【発明の詳細な説明】
神経防護性の3−(ピペリジニル−1)−クロマン−4,7−シオールおよび
1−(4−ヒドロフェニル)−2−(ピペリジニル−1)−アルカノール誘導体
発明の背景
本発明は、後記の式(I)で定められる神経防護性(抗虚血性および興奮性アミ
ノ酸レセプター遮断性)のフェノール誘導体;その薬剤学的に許容しうる塩類;
その薬剤組成物;不安、大脳虚血、てんかん、筋肉痙縮および発作を含めた神経
障害の治療にこれらの化合物を使用する方法;ならびにアルツハイマー病などの
CNS変性性疾患、ハンチントン病およびパーキンソン病の治療にこれらの化合
物を使用する方法に関する。本発明はさらに、薬物嗜癖、片頭痛および尿失禁の
治療にこれらの化合物を使用する方法に関する。本発明はさらに、外傷性脳損傷
の治療にこれらの化合物を使用する方法に関する。
興奮性アミノ酸は、中枢神経系において興奮性神経伝達を仲介する重要な一群
の神経伝達物質である。グルタミン酸およびアスパラギン酸は興奮性アミノ酸(
EAA)レセプターを活性化する2つの内因性リガンドである。2種類の、すな
わちイオノトロピック(ionotropic)およびメタボトロピック(me
tabotropic)EAAレセプターがあり、これらはそのシグナル変換様
式が異なる。少なくとも3種類の別個のイオノトロピックEAAレセプターがあ
り、これらはそれぞれのタイプを活性化する選択的アゴニストにより特徴づけら
れる:NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)レセプター、AMPA(2
−アミノ−3−(5−メチル−3−ヒドロキシイソオキサゾール−4−イル)プ
ロパン酸)レセプター、およびカイニン酸レセプター。イオノトロピックEAA
レセプターは、ナトリウムに対して、またNMDAレセプターの場合はカルシウ
ムに対して透過性である、イオンチャンネルに連携している。膜結合Gタンパク
質によるホスホイノシチドの加水分解に連携したメタボトロピックレセプターは
、キスカル酸、イボテン酸(ibotenic acid)、および(1S,3
R)−1−アミノシクロペンタン1,3−ジカルボン酸により活性化される。
NMDAレセプターは、ナトリウムイオンおよびカルシウムイオンに対して透
過性であるイオンチャンネルを開閉する多数の別個の結合部位からなる高分子複
合体である。Hansen and Krogsgaard−Larson,M
ed.Res.Rev.,10,55−94(1990)。グルタミン酸、グリ
シンおよびポリアミンに対する結合部位、ならびにフェンシクリジン(PCP)
などの化合物がそれらのアンタゴニスト作用を及ぼすイオンチャンネル内側部位
がある。
競合性NMDAアンタゴニストは、グルタミン酸結合部位と相互作用すること
によりNMDAレセプターを遮断する化合物である。ある化合物がNMDAグル
タミン酸レセプターに結合する効力は、放射性リガンド結合アッセイにより測定
できる。Murphy et al.,British J.Pharmaco
l.95,932〜938(1988)を参照されたい。アンタゴニストは、ラ
ットのコルチカルウェッジアッセイ(cortical wedge assa
y)によりアゴニストと区別できる。Harrison and Simmon
ds,British J.Pharmacol.84,381〜391(19
84)を参照されたい。競合性NMDAアンタゴニストの例には、D−2−アミ
ノ−5−ホスホノペンタン酸(D−AP5)およびD−2−アミノ−7−ホスホ
ノヘプタン酸が含まれる。Shoepp et al.,J.Neur.Tra
nsm.,85,131〜143(1991)。
NMDAレセプターにおける神経伝達のアンタゴニストは、神経障害の治療に
有用な治療薬である。米国特許第4,902,695号は、てんかん、発作、不
安、大脳虚血、筋肉痙縮を含めた神経障害、ならびにアルツハイマー病およびハ
ンチントン病などの神経変性性障害の治療に有用な1系列の競合性NMDAアン
タゴニストに関する。米国特許第4,968,878号は、同様な神経障害およ
び神経変性性障害の治療に有用な第2系列の競合性NMDAレセプターアンタゴ
ニストに関する。米国特許第5,192,751号は、有効量の競合性NMDA
アンタゴニストを投与することよりなる、哺乳動物の尿失禁の治療方法を提供す
る。
NMDAアンタゴニストは、鎮痙、抗不安、筋弛緩および抗精神病活性をもつ
有用な治療薬でもある。J.Lehman,The NMDA Recepto r
,Drugs of the Future,14,No.11,p.105
9(1989)。NMDAアンタゴニストは片頭痛(Canadian Jou rnal of Neurological Science
,19(4),p
.487:(1992));薬物嗜癖(Science,251,p.85:(
1991));およびエイズ関連の神経精神障害(PIPS,11,p.1:(
1990))の治療にも有効であると報告されている。
イフェンプロジルは、下記の相対的立体構造式をもつラセミ体の、いわゆるd
l−エリトロ化合物である:
これは降圧薬として市販され、これは多数の近縁類似体に共通の有用性である;
Carron et al.,米国特許第3,509,164号;Carron
et al.,Drug Res.,v.21,pp.1992−1999(
1971)。より最近になって、イフェンプロジルは抗虚血および興奮性アミノ
酸レセプター遮断活性をもつことが示された;Gotti et al.,J.
Pharm.Exp.Therap.v.247,pp.1211〜21(19
88);Carter et al.,上記文献,pp.1222−32(19
88)。フランス特許第2546166号も参照されたい。本発明は、このよう
な神経防護効果を十分に保有し、同時に降圧作用が低く、または有意の降圧作用
がない化合物を提供する。さらに本発明は、代謝安定性が増大し、したがって患
者がそれらの化合物の神経防護効果をより長期間受けられる化合物を提供する。
構造的に関連するある種の1−フェニル−3−(4−アリール−4−アシルオ
キシピペリジノ)−1−プロパノールが鎮痛薬として有用であることも報告され
ている;米国特許第3,294,804号。また1−(4−(アミノ−およびヒ
ドロキシ−アルキル)フェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−トリルピペラジ
ノ)−1−アルカノールおよびアルカノンは、鎮痛、抗高血圧、精神作用性また
は抗炎症活性をもつと報告されている、特開昭53−02,474号(CA 8
9:43498y;Derwent Abs.14858A)および53−59
,675号(CA 89:146938w;Derwent Abs.4867
1A)。
Chenard(米国特許第5,185,343号および米国特許第5,27
2,160号)は、次式の化合物:
(式中、QはSまたはCH=CHであり;XはH、OHまたはもうひとつの芳香
族置換基であり;Rは水素、アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;Y
とY1は一緒になってアリールメチレンもしくはアラルキルメチレン(または対
応するエポキシ誘導体)であるか、またはYとY1は別個であって、Yは水素も
しくはOHであり、Y1はアリール、アラルキル、アリールチオもしくはアリー
ルオキシである);ならびに構造的に関連する2−(ピペリジノ)アルカノール
および2−(ピロリジノ)アルカノールがCNS障害の治療に有用であることを
開示している。
Butlerの欧州特許EPO 441,506には、次式の構造をもつ3−
ピペリジノ−1−クロマノール誘導体:
(式中、AとBは一緒になって−CH2CH2−であるか、またはAとBは別個で
あって、それぞれHであり;XはCH2またはOであり;X1はHまたはOHであ
り;ZはH、OHまたはハロであり;Z1はH、ハロまたはアルキルであり;n
は0または1であり;mは0または1〜6の整数である)がCNS障害の治療に
有用であることが開示されている。
発明の概要
本発明は、次式の化合物:
またはその薬剤学的に許容しうる酸付加塩[式中:(a)R2とR5は別個であっ
て、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、(C1〜C6)アルキル
、ハロ、CF3、OHもしくはOR7であり、かつR5はメチルもしくはエチルで
あるか;または(b)R2とR5は一緒になって
であり、クロマン−4−オール環を形成し、R1、R3およびR4はそれぞれ独立
して、水素、(C1〜C6)アルキル、ハロ、CF3、OHもしくはOR7であり;
R6は
であり;R7はメチル、エチル、イソプロピルまたはn−プロピルであり;R8は
、(C1〜C6)アルキル、ハロまたはCF3よりなる群から独立して選択される
最高3個の置換基で所望により置換されていてもよいフェニルであり;XはO、
Sおよび(CH2)nであり;nは0、1、2または3であり;ただし(a)R2
とR5が別個である場合、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つは水素
ではなく;かつ(b)R2とR5が一緒になった場合、R1、R3およびR4のうち
少なくとも1つは水素ではない]に関する。
本発明は具体的には、式(I)においてR2とR5が別個であって;R2および
R3が水素であり;R6が
であり;かつR8がフェニル、4−ハロフェニルまたは4−トリフルオロメチル
フェニルである化合物に関する。この群のうち、本発明はより具体的にはR5が
下記の1R*,2R*相対的立体化学構造をもつメチルである化合物に関する:
上記の群のうち、さらにより重要なものは、R1およびR4がそれぞれ独立して
水素、フルオロまたはメチルであり、かつR8が4−フルオロフェニル、4−ク
ロロフェニルまたは4−トリフルオロメチルフェニルである化合物、特に(1R*
,2R*)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−(4−(4−フ
ルオロフェニル)−4−ヒドロキシ)ピペリジン−1−イル−プロパン−1−オ
ール;(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
−2−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ)ピペリジン−1−イ
ル−プロパン−1−オール;(1R*,2R*)−1−(3,5−ジフルオロ−4
−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ
)
ピペリジン−1−イル−プロパン−1−オール;(1R*,2R*)−1−(3,
5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニ
ル)−4−ヒドロキシ)ピペリジン−1−イル−プロパン−1−オール;および
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2
−(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ)ピペリジン−
1−イル−プロパン−1−オールである。本発明は最も具体的には、上記に示し
た化合物のメシラート塩に関する。
また本発明は具体的には、式(I)においてR2とR5が別個であり、かつR6
が
である化合物に関する。この群のうち、本発明はより具体的にはR5が下記の1
R*,2R*相対的立体化学構造をもつメチルである式(I)の化合物に関する:
また本発明は具体的には、式(I)においてR2とR5が一緒になって
であり、クロマン−4−オール環を形成する化合物に関する。この群のうち、本
発明はより具体的にはこのクロマン−4−オール環のC−3位およびC−4位が
下記の3R*,4S*相対的立体化学構造をもつ化合物に関する:
上記の群のうち、本発明はさらにより具体的にはR6が
であり;かつR8がフェニルおよび4−ハロフェニルである化合物に関する。
また本発明は具体的には、式(I)においてR2とR5が一緒になって
であり、クロマン−4−オール環を形成し、このクロマン−4−オール環のC−
3位およびC−4位が下記の3R*,4S*相対的立体化学構造をもち:
かつR6が
である化合物に関する。
本発明はさらに、発作、脊髄外傷、外傷性脳損傷、多発脳梗塞性痴呆、アルツ
ハイマー病のようなCNS変性性疾患、アルツハイマー型老年性痴呆、ハンチン
トン病、パーキンソン病、てんかん、筋委縮性側索硬化症、疼痛、エイズ痴呆、
精神病状態、薬物嗜癖、片頭痛、低血糖症、不安状態、尿失禁、およびCNS手
術、開胸術またはその間に心臓血管系の機能が損傷を受ける処置により起こる虚
血事象の治療方法であって、哺乳動物に有効量の前記式(I)の化合物またはそ
の薬剤学的に許容しうる酸付加塩を投与することを含む方法に関する。
本発明は、具体的には哺乳動物がアルツハイマー型老年性痴呆、ハンチントン
病、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、てんかん、発作、片頭痛および外傷
性脳損傷を伴う前記方法に関する。
本発明は、より具体的には片頭痛、アルツハイマー病、外傷性脳損傷、脊髄外
傷および発作の治療方法に関する。
本発明は、最も具体的にはパーキンソン病、外傷性脳損傷および片頭痛の治療
方法に関する。
本発明はさらに、請求項1に記載の化合物および薬剤学的に許容しうるキャリ
ヤーを含む薬剤組成物に関する。
発明の詳細な記述
薬理学的に活性な前記式(I)の構造をもつ本発明化合物は、容易に製造され
る。
式(I)の化合物は、最も一般的にはフェノールアルコール中間体を脱保護す
ることにより製造される。このフェノール保護基は常法により除去される。フェ
ノール基は、好ましくは一般的なシリルエーテル、たとえばトリイソプロピル、
t−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリルなどの形で、またはベンジルも
しくは置換ベンジルエーテルとして保護される。これらのシリル基を除去するた
めの好ましい方法は、1〜1.1モル当量のフッ化テトラブチルアンモニウムま
たは他の好都合なフッ素源を、反応不活性溶剤、たとえばテトラヒドロフラン中
で用いるものである。この反応は、好都合には約0〜50℃で、最も好都合には
周囲温度で実施され、これにより反応混合物の加熱または冷却経費が避けられ、
かつ加熱操作中の生成物の分解が最小限に抑えられる。ベンジルもしくは置換ベ
ンジルエーテルを除去するための1方法は、反応不活性溶剤中で、貴金属触媒、
たとえばパラジウムまたはニッケル上における一般的な水添分解を採用し、たと
えば触媒としてのカーボン上の10%パラジウムを、低い圧力(たとえば1〜1
0気圧)および温度(たとえば20〜75℃)で、一般にメタノールまたはエタ
ノールなどの反応不活性溶剤中において用いる。水添分解のための他の方法は、
水素源としてのギ酸アンモニウムを反応不活性溶剤中で低い温度(たとえば20
℃ないし還流温度)において用いるものである。この水添分解に好適な反応不活
性
溶剤には、エーテル、たとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフランもしくは
ジオキサン;低級アルコール、たとえばメタノールもしくはエタノール;または
その組合わせが含まれる。この水添分解に特に好ましい溶剤の組合わせは、テト
ラヒドロフランとメタノールの混合物である。
本明細書の上記の節その他で用いる表現“反応不活性溶剤”は、出発原料、試
薬、中間体または生成物と、目的生成物の収率に不利な影響を及ぼすように相互
作用しないいかなる溶剤をも意味する。
フェノール性ヒドロキシ基が保護された式(I)の化合物は、α−ピペリジノ
クロマン−4−オン、α−ピロリジノクロマン−4−オン、またはα−8−アザ
−ビシクロ(3.2.1)オクタニルクロマノン、たとえば下記のものの一般的
なヒドリド還元によっても製造できる:
これにより、一般にたとえばそれぞれ下記のシス−およびトランス−異性体混合
物が生成する:
もちろん、それぞれの場合、これらシス−またはトランス−異性体のいずれか一
方が優勢であることがしばしばあろう。
これらのヒドリド還元は、一般的なヒドリド系還元剤、たとえばNaBH4ま
たはLiAlH4を用いて実施される。後者のヒドリド系還元剤は通常は、反応
不活性溶剤、たとえばテトラヒドロフラン中で低い温度(たとえば−15〜75
℃)において、過剰に(たとえば1モル当たり1モル)用いられる。ケトン還元
後もなお存在する保護基がある場合には、次いでこれを前記方法により除去する
。R2とR5が一緒になった前記の(B)型中間化合物、およびR2とR5が別個で
ある前記の(D)型中間化合物は一般に、それぞれ対応するモノブロモクロマノ
ン誘導体と適切に置換されたピペリジン、ピロリジンまたは8−アザビシクロ(
3.2.1)オクタンとを反応させることにより、たとえばそれぞれ下記により
製造される:
当業者には、本反応のためにα−ブロモ基を他の求核置換可能な基、たとえばク
ロロ、アルカンスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシと交換しうる
ことは自明であろう。この反応は求核置換全般に典型的な条件下で実施される。
2反応体の入手しやすさがほぼ等しい場合、実質的にモル当量に近い量を使用し
てもよい;しかし反応体の一方がより入手しやすい場合、2分子求核置換反応を
より短期間で完結させるために、通常はその入手しやすい方の反応体を過剰に用
いることが好ましい。この反応は一般に少なくとも1モル当量の塩基、容易に入
手できる場合にはアミン誘導体自身、より一般的には塩基強度が少なくとも上記
の求核性アミンに匹敵する第3アミンの存在下で;反応不活性溶剤、たとえばア
セトニトリル、エタノール、メタノールなどの中で実施される。所望によりこの
反応は、最高1モル当量またはそれ以上のヨウ化物塩(たとえばNaI、KI)
の添加により触媒される。温度は決定的ではないが、一般に反応をより短期間で
完結させるためにある程度高められる。しかし不都合な分解を生じるほど高くで
はない。一般に20〜120℃の範囲で十分である。高温を採用する場合は分解
を最小限に抑えるために可能な限り最短の反応時間を用いるように慎重に反応を
監視するのが有利であることは、当業者には自明であろう。好都合には、温度は
反応混合物の還流温度である。
R2とR5が一緒になった前記の(C)型中間化合物は一般に、対応するα,α
−ジモノブロモクロマノン誘導体と適切に置換されたピペリジン、ピロリジンま
たは8−アザビシクロ(3.2.1)オクタンを反応させることにより、たとえ
ば下記により製造される:
少なくともさらに1モル当量の塩基を使用する(同時に起こる脱水素ハロゲン反
応に際して生成するHBrを中和するために)以外は、条件は求核置換による(
B)および(D)型の化合物の製造につき前記に述べたものと同様である。
式(I)の化合物は2つの不斉炭素を含む−これは2つのラセミ体および4つ
の光学活性化合物に対応する。これらのラセミ体のうち一方は前記のシス−異性
体であり、他方はトランス−異性体である。これらのラセミ体は、光学活性酸と
のジアステレオマー酸付加塩を介して、それぞれ一対の鏡像異性体に分割できる
。あるいは前記ラセミアルコールを、光学活性酸またはイソシアネートにより形
成される対応するジアステレオマーエステルまたはウレタンに変換する。このよ
うな共有結合誘導体を多様な分離法で処理する(たとえばクロマトグラフィー)
。このようなジアステレオマーエステルは前記アルコールと光学活性酸またはイ
ソシアネートから、標準法により形成される。これらは一般に酸を、たとえば酸
塩化物として、またクロロギ酸アルキルまたは脱水性カップリング剤、たとえば
ジシクロヘキシルカルボジイミドとの混合酸無水物として、活性化することによ
るものである。生成したジアステレオマーエステルを、たとえばクロマトグラフ
ィー法により分離したのち、それらを常法により、たとえば酸水溶液または塩基
水溶液により加水分解して、式(I)の鏡像異性光学活性アルコール化合物を得
る。本発明は、以下に具体的に例示したシス−およびトランス−化合物に限定さ
れず、本発明の式(I)の化合物の光学活性鏡像体すべてを包含するものとする
。
“薬剤学的に許容しうる酸付加塩”という表現は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨ
ウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸二水素塩、メシラート、マレイン酸
塩およびコハク酸塩を含むものとするが、これらに限定されない。それらの塩類
は常法により、遊離塩基形の式(I)の化合物を適切な酸(通常は1モル当量)
と、溶剤中で反応させることにより調製される。直接に沈殿しない塩類は、一般
に溶剤の濃縮および/または非溶剤の添加により単離される。
本発明化合物の合成に必要なα−ハロケトン系出発原料は一般に、対応するハ
ロゲン化アシルを芳香族ハロゲン化物と、フリーデル−クラフツアシル化条件下
で、または当業者に周知の他の芳香族化合物アシル化条件下で反応させることに
より製造される。ハロゲン化アシルがカルボニル基に対してαにあるハロ置換基
を含まない場合、その芳香族アシル化反応の生成物を当業者に周知の標準的臭素
化条件下で反応させる。本発明化合物の合成に必要な他の出発原料および試薬は
市販されているか、文献方法に従って得られるか、または後記の製造例の節に例
示した方法で得られる。
式(I)の本発明化合物は、それらが興奮性アミノ酸レセプターを遮断する効
力をもち、同時に降圧作用が低いか、または有意でないことに基づいて、神経防
護活性を有し、かつ発作、脊髄外傷、外傷性脳損傷、多発脳梗塞性痴呆、アルツ
ハイマー病のようなCNS変性性疾患、アルツハイマー型老年性痴呆、ハンチン
トン病、パーキンソン病、てんかん、筋委縮性側索硬化症、疼痛、エイズ痴呆、
精神病状態、薬物嗜癖、片頭痛、低血糖症、不安状態、尿失禁、およびCNS手
術、開胸術またはその間に心臓血管系の機能が損傷を受ける処置により起こる虚
血事象の治療に際して有効性を有する。また式(I)の本発明化合物は、長期の
代謝安定性をもつ。式(I)の化合物の抗虚血活性は、後記方法のうち1または
それ以上により測定される。
以下の結合アッセイ試験は、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)レ
セプターに対する被験化合物の結合度を証明する。結合アッセイに用いる膜は以
下により調製される。雄ラットを断頭し、前脳をスクロース溶液(0.32M)
中でホモジナイズする。スクロース溶液の追加により容量を100mlに増加さ
せる。ホモジネートを3000rpmで10分間遠心分離する。上清(S1)を
保存し、ペレットを再懸濁してホモジナイズする。スクロース溶液(0.32M
)で容量を75mlに増加させる。ホモジネートを3000rpmで10分間遠
心分離したのち、上清(S2)を保存し、ペレット(P1)を廃棄する。上清(
S1とS2)を合わせて12000rpmで25分間遠心分離する。得られたペ
レット(P2)を100mlのトリス酢酸(5mM,pH7.4)に再懸濁し、
次いで氷上に最低10分間放置して、細胞を溶解させる。このペレットを1.0
mlのトリス酢酸(5mM,pH7.4)で3回洗浄し、最小容量のトリス酢酸
に再懸濁する(1個の前脳当たり約2ml、タンパク質濃度は約10mg/ml
である)。こうして調製した膜を凍結し、−20℃に貯蔵する。結合アッセイ自
体は以下に従って行われる。この膜を融解し、短時間ホモジナイズする。ペレッ
ト(P2)を100mlのトリスHCl(50mM,pH7.4)中に希釈して
、タンパク質濃度約0.5mg/mlにする。被験化合物である式(I)の化合
物を添加したのち、トリチウム化したリガンドを添加する。この場合、それに対
す
る結合を試験するトリチウム化リガンド(5nM)は次式の化合物である:
式中のTはトリチオ(3H)である。非特異的結合を100μMの非放射性リガ
ンドにより測定する。すべて試験管3本につき行う。試験管を30℃で20分間
、振盪水浴中でインキュベートする。試験管の内容物を、GF/Bフィルターを
用いてブランデル・セル・ハーベスター(Brandel Cell Harv
estor)(ブランデル、8561 Atlas Drive,Gaithe
rsburg,Maryland,20877,USA)で濾過する。フィルタ
ー上の残渣を氷冷トリスHCl(5mM,pH7.4)で10秒間洗浄する。フ
ィルターをバイアルに入れ、シンチレーション液を添加し、ベータカウンターで
放射能を測定する。特異的結合を求めるために、非特異的結合に関する1分当た
りの計数(CPM)を、リガンドのみが入った試験管のCPMから差し引く。被
験化合物を含有する試験管から非特異的結合に関するCPMを差し引き、これら
を特異的結合の%として表示する。
結合アッセイに用いるリガンドは、後記の製造例49の記載に従って製造され
る。
神経防護活性を評価するための好ましい方法は、Ismail A.Shal
aby,et al.,J.Pharm.and Experimental
Therapeutics,260,925(1992)のものであり、これを
本明細書に参考として含むものとする。
細胞培養. 17日齢ラット胎児(CD、チャールズ・リバー・ブリーディン
グ・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド、マリーランド州ウィルミントン)
海馬細胞をPRIMARIA培養皿(ファルコン・カンパニー、ニュージャージ
ー州リンカーン・パーク)上で、血清含有培地(非必須アミノ酸を含む最小必須
培地、2mMグルタミン、21mMグルコース、ペニシリン/ストレプトマイシ
ン(各5000U)、10%ウン胎児血清(1〜7日目)および10%ウマ血清
(1〜21日目)を含有)中において2〜3週間培養する(Choi,et al
.,1987)。細胞を96ウェルのマイクロタイタープレートに細胞80,0
00個/ウェルの密度で、または24ウェル培養皿に細胞250,000個/ウ
ェルの密度で接種する。5%CO2−95%空気を入れた加湿CO2組織培養用イ
ンキュベーター内において37℃で培養物を増殖させる。培養の6〜8日目から
20μMのウリジンおよび20μMの5−フルオロ−2−デオキシウリジン(シ
グマ・ケミカル・カンパニー、ミズーリ州セントルイス)を添加することにより
、非神経細胞の増殖を抑制する(Martin et al.,1990)。培
地を2〜3日毎に新鮮なストックと交換する。
グルタミン酸の毒性. 最初の接種から2〜3週間目に培養物をグルタミン酸
の毒性につき評価する。培地を除去し、培養物をCSS(Choi,et al.
