JPWO2014010013A1 - 電流センサ用コア及び電流センサ - Google Patents
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Abstract
周辺に配置された電路から発生する磁束の影響を低減する電流センサ用コア及び電流センサを提供する。電路から発生する磁束を磁気センサに集束させる電流センサ用コアであって、前記電路を挿通可能な大きさを有し、前記電流センサ用コアを貫通する貫通孔と、前記磁気センサを配置可能な大きさを有し、前記貫通孔の開口部の縁を切り欠くように前記貫通孔の長手方向に沿って形成されるスリットと、前記スリットと直交するように形成され、前記スリットを分割するスリット分割溝と、を備える。
Description
本願は、電流センサ用コア及び電流センサに関する。
近年、電力需要の増加や地球環境への配慮から、電力消費量を削減する取り組みが盛んになっている。電力消費量を節減する取り組みの具体例としては、例えば、電源スイッチをこまめに切る、或いは、空調の温度設定を見直す等の取り組みが挙げられる。
電気機器の電力消費量に関する情報は、電力消費量を節減する取り組みを行う上で有用である。また、節電による電力消費量の削減量に関する情報は、節電を継続して行う際のモチベーションの維持や省エネルギー意識の向上に有用である。そこで、例えば、分電盤やテーブルタップに各種の電流センサ(例えば、特許文献1を参照)を設置し、分電盤やテーブルタップの配下に繋がる電気機器の電力消費量に関する情報を取得することが試みられている。
各種の電気機器に電流センサを設置する場合、電流センサの周辺に配置された電路から発生する磁束(「クロストーク」という場合もある)が電流センサを通過し、電流センサの測定精度を悪化させる場合がある。例えば、分電盤やテーブルタップといった電源線を分岐する電気機器の分岐線に設置した電流センサは、母線や他の分岐線を流れる電流によって発生する磁束の影響を受ける場合がある。
そこで、本願は、周辺に配置された電路から発生する磁束の影響を低減する電流センサ用コア及び電流センサを提供する。
本願は、次のような電流センサ用コアを開示する。
電路から発生する磁束を磁気センサに集束させる電流センサ用コアであって、
前記電路を挿通可能な大きさを有し、前記電流センサ用コアを貫通する貫通孔と、
前記磁気センサを配置可能な大きさを有し、前記貫通孔の開口部の縁を切り欠くように前記貫通孔の長手方向に沿って形成されるスリットと、
前記スリットと直交するように形成され、前記スリットを分割するスリット分割溝と、を備える、
電流センサ用コア。
電路から発生する磁束を磁気センサに集束させる電流センサ用コアであって、
前記電路を挿通可能な大きさを有し、前記電流センサ用コアを貫通する貫通孔と、
前記磁気センサを配置可能な大きさを有し、前記貫通孔の開口部の縁を切り欠くように前記貫通孔の長手方向に沿って形成されるスリットと、
前記スリットと直交するように形成され、前記スリットを分割するスリット分割溝と、を備える、
電流センサ用コア。
また、本願は、次のような電流センサを開示する。
上記電流センサ用コアと、
前記スリットのうち前記スリット分割溝によって分割された何れかのスリットに配置される磁気センサと、を備える、
電流センサ。
上記電流センサ用コアと、
前記スリットのうち前記スリット分割溝によって分割された何れかのスリットに配置される磁気センサと、を備える、
電流センサ。
上記電流センサ用コア及び電流センサであれば、周辺に配置された電路から発生する磁束の影響が低減される。
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様を例示したものであり、本願発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
図1は、実施形態に係る電流センサ用コアを斜め上から示した図の一例である。また、図2は、電流センサ用コア1を斜め下から示した図の一例である。電流センサ用コア1は、電路から発生する磁束をセンサ素子に集束させる磁性体であり、貫通孔2、スリット3およびスリット分割溝4を備える。貫通孔2は、電路が挿通される孔であり、磁性体である電流センサ用コア1を貫通する。スリット3は、貫通孔2の開口部の縁を切り欠くように貫通孔2の長手方向に沿って延在する。また、スリット分割溝4は、スリット3を2つのスリット3−1,3−2に分割する溝であり、スリット3と直交するように形成されている。スリット3を分割するという目的に鑑みれば、スリット分割溝4の高さ(深さ)は、スリット3の高さ(深さ)以上であることが好ましい。
