JPH09507784A - 移植可能な医療デバイスの生物学的適合性を改善する架橋ポリエチレンオキシドコーティング - Google Patents
移植可能な医療デバイスの生物学的適合性を改善する架橋ポリエチレンオキシドコーティングInfo
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Abstract
(57)【要約】
移植可能な医療デバイスのための改善された生物学的適合性を提供するポリエチレンオキシド(PEO)コーティングが開示される。このPEOコーティングは、1つの末端が医療デバイスに結合する、官能化された、末端をキャップされたPEOを含む。このPEO化合物は、次いで、1)PEO化合物が、架橋された不溶性ネットワークを形成するに充分な時間、高エネルギー源に曝すことによって、または2)十分な数の結合したPEO化合物のフリー官能化末端を、架橋剤の官能基が結合したPEO鎖の官能化末端に対して反応性である架橋剤と反応させることによって、架橋される。これらのPEOコーティングは、タンパク質または細胞との反発能力を最小の損失で、エチレンオキシド殺菌手順に耐え得る。
Description
【発明の詳細な説明】
移植可能な医療デバイスの生物学的適合性を改善する架橋ポリエチレンオキシド
コーティング発明の分野
本発明は、移植可能な医療デバイスに関する。より詳細には、本発明は、架橋
ポリエチレンオキシドコーティング物質およびエチレンオキシド殺菌手順によっ
て殺菌される移植可能な医療デバイスの生物学的適合性を維持する方法に関する
。発明の背景
移植可能な医療デバイスの生物学的適合性は、種々の公知の方法、最も注目す
べきはコーティング物質の添加のような表面改変によって改善され得る。例えば
、眼のレンズをコーティング物質を用いてコートし得ることは公知である。米国
特許第4,170,043号は、水にゆっくりと溶解するフィルムでコートされる眼球レ
ンズ(I0L)を開示する。これは、IOLの装着の際、内皮の損傷を防ぐのを助ける
。コーティングは、装着後約24時間内に溶解する。
米国特許第4,731,080号は、コートしたI0Lを開示する。ここで、このレンズは
、よごれのない、生物学的適合性の疎水性架橋ビニル含有シリコーンポリマーコ
ーティング物質でコートされる。
米国特許第5,080,924号は、高周波プラズマ誘導グラフトを用いて、基材の表
面を改変する方法を開示する。I0Lに用いられ得るこの手順において、第1の生
物学的適合性物質(好ましくはペンダントカルボン酸基またはアミン基を有する
)が、高周波プラズマ誘導により基材ポリマーコアの表面に共有結合でグラフト
される。次いで、第2の生物学的適合性物質が、架橋剤を用いて、第1の生物学
的適合性物質にグラフトされ得る。
一連の特許により、ポリエチレンオキシド(PEO)を含む様々な基材によって
コートされるコンタクトレンズが開示されている。このような特許には、米国特
許第4,280,970号;第4,871,785号;第4,740,533号;第5,070,166号;および第5,
096,626号が挙げられる。米国特許第4,280,970号は、PEOをコンタクトレンズに
グラフトすることによりコンタクトレンズをコートすることを開示する。
米国特許第5,308,641号は、生物適合物質の生物学的適合性を改善するために
改良されたスペーサー物質およびスペーサー物質を作製する方法を開示する。こ
のスペーサー物質では、ポリアルキルイミンがアミノ化基材に共有結合され、そ
してアルデヒド基において少なくとも二官能性である架橋剤を用いて結合される
。このポリアルキルイミンは、例えば、ポリエチレンイミンであり得、そして架
橋剤は、例えば、グルタルアルデヒドであり得る。好ましくは、この架橋剤は、
希釈溶液中およびポリアルキルイミンの弱い架橋を行うのに適したpHで適用され
、そして生物学的分子とスペーサーとの間のインターフェイスでのアルデヒド結
合もまた提供する。
フロリダ大学に譲渡された米国特許第5,290,548号は、PEOでコートされた器具
、デバイス、移植物、コンタクトレンズなどを開示する。PEOコーティングは、
ビニル官能化PEOを直接器具、デバイスなどの表面上で重合させるγ放射を用い
て作製される。
米国特許第4,973,493号は、表面を改変して、その生物学的適合性を改善する
方法を開示する。この方法は、生物学的適合剤(biocompatible agent)の分子
および2つの異なった光化学的反応性基(表面と反応する1つの基および生物学