,1987)(mM):NaCl,12;KCl,5.4;MgCl2,0.8;
CaCl2,1.8;グルコース,15;および4−(2−ヒドロキシエチル)
−1−ピペラジンエタンスルホン酸,25mM(pH7.4)で2回すすぐ。次
いで培養物を種々の濃度のグルタミン酸に15分間(37℃)暴露する。このイ
ンキュベーション後に培養物をグルタミン酸不含CSSで3回、新鮮な無血清培
地で2回すすぐ。次いで培養物を無血清培地中で20〜24時間インキュベート
する。被験化合物である式(I)の化合物を、15分間のグルタミン酸暴露の2
分前および途中に添加する。ある実験においては、式(I)の化合物をグルタミ
ン酸暴露後およびその後の20〜24時間の種々の時点で添加する。
興奮毒素(exitotoxin)暴露の20〜24時間後に、細胞質ゾル酵
素LDHの活性を測定することにより、細胞の生存能力をルーティンに評価する
(Koh and Choi,1987;Wroblewski and La
Due 1955)。マイクロタイタープレートの96ウェルそれぞれの培地か
らのLDH活性を測定する。50μlの培地試料を、1.32mMピルビン酸ナ
トリウムおよび2.9mMのNADHを含有する、等容量のリン酸ナトリウム緩
衝液(0.1M,pH7.4)に添加する。96ウェルそれぞれにつき、全反応
混合物の340nm吸光度を、自動分光測光マイクロタイタープレート読取器(
モレキュラー・デバイシズ、カリフォルニア州メンロー・パーク)により5秒毎
に2分間監視する。吸光度をIBM SOFTマックスプログラム(バージョン
1.01;モレキュラー・デバイシズ)により自動的に計算し、LDH活性の指
数として用いる。
ニューロンの生存能力の形態学的評価を、位相差顕微鏡検査により判定する。
96ウェル培養皿では良好な位相差作像ができないので、この目的には24ウェ
ル培養皿上で培養した細胞を用いる。量的には両方の平板培養がグルタミン酸毒
性に対して等しい感受性を示し、0.1〜1.0mMグルタミン酸暴露の24時
間後に2〜3倍のLDH活性増大を示す。
試薬. ウマおよびウシ胎児血清はハイクローン(ユタ州ローガン)から購入
される。培地、グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンはギブコ・カ
ンパニー(ニューヨーク州グランド・アイランド)から購入される。
データ分析. グルタミン酸暴露の20〜24時間後に培地中に存在するLD
Hの活性を測定することにより、神経毒性を定量する。初期の実験で、培地中の
LDH活性増大はニューロンの分解および変性と相関することを指摘した公表報
文(Koh and Choi,1987)を確認している。LDHの実際の水
準は培養が異なると変動するので、データは同一培養皿の緩衝液処理した姉妹ウ
ェルに対してルーティンに表示される。グルタミン酸および薬物で処理した培養
物からLDH活性の指数を得るためには、処理群のLDH値から対象培養のLD
H値を差し引く。薬物処理についてのデータを、各実験につき1mMグルタミン
酸(またはNMDA)により誘発されたLDH増大に対する%として表示する。
興奮毒素により誘発されたLDH増大を50%逆転させるのに必要なNMDAア
ンタゴニスト濃度(IC50)を、独立した3実験の結果をプールしたものからの
対数プロビット分析により計算する。異なる処理群は、両側t−検定により比較
される。
代謝安定性. 式(I)の化合物のインビトロ代謝安定性を測定するために、
以下のヒト肝ミクロソーム試験を行う。ミクロソームインキュベーション混合物
は、1μMミクロソームP450、NADPH生成系(0.5mM NADP、
4mMグルコース−6−リン酸、および10U/mlグルコース−6−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ)、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)、10mM MgCl2
、および基質として2μMの被験化合物を、総容量1.4ml中に含有する。肝
ミクロソームの添加により反応を開始する前に、37℃で2分間、反応混合物を
ブレインキュベートする。インキュベーションは37℃の水浴中で緩和に振盪し
ながら行われる。アリコートのインキュベーション混合物を0、20、40およ
び60分で取り出し、次いで等容量の氷冷メタノールを入れたポリプロピレン製
ミクロ試験管に移して、反応を停止する。変性タンパク質を遠心分離により分離
し、得られた上清を分析のために−20℃に移して貯蔵する。UV検出を伴うH
PLCにより基質を定量する。アリコートの上清(75μl)をHPLCに直接
注入したのち、時間ゼロの時点で存在する基質の量が100%であったと仮定し
て、基質のピーク高さを用いてインキュベーション期間中の基質消失速度を定量
する。0.693をKで割ることにより半減期(T1/2)を判定する。ここでK
は、基質消失速度が一次反応速度に従う全インキュベーション期間の線形回帰に
より決定される。
このような選択的神経防護性の抗虚血活性および刺激性アミノ酸遮断活性は、
代謝安定性の増大と共に、変性性CNS(中枢神経系)障害、たとえば発作およ
び外傷性脳損傷;ならびにアルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチント
ン病の治療に際して本発明化合物が価値ある有用性をもち、その際、同時に不都
合な血圧降下を生じる有意の可能性がないことを反映する。このような疾病を神
経防護作用量の式(I)の化合物で全身治療する際には、投与量は一般に、投与
経路に関係なく一回量または分割量で約0.02〜50mg/kg/日(典型的
な体重50kgのヒトにおいては0.001〜2.5g/日)である。より好ま
しい投与量は約0.15mg/kg/日〜約50mg/kg/日である。もちろ
ん、その化合物および個々の疾病の厳密な性質によってはこの範囲外の投与量を
医師が処方してもよい。経口投与経路が一般に好ましい。しかし患者が飲み込め
ないか、または他の形で経口吸収が損なわれている場合、好ましい投与経路は非
経日(筋肉内、静脈内)または局所であろう。
本発明化合物は一般に、少なくとも1種類の式(I)の化合物および薬剤学的
に許容しうる賦形剤または希釈剤を含む薬剤組成物の形で投与される。このよう
な組成物は一般に常法により、投与様式に応じて固体状または液状の賦形剤また
は希釈剤を用いて配合される。
経日投与のためには、賦形剤、たとえばクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム
およびリン酸二カルシウムを、種々の崩壊剤、たとえばデンプン、好ましくはバ
レイショデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸およびある種の複合ケイ
酸塩、ならびに結合剤、たとえばポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン
およびアラビアゴムを含有する錠剤が用いられる。さらに、滑沢剤、たとえばス
テアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクが、錠剤製造の
ためにしばしば極めて有用であるが、これらに限定されない。同様な種類の固体
組成物を軟および硬ゼラチンカプセル中の充填剤としても使用できる;これに関
して好ましい材料には、たとえば乳糖および高分子量ポリエチレングリコールも
含まれるが、これらに限定されない。経口投与のために水性懸濁液剤および/ま
たはエリキシル剤が望ましい場合、必須有効成分を種々の甘味剤または香味剤、
着色物質または色素、ならびに所望により乳化剤および/または懸濁化剤、なら
びに希釈剤、たとえば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、な
らびにその種々の組合わせと組み合わせてもよい。
本発明を以下の実施例により説明するが、その詳細事項に本発明を限定すべき
ではない。
非水性反応はすべて、便宜上、かつ一般的に収率を最大限に高めるために、窒
素下で行われた。溶剤/希釈剤はすべて、公表された標準法により乾燥させるか
、または予め乾燥した状態で購入された。すべての反応物を磁気により、または
機械的に撹拌した。NMRスペクトルは300MHzで記録され、ppmで記載
される。NMR溶剤は別途明記しない限りCDCl3であった。IRスペクトル
はcm1で記載され、一般に強い信号のみを表示する。
実施例
実施例1
(1R*,2R*)−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4
−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3−フルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェ
ノン(製造例1の化合物,1.19g,2.95mmol)、4−(4−フルオ
ロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.864g,4.43mmol)
およびトリエチルアミン(1.03mL,7.38mmol)の、エタノール(
25mL)中における混合物を4時間還流し、次いで周囲温度で64時間撹拌し
た。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し
、有機相をブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシ
リカゲル上で(約3.8×7.6cm、1.5×3インチ)フラッシュクロマト
グラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/
ヘキサン(350mL)、無;20%酢酸エチル/ヘキサン(150mL)、無
;20%酢酸エチル/ヘキサン(450mL)、0.437g(29%)の1−
(3−フルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(
4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−
1−オン;下記を有する黄色の油として:
水素化ホウ素ナトリウム(0.027g,0.717mmol)およびエタノ
ール(10mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3−フルオロ−4−
トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル
)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.371
g,0.717mmol,10mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲
温度
で一夜撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。
相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した
。残渣をシリカゲル上で(約1.9×7.6cm、0.75×3インチ、ヘキサ
ン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のよう
に進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、無;10%酢酸エチ
ル/ヘキサン(100mL)および20%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)
、0.22g(59%)の(1R*,2R*)−1−(3−フルオロ−4−トリイ
ソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)−4
−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール。エーテルから再
結晶した試料は融点159〜160℃を有していた。
上記反応の生成物(0.192g,0.37mmol)をテトラヒドロフラン
(10mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.407mL,0
.407mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温
度で30分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配し、相
を分離した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して
、0.122g(91%)の白色固体生成物を得た。この固体をメタノール(6
mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.022mL,0.34mmol)を添
加した。混合物を沸騰下に0.5mLに濃縮した。冷却により白色結晶が生成し
、これを濾過により採集して0.062g(36%)の(1R*,2R*)−1−
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニ
ル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラ
ートを得た。これは融点239〜241℃を有していた。分析:C20H23F2N
O3・CH4SO3につき計算値:C,54.89;H,5.92;N,3.05
。実測値:C,55.17;H,6.08;N,3.11。
実施例2
(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−(4−
(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3−メチル−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノ
ン(製造例6の化合物,9.17g.22.97mmol)、4−(4−フルオ
ロフェニル)−4−ヒトロキシピペリジン(6.73g,34.45mmol)
およびトリエチルアミン(8.0mL,57.43mmol)の、エタノール(
180mL)中における混合物を6時間還流した。溶剤を減圧下で除去し、残渣
を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、硫
酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約7.6×8.9
cm、3×3.5インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処
理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(1
000mL)、無;20%酢酸エチル/ヘキサン(700mL)、無;20%酢
酸エチル/ヘキサン(1300mL)および25%酢酸エチル/ヘキサン(60
0mL)、7.66g(65%)の1−(3−メチル−4−トリイソプロピルシ
リルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ
ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン;黄色泡状物として;これはそれ
以上精製せずに使用するのに適していた。酢酸エチル/ヘキサンから白色結晶と
して再結晶した試料は、融点78〜82℃を有していた。
水素化ホウ素ナトリウム(0.564g,14.92mmol)およびエタノ
ール(60mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3−メチル−4−ト
リイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)
−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(7.66g,
14.92mmol,10mLのエタノール中)を添加し、30mLのエタノー
ルで2回すすいだ。反応物を周囲温度で一夜撹拌した。沈殿した白色固体を濾過
により採集し、乾燥させて、5.72g(74%)の(1R*,2R*)−1−(
3−メチル−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−
フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−
オールを得た。これはそれ以上精製せずに使用するのに適し、融点188〜18
9℃を有していた。
上記反応の生成物(5.72g,11.1mmol)をテトラヒドロフラン(
150mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(12.21mL,1
2.21mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲
温度で1時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配し、相
を分離した。有機相を濃縮し、塩化メチレンで懸濁した。沈殿した白色固体を濾
過により採集し、乾燥させて、3.41g(85%)の(1R*,2R*)−1−
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル
)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを得た。試
料(0.16g,0.447mmol)をそのメシラート塩に変換した。すなわ
ちこれをメタノール(8mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.029mL,
0.45mmol)を添加した。混合物を濾過し、濃縮した;次いで残渣をエタ
ノールから再結晶して、0.152g(58%)のメシラート塩を得た。これは
融点215〜216℃を有していた。分析:C21H25FNO3・CH4SO3につ
き計算値:C,58.01;H,6.64:N,3.07。実測値:C,57.
