JPH09507264A - クリーナー組成物 - Google Patents

クリーナー組成物

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JPH09507264A JP7518318A JP51831895A JPH09507264A JP H09507264 A JPH09507264 A JP H09507264A JP 7518318 A JP7518318 A JP 7518318A JP 51831895 A JP51831895 A JP 51831895A JP H09507264 A JPH09507264 A JP H09507264A
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glycol
cleaner
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ベールス、ニコラース・コルネリス・マリア
ケイゼル,ルーカス・ペトルス・シモン
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Shell Internationale Research Maatschappij BV
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、炭化水素溶剤に基づくクリーナー組成物、並びに印刷工業におけるその利用に関するものである。特に、本発明は、a)1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、b)1種以上の(i)一価アルコール及び/または(ii)多価アルコール2〜40重量%(各アルコールは、水素結合指数(HBI)が0未満であり、相対蒸発速度(RER)が少なくとも0.005である)、並びにc)1種以上のグリコールエーテルまたはエステル0〜30重量%からなるクリーナー組成物に関し、前記クリーナー組成物は、50〜80℃の引火点を有し、多くとも1重量%の芳香族炭化水素を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】 クリーナー組成物 本発明は、炭化水素溶剤に基づくクリーナー組成物、並びに印刷工業における その利用に関するものである。特に、本発明は、主要な印刷方法(即ち、凸版印 刷、平板印刷、凹版印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、「印刷インクマニュ アル」第2章、第4版、R.H.リーチ著(1988)ISBN 0−7476 −0000−7参照)にて用いられる装置の金属及びゴム部分から、インク、顔 料及び不純残留物を取り除くのに適したクリーナー組成物に関する。さらに、本 発明は、インク、特にオフセット印刷インクや残留物を、オフセット平板印刷法 に要するシリンダーやゴム被膜から除去できるクリーナー組成物に関する。 工業用溶剤は用途が広く、中でもクリーナー組成物に用いられる。工業用溶剤 は、炭素と水素を含む炭化水素溶剤と、炭素と水素以外の原子(例えば、塩素、 酸素、窒素等)を含む化学溶剤の2種に分類することができる。炭化水素溶剤は 、さらに芳香族系と脂肪族系に分類することができる。 工業、特に印刷工業では、化学溶剤(特にハロゲン化炭化水素)に基づくクリ ーナー組成物及び/または芳香族水素を含有するクリーナー組成物が以前より用 いられている。近年の法律及び環境問題から、上記クリーナー組成物を非芳香族 系のハロゲンを含まない新開発のクリーナー組成物で置き換える必要がある。さ らに、このような非芳香族系のハロゲンを含まない新開発のクリーナー組成物は 、 (1) 望ましくない効果(例えば、ゴムの膨潤等)を印刷機械の部品にもたらす ことなく上記汚れを取り除き(インク及び残留物に対して優れた溶解力を有し) 、 (2) 発火の危険を伴わずに容易に蒸発し(ASTMD3539による相対蒸発 速度は、酢酸n−ブチルに対して少なくとも0.01であり、貯蔵及び輸送分級 AIII を満たすために40℃以上、好ましくは55℃以上の引火点を有し)、 (3) 毒物、皮膚や目に対する刺激物、有毒物(EC指針67−548によれば 各々「T」、「Xi」または「Xn」と表示される)として表示する必要がないほ ど毒性が低く、かつ (4) 一度の操作で後に何も残さずに汚れを落とし、汚れを除去した機械をその ままで使用できるような洗剤を含まない単相の組成物 でなければならない。 