JPH09506507A - Ca55.1抗原指向性結合構造 - Google Patents

Ca55.1抗原指向性結合構造

Info

Publication number
JPH09506507A
JPH09506507A JP7515473A JP51547395A JPH09506507A JP H09506507 A JPH09506507 A JP H09506507A JP 7515473 A JP7515473 A JP 7515473A JP 51547395 A JP51547395 A JP 51547395A JP H09506507 A JPH09506507 A JP H09506507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antigen
antibody
binding structure
cells
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7515473A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3962087B2 (ja
Inventor
ローズ,マイケル・サミュエル
ブート,クリストファー
コプレイ,クライヴ・グラハム
パターソン,ダグラス・スティーヴン
ホール,スーザン・マーガレット
ライト,アンドリュー・ファーミン
ブレイキー,デイヴィッド・チャールズ
Original Assignee
ゼネカ・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB939324819A external-priority patent/GB9324819D0/en
Priority claimed from GB9411089A external-priority patent/GB9411089D0/en
Application filed by ゼネカ・リミテッド filed Critical ゼネカ・リミテッド
Publication of JPH09506507A publication Critical patent/JPH09506507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3962087B2 publication Critical patent/JP3962087B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/30Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants from tumour cells
    • C07K16/3046Stomach, Intestines
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 ECACC寄託番号93081901として寄託されたハイブリドーマ55.1から得られるようなCA55.1と呼ばれる腫瘍関連抗原を認識する抗体、ここで相補性決定領域は以下の配列を持っている:a)重鎖:CDR1:GYWIH(配列ID番号:27);CDR2:EVNPSTGRSDYNEKFKN(配列ID番号:28);CDR3:ERAYGYDDAMDY(配列ID番号:29);b)軽鎖:CDR1:KSSQSLLNSRTRKNYLA(配列ID番号:30);CDR2:WASTRTS(配列ID番号:31);CDR3:KQSYTLRT(配列ID番号:32);またはそれらの保存的類似体。バクテリオファージNCIMB番号40638の表面に表されるようなペプチドACEHRGSGWC(配列ID番号:26)は腫瘍関連抗原CA55.1の模倣物である。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 CA55.1抗原指向性結合構造 技術分野 本発明は癌の診断および治療に有用な新規腫瘍付随抗原(55.1)に関する 。 背景技術 正常細胞の腫瘍細胞への形質転換は細胞表面の炭水化物の変化を伴っているこ とが確立されている。多くのそのような細胞表面炭水化物構造は抗原として働い ており、腫瘍改変構造はいわゆる腫瘍付随抗原の型を示している(Altere d Glycosylation in Tumour Cells、Read ing、HakamoriおよびMarcus編、1988、Arthur R .Liss出版)。そのような抗原は例えば、ハイブリドーマ技術を用いる単一 特異的抗体を発生させることにより開発されるであろう。モノクローナル抗体の 単離および生成のためのハイブリドーマ技術は現在十分に確立されており、Ko hlerおよびMilstein(Nature,256,495−497,1 975)により最初に記載されたものである。 腫瘍付随抗原はヒト腫瘍疾患に関連して報告されており、例えばCEA(胎児 性癌抗原、Gold and Freedman,J Exp Med,121 ,439,1965)、CA19.9を運んでいるGICA(胃腸癌抗原)、お よびCA50上のC242.2エピトープ(Larson et al,Int J Cancer,42,877−882,1988)が示されている(特に 胃腸癌腫において)。すべてのこれらの抗原は腫瘍細胞表面に存在し、血液血清 でもまた証明することができる。 癌の処置において腫瘍付随抗原を標的とするそのような抗体を使用する概念は 10年以上に渡って評価されてきた(Herlyn et al.(1980) Cancer Research 40,717)。腫瘍の種々の化学的および 生物的物質を標的とするために抗体が使用でき、そのような複合体はインビトロ およびインビボの両方の診断における多くの方法の基礎形成に特に貢献した。癌 の治療における免疫複合体の使用もまた有望である(Lord et al.( 1985)Trends in Biotechnology 3,175; Vitetta et al.(1987)Science 238,1098 )。この方法は診断的応用よりも技術的によりきびしく、そのような免疫治療法 で標的とされる腫瘍付随抗原は高度に腫瘍特異的であり、生存しているヒト組織 において有意なレベルで発現されていてはならない。特異的に腫瘍がある組織に 分布する性質とともに、腫瘍細胞それ自身における抗原の代謝的運命もまた重要 な性質である。モノクローナル抗体およびその誘導体の種々の複合体の有効性は 細胞の膜表面からの腫瘍付随抗原のインターナリゼーションの速度に依存してい ることが見いだされている。特にある種の複合体、すなわち免疫毒素は医薬とし て有効であるためには腫瘍細胞の表面からの抗原分子の迅速で連続的なインター ナリゼーションを必要としている。免疫毒素または薬剤複合体に関連する使用で は速い速度のインターナリゼーションまたはエンドサイトーシスが望まれるが、 抗体指向性酵素プロドラッグ治療または放射線治療のような他の使用においては それは必須の特性ではない。 癌の処置に有用であるには、腫瘍付随抗原は一般的に:1)腫瘍細胞の大多数 の表面上に有意なレベルで発現され(一般的に細胞当たり>10,000分子) および2)生存正常組織では低レベルまたは検出されない程度で発現されていな ければならないと信じられている。 癌診断および治療において有用な別のおよび改良された腫瘍付随抗原が求めら れている。 発明の開示 本発明はCA55.1と称される(本明細書で定義されるような)腫瘍付随抗 原の発見に基づいている。本抗原は既知の腫瘍特異的抗原よりもある種の癌の免 疫治療または診断においてより優れた標的となるいくつかの性質を示している。 それは結腸直腸腫瘍の大多数で発現され、正常結腸組織では非常に弱く発現され るかまたは存在しない。さらに、細胞結合性CA55.1に抗体が結合された後 、そのようして形成された複合体は腫瘍細胞内に速い速度でエンドサイトーシス されるかまたはインターナリゼーションを受ける。 本発明の一つの態様に従うと抗原CA55.1を認識する相補性決定領域(C DRs)を持つ抗原結合構造が提供され、ここで抗原は: a)約48から52kD、約58kDから72kDおよび約88kDから92k Dの範囲のSDS−PAGEによる分子量を持つ3つの主な化学種; b)COLO 205腫瘍細胞(ATCC番号CCL 222)の膜分画中の細 胞下の所在; c)複雑なN−結合炭水化物構造を持っており; およびここで抗原結合構造は下記の性質の少なくとも一つをもっている: i)抗原結合構造はCA55.1抗原へのモノクローナル抗体55.1(ECA CC番号9381901)の結合を競合的に阻害するかまたは; ii)バクテリオファージNCIMB番号40638の表面に示されるようなペ プチドACEHRGSGWC(配列ID番号:26)は10pMまたはそれ未満 の効率的な結合で抗原結合構造へ結合する(抗原結合構造で被覆された固相とイ ンキュベートした場合)または; iii)抗原結合構造と前もってインキュベートした場合、バクテリオファージ NCIMB番号40638の表面に示されるようなペプチドACEHRGSGW C(配列ID番号:26)は200nMまたはそれ未満の有効濃度でCOLO 205細胞(ATCC番号CCL 222)で被覆された固相への抗原結合構造 の結合を競合的に阻害する。 精製されたCA55.1でのレクチン結合研究から、CA55.1炭水化物は ガラクトースへα(2−6)またはα(2−3)で結合されたシアル酸残基を持 たない複合体型のN−結合オリゴサッカライドであることが示されている。CA 55.1認識の試験(抗体55.1の結合の競合的阻害)は下記の実施例7に示 されている。ACEHRGSGWC(配列ID番号:26)存在下での結合の測 定は実施例14に示されている。膜分画中の細胞下所在とは、実施例7.1aに 記載したような方法により全細胞から得られる膜分画に抗原が存在していること を意味している。 Mab55.1のその抗原への結合の新規アンタゴニストの探索においては、 ファージマイナーコート蛋白質pIIIのN−末端上にランダムペプチド配列を示 すM13バクテリオファージのライブラリーを発生させ、ポリスチレン上に固定 したMab55.1でスクリーニングを行った。そのようなスクリーニングの結 果、 pIIIのN−末端で配列ACEHRGSGWC(一文字アミノ酸コード;配列I D番号:26)を示すファージがMab55.1のCOLO 205細胞上のそ の抗原への結合を阻害することが観察された。 マンノースー結合蛋白質コンカナバリンA(con A)(Scott et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,vo 189,pp. 5398−5402,1992;またOldenburg et al,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA,vol89,pp.5393−53 97,1992)および抗炭水化物Mab(Hoess et al,Gene ,vol 128,pp.43−49,1993)のためのペプチドリガンドを 含む炭水化物結合蛋白質についてスクリーニングしたライブラリーを示すファー ジペプチドから選択されているペプチド模倣物の文献に例がすでに存在する。c on Aを研究している二つのグループの独立した結果は選択されたペプチド配 列に強い共通性を示しており(反復モチーフYPYを含む);Mabについての スクリーニングでは反復モチーフPWLYが選択された。両方の炭水化物結合蛋 白質により選択された芳香族側鎖は糖の環に類似の立体化学的コンフィグレーシ ョンでお互いに重なっているという推測がなされている。対称的に、Mab55 .1により選択された構造は上記のリガンドの疎水的および立体配座特性が欠如 しており、名義上環式ペプチドライブラリーから選択され、一つの集団内部で発 生された直線状ペプチドライブラリーに対してのMab55.1スクリーニング ではなにも選択されなかった(他の群では直線状ペプチドライブラリーから結合 物が選択された)。蛋白質配列データベースでの配列ACEHRGSGWCの検 索では既知のペプチドとの相同性は示されず、従ってMab55.1により結合 された配列は新規である。 抗原結合構造は一般的には抗体(またはその断片またはscFvのような修飾 抗体構築物)であり、CA55.1を認識および結合するであろう蛋白質配列と して定義される。好適には、CA55.1抗原に対する結合親和性は少なくとも 10e−5Mであり、より好適にはCA55.1抗原に対する結合親和性は少な くとも10e−6Mであり、より好適にはCA55.1抗原に対する結合親和性 は少なくとも10e−7Mであり、より好適にはCA55.1抗原に対する結合 親和性は少なくとも10e−8Mであり、より好適にはCA55.1抗原に対す る結合親和性は少なくとも10e−9Mであり、より好適にはCA55.1抗原 に対する結合親和性は少なくとも10e−10Mであり、および特にはCA55 .1抗原に対する結合親和性は少なくとも10e−11Mである。抗原結合構造 の蛋白質配列は通常免疫グロブリンまたは免疫グロブリンスーパーファミリーの 免疫グロブリン領域から誘導され、完全に天然の分子、その断片または抗原への 結合を可能にする免疫グロブリン折り畳みの構造特性のみを保持するように遺伝 子工学で作られた化学種であろう。抗原結合構造は抗体55.1のCDRsに基 づいているのが好適である。CDRsすなわち相補性決定領域(complementarit y determining regions)は抗原抗体相互作用の特異性を決定するのに決定的で あると仮定されている抗体可変領域の高頻度可変ループ内の配列である(Kab at et al(1987)Sequenceof Proteins of Immunological Interest,US Depy Heal th and Human Services,Washington DC) ;しかしながら、ここで定義されるCDRsには結合に寄与する骨格残基が含ま れている。抗体55.1に対し、CDRsは他のマウス抗体の高頻度可変配列と の相同性により決定された。 重鎖CDRsは: 1 pos 31-35 inc.= G Y W I H (配列ID番号:27) 2 pos 50-66 inc.= E V N P S T G R S D Y N E K F K N (配列ID番号:28) 3 pos 99-110 inc.= E R A Y G Y D D A M D Y (配列ID番号:29) である。 軽鎖CDRsは: 1 pos 24-40 inc.= K S S Q S L L N S R T R K N Y L A (配列ID番号:30) 2 pos 56-62 inc.= W A S T R T S (配列ID番号:31) 3 pos 95-102 inc.= K Q S Y T L R T (配列ID番号:32) である。 本発明の一つの態様に従うと、抗原CA55.1を認識する相補性決定領域( CDRs)を持つ抗原結合構造が提供され、ここでCDRsは以下の配列を持っ ている: a)重鎖 CDR1 G Y W I H (配列ID番号:27) CDR2 E V N P S T G R S D Y N E K F K N (配列ID番号:28) CDR3 E R A Y G Y D D A M D Y (配列ID番号:29); b)軽鎖 CDR1 K S S Q S L L N S R T R K N Y L A (配列ID番号:30) CDR2 W A S T R T S (配列ID番号:31) CDR3 K Q S Y T L R T (配列ID番号:32); またはそれらの保存的類似体。 本発明の一つの態様に従うと下記の(随意にヒト適応化された)構造を持つ抗 原結合構造が提供される: 重鎖配列(配列ID番号:33) および; 軽鎖配列(配列ID番号:34): またはそれらの以下の構築物の一つ: F(ab’)2;F(ab’)、Fab、Fv、一本鎖Fv &V−minまた は; それらの保存的類似物(conservative analogue)。 本発明の別の態様に従うと、抗体の可変領域の重鎖または軽鎖をコードするポ リヌクレオチド配列が提供され、それはストリンジェント条件下、抗体55.1 (ECACC寄託番号93081901)の重鎖または軽鎖のCDR3をコード しているポリヌクレオチド配列とハイブリッド形成する。 好適には、ポリヌクレオチドは抗体55.1の重鎖または軽鎖の二つの(特別 には三つの)CDR3をコードしている。ハイブリッド形成試験は下記実施例1 0に示されている。 本発明の一つの態様に従うと、前に定義したような抗原結合構造の重鎖または 軽鎖の可変領域を少なくともコードしているポリヌクレオチド配列が提供される 。 本発明の別の態様に従うと、前に定義されたようなポリヌクレオチド配列によ りコードされている配列を持つ抗原結合構造が提供される。 本発明の別の態様に従うと、抗体55.1(ECACC寄託番号930819 01)またはその保存的類似物の少なくとも一つのCDR3を持つ抗原結合構造 が提供される。好適には、抗原結合構造は抗体55.1またはその保存的類似物 の少なくとも三つのCDR3(より好適には4CDRs、より好適には5CDR s、特別には6CDRs)を持っている。 保存的類似物とは抗原結合構造の結合特性を保持しているが、配列は一つまた はそれ以上の保存的アミノ酸が置換されて異なっている蛋白質配列である。本明 細書の目的のためには保存的アミノ酸置換とは偶然に起こる確率(Dayhof fet al,Atlas of Protein Sequence and Structure,1971,ページ95−96 および図9−10により 記載されているコンピューター法により定義されるような)より現実に起こる確 率が10倍よりも大きい置換である。 