理ガス中に発生する遊離ヨウ素は、水への溶解度が低いため、排ガスに含まれて排気されてしまうことがある。排気による回収率の低下を抑制するために、冷却缶12中の水に0.1重量%以上、5重量%以下の還元剤を添加しておくことが好ましい。還元剤としては、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムを例示することができる。
以上の工程により、不純物が除去され、高純度のヨウ化アルカリ金属塩溶液を得ることができる。
本実施形態にかかるヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法では、工程(b)で燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成し得る無機塩形成物質を析出させ、工程(c)で析出した無機塩形成物質を除去する。そのため、炉内でアルカリ金属無機塩を生じさせる要因となる物質の含有量が低減された燃焼用処理液を調製することができる。この燃焼用処理液を用いて工程(d)を行うことにより、炉内での反応生成物が形成されることが抑制され、良好に燃焼処理に供することができる。その結果、高純度のヨウ化アルカリ金属塩溶液を得ることができる。
2.ヨウ素の精製
次に、得られたヨウ化アルカリ金属塩溶液からヨウ素を回収する方法について説明する。このヨウ素の回収には公知の技術を用いることができる。たとえば、ヨウ化アルカリ金属塩溶液のpHを調整した後、塩素を吹き込んで遊離ヨウ素を沈殿させ、次いで溶融精製することで、ヨウ素を回収することができる。このように回収されたヨウ素の純度は、99.5%〜99.9%である。
以上の工程により、ヨウ化アルカリ金属塩溶液からヨウ素を回収することができる。
また、ヨウ素を回収する方法としては、上記の塩素酸化法の他に、硫酸、二酸化マンガンによる酸化法、亜硝酸ナトリウムによる酸化法、次亜塩素酸カルシウム溶液による酸化法などを例示することができる。
本発明にかかるヨウ素の回収方法によれば、上記操作により精製したヨウ化アルカリ金属塩溶液を使用しているため、純度の高いヨウ素の回収を実現することができる。
以下、本発明について、実施例を参照しつつ説明する。なお、本発明が下記の実施例に限定されないことはいうまでもない。
[実施例1]
まず以下の表1に示す組成の液体を準備した。また、実施例1または実施例2において、表に示す化合物の組成は、以下の方法により定量した。
(ヨウ化ナトリウム)
ヨウ化ナトリウムは、0.1NAgNO水溶液を試薬としたタイトレーター法
(トリフェニルホスフィンオキシド)
カラム:TOSOH ODS‐80TM 4.6×150mm
カラム温度:40℃
移動層:ATN:水=4:6(v:v)(TEA・AcOH 0.1vol%)
流量:1.0mL/min
検出波長:230nm
内部標準物質;フタル酸ジメチル
(メタノール、ジメチルホルムアミド、イソブタノール、水)
カラム:クロモソルブ102 1.1m
カラム温度:70℃→20℃/min→200℃(13min)
キャリア:He(40mL/min)
検出:TCD(75mA)
内部標準物質:アセトニトリル
Figure 0005281754
この液体に対して、13kPa、蒸気温度45‐85℃の条件下で減圧蒸留を行い、溶媒の留去を行った。これにより、MeOH12.6g、DMF58.1g、i‐BuOH30.4gおよびHO11.4gが留去された。ついで、析出溶媒として温度が80℃である水144.1gを添加した。これにより、TPPOが析出し、析出したTPPOをろ別した。以上の操作により、燃焼用処理液が得られた。このときの組成は、表2のとおりであった。
Figure 0005281754
表1と表2と比較してわかるように、実施例1により得られた燃焼用処理液では、ジメチルホルムアミドやイソブタノールなどの有機溶媒の含有量を大幅に低下させ、また、アルカリ金属含有無機塩を形成し得る物質を燃焼時に生じさせる無機塩形成物質である、トリフェニルホスフィンオキシドの含有量を低減できたことが確認された。さらに、ヨウ化ナトリウムの含有量はほとんど変化がなく、有効に回収できることを確認できた。
[実施例2]
以下の表3に示す組成の液体を準備した。
Figure 0005281754
この液体に対して、13kPa、蒸気温度45‐85℃の条件下で減圧蒸留を行い、溶媒の留去を行った。これにより、MeOH 2.7Kg、DMF 11.7Kg、i‐BuOH 6.1KgおよびHO 2.3Kgが留去された。ついで、析出溶媒として温度が80℃である水26.2Kgを添加した。これにより、TPPOが析出し、析出したTPPOをろ別した。以上の操作により、燃焼用処理液が得られた。このときの組成は、表4のとおりであった。
Figure 0005281754
この燃焼用処理液15L(18Kg)を用いて、温度900℃−1000℃の条件下で液中燃焼を行い、燃焼処理ガスを2重量%の亜硫酸ナトリウムを含む冷却水に吸収させた。これにより、精製されたヨウ化ナトリウム水溶液14Lを得た。この水溶液中に溶解しているヨウ化ナトリウムは、1.37Kgであった。また、液中燃焼炉において、高融点物質の付着やノズルの詰まりはなく、良好な運転状態が確保された。
ついで、得られたヨウ化ナトリウム水溶液を塩素による酸化、ついで精製処理をすることでヨウ素を回収した。ヨウ素の純度は、99.8%であった。なお、ヨウ素の定量は、0.1Nチオ硫酸ナトリウム水溶液にて還元後に測定した。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明によれば、炉の性能および不純物に依存することなく、ヨウ化アルカリ金属塩を含む液体から、高純度のヨウ化アルカリ金属塩溶液を製造することができる。
本発明の実施形態で使用される燃焼装置を示す断面図である。
符号の説明
8 助燃焼バーナー
10 液中燃焼炉
11 燃焼炉本体
12 冷却缶

Claims (5)

  1. 燃焼用処理液を燃焼して、該燃焼用処理液中の可燃成分を燃焼した後、生じた分解生成物を含むガスを冷却することを含むヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法であって、
    (a)ヨウ化アルカリ金属塩と、燃焼時にアルカリ金属含有無機塩を形成し得る無機塩形成物質と、有機化合物とを含む液体を準備する工程と、
    (b)前記無機塩形成物質を析出させる析出溶媒を前記液体に添加する工程と、
    (c)前記工程(b)により析出した前記無機塩形成物質を前記液体から除去し、前記燃焼用処理液を得る工程と、
    (d)前記燃焼用処理液を燃焼し、生じた分解生成物を含むガスを冷却する工程と、を含むことを特徴とするヨウ化アルカリ金属塩溶液の製造方法。
  2. 前記工程(b)の前後に、前記液体中の溶媒を留去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記析出溶媒は、水であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記析出溶媒の添加は、50℃以上、100℃以下の水を添加することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記アルカリ金属含有無機塩は、リン元素、硼素元素およびケイ素元素の少なくとも何れか1種を含有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法。
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