99;H,6.72;N,3.17。
実施例3
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3,5−ジメチル−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオ
フェノン(製造例18の化合物,1.50g,3.63mmol)、4−(4−
クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(1.00g,4.03mmol
)およびトリエチルアミン(1.7mL,12.2mmol)の、エタノール(
30mL)中における混合物を4.5時間還流し、次いで周囲温度で一夜撹拌し
た。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し
、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を
シリカゲル上で(約2.5×12.7cm、1×5インチ、ヘキサン中で充填)
フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:
10%酢酸エチル/ヘキサン(750mL)、無;10%酢酸エチル/ヘキサン
(250mL)および20%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、0.82g
(41%)の1−(3,5−ジメチル−4−トリイソプロピルシリルオキシフェ
ニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−
イル)
−プロパン−1−オン;黄色泡状物として;これはそれ以上精製せずに使用する
のに適し、下記を有していた:
水素化ホウ素ナトリウム(0.054g,1.43mmol)およびエタノー
ル(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジメチル−4−
トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)
−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.77g,
1.42mmol,25mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で
一夜撹拌した。沈殿した白色固体を濾過により採集し、乾燥させて、0.44g
(56%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4−トリイソプロピ
ルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキ
シピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを得た。これはそれ以上精製
せずに使用するのに適し、融点211.5〜212.5℃を有していた。
上記反応の生成物(0.40g,0.73mmol)をテトラヒドロフラン(
10mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.81mL,0.8
1mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度で3
0分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配し、相を分離
した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で
(約2.5×7.6cm、1×3インチ、ヘキサンで充填)フラッシュクロマト
グラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:50%酢酸エチル/
ヘキサン(300mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン(100mL)およ
び酢酸エチル(200mL)、0.247g(88%)の(1R*,2R*)−1
−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフ
ェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール。試
料(0.24g,0.616mmol)をそのメシラート塩に変換した。すなわ
ちこれをメタノール(15mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.040m
L,0.616mmol)を添加した。混合物を濾過し、濃縮した;次いで残渣
を9:1エタノール/水から再結晶して、0.228g(58%)のメシラート
塩をふわふわした白色固体として得た。これは融点202.5〜203℃を有し
ていた。分析:C22H28C1NO3・CH4SO3につき計算値:C,56.84
;H,6.64;N,2.88。実測値:C,57.01;H,6.83;N,
2.94。
実施例4
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3,5−ジメチル−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオ
フェノン(製造例18の化合物,1.50g,3.63mmol)、4−(4−
フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.78g,4.00mmo
l)およびトリエチルアミン(1.0mL,7.2mmol)の、エタノール(
30mL)中における混合物を4.5時間還流し、次いで周囲温度で一夜撹拌し
た。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し
、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を
シリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサン中で充填)
フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:
10%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;20%酢酸エチル/ヘキサン
(500mL)、0.96g(50%)の1−(3,5−ジメチル−4−トリイ
ソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)−4
−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン;オレンジ色泡状物
として;これはそれ以上精製せずに使用するのに適し、下記を有していた:
水素化ホウ素ナトリウム(0.065g,1.72mmol)およびエタノー
ル(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジメチル−4−
トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル
)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.90g
,1.71mmol,25mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度
で週末にかけて撹拌した。沈殿した白色固体を濾過により採集し、乾燥させて、
0.365g(40%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4−ト
リイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)
−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを得た。これ
はそれ以上精製せずに使用するのに適し、融点186.5〜187℃を有してい
た。分析:C31H48FNO3Si・0.125 H2Oにつき計算値:C,69.69;
H,9.15;N,2.62。実測値:C,69.65;H,9.29;N,2
.57。
上記反応の生成物(0.31g,0.59mmol)をテトラヒドロフラン(
10mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.65mL,0.6
5mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度で3
0分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配し、相を分離
した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で
(約2.5×7.6cm、1×3インチ、ヘキサンで充填)フラッシュクロマト
グラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:50%酢酸エチル/
ヘキサン(150mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン(50mL)および
酢酸エチル(200mL)、0.200g(91%)の(1R*,2R*)−1−
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフ
ェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール。試
料(0.194g,0.519mmol)を、そのメシラート塩に変換した。す
なわちこれをメタノール(15mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.034
mL,0.524mmol)を添加した。混合物を濾過し、濃縮し、次いで残渣
を9:1エタノール/水から再結晶して、メシラート塩をふわふわした白色固体
(0.174g)として得た。これは融点179〜180℃を有していた。分析
:C22H28FNO3・CH4SO3・0.25 H2Oにつき計算値:C,58.27;
H,6.91;N,2.95。実測値:C,58.30;H,7.24;N,3
.00。
実施例5
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2
−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3,5−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−・α−ブロモプロ
ピオフェノン(製造例20の化合物,1.50g,3.56mmol)、4−(
4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(1.00g,4.03mm
ol)およびトリエチルアミン(1.7mL,12.2mmol)の、エタノー
ル(30mL)中における混合物を4.5時間還流し、次いで周囲温度で一夜撹
拌した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分
離し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残
渣をシリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサン中で充
填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行し
た:10%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、無;10%酢酸エチル/ヘキ
サン(250mL)および20%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、0.79g
(40%)の1−(3,5−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフェ
ニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−
イル)−プロパン−1−オン;オレンジ色泡状物として;これはそれ以上精製せ
ずに使用するのに適し、下記を有していた:NMR δ 7.73(広域結合 d,J=9
.0
水素化ホウ素ナトリウム(0.058g,1.40mmol)およびエタノー
ル(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジフルオロ−4
−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル
)
−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.76g,
1.38mmol,20mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で
週末にかけて撹拌した。沈殿した白色固体を濾過により採集し、乾燥させて、0
.43g(57%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジフルオロ−4−トリ
イソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4
−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを得た。これはそ
れ以上精製せずに使用するのに適し、融点192〜192.5℃を有していた。
分析:C29H42ClFN2O3Si・0.25 H2Oにつき計算値:C,62.35;
H,7.67;N,2.51。実測値:C,62.37:H,7.81;N,2
.73。
上記反応の生成物(0.39g,0.70mmol)をテトラヒドロフラン(
10mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.80mL,0.8
0mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度で3
0分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配し、相を分離
した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で
(約2.5×10.2cm、1×4インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理
し、その際、溶離は以下のように進行した:50%酢酸エチル/ヘキサン(20
0mL)、無;酢酸エチル(200mL)、無;2%メタノール/酢酸エチル(
200mL)および5%メタノール/酢酸エチル(200mL)、0.232g
(86%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1
−イル)−プロパン−1−オール。試料(0.226g,0.589mmol)
をそのメシラート塩に変換した。すなわちこれをメタノール(15mL)に懸濁
し、メタンスルホン酸(0.038mL,0.587mmol)を添加した。混
合物を濾過し、濃縮した;次いで残渣を9:1エタノール/水から再結晶して、
メシラート塩を白色固体(0.240g)として得た。これは融点239.5〜
240℃を有していた。分析:C20H22ClF2NO3・CH4SO3・H2Oにつ
き計算値:C,50.65;H,5.67;N,2.81。実測値:C,50.
94;H,5.54;N,2.85。
実施例6
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3,5−ジメチル−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオ
フェノン(製造例18の化合物,2.00g,4.84mmol)、4−(4−
トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(1.78g,7.
26mmol)およびトリエチルアミン(1.4mL,10.0mmol)の、
エタノール(30mL)中における混合物を7.75時間還流し、次いで周囲温
度で一夜撹拌した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配し
た。相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃
縮した。残渣をシリカゲル上で(約3.8×10.2cm、1.5×4インチ、
ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下
のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;25%酢
酸エチル/ヘキサン(250mL)、1.39g(50%)の1−(3,5−ジ
メチル−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−トリ
フルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン
−1−オン;オレンジ色泡状物として;これはそれ以上精製せずに使用するのに
適し、下記を有していた:
水素化ホウ素ナトリウム(0.090g,2.38mmol)およびエタノー
ル(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジメチル−4−
トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメチ
ルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(
1.30g,2.25mmol,25mLのエタノール中)を添加した。反応物
を周囲温度で一夜撹拌した。沈殿した白色固体を濾過により採集し、乾燥させ
て、0.408g(31%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4
−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメ
チルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オー
ルを得た。これはそれ以上精製せずに使用するのに適し、融点177〜177.
5℃を有していた。分析:C32H48F3NO3Si・0.25 H2Oにつき計算値:C
,65.78;H,8.37;N,2.40。実測値:C,65.65;H,8
.51;N,2.57。
上記反応の生成物(0.348g,0.60mmol)をテトラヒドロフラン
(10mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.60mL,0.
60mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度で
一夜撹拌した。反応物を水およびエーテルで希釈し、激しく撹拌した。沈殿した
固体を濾過し、乾燥させ、エーテルで洗浄し、秤量した:0.166g(65%
の生成物)。濾液を酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥さ
せ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×7.6cm、1×3インチ)
フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:
50%酢酸エチル/ヘキサン(100mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン
(100mL)および酢酸エチル(75mL)、0.077gの生成物。この方
法で0.243g(96%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4
−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを得た。この生成
物をそのメシラート塩に変換した。すなわちこれを9:1エタノール/水(5m
L)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.038mL,0.587mmol)を添
加した。混合物を濾過し、約0.5mLに濃縮し、生成物を採集して、0.18
4gのメシラート塩を白色固体として得た。これは融点147〜148℃を有し
ていた。分析:C23H28F3NO3・CH4SO3・1.25 H2Oにつき計算値:C,
53.18;H,6.42;N,2.58。実測値:C,53.18;H,6.
63;N,2.58。
実施例7
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオ
フェノン(製造例14の化合物,1.00g,2.20mmol)、4−(4−
フルオロフェニル)−4−ヒドロキンピペリジン(0.64g,3.28mmo
l)およびトリエチルアミン(0.62mL,4.45mmol)の、エタノー
ル(20mL)中における混合物を6時間還流し、次いで周囲温度で一夜撹拌し
た。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し
、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を
シリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサン中で充填)
フラッシュクロマトグラフィー処理し、、その際、溶離は以下のように進行した
:10%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、無;10%酢酸エチル/ヘキサ
ン(350mL)、0.12g(10%)の1−(3,5−ジクロロ−4−トリ
イソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)−
4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン;オレンジ色の油
として;これをそのまま次の工程に使用した。
水素化ホウ素ナトリウム(0.010g,0.26mmol)およびエタノー
ル(1mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジクロロ−4−
トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル
)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.12g
,0.211mmol,4mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度
で一夜撹拌した。混合物を水で急冷し、40℃で濃縮した。残渣を酢酸エチルと
水の間で分配し、相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約1.9×10.2cm、0.
75×4インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、そ
の際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(200mL
)、無;20%酢酸エチル/ヘキサン(150mL)、0.033g(27%)
の
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキ
シフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジ
ン−1−イル)−プロパン−1−オール;黄色の油として;これはそれ以上精製
せずに使用するのに適していた。
上記反応の生成物(0.033g,0.058mmol)をテトラヒドロフラ
ン(5mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.060mL,0
.060mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温
度で3時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配し、相を
分離した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル
上で(約1.9×7.6cm、0.75×3インチ、ヘキサンで充填)フラッシ
ュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:25%酢
酸エチル/ヘキサン(200mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン(150
mL)、0.014g(58%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒド
ロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを白色固体として得た。
試料をそのメシラート塩に変換した。すなわちこれをメタノールに懸濁し、メタ
ンスルホン酸(0.0022mL,0.0034mmol)を添加した。混合物
を濃縮し;次いで残渣を20:1エーテル/エタノールで摩砕処理して、0.0
13gのメシラート塩を白色固体として得た。これは下記を有していた:
実施例8
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオ
フェノン(製造例14の化合物,1.00g,2.20mmol)、4−(4−
トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.80g,3.
26mmol)およびトリエチルアミン(0.62mL,4.45mmol)の
、エタノール(20mL)中における混合物を6時間還流し、次いで周囲温度で
一夜撹拌した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。
相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し
た。残渣をシリカゲル上で(約2.5×7.6cm、1×3インチ、ヘキサン中
で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進
行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、無;10%酢酸エチル/
ヘキサン(250mL)、0.18g(13%)の1−(3,5−ジクロロ−4
−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメ
チルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン
;オレンジ色の油として;これをそのまま次の工程に用いた。
水素化ホウ素ナトリウム(0.012g,0.317mmol)およびエタノ
ール(1mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジクロロ−4
−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメ
チルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン
(0.18g,0.291mmol,4mLのエタノール中)を添加した。反応
物を周囲温度で一夜撹拌した。混合物を水で急冷し、40℃で濃縮した。残渣を
酢酸エチルと水の間で分配し、相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約1.9×10.
2cm、0.75×4インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィ
ー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン
(200mL)、無;20%酢酸エチル/ヘキサン(150mL)、0.072
g(40%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ−4−トリイソプロ
ピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)
−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを黄色の油と
して得た。これはそれ以上精製せずに使用するのに適していた。
上記反応の生成物(0.072g,0.116mmol)をテトラヒドロフラ
ン(5mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.120mL,0
.
120mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度
で3時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約1.9×10.2
cm、0.75×4インチ、ヘキサンで充填)フラッシュクロマトグラフィー処
理し、その際、溶離は以下のように進行した:25%酢酸エチル/ヘキサン(2
00mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン(100mL)、0.028gの
(52%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)−2−(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペ
リジン−1−イル)−プロパン−1−オール;白色固体として。試料をそのメシ
ラート塩に変換した。すなわちこれをメタノールに懸濁し、メタンスルホン酸(
0.0039mL,0.006mmol)を添加した。混合物を濃縮し、次いで
残渣を20:1エーテル/エタノールで摩砕処理して、0.022gのメシラー
ト塩を白色固体として得た。これは下記を有していた:融点208〜208.5
℃;
実施例9
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオ
フェノン(製造例14の化合物,1.00g,2.20mmol)、4−(4−
クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.81g,3.26mmol
)およびトリエチルアミン(0.93mL,6.67mmol)の、エタノール
(20mL)中における混合物を6時間還流し、次いで周囲温度で一夜撹拌した
。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し、
有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシ
リカゲル上で(約2.5×7.6cm、1×3インチ)フラッシュクロマトグラ
フィ
ー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン
(250mL)、無;10%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、0.08g
(6%)の1−(3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニ
ル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イ
ル)−プロパン−1−オン;オレンジ色の油として;これをそのまま次の工程に
使用した。
水素化ホウ素ナトリウム(0.010g,0.26mmol)およびエタノー
ル(1mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジクロロ−4−
トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)
−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.08g,
0.137mmol,4mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で
一夜撹拌した。混合物を水で急冷し、40℃で濃縮した。残渣を酢酸エチルと水
の間で分配し、相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約1.9×10.2cm、0.7
5×4インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その
際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)
、無;20%酢酸エチル/ヘキサン(150mL)、0.03g(40%)の(
1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ
フェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−
1−イル)−プロパン−1−オール;黄色の油として;これはそれ以上精製せず
に使用するのに適していた。
上記反応の生成物(0.030g,0.051mmol)をテトラヒドロフラ
ン(5mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.053mL,0
.053mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温
度で3時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約1.9×7.6
cm、0.75×3インチ、ヘキサンで充填)フラッシュクロマトグラフィー処
理し、その際、溶離は以下のように進行した:25%酢酸エチル/ヘキサン(2
00mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン(150mL)、0.009g(
41%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)
−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)
−プロパン−1−オールを白色固体として得た。試料をそのメシラート塩に変換
した。すなわちこれをメタノールに懸濁し、メタンスルホン酸(0.0014m
L,0.002mmol)を添加した。混合物を濃縮し;次いで残渣を10:1
エーテル/エタノールで摩砕処理して、0.0085gのメシラート塩を白色固
体として得た。これは下記を有していた:融点223〜223.5℃;NMR
δ 7.54-7.46(m,6H),4.70(d,1H 溶剤で部分的に隠蔽)
実施例10
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2
−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロ−α−ブロモプロピオフェノン(製
造例22の化合物,1.00g,2.82mmol)および4−(4−フルオロ
フェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(1.1g,5.63mmol)の、エ
タノール(25mL)中における混合物を一夜撹拌した。溶剤を減圧下で除去し
、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し、有機相をブラインで洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5
×10.2cm、1×4インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフ
ィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:5%酢酸エチル/ヘキサン
(500mL)、無;15%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;20%
酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、0.59g(45%)の1−(4−ベン
ジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニ
ル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン;明るい黄
色の油として;これはそれ以上精製せずに使用するのに適し、下記を有していた
:NMR δ 7.75(広域結合 d,J=9.2Hz,2H),7.48-7.30(m,7H),7.03(広域
結合 t,J=8.7Hz,2H),
水素化ホウ素ナトリウム(0.050g,1.32mmol)およびエタノー
ル(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(4−ベンジルオキシ−3
,5−ジフルオロフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒド
ロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.55g,1.17m
mol,20mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で一夜撹拌し
た。沈殿した白色固体を濾過により採集し、乾燥させて、0.34gの生成物を
得た。濾液を減圧下に40℃で濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配した
。相を分離し、有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ
、ヘキサンで充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下
のように進行した:30%酢酸エチル/ヘキサン(300mL)、0.059g
の生成物を生成。こうして0.399g(73%)の(1R*,2R*)−1−(
4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−2−(4−(4−フルオ
ロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール
が得られ、これはそれ以上精製せずに使用するのに適し、下記を有していた:融
点169〜171℃;NMR δ 7.53-7.44(m,4H),7.41-7.30(m,3H),7.06(
広域結合 t,J=8.7Hz,2H),6.92(広域結合 d,J=8.9Hz,2H),
上記反応の生成物(0.34g,0.721mmol)をテトラヒドロフラン
(10mL)に溶解し、メタノール(10mL)およびギ酸アンモニウム(0.
45g,7.14mmol)およびカーボン上10%パラジウム(0.19g)
を添加した。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、次いでけいそう土で濾過した。
フィルターパッドをエタノールおよび水ですすいだ。濾液を濃縮し、残渣を酢酸
エチルと水の間で分配した。相を分離し、有機相を水およびブラインで洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮したが、物質は残らなかった。硫酸マグネシ
ウムフィルターパッドを水に溶解し、灰色固体を濾過し、水ですすぎ、風乾した
。0.195gの重量のこの灰色固体をシリカゲル上で(約2.5×10.2c
m、1×4インチ、ヘキサンで充填)フラッシュクロマトグラフィーにより精製
した。溶離は以下のように進行した:50%酢酸エチル/ヘキサン(100mL
)、無;酢酸エチル(200mL)、無;10%メタノール/酢酸エチル(20
0mL)、無;25%メタノール/酢酸エチル(200mL)および50%メタ
ノール/酢酸エチル(200mL)、0.097g(36%)の(1R*,2R*
)−1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−
フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−
オールを白色固体として得た。生成物をそのメシラート塩に変換した。すなわち
これをメタノール(10mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.017mL,
0.262mmol)を添加した。混合物を濾過し、濃縮した;次いで残渣を9
:1エタノール/水から再結晶して、メシラート塩を結晶質白色固体として得た
(0.099g)。これは融点239〜239.5℃を有していた;分析:C20
H22F3NO3・CH4SO3につき計算値:C,52.82;H,5.49;N,
2.93。実測値:C,52.80;H,5.76;N,2.99。
実施例11
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2
−(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロ−α−ブロモプロピオフェノン(製
造例22の化合物,1.14g,3.21mmol)、4−(4−トリフルオロ
メチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.87g,3.55mmol
)およびトリエチルアミン(0.90mL,6.5mmol)の、エタノール(
25mL)中における混合物を1.75時間還流し、周囲温度で一夜撹拌した。
溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し、有
機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリ
カゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサン中で充填)フラ
ッ
シュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:15%
酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;25%酢酸エチル/ヘキサン(25
0mL)、1.09g(65%)の1−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオ
ロフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキ
シピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン;淡いオレンジ色の油として;
これはそれ以上精製せずに使用するのに適し、下記を有していた:NMR δ
7.74(広域結合 d,J=9.4Hz.2H),
水素化ホウ素ナトリウム(0.085g,2.25mmol)およびエタール
(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(4−ベンジルオキシ−3,
5−ジフルオロフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−
4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(1.02g,1
.96mmol,30mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で一
夜撹拌した。生じた白色沈殿を濾過により採集し、乾燥させて、0.66gの(
1R*,2R*)−1−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−
2−(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−
1−イル)−プロパン−1−オールを得た。これはそれ以上精製せずに使用する
のに適し、融点201〜202℃を有していた。分析:C28H28F5NO3・0.25
H2Oにつき計算値:C,63.93;H,5.46;N,2.66。実測値:
C,63.98;H,5.49;N,2.70。
上記反応の生成物(0.60g,1.15mmol)をテトラヒドロフラン(
15mL)に溶解し、メタノール(15mL)およびギ酸アンモニウム(0.7
3g,11.6mmol)およびカーボン上10%パラジウム(0.30g)を
添加した。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、次いでけいそう土で濾過した。フ
ィルターパッドをエタノールおよび水ですすいだ。濾液を濃縮し、残渣を酢酸エ
チルと水の間で分配した。相を分離し、有機相を水およびブラインで洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮すると、0.517gの(1R*,2R*)−
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−トリ
フルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン
−1−オールが白色固体として残った。試料(0.50g,1.16mmol)
をそのメシラート塩に変換した。すなわちこれをメタノール(15mL)に懸濁
し、メタンスルホン酸(0.075mL,1.16mmol)を添加した。混合
物を濾過し、濃縮した;次いで残渣を9:1エタノール/水から再結晶して、メ
シラート塩をふわふわした白色固体(0.475g)として得た。これは融点2
18〜219℃を有していた:分析:C21H22F5NO3・CH4SO3・0.75 H2
Oにつき計算値:C,48.84;H,5.12;N,2.59。実測値:C,
48.88;H,5.37;N,2.59。
実施例12
(1R*,2R*)−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4
−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3−フルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェ
ノン(製造例11の化合物,1.25g,3.10mmol)、4−(4−クロ
ロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(1.0g,4.03mmol)およ
びトリエチルアミン(1.51mL,10.85mmol)の、エタノール(2
5mL)中における混合物を4時間還流した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢
酸エチルと水の間で分配した。相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸カ
ルシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×8.9cm
、1×3.5インチ、10%酢酸エチル/ヘキサンで充填)フラッシュクロマト
グラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:ヘキサン(150m
L)、無;10%酢酸エチル/ヘキサン(350mL)、無;20%酢酸エチル
/ヘキサン(300mL)、0.535g(32%)の1−(3−フルオロ−4−
トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)
−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン;黄色の油性泡
状物として;これは下記を有していた:
水素化ホウ素ナトリウム(0.032g,0.85mmol)およびエタノー
ル(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3−フルオロ−4−トリ
イソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4
−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.454g,0
.850mmol,10mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で
一夜撹拌した。生じた白色沈殿を濾過により採集して、0.245g(54%)
の
(1R*,2R*)−1−(3−フルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフ
ェニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1
−イル)−プロパン−1−オールを得た。これは下記を有していた:
生成物は約8%のエリトロジアステレオマーをも含有していたが、さらに精製せ
ずに用いるのに適していた。
上記反応の生成物(0.220g,0.41mmol)をテトラヒドロフラン
(10mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.452mL,0
.45mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度
で30分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配し、相を
分離した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。
残渣をシリカゲル上で(約1.9×8.9cm、0.75×3.5インチ)フラ
ッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:5%
酢酸エチル/ヘキサン(100mL)、無;15%酢酸エチル/ヘキサン(20
0mL)、無;25%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、無;35%酢酸エ
チル/ヘキサン(200mL)、無;35%酢酸エチル/ヘキサン(200mL
)、0.106g(68%)の白色固体生成物。この固体をメタノール(4mL
)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.018mL,0.28mmol)を添加し
た。混合物を濾過し、次いで数滴のエタノールを添加して沸騰下で0.5mLに
濃縮した。冷却により白色結晶が得られ、これを濾過により採集して、0.08
4g(43%)の(1R*,2R*)−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)−2−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−
イル)−プロパン−1−オール・メシラートを得た。これは融点233〜235
℃を有していた。分析:C20H23ClFNO3・CH4SO3につき計算値:C,
52.99;H,5.72;N,2.94。実測値:C,53.06;H,5.