本発明の別の態様に従うと、前に記載されたような抗原結合構造を持つ抗体が 提供される。 本発明の別の態様に従うと、ヒト適応化されていると特徴付けられる前記の抗 体または抗体断片が提供される。 ヒト適応化された抗体、関連する断片または抗体結合構造とは抗原結合部位( 相補性決定領域すなわちCDRs)内および周辺は非ヒト由来アミノ酸配列を維 持しているがヒト由来免疫グロブリン配列の構造枠で大部分は形成されているポ リペプチドである。適当な方法論は例えばWO 91/09967、EP 03 28404およびQueen et al.Proc Natl Acad S ci86,10029,Mountain and Adair(1989)B iotechnology and Genetic Engineering Reviews 10,1(1992)に詳細に記載されており、ヒト適応化の 別の方法では表面残基の抗体張りつけのような企図が行われている(EP 51 9596,Merck/NIH,Padlan et al)。抗体55.1の キメラヒト適応化抗体断片の調製は本明細書の実施例3に記載されている。 本発明の別の態様に従うと、ポリヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞 または前に定義したような抗原結合構造の少なくとも重鎖または軽鎖の可変領域 をコードしたポリヌクレオチド配列を持つ宿主細胞から発育したトランスジェニ ック非ヒト動物またはトランスジェニック植物が提供される。 本発明の別の態様に従うと、ECACC寄託物番号93081901として寄 託されたハイブリドーマ55.1およびその変異細胞株が提供される。 ハイブリドーマ55.1はブタペスト条約に従って1993年8月19日に寄 託参照番号93081901としてユーロピアン コレクション オブ アニマ ル セル カルチャーズ(ECACC)、PHLS センター フォー アプラ イド マイクロバイオロジー & リサーチ、ポルトン ダウン、サリスベリー 、 ウィルトシェア、SP4 OJG、連合王国、に寄託された。 本発明の別の態様に従うと、NCIMB番号40638として寄託されたAC EHRGSGWCファージおよびその変異株が提供される。 ACEHRGSGWCファージはブタペスト条約に従って1994年5月10 日に寄託参照番号NCIMB40638としてザ ナショナル コレクションズ オブ インダストリアル アンド マリン バクテリア、23 St メイチャ ー ドライブ、アバディーン AB2 1RY、スコットランド、連合王国、に 寄託された。 本発明の別の態様に従うと: a) 抗原結合構造の少なくとも重鎖または軽鎖の可変領域をコードしたポリヌ クレオチド配列で宿主細胞を形質転換し、随意に形質転換された細胞をトランス ジェニック非ヒト動物またはトランスジェニック植物へと発育させ; b) 宿主細胞、トランスジェニック非ヒト動物またはトランスジェニック植物 を少なくとも可変領域の発現、および随意に分泌を行う条件に置き、および随意 に; c) 可変領域を少なくとも部分的に精製することからなる前に定義したような 抗原結合構造の少なくとも重鎖または軽鎖の可変領域を作製する方法が提供され る。 本発明の別の態様に従うと: a) ECACC寄託物番号93081901として寄託されたハイブリドーマ 55.1をそれらからの抗体の発現が行われる条件下で培地で培養し、および; b) 培養培地から抗体55.1を得、および随意に; c) 酵素的消化により抗体55.1のF(ab’)2断片を調製することからな るモノクローナル抗体55.1の製造方法が提供される。 本発明の別の態様に従うと、エフェクター部分(好適には毒素、しかし酵素ま たは放射活性リガンドでも)および前記のような抗原結合構造または抗体を含む 複合体が提供される。 本発明の複合体は必ずしも一つのエフェクター分子および一つの抗体分子から 成り立っているのではないことが理解されるであろう。例えば、複合体は抗体分 子当たり一つ以上のエフェクター分子を含んでいてもよい。 エフェクター分子が毒素である場合、この毒素部分は一般的に細胞毒性を持つ 成分を含んでおり、そのためインターナリゼーション後に細胞を殺すことができ る。 毒素部分および抗原結合構造はお互いに直接的に結合されていてもよいし、ま た間接的に結合されていてもよい。毒素部分および抗原結合構造は一般的に複合 体の形が抗原結合構造のその標的細胞への結合を可能にするように結合される。 都合がよいのは、毒素部分および抗原結合構造は複合体が標的細胞の外側では結 合されているがしかしインターナリゼーション後に毒素部分が放出されるように 、毒素部分および抗原結合構造が複合体が細胞外では安定であり、および細胞内 では不安定なように結合される。従って、都合がよいのは複合体が細胞内切断可 能/細胞外安定部位を持っていることである。 毒素部分が直接的に標的細胞結合部分に結合された複合体の例には、毒素部分 のチオール基および抗原結合構造のチオール基間で形成されるジスルフィド架橋 により毒素部分および抗原結合構造が結合されているものが含まれる。免疫毒素 および他の複合体の製造および性質の詳細は欧州特許出願EP 528 527 (公開番号)に与えられており、その内容はここに引例として含まれている。 本発明の別の態様に従うと、前記のような免疫毒素を含む医薬組成物が提供さ れる。 用量および投与計画は、用いられた特定の毒素部分、標的細胞の集団、および 患者の病歴に依存するであろうことを理解されたい。投与される複合体の用量は 典型的には患者の体重kg当たり0.1から1mgの範囲であろう。 本発明の複合体は普通医薬組成物の形で投与されるであろう。従って、本発明 に従うと医薬として受容可能な希釈剤または担体を伴った複合体(前に定義した ような)を含む医薬組成物も提供される。そのような処方の例は実施例9に与え られている。 本発明の医薬組成物は種々の剤形に処方されるであろう。一般的には、本発明 の複合体は非経口で、好適には静脈内に投与されるであろう。特別の非経口医薬 組成物は注射による投与に適した単一剤形に処方されるものである。従って、特 に適した組成物には、医薬として受容可能な非経口担体または希釈剤を伴った免 疫毒素の溶液、乳剤または懸濁剤が含まれる。適した担体または希釈剤には水性 媒体(例えば水または塩溶液)および非水性媒体(例えば不揮発性油またはリポ ソーム)が含まれる。組成物は組成物中での複合体の安定性を促進する薬剤を含 んでいてもよい。例えば、組成物は緩衝液(例えばトウィーン)を含んでいても よい。複合体の濃度はいろいろであろうが、一般的には約1から10mg/用量 の濃度で処方されるであろう。 抗体55.1は膵臓および結腸直腸腫瘍細胞に選択的であり、この抗体を含む 複合体は強力な免疫毒素で結腸直腸腫瘍細胞に選択的であることが観察された。 本発明の別の態様に従うと、前に定義したような抗原結合構造をコードしてい る発現ベクターが提供される。 本発明の別の態様に従うと、前に定義したような抗原結合構造の少なくとも重 鎖または軽鎖の可変領域をコードしている発現ベクターが提供される。 哺乳類細胞(CHO、COS、骨髄腫)は特定された結合活性を持つ蛋白質を 生産するため、抗体HおよびL鎖cDNAおよびその断片の共発現のための宿主 として使用されてきた(Bebbington,C.,1991,Method s,vol2,p136−145、およびAdair,J.,1992,Imm unological Reviews,vol 130)。cDNAはプラス ミドに導入でき、染色体DNA内へ組み込むことを可能にする。プラスミドはト ランスフェクトされた宿主での維持のための選択可能マーカー、cDNAからの 転写を高レベルにするための有効な真核生物プロモーター、クローニングおよび ポリアデニル化のための便利のよい制限酵素部位およびメッセージ安定化のため の転写停止信号を必要とする。そのようなベクターのいくつかは文献に記載され ており(Bebbington,C.et al,1992,Bio/Tech nology,vol 10,p169−175、およびWright,A., 1991,Methods,vol 2,p125−135)、pRc/CMV (Invitrogen Corp.,図8参照)のようにそれらは市販品とし て入手可能であり、必要な基準を満たしている。 大腸菌においての抗体断片範囲の発現はよく知られている(Pluckthu n,A.,Immunological Reviews,1992,vol 130,p151−188、およびSkerra,A.,Current Op inion in Immunology,1993,vol 5,p256− 262に総説がある)。FdおよびL鎖の細胞内発現について記載されているが (Cabilly,S.,1989,Gene,vol 85,p553−55 7)、結合活性を生じるにはインビトロでの鎖の再折り畳みおよび再会合が必要 とされる(Buchner,J and Rudolph,R.,1991,B io/Technology,vol 9,p157−162)。活性な抗体断 片を得るより効率的な方法はペリプラズム分泌によるものである(Better ,M.et al,1988,Science,vol 240,p1041− 1043)。抗体断片のHおよびL鎖成分は単一プラスミドから共発現される。 各々の抗体鎖は大腸菌ペリプラズムへ方向付ける細菌リーダーペプチドとともに 提供され、ペリプラズムにおいてリーダーが切断され、遊離鎖が会合して可溶性 で活性な抗体断片が生じる。この方法は発現された抗体が全抗体に会合する前に ERの内腔内へ渡される真核生物の天然の過程を模倣していると信じられている 。この方法ではしばしば培養上清に結合活性が存在する。 本発明の別の態様に従うと、前記のようなベクターで形質転換された宿主細胞 が提供され、それはその中における発現を両立できる。 本発明の別の態様に従うと、前に定義したようなポリヌクレオチド配列で形質 転換された宿主細胞が提供される。 本発明の別の態様に従うと: a) 少なくとも可変領域をコードしているポリヌクレオチド配列で宿主細胞を 形質転換し; b) 少なくとも可変領域の発現、および随意に分泌を行うような条件に宿主細 胞をおき、および随意に; c) 可変領域を少なくとも部分精製することからなる前に定義したような抗原 結合構造の重鎖または軽鎖の少なくとも可変領域を作製する方法が提供される。 好適には、重鎖および軽鎖の両方が同一の宿主細胞で発現され、組み立てられて 抗原結合構造を形成する。 いくつかの発現系はベクターによる宿主細胞の形質転換を含んでいる;そのよ うな系は例えば大腸菌、酵母および哺乳類宿主においてよく知られている(Me thods in Enzymology 185,Academic Pre ss 1990参照)。例えば、問題とする遺伝子(好適にはベクターから切り 出され、好適には哺乳器官のプロモーターと共同して発現された蛋白質を動物の ミルク内へ分泌させるようにする)が哺乳類接合体の前核内へ導入され(通常、 前核の二つの核の一つ(通常雄核)の中へマイクロインジェクションにより)、 その後養母内へ移植されるような発現の他の系も企図される。養母により生み出 される動物の集団は染色体内へ組み込まれた導入遺伝子を運び、および発現する であろう。普通、組み込まれた遺伝子は通常の繁殖により子へ渡されるのでスト ックの即座の拡大が可能である。好適には、問題とする蛋白質は雌トランスジェ ニック動物のミルクから簡単に採取される。以下の文献を参照されたい:Sim ons et al.(1988),Bio/Technology :17 9−183;Wright et al.(1991)Bio/Technol ogy :830−834;US 4,873,191および;US 5,3 22,775。マウス胚の操作はHogan et al.”Manipula ting the Mouse Embryo;A Laboratory M annual”,Cold Spring Harbor Laborator y 1986、に記載されている。 例えば以下の文献に記載されているようなトランスジェニック植物技術もまた 企図される:Swain W.F.(1991)TIBTECH :107− 109;Ma J.K.C.et al.(1994)Eur.J.Immun ology 24:131−138;Hiatt A.et al.(1992 )FEBS Letters 307:71−75;Hein M.B.et al .(1991)Biotechnology Progress :45 5−461;Duering K.(1990)Plant Molecula rBiology 15:281−294。 望むなら、宿主遺伝子は以下に概説されているような、および例えば”Gen e Targeting;A practical Approach”,IR L Press 1993、に記載されているような標準的方法を用いて不活性 化または修飾できる。標的遺伝子またはその一部は好適には遺伝子内に挿入され た選択マーカー(Neoのような)を持つベクター内へクローン化され、その機 能が破壊される。ベクターは直線状にされ続いて胎児性幹(ES)細胞(例えば マウスの129/01a系統から誘導されたもの)内へ形質転換され、以後相同 性組換えが幹細胞の集団で起こる。遺伝子破壊を含む幹細胞を増殖させ、胚盤胞 (例えばC57BL/6Jマウスから)内へ注入し、発育のために養母内へ移植 する。キメラの子孫は被覆色マーカーにより同定できる。ES由来および宿主胚 盤胞由来配偶子間の区別を可能にする遺伝子マーカーを持つマウスと交配させ、 生殖系統へのES細胞の寄与を確かめるためキメラを繁殖させる。ES細胞由来 配偶子の半分は遺伝子修飾を運んでいるであろう。遺伝子破壊を持つものを同定 するために子孫をスクリーニング(例えばサザンブロッティングにより)した( 子孫の約50%)。これらの選択された子孫はヘテロ接合性であろうし、従って 別のヘテロ接合体およびその後に選択されるホモ接合性の子孫(子孫の約25% )と繁殖できる。ノックアウト遺伝子を持つ動物は、前核内へのDNAのマイク ロインジェクション、スフェロプラスト融合(Jakobovits et a .(1993)Nature 362:255−258)またはES細胞の脂 質媒介トランスフェクション(Lamb et al.(1993)Natur e Genetics 22−29)のような既知の技術により産生される トランスジェニック動物と交雑できて外因性ノックアウト遺伝子および外来性遺 伝子置換を持つトランスジェニック動物が得られる。 標的化された遺伝子破壊を含むES細胞は特異的変換を含む標的遺伝子配列( 好適には形質転換に先立ってベクター内へクローン化され直線状にされる)での 形質転換によりさらに修飾できる。相同的組換えに続いて改造された遺伝子はゲ ノム内へ導入される。これらの胎児性幹細胞は次に前記のようにトランスジェニ ック動物の創造に使用される。 術語”宿主細胞”には例えば細菌、酵母、植物細胞および非ヒト哺乳類接合体 、卵母細胞、胚盤胞、胎児性幹細胞およびトランスジェニック技術に適したその 他 の細胞のような発現技術に適した原核または真核細胞が含まれる。文脈によって は術語”宿主細胞”にはまた形質転換された非ヒト哺乳類接合体から発育された トランスジェニック植物または哺乳動物、卵母細胞、胚盤胞、胎児性幹細胞およ びトランスジェニック技術に適したその他の細胞も含まれる場合もある。 本発明の別の態様に従うと、 a) ECACC寄託番号93081901として寄託されたハイブリドーマ5 5.1を培養し、および; b) 培養培地から抗体55.1を得、および随意に; c) 酵素的消化により抗体55.1のF(ab’)2断片を調製することからな るモノクローナル抗体55.1の製造方法が提供される。 本発明の別の態様に従うと、前記のような免疫複合体(immunoconjugate)の 医薬として有効量をヒトまたは動物への投与することからなる処置を必要とする ヒトまたは動物のそのような処置法が提供される。 本発明の別の態様に従うと、前記のような毒素および抗原結合構造を含む免疫 毒素複合体(immunotoxin conjugate)の医薬として有効量を投与することから なる、抗原55.1を示す細胞への毒素の標的化を必要とする哺乳類においての そのような標的化の方法が提供される。ここに記載したように、複合体は胃腸腫 瘍細胞を殺すことができる。従って、複合体(または”免疫毒素”)は毒素部分 がその細胞毒性を発揮するように腫瘍細胞に毒素部分を送達できる。それ故、一 般的に複合体は腫瘍細胞に結合することができ(腫瘍細胞への標的細胞結合部分 を通して)、細胞内へ毒素部分を通過させることが可能である(すなわち、毒素 部分を”インターナライズ(internalise)”することが可能である)。特に、 有効な複合体は一般的に以下の特性を持っている: 1. 抗原結合構造は腫瘍細胞表面抗原と結合できなければならない。 2. 細胞表面抗原は腫瘍細胞上で高いコピー数で存在しなければならない、例 えば少なくとも細胞当たり1万。 3. 抗原は正常細胞上で高いコピー数で発現されてはならない。 4. 抗体:抗原複合体は毒素部分がその活性を細胞内で発揮するように有効に インターナライズされねばならない。 5. 複合体は、腫瘍細胞へ毒素部分を送達するため十分長く血液中で無傷のま ま残存する十分な安定性を持ち、ならびに一度毒素部分が細胞内部に入ると毒素 部分を放出できるように十分切断可能であるように構築されなければならない。 