上述の複数の要件を同時に満たすのは困難である。従って、クリーナー組成物 の分野、特に印刷工業に用いるクリーナー組成物の分野では、いくらかの犠牲を 払ってきたのが実情である。米国特許発明明細書第5,104,567号からは 、環境的にも受け入れられ得る生分解性のクリーナー組成物が公知である。しか しながら、この種のクリーナー組成物には乳化剤が含まれており、後続の工程で これを除去しなければならない。同様に、市販のクリーナー(例えば、Tryk A(登録商標)、ヤシ油及び大豆油に基づく植物性クリーナー)も、洗剤は含 まないが蒸発が遅く、そのため後続の洗浄工程を要することが知られている。他 方、特開昭57−202399号公報及び特開昭61−293274号公報から は、優れた溶解力を有し、臭気と毒性が低い非洗剤系のクリーナー組成物が公知 である。しかしながら、上記組成物は灯油留分に基づくもの、即ち、150〜3 00℃の沸点を有し、パラフィン及びオレフィン以外にも実質量の芳香族炭化水 素(原油の質に依存、例えば、アラビア原油の場合では約20%)を含有する直 留留分に基づくものである。さらに、上記灯油留分は引火点が低すぎて危険であ る。 要件を満たすクリーナー組成物、即ち、ハロゲンを含まない化合物を含有する 組成物を提供しようとする試みが行われている。従って、 a)1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、 b)1種以上の(i)一価アルコール及び/または(ii)多価アルコール2〜40 重量%(各アルコールは、水素結合指数(HBI)が0未満であり、相対蒸発速 度(RER)が少なくとも0.005である)、並びに c)1種以上のグリコールエーテル及び/またはエステル0〜30重量% からなるクリーナー組成物が提供され、前記組成物は50〜80℃の引火点を有 し、多くとも1重量%の芳香族炭化水素を含有するものである。 本発明では、特に記載がない限り、単一の脂肪族炭化水素溶剤、一価アルコー ル、多価アルコール、グリコールエーテル及びエステルを、単一または複数の1 種以上の化合物とする。安全性の面から、組成物の引火点は少なくとも50℃、 好ましくは少なくとも55℃でなければならない。好ましくは、引火点は55〜 75℃である。 好適な脂肪族炭化水素溶剤は、1バールでの沸点範囲が150〜270℃であ り、多くとも0.5重量%の芳香族炭化水素を含有するものである(芳香族炭化 水素の量は、炭化水素の全量に基づく)。さらに好ましくは、この種の脂肪族炭 化水素溶剤は1バールでの沸点範囲が175〜250℃であり、芳香族炭化水素 を含む場合には多くとも0.1%の芳香族炭化水素を含有する。 従って脂肪族炭化水素溶剤は、本質的にはパラフィン、イソパラフィン及びナ フテンからなる。より強力な溶解力を得るためには、脂肪族炭化水素溶剤はナフ テンを多く含むのが好ましく、例えば少なくとも34重量%、さらに好ましくは 少なくとも45重量%のナフテンを含有する。 脂肪族炭化水素は、好ましくは「シェルゾールTD」(初期沸点、乾点及び引 火点が各々172℃、190℃、44℃であり、芳香族化合物を0.1重量%含 有する)、「シェルゾールT」(187℃、215℃、58℃、0.1%)、「 シェルゾールTK」(180℃、199℃、59℃、0.0015%)から選択 され、さらに好ましくは「シェルゾールD40」(162℃、197℃、40℃ 、0.02%)、「シェルゾールD60」(187℃、211℃、66℃、0. 02%)、「シェルゾールD70」(195℃、245℃、73℃、0.03% )から選択される。「シェルゾール」はシェル社の登録商標である。通常、対応 する競合品質のものも使用可能である。最も好適な脂肪族炭化水素溶剤は、「シ ェルゾールD60」、「シェルゾールD60S」(「シェルゾールD60」より も多量にナフテンを含有する狭域物質)、「シェルゾールD40」、及び前記脂 肪族炭化水素溶剤の混合物である。 HBIは、J.Paint Tech.42号(550)、1970年、636〜634 頁にネルソン等により開示された方法に従って求める。