【発明の詳細な説明】
磁気センサーを含む電流センサー発明の技術分野
本発明は磁気センサーに関する。
磁気センサーは、磁界又は電流の離隔感知が必要とされる分野での応用が見出
されている。従来の技術
典型的な応用において、ホール効果のような磁気センサーは、手持式の測定器
具に使用される。かかる手持式の測定器具は典型的には開閉可能な一対のジョー
を含み、従ってその間を導電体が通過することができる。導電体を所定の位置に
置いて、ジョーを閉じそして該ジョー内に位置する一つ又はそれ以上の磁気セン
サーを、該導電体に依存する電気出力を発生するように配置する。発明が解決しようとする課題
上述のタイプの器具において、該センサーは、ジョーの少なくとも一端部の面
に隣接して置くのが一般的である。当然、該センサーは、閉じたジョーにより規
定される空間に保持された導電体から磁気的に遮断されてはならない。これに関
して、集積回路又はチップの形体であることができるセンサーが置かれた場合、
ジョーの端部面を単にプラスチック製キャップでおおうのが普通である。しかし
ながら残念なことに、センサーをかかる手段でおおうと、導電体により発生する
磁場の影響を受けるばかりでなく、閉じたジョーにより規定される領域の外側か
らの漂遊電界により影響され得、間違った又は不正確な読みを与える。課題を解決するための手段
発明の第1の側面によると、電気測定器具の一部を形成する磁気センサー装置
であって、該電気測定器具は導電体に伴う性質を測定するために該導電体の周り
に取付けられる手段を有する、上記の磁気センサー装置が提供され、ここで該セ
ンサー装置は、一つ又はそれ以上の妨害(interference)源から少
なくとも部分的に遮断された、少なくとも一つのセンサーを含む。
上記の妨害は磁気妨害であることができる。
好ましくは、該センサー又は各センサーは、導電体の周りに取付けられる手段
上又は該手段内に設けられる。
一対のセンサーを設けてもよい。
導電体の周りに取付けられる手段は、互いに近寄ったり離れたりする運動を行
うために設けられた一対のアームを含む。該アームは夫々、本体部材に対して運
動するために、該本体部材上に設けられる。
或いは、導電体の周りに取付けられる手段は、連続の又は非連続のループを含
んでもよい。
該アーム又はループは、好ましくは透磁性材料を含む。
該材料は多くの薄板から形成し得る。
或いは、該材料はストリップを巻いたコアを含むことができる。
好ましくは、該センサー又は各センサーを受容するための一つ又は複数のくぼ
みを該材料に形成する。
該材料がストリップを巻いたコアである場合、該くぼみはミル処理(mill
ing)によって形成し得る。該材料が多くの薄板から成る場合、該薄板の形状
を、一つ又は複数のくぼみを与えるように配置してもよい。
好ましくは、該くぼみ又は各くぼみは、アームの一端面又は両端面に形成する
。
該くぼみは好ましくは、該センサー又は各センサーが導電体によって発生した
磁場に曝されるが漂遊電界からは遮断されるように形成する。
アームの端面は、該アームが閉じた位置にあると、上記材料の連続ループが形
成されるように露出される。
好ましくは、アームの周りに電気的巻線を設け、そして該センサー又は各セン
サーは制御回路の一部を形成し、これにより導電体を流れる1次電流はアームの
材料内で1次の磁束(flux)を誘発し、そして該センサー又は各センサーか
らの出力は上記の巻線を流れる2次電流を制御するのに使用される。好ましくは
、2次電流は該材料内に2次磁束を誘導するように配置され、このことは導電体
に
より発生される1次磁束と反対である。そして該センサー又は各センサーは該2
次電流の量を制御するように配置されるので、2次磁束が1次磁束と正確につり
合う時点に到達し、そしてその時点で該センサー又は各センサーからの出力はゼ
ロである。
上記の技術は磁束ゼロ化(flux nulling)として知られており、
この技術を用いて、1次電流の値を非常に正確に決定することができる。
好ましくは磁気センサーはホール効果センサーから成る。
本発明の第2の側面によると、本発明は、第1の側面の磁気センサー装置を含
む電気測定器具に及ぶ。本発明の第1の側面による特徴又は特徴の組合わせを、
第2の側面の器具と組合わせることができる。
例として、本発明の特定の態様を添付の略図を参照して記述する。