的適合剤と反応する1つの基)を有する化学結合部分を用いる。この方法は、刺
激を用いて基を連続的に活性化し、結合部分を生物学的適合性剤の分子に共有結
合させ、そして結合部分をデバイスの表面に光化学的に共有結合させる工程を包
含する。1つの実施態様において、生物学的適合性物質の分子は、共に連結して
、フィルムを形成する。このフィルムは、部分結合によりデバイスの表面に結合
される。この実施態様において、この生物学的適合剤は、望ましくはヒアルロン
酸またはアルブミンであり得る。このような結合フィルムを有する生物学的適合
性デバイスは、ヒアルロン酸のフィルムでコートされた人工股関節であり得る。
デバイスの殺菌については述べられていない。
同一人に譲渡された、同時係属中の米国特許出願第08/166,033号は、アミン共
有結合を通じて適用されるPEOでコートされた眼球レンズを開示する。しかし、
これらのレンズをエチレンオキシド(EtO)殺菌を用いて殺菌し、次いで曝気し
て、残りのEtOを除去する場合、PEOコーティングのタンパク質および細胞との反
発能力のいくらかが失われる。米国出願第08/166,033号は、コーティングのタン
パク質および細胞との反発能力の損失を最小にするために、通常の曝気工程の代
わりに水性抽出工程を開示する。
必要とされていることは、EtO殺菌手順に耐えなければならない移植可能な医
療デバイスの生物学的適合性を改善するためのさらなるコーティングおよびプロ
セスである。
発明の要旨
本発明は、PEOコーティングおよび移植可能な医療デバイスの生物学的適合性
を改善するための方法を提供する。本発明のPEOコーティングは、少なくとも1
つの末端が官能基でキャップされるPEOを含み、ここで、このPEOコーティングは
、PEO化合物の1つの官能化末端を移植可能な医療デバイスに結合し、次いでこ
のPEO化合物を架橋することにより形成される。架橋は、1)PEO化合物を高エネ
ルギー源に曝すこと(以下、「高エネルギー法」と称す)か、あるいは2)PEO
化合物が少なくとも2つまたはそれ以上の官能化末端基を有する場合には、充分
な数の結合したPEO化合物の少なくとも1つまたはそれ以上の反対のまたはフリ
ー官能化末端が、架橋化合物によって、他の結合したPEO化合物と架橋され得る
こと(以下、「クロスリンカー法」と称す)のどちらかによって達せられ得る。
特に、本発明は、架橋PEOコーティング化合物が、EtO殺菌手順に供される場合
にコーティングが受ける、コーティングのタンパク質および/または細胞との反
発能力の損失を減少するという発見に基づく。
発明の詳細な説明
本明細書中で使用される場合、移植可能な医療デバイスは、適切な生物学的な
場所に置かれた場合、標的組織/器官の能力を取り替えたり、高めたり、追跡し
たりするのに役立つ、合成または半合成の基材由来の任意の物品を意味する。こ
れらは、代替血管、カテーテル、眼球レンズ、コンタクトレンズ、電極、水痘お
よび腹部のシャントなどを包含するが、これらに限定されない。
本明細書中で用いられる場合、「生物学的適合の」または「生物学的適合性」
は、生物学的成分(タンパク質および/または細胞ベース)の混合物からなる生
体系または生物系のいずれかにおいて、生物学的組織/液体と適合していること
を意味し、最終的に生物学的システムまたは有機体を傷つけるかまたは否定的に
影響を及ぼす任意の生物学的成分の構造または機能のいかなる変化をも引き出さ
ないことを意味する。
本明細書中で用いられる場合、「高エネルギー源」は、フリーラジカル、イオ
ン、電子、陽子、中性子、α粒子、β粒子、γ放射、X線放射および紫外線放射
の生成を生じる源を意味する。これらのエネルギー源は、高周波グロー放電プラ
ズマ(rf-プラズマ)、電子ビーム、γおよび紫外線源を包含するが、これらに
限定されない。
本発明のコーティングは、タンパク質の吸着および細胞の沈着を最小にするこ
とが所望され得る、任意の移植可能な医療デバイスの表面に適用され得る。例示
のために、IOLに関する例を提示するが、当業者は、本発明のコーティングが任
意の移植可能な医療デバイスに適用され得ることを容易に理解する。
移植可能な医療デバイスがIOLである場合、本発明の改善されたコーティング
は、任意の周知のハードIOL(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)から
形成されるハードIOL)に適用され得る。本発明の改善されたコーティングはま
