JPH09506649A - ポリケトンとポリオレフィンの組成物 - Google Patents

ポリケトンとポリオレフィンの組成物

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JPH09506649A JP7516523A JP51652395A JPH09506649A JP H09506649 A JPH09506649 A JP H09506649A JP 7516523 A JP7516523 A JP 7516523A JP 51652395 A JP51652395 A JP 51652395A JP H09506649 A JPH09506649 A JP H09506649A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はアミノ化ポリオレフィンをポリケトンポリマーと反応させることからなる方法に関する。好ましくは、アミノ化ポリマーはカルボン酸基を含むポリオレフィン、例えばカルボン酸含有化合物で改質されたポリオレフィンを、少なくとも2個のアミン基を含む化合物と反応させることにより得られたものである。更に、本発明はこのような方法により取得可能な組成物、アミノ化ポリオレフィンとポリケトンポリマーをベースとする組成物、アミノ化ポリオレフィン、並びにこのような組成物を含む積層材料及びブレンドにも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリケトンとポリオレフィンの組成物 本発明はポリケトンポリマーとアミノ化ポリオレフィンを含む組成物及び該組 成物の製造方法に関する。 ポリマーを組み合わせると、複数の材料の有用な属性を組み合わせて1つの系 にできるので商業的に非常に有用である。2種以上のポリマーの複合積層材料は 遮断包装用途で広く使用されており、一方の材料の遮断特性と別の材料の低価格 及び機械的特性を兼備できる。ポリマーブレンドでは、遮断性/費用、耐薬品性 /寸法安定性、靭性/強度の兼備が多数の商用材料で達せられる。 ポリマーの組み合わせにおいては、ポリマー/ポリマー界面の相溶化が特に重 要である。ポリマー間の結合が弱いと離層や機械的特性の低下を生じる。複合材 料又はブレンドの最終特性に達するためには強い界面結合が望ましい。 ほとんどのポリマー化合物が不混和性であり、同時押出又はメルトブレンディ ング中に強い界面結合を生じるために十分強い相互作用を欠くことは周知である 。そこで、ポリマー間に予想される接着不良の問題を解決するためにいくつかの 相溶化方法が出現した。相溶性と接着性は、1)相間に第3の相互に相溶性の「 結合層」を挿入するか、2)界面を架橋する適切なブロックもしくはグラフトコ ポリマー又は相互に混和性のポリマーを加えるか、3)ポリマーの一方又は両方 の適当な官能化によるin−situグラフト化反応を促進することにより改善 できる。 ポリケトンポリマーは優れた機械的及び化学的耐性を備えており、組成物の製 造に特に魅力的である。 本発明の1つの目的は、ポリケトンポリマーにグラフトしたポリオレフィンを 含む組成物の製造方法を提供することである。本発明はアミノ化ポリオレフィン をポリケトンポリマーと反応させることからなる方法、該方法により取得可能な 組成物、アミノ化ポリオレフィン及びアミノ化ポリオレフィンとポリケトンポリ マーをベースとする組成物に関する。 本発明に有用なポリケトンポリマーは、好ましくは一酸化炭素と少なくとも1 種のオレフィン性不飽和炭化水素の線状交互ポリマーである。ポリケトンポリマ ーは更に、充填剤、エキステンダー、滑剤、顔料、可塑剤及びその特性を改善又 は他の方法で改変する他のポリマー材料も含有し得る。 