JPH0951092A - 電界効果トランジスタ - Google Patents

電界効果トランジスタ

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JPH0951092A
JPH0951092A JP22576795A JP22576795A JPH0951092A JP H0951092 A JPH0951092 A JP H0951092A JP 22576795 A JP22576795 A JP 22576795A JP 22576795 A JP22576795 A JP 22576795A JP H0951092 A JPH0951092 A JP H0951092A
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Kazuoki Matsugaya
松ヶ谷  和沖
Takashi Taguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高電子移動度トランジスタ(HEMT)の特性
を安定させ、耐圧を向上させること。 【解決手段】半絶縁性のInP 基板1 上に, ノンドープの
InAlAs( In組成52%)から成るバッファ層2(膜厚100nm),
ノンドープのInGaAs( In組成80%)から成るチャネル層3
(膜厚20nm),ノンドープのInAlAs( In組成52%)から成る
スペーサ層4(膜厚5nm),Si ドープのn 型のInAlAs( In組
成52%)から成るドープ層5(膜厚10nm),ノンドープのInAl
As( In組成52%)から成るショットキー層6(膜厚5nm), ノ
ンドープのInGaAs( In組成53%)から成るキャップ層7(膜
厚2nm)が順次積層されている。キャップ層7 上には,AuG
e/Ni/Au から成るソース電極9 及びドレイン電極10が合
金化処理によりオーミック接触して形成され,Ti/Pt/Au
から成るゲート電極11がショットキー接触して形成され
てHEMT100 が構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果トランジ
スタに関し、特に、マイクロ波やミリ波の超高周波数帯
域において作動する高電子移動度トランジスタ(High E
lectron MobilityTransistor:以下HEMTと記す)に
関する。
【0002】
【従来の技術】高周波帯域での電波の利用やコンピュー
タの高速演算化などの実現のために、動作速度の速いト
ランジスタが注目されている。HEMTは超高速素子の
1つであり、信号の担い手である電子を供給する層(ド
ープ層)と、供給された電子が走行する層(チャネル
層)とが組み合わされた積層構造を成している。HEM
Tの性能を決める要因の1つにチャネル層の材質があ
る。チャネル層は、従来はGaAsが主流であったが、
最近GaAsよりも高速に電子を伝達することができる
InGaAsが注目されている。特に、InGaAsは
Inx Ga1-x Asと表現したときの xが大きくなるほ
ど、即ち、Inの組成が高くなるほど電子移動度が高く
なり、電子の伝達速度が高まるため、近年ではIn組成
を53%に設定したIn0.53Ga0.47Asを用い、この
In0.53Ga0.47Asと等しい格子定数を持つInP基
板を用いたHEMTが作製されている。また、In組成
をさらに高くしたHEMTの作製も試みられている。I
nGaAsから成るチャネル層に組み合わせるドープ層
には、InAlAsを用いるのが一般的である。ところ
が、InAlAs上にゲート電極を形成した場合には、
特に逆方向に電圧を加えた場合の耐圧が低いことが問題
であり、これを解決するために、例えば、ゲート電極直
下にノンドープのInGaAsを配置する構造のものが
知られている(特開平4−159730号公報)。
【0003】特開平4−159730号公報に開示され
ている技術の断面構造図を図4に示す。InPから成る
基板311上に、InAlAsから成るバッファ層30
2(膜厚500nm)、InGaAsから成るチャネル
層303(膜厚20nm)、InAlAsから成るスペ
ーサ層304(膜厚2nm)、n型のInAlAsから
成るドープ層305(膜厚10nm)、InAlAsか
ら成るバリア306(膜厚15nm)、InGaAsか
ら成るショットキー層307(膜厚10nm)、n型の
InGaAsから成るコンタクト層308(膜厚10n
m)が順次積層形成され、タンタクト層308上にソー
ス電極309及びドレイン電極310が形成されてい
る。そして、ソース電極309とドレイン電極310と
の間の部分において、リセスエッチングにより露出され
たショットキー層307上にゲート電極311が形成さ