た、ソフトアクリルレンズ(例えば、米国特許第4,834,750号;第5,290,892号;
および第5,331,073号に開示されるようなもの)に援用される。これら3つの文
献のそれぞれの全内容は、本明細書中において参考として援用される。さらに、
当業者には容易に理解されるように、本発明の改善されたコーティングは、他の
タイプのレンズ材料、例えば、シリコーン材料に適用され得る。好ましい実施態
様において、本発明の改善されたコーティングは、少なくとも150%の伸び率を
有するコポリマーから形成されるレンズに適用される。ここでこのコポリマーは
、2つのモノマーから形成され、その第1は2-フェニルエチルアクリレートであ
り、第2は2-フェニルエチルメタクリレートであり、そして1,4-ブタンジオール
ジアクリレートのような複数の重合可能なエチレン性不飽和基を有する共重合可
能な
架橋モノマーである。第1のモノマーは約65重量%の濃度で存在し得、第2のモ
ノマーは約30重量%の濃度で存在し得る。2-(3'-メタリル-2'-ヒドロキシ-5'-メ
チル-フェニル)ベンゾトリアゾールのような紫外線吸収基材もまた、含まれ得る
。
本発明に従って、IOLまたは他の移植可能な医療デバイスの生物学的適合性は
、殺菌前に架橋されるPEOコーティングでコーティングすることによって実質的
に改善される。特に、PEOでコートしたレンズまたは他のデバイスは、改善され
た耐タンパク質吸着性を有する。このことは、「よごれない(non-fouling)」
、そして耐細胞沈着性のレンズまたは他のデバイスが得られる。
本発明のPEOコーティングは、最初に基材表面につながれる。PEO鎖を基材表面
に結合させる公知の方法はたくさんある。当業者は、これら公知の方法が、例え
ば、静電的相互作用または共有結合を提供する方法のような湿式化学法および高
エネルギープラズマ沈着のような乾式法を包含することを容易に認識する。
好ましい実施態様において、PEOコーティングは、IOLまたは基材表面に共有結
合により結合される。基材表面は、最初に活性コーティングまたは活性層が備え
付けられる。好ましくは、活性層は、一級アミンを含有するポリマーコーティン
グである。しかし、PEO化合物を基材表面につなぐように機能する他の活性層も
また、用いられ得る。
この一級アミン層は、好ましくは、基材表面を、式RNH2(ここで、Rは約
3個〜約12個の炭素原子を有するアルキル基またはアリル基である)のアルキル
アミンまたは低級アルキルアミンと接触させることによって形成される。好まし
くは、アルキルまたはアリルアミンは、Rが5個〜8個の炭素を有するアルキル
基であるような、中間の鎖長のアミンである。最も好ましくは、アルキルまたは
アリルアミンは、n-ヘプチルアミンである。
このアルキルまたはアリルアミンは、任意の所望の方法で基材表面に付与され
得るが、アルキルまたはアリルアミンのプラズマ蒸着によって活性一級アミン層
を作り出すことが好ましい。プラズマ蒸着は、一般に、例えば、米国特許第4,31
2,575号および第4,656,083号に示されるように当該分野で公知であり、その開示
は、本明細書中において参考として援用される。
基材表面の一級アミン層のプラズマ蒸着は、好ましくは、2工程で行われる。
IOLの場合には、レンズは、第1に、電気グロー放電装置中に、好ましくは、光
学表面をガスフローと平行に向けて置かれる。ガス状雰囲気(例えば、アルゴン
)が供給され、次いでガス状雰囲気は、表面を清浄するために電気グロー放電に
さらされる。次いで、このガスは除去される。第2工程において、一級アミンの
蒸気の存在下、アミンを蒸着させるかまたはプラズマを形成させる条件下で、プ
ラズマ点火が行われ、レンズの表面に約5〜300オングストロームの極薄のコー
ティングが生成される。
アミンを用いた処理後、次いで、アミン層を含有する基材表面は、還元剤の存
在下、官能基で末端がキャップされたPEOと反応して、基材表面に共有結合した
安定なPEOコーティングを提供する。このPEOは、アミンコーティングと反応性の
末端基またはキャップを有した方がよい。架橋について高エネルギー法が用いら
れ得る場合には、PEO鎖の両末端は、反応性の末端基を有する必要はない。それ
にもかかわらず、本発明で用いられる好ましいPEOは、200〜100,000の範囲、好
ましくは1500〜15,000の範囲の分子量を有するα,ω-アルデヒド末端化PEOであ
る。高エネルギー法の場合において最も好ましいものは、約8000の分子量を有す