91;N,3.03。
実施例13
(1R*,2R*)−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4
−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル
)−プロパン−1−オール・メシラート
3−フルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェ
ノン(製造例11の化合物,1.35g,3.35mmol)、4−(4−トリ
フルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(1.15g,4.69
mmol)およびトリエチルアミン(1.20mL,8.38mmol)の、エ
タノール(25mL)中における混合物を4時間還流した。溶剤を減圧下で除去
し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し、有機相をブラインで洗
浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5
×8.9cm、1×3.5インチ、10%酢酸エチル/ヘキサンで充填)フラッ
シュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:ヘキサ
ン(150mL)、無;10%酢酸エチル/ヘキサン(350mL)、無;20
%酢酸エチル/ヘキサン(350mL)、0.841g(44%)の1−(3−
フルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−ト
リフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパ
ン−1−オン;黄色の油性泡状物として;これは下記を有していた:
水素化ホウ素ナトリウム(0.049g,1.30mmol)およびエタノー
ル(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3−フルオロ−4−トリ
イソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメチルフ
ェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(0.
738g,1.30mmol,10mLのエタノール中)を5mLのエタノール
ですすぎながら添加した。反応物を周囲温度で一夜撹拌した。生じた白色沈殿を
濾
過により採集して、0.335g(45%)の(1R*,2R*)−1−(3−フ
ルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−トリ
フルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン
−1−オールを得た。これは下記を有していた:
この生成物は約7%のエリトロジアステレオマーをも含有していたが、さらに精
製せずに使用するのに適していた。
上記反応の生成物(0.300g,0.527mmol)をテトラヒドロフラ
ン(10mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.58mL,0
.58mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度
で30分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配し、相を
分離した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。
残渣をシリカゲル上で(約1.9×8.9cm、0.75×3.5インチ)フラ
ッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:5%
酢酸エチル/ヘキサン(100mL)、無;15%酢酸エチル/ヘキサン(20
0mL)、無;25%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、無;35%酢酸エ
チル/ヘキサン(350mL)、0.156g(72%)の白色固体生成物。こ
の固体をメタノール(4mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.025mL,
0.38mmol)を添加した。混合物を濾過し、次いで濃縮した。残渣をエタ
ノールから再結晶して、0.085g(32%)の(1R*,2R*)−1−(3
−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(4−トリフルオロメチル
フェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・
メシラートを得た。これは融点155〜157℃を有していた。分析:C21H23
F4NO3・CH4SO3につき計算値:C,51.86;H,5.34;N,2.
75。実測値:C,51.94;H,5.58;N,2.76。
実施例14
(1R*,2R*)−4−{2−(3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8
−アザビシクロ(3.2.1)オクト−8−イル)−1−ヒドロキシプロピル}−2−メチルフェノール
3−メチル−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノ
ン(製造例6の化合物,1.25g,3.14mmol)、3−(4−クロロフ
ェニルスルファニル)−8−アザビシクロ(3.2.1)オクタン(製造例41
の化合物,1.11g,4.40mmol)およびトリエチルアミン(1.09
mL,7.85mmol)の、エタノール(17mL)中における混合物を16
時間還流した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を塩化メチレンと水の間で分配した
。相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮し
た。残渣をシリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサン
で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進
行した:ヘキサン(150mL)、無;5%酢酸エチル/ヘキサン(300mL
)、前溶出分(廃棄);10%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)および20
%酢酸エチル/ヘキサン(150mL)、1.325g(74%)の1−(3−
メチル−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−{3−(4−クロ
ロフェニルスルファニル)−8−アザビシクロ(3.2.1)オクタン−8−イ
ル}−プロパン−1−オン;黄色の油として;これをそのまま次の工程に用いた
。
水素化ホウ素ナトリウム(0.082g,2.18mmol)およびエタノー
ル(10mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3−メチル−4−トリ
イソプロピルシリルオキシフェニル)−2−{3−(4−クロロフェニルスルフ
ァニル)−8−アザビシクロ(3.2.1)オクタン−8−イル}−プロパン−
1−オン(1.247g,2.18mmol,5mLのエタノール中)を5mL
ずつのエタノールで2回すすぎながら添加した。反応物を周囲温度で一夜撹拌し
、次いで濃縮した。残渣を塩化メチレンと水の間で分配し、相を分離した。有機
相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5
×10.2cm、1×4インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際
、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、
無;
20%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、0.475g(38%)の(1R*
,2R*)−1−(3−メチル−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)
−2−{3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−アザビシクロ(3.2
.1)オクタン−8−イル}−プロパン−1−オール;油として;これは下記を
有していた:
この生成物は10%のエリトロジアステレオマーをも含有していたが、さらに精
製せずに使用するのに適していた。フラッシュクロマトグラフィーカラムを25
%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)および30%酢酸エチル/ヘキサン(2
00mL)でさらに溶離するとこのエリトロジアステレオマー0.291gが油
として得られたことを留意されたい。
上記反応の生成物(0.475g,0.828mmol)をテトラヒドロフラ
ン(14mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.91mL,0
.91mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度
で1時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を塩化メチレンと水の間で分配し、相を
分離した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル
上で(約1.9×7.6cm、0.75×3インチ)フラッシュクロマトグラフ
ィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:20%酢酸エチル/ヘキサ
ン(150mL)、無;30%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)および40
%酢酸エチル/ヘキサン(300mL)、0.183g(52%)の(1R*,
2R*)−4−{2−(3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−アザビ
シクロ(3.2.1)オクト−8−イル)−1−ヒドロキシプロピル}−2−メ
チルフェノール;白色固体生成物として。酢酸エチルから再結晶した試料は下記
を有していた:融点168〜169℃;
実施例15
(1R*,2R*)−4−{2−(3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8
−アザビシクロ(3.2.1)オクト−8−イル)−1−ヒドロキシプロピル}−2,6−ジメチルフェノール
3,5−ジメチル−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオ
フェノン(製造例41の化合物,1.3g,3.14mmol)、3−(4−ク
ロロフェニルスルファニル)−8−アザビシクロ(3.2.1)オクタン(1.
11g,4.40mmol)およびトリエチルアミン(1.09mL,7.85
mmol)の、エタノール(17mL)中における混合物を16時間還流した。
溶剤を減圧下で除去し、残渣を塩化メチレンと水の間で分配した。相を分離し、
有機相をブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリ
カゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサンで充填)フラッ
シュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:ヘキサ
ン(150mL)、無;5%酢酸エチル/ヘキサン(300mL)、前溶出分(
廃棄);10%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)および20%酢酸エチル/
ヘキサン(150mL)、1.175g(64%)の1−(3,5−ジメチル−
4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−{3−(4−クロロフェニ
ルスルファニル)−8−アザビシクロ(3.2.1)オクタン−8−イル}−プ
ロパン−1−オン;黄色の油として;これをそのまま次の工程に用いた。
水素化ホウ素ナトリウム(0.070g,1.86mmol)およびエタノー
ル(10mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジメチル−4
−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−{3−(4−クロロフェニル
スルファニル)−8−アザビシクロ(3.2.1)オクタン−8−イル}−プロ
パン−1−オン(1.09g,2.86mmol,5mLのエタノール中)を5m
Lずつのエタノールで3回すすぎながら添加した。反応物を周囲温度で一夜撹拌
した。生じた白色沈殿を採集し、乾燥させて、0.22gのエリトロ生成物(1
R*,2S*)を得た。濾液を濃縮し、残渣を塩化メチレンと水の間で分配した。
相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲ
ル上で(約2.5×8.9cm、1×3.5インチ)フラッシュクロマトグラフィ
ー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン
(200mL)、無;20%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、0.208
g(19%)の(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4−トリイソプロ
ピルシリルオキシフェニル)−2−{3−(4−クロロフェニルスルファニル)
−8−アザビシクロ(3.2.1)オクタン−8−イル}−プロパン−1−オー
ル;油として;これは下記を有していた:NMR
この生成物は>10%のエリトロジアステレオマーを含有していたが、さらに精
製せずに使用するのに適していた。フラッシュクロマトグラフィーカラムを20
%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)でさらに溶離すると、このエリトロジア
ステレオマー0.126gが油として得られ、エリトロ生成物総収量0.346
gとなった。
上記反応の生成物(0.196g,0.33mmol)をテトラヒドロフラン
(7mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.37mL,0.3
7mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度で1
時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を塩化メチレンと水の間で分配し、相を分離
した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で
(約1.9×6.4cm、0.75×2.5インチ)フラッシュクロマトグラフ
ィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:20%酢酸エチル/ヘキサ
ン(140mL)、無;30%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)および40
%酢酸エチル/ヘキサン(75mL)、0.144g(100%)の(1R*,
2R*)−4−{2−(3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−アザビ
シ
クロ(3.2.1)オクト−8−イル)−1−ヒドロキシプロピル}−2,6−
ジメチルフェノール;淡黄色の油として。酢酸エチルから再結晶した試料は下記
を有していた:融点143〜144.5℃;
実施例16
(3R*,4S*)−6−フルオロ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,7−ジオール
3,3−ジブロモ−6−フルオロ−7−ベンジルオキシクロマン−4−オン(
製造例31の化合物,0.91g,2.12mmol)、4−(4−フルオロフ
ェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.83g,4.25mmol)および
トリエチルアミン(0.60mL,4.30mmol)の、アセトニトリル(3
0mL)中における混合物を周囲温度で一夜撹拌した。生じた黄色沈殿を濾過に
より採集した。この物質をシリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4イ
ンチ、塩化メチレン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、
溶離は以下のように進行した:2%メタノール/塩化メチレン(200mL)、
無;3%メタノール/塩化メチレン(100mL)、0.16g(16%)の7
−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−
ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロメン−4−オン;これをそれ以上精製
せずに用いた。
水素化ホウ素ナトリウム(0.13g,3.44mmol)およびエタノール
(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで7−ベンジルオキシ−6−フルオ
ロ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イ
ル)−クロメン−4−オン(0.16g,0.345mmol,10mLのエタ
ノール中)を添加した。反応物を周囲温度で一夜撹拌した。反応物を水で急冷し
、濃縮した。残渣を水で摩砕処理し、濾過して0.136gの白色固体を得た。
これをそのまま次の工程に用いた。
上記反応の生成物(0.13g,0.28mmol)をテトラヒドロフラン(
6mL)およびメタノール(6mL)に溶解し、ギ酸アンモニウム(0.18g
,2.85mmol)および10%カーボン上パラジウム(0.09g)を添加
した。反応物を周囲温度で一夜撹拌し、次いでけいそう土で濾過した。フィルタ
ーパッドをメタノールですすいだ。濾液を濃縮し、残渣を重炭酸塩水溶液と共に
激しく撹拌した。固体(0.057g)を採集し、エタノールから再結晶して、
0.022g(20%)の(3R*,4S*)−6−フルオロ−3−(4−(4−
フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,
7−ジオールを白色固体として得た。これは下記を有していた:融点160〜1
61℃;
実施例17
(3R*,4S*)−5−ブロモ−6−メチル−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,7−ジオール
3,3−ジブロモ−6−メチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン
−4−オンおよび6−メチル−3,3,5−トリブロモ−7−トリイソプロピル
シリルオキシクロマン−4−オン(製造例34の化合物,1.0g)、4−(4
−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.79g,4.05mm
ol)およびトリエチルアミン(0.60mL,4.30mmol)の、アセト
ニトリル(30mL)中における混合物を周囲温度で30分間撹拌した。生じた
沈殿を濾過により採集して、0.188gの5−ブロモ−6−メチル−7−トリ
イソプロピルシリルオキシ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロ
キシピペリジン−1−イル)−クロメン−4−オンを得た。濾液をシリカゲル上
で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュク
ロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:20%酢酸エ
チル/ヘキサン(100mL)、0.115gの6−メチル−7−トリイソプロ
ピルシリルオキシ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペ
リジン−1−イル)−クロメン−4−オン、融点193〜195℃の淡黄色固体
として;20%酢酸エチル/ヘキサン(100mL)および40%酢酸エチル/
ヘキサン(100mL)、0.07gの混合物;40%酢酸エチル/ヘキサン(
100mL)および60%酢酸エチル/ヘキサン(400mL)、0.30gの
6−メチル−7−ヒドロキシ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒド
ロキシピペリジン−1−イル)−クロメン−4−オン。
水素化ホウ素ナトリウム(0.11g,2.91mmol)およびエタノール
(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで5−ブロモ−6−メチル−7−ト
リイソプロピルシリルオキシ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒド
ロキシピペリジン−1−イル)−クロメン−4−オン(0.15g,0.285
mmol,10mLのエタノールおよび5mLのテトラヒドロフラン中)を添加
した。反応物を周囲温度で一夜撹拌した。反応物を水で急冷し、濃縮した。残渣
を水で摩砕処理し、濾過しで0.14gのクリーム色固体を得た。この固体をシ
リカゲル上で(約2.5×8.9cm、1×3.5インチ、ヘキサンで充填)フ
ラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:2
0%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)および30%酢酸エチル/ヘキサン(
100mL)、無;30%酢酸エチル/ヘキサン(100mL)および50%酢
酸エチル/ヘキサン(150mL)、0.094g(63%)の(3R*,4S*)
−5−ブロモ−6−メチル−7−トリイソプロピルシリルオキシ−3−(4−(
4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−
4−オール;融点201〜202.5℃の淡黄色固体として。分析:C30H43B
rFNO4Siにつき計算値:C,59.20;H,7.12;N,2.23。
実測値:C,59.30;H,7.41;N,2.25。
上記反応の生成物(0.09g,0.17mmol)をテトラヒドロフラン(
5mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.175mL,0.1
75mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度
で一夜撹拌し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×7.6cm
、1×3インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下の
ように進行した:20%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、無;40%酢酸
エチル/ヘキサン(200mL)、無;60%酢酸エチル/ヘキサン(100m
L)、無;60%酢酸エチル/ヘキサン(100mL)、0.045g(71%
)の(3R*,4S*)−5−ブロモ−6−メチル−3−(4−(4−フルオロフェ
ニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,7−ジオール
;淡白色固体として。試料をエタノール/エーテルから再結晶して、0.035
gの生成物を得た。これは融点195.5〜196℃を有していた。分析:C21
H23BrFNO4につき計算値:C,55.76;H,5.13;N,3.10
。実測値:C,55.70;H,5.23;N,3.07。
実施例18
(3R*,4S*)−6−メチル−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,7−ジオール
6−メチル−7−ヒドロキシ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒ
ドロキシピペリジン−1−イル)−クロメン−4−オン(製造例17の化合物,
0.30g,0.81mmol)、炭酸カリウム(0.22g,1.59mmol
)および臭化ベンジル(0.10mL,0.84mmol)の、アセトン中にお
ける混合物を6時間還流した。反応物を濃縮し、溶解を助けるために加温しなが
ら残渣を2:1酢酸エチル/テトラヒドロフランと水の間で分配した。相を分離
し、有機層を水およびブラインで洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、濃縮して黄色固体を得た。この固体をエーテルで摩砕処理して、0.31g
(84%)の7−ベンジルオキシ−6−メチル−3−(4−(4−フルオロフェ
ニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロメン−4−オンを得た。
これは融点245〜245.5℃を有していた。分析:C28H26FNO4につき
計算値:C,73.19;H,5.70;N,3.05。実測値:C,72.8
7;H,5.76;N,3.21。
水素化ホウ素ナトリウム(0.25g,6.61mmol)およびエタノール
(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで7ベンジルオキシ−6−メチル
−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル
)−クロメン−4−オン(0.30g,0.653mmol,20mLのエタノ
ールおよび15mLのテトラヒドロフラン中)を添加した。反応物を周囲温度で
一夜撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.12g)を追加し、週末にかけて
撹拌を続けた。反応物を水で急冷し、濃縮した。残渣を水で摩砕処理し、濾過し
て固体を得た。これは出発原料と生成物の2:1混合物であった。この物質を熱
エタノールと共に撹拌し、濾過した。0.2gの重量の固体を採集し、これは純
粋な出発原料であってこの還元段階で再使用できた。エタノール濾液を濃縮して
、0.113gの(3R*,4S*)−7−ベンジルオキシ−6−メチル−3−(
4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロ
マン−4−オールを得た。これは融点201〜202℃を有していた。この物質
をそのまま次の工程に用いた。
上記反応の生成物(0.080g,0.173mmol)をテトラヒドロフラ
ン(3mL)およびエタノール(3mL)に溶解し、ギ酸アンモニウム(0.1
4g,2.22mmol)および10%カーボン上パラジウム(0.06g)を
添加した。反応物を周囲温度で週末にかけて撹拌し、次いでけいそう土で濾過し
た。フィルターパッドをテトラヒドロフランおよびエタノールですすいだ。濾液
を濃縮し、残渣を水で摩砕処理した。固体(0.045g)を採集し、エタノー
ル/エーテルから再結晶して、0.030g(46%)の(3R*,4S*)−6
−メチル−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−
1−イル)−クロマン−4,7−ジオールを白色固体として得た。これは下記を
有していた:融点173.5〜174℃;
実施例19
(3R*,4S*)−6,8−ジメチル−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,7−ジオール
3,3−ジブロモ−6,8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオキシク
ロマン−4−オン(製造例28の化合物,0.62g,1.22mmol)、4
−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.48g,2.4
6mmol)およびトリエチルアミン(0.68mL,4.88mmol)の、
アセトニトリル(20mL)中における混合物を周囲温度で一夜撹拌した。反応
物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離
し、有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し
た。この残渣をシリカゲル上で(約2.5×7.6cm、1×3インチ、ヘキサ
ン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のよう
に進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、0.23gの3−ブ
ロモ−6.8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロメン−4−オ
ン;20%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、0.14g(21%)の6,
8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオキシ−3−(4−(4−フルオロ
フェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロメン−4−オン;こ
れをそれ以上精製せずに用いた。
水素化ホウ素ナトリウム(0.082g,2.17mmol)およびエタノー
ル(3mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで6,8−ジメチル−7−トリイ
ソプロピルシリルオキシ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキ
シピペリジン−1−イル)−クロメン−4−オン(0.117g,0.217m
mol,12mLのエタノールおよび3mLのテトラヒドロフラン中)を添加し
た。反応物を周囲温度で一夜撹拌した。反応物を水で急冷し、濃縮した。残渣を
水で摩砕処理し、濾過して0.110gの固体を得た。この物質をシリカゲル上
で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサンで充填)フラッシュクロ
マトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:25%酢酸エチ
ル/ヘキサン(300mL)、無;25%酢酸エチル/ヘキサン(300mL)
、0.064g(54%)の(3R*,4S*)−6,8−ジメチル−7−トリイ
ソ
プロピルシリルオキシ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ
ピペリジン−1−イル)−クロマン−4−オール;白色固体として。これは下記
を有していた:融点198〜199℃;
上記反応の生成物(0.060g,0.110mmol)をテトラヒドロフラ
ン(5mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.115mL,0
.115mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温
度で1.5時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×1
0.2cm、1×4インチ、ヘキサンで充填)フラッシュクロマトグラフィー処
理し、その際、溶離は以下のように進行した:20%酢酸エチル/ヘキサン(2
00mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、無;75%酢酸
エチル/ヘキサン(400mL);無色の油;これは凝固して0.035g(8
1%)の(3R*,4S*)−6,8−ジメチル−3−(4−(4−フルオロフェ
ニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,7−ジオール
を与えた。試料をエタノール/エーテルから再結晶して、2回で0.016gの
生成物を得た。これは下記を有していた:融点185.5〜186℃;
NMR 溶剤で部分的に隠蔽),2.08(s,3H),1.97-1.89(s,オーバーラップしたmを
含む,5H),1.58(br,d,J=13Hz,2H).
