JPH09509859A - 弾性のラミネートされた防水通湿性アレルゲンバリアーにより封入された寝具物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 塵ダニの棲家を構成する寝具物品は、少なくとも１つのポリマーから作られ１ｍｉｌ未満の厚さを有する目地の無い、親水性の、水蒸気透過性弾性フィルムによりラミネートされた弾性伸縮ニット基材を含む水蒸気透過性アレルゲンバリアー層に包まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 弾性のラミネートされた防水通湿性アレルゲンバリアーにより封入された寝具 物品発明の分野 本発明は、アレルゲンバリアーに包まれた（又はその詰物の全体若しくは一部 が封入された）寝具物品における改良に関する。発明の背景 家ダニ（ピログリフィダエ（Pyroglyphidae）科）はハウスダストアレルゲン の源であり、アレルギーを起こすのみならず喘息等の他の疾患にも有害に作用す ることが証明されている。また、アレルゲン制御手段はこれらの条件を制御する のに効果的であることも証明されている。ダニを阻止し、アレルゲンが出ること を防ぐ、防アレルゲン性の皮地（encasing）は、長い間寝具（マットレス、枕、 羽根ぶとん、ベッドの詰物）に使用されている。 このような皮地は直接又は間接に（即ちベッドのシーツや枕カバーを介して） 人の身体に接触する範囲において、肌触りが快適で水蒸気透過性であることが重 要である。感覚及び心地よさの理由から、その材料は良好なドレープ性（drape ）を有しており、こわばった感触がないことが重要である。従来技術はこれらの 問題を解決するために様々な試みを行なっている。例えば： １９８４年から、アレルギー・コントロール・プロダクツ社（Allergy Contro l Products，Inc.）は、１ｍｉｌ厚のポリエステルポリウレタンフィルム（DEER FIELD 6100S）でラミネートされた、綿−ポリエステル合繊の非伸縮性の織物（ バウンス（BOUNCE）、スプリング・ミルズ社（Spring Mills，SC）製）でできた 寝具物品用皮地（例えばマットレス、マットレスカバー、枕皮地、及び掛布団カ バー）を市販している。この材料のためのラミネート工程は、フィルム、（伸縮 しない）基材のどちらを伸ばすことをも含まなかった。これらの寝具物品皮地は 、ＡＳＴＭ Ｅ−９６（手順（Ｂ）、「アップライトカップ」）で測定した場合 、約１００〜約２００ｇ／ｍ²／日の水蒸気透過性を有していた。より最近にな って、同じ会社が、伸縮ニット布地（stretch-knit fabric）（ADELE circular knit no．8775、アデール・ニット社（Adele Knits，Winston-Salem，NC）製） でできており、１．０ｍｉｌ厚のデュレフレックス６１００Ｓ（DUREFLEX 6100S 、ディアフィールド・ウレタン社（Deerfield Urethane Inc.，South Deerfield ，MA）にて入手可能）と呼ばれるポリエーテルポリウレタンフィルムでラミネー トされた寝具皮地を市販している。 これらの後に市販されるようになった皮地は、弾性の点で優れており、より優 れた適合性を提供した。それらはまた約１００〜２００ｇ／ｍ²／日（ＡＳＴＭ Ｅ−９６）の水蒸気透過性を有していた。しかしながら、これらの皮地のドレ ープ性はまだ不満足なものであった。 米国特許第５，０５０，２５６号明細書は、高い水蒸気透 過能を有するとされる、ポリウレタンで（ラミネートされず）コーティングされ た（coated）、織られた（伸縮しない）布地（fabric）のバリアー材料に包まれ た家ダニ誘発性アレルギー制御のための寝具装置を開示している。コーテイング された材料は、コーティング材料が布地を突き抜け、それをこわばらせてしまう という事実が問題となる。さらに、布地の繊維を完全にカバーするために（そし てアレルゲンバリアー能を保証するために）は、比較的大量のコーティングを使 用しなければならず、さらにこわばり（不満足なドレープ性）の問題を増す。最 後に、コーティングヘッド下において伸縮性のニットを制御することの困難さの ために、又コーティングは材料の伸縮能に干渉するために、伸縮性の基材をコー ティングすることは推奨できない。