れて、HEMT300を構成している。尚、上記説明の
中で、特にn型と表記していない層はノンドープの半導
体層である。このような構成とすることにより、ノンド
ープのInGaAsを介してゲート電極311が形成さ
れるため、直接InAlAsに電極を形成する場合に比
べ、逆方向の耐圧を高くすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記開
示技術では、ソース電極309とドレイン電極310と
の間の部分において、コンタクト層308を除去し、膜
厚10nmのショットキー層307の途中(深さ約5n
m)でエッチングを停止する必要があり、極めて高精度
のエッチング技術が必要となる。エッチング深さのばら
つきは、HEMT300の閾値電圧の変動や、最適バイ
アス条件のシフトなどの原因となり、素子特性がばらつ
くという問題がある。さらに、ゲート電極311がショ
ットキー層307上に形成されているために、ゲート電
極311とショットキー層307との接触部からわずか
5nm上部にはコンタクト層308が位置しており、エ
ッチングが不均一であると、リセスエッチングの溝の幅
が局所的に狭くなり、ゲート電極311の側面とコンタ
クト層308とが接近して、耐圧が低下する可能性もあ
る。
【0005】従って、本発明の目的は、上記課題に鑑
み、オーミック接合が必要なソース電極及びドレイン電
極をn型のコンタクト層上に形成し、ショットキー接合
の必要なゲート電極をノンドープのショットキー層上に
形成した従来の技術とは異なり、オーミック接合及びシ
ョットキー接合のいずれの接合にも適した半導体層を選
定し、リセスエッチングを行わずに、その半導体層上に
ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を直接形成す
ることにより、特性のばらつきがなく、耐圧が向上し、
高速、高周波動作が可能なHEMTを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の構成は、少なくとも基板上に、不純物が添
加されていない第一の半導体層と、少なくとも一部分に
不純物が添加された第二の半導体層と、不純物が添加さ
れていない第三の半導体層とが積層された電界効果トラ
ンジスタであって、第三の半導体層上に、ソース電極、
ドレイン電極及びゲート電極が直接形成されたという技
術的手段を採用するものである。
【0007】また、第二の発明の構成は、基板は半絶縁
性のInPから成り、第一の半導体層はInGaAsか
ら成り、第二の半導体層はn型のInAlAsから成
り、第三の半導体層はInGaAsから成るという技術
的手段を採用するものである。
【0008】第三の発明の構成は、第三の半導体層の膜
厚は、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極のそれ
ぞれの直下において等しいという技術的手段を採用する
ものである。
【0009】第四の発明の構成は、ソース電極及びドレ
イン電極は、合金化処理により積層された半導体層内に
拡散するように形成されたという技術的手段を採用する
ものである。
【0010】第五の発明の構成は、ソース電極及びドレ
イン電極はAuGe/Ni/Auから成り、ゲート電極
はTi/Pt/Auから成るという技術的手段を採用す
るものである。
【0011】第六の発明の構成は、ソース電極及びドレ
イン電極の直下に、n型の不純物がイオン注入されたと
いう技術的手段を採用するものである。
【0012】第七の発明の構成は、ソース電極、ドレイ
ン電極及びゲート電極は、同一の材料で構成されたとい
う技術的手段を採用するものである。
【0013】第八の発明の構成は、ソース電極、ドレイ
ン電極及びゲート電極を構成する材料は、Ti/Pt/
Auであるという技術的手段を採用するものである。
【0014】第九の発明の構成は、第三の半導体層の膜
厚は、2nm以上5nm以下であるという技術的手段を
採用するものである。
【0015】第十の発明の構成は、第一の半導体層のI
n組成は、53%以上100%以下であるという技術的
手段を採用するものである。
【0016】
【作用及び効果】本願発明者らは、半導体積層構造の最
表面に形成された層(以下キャップ層と呼ぶ)の膜厚
が、HEMTの性能に及ぼす影響を理論計算により検討
した。図3にその結果の一部を示す。図3(a)は、計
算に用いたモデルの構成を示した模式的断面図である。
半絶縁性のInPから成る基板1上に、InAlAs
(In組成52%)から成るバッファ層2を膜厚100
nm、InGaAs(In組成80%)から成るチャネ
ル層3を膜厚20nm、InAlAs(In組成52
%)から成るスペーサ層4膜厚5nm、n型のInAl
As(In組成52%)から成るドープ層5を膜厚10