0よりも高いHBIを有 する一価または多価アルコールには、芳香族アルコールだけでなく、例えば、さ らにエステル、酸、アルデヒド、ケトン、あるいは類似の官能性を有するアルコ ールも含まれる。この種の化合物は、ゴムの膨潤に対して不利益を及ぼすことが 見いだされている。成分c)として用いるグリコールエーテルは、電子供与体あ るいは電子受容体としての挙動が可能である。成分b)の存在下では、そのHB Iは0である。 引火点に関する要件のため、エタノール、n−またはイソプロパノール、n− 、sec−、イソ−またはtert−ブタノール等の低分子量アルコールは除外 される。 RERは、ASTM D 3539に従って、酢酸n−ブチルの蒸発速度(nBu Ac=1)に対して求める。本発明のクリーナー組成物の成分として使用可能な化合 物のいくつかは、0.01未満(例えば、0.005〜0.01)のRERを有 するが、本発明の組成物中で測定した場合には、成分a)の相乗効果のため十分 に高いRERを示す。 好ましくは一価アルコールは、6〜16個の炭素原子からなるアルカノールま たはアルケノールである。6個未満の炭素原子からなる一価アルコールは引火性 が強すぎ、16個よりも多くの炭素原子からなる一価アルコールは十分な揮発性 を示さない。非常に適切な一価アルコールは、ジイソブチルカルビノール(DI BCまたは2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、HBI=−17.0、RER =0.04、引火点74℃)とメチルイソブチルカビノール(MIBCまたは4 −メチル−2−ペンタノール、HBI=−18.7、RER=0.3、引火点4 1℃)である。 好ましくは多価アルコールは、4〜16個の炭素原子からなる飽和または不飽 和グリコールまたはグリセリン、あるいは一般式HOCH2(CHOH)nCH2 OH(式中、nは2〜4の整数を表す)を有するアルジトールである。4個未満 の炭素原子からなる多価アルコールは引火性が強すぎ、16個よりも多くの炭素 原子からなる多価アルコールは十分な揮発性を示さない。非常に適切な多価炭化 水素は、4〜10個、好ましくは5〜8個の炭素原子からなる飽和グリコールで ある。最も好適な多価アルコールは、ヘキシレングリコール(HBI=−20. 0、RER=0.007、引火点93℃)である。純粋なヘキシレングリコー ル等のグリコールは、目及び皮膚に対して刺激性を有する。従って、クリーナー 組成物中における前記刺激性グリコールの濃度は、好ましくは10重量%を越え てはならない。 グリコールエーテルは、好ましくは一般式R−(−OR’−)n−OH(式中 、nは0〜15の整数を表す)を有する。 好ましくはグリコールエーテルは、計4〜16個の炭素原子を有する飽和また は不飽和グリコールまたはグリセリンの任意にアルキル化されたモノ−またはポ リエーテルから選択される。これは、一般式のうちR及びR’が計4〜16個の 炭素原子を有することに相当する。さらに好ましくはグリコールエーテルは、エ チレングリコールのモノアルキルエーテル(アルキル基には2〜4個の炭素原子 が含まれる)、1,2−プロピレングリコールのモノアルキルエーテル(アルキ ル基には1〜4個の炭素原子が含まれる)、及びエチレングリコールまたは1, 2−プロピレングリコールのモノアルキル化二量体または三量体(アルキル基に は1〜4個の炭素原子が含まれる)から選択される。適切なグリコールエーテル の例としては、「エチルオキシトール」、「イソプロピルオキシトール」、「ブ チルオキシトール」、「メチルジオキシトール」、「ブチルジオキシトール」及 び「メチルジプロキシトール」(「オキシトール」、「ジオキシトール」、「プ ロキシトール」及び「ジプロキシトール」はシェル社の登録商標で、エチレンま たは1,2−プロピレングリコールのアルキルモノエーテルまたはジエーテルで ある)が挙げられる。グリコールエーテルのうち数種は、吸い込んだり皮膚に触 れたりして体内に取り込まれると害を及ぼす。従って、クリーナー組成物中に含 まれるこの種の有害なグリコールエーテルの濃度は、好ましくは20重量%以下 、さらに好ましくは5重量%以下でなければならない。成分c)(の一部)とし て含まれるエステルは、グリコールのエステルである。好ましくは、計4〜18 個の炭素原子を有するエステルを用いる。使用可能なエステルはグリセリンの酢 酸エステルである。