第1図は、一対の磁気センサーを用いた手持式測定器具を示す。
第2図は、磁気センサーを含む一対のアームを示す。
第3、4および5図は、第2図のアームの形成に使用し得る種々のタイプの薄
板を示す。
第6図は、上記器具のアームを該器具の制御操作用スイッチとして使用し得る
ようにした配列を示す。
第1図に示す器具において、ハウジング10には、手で持てるように一般に長
方形部分11が設けられる。部分11から一対のジョー12、13が突き出てお
り、該ジョーは導電体の周りの器具をつかむように、トリガー14の操作によっ
て開くことができる。使用に際して、導電体は、閉じたジョー12、13の内側
の第1図に示す軸15に沿って延び、該ジョーは強磁性材料の一対のアームを含
み、該アーム内に、該導電体によって発生した電磁界により電流が誘導される。
該ジョー12、13はまた一対の磁気センサーをも含み、該センサーは、記載し
た態様においては、該導電体を流れる電流に依存性の出力を生じるホール効果セ
ンサーである。
第2図を参照すると、一対のアーム20、21が示されている。アーム20、
21は全体的に半円形に形成されているが、実際はどのような形状であってもよ
い。
アーム20、21は互いに積み重ねられた連続した薄板22−34から成る。
該薄板は導電性材料から成る。薄板20〜25および32〜34は第3または第
4図に示されるような第1構造を有し、そして薄板26〜31は第5図に示され
るような第2構造を有する。これらの二つの薄板構造体は組合わされて、アーム
20の端部領域でくぼみ35、36を形成する。
二つのくぼみ35、36は夫々、ホール効果センサー37、38を収容する。
ホール効果センサー37、38は夫々、出力接続線39〜42を有する。これ
らの接続線は第2図の略図では接続されていないように示されているが、使用時
には、第1図の器具10のような電気測定器具に接続する電線に接続されるであ
ろう。
アーム20、21は、プラスチック製カバー又は類似体(図示なし)を受け入
れるための固定部材として作用する突起43、44、45および46を有し、従
って、ジョーの内側面、外側面、上側面および下側面47、48、49、50を
電気的に絶縁する。該プラスチック製カバーはアーム20、21の端部面を越え
て延長しない。
第2図には示されていないが第1図に示されているプラスチック製カバーは、
器具10のような器具の使用者を保護する。
使用に際し、ジョー12、13内に器具10の部品として収容されたアーム2
0、21は、導電体を該アームの間に配置できるように、開けられる。一旦導電
体が配置されると、ジョーは閉じられる。
次に電気測定器具10は、導電体を流れる電流に関連する多くのパラメータの
いずれかを測定するのに使用し得る。
該器具は次のように作動する:ジョー12、13の間に置かれた導電体内を流
れる1次電流は該導電体の周りに磁界を発生させる。磁界はジョーの透磁性材料
内に第1磁束を誘発する。電気巻線がジョーの周りに且つプラスチック製カバー
内に設けられ、これらの巻線は第1磁束に対向ずる第2磁束を該ジョー内に発生
させるために使用される。
全磁束はホール効果センサー37、38により検出され、その出力は、フィー
ドバックシステム内で2次電流、従って2次磁束、のレベルを制御するために使
用される。
ホール効果の出力が実質的にゼロの状態に達した時、器具10内に発生した2
次電流が、1次電流によりジョー内に誘導された磁界を正確に相殺する状態に達
しているであろう。このようにして、1次電流を容易に且つ正確に決定すること
ができる。
上記の測定法は磁束ゼロ化として知られている。
ホール効果センサー37、38はアーム20、21内に形成されたくぼみ内に
正確に配置されているので、変換器37、38は、閉じたジョー内からは出ない
外部のあらゆる漂遊電界から遮断される。
アームの端部面が露出されているという事実により、一対のアーム20、21
は結合された場合、単一の磁気回路ループを形成する。このループは効率のよい
磁気伝導体として作用しそして器具10に非常に良い高周波特性を与える。
ホール効果センサー37、38をくぼみ35、36内に収容することによりも
たらされる遮断効果のため、器具10は典型的には、遮断されていない磁気セン
サーを有する器具の10倍までのオーダーで、漂遊電界の影響を拒絶する。
薄板から作られたアーム20、21の代替物として、アームは、端部面内にホ