nm、InAlAs(In組成52%)から成るショッ
トキー層6を膜厚5nm、InGaAs(In組成53
%)から成るキャップ層7を膜厚t(nm)順次積層さ
れた半導体積層構造を考え、キャップ層7の上にゲート
電極11が形成された構造について計算を行った。ここ
でドープ層5は、7×1018cm-3のキャリア濃度とな
るようにSiをドープし、他の層はノンドープとした。
【0017】計算では、図中のA−A’断面を一次元モ
デルとして、ゲートバイアス13に対する、チャネル層
3に蓄積される電子量の変動率を求め、理論上得られる
相互コンダクタンスを算出した。尚、電子量の計算に
は、シュレディンガー波動方程式とポアソンの式を解く
手法を用いている。また、計算では、チャネル層3内の
電子の飽和速度を2.5×107 cm/secと仮定
し、ゲート幅1mm当たりの相互コンダクタンスで表現
している。ここで、計算結果を図3(b)に示す。キャ
ップ層7の膜厚tが小さくなるにつれて、相互コンダク
タンスは増加することがわかる。相互コンダクタンスが
高くなると、HEMTの利得は向上し、同時にノイズ特
性も改善されるため、素子性能が高くなると考えられ
る。以上の計算により、ゲート電極11直下のキャップ
層7は薄い方がよいことがわかった。
【0018】一方、ゲート耐圧について考えてみると、
例えばキャップ層7の膜厚を0nmにしてショットキー
層6を露出させると、前述の特開平4−159730号
公報にも述べられているように、ゲートのリーク電流が
増えて耐圧が低下する問題が発生する。この問題は、シ
ョットキー層6の界面準位が高いことが主たる原因であ
り、この界面準位は半導体の自然酸化層が関与している
と考えられている。従って、ショットキー層6が酸化し
ない程度に表面を保護すれば、リークの問題は解決でき
ると言える。そこで、本願発明者らは、キャップ層7に
用いるInGaAsがどの程度厚ければ、酸素の侵入を
阻止できるかを実験的に調査した。具体的には、分子線
エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy: 以下MBEと
記す)法により、InP基板上にInGaAs(In組
成53%)の膜を100nm形成し、一度MBE装置の
真空容器から空気中に取り出した後、オージェ光電子分
光装置を用いて、表面を徐々にArイオンでエッチング
しながら、InGaAs膜中の酸素の深さ方向の分布を
測定した。測定の結果、In組成53%のInGaAs
では、表面から約2nmまで酸素が侵入していることが
明らかになった。即ち、ショットキー層6の表面を膜厚
2nm以上のキャップ層7で覆えば、ショットキー層6
への酸素の侵入は阻止できることがわかった。
【0019】次に、素子性能のばらつきを小さくするた
めに、リセスエッチングを行わないことを前提にHEM
Tの構造を考えると、ソース電極及びドレイン電極は、
ゲート電極11が接しているノンドープのInGaAs
から成るキャップ層7上に形成されることになり、良好
なオーミック接合が得られるかどうかが問題となる。こ
こで、本願発明者らは、キャップ層7の膜厚を約5nm
以下に薄くし、かつソース電極及びドレイン電極を合金
化処理により半導体層内にも電極材料が拡散するような
材質で構成すれば、ノンドープの半導体層上でも良好な
オーミック特性が得られることを確認した。また、オー
ミック接合を得る別の手段としては、ソース電極及びド
レイン電極が形成される領域を、イオン注入によってn
+ 型にする方法が考えられる。
【0020】上記に示されるような理論計算や実験によ
る検討の結果、InAlAs/InGaAsを用いたH
EMTにおいて、リセスエッチングを行なわずにHEM
Tを構成でき、エッチングのばらつきに伴う素子性能の
ばらつきがない構造を考案した。具体的な本発明の作用
は、少なくとも基板上に、不純物が添加されていない第
一の半導体層と、少なくとも一部分に不純物が添加され
た第二の半導体層と、不純物が添加されていない第三の
半導体層とを積層し、その第三の半導体層上に、ソース
電極、ドレイン電極及びゲート電極を直接形成する。こ
れにより、リセスエッチングを用いずにゲート電極を形
成することができるため、素子特性のばらつきを少なく
できると共に、ゲート電極の側面と半導体層とが接触す
ることがないため、耐圧の低下を防止することができる
という効果がある(請求項1)。
【0021】また、第二の作用は、半絶縁性のInPで
基板を構成し、InGaAsで第一の半導体層を構成
し、n型のInAlAsで第二の半導体層を構成し、I
nGaAsで第三の半導体層を構成する。これにより、
素子特性の優れたHEMTを得ることができる(請求項
2)。
【0022】第三の作用は、第三の半導体層の膜厚を、
ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極のそれぞれの
直下において等しくする。これにより、素子特性のばら
つきをより少なくすることができる(請求項3)。
【0023】第四の作用は、ソース電極及びドレイン電
極を、合金化処理により積層された半導体層内に拡散す
るように形成する。これにより、ノンドープの第三の半
導体層上において、ソース電極及びドレイン電極のオー
ミック特性を良好なものとすることができる(請求項
4)。
【0024】第五の作用は、AuGe/Ni/Auでソ
ース電極及びドレイン電極を構成し、Ti/Pt/Au
でゲート電極を構成する。これにより、InGaAsか
ら成る第三の半導体層上にソース電極及びドレイン電極
をより良好にオーミック接触させることができると共
に、ゲート電極を構成するTiが第三の半導体層とショ
ットキー接合することができる(請求項5)。
【0025】第六の作用は、ソース電極及びドレイン電
極の直下に、n型の不純物をイオン注入する。これによ
り、ソース電極及びドレイン電極をノンドープの第三の
半導体層上にオーミック接触させることができ、ゲート
電極をショットキー接触させることができる(請求項
6)。
【0026】第七の作用は、ソース電極、ドレイン電極
及びゲート電極を同一の材料で構成する。これにより、
HEMTの製造方法を簡略化することができ、生産の効
率を向上させることができる(請求項7)。
【0027】第八の作用は、ソース電極、ドレイン電極
及びゲート電極をTi/Pt/Auで構成する。これに
より、HEMTをより好ましく生産することができる
(請求項8)。
【0028】第九の作用は、第三の半導体層の膜厚を、
2nm以上5nm以下とする。2nm以上とすることに
より、第三の半導体層より内部の半導体層への酸素の侵
入を阻止できるため、ゲートのリーク電流の増加を防止
でき、耐圧の低下を防止することができると共に、ソー
ス電極及びドレイン電極の良好なオーミック接合を得る
ことができる(請求項9)。
【0029】第十の作用は、第一の半導体層のIn組成
を、53%以上100%以下とする。これにより、第一
の半導体層の電子移動度が高まり、ソース電極とドレイ
ン電極との間の抵抗値が低下し、HEMTの性能が向上
する(請求項10)。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。図1は、本発明に係わるInAlA
s/InGaAs/InP系HEMT100(電界効果
トランジスタに相当)の第一実施例の構成を示した模式
的断面図である。図1に示されるように、半絶縁性のI
nPから成る基板1上に、InAlAs(In組成52
%)から成るバッファ層2、InGaAs(In組成8
0%)から成るチャネル層3(第一の半導体層に相
当)、InAlAs(In組成52%)から成るスペー
サ層4、n型のInAlAs(In組成52%)から成
るドープ層5(第二の半導体層に相当)、InAlAs
(In組成52%)から成るショットキー層6、InG
aAs(In組成53%)から成るキャップ層7(第三
の半導体層に相当)が順次積層形成される。そして、こ
のキャップ層7上に、AuGe/Ni/Auから成るソ
ース電極9及びドレイン電極10、Ti/Pt/Auか
ら成るゲート電極11が直接形成されて、HEMT10
0が構成されている。ここで、ドープ層5には、前述し
た計算時よりも電子の量を多くするために、1×1019
cm-3のSiドープを行い、他の層はノンドープとし
た。
【0031】次に、このHEMT100の製造方法につ
いて説明する。まず、MBE装置内で、基板1上に順
次、バッファ層2を膜厚100nm、チャネル層3を膜
厚20nm、スペーサ層4を膜厚5nm、ドープ層5を
膜厚10nm、ショットキー層6を膜厚5nm、キャッ
プ層7を膜厚2nm順次結晶成長させる。そして、キャ
ップ層7上に、ソース電極9及びドレイン電極10を形
成し、360℃で2分間加熱して合金化を行い、Geを
半導体積層構造内に拡散してオーミック接触を得る。続
いてキャップ層7上においてソース電極9とドレイン電
極10との間にゲート電極11を形成する。ここで、ソ
ース電極9とドレイン電極10の間隔は2μmで、ゲー
ト電極11は両者のほぼ中央に位置しており、上部幅が
0.5μm、下部幅が0.15μmのいわゆるT型ゲー
トとした。キャップ層7には、ゲート電極11のTiが
接触しており、ショットキー接合を形成することができ
る。
【0032】図1に示した構成とすることにより、リセ
スエッチングを行わずにHEMT100を構成すること
ができる。リセスエッチングを省略した場合には、HE
MT100を構成する各半導体層の膜厚は、最初の結晶
成長の工程で決まるが、MBE装置を用いた場合には、
半導体層の膜厚は原子層オーダーでの極めて高精度な制