一般に、そのための用量範囲は複合体の確立された毒性用量(例えば、最大耐 性用量)に比例して決定される。共通して、この方法はヒトにも使用される。典 型的には、用量範囲は50−5000μg/kgであろう。 本発明の別の態様に従うと、診断的方法における前記のような抗体の使用が提 供される。 一つの診断的方法は免疫アッセイである。本発明に従った新規抗体に基づくイ ンビトロ試験のための免疫アッセイは、本発明の抗体を標識または非標識形で利 用し、抗体と試験されるべき試料中の特定の抗原種との複合体形成を決定する本 分野の通常の免疫学的技術に従って設計されるであろう。一つのケースにおいて は、抗体が放射性標識、化学発光標識、蛍光標識または酵素標識のような検出可 能な標識で標識されているであろう。もしくは、抗体は標識物質との複合体形成 またはバイオセンサー法(例えば表面プラスモン(plasmon)共鳴に基づいて) のような非標識技術により検出される。試料は、例えば血清のような体液または 組織試料(組織化学的アッセイ)の形であろう。 インビボでの診断のためには、本発明による抗体は、例えば放射性標識または 重金属原子のように外部から検出可能な標識とともに提供されて患者に投与され 、それにより体内における抗体の局在した蓄積が決定される。 癌のインビトロ診断のためには、測定可能な信号を発生させることができる西 洋ワサビペルオキシダーゼおよび細菌ルシフェラーゼのような酵素、または直接 的に検出および定量できる蛍光マーカーまたは放射性同位元素と抗原結合構造が 結合できる。標準免疫アッセイ系において、そのような複合体は体の組織中のC A55.1の存在または不在を測定できる手段を提供し、結果として腫瘍疾患の ための迅速で便利な試験が提供される。方法論の一般的記述は、Enzyme Immunoassay,E.T.Maggio,CRC PressおよびU S3690 8334、US3791 932、US3917 837、US3 850 578、US3853 987、US3867 517、US390 1 654、US3935 074、US3984 533、US3996 3 45およびUS4098 876に含まれている。 癌のインビボ診断のためには、全身イメージングカメラにより検出できるイッ トリウム、テクネシウムまたはインジウムまたは重金属同位元素のような元素と 抗原結合構造は結合できる(Larson,S.M.(1987)Radiol ogy,165,297−304参照)。 癌治療のためには、抗原結合構造はさらに修飾しなくても使用できるが、好適 な実施態様ではCA55.1抗原を運ぶ癌細胞またはこれらの癌細胞のすぐ近傍 の細胞を殺すことができる毒性薬剤と結合できる抗原結合構造が含まれている。 好適な実施態様において、抗原結合構造はリシン、ジフェテリア毒素、スタフィ ロコッカス腸毒素、シュードモナス外毒素、アブリンまたは他のリボソーム不活 性化蛋白質のような蛋白質毒素に結合されている。これらの蛋白質は抗原結合構 造に化学架橋剤を用いて化学的に、または抗原結合構造のすべてまたは一部およ び蛋白質毒素のすべてまたは一部の単一直線状アミノ酸を含む融合蛋白質の構築 により遺伝子的に結合されているであろう。CA55.1は迅速にインターナラ イズされるので、蛋白質毒素は選択的に腫瘍細胞に入り込んで細胞の死をもたら す。 腫瘍細胞の選択的細胞死はまた、抗原結合構造を直接的にまたは化学的誘導化 により90Y、131Iおよび111Inのような高エネルギー放射性同位元素 を含む大環式キレート剤と結合させることによっても達成できる。抗原結合構造 は同位元素の腫瘍への局在化に働き、同位元素から放射される放射線はまわりの 細胞のDNAを破壊し、腫瘍を殺す。 腫瘍細胞の選択的細胞死はまた、抗原結合構造をメトキシレート、クロラムブ シル、アドリアマイシン、ダウノルブシンおよびビンクリスチンのような細胞毒 性で細胞増殖抑制性薬剤と結合させることによっても達成できる。これらの薬剤 は臨床で多年に渡って使用されてきたが、それらが提供される治療は非特異的毒 性のためしばしば制限を受けている。これらの薬剤のCA55.1抗原結合構造 への結合はこれらの薬剤を腫瘍部位に局在化させることを可能にし、骨髄または 神経系のような他の組織においてのそのような薬剤の作用による受容できない副 作用なしで腫瘍へ送達できる薬剤の量を増加させる。 腫瘍細胞の選択的細胞死はまた、非毒性量のプロドラッグを強力な毒性薬剤化 合物への変換を触媒できる酵素と抗原結合構造を結合させることによっても達成 される。複合体の投与により腫瘍部位での酵素活性の局在化が高められる。続い てプロドラッグを投与すると毒性薬剤の局所的生成が起こり、腫瘍部位での選択 的細胞死が起こる。この方法はWO80/07378、US4,975,278 およびWO89/10140に記載されている。 CA55.1の使用の別の応用は、別の抗体(CA55.1特異的抗体のイデ ィオタイプ)を単離するために使用できる抗原結合構造の単離である。これらの 抗体はCA55.1を運ぶ腫瘍への天然の免疫応答を誘発または押し上げる腫瘍 ワクチンとして使用できる。この方法の例はNepom et al.Proc .Natl.Acad.Sci.U.S.(1984)81,2864により与 えられている。 CA55.1抗原結合構造を製造する技術は実施例1および実施例2記載され ており、第一に抗原CA55.1を運ぶ腫瘍細胞に対する数千のモノクローナル 抗体が産生され、次にCA55.1と特異的に反応する特定の抗体でスクリーニ ングされる(実施例6)。この技術では一般的に、CA55.1抗原またはCO LO 205(ATCC CCL 222,Can.Res.(1978)38 ,13455)のようなCA55.1発現細胞の細胞または膜試料で免疫された げっし類の脾臓細胞とSp/2(ECACCカタログ番号85110503,M ethods in Enzymol(1981)73B,3)のようなげっし 類骨髄腫細胞株との融合を用いて実施される。この融合の生成物はマウスIgG 155.1抗体のようなげっし類モノクローナル抗体を発現するであろうげっし 類ハイブリドーマ細胞株である。上記の使用において、特定の応用に対しては最 も都合のよい抗原結合構造は必ずしもハイブリドーマ融合技術により産生される そのままのげっし類モノクローナル抗体ではなく、CA55.1に対する本来の 結合特異性を保持する一方さらに修飾された分子が最良である。 特に、抗原結合構造単独でまたは複合体としてヒトにげっし類抗体のインビボ 投与を繰り返すと患者にげっし類抗体に対する免疫応答がもたらされる;HAM A応答。繰り返し投与が必要であるならば、HAMA応答は医薬組成物の有効性 を制限する。抗原結合構造の免疫原性はポリエチレングリコールのような親水性 ポリマーによる抗原結合構造の化学的修飾により、または遺伝子工学の方法を用 いて抗原結合構造をよりヒトに似せることにより減少するであろう。例えば、C A55.1を結合するげっし類抗体の可変領域の遺伝子配列をヒト骨髄腫蛋白質 の可変領域に置換することにより、組換え体キメラ抗体が産生される。これらの 方法はEP194276、EP0120694、EP0125023、EP01 71496、EP0173494およびWO86/01533に詳述されている 。もしくは、CA55.1結合げっし類抗体の相補性決定領域またはCDRsの 遺伝子配列を単離または合成し、相同的ヒト抗体遺伝子の対応する配列領域で置 換して本来のげっし類抗体の特異性を持つヒト抗体を生成させる。この方法はE P023940、WO90/07861およびWO91/09967に記載され ている。もしくは、げっし類抗体の可変領域の多数の表面残基を相同的ヒト抗体 で通常観察されるその残基に変化でき、残基の表面’化粧張り’を持ったげっし 類抗体が生成され、それはヒトの体により自分自身だと認識されるであろう。こ の方法はPadlan et al.(1991)Mol.Immunol.2 8,489、により示されている。 多くの応用において、抗体結合構造の大きさを減少させて医薬組成物の組織浸 透性およびその他の薬力学的性質を改良すると抗体結合の有効性が高められてい る。このことは抗体分子のFc領域を酵素的に除去するか(実施例4)または遺 伝子工学的方法により組換え体Fab’またはF(ab’)2断片を産生すること により(実施例3.3)達成できる。 遺伝子工学的方法は抗原結合構造の大きさをさらに減少させるために使用する ことができる。CDRsを含むFvは遺伝子操作できて孤立して発現され、例え ばジスルフィド架橋を用いて化学的に架橋された。もしくは、一つのドメインの 天然のC−末端からのリンカーペプチド配列を持つFvドメインと他のドメイン のN−末端と融合させてFv構造を作り上げる軽鎖および重鎖両方のドメインが 単一ポリペプチド鎖(SCFv)として作製される(実施例3.3およびPCT /US/87/02208およびUS4704692参照)。もしくは、War d et al Nature(1989)341,544により記載されてい るように単−Fvドメインは単一ドメイン抗体またはdAbを形成して孤立して 発現されるであろう。抗原結合構造の別の型は国際特許出願WO94/1262 5(発明者Slater & Timms)に開示されているV−min構築物 である。 本発明は以下の非制限的な実施例により例示され、そこで: 図1は血清含有培地での55.1ハイブリドーマの培養における細胞密度および IgG濃度を示しており; 図2は無蛋白培地での55.1ハイブリドーマの培養における細胞密度およびI gG濃度を示しており; 図3はpICI1646のプラスミド地図を示しており; 図4はCA55.1のエンドサイトーシスを示しており; 図5は55.1抗体−リシン複合体のインビボ抗腫瘍効果を示しており; 図6はPNGアーゼ処理COLO 205細胞のウェスタンブロットの像を示し ており; 図7Aおよび7BはレクチンDSAおよびGNAによるウェスタンブロットの像 を示しており; 図8はプラスミドpRc/CMVの地図を示しており; 図9はFab’およびF(ab’)2発現を示すウェスタンブロットを示してお り; 図10はFab’およびF(ab’)2結合のELISAデータを示しており; 図11はscFv発現を示すウェスタンブロットを示しており; 図12はscFv結合のELISAデータを示しており; 図13は55.1抗体へのACEHRGSGWCファージの直接結合の特異性を 示しており; 図14は競合アッセイにおけるACEHRGSGWCファージの結合の特異性を 示しており; 図15および16は抗体55.1の軽鎖および重鎖cDNA配列を示している。 成熟抗体鎖に存在する分泌リーダーペプチド配列の存在に注目されたい。リーダ ー配列は3文字アミノ酸コードでおよび成熟配列は1文字コードで示されている 。 図17は55.1抗原の対する抗体発生のフローチャートを示している。 図18は抗体検出に使用されたc−myc tagの二本鎖DNA配列を示して いる。 表1は血清含有培地での55.1ハイブリドーマの培養における細胞密度および IgG濃度を示しており; 表2は無蛋白培地での55.1ハイブリドーマの培養における細胞密度およびI gG濃度を示しており; 表3は結腸直腸腫瘍との55.1抗体反応性を示しており、および; 表4は55.1抗体による正常組織染色の比率を示している。 略語: SDS−PAGEはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル 電気泳動(PAGE)である。 実施例1 55.1抗体およびCA55.1と交差反応する抗体の製造 1976年のその発端からモノクローナル抗体の生成は癌細胞選択的抗原の研 究に応用されてきた。完全に精製された抗原に対する抗体の生成と異なり、この 方法ではより不純な抗原がマウスに免疫され、次に必要とされる特異性を持つ抗 体が同定されるように段階的スクリーニングが適用される。この方法により同定 された抗体は続いて当業者にはよく知られた方法により癌選択的抗原の同定に使 用されるであろう。 抗原が同定されたら、類似の特異性を持つさらなる抗体を前記抗原の濃縮試料 (実施例11に記載した方法により調製されたような)で動物を免疫することに より発生させ、これらの動物の脾臓細胞を以下に記載するような適した骨髄腫細 胞株と融合させ、得られたハイブリドーマは実施例6および7に記載した方法に よりモノクローナル抗体55.1と交差反応するモノクローナル抗体の産生でス クリーニングする。 1.1 ハイブリドーマ細胞株の確立および120/466.034.017. 023.003の産生;確立された脾臓細胞の調製 ヒト結腸直腸癌腫細胞株[COLO205、American Type C lture Collection(ATCC),Rockville,Md, USAから寄託番号第CCL 222として商業的に入手可能]を無血清培地で 培養した。細胞が約7x10e5の密度に達したときに採取し、免疫化のためI scoves基本培地(蛋白質を含んでいない)で3回洗浄した。 8から10週齢のBALB/cマウスを、0.1mlのリン酸緩衝化塩溶液に 懸濁したCOLO 205細胞からの膜100μgおよび0.1mlのフロイン ト完全アジュバントの初期用量で腹腔内へ免疫した。2週間後および4週間後に 再度リン酸緩衝化塩溶液に懸濁したCOLO 205細胞からの膜100μgお よびフロイント不完全アジュバントで動物を追加免疫した。第二の追加免疫をし て6週間後、マウスに100μgのCOLO 205膜をリン酸緩衝化塩溶液の みに懸濁して腹腔内へ最後の免疫化を行い、4日後に動物を殺して脾臓を除去し た。脾臓はダルベッコ改良イーグル培地を脾臓袋に注入することにより単一細胞 懸濁液まで解離させた。 1.2 ハイブリドーマの調製 上記の細胞懸濁液からの1.95x10e8の脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞株 NS0(European Collection of Animal Ce ll Culturesから寄託番号第8511053号で入手可能)からの2 .136x10e7の骨髄腫細胞と混合した。チューブを遠心分離し、傾けてす べての液体を捨てた。続いてチューブに37℃で撹拌しながら1mlのPEG溶 液(Boehringer PEG1500)を徐々に加え(一定に撹拌しなが ら1分以上かけて)、その後さらに1分間撹拌した。以下のスキームに従ってダ ルベッコ改良イーグル培地を加えることにより融合を停止させた:最初の2分間 に2ml、続いての4分間に8mlおよび2分以上かけてさらに10ml。チュ ーブは次に遠心分離し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM30mlに再懸濁し た。50μlづつ6枚の96ーウエル組織培養皿に分配した。24時間後、ウェ ル当たり50μlの10%ウシ胎児血清を含むDMEM、および2倍の強度のヒ ポキサンチン/アミノプテリン/チミジン(HAT)補給物が加えられた。各々 のウェルには7日後に2000μlの10%ウシ胎児血清を含むDMEM、およ び1倍の強度のヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジン(HAT)補給物が 加えられた。 1.3 抗体ハイブリドーマのスクリーニング 上記13日目の疲弊培地をCOLO 205陽性/正常結腸陰性抗体について 試験した。簡単に記すと、Nunc イムノプレート マキシソープの二組のウ ェルをCOLO 205細胞(10e5細胞/ウェル;被覆容量100μl)ま たは正常結腸由来の膜(10μg/ml、ウェル当たり100μl)で被覆した 。プレートを遠心分離し、100μlの0.2%グルタルアルデヒド含有PBS を加え室温で20分インキュベートした。次にプレートをPBSトゥイーンで洗 浄し、0.1%ブタゼラチン含有PBSで遮断した(ウェル当たり200μl) 。上記13日目の疲弊培地を両方の組のプレートの被覆ウェルへ加えた、50μ l /ウェル。室温で2時間インキュベーション後、0.1%トウィーン20−PB Sで希釈した(1/2000)したペルオキシダーゼ複合抗マウスIgG(Si gma、ラット血清蛋白質に吸着されたヤギ抗マウスIgG全分子、A8924 )をウェル当たり100μl加え、室温で2時間インキュベートした。15μl の30%過酸化水素を加えた100mlのクエン酸/リン酸緩衝液、pH4.5 に溶解した90μgOPDの形の基質をウェル当たり100μl加え、室温で1 5分インキュベートした。50μlのクエン酸(0.5M)を加えて反応を停止 させ、450nmで吸光度を測定した。 特定の標的へ結合する能力でハイブリドーマの生成物をスクリーニングする場 合、第一にはハイブリドーマの必要とされる所望の特性を反映し、および第二に はこれらの特性を持っているかもしれないハイブリドーマ生成物を排除しない( 反応しない)第二の標識された抗種抗体の使用が便利である。特に55.1発見 の場合においては、さらなる研究によりIgMモノクローナル抗体を排除するよ うに努めた。なぜならこれらの分子は初期ヒト応答を起こし、一般的に低親和性 であり特異性が低いからである。このことを達成するため、多くの市販で入手可 能な抗マウスIgGペルオキシダーゼ複合体のマウスIgGとの反応能力をスク リーニングし、この特性を示す試料は廃棄した。しかしながら、IgGモノクロ ーナル抗体のどんなサブクラスをも排除することを望んだわけではない。従って 、次の工程は残った市販の複合体のマウスIgG1、IgG2a、IgG2bお よびIgG3と反応する能力を決定することであった。