JP3932791B2 - 塩化ビニリデンの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、副生物の生成を抑制して、塩化ビニリデンを安全かつ効率的に製造する方法に関するもので、化学品製造技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニリデンは、有機溶剤として、あるいはメチルクロロホルム、塩化ビニリデン樹脂及びその他の化学製品の原料として用いられる物質で、特に、その優れた気体非透過性、耐熱性及び化学的特性のため、フィルムやその他の形状で広く用いられている樹脂である。
【0003】
この塩化ビニリデンは、主として、1,1,2−トリクロロエタンのアルカリによる脱塩化水素反応により製造されており、アルカリとしては、水酸化カルシウム(消石灰)又は水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)が用いられている。
【0004】
一方の水酸化カルシウムを用いる方法は、効率も良く安全性も高い方法であるが、脱離した塩化水素が水酸化カルシウムと反応し固形状の塩化カルシウムを形成し、塩素の損失を招くだけでなく、配管閉塞の問題、環境衛生面での問題などを内在している方法である。
【0005】
他方、水酸化ナトリウムを用いる方法は均一系の反応であり、装置設計その他が容易であるが、副生物として、モノクロロアセチレン(以下、「MCA」という。)を発生させる。
このMCAは、自然発火性の化合物であるため、防災安全面に問題を有している方法と言える。
【0006】
この水酸化ナトリウムを用いる方法においては、前記のMCAの発生を抑える方法についての提案もすでになされているもので、例えば、特開昭56−104826号公報では、反応液中に、塩化ナトリウム(食塩)を飽和溶解度乃至はその近傍量添加する方法が提案されている。
【0007】
また、特開平10−316599号公報においては、前記MCAの抱える問題を改良するものとして、反応液における水相と液相の比、反応槽に導入するトリクロロエタンと水酸化物イオンの比、反応液中における水酸化物イオンの濃度と反応温度を特定の関係にする方法が提案されている。
【0008】
この公報案おいては、確かに、自然発火性のMCAの発生量を、回収塩化ビニリデン中で、8〜15ppm(実施例1〜5)と抑制していることが認められるが、そのために、反応槽内液中の油相と水相の容積比率を1/20(0.05)以上とせざるを得ず、塩化ビニリデンが生成する水相の比率が低いため、反応効率の良いものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平10−316599号公報でも説明されているが、トリクロロエタンとアルカリの反応は、反応液中における水相で行われるので、生産性を上げるためには、反応液中における水相の容積率を上げるのが望ましい。
【0010】
そこで、本発明者等は、生成した塩化ビニリデンなどを抽出する役目を担う油相が小さくなり、MCAが急激に増加するという相反する反応特性が認められるなかで、MCAの発生を最大限に抑えて、塩化ビニリデンの反応生産性を上げる方法について鋭意検討を行った。
【0011】
その結果、本発明者等は、反応液における水相中の塩素イオンの濃度を特定の範囲に限定すると、反応槽内液中の油相と水相の容積比率を1/25(0.04)以下となり、反応効率が上がり、生産性を向上させても、MCAの発生は許容量以下であることを見出し、この発明を完成させたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の塩化ビニリデンの製造方法は、
1,1,2−トリクロロエタンと、水酸化アルカリとを、
水相中の塩素イオンの濃度を、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持して反応させること
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
1,1,2−トリクロロエタン
この発明で用いられる1,1,2−トリクロロエタンは、工業的に製造されているものでよく、ジクロロエタンやテトラクロロエタンなどの不純物が多少存在しているものであってもよく、また、一度原料として使用し、反応後回収した塩化ビニリデンを含むものを再利用することもできる。
【0014】
水酸化アルカリ
この発明で用いられる水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどがあり、塩化ナトリウムの添加による塩素イオンを含有する水溶液として使用される。
【0015】