るα,ω-アルデヒドキャップ化PEOである。クロスリンカー法の場合において最
も好ましいものは、約3400の分子量を有するα,ω-アルデヒドキャップ化PEOで
ある。モノおよびジアルデヒドキャップ化ポリエチレンオキシドは、当該分野(
例えば、Harris、米国特許第5,252,714号)において公知である。
架橋についてクロスリンカー法が用いられ得る場合、アミン層を含有する基材
表面と反応するPEOは、多官能基で末端をキャップされたPEOである。本明細書中
で使用される場合、「多官能基で末端をキャップされたPEO(multi-functionali
zed,end-capped PEO)」は、少なくとも2つの官能化末端基を有するPEOを意味
し、その1つは、基材表面または活性コーティングと反応性であり、そして他の
ものは、基材表面に結合した他のPEO化合物と架橋され得る。本発明で使用され
る適切なPEO化合物は、例えば、上記のように少なくとも2つの官能化末端基を
有する、直鎖PEO分子、分枝鎖PEO分子、および星形形状PEO分子(例えば、米国
特許第5,275,838号に記載されているもの)を包含する。直鎖PEO化合物が好まし
い。
本発明において使用される好ましい直鎖PEOは、200〜100,000の範囲、好まし
くは1500〜10,000の範囲の分子量を有するα,ω-アルデヒド末端化PEOである。
最も好ましいものは、約3400の分子量を有するα,ω-アルデヒドキャップ化PEO
である。このようなα,ω-アルデヒドキャップ化ポリエチレンオキシドは、当該
分野で公知である。例えば、米国特許第5,252,714号を参照のこと。
好ましい手順において、IOLまたは基材表面は、まず、最良の結果についてア
ミン蒸着する前にエッチングされる。好ましくは、表面のエッチングは、アルゴ
ンプラズマとの接触によって行われる。60〜120cm3/分の範囲のアルゴン流速、
および200〜300mTorrのチャンバ圧は満足いくものである。蒸着を行う際、IOLま
たは他の移植可能な医療デバイスは、ホルダー中に置かれ、そして、アミン蒸着
前にアルゴンでエッチングするために、所望のアルゴンプラズマ流速でチャンバ
中の中央に置かれる。アミン用の容器は、プラズマチャンバユニットに接続され
る。次いで、このプラズマチャンバは、その基準圧まで排気され、そしてアルゴ
ン流速下で、短期間、例えば、60Wで6分間点火される。アルゴンプラズマエッ
チング後、プラズマチャンバはその基準圧まで排気され、アミン蒸気はチャンバ
中に排気され、プラズマが点火され、そして、5〜500Å、好ましくは100〜300
Åの範囲の厚さが達せられるまで、蒸着は持続される。プラズマを消した後、チ
ャンバ条件は短期間、例えば、1〜5分間維持される。次いで、このチャンバは
、大気条件にされて、試料を密閉された容器に取り出される。
PEO(例えば、α,ω-アルデヒドキャップ化ポリエチレンオキシド)は、5〜5
0mg/mlの範囲の濃度の緩衝液に溶解される。次いで、この溶液は、アミンプラズ
マでコートしたIOLまたは他のデバイスとともに各容器に加えられる。次いで、
このコーティングの安定化が、例えば、10〜50mg/mlの濃度の緩衝液に溶解した
、アルカリ金属ボロヒドリドのような安定化剤でIOLまたは他のデバイスを処理
することによって行われる。次いで、この反応は、低温(例えば、25〜50℃)で
、約10〜30時間行われる。PEO化合物の熱分解を避けるために、低温が用いられ
る。
好ましい安定化剤は、市販の基材である、式NaCNBH3のナトリウムシアノボロ
ヒドリドである。PEO-イミン結合のアルカリ金属ボロヒドリドを用いる還元は、
約5〜500Å、好ましくは100〜300Åの安定なPEOコーティングを提供する。好ま
しい手順において、安定化が繰り返され、そして、IOLまたは他の移植可能な医
療デバイスは再び加熱される。次いで、各IOLまたは他のデバイスは、脱イオン
水で洗浄され、そして水は除去される。
上記の手順は、官能基で末端がキャップされたPEO鎖を基材表面につなぐ1つ
の方法にすぎない。官能基で末端がキャップされたPEO鎖を基材表面につなぐ任
意の他の手順もまた、使用され得る。
本発明の重要な局面は、調製後のIOLまたは他のデバイスの殺菌に関する。本
明細書中で使用される場合、「EtO殺菌」は、IOLまたは他のデバイスを、フッ素
化溶媒中の5〜100%のエチレンオキシドと、10〜40psiおよび40〜60℃で、好ま