ール効果センサー37、38を受容するために加工された又はその他の方法で形
成されたくぼみを有する、ストリップを巻いたコアから形成してもよい。
前述の通り、一旦ジョー12、13が閉じそしてアーム20、21の端部面が
互いに接触すると、電気器具10は関連するパラメーターを測定するための操作
状態にすることができる。第6図は、ジョーが閉じた場合を示すための例示的な
回路を示す。
第6図からわかるように、アーム20、21はその上に置かれた電気接続線を
有するように配置されるので、ジョー12、13が閉じた時、ノード51、52
の間に短い回路が形成される。ノード51と52とを一緒にするとトランジスタ
T1を「オン」にすることができ、そして出力電圧Voutを器具10に発生させる
ことができる。例示した事例において、Voutは0.5Vccであろう。ジョーを開
きそしてアーム20、21を互いに離すと、ノード51および52が切断されそ
してトランジスタT1を「オン」にすることはできない。このような状況ではVo ut
は接地電圧にあるであろう。このことから、ジョーが閉じた時を指示する非常
に簡単な手段が、器具10のジョー12、13をスイッチとして使用することに
より、提供されることがわかる。
種々の異なるアームはジョーの構造を本発明の範囲から逸脱することなく採用
することができる。例えば、一つのジョーをある位置に固定しそして他のジョー
を可動とし得る。或いは、ある態様ではジョーを全く含まず、その代わりに連続
の又は非連続のループを用いてもよい。
読者の注意は、この出願に関連した明細書と同時に又はその前に提出されそし
てこの明細書と共に公けの閲覧に付された論文又は文献に向けられ、かかる論文
又は文献の内容は参考として本願に含まされる。
本願明細書(請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示された特徴の全て
、および/又は開示された方法又は工程の全ては、どのように組合わされてもよ
いが、但しかかる特徴および/又は工程の少なくともいくつかが互いに排他的で
ある組合わせを除く。
本願明細書(請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示された各特徴は、
特に記載のない限り、同じ又は同等の又は類似の目的に役立つ代替の特徴で置き
換えてもよい。従って、特に記載のない限り、開示された各特徴は同等の又は類
似の特徴の一例にすぎない。
本発明は前記の態様の詳細に限定されない。本発明は本願明細書(請求の範囲
、要約書および図面を含む)に開示された新規な特徴の一つ又は新規な特徴の組
合わせに及ぶ、或いは開示された新規な方法又は工程の一つ又はそれらの組合わ
せにまで及ぶ。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年2月20日
【補正内容】
明細書
磁気センサー 発明の技術分野
本発明は磁気センサーに関する。
磁気センサーは、磁界又は電流の離隔感知が必要とされる分野での応用が見出
されている。従来の技術
典型的な応用において、ホール効果のような磁気センサーは、手持式の測定器
具に使用される。かかる手持式の測定器具は典型的には開閉可能な一対のジョー
を含み、従ってその間を導電体が通過することができる。導電体を所定の位置に
置いて、ジョーを閉じそして該ジョー内に位置する一つ又はそれ以上の磁気セン
サーを、該導電体に依存する電気出力を発生するように配置する。発明が解決しようとする課題
上述のタイプの器具において、該センサーは、ジョーの少なくとも一端部の面
に隣接して置くのが一般的である。当然、該センサーは、閉じたジョーにより規
定される空間に保持された導電体から磁気的に遮断されてはならない。これに関
して、集積回路又はチップの形体であることができるセンサーが置かれた場合、
ジョーの端部面を単にプラスチック製キャップでおおうのが普通である。しかし
ながら残念なことに、センサーをかかる手段でおおうと、導電体により発生する
磁場の影響を受けるばかりでなく、閉じたジョーにより規定される領域の外側か
らの漂遊電界により影響され得、間違った又は不正確な読みを与える。