なお、電流センサ用コア1に用いる磁性体の材料は特に限定されない。よって、電流センサ用コア1は、例えば、電流の測定に影響を与えるヒステリシスを抑えるために透磁率と保磁力の小さいフェライト等の磁性体を用いることが可能である。
図3は、上記電流センサ用コア1を電流センサに適用したテーブルタップの内部構造を示した図の一例である。テーブルタップ10は、交流電源をコンセントプラグ11に分岐接続可能な電気機器であり、図示しない樹脂性のカバーで覆われる。なお、図3では、プラグの差込口が4つあるタイプのテーブルタップ10を図示しているが、差込口の数は、1乃至3つ又は5つ以上であってもよい。また、上記電流センサ用コア1は、テーブルタップに設けた電流センサに適用する場合に限定されるものでなく、電路を有するあらゆる電気機器に適用可能である。また、上記電流センサ用コア1は、電源線に取り付けた電流センサに適用する場合に限定されるものでなく、電気が流れるあらゆる電路に取り付けた電流センサに適用可能である。
テーブルタップ10は、差込口の各端子を充電する共通バスバー12−1,12−2と、差込口の接地端子を接地する共通バスバー12−Eと、を備える。差込口の各端子のうち共通バスバー12−2によって充電される端子と共通バスバー12−2との間は、分岐バスバー13により電気的に接続されている。各差込口に対応する4つの分岐バスバー13には、上記電流センサ用コア1を適用した電流センサ20がそれぞれ設けられている。共通バスバー12−1,12−2,12−Eや分岐バスバー13は、導電性の部材を適用可能であり、例えば、真鍮板等の金属板を加工したものを適用可能である。なお、電流センサ20は、4つの分岐バスバー13全てに設ける態様に限定されるものでなく、例えば、複数ある分岐バスバー13のうち何れか一又は複数の分岐バスバー13に設けてもよい。
図4は、電流センサ20の拡大図の一例である。電流センサ20は、テーブルタップ10の各差込口に対応するようにプリント基板14に設けられる。電流センサ20は、プリント基板14に取り付けられたホール素子21と、ホール素子21がスリット3の中に配置されるようにプリント基板14に固定された電流センサ用コア1とによって形成される。分岐バスバー13は、プリント基板14に固定された電流センサ用コア1の貫通孔2に挿通される。分岐バスバー13が貫通孔2に挿通されるため、貫通孔2の長手方向に沿って延在するスリット3内には、分岐バスバー13の電流より発生する磁束がスリット3の長手方向に直交して発生する。これにより、分岐バスバー13の電流より発生する磁束がホール素子21の感磁面を貫く。なお、電流センサ20は、ホール素子21の代わりに磁気抵抗素子を適用してもよい。
電流センサ20は、分岐バスバー13の電流を計測する機能を司る。すなわち、電流センサ20は、分岐バスバー13を取り囲むように電流センサ用コア1が磁気回路を形成している。よって、分岐バスバー13から発生する磁界の磁束は電流センサ用コア1が形成する磁気回路に集束する。電流センサ用コア1が形成する磁気回路に集束した磁束は、電流センサ用コア1に形成されているスリット3内に磁界を形成する。スリット3内に形成される磁界の磁束密度は、分岐バスバー13を流れる電流に比例する。そこで、電流センサ20は、スリット3の中に配置したホール素子21が検知するスリット3内の磁束密度に応じたセンサ信号を、分岐バスバー13を流れる電流を示す信号として出力する。
図5は、ホール素子21の位置関係を示した図の一例である。電流センサ20は、2つのスリット3−1,3−2のうち何れか一方のスリットの中にホール素子21が配置されるように、電流センサ用コア1がプリント基板14に固定されている。電流センサ20は、2つのスリット3−1,3−2のうち何れか一方のスリットの中にホール素子21を配置することにより、次のような効果を生ずる。
図6は、従来例に係る電流センサ用コアを適用した電流センサの拡大図の一例である。従来例に係る電流センサ用コア101は、スリットを分割するスリット分割溝が形成されていない。また、従来例に係る電流センサ用コア101は、実施形態に係る電流センサ用コア1に比べると、スリット方向の厚さがスリット3−1(又は3−2)の長さ分だけ薄くなっている。従来例に係る電流センサ120は、プリント基板114に取り付けたホール素子121がスリット内に配置されるように、電流センサ用コア101をプリント基板114に固定することにより形成される。
