JP5041647B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のブレーキ装置に付着した粉塵や樹脂などの汚れを除去し、またブレーキマスターシリンダーなどのブレーキパーツ内部の汚れを除去するための、洗浄剤組成物に関するものであって、特に車検点検などの分解整備に際して使用される洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車のブレーキ装置においては、車輪を制動する際の摩擦によりその摩擦部分が摩耗して、樹脂やゴムなどの成分が粉塵として生じ、また外部からの粉塵が侵入することもあり、これらが制動部に付着して、ブレーキ作用に悪影響を与える。従って車検整備の際には、これらの粉塵やその他の汚れを除去することが行われている。
【0003】
これらの汚れを洗浄する洗浄剤としては、主としてグリースなどの油性の汚れに対して優れた洗浄力を有し、且つ速やかに乾燥するものであることが要求される。またブレーキ装置を構成する素材に対して悪影響を与えるものであってはならない。
【0004】
かかる洗浄剤として従来は、トリクロロエチレン又は1,1,1−トリクロロエタ ンなどのハロゲン系溶剤を主成分とし、これをフロンガスでエアゾール化したものや、炭素数1〜6のアルコールを主成分として、これをLPGや炭酸ガスでエアゾール化したものなどが使用され、主としてエアゾール系のものが広く使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トリクロロエチレンや1,1,1−トリクロロエタン、フロン系溶 剤などは、オゾン層を破壊するなどの地球環境への悪影響がある。またトリクロロエチレンや1,1,1−トリクロロエタンなどは人体に対しても悪影響があり、使 用が規制されている。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、人体にもまた地球環境にも悪影響を与えることがなく、乾燥性が良好であって過度に不快な臭いを生じることがなく、且つ優れた洗浄性を有するブレーキ装置の洗浄剤組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
而して本発明は、イソヘキサン、イソペンタン又はこれらの混合物を35〜90重量%と、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、又はこれらの二種以上の混合物を5〜60重量%と、プロピレングリコール−モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−モノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、又はこれらの二種以上の混合物を0.5〜5重量%及び/又は酢酸エチル、t−ブチルアセテート、又はこれらの混合物を10〜25重量%とよりなることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の洗浄剤は前述のように、鎖状飽和炭化水素系溶剤と、プロピレングリコールのアルキルエーテル類と、プロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類及び/又はアルコールのエステル類とよりなる、三乃至四成分系のものである。
【0013】
鎖状飽和炭化水素系溶剤としては、炭素数5〜8程度の炭化水素が適当である。炭素数が少ないと引火性が高く危険であり、また炭素数があまりに大きいものは洗浄性に劣る。
【0014】
またこの鎖状飽和炭化水素は、側鎖を有するものを使用すべきである。この鎖状飽和炭化水素系溶剤の具体例としては、イソペンタン、イソヘキサンなどを使用することができ、またこれらの混合物を使用することもできる。
【0015】
またプロピレングリコールのアルキルエーテル類としては、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル(PNP)、プロピレングリコール−t−プチルエーテル(PTB)の一種又は二種以上の混合物を使用することが好ましい。
【0016】
アルキルエーテルアセテート類としては、プロピレングリコール−モノメチルエーテルアセテート(PMA、PGM−AC)、プロピレングリコール−モノエチルエーテルアセテート(PE−AC)、プロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート(PN−AC)、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテートの一種又は二種以上の混合物を使用することが好ましい。
【0017】
またアルコールのエステル類としては、低級アルコールと低級脂肪酸とのエステルが好ましく、酢酸エチル、t−ブチルアセテート(TBAC)の一種又は二種以上の混合物を使用することが好ましい。
【0018】
本発明における鎖状飽和炭化水素系溶剤と、プロピレングリコールのアルキルエーテル類と、プロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類及び/又はアルコールのエステル類との比率は、鎖状飽和炭化水素系溶剤を35〜90重量%と、プロピレングリコールのアルキルエーテル類を5〜60重量%とを含有し、プロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類を使用する場合には0〜5重量%、アルコールのエステル類を使用する場合には0〜25重量%とするのが適当である。
【0019】