この発明において、反応液水相中の塩素イオンの濃度は、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持する必要があり、また水相のpHは10〜12であることが望ましいので、水酸化アルカリ濃度5〜15質量%、塩化ナトリウム濃度5〜15質量%の水酸化アルカリ水溶液が用いられる。
【0016】
水相のpHが高いと、塩化ビニリデンの脱塩酸が促進され、MCAの発生量が多くなり、pHが低いと、反応効率が低下するようになるので避けるのが望ましい。
【0017】
水酸化アルカリ水溶液に添加される塩化ナトリウムとしては、この発明の製造方法で副生したものを使用することが可能であり、省資源的に好ましい方法である。
【0018】
反応液水相中の塩素イオンの濃度が3.2モル/L未満であると、MCAの副生を抑えきれず、MCAが許容量以上に発生し、その濃度が4.2モル/Lを超えると、水酸化アルカリ自体の反応が抑制され、塩化ビニリデンの収率が低下するおそれがあり、好ましくは、3.5〜3.9モル/Lである。
【0019】
また、反応液水相中の塩素イオンの濃度は、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持することにより、反応槽内液中の油相と水相の容積比率を、1/25(0.04)以下とすることができる。
【0020】
反応条件
1,1,2−トリクロロエタンと水酸化アルカリの反応は、温度50〜100℃の範囲内で行うのが望ましく、温度100℃を越えて反応させると、MCA他の不純物の副生が多くなることがあり、温度50℃未満では、反応速度が遅く非実用的である。
【0021】
この反応は混合式連続流通反応装置で行われるが、加熱は、外部ジャケットによる加熱や、スチーム吹込みによる直接加熱などにより行われる。
【0022】
また、反応は油相と水相の不均一系で行われることと、水酸化アルカリの偏在はMCAの発生原因となるので、反応液の攪拌は重要であり、充分な攪拌を行うために、高い攪拌効率を有する攪拌が必要で、邪魔板や翼の形状を検討し、効果的な攪拌ができるようにするのが望ましい。
【0023】
さらに、水酸化アルカリを反応系に導入するに際しても、局所的に添加されないように、水酸化アルカリは、循環系にスタティックミキサーなどを用いて導入することが望ましい。
【0024】
反応液の排出方法はオーバーフロータイプとし、反応液面が常に一定になるようにし、液の温度、pHなどを連続的に計測して、反応が定常的に進行するように制御するのが望ましい。
【0025】
製品回収
反応系から留出する生成した粗製塩化ビニリデンは、凝縮器で液化し、重合禁止剤として、例えば、パラメトキシフェノールやジエチルアミンなどを5〜2000ppm添加して貯蔵される。
【0026】
得た粗製塩化ビニリデンは、蒸留によって純度99.9質量%以上、MCAの含有量1ppm以下の精製された塩化ビニリデンとすることができる。
【0027】
【作用】
この発明の塩化ビニリデンの製造方法は、1,1,2−トリクロロエタンと、水酸化アルカリとを反応させて塩化ビニリデンを製造する際に、反応槽内液中における水相中の塩素イオンの濃度を3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持することにより、反応槽内液中の油相と水相の容積比率を1/25(0.04)以下として、反応性を向上させても、通常副生する自然発火性で危険性の大きいMCAの生成が抑制されるという作用が認められる。
【0028】
【実施例】
実施例1
オーバーフロー管、及びガス系に充填塔とコンデンサーを装着した、容積2500ccの攪拌機付き連続流通反応装置に、1,1,2−トリクロロエタンを6.1g/min、NaCl濃度8.1%の9.7%苛性ソーダを18.4g/minで導入する。
回転攪拌数は1000rpmとし、反応温度は外部加熱によって温度67℃に加熱し、コンデンサーには温度約50℃の温水を流入した。
コンデンサーの塔頂より留出する塩化ビニリデンガスは、凝縮器で液化し、重合禁止剤として、ジエチルアミンをあらかじめ添加しておいた外部冷却したタンクに捕集した。系内には360ml/minの量の窒素を送気した。
定常状態における、水相pH、Cl濃度、苛性濃度、アルカリ転化率、液相/水相容積比、MCA発生量を、下記の表1に示す。
Cl濃度の分析はホルハルト法(硝酸銀による逆滴定法)、苛性濃度の分析は塩酸による滴定法、アルカリ転化率は供給苛性濃度と水相中の苛性濃度より算出し、1,1,2−トリクロロエタン(液相)/水相容積比は、オーバーフロー液を測定して求めた。
【0029】
比較例1〜2
実施例1で用いられた攪拌機付き連続流通反応装置を用い、表1に示された条件で、塩化ビニリデンを製造した結果を表1に示した。
【0030】