最も好ましくは、グリセリンの三酢酸エステル及び/または 二酢酸エステルを用いる。 本発明の一態様では、クリーナー組成物は脂肪族炭化水素溶剤と一価アルコー ルからなり、任意にグリコールエーテル及び/またはエステルが含まれる。グリ コールエーテル及び/またはエステルを含まない場合には、一価アルコールは好 ましくは9〜16個の炭素原子からなるアルコールであり、単一相を形成する。 さらに好ましくは、グリコールエーテルを含まない場合には、一価アルコールは 20〜40重量%の範囲で含まれる。最良の結果を得るためには、脂肪族炭化水 素溶剤は好ましくは少なくとも34重量%、さらに好ましくは少なくとも45重 量%のナフテンを含有する。 本発明の別の態様では、クリーナー組成物は脂肪族炭化水素溶剤と多価アルコ ールからなり、任意にグリコールエーテル及び/またはエステルが含まれる。グ リコールエーテル及び/またはエステルを含まない場合には、多価アルコールは 、好ましくは9〜16個の炭素原子からなる飽和または不飽和グリコールまたは グリセリンである。さらに好ましくは、グリコールエーテルを含まない場合には 、多価アルコールは10〜40重量%の範囲で含まれる。最良の結果を得るため には、脂肪族炭化水素溶剤は好ましくは少なくとも34重量%、さらに好ましく は少なくとも45重量%のナフテンを含有する。 好適態様では、クリーナー組成物は少なくとも90重量%、好ましくは少なく とも98重量%の脂肪族炭化水素溶剤、一価アルコール及び/または多価アルコ ール、並びに任意にグリコールエーテル及び/またはエステルからなり、最も好 ましくは脂肪族炭化水素溶剤のみからなる。グリコールエーテル及び/またはエ ステルを含まない場合には、一価アルコールは好ましくは9〜16個の炭素原子 からなるアルコールであり、及び/または多価アルコールは好ましくは9〜16 個の炭素原子からなる飽和または不飽和グリコールまたはグリセリンである。ク リーナー組成物は、脂肪族炭化水素溶剤と、1〜10重量%、好ましくは5〜1 0重量%のヘキシレングリコール、1〜30重量%、好ましくは5〜30重量% のMIBC及び/またはDIBC、さらに好ましくはDIBCからなるのが好適 である。最も好適な態様では、クリーナー組成物は「シェルゾールD60」/ヘ キシレングリコール/DIBCあるいは「シェルゾールD60S」/ヘキシレン グリコール/DIBCを約77/9/14重量%の割合にて含有する。さらに、 本発明はこの種のクリーナー組成物をインクの除去、さらに好ましくは印刷イン クの除去に用いることにも関する。 以下、実施例により本発明を詳細に記載する。実施例 実施例で使用したインクは、プレミア オランダ(23.23.00シアノゲ ン)製のオフセット回転インクと、シンクレアー&バレンタイン製のオフセット 印刷インクであるクイックフリスパントーンレフレックスブルー(登録商標)で ある。前者はロジン変性フェノール樹脂と炭化水素樹脂に基づくものであり、後 者はロジン変性フェノール樹脂とソヤアルキドに基づくものである。 オフセット印刷機では、印刷シリンダー上のブランケットシート材料及びイン クローラーの被覆材料としてブチルゴム(NBR)が通常用いられている。従っ て、クリーナー組成物の影響(ゴム膨潤)を以下のNBRについて試験した。 NBR No.17925、ブランケットオフセット、ショアA硬度25、ベ ッチャー製、 NBR No.39935、回転オフセット、ショアA硬度35、ベッチャー 製、 NBR、ハイデルベルガーオフセット印刷機のシリンダーからとったもの。 ゴム膨潤の測定は、ゴム片を一定時間浸漬した後、ゴム片の溶剤吸収を測定し て行った。浸漬前と浸漬後に、空気中と水中にてゴム片を計量して体積変化を求 めた。測定方法を以下に詳しく記載する。ゴム膨潤(ASTM471−79対応) 1×1.5cm2のゴムの試験片(約1.0g)をアルコール中に浸漬し、濾紙 で汚れを取り除いて乾燥させた。次いで、室温にて、空気中(M1)及び蒸留水 中(M2)にてゴム片を計量した。次いでゴム片を手早くアルコールに浸漬し、 圧縮空気で乾燥させ、25mlの試験溶媒を内包した30mlの秤量瓶に入れた。こ の瓶を処理室(23℃、相対湿度50%)に入れた。25時間浸漬した後、ゴム 片を溶剤から取り出し、手早くアルコールに浸漬し、圧縮空気で乾燥させ、栓付 き風袋秤量瓶に入れて計量した(M3)。