マウスIgMと反応せず 、マウスIgGのすべてのサブクラスと等しく反応するものは市販で入手可能な 試料では見いだせなかった。このことを克服するため、特異的抗サブクラス複合 体を加えることにより最高の抗マウスIgG試薬の能力を高めた。最終的な調製 試料は四つのマウスIgGのサブクラスを等しく認識した。 大体600のハイブリドーマクローンが試験された。最初、これらの165が COLO 205細胞と反応した。これらの内、43が正常ヒト結腸膜とも反応 することが示されたので廃棄された。残りのハイブリドーマの一つから確立され たクローンは120/466と名付けられIgG1クラスのイソタイプに分類さ れた。120/466ハイブリドーマは次に多くのサブクローニング工程により 結局、120/466.034.017.023.023.003と名付けられ た(55.1として知られるようになる)クローンを生じる最終的で安定なモノ クローナル抗体が生み出された。 即ち、120/466ハイブリドーマは最初クローン化されて120/466 .034と呼ばれたクローンが生じた。このクローンは順にクローン化されてク ローン120/466.034.017を形成し;このクローンは順にクローン 化されてクローン120/466.034.017.023を形成し;このクロ ーンは順にクローン化されてクローン120/466.034.017.023 .023を形成し;このクローンは順にクローン化されてクローン120/46 6.034.017.023.023.003を形成した。これらのクローニン グのすべてにおいて、ハイブリドーマ懸濁液はヒポキサンチン/チミジン(HT )を補給した培養培地で2.5細胞/mlの密度に希釈した。200μl(1細 胞)を96ウェル培養皿の各々のウェルに加えた。5−7日後、単一細胞クロー ンが顕微鏡による視覚的検分により検出された。17日目に培地を交換し、疲労 培地の一部で上記のようなELISAによりCOLO 205細胞とは結合する が正常膜とは結合しない抗体の量を分析した。COLO 205ELISAで陽 性の反応を示しながら正常細胞ELISAでは陰性の反応を保持しているという ことに関して最良のクローンが選択され、さらなる開発までバイアルに入れて液 体窒素で凍結された。 120/466.034.017のクローニングの試験は66%の細胞がCO LO 205細胞と反応する抗体を生産した。120/466.034.017 .023のクローニングの試験は100%の細胞がCOLO 205細胞と反応 する抗体を生産した。120/466.034.017.023.023のクロ ーニングの試験は100%の細胞がCOLO 205細胞と反応する抗体を生産 した。クローニングに続いて、COLO 205細胞と反応し、正常ヒト結腸膜 とは反応しないハイブリドーマが、55.1を同定するために以下のような評価 が行われた。 ハイブリドーマにより分泌された抗体(107の細胞を75cm2のフラスコで 約7日間増殖させた疲労培地)は原発性結腸腫瘍を持つ4人の異なった患者から 得られた4つの結腸腫瘍からの組織切片の免疫組織学的検討により(実施例6に 記載したような)評価された。これらの腫瘍の少なくとも二つと強く結合する( ++実施例6参照)抗体が10人の異なった患者からの結腸直腸腫瘍切片のより 大きな一団での反応性が免疫組織学により評価された。これらの腫瘍の少なくと も五つと強く(++)結合する抗体がさらに評価された。 この段階で腫瘍の少なくとも50%に強い反応性(++)を与えるハイブリド ーマ上清の最も高い希釈率を決定するため、ハイブリドーマ上清が10の結腸直 腸腫瘍の一団に対して滴定された。これは”作用濃度”と称され、正常組織の一 連の集団をスクリーニングするのに用いられた。正常組織のスクリーニングを最 小にするため、4工程正常組織スクリーニングカスケードが考案され、より決定 的な組織が最初にスクリーニングされた。カスケード中の各々の工程において反 応性基準に当てはまらない抗体を分泌するハイブリドーマは廃棄された。カスケ ードの工程、組織および選択基準は以下のようである: このスクリーニングカスケードは抗体55.1の同定を導いた。実施例2 寄託された細胞株ECACC No 93081901からの55. 1抗体の調製 2.1 血清含有培地からの調製 液体窒素に貯蔵されている1mlの低温保存アンプルを取り出し、37度Cの 水浴中で急速に融解させた。内容物は無菌15ml遠心管に無菌的に移された。 細胞は10mlの10%(v/v)ウシ胎児血清(FCS)含有ダルベッコ改良 イーグル培地(DMEM)を穏やかに撹拌しながら滴加することにより再懸濁さ せた。懸濁液は50xgで10分間遠心分離し、上清を無菌的に除去してペレッ トは95%空気5%二酸化炭素のガスを前もって満たした25mlの組織培養フ ラスコ中で10mlの10%FCS含有DMEMに再懸濁した。フラスコは暗所 にて37℃でインキュベートした。 3日後、全フラスコの内容物をより大きな75mlフラスコに移し、10%F CS含有DMEMで希釈することにより(最終生存密度=2.5x10e5細胞 /ml)継代培養を行った。さらに162mlフラスコへの拡張が同様の方法で 実施されたが、ただしFCS濃度は5%へ減少させた。 精製のための培養上清液は490mlおよび850mlの回転瓶中、各々25 0mlおよび500mlの回転培養により調製された。培養物は前もってガスを 満たした回転瓶へ2.6x10e5生存細胞/mlで播種され、3rpmで回転 され、37℃でインキュベートされた。培養物は完全に発育させ、接種309時 間後に採取したが、その時点での細胞生存度は0%であり、IgG濃度は最高に 達していた(表1および図1)。 2.2 無蛋白培地からの調製 5%FBSでの回転培養が蛋白質なしでの増殖および生産に適応され、FBS を補給したGibco無蛋白ハイブリドーマ培地II(PFHMII)中で一連の操 作が行われた。各々の連続する工程で50%FBS濃度を減少させ、健康な増殖 を確立した後にさらに減少させる。培養物は3x10e5生存細胞/mlで播種 され、適応過程の間は1x10e6生存細胞/mlより多く増殖させないように した。一度蛋白質を含まない増殖から引き離したら、精製のための培養上清液は 前記のように250mlおよび500mlの回転培養により調製された。培養物 は前もってガスを満たした回転瓶へ2.0x10e5生存細胞/mlで播種され 、3rpmで回転され、37℃でインキュベートされた。培養物は完全に発育さ せ、接種236時間後に採取したが、その時点での細胞生存度は0%であり、免 疫グロブリンG(IgG)濃度は最高に達していた(表2および図2参照)。 2.3 培養収集物の処理 収集後、回転培養上清液は60gで30分間遠心分離して透明な液とした。透 明化上清液は精製まで暗所で4℃で無菌的に貯蔵された。 2.4 55.1の精製 プロテインAに吸着させ、それから溶出させることにより細胞培養上清から5 5.1抗体が単離された。 5リットルの55.1抗体細胞上清(血清を含まない栄養培地で増殖させたも の、約80mgAb/リットル)は撹拌しながら562.5gのグリシンおよび 876.6gの塩化ナトリウムを加えることにより1.5Mグリシン/3M塩化 ナトリウムとした。溶液のpHは5M水酸化ナトリウムを加えて8.9に調整し た。得られた溶液はプレフィルター(Millipore’Polygard’ カートリッジフィルター)続いて0.45μフィルター(Millipore Millidisk PVDFカートリッジフィルター)をポンプで通過させる ことにより濾過した。 500mlのベッド容量で公称500mgのIgG受容力を持つNygene プロテインAカートリッジをペリスタポンプを用いて500ml/分の流速で4 ベッド容量の0.45μ前濾過1.5Mグリシン/3M塩化ナトリウムpH8. 9緩衝液で洗浄した。 Nygeneカートリッジで続いて使用されるすべての緩衝液は前もって4. 5μフィルターを通して濾過された。 濾過した55.1培養上清(pH8.9)は同様に500ml/分でカートリ ッジへポンプで注入し、すべてのメチルレッド培地指示薬がカートリッジから除 去されるまで5ベッド容量のグリシン/塩緩衝液でカラムを洗浄した。カートリ ッ ジは次に同一の流速で1ベッド容量のPBSで洗浄し、続いて250ml/分の 流速を用い3ベッド容量の100mMクエン酸ナトリウム(pH2.8)で55 .1抗体を溶出させ50mlの分画を集め、Abの存在をUV280nmでモニ ターした。すべての抗体含有分画を集め、1M水酸化ナトリウムで中和した。 グリシン/塩カラム溶出液および洗浄液を再びプロテインAカートリッジを通 すと、続いてのクエン酸洗浄でさらに15%の抗体が得られた。 集められたすべての抗体の緩衝液をPBS緩衝液に変換した。このバルク抗体 のSDS−PAGEは>90%の純度を示した(抗体の収量360mg)。実施例3 組換えDNA技術の使用による抗体結合構造の生産 3.1 55.1重鎖および軽鎖cDNA配列の決定 以下の実施例は55.1ハイブリドーマからのcDNAライブラリーの構築、 重鎖および軽鎖蛋白質をコードしている特定のcDNAの単離およびこれらのク ローンの完全DNA配列の決について記載している。 3.1(a)ハイブリドーマ細胞からのmRNAの調製 真核細胞からポリA+mRNAを単離するにはいくつかの方法がある(Sam brook J.,Fritsh E.F.,Maniatis T.,Mol ecular Cloning:A Laboratory Manual,C old Spring Habor Laboratory Press、第二 版、1989年、8章p3、以後Maniatisとして示される)。そのよう な方法の一つはPharmaciaからキットとして提供されており、比較的少 ない数の細胞(107またはそれ未満)の溶解、続いてのオリゴdTカラムへの ポリA+ mRNAの結合に依存している。望ましくない細胞成分は高温、高塩 濃度でmRNAを溶出する前に低塩濃度で洗浄することにより除去される。 mRNAはQuickprep mRNAキット(Pharmacia Bi otechnology Ltd.)を用いて107の55.1ハイブリドーマ 細胞から調製された。mRNAの濃度はUvikon930分光光度計(Kon tron Instruments)により300から220nmまで試料を走 査し、260mnでの40μg/mlの吸光係数を用いて見積もられた。mRN Aは2.5μgづつエタノール中で沈殿させて保存された。 3.1(b) cDNA合成およびクローニング cDNA合成に使用された方法は、mRNAからの逆転写続いてのRNエース H処理によるDNAポリメラーゼIによる第二の鎖のプライマー形成および合成 に依存するGublerおよびHofmanの方法に基づいている。cDNAの その他の方法はManiatis(8章)により総括されている。 mRNAの試料5μgは2.5μの胎盤RNエース阻害剤(Life Tec hnologies Ltd.)を含みRNエースを含まない水で10μlにあ わせた溶液に溶解したオリゴdT(12−18mer混合物、Pharmaci a BiotechnologyLtd.、0.5μg)と、70℃でインキュ ベートし、続いて氷で冷却することにより準備された。第一の鎖のcDNA合成 は、4μlの5xH−RT緩衝液(250mMトリス、pH8.3、200mM KCl、30mM MgCl2および0.5mg/mlBSA)、2μlの0. 1M Dtt(ジチオスレイトール)、1μlのdNTP混合物(dATP、d CTP、dGTPおよびdTTP、20mM)、4μlのスーパースクリプト逆 転写酵素(Life Technologies Ltd.)を加え、42℃で 1時間インキュベートすることにより実施された。第二の鎖の反応には、1.5 μlのdNTP混合物(上記)、92.5μlのRNエースを含まない水、30 μlの5x反応緩衝液(125mMトリス、pH7.5、500mM KCl、 25mM MgCl2、50mM(NH42SO4および0.5mg/mlβ−N AD)、1μlのT4 DNAリガーゼ(10u.Life Technolo gies Ltd.)、4μlのDNAポリメラーゼI(40u.Life T echnologies Ltd.)および1μlのRNエースH(2.7u. Life Technologies Ltd.)を加え、16℃でさらに撹拌 を2時間続けた。平滑端化cDNAが合成されるのを確実にするため、2μlの T4 DNAポリメラーゼ(10u.Life Technologies L td.)を添加した後、16℃で5分間の最終的なインキュベーションを実施し た。酵素活性は70℃での10分間のインキュベーションにより停止させた。 クローニングのためのcDNAを調製するため、上記溶液を等容量のフェノー ルで抽出し、得られた水相は蛋白質を除去するために等容量のフェノール:クロ ロホルム(50:50、v:v)で抽出し、カラム内にPharmacia B iotechnology Ltd.から購入され、使用説明書に従って使用さ れるセファロースC4−LBを用いるスパンカラムクロマトグラフィーで精製す る。精製されたcDNAは次に5μlのEcoRI/NotIアダプター(Ph armacia Biotechnology Ltd.)、1μlのATP溶 液(5mM)および3μlのT4 DNAリガーゼ(10u、Pharmaci a Biotechnology Ltd.)と混合し、12℃で一夜インキュ ベートした。cDNA+アダプターは次に10μlのATP溶液(5mM)およ び1μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10u、Pharmacia Bi otechnology Ltd.)を加え、37℃で30分間インキュベーシ ョンすることによりリン酸化した。再び、溶液を等容量のフェノールおよびフェ ノール:クロロホルムで抽出し、スパンカラムクロマトグラフィーで精製して過 剰のアダプターを除去した。この段階でcDNAは適当なプラスミドまたはファ ージベクター内へのクローニングが可能である。 pBluescript(Stratagene Cloning Syst ems)がcDNAライブラリーの構築に使用された。このファージミドベクタ ーは独特のEcoRIクローニング部位、アンピシリン耐性遺伝子、および二本 鎖または一本鎖DNAの単離のためのColEIおよびfI複製開始点を持って いる。5μgのpBluescript KS−DNAを90mMトリス−HC 1、pH7.5、10mM MgCl2、50mM NaClを含む溶液中、3 7℃で45分間30u EcoRI(Promega Corporation )で完全に消化した。5’−リン酸基を除くために2μlのウシ腸アルカリ性ホ スファターゼ(2u、Boehringer Mannheim)を加え、37 ℃でさらに30分間インキュベーションを続けた。ホスファターゼ活性は70℃ での10分間のインキュベーションにより破壊した。 5μlのcNMA+アダプターは30mMトリス−HCl、pH7.8、10 mM MgCl2、10mM DTT、1mM ATPおよび1.5uT4 D NAリガーゼ(Promega Corporation)を含む溶液中、16 ℃にて2.5時間、25ngのEcoRI/CIP処理pBluescript で連結した。この反応液の5μlおよび2.5μlが各々100μlおよび50 μlの受容能のある大腸菌DH5α細胞(Life Technologies Ltd.)の形質転換に使用された(この細胞に対して提供されたプロトコー ルを用いて)。形質転換された細胞は100μg/mlアンピシリン、1mM IPITおよび0.2%X−galを加えたL−寒天上に起き37℃で一夜イン キュベートした。cDNA挿入物を含むクローンが親プラスミドを含む細胞によ り発生される青色と比較して白色のコロニーを上記培地上に産生することに基づ いて選択された。50のバッチの200の白色コロニーをL−寒天にアンピシリ ンを加えたプレート上のニトロセルロースディスク(Schleicher a nd Schull)上に二重に選びとった。フィルターを含まないプレートの 第三の組は選択されたコロニーのマスター保存物を形成させるために画線培養さ れた。37℃で一夜インキュベーション後、ニトロセルロースフィルターを除去 しGuunsteinおよびHognessの方法(Maniatis、第1章 、102ページ)に従って処理することによりその場所で細菌細胞を溶解した。 種々の試薬(10%SDS2分、3M NaOH)1M NaCl5分および1 Mトリス、pH6.8 2x2分)に浸した3MM濾紙(Whatman)上に このフィルターをかぶせた。溶菌細胞を含んでいるフィルターは、20xSSC (3M NaCl、0.3Mクエン酸ナトリウム)で湿らせた3MM濾紙に移し 、自動架橋にセットした(120,000ジュール)Straralinker (Stratagene Ltd.)中でUV光へ暴露することによりDNAを フィルターに架橋した。プロービング(下記参照)に使用する前にフィルターを 風乾した。マスター保存物プレートは必要になるまで4℃で保存した。 3.1(c)cDNAライブラリースクリーニング cDNAライブラリースクリーニングのために有効なプローブを発生させるた め、55.1重鎖および軽鎖の可変領域DNAがポリメラーゼ連鎖反応(PCR 、Saiki,R.et al,1985,Science,vol 230 p1350−1354)により単離された。このことは両方の鎖のN−末端蛋白 質配列データが入手可能であったため可能であった(上記参照)。このデータは 5’PCRプライマー(配列ID番号:1−4)の設計に使用された。