本発明の酸化安定化ポリマー組成物の成分として使用されるポリケトンポリマ ーは、好ましくは実質的に線状の交互構造をもち、好ましくはオレフィン性不飽 和炭化水素1分子当たり実質的に1個の一酸化炭素分子を含む。より好ましいポ リケトンポリマーは、一酸化炭素とエチレンのコポリマー又は一酸化炭素とエチ レンと炭素原子数少なくとも3個の第2のエチレン性不飽和炭化水素、特にプロ ピレンなどのαオレフィンのターポリマーである。 好適ポリケトンターポリマーを本発明のブレンドの主ポリマー成分として使用 する場合には、第2の炭化水素1部分を含む各単位当たりエチレン1部分を含む 単位がターポリマー内に少なくとも2個存在する。好ましくは、第2の炭化水素 1部分を含む単位が10〜100個存在する。従って、好適ポリケトンポリマー のポリマー鎖は反復式: -[--CO-(-CH2-CH2-)-]-x-[CO-(G)-]-y (式中、Gはエチレン性不飽和を介して重合した炭素原子数少なくとも3個のエ チレン性不飽和炭化水素の部分であり、y:xの比は0.5以下である)により 表される。一酸化炭素とエチレンのコポリマーを本発明の組成物で使用する場合 には、第2の炭化水素は存在せず、コポリマーはyが0である上記式により表さ れる。yが0以外の値であるとき、即ちターポリマーを使用する場合には、−C O−(−CH2−H2−)−単位と−CO−(G−)−単位はポリマー鎖全体にラ ンダムに存在し、y:xの好適比は0.01〜0.1である。末端基の種類を厳 密に特定してもポリマーの特性にさほど影響しないと思われるので、ポリマーは 上記ポリリマー鎖の式で十分に表される。 ゲル透過クロマトグラフィーにより測定した場合に1000〜200,000 の数平均分子量、特に20,000〜90,000の数平均分子量をもつポリケ トンポリマーが特に有用である。ポリマーの物性はポリマーがコポリマーである かターポリマーであるかに拘わらず分子量にある程度依存し、ターポリマーの場 合には存在する第2の炭化水素の割合の性質にも依存する。ポリマーの典型的融 点は175℃〜300℃、より典型的には210℃〜270℃である。ポリマー は標準毛管粘度測定装置で60℃のm−クレゾール中で測定した場合に0.5d l/g〜10dl/g、より多くの場合には0.8dl/g〜4dl/gの極限 粘度数(LVN)をもつ。 ポリケトンポリマーの好適製造方法はUS−A−4,843,144、EP− A−314,309及びEP−A−391,579に記載されている。 本発明の実施にはどのようなアミノ化ポリオレフィンでも適している。このよ うなアミノ化ポリオレフィンは、カルボン酸基を含むポリオレフィンを少なくと も2個のアミン基を含む化合物と反応させることにより得られたものを含む。カ ルボン酸基を含むポリオレフィンは好ましくはカルボン酸含有化合物で改質され たポリオレフィン、好ましくはアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸及び/ 又はアジドスルホニル安息香酸をグラフトしたポリオレフィンである。無水マレ イン酸をグラフトしたポリオレフィンが好適である。好適ポリオレフィンはポリ プロピレンである。無水マレイン酸0.1〜2.5重量%を含む無水マレイン酸 改質ポリプロピレンが特に好適である。このようなポリオレフィンはBP Ch emicalsから商標名Polybondで市販されている。Polybon d 3001、3002及び3005は0.25、0.5及び1.0重量%の無 水マレイン酸をポリマー鎖の主鎖の末端又はその側鎖として組み込むと報告され ている。更に、本発明ではポリオレフィンとアミノ化ポリオレフィンのブレンド も使用できる。アミノ化ポリオレフィンをホモポリマーで希釈又はホモポリマー とブレンドすることにより、特定のブレンド、同時押出又はコーティング塗布に 相応しい所望の接着レベルに調節及び最適化することができる。