御が可能であり、再現性も高いため、素子特性のばらつ
きを極めて小さくすることができ、HEMT100の品
質の向上を実現できる。さらに、エッチング工程を省略
することで、製造工程を簡略化することができ、HEM
T100の低コスト化を実現できる。
【0033】尚、上記実施例ではチャネル層3をInG
aAs(In組成80%)で構成したが、これはInG
aAsの電子移動度を高めてソース電極9とドレイン電
極10との間の抵抗を下げて、HEMT100の性能を
向上させることが目的であり、HEMT100に対する
要求性能がそれほど厳しくない場合には、基板1と等し
い格子定数となるIn組成53%でもHEMT100の
動作は可能であり、Inx Ga1-x As(x=0.53 〜1)で
あればよい。また、上記実施例では、ドープ層5を通常
ドープとしたが、例えば、ノンドープの膜厚100nm
のInAlAsの中央部に1×1012cm-2程度のプレ
ーナドープを行った構造でも実現可能である。ここで、
ドープする不純物はSiを用いたが、成膜方法によって
他の材料、例えばSeでもn型のドープ材料として用い
ることができる。
【0034】続いて、本発明に係わる第二実施例につい
て説明する。図2はInAlAs/InGaAs/In
P系HEMT101の構成を示した模式的断面図であ
る。図2に示されるように、本実施例の主な特徴は、ソ
ース電極9及びドレイン電極10の直下の部分にイオン
注入し、イオン注入領域12を形成した点であり、以下
にその製造方法について説明する。まず、第一実施例と
同様に基板1上に、バッファ層2、チャネル層3、スペ
ーサ層4、ドープ層5、ショットキー層6、キャップ層
7を順次積層形成する。次に、ソース電極9及びドレイ
ン電極10が形成される部分の直下に、Si+を、例え
ば150KeVのエネルギーで4×1014cm-2程度注
入し、950℃2秒間のフラッシュアニールを行うこと
により、n+ 型イオン注入領域12を形成する。そし
て、キャップ層7上にTi/Pt/Auから成るソース
電極9、ドレイン電極10及びゲート電極11を形成す
ることにより、HEMT101が形成される。
【0035】このようにしてイオン注入領域12上に形
成されたソース電極9及びドレイン電極10は、n+
の半導体層と接触するため、オーミック接合を得ること
ができる。一方、イオン注入されない領域に形成された
ゲート電極11は、ノンドープの半導体層と接触するた
め、ショットキー接合を得ることができる。
【0036】HEMT101を上記に示される構成とす
ることにより、第一実施例と同様にリセスエッチングを
用いる必要がないため、素子特性のばらつきがなく、安
定した品質を得ることができると共に、エッチング工程
を省略できるためにHEMT101の製造を簡略化する
ことができる。さらに、ソース電極9、ドレイン電極1
0、及びゲート電極11を全て同一の材質(Ti/Pt
/Au)で形成できるため、より製造工程を簡略化する
ことができる。
【0037】尚、本実施例では、ソース電極9及びドレ
イン電極10の接触抵抗がやや高くなるという問題があ
る。接触抵抗が問題となる場合には、第一実施例を用い
るか、或いは、第一実施例と第二実施例を組み合わせ
て、イオン注入をした上で、ソース電極9とドレイン電
極10をAuGe/Ni/Auで形成し、熱処理を行っ
て合金化することにより、ソース電極9及びドレイン電
極10の接触抵抗を最も小さくすることができる。この
ように本発明によれば、特性のばらつきがなく、製造工
程が簡略化されたInAlAs/InGaAs/InP
系HEMT101を実現ができる。
【0038】上記実施例では、チャネル層3とドープ層
5との間にスペーサ層4を備えた構成としたが、スペー
サ層4はドープ層5中の不純物による電子の散乱を防止
するために設けた層であり、必要に応じてスペーサ層4
を設けない構成としてもよい。また、本実施例におい
て、InP基板1上にバッファ層2を設けた構成とした
が、バッファ層2は基板1の結晶欠陥を改善する目的で
設けた層であり、必要に応じてバッファ層2を設けない
構成としてもよい。
【0039】上記に示されるように、本発明によれば、
少なくとも半絶縁性のInPから成る基板上に、ノンド
ープのInGaAsから成る第一の半導体層と、少なく
とも一部分にn型ドープされたInAlAsから成る第
二の半導体層と、ノンドープのInGaAsから成る第
三の半導体層とが積層された電界効果トランジスタにお
いて、第三の半導体層上に、ソース電極、ドレイン電極
及びゲート電極を直接形成することにより、リセスエッ
チングを用いずにゲート電極を形成することができるた
め、素子特性のばらつきを少なくできると共に、ゲート
電極の側面と半導体層とが接触することがないため、耐
圧の低下を防止することができる。また、エッチング工