空気中で計量した後、ゴム片を瓶から 取り出して室温の蒸留水中にて計量し(M4)、浸漬後の水による置換度を求め た。ゴム片を試験溶媒から取り出して秤量瓶に封入する操作、ゴム片を秤量瓶か ら取り出して水中へ浸漬する操作を30秒以内で行った。ゴム片に付着した気泡 は、蒸留水中にて計量を行う前に取り除いた。 以下の式からゴム膨潤を求めた。 体積変化(%)=[(M3-M4)-(M1-M2)]/(M1-M2)×100 質量変化(%)=(M3-M1)/M1×100洗浄性能 乾燥インク膜の溶解性より、溶剤及び混合溶剤の洗浄性能を調べた。前記イン ク膜は、一定時間間隔で乾燥させたものである。方法は準静的であり、即ち、外 部から与えるエネルギーを最小にして溶解/洗浄操作を行った。洗浄効率を以下 の等級に分類した。 1:洗浄作用なし 2:インク膜は柔軟 3:インク膜は非常に柔軟 4:インク膜は非常に柔軟になり、インク膜の一部が除去 5:インク膜は非常に柔軟になり、インク膜の大部分が除去 6〜9:インク膜は完全に除去され、残った青色の濃淡で等級を決定インク洗浄試験 アルミ箔の細片(10×50cm2)をキシレンとMEKで十分に洗浄し、乾燥 させた。次いで、インク膜を100ミクロンの厚さに塗布し、乾燥させて厚さ約 50ミクロンの乾燥膜を得た。23℃、50%相対湿度にて一定時間乾燥させた 後(2/6時間、1/3/7日)、被覆されたアルミ箔の細片(約0.75×2 cm2)を膜の中央部から切り出し、約3mlのクリーナー組成物を内包する7mlの バイアルに入れた。1日回転させた後、アルミ箔を溶剤から取り出し、ティッシ ュペーパーで叩いて慎重に乾燥させた。処理アルミ箔の外観からクリーナー組成 物の洗浄効率を評価した。溶剤の外観は1日沈降させてから評価した。結果 クリーナー組成物を試験した結果を以下の表にまとめた。比較例としては、純 粋な「シェルゾールD60」(C1)、低芳香族ホワイトスピリット(LAWS 、17重量%の芳香族化合物を含む、C2)、「TRYK A」(ユニケーマ製 、大豆油とヤシ油に基づく、C3)、及び「シートクリーナー」(スメーツ製、 芳香族炭化水素溶剤と揮発性アルコールに基づく、C4)を用いた。本発明のク リーナー組成物には、「シェルゾールD60」/ヘキシレングリコール/DIB C混合物(Ex1)及び「シェルゾールD60S」/ヘキシレングリコール/D IBC混合物(Ex2)を用いた(各成分の割合は両者とも77/9/14重量 %である)。表から明らかなように、従来の「シートクリーナー」を用いた場合 に最良の洗浄効率が得られているが、本発明のクリーナー組成物でも近い性能が 得られている。また、「シートクリーナー」の場合はゴム膨潤も最も高値である (許せる範囲内)。 「シートクリナー」とLAWSは、芳香族化合物の含有量が高いため好ましく ない。さらに、LAWSは引火点が39℃、「シートクリーナー」は引火点が1 2℃であり、本発明の組成物よりも危険である。 「TRYK A」の引火点は171℃であるが、揮発しないため第2の洗浄を 要する。さらに、高粘度なのであまり好ましくない。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年10月18日 【補正内容】 補正明細書 クリーナー組成物 本発明は、炭化水素溶剤に基づくクリーナー組成物を、インクの除去へ用いる ことに関する。特に、本発明は、主要な印刷方法(即ち、凸版印刷、平板印刷、 凹版印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、「印刷インクマニュアル」第2章、 第4版、R.H.リーチ著(1988)ISBN 0−7476−0000−7 参照)にて用いられる装置の金属及びゴム部分から、インク、顔料及び不純残留 物を取り除くのに適したクリーナー組成物に関する。さらに、本発明は、オフセ ット印刷インクや残留物を、オフセット平板印刷法に要するシリンダーやゴム被 膜から除去できるクリーナー組成物に関する。 工業用溶剤は用途が広く、中でもクリーナー組成物に用いられる。工業用溶剤 は、炭素と水素を含む炭化水素溶剤と、炭素と水素以外の原子(例えば、塩素、 酸素、窒素等)を含む化学溶剤の2種に分類することができる。炭化水素溶剤は 、さらに芳香族系と脂肪族系に分類することができる。 