ブレンドは費用 の低減に加えて流動学的性質を容易に調節するメカニズムも提供する。 有用な官能化剤は典型的には少なくとも2個のアミン基を含む化合物である。 このようなアミンの例としてはポリメチレンジアミン、芳香族ジアミン、ジエチ ルトリアミン(DETA)、トリエチレンテトラアミン(TETA)、イソホレ ンジアミン及びポリエーテルジアミンが挙げられる。少なくとも2個の第1アミ ン、好ましくは少なくとも2個の非障害第1アミンを含むアルキルをもつジアミ ンが好適である。 ポリケトン及びポリオレフィンポリマーの相溶化方法は2段階プロセスが適切 である。第1段階ではアミノ化ポリオレフィンを形成する。第2段階ではアミノ 化ポリオレフィンをポリケトンポリマーと反応させる。 アミノ化ポリオレフィンの形成はアミンとマレイン酸化ポリオレフィンの溶融 反応により達せられる。マレイン酸化ポリオレフィンと第1アミン基を含む化合 物が溶融状態で反応すると、無水マレイン酸部分がイミドに変換すると考えられ る。少なくとも2個のアミン基を含む化合物がグラフト無水マレイン酸部分と反 応すると、他のグラフト反応で使用可能な遊離第1アミンが脱離すると考えられ る。アミンとマレイン酸化ポリオレフィンの溶融混合及び反応はポリオレフィン の慣用溶融加工中に実施することができる。反応はポリオレフィンとアミンの両 者の融点よりも高い温度で容易に進行する。溶融反応におけるアミン基と無水マ レイン酸部分のモル比は好ましくは1よりも大きく、より好ましくは2〜5の範 囲である。 第2段階ではアミノ化ポリオレフィンをポリケトンと反応させる。アミンとポ リケトン主鎖の反応は典型的にはポリオレフィンの融点(例えばポリエチレン約 140℃及びポリプロピレン約160℃)よりも高温で行われる。グラフト反応 を生じるためにポリケトンポリマーの融点よりも高温にする必要はない。ポリオ レフィンとポリケトンの反応は、ポリケトンが固体基質であるか又は溶融状態の ときに達せられる。従って、同時押出、ブレンディング及びコーティング用途が 適切である。ポリオレフィンと基質の反応は一般に結合温度、結合圧力及び/又 は結合時間の増加と共に増加する。両方の材料が溶融状態である場合には、反応 の程度は溶融温度が高いほど、溶融物中の滞留時間が長いほど、及び/又は混合 が強力なほど増加する。アミノ化ポリオレフィンとポリケトンの反応は特に熱コ ーティング塗布、同時押出又はブレンディング工程中に生じ得る。 本発明の方法は、積層材料やブレンドなどの多くの用途で使用することができ る。具体的には、1)結合層系、2)ポリマー/ポリマーブレンド、及び3)コ ーティングで使用することができる。結合層系は包装用途で使用される同時押出 多層フィルム中の層などの複合構造の種々の成分を相溶化するために使用される 。結合層系は同時押出チューブ及びパイプ、多層プラスチックボトル、加熱滅菌 可能なプラスチック容器、複合食品箱並びに複合缶の製造にも使用される。本発 明に記載するような相溶化メカニズムは、不混和性ポリマー/ポリマーブレンド において遮断性/費用、耐薬品性/寸法安定性、及び靭性/強度の特性の所望の バランスに達するためにしばしば使用される。結合層系とポリマー/ポリマーブ レンドはいずれも溶融状態から2種のポリマーを結合し、材料は同時押出及びメ ルトブレンディングなどの慣用溶融加工処理中に化合される。 本発明は、ポリオレフィンコーティングをポリケトン基質に結合するために使 用することができる。例えば、遮断性の改善、UV保護及び/又は装飾目的でポ リオレフィンコーティングを塗布するために利用できる。 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。