実施例20
(3R*,4S*)−6,8−ジメチル−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,7−ジオール
3−ブロモ−6,8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロメン
−4−オン(実施例19の化合物,0.23g,0.54mmol)、4−(4
−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(0.22g,1.12mm
ol)およびトリエチルアミン(0.3mL,2.15mmol)の、アセトニ
トリル(15mL)中における混合物を周囲温度で週末にかけて撹拌した。生じ
た沈殿を採集し、水およびエーテルですすいだ。この固体をシリカゲル上で(約
2.5×10.2cm、1×4インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマト
グラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/
ヘキサン(100mL)、無;25%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、0
.065g(22%)の6,8−シメチル−7−トリイソプロピルシリルオキシ
−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル
)−クロメン−4−オン;これは融点226〜227℃を有していた。分析:C31
H42FNO4Siにつき計算値:C,68.98;H,7.84;N,2.5
9。実測値:C,69.00;H,7.94;N,2.37。この生成物は実施
例19の第1工程で単離した生成物と一致し、実施例19の方法に従って表題化
合物に変換された。
実施例21
(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール
4−ベンジルオキシ−α−ブロモ−3−メトキシプロピオフェノン(製造例4
6の化合物,1.00g,2.86mmol)、4−ヒドロキシ−4−フェニル
ピペリジン(0.60g,3.39mmol)およびトリエチルアミン(0.8
0mL,5.74mmol)の、エタノール(30mL)中における混合物を3
.5時間還流した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配し
た。相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃
縮して、1.25g(98%)の1−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニ
ル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパ
ン−1−オンを淡いオレンジ色の泡状物として得た。これはそれ以上精製せずに
用いるのに適し、下記を有していた:
水素化ホウ素ナトリウム(0.10g,2.64mmol)およびエタノール
(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(4−ベンジルオキシ−3−
メトキンフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−
イル)−プロパン−1−オン(1.13g,2.54mmol,25mLのエタ
ノール中)を添加した。反応物を周囲温度で一夜撹拌した。反応物を水で急冷し
、減圧下に40℃で濃縮した。残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離
し、有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し
て、1.16gの粗生成物を得た。これは(1R*,2R*)および(1R*,2S*
)異性体の5:1混合物であった。この混合物をエタノール/エーテル/ヘキ
サンから再結晶し、次いでエタノール/エーテルから再結晶して、0.47g(
41%)の(1R*,2R*)−1−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニ
ル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパ
ン−1−オールを得た。これは融点131〜132℃を有していた。分析:C28
H33NO4につき計算値:C,75.14;H,7.43;N,3.13。実測
値:C,75.50;H,7.33;N,3.25。
上記反応の生成物混合物(0.40g,0.89mmol)および10%カー
ボン上パラジウム(0.080g)の、メタノール(25mL)および酢酸(0
.5mL)中における混合物を、約345kPa(50psi)(初期圧力)で
周囲温度において5.5時間水素添加し、次いでけいそう土で濾過した。フィル
ターパッドをメタノールですすいだ。濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルと飽和重
炭酸塩水溶液の間で分配した。相を分離し、有機層を水およびブラインで洗浄し
、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。淡黄色泡状物をエタノールから再結
晶して、0.195g(61%)の(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシ−
3−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−
1−イル)−プロパン−1−オールを白色固体として得た。これは融点187.
5
〜188℃を有していた。分析:C21H27NO4につき計算値:C,70.56
;H,7.61;N,3.92。実測値:C,70.44;H,8.00;N,
3.78。
実施例22
(1R*,2R*)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール
2−ブロモ−1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソール−5
−イル)−プロパン−1−オン(製造例43の化合物,2.00g,4.89m
mol)、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.90g,5.08m
mol)およびトリエチルアミン(1.40mL,10.04mmol)の、エ
タノール(50mL)中における混合物を一夜還流した。溶剤を減圧下で除去し
、残渣をエーテルと水の間で分配した。相を分離し、有機層をブラインで洗浄し
、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約5.1×
12.7cm、2×5インチ、ヘキサンで充填)フラッシュクロマトグラフィー
処理し、その際、溶離は以下のように進行した:20%酢酸エチル/ヘキサン(
500mL)、前溶出分(秤量せず);50%酢酸エチル/ヘキサン(500m
L)、1.76g(71%)の1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジ
オキソール−5−イル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1
−イル)−プロパン−1−オン;淡黄褐色の泡状物として。これはそれ以上精製
せずに用いるのに適し、下記を有していた:
水素化ホウ素ナトリウム(0.15g,3.97mmol)およびエタノール
(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(2,2−ジフェニル−ベン
ゾ(1,3)ジオキソール−5−イル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル
ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(1.70g,3.36mmol
,
20mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で週末にかけて撹拌し
た。白色沈殿を採集し、エタノールおよびエーテルですすぎ、風乾して、1.3
5gの粗生成物を得た。この生成物をエタノール/エーテル/ヘキサンから再結
晶し、次いでエタノール/酢酸エチル/塩化メチレンから再結晶して、1.05
g(61%)の(1R*,2R*)−1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3
)ジオキソール−5−イル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン
−1−イル)−プロパン−1−オールを得た。これは融点224〜224.5℃
を有していた。分析:C33H33NO4につき計算値:C,78.08:H,6.
55;N,2.76。実測値:C,78.16;H,6.46;N,2.72。
上記反応の生成物の混合物(1.00g,1.97mmol)および10%カ
ーボン上パラジウム(0.175g)の、メタノール(50mL)および酢酸(
1.0mL)中における混合物を、約345kPa(50psi)(初期圧力)
で周囲温度において5時間水素添加した。触媒(0.18g)を追加し、水素添
加を一夜続けた。反応物をけいそう土で濾過し、フィルターパッドをメタノール
ですすいだ。濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルと飽和重炭酸塩水溶液の間で分配
し、1時間激しく撹拌した。相を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(2回)
。有機層を合わせて水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、
濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ)フ
ラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:2
0%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;10%メタノール/酢酸エチル
(250mL)、20%メタノール/酢酸エチル(250mL)、および50%
メタノール/酢酸エチル(250mL)、0.51g(75%)の淡黄緑色固体
。この固体をエタノールから再結晶して、(1R*,2R*)−1−(3,4−ジ
ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1
−イル)−プロパン−1−オールを白色固体として得た。これは融点167〜1
68℃を有していた。分析:C20H25NO4・0.5 C2H6Oにつき計算値:C,
68.83;H,7.70;N,3.82。実測値:C,68.78;H,8.
05;N,3.70。
実施例23
(1R*,2R*)−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4
−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3−フルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェ
ノン(2.0g,4.96mmol)、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジ
ン(1.1g,6.2mmol)およびトリエチルアミン(0.9mL,6.5
mmol)の、エタノール(25mL)中における混合物を6.5時間還流した
。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し、
有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシ
リカゲル上で(約2.5×15.2cm、1×6インチ、ヘキサンで充填)フラ
ッシュクロマトグラフィー処理した。生成物は15%酢酸エチル/ヘキサンで溶
離され、1.82g(73%)の1−(3−フルオロ−4−トリイソプロピルシ
リルオキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−
イル)−プロパン−1−オンが黄色の油として得られた。これは下記を有してい
た:
水素化ホウ素ナトリウム(0.12g,3.17mmol)およびエタノール
(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3−フルオロ−4−トリイ
ソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペ
リジン−1−イル)−プロパン−1−オン(1.41g,2.82mmol,2
5mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で一夜撹拌した。生じた
白色沈殿を濾過により採集して、0.14g(10%)の(1R*,2R*)−1
−(3−フルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−
ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを得
た。これは融点140〜141℃を有していた。分析:C29H44FNO3Siに
つき計算値:C,69.42;H,8.84;N.2.79。実測値:C,69
.
30;H,9.06;N,2.84。濾液を水で急冷し、一夜撹拌した。生じた
沈殿を採集し、水で洗浄し、風乾した(1.5g)。この物質をエタノールから
再結晶して、さらに0.72gの生成物を得た。総収量0.86g(61%)。
上記反応の生成物(0.72g,1.43mmol)をテトラヒドロフラン(
10mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.45mL,1.4
5mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度で3
0分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣にエーテルおよび水を添加し、激しく撹拌
したのち白色固体を採集し、風乾して0.5gの遊離塩基を得た。この物質をエ
タノールに装入し、メタンスルホン酸(0.093mL,1.43mmol)を
添加した。混合物を濃縮し、エタノールから再結晶して、0.476g(75%
)の1R*,2R*−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4
−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・
メシラートを得た。これは融点198.5〜199.5℃を有していた。分析:
C20H24FNO3・CH4SO3につき計算値:C,57.13;H,6.39;
N,3.17。実測値:C,57.02;H,6.45;N,3.33。
実施例24
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2
−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
3,5−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピ
オフェノン(2.46g,5.84mmol)、4−ヒドロキシ−4−フェニル
ピペリジン(155g,8.74mmol)およびトリエチルアミン(1.6m
L,11.5mmol)の、エタノール(50mL)中における混合物を一夜還
流した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配した。相を分
離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残
渣をシリカゲル上で(約2.5×12.7cm、1×5インチ、ヘキサンで充填
)フラッンュクロマトグラフィー処理し、以下のように溶離した:10%酢酸エ
チル/ヘキサン(250mL)、無;10%酢酸エチル/ヘキサン(250mL
)および20%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、1.41g(47%)の
1−(3,5−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2
−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン
;オレンシ色の油として;これは下記を有していた:
NMR δ 7.73(広域結合 d,J=9Hz,2H),7.46(d,
水素化ホウ素ナトリウム(0.16g,4.23mmol)およびエタノール
(5mL)の混合物を10分間撹拌し、次いで1−(3,5−ジフルオロ−4−
トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニ
ルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(1.40g,2.86mmol
,20mLのエタノール中)を添加した。反応物を周囲温度で3日間撹拌した。
反応物を水で急冷し、4時間撹拌した。生じた白色沈殿を濾過により採集し、エ
タノールから再結晶して、0.46g(32%)の(1R*,2R*)−1−(3
,5−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−
ヒ
ドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを得た
。これは下記を有していた:
分析:C29H43F2NO3Siにつき計算値:C,67.02:H,8.34;N
,2.69。実測値:C,66.77;H,8.58;N,2.71。
上記反応の生成物(0.398g,0.81mmol)をテトラヒドロフラン
(13mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.89mL,0.
89mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度で
2時間撹拌し、次いで濃縮した。数滴の飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、
溶剤を窒素流下で除去した。残渣を飽和重炭酸塩水溶液および酢酸エチルと共に
撹拌し、白色固体沈殿を採集し、水および酢酸エチルですすぎ、次いでそれを乾
燥させて、0.185gの遊離塩基を得た。この遊離塩基(0.150g)をメ
タノールに懸濁し、メタンスルホン酸(0.027mL,0.417mmol)
を添加した。混合物を濾過し、次いで酢酸エチル(2mL)を添加して沸騰下で
0.5mLに濃縮した。冷却および摩砕処理により白色結晶が得られ、これを濾
過により採集して、0.173g(91%)の1R*,2R*−1−(3,5−ジ
フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピ
ペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラートを得た。これは融点
216〜218℃を有していた。分析:C20H23F2NO3・CH4SO3につき計
算値:C,54.89;H,5.92;N,3.05。実測値:C,54.70
;H,5.90;N,2.91。
実施例25
(1R*,2R*)−1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−
ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール・メシラート
4−ベンジルオキシ−3−メチル−α−ブロモプロピオフェノン(2.48g
,7.45mmol)、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(1.1g,
6.21mmol)およびトリエチルアミン(2.08mL,14.9mmol
)の、エタノール(17mL)中における混合物を6時間還流した。溶剤を減圧
下で除去し、残渣を塩化メチレンと水の間で分配した。相を分離し、有機層をブ
ラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上
で(約2.5×10.2cm、1×4インチ、10%酢酸エチル/ヘキサンで充
填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行し
た:10%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;20%酢酸エチル/ヘキ
サン(250mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン(400mL)、2.1
4gの粗生成物。この生成物をエーテル/ヘキサンから再結晶して、1.41g
(53%)の1−(4−ベンジルオキシ−3−メチルフェニル)−2−(4−ヒ
ドロキン−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オンを固体と
して得た。これは下記を有していた:融点98〜99℃;
水素化アルミニウムリチウム(0.246g,6.48mmol)およびテト
ラヒドロフラン(45mL)の混合物を0℃に冷却し、1−(4−ベンジルオキ
ン−3−メチルフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−
1−イル)−プロパン−1−オン(1.39g,3.24mmol)を固体とし
て一度に添加した。反応物を周囲温度にまで昇温させ、一夜撹拌した。反応物を
水(0.467mL)で慎重に急冷し、4時間撹拌した。このスラリーを硫酸ナ
トリウムで乾燥させ、けいそう土で濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(
約2.5×7.6cm、1×3インチ、20%酢酸エチル/ヘキサンで充填)フ
ラッンュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:2
0%酢酸エチル/ヘキサン(150mL)、無;30%酢酸エチル/ヘキサン
(250mL)および40%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、0.701
g(50%)の1R*,2R*−1−(4−ベンジルオキシ−3−メチルフェニル
)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−
1−オールを白色固体として;これは下記を有していた:融点162〜163℃
;
上記反応の生成物(0.69g,1.6mmol)をテトラヒドロフラン(3
0mL)およびメタノール(30mL)に溶解し、ギ酸アンモニウム(1.0g
,16mmol)および10%カーボン上パラジウム(0.15g)を添加した
。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、次いでけいそう土で濾過した。フィルター
パッドをエタノールおよび水ですすいだ。濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルおよ
び飽和重炭酸塩水溶液と共に撹拌した。固体沈殿を採集し、エーテルですすぎ、
風乾して、0.611g(100%)の1R*,2R*−1−(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−
イル)−プロパン−1−オールを白色固体として得た。この固体をシリカゲル上
で(約2.5×7.6cm、1×3インチ、50%酢酸エチル/ヘキサンで充填
)、50%酢酸エチル/ヘキサンから2%メタノール/酢酸エチルまで濃度勾配
溶離するクロマトグラフィー処理した。生成物画分を合わせて濃縮し、ニトロメ
タンから再結晶して、0.063g(11.5%)の純粋な遊離塩基生成物を得
た。分析:C21H27NO3につき計算値:C,73.87;H,7.97;N,
4.10。実測値:C,73.60;H,8.21;N,4.22。この生成物
をそのメシラート塩に変換した。すなわちそれをメタノール(数滴)に懸濁し、
メタンスルホン酸(0.010mL,0.152mmol)を添加した。混合物
をイソプロパノール(1mL)で希釈し、沸騰下で約0.25mLに濃縮した。
冷却に際して生じた結晶を採集して、メシラート塩を白色固体(0.053g)
として得た。これは融点196〜197℃を有していた。
実施例26
(1R*,2R*)−1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オー ル・メシラート
4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチル−α−ブロモプロピオフェノン(2.
59g,7.45mmol)、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(1.
1g,6.21mmol)およびトリエチルアミン(2.08mL,14.9m
mol)の、エタノール(15mL)中における混合物を6時間還流した。溶剤
を減圧下で除去し、残渣を塩化メチレンと水の間で分配した。相を分離し、有機
層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカ
ゲル上で(約3.8×8.9cm、1.5×3.5インチ、10%酢酸エチル/
ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下
のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;20%酢
酸エチル/ヘキサン(250mL)、無;50%酢酸エチル/ヘキサン(400
mL)、2.16g(79%)の1−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチル
フェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プ
ロパン−1−オン;オレンジ色の泡状物として;これは下記を有していた:
この物質は約15%の未同定不純物を含有していたが、それ以上精製せず
に用いるのに適していた。
水素化アルミニウムリチウム(0.257g,6.77mmol)およびテト
ラヒドロフラン(45mL)の混合物を0℃に冷却し、1−(4−ベンジルオキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリ
ジン−1−イル)−プロパン−1−オン(1.50g,3.38mmol)を一
度に添加した。反応物を周囲温度にまで昇温させ、一夜撹拌した。反応物を水(
0.487mL)で慎重に急冷し、4時間撹拌した。このスラリーを硫酸ナト
リウムで乾燥させ、けいそう土で濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約
2.5×7.6cm、1×3インチ、20%酢酸エチル/ヘキサンで充填)フラ
ッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:20
%酢酸エチル/ヘキサン(100mL)、無;20%酢酸エチル/ヘキサン(1
00mL)および30%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、1.32g(6
6%)の1R*,2R*−1−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル
)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−
1−オールを黄色固体として;これは下記を有していた:融点133〜135℃
;
上記反応の生成物(1.30g,2.92mmol)をテトラヒドロフラン(
50mL)およびメタノール(50mL)に溶解し、ギ酸アンモニウム(1.8
g,29mmol)および10%カーボン上パラジウム(0.3g)を添加した
。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、次いでけいそう土で濾過した。フィルター
パッドをエタノールおよび水ですすいだ。濾液を濃縮し、残渣をクロロホルム、
飽和重炭酸塩水溶液および少量のアセトンの間で分配した。相を分離し、有機層
をフラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、0.886g(86%)の1R*,
2R*−1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒド
ロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールを白色固
体として得た。この生成物をそのメシラート塩に変換した。すなわちそれをメタ
ノール(数mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(0.163mL,2.52mm
ol)を添加した。混合物を濃縮し、残渣をエーテルで摩砕処理した。残留する
固体をイソプロパノールから再結晶して、0.273g(24%)のメシラート
塩を得た。これは融点203〜204℃を有していた。分析:C22H29NO3・
CH4SO3・0.5 H2Oにつき計算値:C,59.98;H,7.44,N,3
.04。実測値:C,60.10;H,7.63;N,3.13。
実施例27
1R,2R−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−(4−ヒド
ロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールおよび
1S,2S−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール
実施例21の生成物をエタノールに溶解し、下記のクロマトグラフィー条件を
用いるHPLCによりその鏡像異性体に分離した:カラム、キラルセル(Chi
ralcel)OD;移動相、25%エタノール/75%ヘキサン;温度、周囲
温度(約22℃);検出、UV 215nM。これらの条件下で1R,2R−1
−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フ
ェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オールが約9.12分の保持
時間で溶出し、また1S,2S−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル
)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン
−1−オールが約16.26分の保持時間で溶出した。
製造例1 4−プロピオニル−2−メチルフェノール
2−メチルフェノール(10.48g,96.91mmol)、プロピオン酸
(5.23mL,97.88mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸(
50g)の混合物を80℃に30時間加熱した。反応物を冷却し、氷に注ぎ、ク
ロロホルムで抽出した。有機相を分離し、重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄
し、次いでそれを乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色固体を得た。この残渣を1
.5mmHgで蒸留して2留分を得た:25〜150℃(前留分、廃棄);16
0℃(5.58g,35%)の4−プロピオニル−2−メチルフェノール;白色
結晶質固体として;これは下記を有していた:融点83〜85℃:
製造例2 4−プロピオニル−2−メチルフェノール
塩化アルミニウム(51.8g,0.388mol)および塩化メチレン(1
40mL)の混合物に、塩化プロピオニル(11.25mL,0.129mol
)を添加し、次いで2−メチルフェノール(7.0g,64.73mmol,塩
化メチレン中(25mLおよびすすぎ10mL))を添加した。混合物を周囲温
度で2時間撹拌し、次いで氷に注いだ。相を分離し、有機相を重炭酸塩水溶液お
よびブラインで洗浄した。有機相を硫酸カルシウムで乾燥させ、シリカゲル上へ
濃縮した。この物質をシリカゲル上で(約8.9×7.6cm、3.5×3イン
チ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行し
た:ヘキサン(200mL)、無;4%酢酸エチル/ヘキサン(1000mL)
、無;8%酢酸エチル/ヘキサン(2000mL)、8.17gのプロピオン酸4
−プロピオニル−2−メチルフェニル;淡黄色の油として;これは下記を有して
いた:
上記反応からの生成物(7.61g,34.57mmol)をメタノール(1
00mL)、水(100mL)および水酸化カリウム(3.88g,68.14
mmol)の混合物に添加し、1.5時間還流した。減圧下でメタノールを除去
し、残渣を6N HClで酸性化した。水相を酢酸エチルで抽出した。この有機
相を重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄し、次いでそれを乾燥させ、濃縮して
、5.29g(93%)の4−プロピオニル−2−メチルフェノールを白色結晶
質固体として得た。これは製造例1で製造した物質と一致した。
製造例3 4−トリイソプロピルシリルオキシ−3−メチルプロピオフェノン
4−プロピオニル−2−メチルフェノール(製造例1および2の化合物,5.