しくは、湿気のある雰囲気に予め調整した後に、1〜4時間接触させ、その後曝
気して残留エチレンオキシドを除去する工程を包含する。EtO殺菌を用いて殺菌
される、上記の方法でコートしたIOLまたは他の移植可能な医療デバイスは、そ
のタンパク質および細胞との反発能力のいくらかを失う。
クロスリンカー法において、2つ以上の官能化末端基を有するPEO化合物を用
いる場合、フリーな(free)官能化末端基すべてが共に架橋される必要はない。
充分な数の結合したPEO鎖の1つまたはそれ以上のフリー官能化末端は、他の結
合したPEOの官能化末端基と架橋して、EtO殺菌手順によって引き起こされるコー
ティングのタンパク質および/または細胞との反発能力の損失を減少させる。架
橋は、結合したPEOのフリー末端基と架橋剤との反応によって達せられ得、架橋
剤の官能基は、結合したPEO鎖のフリー末端基に対して反応性である。
PEOがα,ω-アルデヒドキャップ化PEOである好ましい場合において、好ましい
架橋剤は、主にポリエチレンオキシド骨格ベースのポリエーテルジアミンである
。分子量が200〜10000の範囲のこのようなアミン末端ポリエーテルが好ましい;
900〜2000の分子量範囲がさらに好ましい。基材表面につながれた、官能基で末
端がキャップされたPEOが約3400の分子量を有するα,ω-アルデヒドキャップ化P
EOである最も好ましい場合において、アミン末端化した主にPEO骨格のポリマー
は、少なくとも900の分子量、好ましくは約2000の分子量を有していた方がよい
。この最も好ましい架橋剤は、Texaco Chemical Co.から入手可能なJeffamine E
D 20
この架橋反応条件は、基材表面につながれた官能基で末端をキャップされた特
別のPEO鎖および選択された特別の架橋剤に依存する。α,ω-アルデヒドキャッ
プ化PEOが主にPEO骨格を有するポリエーテルジアミンと架橋する好ましい場合に
おいて、このポリエーテルジアミンは、5〜50mg/mlの濃度範囲、好ましくは約2
0mg/mlの濃度の緩衝液に溶解される。このPEOコートしたIOLまたは他のデバイス
は、つながれたPEO鎖とポリエーテルジアミンとの間の反応に充分な時間、この
溶液中に入れられる。次いで、生成した架橋は、アルカリ金属ボロヒドリド、最
も好ましくは、式NaCNBH3のナトリウムシアノボロヒドリドの緩衝液で安定化さ
れる。得られるIOLまたは他のデバイスは、増大した耐タンパク質吸着を含んで
示される改善された生物学的適合性を有し、IOLまたは他のデバイスをよごれな
くし、そして耐細胞沈着性にする。
理論によって束縛されることは望まないが、PEO鎖は、溶媒-ポリマー相互作用
により、十分に伸びたコンフォメーションを達し得る方がよく、その骨格の単結
合の周りで自由回転し得る方がよい。すなわち、「鞭毛様」の動きを有する鎖の
ために、最大の耐タンパク質吸着性または耐細胞沈着性を提供するようにPEO鎖
が固定化されている基材の表面上に動的バリアーを作り出した方がよい。界面力
によって動かされる、1つの末端を通して固定化された未変性の(native)PEO
鎖は、EtO殺菌手順の際に全体的または部分的に基材表面下に埋め込まれるよう
になり得、それにより、汚れに抵抗する能力を失う。架橋はPEO鎖の鞭毛様の動
きを減少させ得るが、PE0鎖が基材表面下に埋め込まれるのを防ぐのに役立ち得
る。
以下の実施例は本発明の例示であり、いかなる様にも限定することを意図しな
い。
実施例1:
A.表面のアミノ化:
PMMAまたはソフトアクリル系材料から作製されるIOLを、小さなガラスラック
中にあるポリエチレンレンズホルダーにより、位置を保持し、ガラスラック上の
プラズマチャンバ中の中央に置く。このラックを、光学表面がモノマーフローと
平行になるように置く。コートされるデバイスを維持し得る任意のプラズマチャ
ンバが使用され得る。この場合、プラズマチャンバは、各々49cm×17cmの4つの
銅電極(2つは熱電極(hot)、2つはアース(ground))を有する4つの四分
円で包まれた、直径が約25cmで、55cmの長さのガラスシリンダーから作られた。
n-ヘプチルアミン(5g)を、絞り弁を介して、プラズマチャンバに連結され
る250ml丸底フラスコ内に置く。この弁を閉じて、プラズマチャンバを基準圧ま
で30分間排気する。ヘプチルアミン蒸着前に、IOLをアルゴンプラズマでエッチ
ングする。90cm3/分のアルゴン流速および250mTorrのチャンバ圧で、チャンバを