実施例 実施例1 Brabender混合ヘッドでアミノ化ポリプロピレンを製造した。改質ポ リマーを190℃の混合ヘッドに導入し、3分間混合した。この時点でジアミン 粉末を溶融物に加え、更に3分間混合した。ジアミンは無水マレイン酸1モル当 たりアミン基4モルが存在するように加えた。ポリケトン/ポリプロピレン界面 間で反応するために十分な数の遊離アミン基を提供しながら架橋量を制限するよ うに過剰のアミンを加えた。1,12−ジアミノドデカンの量はポリプロピレン 中の無水マレイン酸改質レベルに依存して1〜4重量%とした。ポリプロピレン ホモポリマー(Shell製PP 5384)で対照試験を実施した。混合後、 化合材料を取り出して乾燥した。アミノ化ポリプロピレンは反応処理段階後に琥 珀色を示した。 アミノ化したマレイン酸化ポリプロピレン材料とそのままのマレイン酸化ポリ プロピレン材料から圧縮成形によりフィルムを作成した。圧縮成形によりT形剥 離試験サンプルを作成し、2枚の5×10-4m(20mil)のポリケトンポリ マー押出シートの間に改質ポリプロピレンフィルムを挟んだ。200℃の金型温 度を使用し、結合プロトコルは0トン圧力で1分及び2トン圧力で1分とした。 次いでT形剥離試験片の2分の1をBarnstead卓上装置で127℃(2 60°F)で30分間蒸気滅菌処理した。D−1876 ASTM法に基づく方 法を使用してT形剥離試験片で接着性を測定した。 剥離試験結果を表2に示す。ポリケトンポリマーとそのままのマレイン酸化ポ リプロピレンの間に接着は認められなかった。他方、アミンと反応させると、材 料は約142〜179kg/m(8〜101b/in)の最大荷重剥離強さを示 した。結合の強さは系の無水マレイン酸濃度からほぼ独立していることが判明し た。結合強さは加熱滅菌処理の間中維持された。 予想された通り、ポリプロピレンホモポリマーはポリケトンポリマーシートに 接着しなかった。ジアミン1重量%で改質したポリプロピレンホモポリマーでは 接着は認められなかったが、ポリケトンポリマーシート黄変からピロール形成が 明白であった。 本発明はポリプロピレン/ポリケトンポリマー界面に有効な結合を生じること が明白である。結合の強さは加熱滅菌処理後も維持される。実施例2 本実施例では、アミン改質ポリプロピレンをポリプロピレンホモポリマーのブ レンドで希釈することにより界面相溶化メカニズムを実証する。 これらの実験で使用した材料はPolybond 3001(Polybon dは商標)、1,12ジアミノドデカン及び、官能化ポリプロピレン系を希釈す るために使用した35メルトフローのポリプロピレンホモポリマー(Shell の市販品WRD−1074)である。 アミン改質ポリプロピレン材料はBerstroff 25mm二軸押出機で 反応性押出により製造した。無水マレイン酸1モル当たり4モルのアミン末端基 が存在するようにマレイン酸化ポリプロピレン及びポリプロピレンホモポリマー のペレットをジアミン粉末とドライブレンドした。バレルに沿うゾーン温度は2 20〜190℃に設定した。溶融温度は205℃であった。 アミン改質ポリプロピレン材料の種々の組成物を表3に示す。25/75アミ ン改質ポリプロピレン/ポリプロピレン材料はポリプロピレンホモポリマーと1 00/0アミン改質ポリプロピレン/プロピレン材料を第2押出段階でブレンド することにより製造した。 実施例1に上述したと同一の方法でT形剥離試験サンプルを作成し、試験した 。結果を表3に示す。 表3は、AMPP材料中のポリプロピレンホモポリマー組成物の関数としてT 形剥離試験の平均最大荷重を示す。AMPP材料の接着強さは官能化材料がポリ プロピレンホモポリマーで希釈されるにつれて減少する。