各々の配 列に対し二つのプライマーが合成され、一つは報告された配列(Sequenc eof Proteins of Immunological Intere st,第四版,1987,Kabat,E.A.,Wu,T.T.,Reid− Millar,M.,Perry,H.M.およびGottesman,K.S .,The U.S.Department of Health and H uman Servicesにより出版、以後Kabatとして参照される)か ら決定されたマウスV−領域に最も共通して存在する配列に基づいており(配列 ID番号:1および3)、および別のものはいくつかのコドン選択を包含するた めにいくつかの塩基位置での宿重を含んでいる(配列ID番号:2および4)。 3’末端のためのPCRプライマー(配列ID番号:5および6)は各々Kab atにより報告されたIgG1のCH1の5’領域およびCκの3’末端と相補 的である。重鎖イソタイプはアッセイにより(上記参照)決定されており、N− 末端VL蛋白質配列は軽鎖がカッパイソタイプであったことを示した。これらの 3’不変部領域はまた親譲りのスクリーニングプローブとして使用することがで きた。 3.1(d)オリゴ合成 使用されたすべてのオリゴヌクレオチド配列はApplied Biosys tems 380Bまたは394 DNA合成機上、5’ジメトキシトリチル塩 基−保護ヌクレオシド−2−シアノエチル−N,N−ジ−イソピロピルホスホロ アミデートおよび制御された多孔性ガラス支持体に結合された保護ヌクレオシド から0.2μモルの規模でApplied Biosystems Inc.に よる使用説明書に従って製造された。 もしくは、オリゴヌクレオチドはAtkinsonおよび Smithにより ”Oligonucleotide Synthesis,a manual approach”(M.T.Gait編,IRL Press,Oxford ,Washington DC,35−81)に記載された方法により手で製造 できる。 各々合成されたオリゴヌクレオチドは固体支持体から切断後保護基を除去し、二 重に蒸留した水(1ml)に溶解された。 3.1(e)プローブ発生 可変部領域DNA断片はPCRを用いてcDNAから発生させた。1μlのc DNAを10mMトリス−HCl、pH8.3、50mM KCl、0.1%ゼ ラチン、1.5mM MgCl2、1.25mMのdATP、dCTP、dGT PおよびdTTP各々、1μMの各々の適当なオリゴ対および2.5uTaq DNAポリメラーゼ(Amplitaq,Perkin−Elmer Cetu s)を含む100μlの反応液に加えた。各々の反応液に100μlの鉱物油を 層積し、94℃で1.5分間、72℃で2.0分間を25サイクルおよび72℃ で10分間インキュベートした。対照反応ではDNAは組み込まれていなかった 。 PCR反応物は各々の試料5μlを0.8%アガロース(Pharmacia Biotechnology)ゲルで走らせ、1μg/mlのエチジウムブロミ ド(Sigma Chemical Company Ltd.)で染色し、U VトランスイルミネーターでDNAを可視化することにより分析された。存在す る55.1DNAのすべてのPCRで約400bpのバンドが存在し、可変部領 域の増幅が成功したことを示している。対照反応におけるDNAバンドの不在は 使用された試薬には夾雑したDNAが含まれていなかったことを示している。 各々のPCR生成物はCentricon 100マイクロコンセントレータ ー(Amicon Ltd)を使用して精製された。各々の反応液をコンセント レーターに加え、二回蒸留水を加えて液量を2mlに増量した。ユニットを20 00rpmで5分間遠心分離し、”流れ出た”ものは廃棄した。保持されたもの は再び2mlに希釈し、ユニットを再び遠心分離した。この過程は3回繰り返さ れた。この方法により、増幅されたDNAから過剰のオリゴおよび緩衝液成分が 除去された。 増幅されたVHおよびVL断片は重鎖および軽鎖cDNAクローンのための特 異的ハイブリダイゼーションプローブの発生に使用された。放射性標識プローブ は下記のようにT7 QuickPrimeキット(PharmaciaBio technology Ltd.)を用いて発生させた:5μl(約50ng) の精製PCR生成物を32μlの2回蒸留水に加え、100℃で2分間インキュ ベートして二本鎖DNAを変性させた。この試料は氷上で冷却した後、10μl の試薬混合物(dATP、dGTP、dTTPおよびランダムオリゴプライマー (主として9−mer)を含む緩衝化水溶液)、2μlのα32P dCTP( 20μCi 3000Ci/ナノモル、NEN)、および1μlのT7ポリメラ ーゼ(4−8u)を加えた。反応液は37℃で20分間インキュベートした後、 10mlの6xSSC(1M NaCl、0.1M クエン酸ナトリウム)、0 .1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)および0.25%MarvelTM(脱 脂乾燥牛乳粉末)を加え、プローブ溶液として使用された。 3.1(f)ライブラリープロービング 選択されたクローン(上記)を含む処理フィルターは(二つのバッチ)90m lの6xSSC、0.1%SDSおよび0.25%MarvelTM中、回転ガラ ス管を用いてTechne HB−1ハイブリダイゼーションオーブンで65℃ にて3時間プリハイブリダイズされた。二つの組は各々次に10mlのプローブ 溶液(一つの組はVHプローブで、他の組はVLで)中、同一の装置を用いて6 5℃で一夜プローブを結合させた。インキュベーション後、各々の組のフィルタ ーを同一装置を用いて100mlの6xSSC、0.1%SDS中、65℃で1 5分、100mlの3xSSC、0.1%SDS中、65℃で15分、および1 00mlの1xSSC、0.1%SDS中、65℃で15分洗浄した。洗浄され たフィルターは風乾し、ファーストタングステン酸塩増感スクリーンとともにH yperfilmTM MP(Amersham International) を用いて−70℃でオートラジオグラフィーを行った。Kodak自動フィルム 処理機でフィルムを現像すると、二つの潜在的重鎖cDNAクローンおよび一つ の潜在的軽鎖cDNAクローンが適切なプローブのハイブリダイゼーションによ り明瞭に同定された。同定された抗体cDNAクローンの頻度はハイブリドーマ cDNAライブラリーに典型的なものであった(Levy,S. et al, 1987,Gene,vol 54,p167−173)。 3.1(g)cDNAクローンのDNA配列分析 ハイブリダイゼーションにより同定された潜在的重鎖および軽鎖cDNAクロ ーンはマスタープレートから採取し大規模プラスミドDNA製造に使用された。 各々のクローンは500ml三角フラスコ中、アンピシリンを加えた200ml のL−ブロスへの接種に使用された。培養物は37℃で一夜振とうさせてインキ ュベートした。増殖後、各々の培養からの細胞をSorvall RC5C遠心 機およびGS3ローターを用い4℃で10分間5000xgで遠心分離すること によりペレット化した。各々の培養からの細胞ペレットは20mlTE緩衝液に 再懸濁し、オークリッジチューブ中Sorvall RC5C遠心機およびSS −34ローターを用い4℃で10分間2000xgで再び遠心分離した。各々の 洗浄された細胞懸濁液を3mlの氷冷25%ショ糖、50mMトリス、pH8. 0、に再懸濁し氷上に放置した。新鮮なリンザイム溶液(1.0ml、10mg /ml)を加え、内容物をチューブを回転させることにより混合し、5分間イン キュベーションを続けた。エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)溶液 (1.0ml、0.5mM、pH8.5)を加え、内容物を穏やかに混合した。 最後に、5.0mlの氷冷トリトンX溶液(0.1%トリトンX−100、62 .5mM EDTA、50mMトリス、pH8.0)を加えて内容物を穏やかに 混合し氷上のインキュベーションをさらに10分間続けた。細胞破片はSorv all RC5C遠心機およびSS−34ローターを用い4℃で30分間39, 000xgで遠心分離することによりペレット化した。プラスミドDNAを含む 上清に16gの塩化セシウムおよび150μlのエチジウムブロミド溶液(10 mg/ml)を加え、TE緩衝液を加えることにより液量を18.5mlとした 。この溶液は18.5mlのクリンプトップ ポリエチレン遠心管(Sorva ll Instruments)に移した。遠心管を封じSorvall TV 865B(チタン、垂直)ローターおよびOTD65B遠心機を用い18℃で1 6時間、 180,000xgで遠心分離した。 遠心分離後、プラスミドDNAは形成されたCsCl/EtBR密度勾配中に はっきりしたオレンジ色のバンドとして認められた。管壁を刺し通すために皮下 注射用の注射器を用いて濃度勾配液からプラスミドDNAを取りだした。濃度勾 配液から取りだした試料は3−4倍TE緩衝液で希釈し、等量のイソプロピルア ルコールを加えて氷上で10分間インキュベーションしてDNAを沈澱させた。 沈澱したDNAはSorvall RC5C遠心機およびSS−34ローターを 用い4℃にて17,000xgで遠心分離することによりペレット化し、上清は 廃棄した。得られたペレットは70%エタノール(v/v)で洗浄し、5分間再 び遠心分離した。ペレットは次に真空下で乾燥し、1.8mlのTE緩衝液およ び200μlの酢酸ナトリウム溶液に再懸濁して等量のフェノールで抽出し、相 の分離には17,000xg、2分間の遠心分離を用いた。水相を等量のフェノ ールで再び抽出した後、−20℃で等量のエタノールを加え、氷上で10分間イ ンキュベートしてDNAを沈澱させた。精製されたDNAは上記のようにペレッ ト化し、70%エタノールで洗浄し、ペレットを真空下で乾燥させた。乾燥ペレ ットは500μlの2回蒸留水に再懸濁し、希釈した試料の300から220n mをUV分光光度計で走査し、50μg/ml/OD 260nmの吸光係数を 用いてDNA濃度を推定した。 この精製プラスミドDNAはDNA配列分析に使用された。United S tates Biochemical Companyにより供給され、提供さ れるプロトコールに従うSequenaseキットのような独占的配列決定キッ トを用いるSangerのダイデオキシ鎖停止法(Proc.Nstl.Aca d.Sci.USA 74,1977,p5463)により二本鎖DNAをDN A配列分析に使用できる。 重鎖および軽鎖cDNAクローンプラスミドDNAの一部(2−4μg)がD NA配列分析に使用された。各々の試料は最初に0.2M NaOH、0.2m M EDTA(最終容量100μl)と室温で10分間インキュベーションする ことにより変性させた。変性DNAは10μlの3M酢酸ナトリウム(pH5. 0)および275μlのエタノールを加え、氷上で10分間インキュベーション して沈澱させた。沈澱したDNAは前にプラスミドDNAで記載したように回収 された。変性DNAは、各々をSequenase反応緩衝液(40mMトリス 、pH7.5、25mM MgCl2、50mM NaCl)および10%ジメ チルスルホキシド(DMSO)存在下、0.5ピコモルの適当なプライマーと6 5℃で2分間、続いて徐々に30℃以下に冷却するインキュベーションにより配 列決定のためのプライマーを連結した。これらのプライマーが連結された鋳型は 次に、10%DMSOが標識および停止混合物に添加されているプロトコールに 従って配列決定反応で使用された。 配列決定反応は高分解能ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Sangerおよ びCoulson,1978,FEBS Lett.87,p107)後のオー トラジオグラフィーにより分析された。 クローン化cDNAの完全重鎖および軽鎖配列は以下に与えられている(H鎖 cDNAは配列ID番号:23、アミノ酸は配列ID番号:36であり図15に それら間の配置が与えられており、同様に配列ID番号:24はL鎖cDNAを 示しており、配列ID番号:37はアミノ酸配列を示しており、および図16は それらの間の配置を示している)。これらのコード配列の確実性は、精製された 抗体蛋白質から演繹されたN−末端蛋白質配列と比較することにより確認された 。DNA配列からまた抗体がIgG1κイソタイプであることが確認された。 3.2ミエローマ細胞中での全55.1抗体の発現 以下の実施例はpRc/CMV内へクローン化した配列(図8)を用いたミエ ローマ細胞からの55.1抗体の発現を記載している。 pRc/CMV(図8)は高レベル転写のためヒトサイトメガロウイルス(C MV)の即時初期遺伝子からのエンハンサー/プロモーター配列、ゲネチシン硫 酸(G418)耐性安定細胞株の分泌のためネオマイシン耐性遺伝子、プロモー ター配列から下流の独特の制限酵素部位(HindIIIBstXINotIXbaIおよびApaI)およびクローニング部位の3’のウシ成長ホルモン からのポリアデニル化信号/転写停止配列を使用する。 3.2(a)pRc/CMV内へのサブクローニング 55.1cDNAは切り出し可能で無傷な、NotI断片上のpブルースクリ プトベクターからのものである。各々の断片はその後、CMVプロモーターから の発現を可能にするために独立してpRc/CMVのNotI部位内へクローン 化できる。 種々のDNAの一部、pRc/CMV(3μg)、p55.1H(5μg)お よびp55.1L(10μg)はNotI(5u/μg)、10mM トリス− 酢酸(pH7.5)、10mM酢酸マグネシウム、50mM酢酸カリウムおよび 0.1%トリトンX−100を含む溶液中、37℃で最低1時間インキュベート して別々に消化される。さらにpRc/CMV NotI消化物はその後同一の 溶液中、ウシ腸アルカリ性ホスファターゼ(2u、Pharmacia Bio technology Ltd.)と80℃で15分間処理された。これは連結 反応によるベクターの再環化を防止するためである。完全消化物はアガロースゲ ル電気泳動により分析され、適当なDNA断片(pRc/CMVベクターバンド 、5.5Kbpおよび55.1HおよびL挿入物、1.5Kbpおよび800b p)をゲルから切り出して上記のように精製した。 別に、各々の55.1cDNAを上記のようにpRc/CMVベクターと連結 する。連結されたDNAは応答力のあるDH5α細胞の形質転換に使用し、プラ スミドDNA調製試料および55.1HおよびL鎖挿入物を持つpRc/CMV クローンを同定するためのNotIによる制限酵素分析のためにアンピシリン耐 性クローンを採取した。続いてPCRが適切なNotI挿入物を発現するために 正しい配向の挿入物を持つクローンの同定に使用された。各々の推定クローンか らの一つのクローンが1mlの2回蒸留水に再懸濁される。細胞は6000rp mで1分間の遠心分離によりペレット化し、上清の800μlを捨て、細胞ペレ ットは残りの200μlに再懸濁する。次に細胞を100℃で1分間インキュベ ートして破壊し、不溶性物質は12000rpmで2分間遠心分離してペレット とする。透明化した上清の1μlを、T7プロモータープライマー(配列ID番 号:7)および内部H鎖のためのH鎖プライマー(配列ID番号:8)かまたは 内部L鎖のためのHLプライマー(配列ID番号:6)、200μM dNTP 、 10mMトリス−HCl(pH8.3)、50mM KCl、1.5mM Mg Cl2、0.01%ゼラチンおよび0.5u Taqポリメラーゼ(Ampli taq)の20μlPCR反応に使用し、20μlの軽鉱物油(Sigma C hemical Company Ltd.)を層積する。DNAを含まない対 照反応が試薬溶液の夾雑物を検出するために組まれた。すべての反応液は94℃ で1.5分、50℃で1.0分、72℃で2分を20サイクル、最後に72℃で 10分プログラム可能熱制御機(Techne PHC−1)中でインキュベー トする。PCR生成物は全反応物を0.8%アガロースゲルで走らせることによ り分析される。発現のために正しい断片配向を持つクローンは対照反応と比べた ときにPCR生成物(H鎖では約900bp、L鎖では約600bp)の存在に より同定される。正しくない断片配向のクローンは、両方のオリゴヌクレオチド が同じDNA鎖で開始するためPCR生成物を生成しない。正しい配向を持つ一 つのH鎖クローンはpRc/55.1Hと名付けられ、正しいL鎖クローンはp Rc/55.1Lである。 前記のような大規模プラスミド製造がこれらのクローンを用いて実施され、骨 髄腫細胞のトランスフェクションに十分なDNAが提供される。トランスフェク ションに先だって、各々のプラスミドDNA(pRc/55.1H、pRc/5 5.1HおよびpRc/CMV)の試料(50μg)は、25u BglII、6 mMトリス−HCl、pH7.9、6mM MgCl2、100mM NaCl および1mM DDTを含む溶液中、37℃で最低1時間BglIIで完全に消化 する。BglIIは抗体配列および重要な制御要素の外側の点でプラスミドDNA の直線状化を起こし、宿主ゲノム内への発現カセットの組み込みを容易にする。 3.2(b)骨髄腫細胞のトランスフェクション 真核細胞内へのDNAの導入にはいくつかの方法が存在する(Bebbing ton,C.,1991,Methods,vol 2,p136−145)。 リン酸カルシウム−DNA共沈澱に代わって最近はエレクトロポレーションが日 常的に使用される方法になってきた。