発明の要約 本発明は、アレルゲンバリアーに包まれた改善された寝具物品に対するもので ある。バリアーは、ポリマー又はポリマー混合物から作られた目地がなく、親水 性で、水蒸気透過性が高く、弾性の高いフィルムでラミネートされた弾性の伸縮 ニット布地から作られる。フィルムは１ｍｉｌ厚未満（好ましくは０．８ｍｉｌ 厚以下）である。この材料は、劇的に改善されたドレープ性を提供し、かつ実質 的に改善された弾性及び所望の「スリップ」能を有する一方、アレルゲンバリア ー能及び高い水蒸気透過性を維持する。包まれた物品は、従来の物品に比べて防 アレルゲン性で、実質的により心地よく感触が快適である。好ましい実施態様の説明 ここで用いられる通り「寝具物品」とは、マットレス、枕、クッション、掛布 団、ベッドの詰物（ヘッドボード等）、あるいはソファ又は肘掛イス、ならびに 、防アレルゲン皮地がなければ塵ダニの棲家となりダニアレルゲンが感受性の高 い人又は動物の被検体と接触するようにする一般的に全ての品物及び寝具の部品 を含む。「目地のないフィルム」は、連続した無孔のフィルムを意味する。 本発明のラミネート弾性材料を製造するための好ましい方法は、米国特許第４ ，７６１，３２４号明細書に開示されており、これは参照によりその全体が本願 に組み込まれる。簡単に述べると、基材及びそれに接着するためのフィルムを、 それらが本質的に同じ率の伸展を有するよう緊張下に置き、少量の接着剤を、実 質的に不連続な態様でそれらのうちの一方に塗布する。次いで基材及びフィルム を張り合わせ、接着剤を固化させる。次にラミネートを弛緩させる。 本発明のための適切なフィルム形成ポリマーは、親水性に特別に修飾され、物 品の使用に適合した適切な耐久性（例えば洗浄及び通常の使用に耐えうる）及び 少なくとも適切な通気性（水蒸気透過性）を有しかつべとつかない（良好なスリ ップを有する）≦１．０ｍｉｌ厚のフィルムを与えるポリマー及びポリマー混合 物を含む。適切なポリマーの非限定的な例はデュポンの親水性コポリエステルエ ラストマー（例えば、ハイトレル（HYTREL）８１７１、８２０６及び４７７８の 商品名で売られておりデュポン・ポリマー・プロダクツ（DuPon t Polymer Products，Wilmington，DE）から入手可能なブチレン／ポリ（アルキ レン エーテル）フタレート等のコポリエーテルエステル製品）、及びこれらの 製品のポリマー混合物（例えば８０％の８１７１及び２０％の８２０６）；ＢＦ グッドリッチ（BF Goodrich）又はモートン・インターナショナル（Morton Inte rnational）により売られているもの（例えばモルタン（Morthane）ＰＢ３６３ 、脂肪族熱可塑性ポリウレタン）等の親水弾性ポリウレタン及びポリウレタン混 合物、あるいはこれらの混合物、又はこれらの材料の１つ以上の混合物（例えば ポーベア社（Porvair Ltd．Kings Lynn，England）によって作られ、ＰＩＶの商 品名で売られている特許親水性ポリウレタン混合物）又はこれらのポリウレタン 材料の１つ以上とコポリエステルエラストマーの１つ以上との混合物（例えば８ ５％の８１７１と１５％のモルタンＰＢ３６３）を含む。前述の混合物中のそれ ぞれの成分の相対的な量は最適化することができるが、このような最適化は当業 者においてよく知られている。例えばもしポリマーが満足なスリップを有するフ ィルムを与えない場合、べとつきが少ないポリマーを混合し、べとつきを減少さ せスリップを向上することができる。 適切なフィルムは、少なくとも１５０％の伸展を示す必要がある。このような フィルムの水蒸気透過性は、伸縮性基材のラミネートに使用されている従来技術 のフィルムに比べてはるかに高く、典型的には約４００〜７００ｇ／ｍ²／日で ある（ＡＳＴＭ Ｅ−９６ 第２手順、アップライト・アッ プ法（upright up method））。 本発明の使用に適した伸縮性ニット基材は、人体に近づくのに適した全ての軽 量伸縮ニットの布地（たて編み又は丸編み）を含む。これらの基材の典型的な有 用な重量範囲は１〜７オンス／平方ヤード（３３．９１〜２３７．３８ｇ／ｍ² ）であるが、２〜４オンス／平方ヤード（６７．８２〜１３５．６４ｇ／ｍ²） が好ましい。