しかしながら、接着レ ベルは最も希薄なブレンドでもホモポリマーで達せられるレベルより著しく高く 、結合層系、ブレンド及び同時押出を含む多くの用途で使用するのに十分である 。実施例3 ポリオレフィン及びポリケトンから製造したチューブ、パイプ及びフィルムな どの同時押出製品は両材料の望ましい属性を兼備する。しかしながら、これらの ポリマーを組み合わせて有用な製品を形成しようとすると、ポリマー層間の界面 接着不良により制限される。本実施例では、同時押出チューブのポリオレフィン 及びポリケトン層間の接着を改善するために相溶化を使用できることを示す。 本実施例で使用した材料はポリケトンポリマー、ポリプロピレンホモポリマー 、及び実施例2に記載したアミノ化ポリプロピレン/ポリプロピレン50/50 材料である。内層としてポリケトンを使用し、外層としてポリオレフィン材料を 使用して同時押出チューブを製造した。マニホールドダイを使用し、ポリオレフ ィン及びポリケトンの標準溶融加工条件を使用した。チューブの外径は約6.3 cm(1/4インチ)であった。 「キンク試験」から界面の合否を判定することにより接着性を試験した。この 試験では、管がキンクするまで公称1/4インチ同時押出チューブを折り曲げた 。この高応力領域の界面におけるチューブのポリオレフィン及びポリケトン層間 の離層を試験した。キンクした領域に界面離層を示したチューブを不良と判定し た。離層せずにその結合性を維持した同時押出チューブを合格とした。結果を表 4に示す。 ポリプロピレンホモポリマー層とポリケトン層から構成した同時押出チューブ は曲げ試験の前後とも有意量の離層を示した。アミン改質ポリオレフィンで加工 した管は「キンク試験」に合格であつた。ポリケトンと改質ポリオレフィン界面 の接着性はキンク結合点で高応力レベルに耐えるに十分であった。 以上、例示の目的で本発明を詳細に説明したが、本発明は上記記載により制限 されず、発明の趣旨及び範囲内で全変更及び変形を包含するものである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年9月29日 【補正内容】 補正明細書 ポリケトンとポリオレフィンの組成物 本発明はポリケトンポリマーとアミノ化ポリオレフィンを含む組成物及び該組 成物の製造方法に関する。 ポリマーを組み合わせると、複数の材料の有用な属性を組み合わせて1つの系 にできるので商業的に非常に有用である。2種以上のポリマーの複合積層材料は 遮断包装用途で広く使用されており、一方の材料の遮断特性と別の材料の低価格 及び機械的特性を兼備できる。ポリマーブレンドでは、遮断性/費用、耐薬品性 /寸法安定性、靭性/強度の兼備が多数の商用材料で達せられる。 ポリマーの組み合わせにおいては、ポリマー/ポリマー界面の相溶化が特に重 要である。ポリマー間の結合が弱いと離層や機械的特性の低下を生じる。複合材 料又はブレンドの最終特性に達するためには強い界面結合が望ましい。 ほとんどのポリマー化合物が不混和性であり、同時押出又はメルトブレンディ ング中に強い界面結合を生じるために十分強い相互作用を欠くことは周知である 。そこで、ポリマー間に予想される接着不良の問題を解決するためにいくつかの 相溶化方法が出現した。相溶性と接着性は、1)相間に第3の相互に相溶性の「 結合層」を挿入するか、2)界面を架橋する適切なブロックもしくはグラフトコ ポリマー又は相互に混和性のポリマーを加えるか、3)ポリマーの一方又は両方 の適当な官能化によるin−situグラフト化反応を促進することにより改善 できる。 ポリケトンポリマーは優れた機械的及び化学的耐性を備えており、組成物の製 造に特に魅力的である。 本発明の解決すべき課題は、ポリケトンポリマーにグラフトしたポリオレフィ ンを含む組成物の製造方法を提供することである。