19g,31.63mmol)およびイミダゾール(4.31g,63.26m
mol)の、ジメチルホルムアミド(35mL)中における混合物に、塩化トリ
イソプロピルシリル(7.44mL,34.79mmol,ジメチルホルムアミ
ド15mL中、およびすすぎ2mL)を添加した。反応物を周囲温度で15時間
撹拌し、次いで氷および1N塩化リチウム水溶液の混合物に注いだ。混合物を酢
酸エチルで抽出した(3回)。有機相を合わせて1N塩化リチウムおよびブライ
ンで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して、9.61g(95%)の4
−トリイソプロピルシリルオキシ−3−メチルプロピオフェノンを黄色の油とし
て得た。これはNMRによれば少量のシリル不純物を含有していたが、それ以上
精製せずに用いるのに適していた。この生成物は下記を有していた:
製造例4 4−ベンジルオキシ−3−メチルプロピオフェノン
臭化ベンジル(4.44mL,37.34mmol)、炭酸カリウム(9.3
8g,67.88mmol)および4−プロピオニル−2−メチルフェノール(
製造例1および2の化合物,5.57g,33.94mmol)の、アセトン(
100mL)中における混合物を、周囲温度で24時間撹拌した。溶剤を減圧下
で除去し、残渣を水と塩化メチレンの間で分配した。相を分離し、有機相をブラ
インで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。この残渣をシリカゲル上
で(約5.1×10.2cm、2×4インチ)フラッシュクロマトグラフィー処
理し、その際、溶離は以下のように進行した:5%酢酸エチル/ヘキサン(30
0mL)、前溶出分(廃棄);5%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)および
10%酢酸エチル/ヘキサン(600mL)、8.03g(93%)の4−ベン
ジルオキシ−3−メチルプロピオフェノン;白色結晶質固体として;これは下記
を有していた:
この物質はそれ以上精製せずに用いるのに適していた。
製造例5 4−ベンジルオキシ−3−メチル−α−ブロモプロピオフェノン
4−ベンジルオキシ−3−メチルプロピオフェノン(製造例4の化合物,7.
89g,31.06mmol)の、四塩化炭素(80mL)中における混合物に
、臭素(1.63mL,31.68mmol,四塩化炭素20mL中、およびす
すぎ5mL)を滴加し、その際臭素の色は反応溶液と接触した際にほぼ消失した
。反応物を周囲温度で15分間撹拌し、次いで重亜硫酸ナトリウム水溶液を添加
した。混合物をさらに30分間撹拌した。相を分離し、有機層を重炭酸塩水溶液
およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して、1
0.29g(99.5%)の表題生成物を淡黄褐色の固体として得た。これは融
点88.5〜89.5℃を有し、それ以上精製せずに用いるのに適していた。
製造例6 4−トリイソプロピルシリルオキシ−3−メチル−α−ブロモプロピオフェノン
4−トリイソプロピルシリルオキシ−3−メチルプロピオフェノン(製造例3
の化合物,9.35g,29.19mmol)の、四塩化炭素(100mL)中
における溶液に、臭素(1.53mL,29.77mmol,20mLの四塩化
炭素中)を滴加し、その際臭素の色は反応溶液と接触した際にほぼ消失した。反
応物を15分間撹拌し、次いで重亜硫酸塩水溶液を添加し、混合物をさらに15
分間撹拌した。相を分離し、有機層を重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄した
。有機層を硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して、11.65g(100%)の
4−トリイソプロピルシリルオキシ−3−メチル−α−ブロモプロピオフェノン
を淡黄色の油として得た。これは下記を有していた:
この物質はそれ以上精製せずに用いるのに適していた。
製造例7 4−プロピオニル−2−フルオロフェノール
塩化アルミニウム(45.8g,0.343mol)の、塩化メチレン(14
0mL)中における混合物に、塩化プロピオニル(10.85mL,124mm
ol)を一度に添加したのち、2−フルオロフェノール(5.57mL,62.
44mmol,塩化メチレン25mL中、およびすすぎ10mL)を添加した。
混合物を緩和に5時間還流し、周囲温度にまで冷却させ、氷に注いだ。相を分離
し、水層を塩化メチレンで抽出した。有機層を重炭酸塩水溶液およびブラインで
洗浄した。有機層を硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して、11.43g(82
%)のプロピオン酸4−プロピオニル−2−フルオロフェニルを透明な黄褐色の
油として得た。これを特性分析せずに用いた。
上記反応の生成物(10.76g,48.01mmol)を、メタノール(1
25mL)、水(125mL)および水酸化カリウム(5.39g,56.11
mmol)の混合物に添加した。反応物を2時間還流し、冷却し、減圧下でメタ
ノールを除去した。残渣を6N HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有
機相を重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃
縮して、黄褐色固体を得た。この黄褐色残渣をシリカゲル上で(約5.1×7.
6cm、2×3インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理
し、その際、溶離は以下のように進行した:5%酢酸エチル/ヘキサン(800
mL)、前溶出分(廃棄);10%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;
25%酢酸エチル/ヘキサン(1000mL)、5.56g(69%)の4−プ
ロピオニル−2−フルオロフェノール;白色結晶質固体として;これは下記を有
していた:融点104〜106℃;
製造例8 4−プロピオニル−2−フルオロフェノール
4−ブロモ−2−フルオロフェノール(1.0g,5.24mmol)の、テ
トラヒドロフラン(15mL)中における混合物を−78℃に冷却し、ブチルリ
チウム(4.6mL,11.5mmol,2.5M溶液)を速やかに滴加した。
反応物を12分間撹拌し、N−メチル−N−メトキシプロピオンアミド(製造例
9の化合物;0.735g,6.28mmol,テトラヒドロフラン1mL中、
およびすすぎ1mL)を添加した。反応物を−78℃で5分間撹拌し、次いでそ
れを周囲温度にまで昇温させた。数滴の水を添加し、次いで減圧下で溶剤を除去
した。残渣を塩化メチレンに装入し、塩化アンモニウム水溶液およびブラインで
洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×6
.4cm、1×2.5インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィ
ー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン
(250mL)、前溶出分(廃棄);20%酢酸エチル/ヘキサン(250mL)、
0.186gの黄色結晶質固体;これは製造例7のものに一致するNMRを有し
ていた。
製造例9 N−メチル−N−メトキシプロピオンアミド
塩酸N,O−ジメチルヒドロキシルアミン(4.43g,45.39mmol
)およびトリエチルアミン(6.93mL,49.71mmol)の、塩化メチ
レン(150mL)中における混合物を0℃に冷却し、塩化プロピオニル(3.
76mL,43.23mmol,塩化メチレン25mL中、およびすすぎ25m
L)を添加した。混合物を周囲温度にまで昇温させ、週末にかけて撹拌した。反
応物を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、3.08g(61%)
のN−メチル−N−メトキシプロピオンアミドを黄色の油として得た。これは下
記を有していた:
この物質はそれ以上精製せずに用いるのに適していた。
製造例10 4−トリイソプロピルシリルオキシ−3−フルオロプロピオフェノン
4−プロピオニル−2−フルオロフェノール(製造例7の化合物,5.44g
,32.37mmol)、イミダゾール(4.41g,64.74mmol)お
よび塩化トリイソプロピルシリル(7.62mL,35.60mmol)の、ジ
メチルホルムアミド(55mL)中における混合物を、周囲温度で15時間撹拌
した。反応物を氷と1N塩化リチウム水溶液の混合物に注いだ。この混合物を酢
酸エチルで抽出した(3回)。有機相を合わせて1N塩化リチウムおよびブライ
ン
で洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して、10.5g(100%)の4
−トリイソプロピルシリルオキシ−3−フルオロプロピオフェノンを黄色の油と
して得た。これは下記を有していた:
この物質はそれ以上精製せずに用いるのに適していた。
製造例11
4−トリイソプロピルシリルオキシ−3−フルオロ−α−ブロモプロピオフェノン
4−トリイソプロピルシリルオキシ−3−フルオロプロピオフェノン(製造例
10の化合物,10.27g,31.67mmol)の、四塩化炭素(110m
L)中における溶液に、臭素(1.66mL,32.3mmol,20mLの四
塩化炭素中)を滴加した(最初の数滴の臭素溶液の添加したのちには臭素の色が
消失しなかったことを留意する。反応を開始するために、1滴の48%HBrを
添加し、色が消失するまで5分間、混合物を撹拌した。次いで残りの臭素溶液を
滴加した。)混合物を15分間撹拌し、次いで重亜硫酸塩水溶液を添加し、反応
物をさらに15分間撹拌した。相を分離し、有機層を重炭酸塩水溶液およびブラ
インで洗浄した。有機層を硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して、11.68g
(91%)の4−トリイソプロピルシリルオキシ−3−フルオロ−α−ブロモプ
ロピオフェノンを黄色の油として得た。これは下記を有していた:
この生成物はそれ以上精製せずに用いるのに適していた。
製造例12 2,6−ジクロロ−4−プロピオニルフェノール
2,6−ジクロロフェノール(10.10g,61.96mmol)およびプ
ロピオン酸(3.34mL,62.58mmol)の、トリフルオロメタンスル
ホン酸(50g)中における混合物を、80℃に24時間加熱した。反応物を周
囲温度に冷却し、氷に注ぎ、クロロホルムで抽出した(3回)。有機層を合わせ
て重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、8.90g(
66%)の2,6−ジクロロ−4−プロピオニルフェノールを黄褐色固体として
得た。これは下記を有していた:融点50〜52℃;
この物質をそれ以上精製せずに用いた。
製造例13 3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキシプロピオフェノン
2,6−ジクロロ−4−プロピオニルフェノール(製造例12の化合物,8.
67g,39.59mmol)、イミダゾール(5.39g,79.18mmo
l)および塩化トリイソプロピルシリル(9.32mL,43.56mmol)
の、ジメチルホルムアミド(90mL)中における混合物を、周囲温度で15時
間撹拌した。反応物を氷と1N塩化リチウム水溶液の混合物に注いだ。この混合
物を酢酸エチルで抽出した(3回)。有機相を合わせて1N塩化リチウムおよび
ブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上
で(約7.6×7.6cm、3×3インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロ
マトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:ヘキサン(20
0mL)、無;2%酢酸エチル/ヘキサン(400mL)、無;5%酢酸エチル
/ヘキサン(400mL)、無;5%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)およ
び8%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、5.72gの白色固体。この物質
を1.5mmHgでクーゲル管(Kugelrohr)蒸留し、下記の留分を採
集した:70℃(ポット温度)、前留分(廃棄);130℃、前留分(廃棄);
150〜170℃、3.84g(26%)の3,5−ジクロロ−4−トリイソプ
ロピルシリルオキシプロピオフェノン、白色固体として、これはNMRによれば
少量の不純物を含有していたが、それ以上精製せずに用いるのに適していた。再
度クーゲル管蒸留した試料は下記を有していた:融点74〜76℃;
製造例14
3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノン
3,5−ジクロロ−4−トリイソプロピルシリルオキシプロピオフェノン(製
造例13の化合物,3.84g,10.23mmol)の、四塩化炭素(45m
L)中における溶液に、臭素(0.54mL,10.48mmol,5mLの四
塩化炭素中)を滴加した。最初の数滴の臭素溶液を添加したのち、溶液の赤色の
消失により示されるように反応が開始するまで添加を停止した。次いで臭素溶液
の添加を再開した(総添加時間は20分であった)。反応物を1時間撹拌し、次
いで重亜硫酸塩水溶液を添加し、混合物をさらに1.5時間撹拌した。層を分離
し、有機相を重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濃縮して、4.88g(100%)の3,5−ジクロロ−4−
トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノンを淡黄色の油とし
て得た。これは下記を有していた:
NMRスペクトルはある種の少量の不純物が存在することも示したが、この生成
物はそれ以上精製せずに用いるのに適することが認められた。
製造例15 2,6−ジメチル−4−プロピオニルフェノール
塩化アルミニウム(32.0g,24mmol)の、塩化メチレン(100m
L)中における混合物に、塩化プロピオニル(3.56mL,40.95mmo
l)を一度に添加したのち、2,6−ジメチルフェノール(5.0g,40.9
3mmol,25mLの塩化メチレン中)を5分かけて添加した。周囲温度で1
時間撹拌したのち、2回目の当量の塩化プロピオニル(3.56mL)を添加し
た。反応物をさらに2時間撹拌し、次いで水で慎重に反応停止した。混合物をエ
ーテルで抽出し(3回)、有機相を合わせて重炭酸塩水溶液およびブラインで洗
浄した。次いでそれを硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、8.18g(8
5%)のプロピオン酸2,6−ジメチル−4−プロピオニルフェニルをろう状の
黄褐色固体として得た。これは下記を有していた:
この生成物はNMRスペクトルにおいてある種の少量の不純物をも含有していた
が、それ以上精製せずに用いるのに適することが認められた。
上記反応の生成物(8.18g,34.91mmol)を、メタノール(10
0mL)、水(100mL)および水酸化カリウム(3.9g,69.5mmo
l)の混合物に添加し、反応物を1時間還流した。減圧下でメタノールを除去し
、残渣を6N HClでpH4に酸性化した。この水相をエーテルで抽出した。
有機層を重炭酸塩水溶液で洗浄し(2回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮
して、5.4g(87%)の2,6−ジメチル−4−プロピオニルフェノールを
ろう状固体として得た。これは下記を有していた:
製造例16 2,6−ジメチル−4−プロピオニルフェノール
2,6−ジメチルフェノール(10.5g,85.95mmol)、プロピオ
ン酸(4.64mL,86.81mmol)およびトリフルオロメタンスルホン
酸(59g)の混合物を80℃に48時間加熱し、次いで氷に注いだ。混合物を
クロロホルムで抽出し(3回)、この有機相を重炭酸塩水溶液およびブラインで
洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮して、濃いオレンジ色の油性固体を得た。こ
の残渣を1.5mmHgでクーゲル管蒸留し、下記の留分を採集した:23〜1
05℃(ポット温度)、前留分(廃棄);105〜135℃、11.2g(73
%)の2,6−ジメチル−4−プロピオニルフェノール、黄白色固体として、こ
れは製造例15のものに一致するNMRを有していた。
製造例17 3,5−ジメチル−4−トリイソプロピルシリルオキシプロピオフェノン
2,6−ジメチル−4−プロピオニルフェノール(製造例15および16の化
合物,3.0g,16.83mmol)、イミダゾール(2.3g,33.8m
mol)および塩化トリイソプロピルシリル(4.0mL,18.7mmol)
の、ジメチルホルムアミド(30mL)中における混合物を、周囲温度で一夜撹
拌した。反応物を氷に注ぎ、エーテルで抽出した。有機相を1N塩化リチウム(
2回)、水およびブラインで洗浄し、次いでそれを硫酸マグネシウムで乾燥させ
、濃縮して、5.62g(100%)の3,5−ジメチル−4−トリイソプロピ
ルシリルオキシプロピオフェノンを黄色固体として得た。これは下記を有してい
た:融点87〜88.5℃;NMR δ
製造例18
3,5−ジメチル−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノン
3,5−ジメチル−4−トリイソプロピルシリルオキシプロピオフェノン(製
造例17の化合物,5.50g,16.44mmol)の、四塩化炭素(60m
L)中における溶液に、臭素(0.87g,16.89mmol,15mLの四
塩化炭素中)を滴加した。最初の数滴の臭素溶液を添加したのち、溶液の赤色の
消失により示されるように反応が開始するまで添加を停止した。次いで臭素溶液
の添加を再開した(総添加時間は20分であった)。反応物を30分間撹拌し、
次いで重亜硫酸塩水溶液を添加し、混合物をさらに1時間撹拌した。層を分離し
、有機相を重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウ
ムで乾燥させ、濃縮して、7.0g(100%)の3,5−ジメチル−4−トリ
イソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノンをオレンジ色固体とし
て得た。これは下記を有していた:
製造例19 3,5−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシプロピオフェノン
2,6−ジフルオロ−4−-プロピオニルフェノール(インドファイン・ケミ
カルズ・カンパニー・インコーポレーテッド,P.O.Box 473,Som
erville,New Jersey,08876,USA,1.69g,9
.08mmol)、イミダゾール(1.24g,18.2mmol)および塩化
トリイソプロピルシリル(2.14mL,10.0mmol)の、ジメチルホル
ムアミド(20mL)中における混合物を、周囲温度で一夜撹拌した。反応物を
水に注入し、エーテルで抽出した(3回)。有機相を合わせて1N塩化リチウム
(2回)、水およびブラインで洗浄し、次いでそれを硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、濃縮して、3.06g(98%)の3,5−ジフルオロ−4−トリイソプロ
ピルシリルオキシプロピオフェノンを淡黄褐色の油として得た。これは下記を有
していた:
製造例20
3,5−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノン
3,5−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシプロピオフェノン(
製造例19の化合物,3.0g,8.76mmol)の、四塩化炭素(35mL
)中における混合物に、臭素(0.46mL,8.93mmol,5mLの四塩
化炭素中)を滴加した。最初の数滴の臭素溶液を添加したのち添加を停止し、臭
素化の開始を待った。5分後に1滴の48%HBrを添加した。5分以上たって
臭素の色が消失しなかったので、混合物を約50℃に加熱した。10分後に反応
が開始し、残りの臭素溶液を滴加した(20分間)。反応物を15分間撹拌し、
次いで重亜硫酸塩水溶液を添加したのち、さらに30分間撹拌した。相を分離し
、有機層を水、重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸カルシ
ウムで乾燥させ、濃縮して、3.26g(88%)の3,5−ジフルオロ−4−
トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノンを白色固体として
得
た。これは下記を有していた:NMR δ (広域結合した dd,
製造例21 3,5−ジフルオロ−4−ベンジルオキシプロピオフェノン
2,6−ジフルオロ−4−プロピオニルフェノール(インドファイン・ケミカ
ルズ・カンパニー・インコーポレーテッド,P.O.Box 473,Some
rville,New Jersey,08876,USA,2.5g,13.