ドイツ特許出願DE−A−3,817,299は、電気測定器具の一部を形成 する磁気センサー装置であって、導電体に伴う性質を測定するために該導電体の 周りに取付けられる手段を有し、ここで該センサー装置は、一つ又はそれ以上の 妨害(interference)源から少なくとも部分的に遮断された、上記 の磁気センサー装置を開示する。これは、電流センサー部材をコア材料のくぼみ 内に位置させそして該電流センサーを接地部材およびカバープレートで覆うこと により達成される。 課題を解決するための手段
発明の第1の側面によると、電気測定器具の一部を形成する磁気センサー装置
であって、該器具は導電体に伴う性質を測定するために該導電体の周りに取付け
られる手段を有す上記センサー装置が提供され、そしてここで該センサー装置は
、所定の材料から成る一対のアームの一つの端部面に形成されたくぼみ内にに設 けられた少なくとも一つのセンサーを含み、該アームは互いに近づいたり離れた りする運動を行うために設けられ、該アームは該導電体の周りに取付けられる該 手段を形成し、そして該端部面は該アームが閉じた位置にあると、上記材料の連 続ループが形成されるように露出されていることを特徴とし、これにより該セン サー又は各センサーを一つ又はそれ以上の妨害(interference)源 から遮断する。
上記の妨害は磁気妨害であることができる。
一対のセンサーを設けてもよい。
好ましくは、該センサー又は各センサーは、導電体の周りに取付けられる手段
上又は該手段内に設けられる。
該アームは好ましくは、本体部材に対して運動するために、該本体部材上に設
けられる。
該アーム又はループは、好ましくは透磁性材料を含む。
該材料は多くの薄板から形成し得る。
或いは、該材料はストリップを巻いたコアを含むことができる。
該材料がストリップを巻いたコアである場合、該くぼみはミル処理(mill
ing)によって形成し得る。該材料が多くの薄板から成る場合、該薄板の形状
を、一つ又は複数のくぼみを与えるように配置してもよい。
該くぼみは好ましくは、該センサー又は各センサーが導電体によって発生した
磁場に曝されるが漂遊電界からは遮断されるように形成する。
好ましくは、アームの周りに電気的巻線を設け、そして該センサー又は各セン
サーは制御回路の一部を形成し、これにより導電体を流れる1次電流はアームの
材料内で1次の磁束を誘発し、そして該センサー又は各センサーからの出力は上
記の巻線を流れる2次電流を制御するのに使用される。好ましくは、2次電流は
該材料内に2次磁束を誘導するように配置され、このことは導電体により発生さ
れる1次磁束と反対である。そして該センサー又は各センサーは該2次電流の量
を制御するように配置されるので、2次磁束が1次磁束と正確につり合う時点に
到達し、そしてその時点で該センサー又は各センサーからの出力はゼロである。
上記の技術は磁束ゼロ化(flux nulling)として知られており、
この技術を用いて、1次電流の値を非常に正確に決定することができる。
好ましくは磁気センサーはホール効果センサーから成る。
本発明の第2の側面によると、本発明は、第1の側面の磁気センサー装置を含
む電気測定器具に及ぶ。本発明の第1の側面による特徴又は特徴の組合わせを、
第2の側面の器具と組合わせることができる。
例として、本発明の特定の態様を添付の略図を参照して記述する。
第1図は、一対の磁気センサーを用いた手持式測定器具を示す。
第2図は、磁気センサーを含む一対のアームを示す。
第3、4および5図は、第2図のアームの形成に使用し得る種々のタイプの薄
板を示す。
第6図は、上記器具のアームを該器具の制御操作用スイッチとして使用し得る
ようにした配列を示す。
第1図に示す器具において、ハウジング10には、手で持てるように一般に長
方形部分11が設けられる。部分11から一対のジョー12、13が突き出てお
り、該ジョーは導電体の周りの器具をつかむように、トリガー14の操作によっ
て開くことができる。使用に際して、導電体は、閉じたジョー12、13の内側
の第1図に示す軸15に沿って延び、該ジョーは強磁性材料の一対のアームを含
み、該アーム内に、該導電体によって発生した電磁界により電流が誘導される。
該ジョー12、13はまた一対の磁気センサーをも含み、該センサーは、記載し
た態様においては、該導電体を流れる電流に依存性の出力を生じるホール効果セ
ンサーである。
第2図を参照すると、一対のアーム20、21が示されている。アーム20、