図7は、実施形態に係る電流センサ20を通過する磁束の流れを示した図の一例である。また、図8は、従来例に係る電流センサ120を通過する磁束の流れを示した図の一例である。図7や図8に示すように、電流センサ20,120には、共通バスバー12−1,12−2,112−1,112−2を流れる電流によって発生する磁束が通過する。ここで、実施形態に係る電流センサ20は、スリット3がスリット分割溝4によって分割されている。よって、実施形態に係る電流センサ20のホール素子21には、図7に示すように、共通バスバー12−2から発生した磁束はほとんど通過せず、分岐バスバー13から発生する磁束が通過することになる。一方、従来例に係る電流センサ120は、スリットを分割するスリット分割溝が形成されていないため、図8に示すように、ホール素子121には共通バスバー112−1,112−2の両方から発生する磁束が通過する。すなわち、テーブルタップ内では、共通バスバー112−1,112−2を流れる電流から磁束が生ずるため、例えば、電気的負荷の繋がっていない差込口に対応する電流センサ120のホール素子121が磁気を検知する場合がある。この結果、電流が流れていないのにも係わらず電流が流れているように見えてしまう現象が生ずる(磁気クロストーク)。
このように、実施形態に係る電流センサ用コア1は、従来例に係る電流センサ用コア101に比べ、周辺に配置された電路から発生する磁束の影響がスリット分割溝4により低減可能である。すなわち、電流センサ用コア1は、スリット分割溝4に分割されることにより、ホール素子21が配置されることにより測定機能を司る部分と、周辺に配置された電路から発生する磁束をシールドする機能を司る部分とに分けられている。そして、スリット3−1およびスリット3−2のうち何れか一方のスリットが電流検知用のスリットとして機能し、何れか他方が磁気シールド用のスリットとして機能する。そして、共通バスバー12−2に対する、電流検知用のスリットの位置が、磁気シールド用のスリットの位置よりも遠い位置に配置される。このため、分岐バスバー13以外の電路から発生する磁気が磁気シールド用のスリットに分散され、ホール素子21が配置される電流検知用のスリットへの不要な磁気の進入が抑制される。よって、例えば、実施形態に係る電流センサ20のようにテーブルタップに適用した場合、ホール素子21は、従来例に係る電流センサ120のホール素子121に比べ、共通バスバーから発生する磁束が通過しにくい。従って、実施形態に係る電流センサ20のセンサ出力の誤差を、従来例に係る電流センサ120のセンサ出力の誤差に比べて小さくすることが可能である。
また、実施形態に係る電流センサ20は、共通バスバー12−2から発生した磁束がホール素子21を通過しないよう、スリット3の長手方向が共通バスバー12−2の長手方向と直交するようにテーブルタップ10内に配置されていた。しかし、電流センサ20は、このような適用例に限定されるものでなく、例えば、スリット3の長手方向が共通バスバーの長手方向に対して斜め或いは平行に配置してもよい。
また、実施形態に係る電流センサ20は、ホール素子21を配置したスリットが、ホール素子21を配置しないスリットと同等の長さである。しかし、電流センサ20は、このような態様に限定されるものでなく、周辺の電路から発生する磁束の密度に応じてホール素子21を配置しないスリットの長さを他方のスリットの長さより長くしてもよいし、或いは短くしてもよい。
<第一変形例>
図9は、実施形態に係る電流センサ用コア1を変形した第一変形例に係る電流センサ用コアを適用した電流センサの拡大図の一例である。第一変形例に係る電流センサ用コア1Aは、スリット分割溝4Aがスリット3Aのみならず、電流センサ用コア1A全体を分割している。すなわち、第一変形例に係る電流センサ用コア1Aは、電流センサ用コア1Aをスリット分割溝4Aにより2つに完全に分割している。よって、第一変形例に係る電流センサ用コア1Aを適用した電流センサ20Aであれば、周辺に配置された電路から発生する磁束の影響を、実施形態に係る電流センサ用コア1よりも更に低減可能である。
図9は、実施形態に係る電流センサ用コア1を変形した第一変形例に係る電流センサ用コアを適用した電流センサの拡大図の一例である。第一変形例に係る電流センサ用コア1Aは、スリット分割溝4Aがスリット3Aのみならず、電流センサ用コア1A全体を分割している。すなわち、第一変形例に係る電流センサ用コア1Aは、電流センサ用コア1Aをスリット分割溝4Aにより2つに完全に分割している。よって、第一変形例に係る電流センサ用コア1Aを適用した電流センサ20Aであれば、周辺に配置された電路から発生する磁束の影響を、実施形態に係る電流センサ用コア1よりも更に低減可能である。