10分間で平衡にする。次いで、プラズマを60Wで6分間点火する。アルゴンプラ
ズマを消した後、チャンバを基準圧に戻す。
プラズマチャンバの真空ポンプ速度を低くセッティングし(約5°のバッフル
位置;90°は最大ポンプ速度を示す)、ヘプチルアミン蒸気をチャンバー中に抜
き出す。チャンバーを、10分間平衡にする。60ワットのrf出力でプラズマを点火
し、そして厚さ計を起動して蒸着を記録する。このプラズマを、約200Åの厚さ
に達するまで維持する。プラズマを消した後、チャンバー条件を2分間維持する
。その後、真空ポンプ速度を最大に戻し、そしてこれらの条件を10分間維持する
。次いで、チャンバーを、アルゴンで逆充填(back-filling)することによって
大気条件にし、そして試料をそれぞれのホルダーから取り出す。それぞれを、標
識したミクロ遠心分離チューブ中に置く。
B.PEOの固定化:
Harrisら、米国特許第5,252,714号によって記載された以下の方法で合成され
得る、ジチオールアルデヒド誘導化PEOを、0.0042Mのリン酸ナトリウム(二塩基
)-0.45M硫酸カリウム緩衝液(pH8.5〜9.0)に10mg/mLの濃度で溶解する。900μ
Lのこの溶液を、プラズマコートしたIOLを含む各ミクロ遠心分離チューブに加え
る。ナトリウムシアノボロヒドリド(NaCNBH3)を、20mg/mLの濃度の緩衝液に溶
解する。100μLのこの溶液を、各ミクロ遠心分離チューブに加え、穏やかに混合
した後、試料を35℃で一晩加熱する。NaCNBH3溶液を、反応溶液に添加する直前
に調製することを留意のこと。次いで、NaCNBH3溶液での第2の処理を行い、
試料を35℃でさらに4時間加熱する。次いで、この試料を反応溶液から取り出し
、脱イオン水で広範囲にわたって洗浄し、そして空気乾燥する。
C.架橋:
高エネルギー法: 各試料をレンズホルダーに載せ、そしてガラスラック中に
置く。このラックをステップAで使用されるプラズマチャンバー内の中央に置き
、この系を10分間で基準圧まで排気する。チャンバーを、250mtorrのアルゴンお
よび90cm3/分の流速で、5分間平衡にする。プラズマを60ワットで20秒間点火す
る。プラズマを消した後、チャンバーを250mtorrで5分間アルゴンとともに維持
する。次いで、各試料を殺菌ポーチ(pouch)で包装する。
クロスリンカー法: 各試料を脱イオン水で簡単に洗浄し、そして0.05Mのリ
ン酸緩衝液(pH8.0)を含有する新しいミクロ遠心分離チューブ中に置く。試料
を約15分間平衡にする。次いで、緩衝液を除去し、そして900μLの架橋溶液に取
り替える。この溶液は、0.05Mリン酸緩衝液にジアミノPEOを20mg/mLの最終濃度
まで溶解させることによって調製される。100μLのNaCNBH3溶液(0.05Mリン酸緩
衝液中20mg/mL)を、この反応混合物に加え、穏やかに撹拌する。次いで、試料
を35℃で一晩加熱する。NaCNBH3での処理を繰り返し、試料をさらに4時間加熱
する。各IOLを脱イオン化水でスプレー洗浄し、次いで約3mLの脱イオン水中で、
5分間ごとに3回超音波処理する。次いで、それぞれを乾燥し、そして殺菌ポー
チで包装する。
D.EtO殺菌:
試料を殺菌チャンバに置き、次いで約2psiaまで排気する。この圧力を維持し
ながら、チャンバ中の相対湿度を60%まで上げ、温度を46℃まで上げる。これら
の条件を1時間維持する。次いで、このチャンバーを、フレオン中12%のエチレ
ンオキシドで、22〜23psiaの最終圧力まで充填する。2時間後、約2psiaまでチ
ャンバーを排気し、次いでこの系を大気圧にする。次いで、このレンズ試料を曝
気チャンバに取り出し、25ppm未満のレベルの残余のEtOを除去するに充分な時間
、高温で曝気する。
実施例2:タンパク質吸着
:
125ヨウ素で標識したヒトフィブリノーゲンを用いて、EtO殺菌後の架橋コーテ
ィングがタンパク質を反発する能力を評価した。試料を、Balanced Salt Soluti
on(BSS)中、37℃で1時間インキュベートする。次いで、この溶液を取り除き
、50μg/mLの125I-フィブリノーゲンを含有するBSS溶液で取り替える。試料を37
℃で2時間インキュベートした後、試料を取り出し、BSSで洗浄し、そしてその
個々の放射能レベルを測定する。
吸着したタンパク質の量を、未コートのコントロール表面上に吸着されたタン
パク質の量の画分として、表1および表2に報告する。この結果は、本発明に従