比較例1の条件では、MCAの発生量が多く、比較例2の条件では、反応率が不良であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
この発明の塩化ビニリデンの製造方法は、1,1,2−トリクロロエタンからの塩化ビニリデンを製造するに際し、1,1,2−トリクロロエタンと水酸化アルカリとを、水相中の塩素イオンの濃度を、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持して反応させることによって、自然発火性の危険物であるモノクロロアセチレン(MCA)を発生させることなく安全に、しかも、従来の製造方法に比して数段効率よく製造することができる。
【発明の属する技術分野】
この発明は、副生物の生成を抑制して、塩化ビニリデンを安全かつ効率的に製造する方法に関するもので、化学品製造技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニリデンは、有機溶剤として、あるいはメチルクロロホルム、塩化ビニリデン樹脂及びその他の化学製品の原料として用いられる物質で、特に、その優れた気体非透過性、耐熱性及び化学的特性のため、フィルムやその他の形状で広く用いられている樹脂である。
【0003】
この塩化ビニリデンは、主として、1,1,2−トリクロロエタンのアルカリによる脱塩化水素反応により製造されており、アルカリとしては、水酸化カルシウム(消石灰)又は水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)が用いられている。
【0004】
一方の水酸化カルシウムを用いる方法は、効率も良く安全性も高い方法であるが、脱離した塩化水素が水酸化カルシウムと反応し固形状の塩化カルシウムを形成し、塩素の損失を招くだけでなく、配管閉塞の問題、環境衛生面での問題などを内在している方法である。
【0005】
他方、水酸化ナトリウムを用いる方法は均一系の反応であり、装置設計その他が容易であるが、副生物として、モノクロロアセチレン(以下、「MCA」という。)を発生させる。
このMCAは、自然発火性の化合物であるため、防災安全面に問題を有している方法と言える。
【0006】
この水酸化ナトリウムを用いる方法においては、前記のMCAの発生を抑える方法についての提案もすでになされているもので、例えば、特開昭56−104826号公報では、反応液中に、塩化ナトリウム(食塩)を飽和溶解度乃至はその近傍量添加する方法が提案されている。
【0007】
また、特開平10−316599号公報においては、前記MCAの抱える問題を改良するものとして、反応液における水相と液相の比、反応槽に導入するトリクロロエタンと水酸化物イオンの比、反応液中における水酸化物イオンの濃度と反応温度を特定の関係にする方法が提案されている。
【0008】
この公報案おいては、確かに、自然発火性のMCAの発生量を、回収塩化ビニリデン中で、8〜15ppm(実施例1〜5)と抑制していることが認められるが、そのために、反応槽内液中の油相と水相の容積比率を1/20(0.05)以上とせざるを得ず、塩化ビニリデンが生成する水相の比率が低いため、反応効率の良いものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平10−316599号公報でも説明されているが、トリクロロエタンとアルカリの反応は、反応液中における水相で行われるので、生産性を上げるためには、反応液中における水相の容積率を上げるのが望ましい。
【0010】
そこで、本発明者等は、生成した塩化ビニリデンなどを抽出する役目を担う油相が小さくなり、MCAが急激に増加するという相反する反応特性が認められるなかで、MCAの発生を最大限に抑えて、塩化ビニリデンの反応生産性を上げる方法について鋭意検討を行った。
【0011】
その結果、本発明者等は、反応液における水相中の塩素イオンの濃度を特定の範囲に限定すると、反応槽内液中の油相と水相の容積比率を1/25(0.04)以下となり、反応効率が上がり、生産性を向上させても、MCAの発生は許容量以下であることを見出し、この発明を完成させたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の塩化ビニリデンの製造方法は、
1,1,2−トリクロロエタンと、水酸化アルカリとを、
水相中の塩素イオンの濃度を、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持して反応させること
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
1,1,2−トリクロロエタン