43mmol)、炭酸カリウム(3.7g,26.8mmol)および臭化ベン
ジル(1.75mL,14.71mmol)の、アセトン(40mL)中におけ
る混合物を、周囲温度で一夜撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をエーテ
ルと水の間で分配した。相を分離し、有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、油性固体を得た。この残渣をヘキサンで摩
砕処理して、1.40gの生成物を得た。母液をシリカゲル上で(約2.5×10
.2cm、1×4インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離
は以下のように進行した:ヘキサン(200mL)、臭化ベンジル(秤量せず)
;20%酢酸エチル/ヘキサン(150mL)、0.38gの生成物。こうして
1.78g(48%)の3,5−ジクロロ−4−ベンジルオキシプロピオフェノ
ンを白色固体として得た。これは下記を有していた:
製造例22 3,5−ジフルオロ−4−ベンジルオキシ−α−ブロモプロピオフェノン
3,5−ジフルオロ−4−ベンジルオキシプロピオフェノン(製造例21の化
合物,1.78g,6.44mmol)の、四塩化炭素(25mL)中における
溶液に、臭素(0.34mL,6.60mmol,5mLの四塩化炭素中)を滴
加した。最初の数滴の臭素溶液を添加したのち、溶液の赤色の消失により示され
るように反応が開始するまで添加を停止した。次いで臭素溶液の添加を再開した
(総添加時間は15分であった)。反応物を1時間撹拌し、次いで窒素流下に濃
縮した。残渣をエーテルに装入し、重亜硫酸塩水溶液、重炭酸塩水溶液およびブ
ラインで洗浄した。次いでそれを乾燥させ、濃縮して、2.16g(94%)の
3,5−ジフルオロ−4−ベンジルオキシ−α−ブロモプロピオフェノンを淡黄
色の油として得た。これは下記を有していた:
NMRスペクトルにおいて少量の出発原料も見られたが、この生成物はさらに精
製しなくても以後の反応に適することが認められた。
製造例23
2−アセトキシ−2,6−ジメチル−3,4,5,6−シクロヘキサジエン−1−オン
四酢酸鉛(20.0g,45.1mmol)の、酢酸(33mL)中における
スラリーに、2,6−ジメチルフェノール(5.00g,40.93mmol,
27mLの酢酸中)を15分かけて滴加した。反応物を周囲温度で2時間撹拌す
ると、徐々に均一な黄色に変化した。混合物を水で希釈し、クロロホルムで抽出
した(3回)。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ
、濃縮して、黄色の油を得た。この残渣を0.4mmHgでクーゲル管蒸留した
。ポット温度75〜85℃で留出した物質を黄色の油として採集した。3.2g
の試料をシリカゲル上で(約2.5×12.7cm、1×5インチ)フラッシュ
クロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:ヘキサン(
500mL)、無;5%エーテル/ヘキサン(500mL)および10%エーテ
ル/ヘキサン(250mL)、1.89gの2−アセトキシ−2,6−ジメチル
−3,4,5,6−シクロヘキサジエン−1−オン;明るい黄色のろう状固体と
して;これは下記を有していた:
製造例24 1,3−ジアセトキシ−2,4−ジメチルベンゼン
2−アセトキシ−2,6−ジメチル−3,4,5,6−シクロヘキサジエン−
1−オン(製造例23の化合物,0.5g,2.77mmol)の、無水酢酸(
1mL)中における0℃に冷却した混合物に、三フッ化ホウ素エーテレート(0
.075mL)を、フラスコの側面に沿って徐々に添加した。反応物を0℃で1
5分間撹拌し、次いでそれを周囲温度にまで昇温させ、さらに1時間撹拌した。
重炭酸塩水溶液を添加し、混合物を30分間激しく撹拌した。反応物をエーテル
で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し
て、0.59g(97%)の1,3−ジアセトキシ−2,4−ジメチルベンゼン
を淡黄色の油として得た。これは下記を有していた:
製造例25 1,3−ジヒドロキシ−2,4−ジメチルベンゼン
水素化アルミニウムリチウム(0.56g,14.76mmol)の、エーテ
ル(35mL)中におけるスラリーに、1,3−ジアセトキシ−2,4−ジメチ
ルベンゼン(製造例24の化合物,1.65g,7.42mmol,40mLの
エーテル中)を注射器で添加した。この混合物を一夜撹拌し、次いでそれを硫酸
ナトリウム・10水和物(過剰)で慎重に反応停止した。混合物を無水硫酸ナト
リウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、0.62g(62%)の1,3−ジヒド
ロキシ−2,4−ジメチルベンゼンをろう状の淡黄色固体として得た。これは下
記を有していた:
NMRスペクトルにおいて少量の不純物も見られたが、この生成物はさらに精製
せずに用いるのに適することが認められた。この生成物はやや空気感受性であり
、それを合成した同日に使用された。
製造例26 6,8−ジメチル−7−ヒドロキシクロマン−4−オン
1,3−ジヒドロキシ−2,4−ジメチルベンゼン(製造例25の化合物,0
.62g,4.49mmol)、3−クロロプロピオン酸(0.49g,4.5
2mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸(2mL)の混合物を、80
℃に2.25時間加熱した。反応物を冷却し、クロロホルムに注入した。この混
合物を水で抽出し、この水相をエーテルで逆抽出した。有機相を合わせてブライ
ンで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、2,4−ジヒドロキシ−
3,5−ジメチル−β−クロロプロピオフェノンを赤色の油として得た。
上記反応の生成物を、0℃に予冷した50mLの2N水酸化ナトリウムに添加
した。この混合物を2時間撹拌し、次いで6N HClでpH1〜2に酸性化し
、酢酸エチルで抽出した(3回)。有機相を合わせて重炭酸塩水溶液およびブラ
インで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、0.55g(2工程に
つき64%)の6,8−ジメチル−7−ヒドロキシクロマン−4−オンをオレン
ジ色固体として得た。これは下記を有していた:
製造例27 6,8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−4−オン
6,8−ジメチル−7−ヒドロキシクロマン−4−オン(製造例26の化合物
,0.50g,2.60mmol)、イミダゾール(0.35g,5.14mm
ol)および塩化トリイソプロピルシリル(0.61mL,2.85mmol)
の、ジメチルホルムアミド(10mL)中における混合物を、周囲温度で一夜撹
拌した。反応物を水で希釈し、エーテルで抽出した(2回)。有機相を合わせて
1N塩化リチウム(2回)およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1×4インチ
、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以
下のように進行した:5%酢酸エチル/ヘキサン(100mL)、無;5%酢酸
エチル/ヘキサン(100mL)および10%酢酸エチル/ヘキサン(150m
L)、
0.529g(58%)の6,8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオキ
シクロマン−4−オン;ろう状のレモンイエロー色固体として;これは下記を有
していた:
プロトンNMRにおいて1.06ppmに少量のシリル不純物が見られたが、こ
の物質はさらに精製せずに以後の変換に用いるのに適することが認められた。
製造例28
3,3−ジブロモ−6,8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−4−オン
6,8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−4−オン(
製造例27の化合物,0.50g,1.43mmol)の、四塩化炭素(10m
L)中における溶液に、臭素(0.16mL,3.11mmol,5mLの四塩
化炭素中)を滴加した。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで重亜硫酸塩水
溶液を添加し、混合物をさらに30分間撹拌した。相を分離し、有機層を水およ
びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、0.64g(8
9%)の3,3−ジブロモ−6,8−ジメチル−7−トリイソプロピルシリルオ
キシクロマン−4−オンをオレンジ色固体として得た。これは下記を有していた
:
NMRスペクトルにおいてある種の少量の不純物が見られた。しかしこの物質は
それ以上精製せずに用いるのに適していた。
製造例29 6−フルオロ−7−ヒドロキシクロマン−4−オン
1,3−ジメトキシベンゼン(3.80mL,29.0mmol)およびN−
フルオロジベンゼンスルホンアミド(4.21g,29.21mmol)の混合
物を、60℃で一夜撹拌した。混合物を冷却し、シリカゲル上で(約5.1×1
2.7cm、2×5インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー
処理し、その際、溶離は以下のように進行した:3%酢酸エチル/ヘキサン(1
000mL)、前溶出分(廃棄);3%酢酸エチル/ヘキサン(1000mL)
、2,4−ジメトキシフルオロベンゼンと出発原料の2:1混合物2.69g;
これをそのまま次の工程に用いた。
上記反応の生成物を酢酸(11mL)および48% HBr(11mL)と混
和し、3時間還流した。反応物を濃縮し、シリカゲル上で(約5.1×12.7
cm、2×5インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し
、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキサン(200
0mL)、0.95g(43%)の2,4−ジヒドロキシフルオロベンゼン、ろ
う状の白色固体として、これを精製せずに用いた。
2,4−ジヒドロキシフルオロベンゼン(0.15g,1.17mmol)、
3−クロロプロピオン酸(0.13g,1.20mmol)およびトリフルオロ
メタンスルホン酸(1mL)の混合物を、80℃に3時間加熱した。反応物を水
に注入し、エーテルで抽出した(3回)。有機相を合わせて水およびブラインで
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、2,4−ジヒドロキシ−5−
フルオロ−β−クロロプロピオフェノンを赤色固体として得た。これは下記を有
していた:
この生成物はなお少量の残存3−クロロプロピオン酸を含有していたが、次の工
程に用いるのに適していた。
上記反応の生成物を2N水酸化ナトリウム(15mL)と混合し、周囲温度で
一夜撹拌した。反応物を1N HClでpH1〜2に酸性化し、酢酸エチルで抽
出した(3回)。有機相を合わせて水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.5×10.2cm、1
×4インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際
、溶離は以下のように進行した:25%酢酸エチル/ヘキサン(300mL)、
無;
25%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、0.11g(52%、最後の2工
程につき)の6−フルオロ−7−ヒドロキシクロマン−4−オン;白色固体とし
て;これは下記を有していた:融点222〜223℃;
製造例30 6−フルオロ−7−ベンジルオキシクロマン−4−オン
6−フルオロ−7−ヒドロキシクロマン−4−オン(製造例29の化合物,0
.93g,5.11mmol)、臭化ベンジル(0.61mL,5.13mmo
l)、および炭酸カリウム(1.41g,10.2mmol)の、アセトン(1
00mL)中における混合物を、周囲温度で一夜撹拌した。混合物を冷却し、濾
過し、濃縮して、黄色固体を得た。この残渣を酢酸エチル/エーテルから再結晶
して、2回で1.02g(73%)の6−フルオロ−7−ベンジルオキシクロマ
ン−4−オンをクリーム白色結晶として得た。これは下記を有していた:融点1
55〜156℃;
分析:C16H13FO2につき計算値:C,70.58;H,4.81。実測値:
C,70.45;H,4.80。
製造例31 3,3−ジブロモ−6−フルオロ−7−ベンジルオキシクロマン−4−オン
6−フルオロ−7−ベンジルオキシクロマン−4−オン(製造例30の化合物
,0.99g,3.64mmol)の、四塩化炭素(45mL)中における混合
物に、臭素(0.37mL,7.18mmol,5mLの四塩化炭素中)を滴加
した。反応物を周囲温度で一夜撹拌した。反応物に水を添加し、濾過により未同
定のピンク色固体87mgを採集し、廃棄した。濾液から相を分離し、有機層を
水、重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃
縮して、空気感受性の油を得た。これは臭素化物と出発原料の混合物(0.93
g)
であった。この物質を酢酸エチル(100mL)および臭化第二銅(0.6g,
2.69mmol)と混合し、4時間還流した。臭化第二銅(0.3g,1.3
5mmol)を添加し、反応物を一夜還流した。3度目の臭化第二銅(0.6g
,2.69mmol)を添加し、反応物を続けて一夜還流した。混合物を冷却し
、濾過し、濃縮した。残渣を酢酸エチルに装入し、水およびブラインで洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、3,3−ジブロモ−6−フルオロ−7
−ベンジルオキシクロマン−4−オンと過剰臭素化物の混合物0.91gを得た
。NMRスペクトルからの重要な特色は、δ 7.69(t,J-9.3Hz),7.63-7.32(m),6
.62(一対の d,J-5.7 および 7Hz),5.19(s),4.70(s)における信号である。
この物質を粗製のまま結合実験に用いた。
製造例32 6−メチル−7−ヒドロキシクロマン−4−オン
1,3−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン(5.0g,40.3mmol)
、3−クロロプロピオン酸(4.38g,40.36mmol)およびトリフル
オロメタンスルホン酸(20g)の混合物を、80℃に一夜加熱した。反応物を
水に注ぎ、1:1エーテル/酢酸エチルで抽出した(2回)。有機相を合わせて
水(2回)およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、
オレンジ色のガム(7.6g)を得た。
上記反応からのガムを2N水酸化ナトリウム(200mL)と混合し、一夜還
流した。混合物を6N HClでpH1〜2に酸性化し、酢酸エチルで抽出した
(3回)。有機相を合わせて水、重炭酸塩水溶液(2回)およびブラインで洗浄
し、次いでそれを硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上
で(約3.8×10.2cm、1.5×4インチ、ヘキサン中で充填)フラッシ
ュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢
酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;20%酢酸エチル/ヘキサン(500
mL)、無;30%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、3.1gの黄色固体
。この物質を酢酸エチルから再結晶して、1.66g(23%、2工程シーケン
スにつき)の6−メチル−7−ヒドロキシクロマン−4−オンを淡いピンク色の
固体として得た。これは下記を有していた:融点185〜186℃;
製造例33 6−メチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−4−オン
6−メチル−7−ヒドロキシクロマン−4−オン(製造例32の化合物,1.
50g,8.42mmol)、イミダゾール(1.15g,16.9mmol)
および塩化トリイソプロピルシリル(2.0mL,9.2mmol)の、ジメチ
ルホルムアミド(30mL)中における混合物を、周囲温度で一夜撹拌した。反
応物を水に注入し、エーテルで抽出した(2回)。有機層を合わせて1N塩化リ
チウムで洗浄し(2回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、3.01g
(100%)の6−メチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−4−
オンを薄い黄色の油として得た。これは下記を有していた:
この生成物中には少量のシリル不純物および残存ジメチルホルムアミドも存在し
たが、後続反応に適していた。
製造例34
3,3−ジブロモ−6−メチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−
4−オンおよび6−メチル−3,3,5−トリブロモ−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−4−オン
6−メチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−4−オン(製造例
33の化合物,3.0g,8.97mmol)の、四塩化炭素(70mL)中に
おける溶液に、臭素(0.93mL,18.05mmol,20mLの四塩化炭
素中)を15分かけて滴加した。反応物を周囲温度で1時間撹拌し、重亜硫酸塩
水溶液を添加した。反応物をさらに15分間撹拌した。次いで相を分離し、有機
相を重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃
縮して、オレンジ色の油を得た。この残渣をシリカゲル上で(約5.1×10.
2cm、2×4インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は
以下のように進行した:ヘキサン(250mL)、無;3%エーテル/ヘキサン
(500mL)、無;3%エーテル/ヘキサン(300mL)、2.61gの3
,3−ジブロモ−6−メチル−7−トリイソプロピルシリルオキシクロマン−4
−オンおよび6−メチル−3,3,5−トリブロモ−7−トリイソプロピルシリ
ルオキシクロマン−4−オンの混合物;無色の油として(生成物の比率は約2.