これらの基材の伸縮能は少なくとも約１００％、好ましくは少なく とも１２５％の交差方向の伸展である。 適切な伸縮丸編み基材は、例えばアデール社；ダーリントン・ファブリックス 社（Darlington Fabrics，Westerley，RI）；ジュエル・インダストリーズ社（J ewel Industries，Winst on-Salem，NC）から入手可能であり、たて編みトリコ ットは例えばネイティブ・テクスタイル社（Native Textiles in New York City ）から入手可能である。伸縮ニット基材は、必要に応じリクラ・スパンデックス （lycra spandex）を含有し、寝具物品としての最終用途に適合しても良い。 親水性フィルムでラミネートされた布地（フィルム厚≦１．０ｍｉｌ）の弾性 は、従来技術の製品より優れている。例えば、アレルギー・コントロール・プロ ダクツ社製の非伸縮性基材（フィルム厚１．０ｍｉｌ；バウンスポリエステル布 地上にディアフィールド６１００Ｓをラミネートしたもの）は、インストロン・ モデル１１（INSTRON Model 11）引張試験機を用いて前記材料の１×６インチ（ ２．５４×１５．２４ｃｍ）のストリップに、機械方向に５ポンド（２．２６８ ｇ）圧の 緊張を加えた際にわずか２〜３％の伸展を示すのみであった；同じ６１００Ｓフ ィルムで（しかし０．８ｍｉｌ圧で）ラミネートされたアデールのニットｎｏ． ８７７５伸縮基材は、同一の緊張に対して５〜７％の伸展の応答を示した；米国 特許第５，０５０，２５６号明細書の譲受人より得られその特許に従って製造さ れたと信じられる製品は、同一の緊張に対して２〜４％の伸展の応答を有してい た。これに対して、ポーベアＰＩＶ（０．５ｍｉｌ）でラミネートされたジュエ ル・インダストリーのＶＣ１０１伸縮ニットは、同一の緊張の賦課に対して１２ 〜１５％の伸展を有していた。 フィルムが薄くなればなるほど、感触及びドレープ性はより柔軟になり、皮地 の心地良さの度合いが増す。当然、フィルムは、アレルゲンバリアーの全一性（ 又はその耐久性）を妥協するほど薄くてはならない。しかしながら０．５ｍｉｌ （１０μ）よりわずかに薄いフィルムを首尾良く使用することができる。 本発明のラミネートのドレープ性は、従来技術のものに比べ劇的に改善される 。例えば、スイング・アルバート・ハンドレオメーター（Thwing Albert Handle ometer、以下参照）で測定したところ、本発明の使用に適したラミネートは、１ 方向で１５ｇ未満、他の方向で７ｇ未満を記録した一方、前記従来技術の製品は それぞれの方向において３９ｇの高さを記録した（米国特許第５，０５０，２５ ６号明細書の範囲に含まれると信じられる製品について）。０．８ｍｉｌの６１ ００Ｓフィルムラミネートをアデールポリエステル上に設け たものにおいてさえ、交差方向において１７ｇ、及び機械方向において１０ｇを 記録した。本発明の、物品を包むのに使用される材料は、意外にも良いスリップ を有し、それにより包み工程がより容易となり、かつ包まれた寝具物品のより快 適な感触に貢献する。 本発明の寝具物品は、ラミネートされた伸縮ニット布地で作られた皮地を有し 、好ましくはフィルム面が使用者と反対の面を向いている。つぎ目は接結（bind ing）により仕上げることができ、または液体ウレタン等の適切なシーリング物 質を用いてシールすることができるが、これらの方法はいずれも必須ではない。 実際、ジッパーによる閉止を使用することができる。これらの物品は、以下に説 明する通り効果的なアレルゲンバリアーを提供する。さらに、フィルムの防水（ 又は少なくとも耐水）能は、包まれた寝具物品を染みから守るのに特に有用であ る。 以下の実施例は本発明を、その範囲を限定することなく説明するのに役立つ。実施例 実施例１：０．８ｍｉｌ厚フィルムラミネート寝具物品 ジュエル・インダストリーズのＶＣ１０１伸縮ニットポリエステルを、米国特 許第４，７６１，３２４号明細書の方法に従い、同じ不連続に塗布した架橋（cr osslinking）ウレタン接着剤を用い、０．５ｍｉｌのポーベアＰＩＶフィルムで ラミネートした。接着に先立ち、フィルム及び基材の両方を、同じ割合に伸展さ せた。得られたラミネートは、交差方向に おいて１２ｇ、機械方向に３ｇのドレープ性を有していた（１０ｍｍのスロット 寸法を有するスイング・アルバート・ハンドレオメーター（Thwing Albert，Phi ladelphia，PA）にて測定）。