この発明で用いられる1,1,2−トリクロロエタンは、工業的に製造されているものでよく、ジクロロエタンやテトラクロロエタンなどの不純物が多少存在しているものであってもよく、また、一度原料として使用し、反応後回収した塩化ビニリデンを含むものを再利用することもできる。
【0014】
水酸化アルカリ
この発明で用いられる水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどがあり、塩化ナトリウムの添加による塩素イオンを含有する水溶液として使用される。
【0015】
この発明において、反応液水相中の塩素イオンの濃度は、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持する必要があり、また水相のpHは10〜12であることが望ましいので、水酸化アルカリ濃度5〜15質量%、塩化ナトリウム濃度5〜15質量%の水酸化アルカリ水溶液が用いられる。
【0016】
水相のpHが高いと、塩化ビニリデンの脱塩酸が促進され、MCAの発生量が多くなり、pHが低いと、反応効率が低下するようになるので避けるのが望ましい。
【0017】
水酸化アルカリ水溶液に添加される塩化ナトリウムとしては、この発明の製造方法で副生したものを使用することが可能であり、省資源的に好ましい方法である。
【0018】
反応液水相中の塩素イオンの濃度が3.2モル/L未満であると、MCAの副生を抑えきれず、MCAが許容量以上に発生し、その濃度が4.2モル/Lを超えると、水酸化アルカリ自体の反応が抑制され、塩化ビニリデンの収率が低下するおそれがあり、好ましくは、3.5〜3.9モル/Lである。
【0019】
また、反応液水相中の塩素イオンの濃度は、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持することにより、反応槽内液中の油相と水相の容積比率を、1/25(0.04)以下とすることができる。
【0020】
反応条件
1,1,2−トリクロロエタンと水酸化アルカリの反応は、温度50〜100℃の範囲内で行うのが望ましく、温度100℃を越えて反応させると、MCA他の不純物の副生が多くなることがあり、温度50℃未満では、反応速度が遅く非実用的である。
【0021】
この反応は混合式連続流通反応装置で行われるが、加熱は、外部ジャケットによる加熱や、スチーム吹込みによる直接加熱などにより行われる。
【0022】
また、反応は油相と水相の不均一系で行われることと、水酸化アルカリの偏在はMCAの発生原因となるので、反応液の攪拌は重要であり、充分な攪拌を行うために、高い攪拌効率を有する攪拌が必要で、邪魔板や翼の形状を検討し、効果的な攪拌ができるようにするのが望ましい。
【0023】
さらに、水酸化アルカリを反応系に導入するに際しても、局所的に添加されないように、水酸化アルカリは、循環系にスタティックミキサーなどを用いて導入することが望ましい。
【0024】
反応液の排出方法はオーバーフロータイプとし、反応液面が常に一定になるようにし、液の温度、pHなどを連続的に計測して、反応が定常的に進行するように制御するのが望ましい。
【0025】
製品回収
反応系から留出する生成した粗製塩化ビニリデンは、凝縮器で液化し、重合禁止剤として、例えば、パラメトキシフェノールやジエチルアミンなどを5〜2000ppm添加して貯蔵される。
【0026】
得た粗製塩化ビニリデンは、蒸留によって純度99.9質量%以上、MCAの含有量1ppm以下の精製された塩化ビニリデンとすることができる。
【0027】
【作用】
この発明の塩化ビニリデンの製造方法は、1,1,2−トリクロロエタンと、水酸化アルカリとを反応させて塩化ビニリデンを製造する際に、反応槽内液中における水相中の塩素イオンの濃度を3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持することにより、反応槽内液中の油相と水相の容積比率を1/25(0.04)以下として、反応性を向上させても、通常副生する自然発火性で危険性の大きいMCAの生成が抑制されるという作用が認められる。
【0028】
【実施例】
実施例1
オーバーフロー管、及びガス系に充填塔とコンデンサーを装着した、容積2500ccの攪拌機付き連続流通反応装置に、1,1,2−トリクロロエタンを6.1g/min、NaCl濃度8.1%の9.7%苛性ソーダを18.4g/minで導入する。
回転攪拌数は1000rpmとし、反応温度は外部加熱によって温度67℃に加熱し、コンデンサーには温度約50℃の温水を流入した。
コンデンサーの塔頂より留出する塩化ビニリデンガスは、凝縮器で液化し、重合禁止剤として、ジエチルアミンをあらかじめ添加しておいた外部冷却したタンクに捕集した。系内には360ml/minの量の窒素を送気した。
定常状態における、水相pH、Cl濃度、苛性濃度、アルカリ転化率、液相/水相容積比、MCA発生量を、下記の表1に示す。