21は全体的に半円形に形成されているが、実際はどのような形状であってもよ
い。
アーム20、21は互いに積み重ねられた連続した薄板22−34から成る。
該薄板は導電性材料から成る。薄板20〜25および32〜34は第3または第
4図に示されるような第1構造を有し、そして薄板26〜31は第5図に示され
るような第2構造を有する。これらの二つの薄板構造体は組合わされて、アーム
20の端部領域でくぼみ35、36を形成する。
二つのくぼみ35、36は夫々、ホール効果センサー37、38を収容する。
ホール効果センサー37、38は夫々、出力接続線39〜42を有する。これ
らの接続線は第2図の略図では接続されていないように示されているが、使用時
には、第1図の器具10のような電気測定器具に接続する電線に接続されるであ
ろう。
アーム20、21は、プラスチック製カバー又は類似体(図示なし)を受け入
れるための固定部材として作用する突起43、44、45および46を有し、従
って、ジョーの内側面、外側面、上側面および下側面47、48、49、50を
電気的に絶縁する。該プラスチック製カバーはアーム20、21の端部面を越え
て延長しない。
第2図には示されていないが第1図に示されているプラスチック製カバーは、
器具10のような器具の使用者を保護する。
使用に際し、ジョー12、13内に器具10の部品として収容されたアーム2
0、21は、導電体を該アームの間に配置できるように、開けられる。一旦導電
体が配置されると、ジョーは閉じられる。
次に電気測定器具10は、導電体を流れる電流に関連する多くのパラメータの
いずれかを測定するのに使用し得る。
該器具は次のように作動する:ジョー12、13の間に置かれた導電体内を流
れる1次電流は該導電体の周りに磁界を発生させる。磁界はジョーの透磁性材料
内に第1磁束を誘発する。電気巻線がジョーの周りに且つプラスチック製カバー
内に設けられ、これらの巻線は第1磁束に対向する第2磁束を該ジョー内に発生
させるために使用される。
全磁束はホール効果センサー37、38により検出され、その出力は、フィー
ドバックシステム内で2次電流、従って2次磁束、のレベルを制御するために使
用される。
ホール効果の出力が実質的にゼロの状態に達した時、器具10内に発生した2
次電流が、1次電流によりジョー内に誘導された磁界を正確に相殺する状態に達
しているであろう。このようにして、1次電流を容易に且つ正確に決定すること
ができる。
上記の測定法は磁束ゼロ化として知られている。
ホール効果センサー37、38はアーム20、21内に形成されたくぼみ内に
正確に配置されているので、変換器37、38は、閉じたジョー内からは出ない
外部のあらゆる漂遊電界から遮断される。
アームの端部面が露出されているという事実により、一対のアーム20、21
は結合された場合、単一の磁気回路ループを形成する。このループは効率のよい
磁気伝導体として作用しそして器具10に非常に良い高周波特性を与える。
ホール効果センサー37、38をくぼみ35、36内に収容することによりも
たらされる遮断効果のため、器具10は典型的には、遮断されていない磁気セン
サーを有する器具の10倍までのオーダーで、漂遊電界の影響を拒絶する。
薄板から作られたアーム20、21の代替物として、アームは、端部面内にホ
ール効果センサー37、38を受容するために加工された又はその他の方法で形
成されたくぼみを有する、ストリップを巻いたコアから形成してもよい。
前述の通り、一旦ジョー12、13が閉じそしてアーム20、21の端部面が
互いに接触すると、電気器具10は関連するパラメーターを測定するための操作
状態にすることができる。第6図は、ジョーが閉じた場合を示すための例示的な
回路を示す。
第6図からわかるように、アーム20、21はその上に置かれた電気接続線を
有するように配置されるので、ジョー12、13が閉じた時、ノード51、52
の間に短い回路が形成される。ノード51と52とを一緒にするとトランジスタ
T1を「オン」にすることができ、そして出力電圧Voutを器具10に発生させる
ことができる。例示した事例において、Voutは0.5Vccであろう。ジョーを開
きそしてアーム20、21を互いに離すと、ノード51および52が切断されそ
してトランジスタT1を「オン」にすることはできない。このような状況ではVo ut