前述の通り、このラミネートは５ポンドの緊張の 賦課で１２〜１５％伸展した。実施例２：寝具物品の防アレルゲン能 マットレス、枕、掛布団及び詰物材料は、塵ダニの成長の巣として機能するの で、これらの繊維製品を包む効果的なアレルゲンバリアーは、ダニ及びダニ関連 アレルゲンの両方が出ることを防止する必要がある。 本発明の伸縮性蒸気透過性アレルゲンバリアーの有効性を試験するために、ダ クロン（DACRON）の枕に、養分を含むＤ．プテロニシヌス（D．pteronissinus） の培地２０ｇｍを接種し、７５％ＲＨ及び７５°Ｆ（２３．８９℃）（塵ダニの 成長のために最適な成長条件）に保った。７日後枕を２つの部分に切断した。部 分Ａを、実施例１に従って調製した伸縮性、蒸気透過性アレルゲンバリアーに包 みジッパー閉止により封止し、部分Ｂはもとの布地のカバーに戻した。 それぞれの部分を２分間吸引することにより塵アレルゲン分析の試料を回収し 、ＥＬＩＳＡ（ベスパ・ラボラトリーズ社（Vespa Laboratories，Inc.，Spring Mills，PA 16875，Division of ALK，U.S.）から商業的に利用可能な試験であ り、０．００２μｇ／ｇ未満の感受性を有する）により、Ｄｅｒ ｐＩ及びＤｅ ｒ ｆＩ（グループＩ）アレルゲン水準の含有量をアッセイした。部分Ａの塵試 料は測定可能なアレルゲ ンを含有していなかった一方、部分Ｂ（包まれていない）は６１７０．４μｇ／ ｇのグループＩアレルゲンを有していた。≧２μｇ／ｇのグループＩアレルゲン は、感受性の高い人を敏感にするのに十分であり、かつ≧１０μｇ／ｇで症状を 引き起こすのに十分であることに着目されるべきである。 当該技術分野において通常の知識を有する者は、本発明は以上において好まし い実施態様を参照して説明されたこと、及び以下に記載された請求項の範囲内に おいて多くの追加、省略及び修飾が可能であることを容易に認識するであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ Ｄ０４Ｂ 21/00 7633−3Ｂ Ｄ０４Ｂ 21/00 Ｚ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，Ｍ Ｘ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ， ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．塵ダニの棲家を構成する少なくとも１つの部分を含む寝具物品であって、前 記少なくとも１つの部分が、水蒸気透過性アレルゲンバリアー層に包まれており 、前記層は少なくとも１つのポリマーで作られかつ１ｍｉｌ以下の厚さを有する 目地の無い親水性の水蒸気透過性弾性フィルムでラミネートされた、弾性伸縮ニ ット基材を含む寝具物品。 ２．前記物品がマットレス、枕、クッション、掛布団、並びにベッド、ソファ及 び肘掛イスの詰物部分からなる群より選択される請求項１記載の物品。 ３．ラミネートするのに先立ち前記フィルムが少なくとも１５０％の弾性を有し 前記基材が交差方向に少なくとも約１００％の弾性を有する請求項１記載の物品 。 ４．前記フィルムが０．８ｍｉｌの厚さを有する請求項１記載の物品。 ５．前記フィルムが０．５ｍｉｌの厚さを有する請求項１記載の物品。 ６．前記基材が１〜７オンス／平方ヤード（３３．９１〜２３７．３８ｇ／ｍ² ）の範囲内の重量を有する請求項１記載の物品。 ７．前記基材が２〜４オンス／平方ヤード（６７．８２〜１３５．６４ｇ／ｍ² ）の範囲内の重量を有する請求項１記載の物品。 ８．前記ラミネートが、ＡＳＴＭ Ｅ９６第二手順アップラ イトカップ法により測定した際４００ｇ／ｍ²／日を越える水蒸気透過性を有す る請求項１記載の物品。 ９．前記ラミネートが、スロット寸法１０ｍｍのスイング・アルバート・ハンド レオメーターで測定した際１方向において１５ｇ未満、他方向において７ｇ未満 のドレープ性を有する請求項１記載の物品。 １０．前記ポリマーが、親水性コポリエステルエラストマー、親水性弾性ポリウ レタン及びこれらの２以上の混合物からなる群より選択される請求項１記載の物 品。