工業、特に印刷工業では、化学溶剤(特にハロゲン化炭化水素)に基づくクリ ーナー組成物及び/または芳香族水素を含有するクリーナー組成物が以前より用 いられている。近年の法律及び環境問題から、上記クリーナー組成物を非芳香族 系のハロゲンを含まない新開発のクリーナー組成物で置き換える必要がある。さ らに、このような非芳香族系のハロゲンを含まない新開発のクリーナー組成物は 、 (1) 望ましくない効果(例えば、ゴムの膨潤等)を印刷機械の部品にもたらす ことなく上記汚れを取り除き(インク及び残留物に対して優れた溶解力を有し) 、 (2) 発火の危険を伴わずに容易に蒸発し(ASTMD3539による相対蒸発 速度は、酢酸n−ブチルに対して少なくとも0.01であり、貯蔵及び輸送分級 AIII を満たすために40℃以上、好ましくは55℃以上の引火点を有し)、 (3) 毒物、皮膚や目に対する刺激物、有毒物(EC指針67−548によれば 各々「T」、「Xi」または「Xn」と表示される)として表示する必要がないほ ど毒性が低く、かつ (4) 一度の操作で後に何も残さずに汚れを落とし、汚れを除去した機械をその ままで使用できるような洗剤を含まない単相の組成物 でなければならない。 上述の複数の要件を同時に満たすのは困難である。従って、クリーナー組成物 の分野、特に印刷工業に用いるクリーナー組成物の分野では、いくらかの犠牲を 払ってきたのが実情である。米国特許発明明細書第5,104,567号からは 、環境的にも受け入れられ得る生分解性のクリーナー組成物が公知である。しか しながら、この種のクリーナー組成物には乳化剤が含まれており、後続の工程で これを除去しなければならない。同様に、市販のクリーナー(例えば、Tryk A(登録商標)、ヤシ油及び大豆油に基づく植物性クリーナー)も、洗剤は含 まないが蒸発が遅く、そのため後続の洗浄工程を要することが知られている。他 方、特開昭57−202399号公報及び特開昭61−293274号公報から は、優れた溶解力を有し、臭気と毒性が低い非洗剤系のクリーナー組成物が公知 である。しかしながら、上記組成物は灯油留分に基づくもの、即ち、150〜3 00℃の沸点を有し、パラフィン及びオレフィン以外にも実質量の芳香族炭化水 素(原油の質に依存、例えば、アラビア原油の場合では約20%)を含有する直 留留分に基づくものである。さらに、上記灯油留分は引火点が低すぎて危険であ る。 要件を満たすクリーナー組成物、即ち、ハロゲンを含まない化合物を含有する 組成物を提供しようとする試みが行われている。従って、本発明は、 a)1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、 b)1種以上の(i)一価アルコール及び/または(ii)多価アルコール2〜40 重量%(各アルコールは、水素結合指数(HBI)が0未満であり、相対蒸発速 度(RER)が少なくとも0.005である)、並びに c)1種以上のグリコールエーテル及び/またはエステル0〜30重量% からなるクリーナー組成物をインクの除去に用いることに関するものであり、前 記組成物は50〜80℃の引火点を有し、多くとも1重量%の芳香族炭化水素を 含有するものである。 本発明では、特に記載がない限り、単一の脂肪族炭化水素溶剤、一価アルコー ル、多価アルコール、グリコールエーテル及びエステルを、単一または複数の1 種以上の化合物とする。安全性の面から、組成物の引火点は少なくとも50℃、 好ましくは少なくとも55℃でなければならない。好ましくは、引火点は55〜 75℃である。 好適な脂肪族炭化水素溶剤は、1バールでの沸点範囲が150〜270℃であ り、多くとも0.5重量%の芳香族炭化水素を含有するものである(芳香族炭化 水素の量は、炭化水素の全量に基づく)。さらに好ましくは、この種の脂肪族炭 化水素溶剤は1バールでの沸点範囲が175〜250℃であり、芳香族炭化水素 を含む場合には多くとも0.1%の芳香族炭化水素を含有する。 従って脂肪族炭化水素溶剤は、本質的にはパラフィン、イソパラフィン及びナ フテンからなる。より強力な溶解力を得るためには、脂肪族炭化水素溶剤はナフ テンを多く含むのが好ましく、例えば少なくとも34重量%、さらに好ましくは 少なくとも45重量%のナフテンを含有する。 