って架橋されたPEOコーティングが、EtO殺菌の後でさえ、タンパク質吸着を減少
させるに非常に効果的であることを示す。
本発明は、特定の好ましい実施態様を参考に記載されているが、本発明がその
精神または必須の特性から逸脱することなく、他の特定の形態またはそれらの改
変を包含し得ることは、理解されるべきである。それゆえ、上記の実施態様は、
すべて例示であり、決して限定的ではなく、そして発明の範囲は、前述の記載よ
りも添付の請求項によって示される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AU,CA,JP
(72)発明者 カラケル, ムトル
アメリカ合衆国 テキサス 76132, フ
ォート ワース,グレン ミドウ ドライ
ブ 6713
(72)発明者 ハリス, ジョー ミルトン
アメリカ合衆国 アラバマ 35801, ハ
ンツビル,ハイランド プラザ 3119
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.移植可能な医療デバイスの生物学的適合性を改善および維持する方法であ って、PEO化合物の少なくとも1つの官能化末端を該デバイスに結合させること によって該デバイスをコーティングする工程、該デバイスがタンパク質および/ または細胞との反発能力を実質的に損失することなく、エチレンオキシド殺菌に 耐え得るように、殺菌前に充分な数の結合したPEO化合物を架橋させる工程、そ して次いでエチレンオキシドを用いて該デバイスを殺菌する工程を包含する方法 。 2.前記医療デバイスが眼球用レンズである、請求項1に記載の方法。 3.前記官能基で末端がキャップされたPEOが、200〜100,000の分子量を有す る、α,ω-アルデヒド末端化PEOである、請求項1に記載の方法。 4.前記α,ω-アルデヒド末端化PEOが1,500〜10,000の分子量を有する、請求 項2に記載の方法。 5.前記デバイスに結合しているPEO化合物を、該PEO化合物が架橋した不溶性 のネットワークを形成するに充分な時間、高エネルギー源に曝すことによって、 前記架橋が達せられる、請求項1に記載の方法。 6.前記官能基で末端がキャップされたPEOが、約8000の分子量を有するα,ω -アルデヒド末端化PEOである、請求項5に記載の方法。 7.前記高エネルギー源が、高周波グロー放電プラズマ、電子ビーム、γまた は紫外線源である、請求項5に記載の方法。 8.前記高エネルギー源がアルゴンプラズマである、請求項7に記載の方法。 9.PEOコーティングのタンパク質および/または細胞との反発能力を実質的に 損失させることなく、エチレンオキシドによって殺菌され得る、PEOコートした 移植可能な医療デバイスの製造方法であって、ここで該方法は以下を包含する方 法: a) 有機アミンまたはアンモニアガスプラズマ中で該医療デバイスの表面を 改変する工程; b) 該改変された表面を、PEOの末端アルデヒドを該改変された表面に共有 結合させるに充分な時間、アルデヒド末端化PEOの緩衝液および安定化剤に曝す 工程;および c) 該結合したPEOを、該PEO化合物が架橋した不溶性ネットワークを形成す るに充分な時間、高エネルギー源に曝す工程。 10.工程(a)における前記有機アミンがヘプチルアミンであり、工程(b )における前記アルデヒド末端化PEOが約8000の分子量を有し、工程(c)にお ける前記高エネルギー源がアルゴンプラズマであり、そして工程(b)における 前記安定化剤がナトリウムシアノボロヒドリドである、請求項9に記載の方法。 11.前記PEO化合物が多官能基で末端がキャップされたPEO化合物であり、該 PEO化合物の少なくとも1つの官能化末端が前記デバイスに結合し、そして前記 架橋が、該多官能基で末端がキャップされたPEOのフリー末端を架橋剤の溶液に 曝することによって行われ、該架橋剤の官能基が該官能基で末端がキャップされ たPEOのフリー末端に対して反応に充分な時間反応性である、請求項1に記載の 方法。 12.前記多官能基で末端がキャップされたPEOが、約3400の分子量を有する α,ω-アルデヒド末端化PEOである、請求項11に記載の方法。 13.前記架橋剤が、主にPEO骨格を有するポリエーテルジアミンである、請 求項11に記載の方法。 14.前記ポリエーテルジアミンが、200〜10,000の分子量を有する、請求項 13に記載の方法。 に記載の方法。 