<第二変形例>
図10は、実施形態に係る電流センサ用コア1を変形した第二変形例に係る電流センサ用コアを斜め上から示した図の一例である。また、図11は、電流センサ用コア1Bを斜め下から示した図の一例である。電流センサ用コア1Bは、貫通孔2B、スリット3Bの他、2つのスリット分割溝4B−1,4B−2を備える。第二変形例に係る電流センサ用コア1Bは、2つのスリット分割溝4B−1,4B−2により、スリット3を3つのスリット3B−1,3B−2,3B−3に分割している。また、第二変形例に係る電流センサ用コア1Bは、実施形態に係る電流センサ用コア1に比べると、スリット方向の厚さがスリット3B−3の長さ分だけ厚くなっている。
図10は、実施形態に係る電流センサ用コア1を変形した第二変形例に係る電流センサ用コアを斜め上から示した図の一例である。また、図11は、電流センサ用コア1Bを斜め下から示した図の一例である。電流センサ用コア1Bは、貫通孔2B、スリット3Bの他、2つのスリット分割溝4B−1,4B−2を備える。第二変形例に係る電流センサ用コア1Bは、2つのスリット分割溝4B−1,4B−2により、スリット3を3つのスリット3B−1,3B−2,3B−3に分割している。また、第二変形例に係る電流センサ用コア1Bは、実施形態に係る電流センサ用コア1に比べると、スリット方向の厚さがスリット3B−3の長さ分だけ厚くなっている。
図12は、上記電流センサ用コア1Bを電流センサに適用したテーブルタップの内部構造を示した図の一例である。テーブルタップ10Bは、上記実施形態に係るテーブルタップ10と同様、差込口の各端子を充電する共通バスバー12B−1,12B−2と、差込口の接地端子を接地する共通バスバー12BEと、を備える。差込口の各端子のうち共通バスバー12B−2によって充電される端子と共通バスバー12B−2との間は、分岐バスバー13Bにより電気的に接続されている。
図13は、電流センサ20Bの拡大図の一例である。電流センサ20Bは、電流センサ用コア1Bの貫通孔2Bに分岐バスバー13Bが配置されるよう、共通バスバー12Bや分岐バスバー13Bを支持するプリント基板14Bに固定される。電流センサ20Bは、プリント基板14Bに取り付けられたホール素子21Bと、ホール素子21Bが3つのスリット3B−1,3B−2,3B−3のうち中央のスリット3B−2の中に配置されるようにプリント基板14Bに固定された電流センサ用コア1Bとによって形成される。
図14は、ホール素子の位置関係を示した図の一例である。電流センサ20Bは、3つのスリット3B−1,3B−2,3B−3のうち中央のスリット3B−2の中にホール素子21Bが配置されるように、電流センサ用コア1Bがプリント基板14Bに固定されている。電流センサ20Bは、3つのスリット3B−1,3B−2,3B−3のうち中央のスリット3B−2の中にホール素子21Bを配置することにより、次のような効果を生ずる。
図15は、第二変形例に係る電流センサ20Bを通過する磁束の流れを示した図の一例である。図15に示すように、電流センサ20Bには、共通バスバー12B−1,12B−2を流れる電流によって発生する磁束が通過する。ここで、第二変形例に係る電流センサ20Bは、スリット3Bが2つのスリット分割溝4B−1,4B−2によって分割されている。よって、共通バスバー12B−1から発生する磁束は、共通バスバー12B−1に近いスリット3B−1(又は3B−3)に集束する。また、共通バスバー12B−2から発生する磁束は、共通バスバー12B−2に近いスリット3B−3(又は3B−1)に集束する。この結果、図15に示すように、ホール素子21Bには分岐バスバー13Bから発生する磁束が通過するものの、共通バスバー12B−1,12B−2から発生した磁束はほとんど通過しなくなる。
このように、第二変形例に係る電流センサ用コア1Bは、周辺に配置された電路から発生する磁束の影響を従来例に係る電流センサ用コア101よりも低減可能である。よって、例えば、第二変形例に係る電流センサ20Bのようにテーブルタップに適用した場合、ホール素子21Bは、従来例に係る電流センサ120のホール素子121に比べ、共通バスバーから発生する磁束が通過しにくい。よって、第二変形例に係る電流センサ20Bのセンサ出力の誤差を、従来例に係る電流センサ120のセンサ出力の誤差に比べて小さくすることが可能である。
<第三変形例>