本発明は十分な数の遊離アミ ノ基を含むアミノ化ポリオレフィンを一酸化炭素と少なくとも1種のオレフィン 性不飽和炭化水素の線状交互ポリケトンポリマーと反応させることからなる方法 、該方法により取得可能な組成物、及びかかるアミノ化ポリオレフィンとポリケ トンポリマーをベースとする組成物に関する。 本発明のポリケトンポリマーは、一酸化炭素と少なくとも1種のオレフィン性 不飽和炭化水素の線状交互ポリマーである。ポリケトンポリマーは更に、充填剤 、エキステンダー、滑剤、顔料、可塑剤及びその特性を改善又は他の方法で改変 する他のポリマー材料も含有し得る。 本発明の酸化安定化ポリマー組成物の成分として使用されるポリケトンポリマ ーは、好ましくは実質的に線状の交互構造をもち、好ましくはオレフィン性不飽 和炭化水素1分子当たり実質的に1個の一酸化炭素分子を含む。より好ましいポ リケトンポリマーは、一酸化炭素とエチレンのコポリマー又は一酸化炭素とエチ レンと炭素原子数少なくとも3個の第2のエチレン性不飽和炭化水素、特にプロ ピレンなどのαオレフィンのターポリマーである。 好適ポリケトンターポリマーを本発明のブレンドの主ポリマー成分として使用 する場合には、第2の炭化水素1部分を含む各単位当たりエチレン1部分を含む 単位がターポリマー内に少なくとも2個存在する。好ましくは、第2の炭化水素 1部分を含む単位が10〜100個存在する。従って、好適ポリケトンポリマー のポリマー鎖は反復式: -[--CO-(-CH2-CH2-)-]-x-[CO-(G)-]-y (式中、Gはエチレン性不飽和を介して重合した炭素原子数少なくとも3個のエ チレン性不飽和炭化水素の部分であり、y:xの比は0.5以下である)により 表される。一酸化炭素とエチレンのコポリマーを本発明の組成物で使用する場合 には、第2の炭化水素は存在せず、コポリマーはyが0である上記式により表さ れる。yが0以外の値であるとき、即ちターポリマーを使用する場合には、 更に、本発明ではポリオレフィンとアミノ化ポリオレフィンのブレンドも使用で きる。アミノ化ポリオレフィンをホモポリマーで希釈又はホモポリマーとブレン ドすることにより、特定のブレンド、同時押出又はコーティング塗布に相応しい 所望の接着レベルに調節及び最適化することができる。ブレンドは費用の低減に 加えて流動学的性質を容易に調節するメカニズムも提供する。 有用な官能化剤は典型的には少なくとも2個のアミン基を含む化合物である。 このようなアミンの例としてはポリメチレンジアミン、芳香族ジアミン、ジエチ ルトリアミン(DETA)、トリエチレンテトラアミン(TETA)、イソホレ ンジアミン及びポリエーテルジアミンが挙げられる。少なくとも2個の第1アミ ン、好ましくは少なくとも2個の非障害第1アミンを含むアルキルをもつジアミ ンが好適である。 ポリケトン及びポリオレフィンポリマーの相溶化方法は2段階プロセスが適切 である。第1段階ではアミノ化ポリオレフィンを形成する。第2段階ではアミノ 化ポリオレフィンをポリケトンポリマーと反応させる。 アミノ化ポリオレフィンの形成はアミンとマレイン酸化ポリオレフィンの溶融 反応により達せられる。マレイン酸化ポリオレフィンと第1アミン基を含む化合 物が溶融状態で反応すると、無水マレイン酸部分がイミドに変換すると考えられ る。少なくとも2個のアミン基を含む化合物がグラフト無水マレイン酸部分と反 応すると、他のグラフト反応で使用可能な遊離第1アミンが脱離すると考えられ る。アミンとマレイン酸化ポリオレフィンの溶融混合及び反応はポリオレフィン の慣用溶融加工中に実施することができる。反応はポリオレフィンとアミンの両 者の融点よりも高い温度で容易に進行する。溶融反応におけるアミン基と無水マ レイン酸部分のモル比は好ましくは1よりも大きく、より好ましくは2〜5の範 囲である。