16.PEOコーティングのタンパク質および/細胞との反発能力を実質的に損失 することなく、エチレンオキシド殺菌によって殺菌され得る、PEOコートした移 植可能な医療デバイスの製造方法であって、ここで、該方法は以下を包含する、 方法: a) 有機アミンまたはアンモニアガスプラズマ中で、該医療デバイスの表面を 改変させる工程; b) 該改変された表面を、PEOの末端アルデヒドの1つを該改変された表面に 共有結合させるに十分な時間、α,ω-アルデヒド末端化PEOの緩衝液および安定 化剤に曝す工程;および c) 該結合したPEOを、フリー末端アルデヒドを架橋させるに充分な時間、主 にPEO骨格を有するポリエーテルジアミンの緩衝液および安定化剤に曝す工程。 17.工程(a)における前記有機アミンがヘプチルアミンであり、ステップ (b)における前記α,ω-アルデヒド末端化PEOが約3400の分子量を有し、工 して工程(b)と(c)との両方における前記安定化剤がナトリウムシアノボロ ヒドリドである、請求項16に記載の方法。 18.PEOコーティングのタンパク質および/または細胞との反発能力を実質的 に損失させることなく、エチレンオキシド殺菌によって殺菌され得るPEOコー トした移植可能な医療デバイスであって、ここで該PEOコーティングは、架橋し た、官能基で末端がキャップされたPEO化合物を包み、ここで該PEO化合物の少な くとも1つの官能化末端は該移植可能な医療デバイスに結合し、該架橋は、高エ ネルギー源に曝すことによって達せられる、デバイス。 19.前記官能基で末端がキャップされたPEOが、200〜100,000の分子量を有 するα,ω-アルデヒド末端化PEOである、請求項18に記載の医療デバイス。 20.前記α,ω-アルデヒド末端化PEOが1,500〜10,000の分子量を有する、請 求項19に記載の医療デバイス。 21.前記α,ω-アルデヒド末端化PEOが約8000の分子量を有する、請求項2 0に記載の医療デバイス。 22.前記高エネルギー源が高周波グロー放電プラズマ、電子ビーム、γビー ムまたは紫外線源である、請求項18に記載の医療デバイス。 23.前記高エネルギー源がアルゴンプラズマである、請求項22に記載の医 療デバイス。 24.前記医療デバイスが眼球用レンズである、請求項18に記載の医療デバ イス。 25.PEOコーティングのタンパク質および/または細胞との反発能力を実質的 損失することなく、エチレンオキシド殺菌によって殺菌され得るPEOコートした 移植可能な医療デバイスであって、ここで該PEOコーティングは多官能基で末端 をキャップされたPEOを含み、ここで該コーティングPEO化合物の少なくとも1つ の官能化末端は、該移植可能な医療デバイスに結合し、そして十分な数の結合し たPEO化合物の少なくとも1つまたはそれ以上の反対のまたはフリーな官能化 末端は、エチレンオキシド殺菌手順に供された場合に該コーティングが受けるタ ンパク質および/または細胞との反発能力の損失が実質的に減少するように、他 の結合したPEO化合物と架橋する、デバイス。 26.前記多官能化PEOが、200〜100,000の分子量を有するα,ω-アルデヒド 末端化PEOである、請求項25に記載の医療デバイス。 27.前記α,ω-アルデヒド末端化PEOが1,500〜10,000の分子量を有する、請 求項26に記載の医療デバイス。 28.前記α,ω-アルデヒド末端化PEOが約3400の分子量を有する、請求項2 7に記載の医療デバイス。 29.前記PEOの架橋した官能化末端が、主にPEO骨格を有するポリエーテルジ アミンと架橋する、請求項25に記載の医療デバイス。 30 前記ポリエーテルジアミンが200〜10,000の分子量を有する、請求項2 9に記載の医療デバイス。 に記載の医療デバイス。 32.前記医療デバイスが眼球用レンズである、請求項31に記載の医療デバ イス。
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-
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- 1995-11-16 WO PCT/US1995/014912 patent/WO1996014887A1/en not_active Application Discontinuation
- 1995-11-16 JP JP8516333A patent/JPH09507784A/ja active Pending
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