図16は、第二変形例に係る電流センサ用コア1Bを変形した第三変形例に係る電流センサ用コアを適用した電流センサの拡大図の一例である。第三変形例に係る電流センサ用コア1Cは、スリット分割溝4C−1,4C−2がスリット3Cのみならず、電流センサ用コア1C全体を3つに分割している。すなわち、第三変形例に係る電流センサ用コア1Cは、電流センサ用コア1Cをスリット分割溝4C−1,4C−2により3つに完全に分割している。よって、よって、第三変形例に係る電流センサ用コア1Cを適用した電流センサ20Cであれば、周辺に配置された電路から発生する磁束の影響を、第二変形例に係る電流センサ用コア1Bよりも更に低減可能である。
図16は、第二変形例に係る電流センサ用コア1Bを変形した第三変形例に係る電流センサ用コアを適用した電流センサの拡大図の一例である。第三変形例に係る電流センサ用コア1Cは、スリット分割溝4C−1,4C−2がスリット3Cのみならず、電流センサ用コア1C全体を3つに分割している。すなわち、第三変形例に係る電流センサ用コア1Cは、電流センサ用コア1Cをスリット分割溝4C−1,4C−2により3つに完全に分割している。よって、よって、第三変形例に係る電流センサ用コア1Cを適用した電流センサ20Cであれば、周辺に配置された電路から発生する磁束の影響を、第二変形例に係る電流センサ用コア1Bよりも更に低減可能である。
<電流センサに適用する回路の一例>
図17は、上記実施形態に係る電流センサ20に適用可能な回路ブロック図の一例である。処理回路30は、テーブルタップ10に内蔵可能な回路であり、ADC(Analog to Digital)31やMPU(Micro-Processing Unit)35、通信ポート32、周期センサ33−1,33−2、温度センサ34を備える。なお、処理回路30は、上記実施形態に係る電流センサ20のみならず、各変形例に係る電流センサ20A,20B,20Cに適用することも可能である。ADC31は、アナログ信号をデジタル信号へ変換する回路である。MPU35は、記憶回路にロードしたコンピュータプログラムを実行可能な演算装置である。周期センサ33−1,33−2は、ADC31のサンプリング周期を交流電源の周期と同期させる目的で設置されるフォトカプラであり、交流電圧の正負を識別可能なように2つ設けられる。通信ポート32は、テーブルタップ10の外部に繋がる機器へデータを送信する通信回路であり、有線方式と無線方式の何れの方式についても適用可能である。温度センサ34は、テーブルタップ10内の温度を測定するセンサである。
図17は、上記実施形態に係る電流センサ20に適用可能な回路ブロック図の一例である。処理回路30は、テーブルタップ10に内蔵可能な回路であり、ADC(Analog to Digital)31やMPU(Micro-Processing Unit)35、通信ポート32、周期センサ33−1,33−2、温度センサ34を備える。なお、処理回路30は、上記実施形態に係る電流センサ20のみならず、各変形例に係る電流センサ20A,20B,20Cに適用することも可能である。ADC31は、アナログ信号をデジタル信号へ変換する回路である。MPU35は、記憶回路にロードしたコンピュータプログラムを実行可能な演算装置である。周期センサ33−1,33−2は、ADC31のサンプリング周期を交流電源の周期と同期させる目的で設置されるフォトカプラであり、交流電圧の正負を識別可能なように2つ設けられる。通信ポート32は、テーブルタップ10の外部に繋がる機器へデータを送信する通信回路であり、有線方式と無線方式の何れの方式についても適用可能である。温度センサ34は、テーブルタップ10内の温度を測定するセンサである。
図18は、処理回路30が実現するデータ算出処理のフローチャートの一例である。また、図19は、各種波形のタイミングチャートの一例である。
上記処理回路30が作動すると、温度センサ34のアナログ信号がADC31に入力される(S101)。ADC31は、温度センサ34のアナログ信号のサンプリングを行い、デジタル信号をMPU35に入力する(S102)。MPU35は、入力された温度センサ34のデジタル信号のデータに基づいて温度を算出する(S103)。MPU35は、記憶装置に記憶されている既定の数式あるいはテーブルを参照し、算出した温度に対応する温度補正係数を算出する(S104)。