しかしながら、前者の方法は染色体DNA 内へのプラスミドDNAの組み込みが高頻度であるという利点を持っており、各 々同一の耐性マーカーを運ぶ二つのプラスミドの同時トランスフェクションが必 要とされるこの場合には好適である。HおよびL鎖を運ぶプラスミドの同時トラ ンスフェクション後に生成されるG418耐性コロニーの集団は機能的抗体分子 を発現するであろうことが期待される。NS0骨髄腫細胞(Methods i n Enzymology,1981,73B,p3、ECACC カタログ番 号85110503)は内因性分泌抗体蛋白質が存在しないので、この研究に適 した宿主細胞である。 使用された方法はGorman(1986,DNA Cloning,vol .2,p143,Academic Press,New York)の方法に 基づいている。非選択的培地中(ダルベッコ改良イーグル培地、Life Te chnologies Ltd.、に10%のウシ胎児血清を加えたもの)、対 数的に増殖しているNS0細胞を、10mlの非選択的増殖培地を含む9cmの ペトリ皿に皿あたり5x105の密度で播種し、37℃で24時間インキュベー トする。62ml CaCl2を含む0.5mlの水溶液中、直線状化プラスミ ドDNA(pRc55.1HおよびpRc55.1L)を同じ比率で混合した( 各々2.5、5または10μg)。各々の混合物は次に連続的に撹拌しながら0 .5mlの2xHBS溶液(280mM NaCl、2.8mM Na2HPO4 、46mM Hepes、pH7.1)へ滴加する。リン酸カルシウム−DNA 沈澱物の形成を助けるため混合物に空気を吹き込む。 NS0細胞から増殖培地を除き、10mlの無血清培地で洗浄し、それも廃棄 された。リン酸カルシウム−DNA沈澱物を1mlの無血清培地とともにペトリ 皿に加える。いくつかの異なった比率の二つの発現プラスミドが使用され、対照 としてpRc/CMVが二つの異なった量で(5および10μg)使用された。 DNAを含まない対照もまた組み立てられる。細胞は沈澱物の存在下37℃で、 時々プレートの一部の乾燥を防ぐために揺れ動かしながら4時間インキュベート する。次に細胞から沈澱物を除き、3mlの15%のグリセロールを含む1xH BSに置き換えて37℃で1.5分経った後に10mlの無血清培地で洗浄する 。細胞は次に10mlの非選択的培地中、37℃で24時間インキュベートする 。 24時間後に選択的培地(DMEMに10%FCSおよび1.5mg/mlの G418−ゲネチシン硫酸塩、Life Technologies Ltd. )をトランスフェクトした細胞に応用し、G418耐性コロニーが出現するまで この選択的条件に細胞を維持する。コロニーを採取し、ELISAによる抗体発 現の分析のためG418選択下で継代培養する(下記参照)。 3.3 大腸菌での55.1の断片の発現 以下の実施例は大腸菌中のプラスミドベクターからのキメラFab’およびF (ab’)2断片(ヒト不可変領域とともに)および55.1の一本鎖Fv(s cFV)の発現を記載している。 3.3(a) ベクター系 大腸菌の周縁質内への抗体断片の分泌を可能にするプラスミド発現ベクターは いくつかのグループにより記載されている(Skerra,A.et al,1 991,Bio/Technology vol 9,P273−278。Ca rter,P.et al,1992,Bio/Technology vol 10,p163−167。Better,M.et al,1993,Proc .Natl.Acad.Sci.vol 90,p457−461)。これらは 一般的に、選択された大腸菌宿主内での選択および複製を可能にするベクターバ ックグラウンド(paT153、pUC19など)において、各々それ自身の分 泌リーダー配列(pelB、ompAなど)を持つFd’およびL鎖の共発現を 指示する制御可能なプロモーター(lac、araB、lppなど)を含んでい る。Tc耐性遺伝子、T4転写停止配列およびcer安定性機能(ref)を持 つpAT153に基づくベクター内へ、サルモネラ チフィムリウムからのPC Rにより誘導されたaraB/Cプロモーター/レプレッサー要素を導入するこ とによりそのようなベクターを構築した。二つのpelBリーダー配列およびヒ トCH1およびCK配列はpSW1FabD1.3(Skerra,A.et al,1991,Anal.Biochem.vol 196,p151−15 5)から誘導された。さらに、pelBリーダー配列は特異的制限部位を導入す るために部位特異的突然変異誘発により修飾された。H鎖断片の上流のpelB 配列は 特異的NcoI部位を導入するために修飾された、すなわち 5’...TCGCTGCCCAACCAGCATGGCC 3’ ここで下線を付けた塩基はNcoI部位(CCATGG)を創り出すために本 来の配列のGがCに置換されていることを示している。 上記のNcoI部位を含む単一のpelBリーダー配列および他のベクター特 性を持つベクター(pICI266)はブタペスト条約のもとNational Collections of Industrial and Marine Bacteria Limited (NCIMB),23 St.Macha r Drive,Aberdeen,AB2 1RY,Scotland,U. K.に寄託された。 同様に、L鎖から上流の第二のpelBリーダー配列内へ特異的SfiIが導 入された、すなわち 5’...TCGCGCCCAACCGCCCAGGCC 3’ ここで下線を付けた塩基はSfiI部位(GGCCCAACCGGCC)を導 入し、第二のNcoI部位の創造を妨げるための塩基置換を示している。この文 字変換はアミノ酸置換を余儀なくさせるが(MetからGln)、C−末端部分 (Ala−Gln−Ala)はompAリーダーのものと同一であるので分泌に は影響しないことが期待される。 これらの修飾はVHではNcoI−BstEII断片およびVLではSfiI −XhoI断片上の適当なC領域の上流および枠内に抗体V領域の挿入を可能に する。このプラスミドはN−末端アミノ酸置換なしに異なった抗体のV領域が挿 入できるという以前に記載されているベクターよりも便利な点を持っている。 CH1配列もまた二量化を促進するため、L鎖相互作用、完全なヒンジ領域お よびCH2内への伸長のためのcys残基の再導入により本来のpSW1Fab ベクターを修飾したものである。このことは本来の配列のSalIおよびSph I部位の間に合成オリゴヌクレオチド配列を挿入し(配列ID番号:9および1 0)、続いて最初の挿入物のPmlIおよびHpaI部位の間にさらに合成オリ ゴヌクレオチド配列を挿入する(配列ID番号:11および12)ことにより達 成される。 FdおよびL鎖間の共有結合による相互作用を可能にするため、Cκ中のC− 末端cys残基もまた部位特異性突然変異誘発により復元される。 プラスミドpICI1646は図2に示されている。 3.3(b)55.1Fab’およびF(ab’)2発現クローンの発生 3.3(b)i 55.1V領域断片の単離 合成オリゴヌクレオチド(配列ID番号:13−16)はPCRを用いてcD NAクローンから55.1VHおよびVL領域を単離するために設計された。そ の後のpICI1646へのクローニングを可能にするためにオリゴは適当なク ローニング部位(VHに対してはNcoIおよびBstEIIおよびVLに対して はSfiIおよびXhoI)を導入する。 PCRは200μM dNTPs,10mMトリス−HCl(pH8.3), 50mM KCl,1.5mM MgCl2,0.01%ゼラチンおよび2.5 uTaqポリメラーゼ(Amplitaq)を含む100μlの反応液に15n gの鋳型DNA(pBluescript中の55.1HまたはL鎖cDNAク ローン)、100ピコモルの各々のオリゴ(VHに対しては配列ID番号:13 および14、およびVLに対しては配列ID番号:15および16)を加え10 0μlの軽鉱物油を層積した。DNAを含まない対照反応が試薬溶液の夾雑物を 検出するために組まれた。すべての反応液は94℃で1.5分、50℃で1.0 分、72℃で2分を20サイクル、最後に72℃で10分プログラム可能熱制御 機(Techne PHC−1)中でインキュベートした。PCR生成物は5μ lの試料を0.8%アガロースゲルで走らせることにより分析された。 VHおよびVL断片を含むPCR反応液の残りはCentricon 100 微量濃縮器を使用し、各々2mlの2回蒸留水中1000xgで5分間で3回洗 浄して(上記のように)過剰のオリゴを除去し、精製した。単離されたV領域断 片を含む保持物をとり、70%エタノールおよび0.3M酢酸ナトリウム中、氷 上に10分間置いてDNAを沈澱させた。各々のDNAは次に13000rpm で10分間遠心分離してペレット化し、ペレットは70%エタノールで洗浄して 真空下で乾燥させた。 3.3(b)ii 55.1VH断片の制限消化 PCRで単離した55.1VH生成物は次に、10mMトリス−酢酸、pH7 .5、10mM酢酸マグネシウム、50mM酢酸カリウムおよび25UのBst EIIを含む200μlの溶液に懸濁し、65℃で1時間インキュベートすること によりBstEIIで消化された。この反応液は氷上で冷却し、NcoIによる消 化は緩衝液成分を2倍にし、50uのNcoIを加えて37℃で1時間インキュ ベーションすることにより実施された。消化されたDNAはエタノールで沈澱さ せ、20μlの無菌2回蒸留水に懸濁した。消化された断片は次に0.75%S eaPlaque GTGアガロース(FMC Bio−products)ゲ ルで電気泳動し、ゲルから精製された各々の断片は提供されたプロトコールに従 ってフェノール抽出された。DNAは続いてエタノールで沈澱され10μlの無 菌の蒸留水に再懸濁した。各々の断片の試料1μlを0.8%アガロースゲルで 電気泳動してDNA濃度を算定した。 3.3(b)iii 55.1VH断片のpICI1646へのクローニング pICI1646の試料5μgを上記55.1VH断片と同じようにBstE IIおよびNcoIで消化した。消化したDNAは上記のように精製され、DNA 濃度が算定された。 100ngのBstEII−NcoIベクター断片、50ngのBstEII− co I55.1VH断片および2.5uのT4 DNAリガーゼを30mMトリ ス−HCl、pH7.8、10mM MgCl2、10mM DTTおよび1m M ATPの中に含む10μlの結合反応液が準備された。結合反応液は16℃ で2時間インキュベートした後、その1μlが応答能のある大腸菌DH5α細胞 (Life Technologies Ltd.)20μlの形質転換に使用 された(製造元から提供される使用説明書に従って)。形質転換された細胞は1 0μg/mlのテトラサイクリンを含むL寒天プレートにおかれ、37℃で一夜 インキュベートされた。 六つのテトラサイクリン耐性コロニーが寒天プレートから採取され、各々10 μg/mlのテトラサイクリンを加えた10mlのLブロス内へ接種された。こ れらの培養物は37℃で、振とうしながら一夜インキュベートし、Maniat isに明記されている(1章、p38)BirnboimおよびDolyの方法 を用いてプラスミドDNAの調製に使用された。潜在的55.1VHクローンは 、親プラスミドと比較した場合に特有のDraIII制限部位を獲得していること に基づいて選択された。CsCl/EtBr密度勾配遠心分離を用いる大規模プ ラスミド製造が四つのそのようなクローンから実施され、クローンはSeque naseキット(United States Biochemical Co rp.)で提供されるようなSangerの方法に従ってDNA配列分析により 証明された。正しい配列を持つ一つのクローンがpICI1655と名付けられ た。 3.3(b)iv 55.1VL断片のpICI1655へのサブクローニング 単離された55.1VL断片およびpICI1655プラスミドDNA(各々 約5μg)を10mMトリス−HCl、pH7.9、10mM MgCl2、5 0mM NaClおよび1mM DTTを含む200μlの反応液中25uの fi Iで1時間50℃で消化した。その後、各々の消化物に24uのXhoIを 加えて37℃で1時間インキュベーションを続けた。消化物は次にStrata clean樹脂で処理し、DNAをエタノールで沈澱させ、20μlの無菌2回 蒸留水に再懸濁し、0.75%SeaPlaque GTGアガロースゲルで電 気泳動し、上記のように適当なベクターおよびVL断片が単離された。試料1μ lを0.8%アガロースゲルで電気泳動し、単離されたDNA断片の濃度が算定 された。 上記55.1VHで使用された条件下、結合液は100ngの pICI16 55 SfiI−XhoI断片、50ngの55.1 VL SfiI−Xho I断片を含むように組み立てられた。結合液は16℃で3時間インキュベートし た後、その1μlが応答能のある大腸菌DH5α細胞のテトラサイクリン耐性へ の形質転換に使用された。八つのテトラサイクリン耐性コロニーが小規模プラス ミドDNA製造に選択された。これらのDNAは親と比較した場合に特異的Ss I部位を喪失していることでスクリーニングされた。潜在的55.1F(ab ’)2が大規模プラスミドDNA製造のために選ばれ、前に詳しく説明されたD NA配列データ分析により証明された。55.1V領域DNA配列を持つと予想 された一つのクローンがpICI1656と名付けられた。 3.3(b)v 発現試験 抗体断片発現の分析にため、pICI1656DNAが大腸菌株MC1000 (ATCC番号39531)およびMC1061(ATCC番号53338)[ Casadaban,M.J.Cohen,S.N.,1980,J.Mol. Biol.,vol 138,p179−207]の形質転換に使用された。こ れらはアラビノースを代謝できないara−株であり、araBプロモーターか らの発現の導入に使用された。これらの二つの株からの応答能のある細胞が調製 され、Maniatisが引用した方法(1章、p74−84)に従ってテトラ サイクリン耐性への形質転換された。各々の株の純粋なクローンが次に培養上清 のウェスタンブロットおよびELISAによる発現の分析に使用された。 3.3(b)vi 培養上清の調製 MC1000(pICI1656)およびMC1061(pICI1656) は10μg/mlのテトラサイクリンを加えた10mlの2xYTブロスに接種 され、振とうしながら37℃で一夜インキュベートした。一夜培養物はテトラサ イクリンを加えた100mlの2xYTブロス内に継代培養した(100中1) 。これらの培養物は37℃で振とうしながら3時間インキュベートした。3時間 後にインキュベーターのヒーターのスイッチを切り、放置して徐々に(約1時間 )室温(25℃)まで温度を下げた。各々の培養の10mlの試料を取り、OD540 が測定された(約0.7)。試料を遠心分離してペレットとし(2500x gで10分)、細胞および上清は前誘導試料として4℃で保存した。 アラビノース溶液(20% w/v)を1%(w/v)の最終濃度で各々の培 養液に加え、室温で3時間インキュベーションを続けた。その後、第二の試料1 0mlを取り、OD540が測定され(約0.85)、試料は遠心分離して細胞ペ レットとした。上清は4℃で保存された。 3.3(b)vii ウェスタンブロット分析 各々の上清試料の一部(15μl)を等容量の還元剤を含む(50mM DT T)または含まない試料緩衝液(62.5mMトリス、pH6.8、1%SDS 、10%ショ糖および0.05%ブロモフェノールブルー)と混合した。試料は 100℃で15分間インキュベートした後、マルチフォア装置(LKB Pro dukter AB)中で使用説明書に従って8−18%アクリルアミド勾配ゲ ル(Pharmacia Biotechnology Productsから のエクセルゲルシステム)で電気泳動を行った。電気泳動後、Novablot 装置(LKB Produkter AB)を用い使用説明書に従って分離され た蛋白質をHybond C−Super膜(Amersham Intern ational)へ移した。ブロティング後、膜を風乾した。 抗体断片の存在はECL検出システム(Amersham Internat ional)を用い、抗ヒトCκ抗体−ペルオキシダーゼ複合体(Sigma Chemical Company製品A7164)を使用して検出された。 ウェスタンブロット分析の結果は図9に示されている。抗体断片の発現は、対 照前誘導試料と比較して誘導後の試料では信号が存在することにより明瞭に検出 された。還元剤存在下では、約25kDの単一のバンドが遊離軽鎖と一致した。 還元剤非存在下では、約50kDおよび約100kDの追加のバンドが観察され 、それらは抗体鎖が共有結合で会合したFab’およびF(ab’)2断片と一 致した。 3.3(b)viii ELISA分析 ELISAアッセイの標準法は”Laboratory Technique s in Biochemistry and Molecular Biol ogy”、Burdon,R.H.およびvan Kippenberg,P. H.編、15巻、”Practice and Theory of Enzy me Immunoassays”,Tijssen,P.,1985,Els evier Science Publishers B.V.、に記載されて いる。他の情報源は”Antibodies−A Laboratory Ma nual”Harlow,E.およびLane,D.P.1988,Cold Spring Harbor Laboratorynから出版、である。 