程を省略できるため、HEMTの生産の効率を向上させ
ることができる。尚、上記実施例において、n型ドープ
する不純物として、例えばSiやSe等を用いると好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第一実施例の構成を示した断面
図。
【図2】本発明に係わる第二実施例の構成を示した断面
図。
【図3】本発明に係わるキャップ層の膜厚の最適値を計
算する際に用いたモデルの構成を示した断面図(a)及
びその計算結果を示したグラフ(b)。
【図4】従来のHEMTの構成を示した断面図。
【符号の説明】
1 半絶縁性InP基板 2 ノンドープInAlAsバッファ層 3 ノンドープInGaAsチャネル層 4 ノンドープInAlAsスペーサ層 5 n型InAlAsドープ層 6 ノンドープInAlAsショットキー
層 7 InGaAsキャップ層 9 ソース電極 10 ドレイン電極 11 ゲート電極 12 イオン注入領域 100 InAlAs/InGaAs/InP
系HEMT

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基板上に、不純物が添加されて
    いない第一の半導体層と、少なくとも一部分に不純物が
    添加された第二の半導体層と、不純物が添加されていな
    い第三の半導体層とが積層された電界効果トランジスタ
    であって、 前記第三の半導体層上に、ソース電極、ドレイン電極及
    びゲート電極が直接形成されたことを特徴とする電界効
    果トランジスタ。
  2. 【請求項2】前記基板は半絶縁性のInPから成り、前
    記第一の半導体層はInGaAsから成り、前記第二の
    半導体層はn型のInAlAsから成り、前記第三の半
    導体層はInGaAsから成ることを特徴とする請求項
    1に記載の電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】前記第三の半導体層の膜厚は、前記ソース
    電極、前記ドレイン電極及び前記ゲート電極のそれぞれ
    の直下において等しいことを特徴とする請求項1に記載
    の電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、
    合金化処理により積層された前記半導体層内に拡散する
    ように形成されたことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の電界効果トランジスタ。
  5. 【請求項5】前記ソース電極及び前記ドレイン電極はA
    uGe/Ni/Auから成り、前記ゲート電極はTi/
    Pt/Auから成ることを特徴とする請求項4に記載の
    電界効果トランジスタ。
  6. 【請求項6】前記ソース電極及び前記ドレイン電極の直
    下に、n型の不純物がイオン注入されたことを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の電界効果トランジス
    タ。
  7. 【請求項7】前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前
    記ゲート電極は、同一の材料で構成されたことを特徴と
    する請求項6に記載の電界効果トランジスタ。
  8. 【請求項8】前記材料は、Ti/Pt/Auであること
    を特徴とする請求項7に記載の電界効果トランジスタ。
  9. 【請求項9】前記第三の半導体層の膜厚は、2nm以上
    5nm以下であることを特徴とする請求項4または請求
    項6に記載の電界効果トランジスタ。
  10. 【請求項10】前記第一の半導体層のIn組成は、53
    %以上100%以下であることを特徴とする請求項9に
    記載の電界効果トランジスタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02101082A (ja) * 1988-10-04 1990-04-12 Fujisawa Pharmaceut Co Ltd 新規セフェム化合物
JPH0992819A (ja) * 1995-09-28 1997-04-04 Nec Corp 電界効果トランジスタ
JP2001068483A (ja) * 1999-08-30 2001-03-16 Kyocera Corp 半導体装置
KR100464378B1 (ko) * 2002-01-08 2005-01-03 삼성전자주식회사 초고속 광 통신용 포토 다이오드 및 그 제작 방법

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