脂肪族炭化水素は、好ましくは「シェルゾールTD」(初期沸点、乾点及び引 火点が各々172℃、190℃、44℃であり、芳香族化合物を0.1重量%含 有する)、「シェルゾールT」(187℃、215℃、58℃、0.1%)、「 シェルゾールTK」(180℃、199℃、59℃、0.0015%)から選択 され、さらに好ましくは「シェルゾールD40」(162℃、197℃、40℃ 、0.02%)、「シェルゾールD60」(187℃、211℃、66℃、0. 02%)、「シェルゾールD70」(195℃、245℃、73℃、0.03% )から選択される。「シェルゾール」はシェル社の登録商標である。 本発明の一態様では、クリーナー組成物は脂肪族炭化水素溶剤と一価アルコー ルからなり、任意にグリコールエーテル及び/またはエステルが含まれる。グリ コールエーテル及び/またはエステルを含まない場合には、一価アルコールは好 ましくは9〜16個の炭素原子からなるアルコールであり、単一相を形成する。 さらに好ましくは、グリコールエーテルを含まない場合には、一価アルコールは 20〜40重量%の範囲で含まれる。最良の結果を得るためには、脂肪族炭化水 素溶剤は好ましくは少なくとも34重量%、さらに好ましくは少なくとも45重 量%のナフテンを含有する。 本発明の別の態様では、クリーナー組成物は脂肪族炭化水素溶剤と多価アルコ ールからなり、任意にグリコールエーテル及び/またはエステルが含まれる。グ リコールエーテル及び/またはエステルを含まない場合には、多価アルコールは 、好ましくは9〜16個の炭素原子からなる飽和または不飽和グリコールまたは グリセリンである。さらに好ましくは、グリコールエーテルを含まない場合には 、多価アルコールは10〜40重量%の範囲で含まれる。最良の結果を得るため には、脂肪族炭化水素溶剤は好ましくは少なくとも34重量%、さらに好ましく は少なくとも45重量%のナフテンを含有する。 好適態様では、クリーナー組成物は少なくとも90重量%、好ましくは少なく とも98重量%の脂肪族炭化水素溶剤、一価アルコール及び/または多価アルコ ール、並びに任意にグリコールエーテル及び/またはエステルからなり、最も好 ましくは脂肪族炭化水素溶剤のみからなる。グリコールエーテル及び/またはエ ステルを含まない場合には、一価アルコールは好ましくは9〜16個の炭素原子 からなるアルコールであり、及び/または多価アルコールは好ましくは9〜16 個の炭素原子からなる飽和または不飽和グリコールまたはグリセリンである。ク リーナー組成物は、脂肪族炭化水素溶剤と、1〜10重量%、好ましくは5〜1 0重量%のヘキシレングリコール、1〜30重量%、好ましくは5〜30重量% のMIBC及び/またはDIBC、さらに好ましくはDIBCからなるのが好適 である。最も好適な態様では、クリーナー組成物は「シェルゾールD60」/ヘ キシレングリコール/DIBCあるいは「シェルゾールD60S」/ヘキシレン グリコール/DIBCを約77/9/14重量%の割合にて含有する。さらに、 本発明はこの種のクリーナー組成物を印刷インクの除去に用いることにも関する 。 補正請求の範囲 1. a)1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、 b)1種以上の(i)一価アルコール及び/または(ii)多価アルコール2〜40 重量%(各アルコールは、水素結合指数(HBI)が0未満であり、相対蒸発速 度(RER)が少なくとも0.005である)、並びに c)1種以上のグリコールエーテル及び/またはエステル0〜30重量% からなり、50〜80℃の引火点を有し、多くとも1重量%の芳香族炭化水素を 含有するクリーナー組成物の、インク除去への使用。 2.組成物中に含まれる脂肪族炭化水素溶剤が175〜250℃の沸点を有し 、多くとも0.1重量%の芳香族炭化水素を含有する請求の範囲1に記載のクリ ーナー組成物のインク除去への使用。 3.成分b)(i)を、6〜16個の炭素原子を有する一価アルコールから選択 する請求の範囲1または2に記載のクリーナー組成物のインク除去への使用。 4.組成物の成分b)(ii)を、4〜16個の炭素原子を有するグリコールまた はグリセリン、あるいは一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(式中、nは 2〜4の整数を表す)を有するアルジトールから選択する請求の範囲1〜3のい ずれか一項に記載のクリーナー組成物のインク除去への使用。 5.