本発明において、プロピレングリコールのアルキルエーテル類とプロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類又はアルコールのエステル類が少ないと、グリースなど油性の汚れに対する洗浄性に劣り、またこれが多すぎるとゴムなどの素材に対する影響が生じる。
【0020】
またプロピレングリコールのアルキルエーテル類やプロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類は臭気が強いため、本発明においてはグリース溶解性を維持しつつ、臭気を低減するため、プロピレングリコールのアルキルエーテル類を5〜60重量%とし、プロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類を使用する場合にも5重量%以下とするべきである。
【0021】
本発明においては前述のような比率とすることにより、鎖状飽和炭化水素系溶剤、プロピレングリコールのアルキルエーテル類、プロピレングリコールのアルキルエーテルアセテートにより、油性の汚れに対する高い洗浄性を確保しつつ、プロピレングリコールのアルキルエーテル類及びプロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類の臭気による作業環境の悪化を防止することができるのである。
【0022】
【実施例】
[洗浄剤の配合]
表1に示す配合により、実施例1〜4及び比較例1〜5の各洗浄剤組成物を調製した。なお表中の数字は、各成分の重量%を表わす。
【0023】
【表1】
【0024】
[性能試験]
▲1▼臭気
各実施例及び比較例の洗浄剤をスプレーして、自動車整備工場作業員5人のモニターによる官能試験を行なった。
○:5人全員が「臭気が気にならない」と答えた。
△:「気になる」と答えた者と「気にならない」と答えた者に分かれた。
×:5人全員が「臭気が気になる」と答えた。
【0025】
▲2▼乾燥性
表面温度25℃の鋼板上に各実施例及び比較例の洗浄剤を1分間スプレーした後、室温(25℃)での乾燥時間を測定した。
【0026】
▲3▼グリースの除去性
3.0cm×4.0cm×1mmの鋼板に、市販のブレーキラバーグリース約1gを塗布し、これを各実施例及び比較例の洗浄剤それぞれ50ml中に、室温で1分間浸漬した後、グリースの除去率を測定した。
【0027】
▲4▼各種素材に対する影響
a.金属素材に対する影響
3.0cm×4.0cm×1mmに裁断した鋼板、アルミニウム板、黄銅板を、それぞれ耐水ペーパーで研磨してエタノールで洗浄した。この各金属板を、各実施例び比較例の洗浄液中に浸漬し、50℃で7日間放置したのち、各金属板を取り出して乾燥し、表面状態と重量変化を調べた。
【0028】
b.ゴムに対する影響
2.5cm×5.0cm×2mmのSBR、CRゴム板を調製し、このゴム板の表面に各実施例及び比較例の洗浄液をスポット状に滴下し、室温で30分間放置した後洗浄液を拭き取り、ゴム板の表面における膨潤などの外観異常の有無を、目視により観察した。
【0029】
c.プラスチック素材に対する影響
アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン及びポリプロピレンの各プラスチックにより、2.5cm×5.0cm×2mmの試験板を調製し、各試験板の表面に洗浄剤をスポット状に滴下し、室温で30分間放置した後洗浄液を拭き取り、試験板の表面における膨潤などの外観異常の有無を目視により観察した。試験の結果は、前記各プラスチックのうちもっとも悪い結果を示したプラスチックについての結果を示した。
【0030】
[試験結果]
以上の各試験の結果を、表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
以上の試験結果からも理解できるように、本発明によれば、グリースなどの油性の汚れに対して優れた除去性を示し、且つ金属、ゴム、プラスチックのいずれに対しても悪影響を及ぽすことのない、優れた洗浄剤である。
【0033】
また本発明の洗浄剤は、いずれも強い臭気を発することがなく、また乾燥性にも優れており、自動車整備工場における作業性に優れている。
【0034】
これに対し、本発明におけるプロピレングリコールのアルキルエーテル類及び、プロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類、アルコールのエステル類を含まない比較例1、2は、実施例のものに比べてグリースの除去性に劣っている。
【0035】
また比較例3及び5においては、臭気の強いプロピレングリコールのアルキルエーテルアセテート類を多量に使用しているため、洗浄性には優れているが、臭気が強く、作業環境の悪化を招く。また比較例4も臭気の強いブチルセロソルブを含んでいるため、強い臭気を有している。
【0036】
さらに比較例5は、ゴム及びプラスチックに対して浸透性が見られ、これらの素材に悪影響を及ぼす恐れがある。
Claims (1)
- イソヘキサン、イソペンタン又はこれらの混合物を35〜90重量%と、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、又はこれらの二種以上の混合物を5〜60重量%と、プロピレングリコール−モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−モノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、又はこれらの二種以上の混合物を0.5〜5重量%及び/又は酢酸エチル、t−ブチルアセテート、又はこれらの混合物を10〜25重量%とよりなることを特徴とする、洗浄剤組成物
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