本発明では、アミノ化ポリオレフィン又は十分な数の遊離アミノ基を 含むアミノ化ポリオレフィンとポリオレフィンとのブレンドを使用することがで きる。 第2段階ではアミノ化ポリオレフィンをポリケトンと反応させる。アミンとポ リケトン主鎖の反応は典型的にはポリオレフィンの融点(例えばポリエチレン約 140℃及びポリプロピレン約160℃)よりも高温で行われる。グラフト反応 を生じるためにポリケトンポリマーの融点よりも高温にする必要はない。ポリオ レフィンとポリケトンの反応は、ポリケトンが固体基質であるか又は溶融状態の ときに達せられる。従って、同時押出、ブレンディング及びコーティング用途が 適切である。ポリオレフィンと基質の反応は一般に結合温度、結合圧力及び/又 は結合時間の増加と共に増加する。両方の材料が溶融状態である場合には、反応 の程度は溶融温度が高いほど、溶融物中の滞留時間が長いほど、及び/又は混合 が強力なほど増加する。アミノ化ポリオレフィンとポリケトンの反応は特に熱コ ーティング塗布、同時押出又はブレンディング工程中に生じ得る。 本発明の方法は、積層材料やブレンドなどの多くの用途で使用することができ る。従って、本発明は、前記本発明方法により取得可能な組成物、並びに十分な 数の遊離アミノ基を含むアミノ化ポリオレフィン及び一酸化炭素と少なくとも1 種のオレフィン性不飽和炭化水素の線状交互ポリケトンポリマーをベースとする 組成物を含む積層材料又はブレンドにも関する。具体的には、1)結合層系、2 )ポリマー/ポリマーブレンド、及び3)コーティングで使用することができる 。結合層系は包装用途で使用される同時押出多層フィルム中の層などの複合構造 の種々の成分を相溶化するために使用される。結合層系は同時押出チューブ及び パイプ、多層プラスチックボトル、加熱滅菌可能なプラスチック容器、複合食品 箱並びに複合缶の製造にも使用される。本発明に記載するような相溶化メカニズ ムは、不混和性ポリマー/ポリマーブレンドにおいて遮断性/費用、耐薬品性/ 寸法安定性、及び靭性/強度の特性の所望のバランスに達するためにしばしば使 用される。結合層系とポリマー/ポリマーブレンドはいずれも溶融状態から2種 のポリマーを結合し、材料は同時押出及びメルトブレンディングなどの慣用溶融 加工処理中に化合される。 本発明は、ポリオレフィンコーティングをポリケトン基質に結合するために使 用することができる。例えば、遮断性の改善、UV保護及び/又は装飾目的でポ リオレフィンコーティングを塗布するために利用できる。 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。 マニホールドダイを使用し、ポリオレフィン及びポリケトンの標準溶融加工条件 を使用した。チューブの外径は約6.3cm(1/4インチ)であった。 「キンク試験」から界面の合否を判定することにより接着性を試験した。この 試験では、管がキンクするまで公称1/4インチ同時押出チューブを折り曲げた 。この高応力領域の界面におけるチューブのポリオレフィン及びポリケトン層間 の離層を試験した。キンクした領域に界面離層を示したチューブを不良と判定し た。離層せずにその結合性を維持した同時押出チューブを合格とした。結果を表 4に示す。 ポリプロピレンホモポリマー層とポリケトン層から構成した同時押出チューブ は曲げ試験の前後とも有意量の離層を示した。アミン改質ポリオレフィンで加工 した管は「キンク試験」に合格であつた。ポリケトンと改質ポリオレフィン界面 の接着性はキンク結合点で高応力レベルに耐えるに十分であった。 補正請求の範囲 1.十分な数の遊離アミノ基を含むアミノ化ポリオレフィンを一酸化炭素と少な くとも1種のオレフィン性不飽和炭化水素の線状交互ポリケトンポリマーと反応 させることからなる方法。 2.