Cl濃度の分析はホルハルト法(硝酸銀による逆滴定法)、苛性濃度の分析は塩酸による滴定法、アルカリ転化率は供給苛性濃度と水相中の苛性濃度より算出し、1,1,2−トリクロロエタン(液相)/水相容積比は、オーバーフロー液を測定して求めた。
【0029】
比較例1〜2
実施例1で用いられた攪拌機付き連続流通反応装置を用い、表1に示された条件で、塩化ビニリデンを製造した結果を表1に示した。
【0030】
比較例1の条件では、MCAの発生量が多く、比較例2の条件では、反応率が不良であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
この発明の塩化ビニリデンの製造方法は、1,1,2−トリクロロエタンからの塩化ビニリデンを製造するに際し、1,1,2−トリクロロエタンと水酸化アルカリとを、水相中の塩素イオンの濃度を、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持して反応させることによって、自然発火性の危険物であるモノクロロアセチレン(MCA)を発生させることなく安全に、しかも、従来の製造方法に比して数段効率よく製造することができる。
Claims (2)
- 1,1,2−トリクロロエタンと、水酸化アルカリとを、
水相中の塩素イオンの濃度を、3.2〜4.2モル/Lの範囲に維持して反応させること
を特徴とする塩化ビニリデンの製造方法。 - 反応槽内液中の油相と水相の容積比率が、
1:25〜50であること
を特徴とする請求項1に記載の塩化ビニリデンの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000290037A JP3932791B2 (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | 塩化ビニリデンの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002097207A JP2002097207A (ja) | 2002-04-02 |
JP3932791B2 true JP3932791B2 (ja) | 2007-06-20 |
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ID=18773329
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3932791B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104402806A (zh) * | 2014-10-31 | 2015-03-11 | 安徽绩溪县徽煌化工有限公司 | 一种烯啶虫胺的制备方法 |
WO2018038460A1 (ko) * | 2016-08-22 | 2018-03-01 | 한화케미칼 주식회사 | 비닐리덴 클로라이드의 제조방법 |
-
2000
- 2000-09-25 JP JP2000290037A patent/JP3932791B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104402806A (zh) * | 2014-10-31 | 2015-03-11 | 安徽绩溪县徽煌化工有限公司 | 一种烯啶虫胺的制备方法 |
WO2018038460A1 (ko) * | 2016-08-22 | 2018-03-01 | 한화케미칼 주식회사 | 비닐리덴 클로라이드의 제조방법 |
KR20180021646A (ko) * | 2016-08-22 | 2018-03-05 | 한화케미칼 주식회사 | 비닐리덴 클로라이드의 제조방법 |
CN109563013A (zh) * | 2016-08-22 | 2019-04-02 | 韩华化学株式会社 | 偏二氯乙烯的制备方法 |
KR102006819B1 (ko) * | 2016-08-22 | 2019-08-02 | 한화케미칼 주식회사 | 비닐리덴 클로라이드의 제조방법 |
CN109563013B (zh) * | 2016-08-22 | 2021-11-02 | 韩华化学株式会社 | 偏二氯乙烯的制备方法 |
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JP2002097207A (ja) | 2002-04-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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