また、テーブルタップ10が交流電源に接続されると(S105)、周期センサ33−1,33−2が動作する(S106)。周期センサ33−1は、交流電源の電圧波形SVの周期を検知し、その周期に同期して「0」または「1」の周期信号SF−1を出力する。周期センサ33−2も、周期センサ33−1と同様、交流電源の電圧波形SVの周期に同期する周期信号SF−2を出力するが、周期センサ33−1と極性が反転するように閾値を設定している。MPU35は、入力された周期センサ33−1,33−2の信号に基づき、交流電源の周期Tn及び周期信号SF−1が立ち下がってから周期信号SF−2が立ち上がるまでの時間TEDGEnを算出する(S107)。MPU35は、ステップS104において算出した温度補正係数を参照し、周期センサ33−1,33−2の出力に基づき、交流電源の電圧(ピーク値)の算出処理(S108)、及び、交流電源の電圧(実効値)の算出処理(S109)を実行する。また、MPU35は、ステップS107において算出した周期Tn及び時間TEDGEnに基づき、電圧および電流のサンプリングレート及びサンプリングタイミングを算出する(S110)。
また、テーブルタップ10が交流電源に接続されると(S112)、ホール素子21が動作する(S113)。ADC31は、ステップS110においてMPU35が算出したサンプリングレート及びサンプリングタイミングに従い、ホール素子21から出力されるアナログ信号のサンプリングを実行する(S114)。MPU35は、ステップS114においてサンプリングしたホール素子21のデジタルデータから、交流電源の電流(瞬時値)の算出処理(S115)、及び、交流電源の電流(実効値)の算出処理(S116)を実行する。
また、MPU35は、ステップS111において算出した交流電源の電圧(瞬時値)およびステップS115において算出した交流電源の電流(瞬時値)に基づき、交流電源の有効電力値を算出する(S117)。また、MPU35は、ステップS109において算出した交流電源の電圧(実効値)およびステップS116において算出した交流電源の電流(実効値)に基づき、交流電源の皮相電流値を算出する(S118)。また、MPU35は、ステップS117において算出した有効電力値およびステップS118において算出した皮相電力値に基づき、力率を算出する(S119)。
MPU35は、上記一連の処理によって算出される電力のパラメータを、通信ポート32を介して外部出力する。なお、上記電流センサ20,20A,20B,20Cに適用可能な処理回路は、図17に示した回路例に限定されるものではなく。上記電流センサ20,20A,20B,20Cは、例えば、電流信号のみを取り扱う回路に適用することも可能である。
<電流センサを適用したシステムの一例>
図20は、上記実施形態に係る電流センサ20を適用した電力測定システムを示した図の一例である。電力測定システム40は、例えば、図20に示すように、上記電流センサ20および処理回路30を内蔵したセンサユニット41を、PC(Personal Computer)42やゲートウェイ43、サーバ44を擁する通信ネットワークに接続することにより構築可能である。各センサユニット41は、例えば、テーブルタップや分電盤といった各種の配電機器に取り付け可能である。
図20は、上記実施形態に係る電流センサ20を適用した電力測定システムを示した図の一例である。電力測定システム40は、例えば、図20に示すように、上記電流センサ20および処理回路30を内蔵したセンサユニット41を、PC(Personal Computer)42やゲートウェイ43、サーバ44を擁する通信ネットワークに接続することにより構築可能である。各センサユニット41は、例えば、テーブルタップや分電盤といった各種の配電機器に取り付け可能である。
上記電力測定システム40であれば、各センサユニット41から送信されるデータをPC42やサーバ44に蓄積することが可能となる。また、上記電力測定システム40であれば、PC42やサーバ44に蓄積したデータを解析することにより、各センサユニット41の配下にある電気機器の電力消費状態を把握し、各電気機器の適切な運用を図ることが可能となる。
<スリット分割溝の検証>
スリット分割溝の検証を行ったのでその結果を以下に示す。
スリット分割溝の検証を行ったのでその結果を以下に示す。
従来例に係る上記電流センサ120(以下、比較例という)をテーブルタップに取り付けた。比較例は、サイズが9×16×5mm、スリット幅が1.4mm、透磁率が600のフェライト製のコアを用いた電流センサである。このような比較例を、32mmのピッチで差込口が並ぶテーブルタップに取り付け、特定の差込口から20Aの交流電流を流したところ、検知された最大磁界強度は約9.5A/m(磁束密度で約12uT、電力値換算で約1.1W)であった。