組成物の成分b)がヘキシレングリコールである請求の範囲4に記載のク リーナー組成物のインク除去への使用。 6.組成物の成分c)を、計4〜16個の炭素原子を有するグリコールまたは グリセリンの任意にアルキル化されたモノ−またはポリエーテル及び/または計 4〜18個の炭素原子を有するグリコールエステルから選択する請求の範囲1〜 5のいずれか一項に記載のクリーナー組成物のインク除去への使用。 7.クリーナー組成物が、少なくとも45重量%のナフテンを含有する1種以 上の脂肪族炭化水素溶剤80〜60重量%と、それぞれ9〜16個の炭素原子を 有する、1種以上の一価アルコールまたは1種以上の多価アルコールのいずれか 20〜40重量%からなる請求の範囲1〜6のいずれか一項に記載のクリーナー 組成物のインク除去への使用。 8.組成物が、1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、1種以上の一価アルコール、 及び1種以上の多価アルコールからなり、任意に1種以上のグリコールエーテル 及び/またはエステルを含有する請求の範囲1〜7のいずれか一項に記載のクリ ーナー組成物のインク除去への使用。 9.組成物が、1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、1〜10重量%、好ましくは 5〜10重量%のヘキシレングリコール、及び1〜30重量%のMIBC及び/ またはDIBCからなる請求の範囲8に記載のクリーナー組成物のインク除去へ の使用。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. a)1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、 b)1種以上の(i)一価アルコール及び/または(ii)多価アルコール2〜40 重量%(各アルコールは、水素結合指数(HBI)が0未満であり、相対蒸発速 度(RER)が少なくとも0.005である)、並びに c)1種以上のグリコールエーテル及び/またはエステル0〜30重量% からなり、50〜80℃の引火点を有し、多くとも1重量%の芳香族炭化水素を 含有するクリーナー組成物。 2.脂肪族炭化水素溶剤が175〜250℃の沸点を有し、多くとも0.1重 量%の芳香族炭化水素を含有する請求の範囲1に記載のクリーナー組成物。 3.成分b)(i)を、6〜16個の炭素原子を有する一価アルコールから選択 する請求の範囲1または2に記載のクリーナー組成物。 4.成分b)(ii)を、4〜16個の炭素原子を有するグリコールまたはグリセ リン、あるいは一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(式中、nは2〜4の 整数を表す)を有するアルジトールから選択する請求の範囲1〜3のいずれか一 項に記載のクリーナー組成物。 5.成分b)がヘキシレングリコールである請求の範囲4に記載のクリーナー 組成物。 6.成分c)を、計4〜16個の炭素原子を有するグリコールまたはグリセリ ンの任意にアルキル化されたモノ−またはポリエーテル及び/または計4〜18 個の炭素原子を有するグリコールエステルから選択する請求の範囲1〜5のいず れか一項に記載のクリーナー組成物。 7.少なくとも45重量%のナフテンを含有する1種以上の脂肪族炭化水素溶 剤80〜60重量%と、それぞれ9〜16個の炭素原子を有する、1種以上の一 価アルコールまたは1種以上の多価アルコールのいずれか20〜40重量%から なる請求の範囲1〜6のいずれか一項に記載のクリーナー組成物。 8.1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、1種以上の一価アルコール、及び1種以 上の多価アルコールからなり、任意に1種以上のグリコールエーテル及び/また はエステルを含有する請求の範囲1〜7のいずれか一項に記載のクリーナー組成 物。 9.1種以上の脂肪族炭化水素溶剤、1〜10重量%、好ましくは5〜10重 量%のヘキシレングリコール、及び1〜30重量%のMIBC及び/またはDI BCからなる請求の範囲8に記載のクリーナー組成物。 10.請求の範囲1〜9のいずれか一項に記載のクリーナー組成物のインク除 去への使用。
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