COLO 205細胞(Semple,T.et al,1978,Canc er Res.,vol 38,p1345−1355,ATCC番号CCL 322)への結合を検出するためELISAで上清試料が使用された。COLO 205細胞は無血清培地(Zeneca Pharmaceuticals M1)で培養され96ウェルマイクロタイタープレートヘグルタルアルデヒド( 0.1% v/v PBS溶液)で固定された(ウェルあたり105細胞)。培 養上清をウェルに加え、4℃で約70時間インキュベートして抗体断片を結合さ せた。1%(w/v)BSAおよび0.5%(v/v)トウィーン20を含むP BSで洗浄後、抗ヒトCκ抗体−ペルオキシダーゼ複合体(上記参照)が結合抗 体断片の検出に使用された。色の発色にはo−フェニレンジアミン(Sigma Chemical Company Ltd.)が用いられ、それはThem oMax プレートリーダー(Molecular Devices)中、49 0nmで測定された。ELISAの結果は図10に示されている。55.1抗体 断片によるCOLO 205への特異的結合は誘導されたMC1000およびM C1061(pICI1654)培養上清をCOLO 205と異なった特異性 を持つ他の抗体断片を発現する非誘導試料または対照と比較した。 3.3(c) 55.1scFVの発生 PCRを用いる抗体からのscFV断片の迅速な発生が報告されている(Da vis,G.T.et al,1991,Bio/Technology,vo l 9,p165−169)。構築はV領域の折り畳みを活性なコンホメーショ ンにする融通のきくペプチドリンカーによる抗体のVHおよびVL領域の連結に 依存している。リンカー断片を含む離れたVHおよびVL領域はPCRにより発 生され、リンカー領域の相補性が続いてのPCRにおいてのscFVをコードす る遺伝子の創造に使用される。 3.3(c)i 55.1scFV発現クローンの構築 オリゴヌクレオチド(配列ID番号:13および16−20)がPCRプライ マーとして働くように設計された。オリゴ20は(Gly4Ser)3リンカー 配列をコードしており、その3’末端に抗体VL領域の5’領域に相補性も持っ ている。オリゴ21はリンカー配列の補体であり、抗体VL領域の3’領域に相 補性を持っている。別のオリゴ(配列ID番号:21)は55.1VLの3’領 域と相補的であり、さらに読み枠内に翻訳停止コドンおよびEcoRIクローニ ング部位を持つように設計された。 55.1のVHおよびV1領域は上記のようにVHに対してはオリゴ13およ び17、VLに対してはオリゴ16および18を用いる55.1F(ab’)2 発現クローンの構築においてのPCRにより単離された。これらの断片(各々約 0.2ピコモル)は200μM dNTPs,10mMトリス−HCl(pH8 .3),50mM KCl,1.5mM MgCl2,0.01%ゼラチンおよ び1.25u Taq ポリメラーゼ(Amplitaq)を含む50μlのP CR反応液中でオリゴ19および20(各々0.1ピコモル)と混合し、50μ lの軽鉱物油を層積した。V領域を含まない対照反応液もまた準備された。これ らの反応液は94℃で1分、63℃で4分のインキュベーションを7サイクル行 った。このインキュベーション後、100ピコモルのオリゴ13および21およ び200μM dNTPs、10mMトリス−HCl(pH8.3),50mM KCl,1.5mM MgCl2,0.01%ゼラチンおよび1.25u T aq ポリメラーゼ(Amplitaq)を含む溶液50μlを加え、94℃で 1.5分、50℃で1.0分および72℃で2.5分を25サイクル最後に72 ℃で10分インキュベーションを行った。 アガロースゲル電気泳動によるPCR反応液の分析から、対照PCR反応と比 較して推定のscFV断片(約750bp)が存在していることが確認された。 上記F(ab’)2発現クローンの構築で説明した方法により本断片が精製され 、NcoIおよびEcoRIで消化され、pICI1646内へクローニングさ れた。scFvを発現できるクローンはその後750bpNcoI−EcoRI 断片の存在により同定され、DNA配列分析により確認された。 3.3(c)ii tag配列の挿入 ウェスタンブロットおよびELISAでのscFv断片の検出は通常の試薬で は不可能である。c−末端にtagペプチドを付加させると、そのような検出が 容易になるであろう。9E10と称されるデカペプチド(Munro,S.およ びPelham,H.,1986,Cell,vol 46,p291−300 、ECACC番号85102202、ATCC番号CRL 1792)がそのよ うな目的に使用できる。このtagはプラスミドpSW1D1.3VH.VK. tag(ward,E.S.et al,1989,Nature,vol 3 41,p544−546)からのXhoI−EcoRI断片上で入手可能であり 、または相補的オリゴヌクレオチドの対として合成できる(図18および配列I D番号:25および35参照)。 pSW1D1.3VH.VK.tagからのXhoI−EcoRI断片は精製 され、上記のように常法によりXhoIおよびEcoRIで消化したscFv発 現クローン内へクローン化された。scFvのc−末端でのtagの存在はDN A配列分析により確認された。正しく構築された一つのクローンがpICI16 57と名付けられた。 3.3(c) 発現試験 MC1000およびMC1061株をpICI1657プラスミドDNAで形 質転換した後、発現の分析は上記のように培養上清のウェスタンブロット(図1 1)およびELISAアッセイ(図12)で実施されるが、ただし、検出は抗体 9E10とのインキュベーション続いて酸化可能基質の添加に先立って抗マウス 抗体−ペルオキシダーゼ複合体(Sigma Chemical Compan y、製品A9044)と2時間さらにインキュベートされた。実施例4 酵素的に誘導されたF(ab)2抗原結合構造の調製 55.1抗体はパパインを用いる蛋白分解によりうまく切断され、以下に示し たF(ab)2断片が得られた。 15mgの55.1を3mg/mlの濃度で、3mM EDTA/100mM 酢酸ナトリウム pH5.5緩衝液に対し、4℃で一夜透析した。2mg(=2 00μl)パパイン[10mg/ml懸濁液Boehringer Mannh eim Gmbh, Mannheim, Germanyカタログ番号108 014、から得られた]を200μlの3mM EDTA/100mM酢酸ナト リウム/100mMシステイン pH5.5、で希釈し、37度Cで30分間イ ンキュベートした。過剰のシステインを消化物のクロマトグラフィーにより還元 パパインから除去した(5mlのセファデックスG25[Pharmacia, Uppsala,Sweden]のカラムを用い、4度Cで3mM EDTA/ 100mM塩化ナトリウム、緩衝液pH5.5、で溶出)。UV吸収[A290 nm]をモニターして溶出される還元パパインの分画を集めた。還元パパインの 濃度は吸光係数2.5を用いて計算された。 抗体に対する酵素比30対1で還元パパイン500μgを前もって透析した5 5.1抗体に加えた。容器は次に窒素でパージし、混合物は水浴中37℃で20 時間インキュベートした。0.5mlの100mM N−エチルマレイミドを加 えて反応を停止させた。 粗消化物は4℃で一夜の透析により1.5Mグリシン/3M塩化ナトリウム緩 衝液、pH8.9に交換し、5mlのカラムのプロテインAファーストフローセ ファロース[Pharmacia,Uppsala,Sweden](同一の溶 媒で前もって平衡化)にのせた。カラムは3カラム容量のグリシン/塩緩衝液、 3カラム容量の100mMリン酸ナトリウムpH6.0および最後に3カラム容 量の100mMクエン酸ナトリウムpH3.0で洗浄し、溶出液を280nmで のuv吸収でモニターし、分画を集めた。F(ab)2はプロテインAに結合し ないのでグリシン/塩洗浄した分画に溶出されており、より小さな分画はリン酸 洗浄で溶出され、および消化されていない抗体はクエン酸洗浄溶出された(SD S−PAGEで決定された)。F(ab)2含有分画をまとめ、保存のために3m M EDTAを含むリン酸緩衝化塩溶液(リン酸ナトリウム/150mM塩化ナ トリウム pH7.2)で透析した。実施例5 免疫複合体の製造 5.1 抗体55.1免疫複合体 モノクローナル抗体55.1(200mg)のリン酸緩衝化塩溶液(リン酸ナ トリウム/150mM塩化ナトリウム pH7.2)(4.4mg/ml)を4 ℃で膜濾過(Amicon YM10膜、Amicon Ltd.,Stone house,Gloucs.U.K.)して12mg/mlまで濃縮した。濃縮 液は0.5容量のホウ酸緩衝液(100mMホウ酸ナトリウム pH9.1)で 希釈した。蛋白質濃度は280nmでの吸収をモニタリングにより決定され、混 合溶液のpHは8.8+/−0.1であった。 N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)ブチレート(”リンカー ”)を乾燥、再蒸留ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルに10mg/m lの濃度で溶解させた。この液の一部(0.352ml;3.52mgのN−ス クシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)ブチレートを含んでいる)を濃縮 抗体溶液にすぐに加えた。得られる溶液を混合し、次に15℃で1時間放置した 。溶液は次に、過剰の試薬を除去し、緩衝液が誘導体化された抗体を交換させる ため2.6x58cmのG25セファデックス(Pharmacia,Upps ala,Sweden)カラムによるゲル浸透クロマトグラフィー(50mMリ ン酸ナトリウム/150mM塩化ナトリウム/1mM EDTA緩衝液pH8. 0を2ml/分の流速で用いる)で脱塩した。もしくは反応生成物は十字流濾過 により除去できる。脱塩され誘導体化された抗体はプールし、280nmでのu v吸収のモニタリングにより蛋白質濃度が決定された。リンカーによる誘導体化 の程度は、過剰のジチオスレイトールを加え、343nmで遊離チオピリジル基 の放出をモニターすることにより決定された。誘導体化の程度は抗体モルあたり 4から6のリンカー基であることが観察された。 組換え体リシンAはリシンAの溶液をpH8のリン酸緩衝液中、過剰のジチオ スレイトールで処理して還元し、十字流濾過により濃縮された。50mMリン酸 ナトリウム/150mM塩化ナトリウム/1mM EDTA緩衝液pH8.0を 2ml/分の流速で用いる2.6x58cmのG25セファデックス(Phar macia,Uppsala,Sweden)カラムによるゲル浸透クロマトグ ラフィーにより過剰の試薬を除去した。 組換え体リシンA(190mg)および誘導体化抗体(190mg)溶液を1 :1(w/w)のリシンA/誘導体化抗体比で混合することにより組換え体リシ ンAが誘導体化抗体に結合された。20% v/vまでグリセロールを加え、容 器をアルゴンでパージした。得られた溶液は15℃に40から65時間維持され た。 抗体上の過剰のリンカー基にキャップ形成させるため、システインを最終濃度 0.2mMまで加えた(抗体上のリンカー基に対して少なくとも10倍モル過剰 に)。この溶液は20℃に2から3時間維持された。システインによるキャップ 形成に続いて、生じた免疫毒素の試料は過剰のジチオスレイトールで処理し、反 応の完了を定量化するために343nmでモニターした。 複合体を含む溶液は膜濾過(Amicon YM10膜、Amicon Lt d.,Stonehouse,Gloucs.U.K.)し、50mMリン酸ナ トリウム/25mM塩化ナトリウム/1mM EDTA緩衝液を3ml/分の流 速で用いる2.6x50cmのゲル浸透クロマトグラフィーカラム(Pharm acia HR300 Sephacryl、Pharmacia,Uppsa la,Sweden)に応用する。この工程の効率はカラム溶出液のuv吸収の 280nmでのオンライン測定によりモニターされ、免疫毒素および非結合抗体 が非結合リシンAから分離された。免疫毒素および抗体の混合物を含むピークを プールし、280nmでのuv吸収のモニタリングにより蛋白質濃度が決定され た。 非結合抗体および免疫毒素の両方を含む溶液は1M HClを添加してpH6 .3に調整し、トリアジン色素マトリックスMimetic A6XL(ACL plc,Cambridge,UK.)の8x26cmのカラムを用い、1. 5 ml/分の流速でクロマトグラフィーを行った。カラムを100mlの出発緩衝 液で洗浄して非結合抗体を溶出させ、免疫毒素は0.5M塩化ナトリウムを含む 出発緩衝液で溶出された。免疫毒素溶液はリン酸緩衝化塩溶液に対して透析し、 0.22ミクロンのフィルターを通して濾過し、4℃で保存した。 免疫毒素の純度はSDSポリアクリルアミド電気泳動により決定され、全部で 45mgの免疫毒素は:50から60%のモノリシンA誘導体、10から30% のジリシンA誘導体、5から15%のトリリシンA誘導体および<10%の非誘 導体化抗体の組成であった。 もしくは、精製過程においてゲル濾過工程(残存r−リシンAの除去)および 色素親和性クロマトグラフィー工程(残存55.1抗体の除去)の順番を入れ換 えてもよい。この変法においては、システインで未反応リンカー部分の遮断後す ぐに(上記参照)複合体混合物は伝導度5mS未満の蒸留水で希釈される。1M 酢酸でpHを6.0に調整し、膜濾過により溶液を透明化する。この溶液は色素 リガンドカラムに加える(2.5ml ゲル/mg 複合体形成混合物で使用さ れたr−リシンA)。カラムは次に0.68%酢酸ナトリウムpH6.0で非複 合55.1抗体がカラムから流し出されるまで洗浄する。免疫毒素および残存r −リシンAは20mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.0、塩化ナトリウムに関 して0.5Mでカラムから溶出されるであろう。この溶出液は螺旋形カートリッ ジ限外濾過システムを用いる十字流濾過により濃縮し、Sephacryl S 300HRのカラムに応用する(元々の結合反応に使用された抗体mgごとに2 .5mlのゲルおよびカラムの全容量の<5%の容量で)。カラムはリン酸緩衝 化塩溶液のような適した処方の緩衝液で平衡化されるであろう。 5.2 抗体55.1F(ab)2免疫複合体 精製されたF(ab)2断片は最初、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン 酸 N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SPDP、Sigma Chem ical Company,St.Louis,U.S.A.カタログ番号P3 415)で誘導体化された。8xモル過剰のSPDPアセトニトリル溶液(10 mg/ml)を4mg/mlの濃度で90mgのF(ab)2蛋白質の50mM ホウ酸ナトリウム、300mM塩化ナトリウムpH8.9の溶液に加えた。よく 混合後、24℃で60分かき混ぜないで誘導化を進行させた。抗体断片モル当た り3から4の間の誘導体化レベルが得られた。 過剰のリンカーは、50mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、 1mMエチレンジアミン四酢酸、pH8.0で平衡化した200mlのPhar macia Sephadex G−25カラム(Pharmacia,Upp sala,Sweden)を用いるゲル浸透クロマトグラフィーで除去された。 100mgの還元剤を含まない精製リシンA鎖が誘導体化F(ab)2断片の 50mMリン酸緩衝液(20% v/v グリセロール)に加えられた。容器は 酸素を含まない窒素でパージして十分に撹拌した。結合反応は24℃で48時間 放置して進行させた。 F(ab)2断片上に残っている活性化リンカー基は結合反応混合物を4mg /mlの蛋白濃度で0.2Mのシステインで処理することにより遮断された。 結合反応後得られた25mgの複合体はリン酸緩衝化塩溶液pH7.2で平衡 化した150mlのSephacryl S−300HRカラムを用いるゲルク ロマトゲラフィーを用いる前の実施例に記載したように残存するr−リシンAお よびシステインから分離された。残存F(ab)2は色素親和性クロマトグラフ ィー(ACL Mimetic Blue)により除去された。50mlのMi metic Blueカラムは50mMリン酸ナトリウム緩衝液で平衡化された 。複合体は500mMの塩化ナトリウムを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液 pH6.5で溶出された。この方法の総収率は20%であった。実施例6 抗体55.1の選択性 免疫毒素の選択性は特に重要である;腫瘍付随抗原へ結合しないと有効性がな くなり、正常組織を標的化すると組織毒性を示す。選択性を評価するため、アセ トン固定、凍結低温切片の高感度3段階間接免疫組織学を用いて抗体55.1と の反応性について多くのヒト正常および腫瘍組織がスクリーニングされた。 免疫組織学は切除手術または死後に得られたヒト組織について実施された。最 適の形態および抗原性を保存するため、組織は可能な限り新鮮なものが得られ、 小片に切り(約1cm2)、−80℃で保存する前に液体窒素で急速に凍結させ た。組織の6μm切片をクライオスタットで切断し、Vector結合スライド (Vector Labs)にマウントし、2分氷冷アセトンで固定した後、ホ イルで包み−80℃で保存した。