実施形態に係る上記電流センサ20(以下、実施例1という)をテーブルタップに取り付けた。実施例1は、サイズが9×16×5mm、スリット幅が1.4mm、透磁率が600のフェライト製のコアを用いた電流センサである。このような実施例1を、32mmのピッチで差込口が並ぶテーブルタップに取り付け、特定の差込口から20Aの交流電流を流したところ、検知された最大磁界強度は約7.6A/m(磁束密度で約9.6uT、電力値換算で約0.85W)であった。すなわち、スリット分割溝4を設けることにより、分岐バスバー13以外の周辺の電路から発生する磁気の影響が約20%低減されることが確認された。なお、第一変形例に係る上記電流センサ20Aについても実施例1とほぼ同様の効果があることが確認された。
第二変形例に係る上記電流センサ20B(以下、実施例2という)をテーブルタップに取り付けた。実施例2は、サイズが9×16×5mm、スリット幅が1.4mm、透磁率が600のフェライト製のコアを用いた電流センサである。このような実施例2を、32mmのピッチで差込口が並ぶテーブルタップに取り付け、特定の差込口から20Aの交流電流を流したところ、検知された最大磁界強度は約4.9A/m(磁束密度で約6.2uT、電力値換算で約0.55W)であった。すなわち、スリット分割溝4を設けることにより、分岐バスバー13以外の周辺の電路から発生する磁気の影響が約50%低減されることが確認された。なお、第三変形例に係る上記電流センサ20Cについても実施例2とほぼ同様の効果があることが確認された。
1,1A,1B,1C,101・・電流センサ用コア:2,2B・・貫通孔:3,3−1,3−2,3A,3B,3B−1,3B−2,3B−3,3C・・スリット:4,4A,4B,4B−1,4B−2,4C−1,4C−2・・スリット分割溝:10,10B・・テーブルタップ:11・・コンセントプラグ:12−1,12−2,12−E,12B−1,12B−2,12B−E,112−1,112−2・・共通バスバー:13,13B・・分岐バスバー:14,14B・・プリント基板:20,20A,20B,20C,120・・電流センサ:21,21B,121・・ホール素子:30・・処理回路30:31・・ADC:32・・通信ポート:33−1,33−2・・周期センサ:34・・温度センサ:35・・MPU:40・・電力測定システム:41・・センサユニット:42・・PC:43・・ゲートウェイ:44・・サーバ
Claims (6)
- 電路から発生する磁束を磁気センサに集束させる電流センサ用コアであって、
前記電路を挿通可能な大きさを有し、前記電流センサ用コアを貫通する貫通孔と、
前記磁気センサを配置可能な大きさを有し、前記貫通孔の開口部の縁を切り欠くように前記貫通孔の長手方向に沿って形成されるスリットと、
前記スリットと直交するように形成され、前記スリットを分割するスリット分割溝と、を備える、
電流センサ用コア。 - 前記スリット分割溝は、前記スリットと複数個所で直交するように複数形成される、
請求項1に記載の電流センサ用コア。 - 前記スリット分割溝は、前記電流センサ用コアを分割する、
請求項1または2に記載の電流センサ用コア。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の電流センサ用コアと、
前記スリットのうち前記スリット分割溝によって分割された何れかのスリットに配置される磁気センサと、を備える、
電流センサ。 - 前記電流センサ用コアは、前記電流センサの測定対象以外の電路の長手方向に対し、前記スリットの長手方向が直交する向きに配置される、
請求項4に記載の電流センサ。 - 前記電流センサ用コアは、前記電流センサの測定対象以外の電路に対する、前記スリットのうち前記磁気センサが配置される電流検知用のスリットの位置が、前記スリットのうち前記磁気センサが配置されない磁気シールド用のスリットの位置よりも遠い位置に配置される、
請求項4又は5に記載の電流センサ。
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2012
- 2012-07-09 JP JP2014524508A patent/JPWO2014010013A1/ja active Pending
- 2012-07-09 WO PCT/JP2012/067470 patent/WO2014010013A1/ja active Application Filing
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