5:1であった)。3,3−ジブロモ−6−メチル−7−トリイソプロピルシリ
ルオキシクロマン−4−オンについてのNMRスペクトルの重要な特色は、δ
7.77(C-5のH),6.38(C-8のH),4.68(C-2のメチレン),2.19(C-6のメチル)である
。
製造例35
3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−8−メチル−8−アザビシクロ−( 3.2.1)−オクタン
トロピン(14.2g,0.10mol)を、塩化メチレン(210mL)お
よびトリエチルアミン(23mL,0.16mol)に溶解した。塩化トリフル
オロメタンスルホニル(9.3mL,0.12mol)を、塩化メチレンが緩和
に沸騰する速度で滴加した。反応物を周囲温度で1時間撹拌し、次いでそれを冷
0.5N水酸化ナトリウム、水およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ、
濃縮して、黄色固体を得た。これは下記を有していた:
製造例36
3−(4−フルオロフェニルスルファニル)−8−メチル−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン
オーバーヘッド式機械的撹拌装置付きの三首丸底フラスコ内で、水素化ナトリ
ウム(2.02g,50.47mmol,60%の油分散液)を、油が含まれな
くなるまでヘキサンで洗浄し(2回)、テトラヒドロフラン(225mL)を添
加し、次いで4−フルオロチオフェノール(4.89mL,45.89mmol
,テトラヒドロフラン30mL中、およびすすぎ20mL)を添加した。水素ガ
スを反応物から自由に発生させた。水素発生が終了した時点で、3−トリフルオ
ロメタンスルホニルオキシ−8−メチル−8−アザビシクロ−(3.2.1)−
オ
クタン(製造例35の化合物,9.42g,45.89mmol)を固体として
そのまま一度に、50mLのテトラヒドロフランですすぎながら添加した。反応
物を一夜還流し、次いで冷却した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに
装入した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃
縮して、8.28g(72%)の3−(4−フルオロフェニルスルファニル)−
8−メチル−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタンを黄褐色の油として
得た。これは下記を有していた:NMR
δ 7.38(dd,J=5.9Hz,2H),6.96(広域結合 t,J=9Hz,2H),3.22-3.08(m,
製造例37
3−(4−フルオロフェニルスルファニル)−8−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル)−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン
3−(4−フルオロフェニルスルファニル)−8−メチル−8−アザビシクロ
−(3.2.1)−オクタン(製造例36の化合物,8.20g,32.65m
mol)、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル(4.94mL,35.9
2mmol)および炭酸カリウム(4.96g,35.92mmol)の、ベン
ゼン(140mL)中における混合物を、一夜還流した。溶剤を減圧下で除去し
、残渣を酢酸エチルに装入した。有機相を重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄
し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約7.6×
10.2cm、3×4インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、
溶離は以下のように進行した:ヘキサン(350mL)、無;10%酢酸エチル
/ヘキサン(400mL)、前溶出分(廃棄);10%酢酸エチル/ヘキサン(
600mL)、20%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)および30%酢酸エ
チル/ヘキサン(250mL)、10.32g(77%)の3−(4−フルオロ
フェニルスルファニル)−8−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル)
−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン、灰白色固体として、これは下
記を有していた:融点65〜67℃;
NMR δ 7.40(dd,J=5.5,9 Hz,2H),6.98(広域結合 t,J=8.5 Hz,
製造例38
3−(4−フルオロフェニルスルファニル)−8−アザビシクロ−(3.2.1
)−オクタン
3−(4−フルオロフェニルスルファニル)−8−(2,2,2−トリクロロ
エトキシカルボニル)−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン(製造例
37の化合物,10.28g,24.92mmol)、48%HBr(20mL
)および酢酸(80mL)の混合物を、110℃に78時間加熱した。反応物を
4N水酸化ナトリウムの添加によりpH11に調整し、塩化メチレンで抽出した
。有機相をけいそう土で濾過し、ブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ
、濃縮した。残渣をクーゲル管蒸留して(110℃(ポット温度)、1.5mm
Hg)、3.30gの3−(4−フルオロフェニルスルファニル)−8−アサビ
シクロ−(3.2.1)−オクタンを黄色の油として得た。これは下記を有して
いた:NMR δ 7.41 (dd,J=5.5,9 Hz,2H),7.00(広域結合 t,J=8.5 Hz,
2H),4.11(s,不純物),3.55(br t,J=3.5 Hz,2H),3.24(sym m,1H),2.58(br
s,2H,D2O で交換,1H に統合すべき),1.90-1.77(m,4H),1.70-1.51(m,4H)。
この生成物はそれ以上精製せずに用いるのに適していた。
製造例39
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−メチル−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン
オーバーヘッド式機械的撹拌装置付きの三首丸底フラスコ内で、水素化ナトリ
ウム(2.03g,50.91mmol,60%の油分散液)を、油が含まれな
くなるまでヘキサンで洗浄し(2回)、テトラヒドロフラン(200mL)を添
加し、次いで4−クロロチオフェノール(6.69g,46.28mmol,2
0mLのテトラヒドロフラン中)を添加した。水素ガスを反応物から自由に発生
させた。水素発生が終了した時点で、3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ
−8−メチル−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン(9.5g,46
.28mmol,70mLのテトラヒドロフラン中)を添加した。反応物を一夜
還
流し、次いで冷却し、けいそう土で濾過した(エーテルですすいだ)。濾液を減
圧下で濃縮し、残渣をエーテルに装入した。有機相を水およびブラインで洗浄し
、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して、8.08g(65%)の3−(4−ク
ロロフェニルスルファニル)−8−メチル−8−アザビシクロ−(3.2.1)
−オククンを黄褐色の油として得た。これは下記を有していた:
製造例40
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル)−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−メチル−8−アザビシクロ−
(3.2.1)−オクタン(8.06g,30.12mmol)、クロロギ酸2
,2,2−トリクロロエチル(4.56mL,33.13mmol)および炭酸
カリウム(4.58g,33.13mmol)の、ベンゼン(150mL)中に
おける混合物を、一夜還流した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに装
入した。有機相を重炭酸塩水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾
燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約7.6×10.2cm、3×4イ
ンチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行
した:ヘキサン(350mL)、無;10%酢酸エチル/ヘキサン(500mL
)、前溶出分(廃棄);10%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、20%酢
酸エチル/ヘキサン(500mL)および30%酢酸エチル/ヘキサン(250m
L)、9.26g(72%)の3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル)−8−アザビシクロ−(3.2
.1)−オクタン、黄色固体として、これは下記を有していた:融点70〜71
.5℃;
NMR δ 7.33(広域結合 d,J=8.5 Hz,2H),7.26(広域結合
製造例41
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−8−(2,2,2−トリクロロエ
トキシカルボル)−8−アザビシクロ−(3.2.1)−オクタン(8.70g
,20.28mmol)、48%HBr(17mL)および酢酸(68mL)の
混合物を、110℃に78時間加熱した。反応物を4N水酸化ナトリウムの添加
によりpH11に調整し、塩化メチレンで抽出した。有機相をけいそう土で濾過
し、ブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮して、3−(4−クロ
ロフェニルスルファニル)−8−アサビシクロ−(3.2.1)−オクタンを黄
色の油として得た。生成物をクーゲル管蒸留して(110〜130℃(ポット温
度)、1.5mmHg)、4.1g(79%)の3−(4−クロロフェニルスル
ファニル)−8−アサビシクロ−(3.2.1)−オクタンをほぼ無色の油とし
て得た。これは凝固し、下記を有していた:
製造例42
1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソール−5−イル)−プロパン−1−オン
3,4−ジヒドロキシプロピオフェノン(ICN バイオケミカルス・インコ
ーポレーテッド、3300 Hyland Ave.,Costa Mesa,
California,92626,USA,5.0g,30mmol)および
ジクロロジフェニルメタン(10.0mL,52.1mmol)の混合物を、1
70℃に7分間加熱した。反応物を冷却し、1N水酸化ナトリウムに注入した。
混合物をエーテルで抽出し(2回)、抽出液を合わせて水およびブラインで洗浄
した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で
(約5.1×12.7cm、2×5インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロ
マトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:2%エーテル/
ヘキサン(500mL)、0.84gの白色固体、仮に2−クロロ−1−(2,
2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソール−5−イル)−プロパン−1−
オンと同定;5%エーテル/ヘキサン(250mL)、1.9gの未同定のオレ
ンジ色の油;5%エーテル/ヘキサン(250mL)、2.18gの回収ジクロ
ロジフェニルメタン;10%エーテル/ヘキサン(500mL)、4.82g(
48%)の1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソール−5−イ
ル)−プロパン−1−オン、オレンジ色の油として、これは放置すると凝固した
。生成物は融点69〜70.5℃を有していた。分析:C22H17ClO3につき
計算値:C,79.98;H,5.49。実測値:C,80.05;H,5.3
4。
製造例43
2−ブロモ−1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソール−5−イル)−プロパン−1−オン
1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソール−5−イル)−プ
ロパン−1−オン(製造例42の化合物,4.70g,14.23mmol)を
四塩化炭素(60mL)に溶解し、臭素(0.74mL,14.36mmol,
10mLの四塩化炭素中)を滴加した。反応物を周囲温度で30分間撹拌し、次
いでそれを飽和重炭酸塩水溶液で抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し
、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、5.58g(96%)の2−ブロモ
−1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソール−5−イル)−プ
ロパン−1−オンを濃いオレンジ色の油として得た。これは下記を有していた:
製造例44 4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシプロピオフェノン
3,4−ジヒドロキシプロピオフェノン(ICN バイオケミカルズ・インコ
ーポレーテッド、3300 Hyland Ave.,Costa Mesa,
California,92626,USA,2.00g,12.0mmol)
、臭化ベンジル(1.43mL,12.0mmol)および炭酸カリウム(3.
33g,24.1mmol)の、アセトン(100mL)中における混合物を、
2
4時間還流した。反応物を冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチル
と0.25N塩酸の間で分配した。相を分離し、有機相を水およびブラインで洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約2.
5×12.7cm、1×5インチ、ヘキサン中で充填)フラッシュクロマトグラ
フィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:10%酢酸エチル/ヘキ
サン(500mL)、無;30%酢酸エチル/ヘキサン(1000mL)、0.
88g(28%)の4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシプロピオフェノン、白
色固体として、これは下記を有していた:
製造例45 4−ベンジルオキン−3−メトキシプロピオフェノン
4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシプロピオフェノン(製造例44の化合物
,0.88g,3.43mmol)、炭酸カリウム(0.95g,6.87mm
ol)およびヨウ化メチル(0.50mL,8.0mmol)の、アセトン(5
0mL)中における混合物を、2時間還流し、周囲温度で週末にかけて撹拌した
。反応物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をエーテルと水の間で分配した。相を
分離し、有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃
縮して、0.88g(95%)の4−ベンジルオキシ−3−メトキシプロピオフ
ェノンを白色固体として得た。これは下記を有していた:
製造例46 4−ベンジルオキシ−α−ブロモ−3−メトキシプロピオフェノン
4−ベンジルオキシ−3−メトキシプロピオフェノン(製造例45の化合物,
0.84g,3.11mol)を四塩化炭素(20mL)に溶解し、臭素(0.
16mL,3.11mmol,5mLの四塩化炭素中)を10分間かけて添加し
た。反応物を周囲温度で30分間撹拌した。反応物を飽和重炭酸塩水溶液に注入
し、相を分離した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥させ、濃縮した。残渣をエーテルに装入し、濃縮し、このプロセスを繰り返し
て、生成物から残留四塩化炭素を除去した。こうして1.12g(100%)の
4−ベンジルオキシ−α−ブロモ−3−メトキシプロピオフェノンをろう状の薄
いオレンジ色の固体として得た。これは下記を有していた:
製造例47 塩酸4−(3,5−ジブロモフェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン
1,3,5−トリブロモベンゼン(15.75g,50.0mmol)の、エ
ーテル(500mL)中における溶液を−78℃に冷却し、ブチルリチウム(2
0.8mL,50.0mmol,ヘキサン中2.4M)を30分間かけて滴加し
た。反応物を30分間撹拌し、次いで1−t−ブチルオキシカルボニルピペリジ
ン−4−オン(5.0g,25mmol,100mLのエーテル中)を30分間
かけて、20mLのエーテルですすぎながら滴加した。反応物を−78℃で2時
間撹拌し、次いで水で反応停止し、周囲温度にまで昇温させた。相を分離し、有
機層をブラインで洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカ
ゲル上で(約10.2×10.2cm、4×4インチ)フラッシュクロマトグラフ
ィー処理し、その際、溶離は以下のように進行した:1%酢酸エチル/ヘキサン
(1000mL)、無;5%酢酸エチル/ヘキサン(1000mL)および10%酢
酸エチル/ヘキサン(1000mL)、出発トリブロミドと1,3−ジブロモベ
ンゼンの混合物(秤量せず);10%酢酸エチル/ヘキサン(1000mL)、
無;15%酢酸エチル/ヘキサン(2000mL)、無;20%酢酸エチル/ヘ
キサン(2000mL)、6.76g(62%)の4−(3,5−ジブロモフェ
ニル)−4−ヒドロキシ−1−t−ブチルオキシカルボニルピペリジン、淡黄色
泡状物として。これは下記を有していた:
この生成物は88%の純度であると推定され、12%の1−t−ブチルオキシカ
ルボニルピペリジン−4−オン(NMR δ 3.71 および 2.44 に3重線)を
含有していた。この物質はそれ以上精製せずに用いるのに適していた。
上記反応の生成物(6.76g,15.5mmol)をエーテル(150mL
)に溶解し、HClで飽和したジオキサン(15mL)を添加した。混合物を周
囲温度で30分間撹拌し、次いで0℃に冷却し、この溶液にHClガスを3分間
吹き込んだ。反応物を周囲温度にまで昇温させ、一夜撹拌した。HClガスを除
去するために混合物に窒素ガスを吹き込み、沈殿を濾過して、3.27gのクリ
ーム色固体を得た。濾液を再びHClガスで飽和し、6時間撹拌した。再び混合
物を窒素ガスでパージし、沈殿を採集した(1.63g)。3度目のHCl加水
分解を繰り返して、さらに0.45gの生成物を得た。こうして5.45g(9
4%)の塩酸4−(3,5−ジブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジンを
クリーム色固体として得た。この物質を精製せずに用いた。
製造例48
(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(3,5−ジ
ブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール
4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブロモプロピオフェノン(3.0g
,7.79mmol)、塩酸4−(3,5−ジブロモフェニル)−4−ヒドロキ
シピペリジン(製造例47の化合物,2.89g,7.79mmol)およびト
リエチルアミン(3.26mL,23.4mmol)の、エタノール(200m
L)中における混合物を、一夜還流した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を酢酸エ
チルと水の間で分配した。相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸カルシ
ウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約5.1×10.2cm、
2×4インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以下のよ
うに進行した:1%酢酸エチル/ヘキサン(500mL)、無;5%酢酸エチル
/ヘ
キサン(300mL)、出発ケトン(秤量せず);5%酢酸エチル/ヘキサン(
700mL)および15%酢酸エチル/ヘキサン(300mL)、無;15%酢
酸エチル/ヘキサン(1200mL)、3.55g(71%)の1−(4−トリ
イソプロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(3,5−ジブロモフェニル
)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン、もろい灰白
色泡状物として、これは下記を有していた:
水素化ホウ素ナトリウム(0.21g,5.56mmol)およびエタノール
(50mL)の氷冷した混合物を10分間撹拌し、次いで1−(4−トリイソプ
ロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(3,5−ジブロモフェニル)−4
−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(3.55g,5.
56mmol,50mLのエタノール中)を15分間かけて滴加した。反応物を
周囲温度にまで昇温させ、一夜撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.10g
)を追加し、反応物をさらに6時間撹拌した。白色沈殿を採集し、エタノールで
すすぎ、0.84gと秤量された。濾液を水素化ホウ素ナトリウム(0.10g
)で処理し、一夜撹拌した。白色沈殿を採集し、エタノールですすぎ、2.56
gと秤量された。沈殿を合わせて(3.40g)エタノールから再結晶して、3
.0g(84%)の(1R*,2R*)−1−(4−トリイソプロピルシリルオキ
シフェニル)−2−(4−(3,5−ジブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペ
リジン−1−イル)−プロパン−1−オールをふわふわした白色針状晶として得
た。これは融点235〜236.5℃を有していた。分析:C29H43Br2NO3
Siにつき計算値:C,54.29;H,6.76;N,2.18。実測値:C
,54.17;H,6.50;N,2.35。
上記反応の生成物(0.53g,0.827mmol)をテトラヒドロフラン
(20mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.25mL,1.
25mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。反応物を周囲温度で
1時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約3.8×7.6cm
、1.5×3インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は以
下のように進行した:25%酢酸エチル/ヘキサン(600mL)、前溶出分(
秤量せず);25%酢酸エチル/ヘキサン(200mL)、無;25%酢酸エチ
ル/ヘキサン(200mL)および50%酢酸エチル/ヘキサン(800mL)
、0.20g(50%)の(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシフェニル)
−2−(4−(3,5−ジブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−
イル)−プロパン−1−オール、白色固体として、これは融点232〜234℃
を有していた。分析:C20H23Br2NO3につき計算値:C,49.51;H,
4.78;N,2.89。実測値:C,49.77;H,4.58;N,2.7
6。
製造例49
1R*,2R*−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(3,5−ジトリ
チオフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール
(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(3,5−
ジブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン−1−
オール(製造例48の化合物,0.015g,0.031mmol)の、ジオキ
サン(3mL)中における溶液に、カーボン上10%パラジウム(0.013g
)およびトリエチルアミン(0.015mL)を添加した。反応混合物を3回凍
結/融解脱ガスし、次いで周囲温度でトリチウムガス(15Ci)に6時間暴露
した。反応物をけいそう土で濾過し、パッドをメタノール(3mL)で十分に洗
浄した。濾液を濃縮した。残渣をメタノール(1mL)で希釈し、濃縮して、不
安定なトリチウム不純物を除去した。この希釈/蒸発プロセスを3回繰り返した
。残渣をエタノール(20mL)に溶解し、テフロン(Teflon、商標)製
注射器型フィルターで濾過して、913mCiの放射能を得た。このロット全体
をシリカゲル上で(約6.4×20.3cm、2.5×8インチ)酢酸エチルに
より溶離するクロマトグラフィー処理によって精製して、156mCiの(1R*
,2R*)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−(3,5−ジトリチ
オフェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オー
ル
を得た。これは放射化学的純度>98%および比放射能42.8Ci/mmol
を有していた。
製造例50 3,5−ジメチル−4−ヒドロキシプロピオフェノン
2,6−ジメチルフェノール(10.5g,85.9mmol)、プロピオン
酸(4.64mL,86.8mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸(
59g)の混合物を、80℃に48時間加熱した。反応物を冷却し、氷に注ぎ、
クロロホルムで抽出した。有機抽出液を飽和重炭酸塩水溶液およびブラインで洗
浄し、乾燥させ、濃縮すると暗色の油性固体が得られた。この物質をクーゲル管
蒸留して、105〜135℃(1.5mmHg、ポット温度)で11.2g(7
3%)の3,5−ジメチル−4−ヒドロキシプロピオフェノンを固体として得た
。これは下記を有していた:
製造例51 4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチルプロピオフェノン
3,5−ジメチル−4−ヒドロキシプロピオフェノン(11.2g,62.9
mmol)、臭化ベンジル(8.23mL,69.2mmol)および炭酸カリ
ウム(17.4g,125.8mmol)の、アセトン(200mL)中におけ
る混合物を、一夜撹拌した。この混合物を濾過し、溶剤を除去した。残渣を酢酸
エチルと水の間で分配した。相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸カル
シウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で(約6.4×8.9cm、
2.5×3.5インチ)フラッシュクロマトグラフィー処理し、その際、溶離は
以下のように進行した:5%酢酸エチル/ヘキサン(700mL)、無;7%酢
酸エチル/ヘキサン(400mL)および10%酢酸エチル/ヘキサン(150
0mL)、15.33g(91%)の4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチルプ
ロピオフェノン、淡黄色固体として、これは下記を有していた:融点67〜68
.5℃;
製造例52 4−ベンジルオキシ−α−ブロモ−3,5−ジメチルプロピオフェノン
4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチルプロピオフェノン(15.19g,5
6.6mmol)の、四塩化炭素(160mL)中における溶液に、臭素(2.
98mL,57.8mmol,40mLの四塩化炭素中)を滴加した。添加終了
後に反応物を15分間撹拌し、次いで重亜硫酸ナトリウム水溶液を添加し、混合
物をさらに30分間撹拌した。相を分離し、有機層を飽和重炭酸塩水溶液および
ブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、19.55g(99%)の4−ベンジ
ルオキシ−α−ブロモ−3,5−ジメチルプロピオフェノンを黄色固体として得
た。これはそれ以上精製せずに用いるのに適し、下記を有していた:
【手続補正書】
【提出日】1997年2月18日
【補正内容】
請求の範囲を下記のように補正する。
『1.次式の化合物:
またはその薬剤学的に許容しうる酸付加塩
[式中:
(a)R2とR5は別個であって、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、
水素、(C1〜C6)アルキル、ハロ、CF3、OHもしくはOR7であり、かつR5
はメチルもしくはエチルであるか;または
(b)R2とR5は一緒になって
であり、クロマン−4−オール環を形成し、R1、R3およびR4はそれぞれ独立
して、水素、(C1〜C6)アルキル、ハロ、CF3、OHもしくはOR7であり;
R6は
であり;
R7はメチル、エチル、イソプロピルまたはn−プロピルであり;
R8は、(C1〜C6)アルキル、ハロおよびCF3よりなる群から独立して選択さ
れる最高3個の置換基で所望により置換されていてもよいフェニルであり;
XはO、Sまたは(CH2)nであり;
nは0、1、2または3であり;
ただし(a)R2とR5が別個である場合、R1、R2、R3およびR4のうち少なく
とも1つは水素ではなく;かつ(b)R2とR5が一緒になった場合、R1、R3お
よびR4のうち少なくとも1つは水素ではない]。
2.R2とR5が別個であって;R2およびR3が水素であり;R6が
であり;かつR8がフェニル、4−ハロフェニルまたは4−トリフルオロメチル
フェニルである、請求項1記載の化合物。
3.R5が下記の1R*,2R*相対的立体化学構造:
をもつメチルである、請求項2記載の化合物。
4.R1およびR4がそれぞれ独立して、水素、フルオロまたはメチルであり、
かつR8が4−フルオロフェニル、4−クロロフェニルまたは4−トリフルオロ
メチルフェニルである、請求項3記載の化合物。
5.R1およびR4がフルオロであり、かつR8が4−フルオロフェニルである
、請求項4記載の化合物。
6.請求項5記載の化合物のメシラート塩。
7.R1およびR4がフルオロであり、かつR8が4−クロロフェニルである、
請求項4記載の化合物。
8.請求項7記載の化合物のメシラート塩。
9.R1およびR4がフルオロであり、かつR8が4−トリフルオロメチルフェ
ニルである、請求項4記載の化合物。
10.請求項9記載の化合物のメシラート塩。
11.R1が水素であり、R4がメチルであり、かつR8が4−フルオロフェニ
ルである、請求項4記載の化合物。
12.請求項11記載の化合物のメシラート塩。
13.R1およびR4がメチルであり、かつR8が4−フルオロフェニルである
、請求項4記載の化合物。
14.請求項13記載の化合物のメシラート塩。
15.R2とR5が別個であり、かつR6が
である、請求項1記載の化合物。
16.R5が下記の1R*,2R*相対的立体化学構造:
をもつメチルである、請求項15記載の化合物。
17.R2とR5が一緒になって
であり、クロマン−4−オール環を形成する、請求項1記載の化合物。
18.クロマン−4−オール環のC−3位およびC−4位が下記の3R*,4
S*相対的立体化学構造:
をもつ、請求項17記載の化合物。
19.R6が
であり、かつR8がフェニルまたは4−ハロフェニルである、請求項18記載の
化合物。
20.R6が
である、請求項18記載の化合物。
21.(1R,2R)−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2
−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−
オールである、請求項3記載の化合物。
22.(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2
−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−
オールである、請求項3記載の化合物。
23.請求項1記載の化合物またはその薬剤学的に許容しうる酸付加塩および
薬剤学的に許容しうるキャリヤーを含む薬剤組成物。』
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07D 207/12 9159−4C C07D 207/12
405/04 211 9159−4C 405/04 211
453/02 9283−4C 453/02