アミノ化ポリマーが、カルボン酸基を含むポリオレフィンを少なくとも2個 のアミン基を含む化合物と反応させることにより得られたものである請求の範囲 1に記載の方法。 3.カルボン酸基を含むポリオレフィンがカルボン酸含有化合物で改質されたポ リオレフィンである請求の範囲2に記載の方法。 4.カルボン酸含有化合物を含むポリオレフィンが、アクリル酸、マレイン酸、 無水マレイン酸及び/又はアジドスルホニル安息香酸をグラフトしたポリオレフ ィンである請求の範囲3に記載の方法。 5.ポリオレフィンがポリプロピレンである請求の範囲1から4のいずれか一項 に記載の方法。 6.ポリオレフィンと十分な数の遊離アミノ基を含むアミノ化ポリオレフィンの ブレンドを使用する請求の範囲1から8のいずれか一項に記載の方法。 7.請求の範囲1から6のいずれか一項に記載の方法により取得可能な組成物。 8.十分な数の遊離アミノ基を含むアミノ化ポリオレフィン及び一酸化炭素と少 なくとも1種のオレフィン性不飽和炭化水素の線状交互ポリケトンポリマーをベ ースとする組成物。 9.請求の範囲7又は8のいずれか一項に記載の組成物を含む積層材料。 10.請求の範囲7又は8のいずれか一項に記載の組成物を含むブレンド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C08L 73/00 LQQ 8619−4J C08L 73/00 LQQ (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アミノ化ポリオレフィンをポリケトンポリマーと反応させることからなる方 法。 2.アミノ化ポリマーが、カルボン酸基を含むポリオレフィンを少なくとも2個 のアミン基を含む化合物と反応させることにより得られたものである請求の範囲 1に記載の方法。 3.カルボン酸基を含むポリオレフィンがカルボン酸含有化合物で改質されたポ リオレフィンである請求の範囲2に記載の方法。 4.カルボン酸含有化合物を含むポリオレフィンが、アクリル酸、マレイン酸、 無水マレイン酸及び/又はアジドスルホニル安息香酸をグラフトしたポリオレフ ィンである請求の範囲3に記載の方法。 5.ポリケトンポリマーが一酸化炭素と少なくとも1種のオレフィン性不飽和炭 化水素の線状交互ポリケトンポリマーである請求の範囲1から4のいずれか一項 に記載の方法。 6.ポリオレフィンがポリプロピレンである請求の範囲1から5のいずれか一項 に記載の方法。 7.少なくとも2個のアミン基を含む化合物がポリメチレンジアミン、芳香族ジ アミン、ジエチルトリアミン、トリエチレンテトラアミン、イソホレンジアミン 、ポリエーテルジアミン及び/又は少なくとも2個の第1アミンを含むアルキル である請求の範囲1から6のいずれか一項に記載の方法。 8.少なくとも2個のアミン基を含む化合物が少なくとも2個の第1アミンを含 むアルキルである請求の範囲7に記載の方法。 9.ポリオレフィンとカルボン酸含有化合物で改質されたアミノ化ポリオレフィ ンのブレンドを使用する請求の範囲1から8のいずれか一項に記載の方法。 10.請求の範囲1から9のいずれか一項に記載の方法により取得可能な組成物 。 11.カルボン酸含有化合物で改質されたポリオレフィンを、少なくとも2個の アミン基を含む化合物と反応させることにより取得可能なアミノ化ポリオレフィ ン。 12.アミノ化ポリオレフィンとポリケトンポリマーをベースとする組成物。 13.アミノ化ポリオレフィンがカルボン酸含有化合物を含むアミノ化ポリオレ フィンである請求の範囲12に記載の組成物。 14.請求の範囲10、12又は13のいずれか一項に記載の組成物を含む積層 材料。 15.請求の範囲10、12又は13のいずれか一項に記載の組成物を含むブレ ンド。
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