は接地電圧にあるであろう。このことから、ジョーが閉じた時を指示する非常
に簡単な手段が、器具10のジョー12、13をスイッチとして使用することに
より、提供されることがわかる。
種々の異なるアームはジョーの構造を本発明の範囲から逸脱することなく採用
することができる。例えば、一つのジョーをある位置に固定しそして他のジョー
を可動とし得る。或いは、ある態様ではジョーを全く含まず、その代わりに連続
の又は非連続のループを用いてもよい。
請求の範囲
1.電気測定器具(10)の一部を形成する磁気センサー装置であって、該器具
(10)は導電体に伴う性質を測定するために該導電体の周りに取付けられる手
段を有し、該センサー装置は、所定の材料から成る一対のアーム(20,21)の一つの端部面に形成されたくぼみ(35,36)内にに設けられた少なくとも 一つのセンサー(37,38)を含み、該アームは互いに近づいたり離れたりす る運動を行うために設けられ、該アーム(20,21)は該導電体の周りに取付 けられる該手段を形成し、そして該端部面は該アーム(20,21)が閉じた位 置にあると、上記材料の連続ループが形成されるように露出されていることを特 徴とし、これにより該センサー又は各センサーを一つ又はそれ以上の妨害源から 遮断する
、上記の磁気センサー装置。
2.上記の妨害が磁気妨害である、請求の範囲第1項記載の装置。
3.一対のセンサー(37、38)が設けられている、請求の範囲第1又は第2
項記載の装置。
4.上記センサー(37、38)又は各センサー(37、38)が導電体の周り
に取付けられる手段上に又は該手段内に設けられている、請求の範囲第1、第2
又は第3項記載の装置。5
.上記のアーム(20、21)が夫々、本体部材に対して運動するために該本
体部材上に設けられている、請求の範囲第1ないし4項のいずれか1項記載の装
置。6
.上記のアーム(20、21)が透磁性材料を含む、請求の範囲第5項記載の
装置。7
.上記の透磁性材料が多くの薄板(22−31)から形成される、請求の範囲
第6項記載の装置。8
.上記の透磁性材料がストリップを巻いたコアを含む、請求の範囲第6項記載
の装置。9
.上記のくぼみ(35、36)がミル処理により形成される、請求の範囲第1 ないし8項のいずれか1項
記載の装置。10
.上記の薄板(22−31)がくぼみ(35、36)を与えるように形成さ
れる、請求の範囲第7項記載の装置。11
.該センサー(37、38)又は各センサーが導電体により発生する磁界に
曝されるが漂遊電界からは遮断されるように上記のくぼみ(35、36)又は各
くぼみが形成される、請求の範囲第1ないし10項のいずれか1項記載の装置。12
.電気巻線がアーム(20、21)の周りに設けられ、そしてセンサー(3
7、38)又は各センサーが制御回路の一部を形成し、これにより該導電体を流
れる1次電流が該アームの材料内に1次磁束を誘導し、そしてセンサー(37、
38)又は各センサーからの出力が該巻線を流れる2次電流を制御するために使
用される、請求の範囲第1ないし11項のいずれか1項記載の装置。13
.上記の2次電流が該材料内に2次磁束を誘導するように配置され、該2次
磁束は導電体により発生する1次磁束と対向し、そしてセンサー(37、38)
又は各センサーは該2次電流の量を制御するように配置され、従って該2次磁束
が該1次磁束と正確に釣り合う時点に到達し、その時点ではセンサー(37、3
8)又は各センサーからの出力がゼロになる、請求の範囲第12項記載の装置。14
.上記のセンサー(37、38)又は各センサーがホール効果センサーから
成る、請求の範囲第1ないし13項のいずれか1項記載の装置。15
.請求の範囲第1ないし14項のいずれか1項記載の磁気センサー装置を含
む電気測定器具(10)。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
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,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,
LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M
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