スライドは室温で放置して霜をとった後、使用 直前にホイルをとる。各々の切片はPAP Penで形をとり、各々の切片に5 μg/mlのトリス緩衝化塩溶液(TBS)で希釈した100μlの55.1抗 体、100μlのMOPCイソタイプ対照(Sigma Chemical C ompany,St.Louis,U.S.A.カタログ番号M9269)をT BS中5μg/mlで、または100μlのLP34(Dako)のような関連 する陽性対照を加えた。すべての続いてのインキュベーションは湿気を加えたチ ャンバー中、室温で30分間実施され;すべての洗浄工程はTBS中2回行われ た。インキュベーション後、スライドは100μlの第二抗体試薬(西洋ワサビ ペルオキシダーゼ(Dako Patts)に結合された1/50ウサギ抗マウ ス免疫グロブリンを含む)で洗浄され、1/5正常ヒト血清(Sigma)が各 々の切片に加えられた。スライドは再びインキュベートし、TBSで洗浄した。 最終検出抗体、100μlの西洋ワサビペルオキシダーゼに結合されたブタ抗ウ サギ免疫グロブリン(1/5正常ヒト血清−TBSで1/50希釈)を各々の切 片に加え、インキュベートして十分に洗浄した。DAB基質は1DAB錠剤(S igma)と17μlの過酸化水素を17mlのTBSに加え、Whatman 4番濾紙を通して滴加した。3分間インキュベーション後、過剰のDABを除き 、スライドをTBSで洗浄した。メーヤーのヘマトキシリンで逆染色後、切片を アルコールおよびキシレン中で脱水し、E−Zマウント(Shandon)にマ ウントした後、顕微鏡で試験した。 抗体結合領域は切片上茶色の染色により可視化されていた。得点システムが組 織への55.1抗体の結合の程度を評価するために使用された、 +++ =>75%の腫瘍に抗体結合 ++ =50−75%の腫瘍に抗体結合 + =25−50%の腫瘍に抗体結合 +/− =腫瘍細胞の小さな領域への非集中性結合 − =染色なし 18人の結腸直腸腫瘍の一団の研究からのデータは55.1抗体は腫瘍の約8 0%と強く結合することを示した(表3)。 染色のさらなる分析で、約50%の腫瘍(++および+++のスコアを持つも の)において、50%以上の細胞が陽性に染色され、染色は基底面および成長点 細胞で明かであることが示された。従って特定の腫瘍内の上皮細胞の大部分は標 的化を受けるべきである。さらに、基底面発現は血液から抗体への有効な標的化 を好むべきである。 表4に示したように,55.1との反応性について大きな範囲のヒト正常組織 がスクリーニングされた。そのような選択的抗体はまれであり;10/65,0 00のみの抗体上清が発生またはスクリーンされたが、一方発明の55.1はそ のような最少程度の正常組織反応性を示した。実施例7 CA55.1への競合的結合のためのアッセイ 7.1(a) 可溶性COLO 205膜試料の生成 使用されたすべての物質は入手できる最も高い品質であるべきである。10E 9 COLO 205細胞のペレットを7mlの氷冷溶解緩衝液(2.5%トウ ィーン40、10mMトリス、0.14M NaCl、1mM PMSF、1m M NEM、100μMペプスタチン、pH7.4)に懸濁して10mlの全量 とした。得られた溶液は1時間氷浴中で撹拌した。次に細胞をホモジナイズし、 4℃にて10分間1500gで遠心分離した。上清を吸引し、4℃にて1時間1 00,000gで遠心分離した。ペレットに5mlの可溶化緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、50mMオクチルグルコシド、10mM NEM、1mM PMSF、0.1mMロイペプチン、pH7.4)を加え、得 られた懸濁液は4℃で穏やかに30分撹拌した。上清(可溶化COLO 205 膜試料)を吸引し4℃で保存した。 7.1(b) 競合ELISA 使用されたすべての物質は入手できる最も高い品質であるべきである。抗原保 存溶液を作るため可溶化COLO 205膜試料を1対100に被覆緩衝液(2 0mM トリス、150mM塩化ナトリウム、pH7.4)で希釈した。マイク ロタイタープレート上、測定当たりMAb当たり六つのウェルに50μlの抗原 保存溶液を加えた。室温で2時間または4℃で一夜穏やかにかき混ぜる。50μ lの固定緩衝液(0.5%グルタルアルデヒドを含む被覆緩衝液)を各々のウェ ルに加え、3分放置し、TBS(50mMトリス、100mM塩化ナトリウム, pH7.4)でプレートを洗浄する。200μlの遮断緩衝液(3%BSAを含 む被覆緩衝液)を各々のウェルに加え、室温で1時間穏やかにかき混ぜる。ビオ チンで標識されたMAbの保存溶液(Charo et al.1991 J. Biol.CHem.266,p1415−1421)およびTEST MAb は抗体緩衝液(1%BSAを含む被覆緩衝液)で調製する。これらの保存溶液を 混合し下記の比で二つのMAb含む六つの抗体溶液を作製する; 抗体溶液1.2mg/ml55.1および 200mg/mlTEST MAb 抗体溶液2.2mg/ml55.1および 20mg/mlTEST MAb 抗体溶液3.2mg/ml55.1および 2mg/mlTEST MAb 抗体溶液4.2mg/ml55.1および 0.2mg/mlTEST MAb 抗体溶液5.2mg/ml55.1および0.02mg/mlTEST MAb 抗体溶液6.2mg/m155.1 遮断工程の終わりにプレートをTBSで洗浄し、100μlの各々の抗体溶液 を各々の列の一つのウェルに入れる。プレートは室温で2時間穏やかにかき混ぜ る。プレートをTBSで洗浄し、100μlの第二抗体溶液(抗体緩衝液に1m g/mlの抗ビオチンペルオキシダーゼ結合MAb)を各々のウェルに加え、1 時間穏やかにかき混ぜる。基質溶液を作るため99.5mlのクエン酸リン酸緩 衝液(0.5gクエン酸、1.7gリン酸水素二ナトリウム12水和物を100 mlのMilli−Q水に)に0.5mlの過酸化水素溶液(1gの尿素過酸化 水素、25mlのクエン酸リン酸緩衝液)および80mgのo−フェニレンジア ミン二塩酸塩を加えた。プレートをTBSで洗浄し、各々のウェルに100μl の基質溶液を加えた。発色する色を495nmでモニターする。0.7AUFS の最大吸光度に達したら、各々のウェルに50μlの停止溶液を加え、プレート を5分穏やかにかき混ぜて最終吸光度を読みとる。発色した色がTEST MA b濃度依存性で減少したことからTEST MAbによる55.1の結合の阻害 が示された。実施例8 CA55.1に対する免疫複合体のインビトロ活性 リシンAと結合された場合、有効な免疫毒素をつくる抗体の必須な性質は、腫 瘍細胞上の細胞膜決定基と結合すべきことであり、および蛋白合成を阻害し、細 胞毒性を誘導するために細胞膜を通過してリボソームヘリシンAを容易に送達さ せることである。 55.1抗原は、フローサイトメトリーを使用してCOLO 205を含むい くつかの結腸直腸腫瘍細胞上に高レベルで存在していることが示されている。C OLO 205細胞がインターナリゼーションおよび細胞毒性研究に日常的に使 用されてきた。抗体55.1が組換え体リシンAと複合された場合、COLO 205細胞に対して1x10-11MのIC50を持つ高度に強力な免疫毒素が作 製された。 COLO 205に結合した55.1のエンドサイトーシスは以下のように示 された。COLO 205細胞の細胞懸濁液を培養培地中ml当たり2000万 細胞まで濃縮した。ヨード化抗体を1μg/mlで加え、4℃で1時間インキュ ベートした。細胞は2度4℃で遠心分離して洗浄し、新しい培地でmlあたり1 00万まで希釈した。1.5mlの細胞懸濁液を24ウェル組織培養プレートに 加え、続いて37℃でインキュベーションを行った。1mlの試料をとり間隔を あけて処理した。細胞および培地上清を遠心分離により分離した。いくつかの細 胞ペレットは酸性化ペプシン(10mg/ml、pH2.5、1ml/ペレット 37℃で40分)を用いて表面結合抗体を除去するように処理された。細胞は次 に遠心分離して洗浄した。培地上清をTCAで処理して蛋白に付随する放射活性 を決定した。細胞ペレット、ペプシン処理細胞ペレット、培地および培地のTC A沈澱物のすべての放射活性を測定した。従って、表面、インターナリライズし たおよび脱落した抗体(分解生成物を含む)が定量化される。 対照のインターナリゼーションを起こさない抗体と比較すると、55.1はC OLO 205細胞内へ効果的にインターナライズされており、約25%の細胞 結合抗体が4時間のインビトロインキュベーションで細胞膜を通過しており、2 0時間のインキュベーション時間では40%以上である(図4)。 55.1:リシンAのインビボ能力はヒト腫瘍増殖のモデルとして”ヌード” マウスの皮下異種移植により算定された。 最初の抗腫瘍試験は5x10e6のCOLO 205細胞を左の脇腹に皮下に 移植された10匹のマウスの群で実施された。腫瘍は0.5−0.7cmの直径 まで増殖させた、通常移植後5−7日。この時点で1mg/kgの55.1:リ シンA免疫毒素を1日一度静脈に3日間注射した。対照群は塩溶液のみを受け取 った。 この投与計画は腫瘍退化の明瞭な証拠を与える非常に実質的な抗腫瘍応答を生 み出し、および多少の動物においては完全に治癒した。そのような実験において 、2/10のマウスの腫瘍が完全に治癒した。残りのマウスの4/10では中程 度の増殖遅延(10日)があり、4匹では腫瘍増殖の30日以上の遅延があった (図5)。 従って、55.1:リシンAはインビボにおいて高度に強力で、選択的細胞毒 性薬剤であり、固形腫瘍異種移植片内のCOLO 205細胞への標的化されお よびインターナリゼーションを受けている。そのようなモデルにおいて55.1 :リシンA は5−フルオロウラシルのような通常の抗癌剤よりも活性である。実施例9 医薬組成物 以下の処方はヒトにおける治療目的に使用されるであろう本発明の免疫毒素を 含む代表的な医薬剤形を例示している。注射可能な溶液 リシンA/55.1抗体免疫毒素 1.0mg 酢酸ナトリウム3水和物 6.8mg 塩化ナトリウム 7.2mg トウィーン20 0.05mg 溶液mlあたり を含む注射のための無菌水溶液。実施例10 55.1 CDR3 DNA配列に関連したDNA配列のハイブリ ッド形成 10.1 ハイブリッド形成試験 55.1抗体重鎖遺伝子に関する配列を含む核酸を検出する方法。これらの核 酸はcDNAライブラリーのスクリーニングにおいて上記のように膜に固定され た細菌コロニーからのDNAまたは真核細胞からのDNA/RNAのような、ま たはゲル電気泳動により分離されノーザン(Maniatis、7章、p39) またはサザン(Maniatis、9章、p31)ハイブリッド形成のためのよ うに適した膜へ移されているような精製された核酸の断片のような種々の形で存 在するであろう。 10.2 ハイブリッド形成プローブ ハイブリッド形成プローブは55.1H鎖、より特別には可変領域から、特に はこの領域のCDR3のコード領域をコードしているDNAまたはRNAの断片 から作製されるであろう。合成オリゴヌクレオチド(配列ID番号:22)また はその相補的配列がCDR3コード領域のための特異的プローブとして使用でき る。 ハイブリッド形成プローブは合成オリゴヌクレオチドからT4ポリヌクレオチ ドキナーゼの作用により32P ATPから放射活性5’リン酸基の付加により 作製することができる。20ピコモルのオリゴヌクレオチドを、100mMトリ ス、pH7.5、10mM MgCl2、0.1mMスペルミジン、20mM DTT、7.55M ATP、0.55M g 32PATPおよび2.5uT 4ポリヌクレオチド キナーゼ(Pharmacia,Uppsala,Swe den)を含む20μlの反応液に加えた。反応液はハイブリッド形成に使用す る前に37℃で30分および次ぎに70℃で10分間インキュベートした。オリ ゴヌクレオチド(11章)から、またはDNAおよびRNA断片(10章)から ハブリッド形成プローブを作製する方法はManiatisにより与えられてい る。多くの特許、キットがこれらの方法のために入手可能である。 10.3 ハイブリッド形成条件 核酸を含むフィルターは6xSSC、0.1%SDS、および0.25%Ma rvelTMを含む100mlの溶液中、65℃で最低1時間適した容器中でプリ ハイブリダイズされる。モデルHB−1(Techne Ltd)のような特許 ハイブリッド形成装置は実験の再現可能条件を提供する。 前ハイブリッド形成溶液を次に6xSSC、0.1%SDS、および0.25 %Marvelおよび前記の作製されたオリゴヌクレオチドプローブを含む10 mlのプローブ溶液に置換する。フィルターをこの溶液中65℃で5分インキュ ベートした後、温度を徐々に30℃以下に下げる。プローブ溶液を捨て、フィル ターを100mlの6xSSC、0.1%SDS中、室温で5分洗浄する。同一 の新鮮な溶液中、30℃で洗浄し。次に温度を10℃づつ60℃まで上げ各々5 分間洗浄する。 洗浄後、フィルターを乾燥し写真像を高めるため急速タングステン酸塩増感ス クリーンを用いて遮光フィルムカセット中,−70℃でHyperfilm M P(Amersham International)のようなX線フイルムを 露光させるのに使用する。フィルムは適当な期間(通常一夜)露光させた後、現 像してフィルター上の放射活性領域の写真像を明らかにする。像を生み出すべき ではない全く関連しない配列と比較して、関連する核酸配列は写真像の存在によ り同定される。理想的には関連する配列は最も高い洗浄温度(600C)で陽性 として現れるであろう。しかしながら、関連する配列はより低い温度(50、4 0 または30℃)でのみ陽性を示してもよい。 これらの結果は使用されたプローブの性質にも依存するであろう。より長い核 酸断片プローブはハイブルダイズするのに高い温度でのより長い時間を必要とし ないであろうが、より高い洗浄温度および/またはより低い温度で関連する配列 と結合したまま残るかもしれない。混合または縮重オリゴヌクレオチドプローブ ではより低い温度およびより高いNa+濃度のようなより低いストリンジェント 洗浄条件を必要とするであろう。ハイブリッド形成プロトコールに対する考察の 議論はManiatis(11章)に与えられている。実施例11 CA55.1腫瘍付随抗原の分析 11.1 COLO 205細胞からのCA55.1の可溶化 使用されたすべての物質は入手できる最も高い品質であるべきである。10E 9 COLO 205細胞のペレットを7mlの氷冷溶解緩衝液(2.5%トウ ィーン40、10mMトリス、0.14M NaCl、1mM PMSF、1m M NEM、100μMペプスタチン、pH7.4)に懸濁して10mlの全量 とした。得られた溶液は1時間氷浴中で撹拌した。次に細胞をホモジナイズし、 4℃にて10分間1500gで遠心分離した。上清を吸引し、4℃にて1時間1 00,000gで遠心分離した。ペレットに5mlの可溶化緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、50mMオクチルグルコシド、10mM NEM、1mM PMSF、0.1mMロイペプチン、pH7.4)を加え、得 られた懸濁液は4℃で穏やかに30分撹拌した。上清(可溶化COLO 205 膜試料)を吸引し4℃で保存した。 11.2 CA55.1の親和性による精製 Pharmaciaの標準プロトコール(Pharmacia CNBr 活 性化Sepharoseの添付書類、カタログ番号17−0430−01、Ph armacia AB,Uppsala,Sweden)を用いてMAbをCN Br活性化Sepharose 4Bに結合させる。マトリックスは結合緩衝液 (25mMトリス、150mM NaCl、50mMオクチルグルコシド、pH 7.0)で平衡化した。CA55.1を含む細胞溶解物をマトリックスに加え4 ℃で一夜よく混合した。マトリックスは次に6カラム容量の洗浄緩衝液(25m Mトリス、150mM NaCl、pH7.0)で洗浄した。55.1は3カラ ム容量の溶出緩衝液(25mMトリス、150mM NaCl)5M チオシア ン酸ナトリウム、pH7.0)でマトリックスを洗浄することにより溶出させた 。CA55.1を含む分画は下記のように55.1抗体を用いるウェスタンブロ ティングにより同定された。 11.3 CA55.1のSDS−PAGEおよびウェスタンブロット MAb55.1反応性を試験すべき試料をプリキャストPharmacia ExcelGelTM(8−18%グラジエントポリアクリルアミド)に加え、推 奨されている条件を用い(600ボルト、50mAおよび30W 90分、15 ℃、Pharmacia ExcelGel Packの添付書類、カタログ番 号80−1255−53、Pharmacia,Uppsala,Sweden )Pharmaciaにより示唆されているプロトコールで実施された。ゲルを ベーキングプラスチックシートから除き2.5mA/cm2で10−12分PV DF膜上にエレクトロブロットされた。エレクトロブロッティング後、PVDF 膜を遮断緩衝液、TBS緩衝液(20mMトリス、500mM NaCl、pH 7.4)に3%BSAを加えたもの、に移し、1時間穏やかにかき混ぜた。膜は 簡単に抗体緩衝液(1%BSAを含むTBS)で洗い、2mg/Lの濃度でMA b55.1を含む抗体緩衝液に移した。PVDF膜は2時間穏やかにかき混ぜた 。 膜を簡単にMilli−QTM水(高品度脱イオン水)で洗い、抗体緩衝液で3 x5分洗浄した。PVDF膜は次に西洋ワサビペルオキシダーゼに連結されたM Ab抗マウスを1mg/Lの濃度で含む抗体緩衝液に移した。PVDF膜は1時 間穏やかにかき混ぜた。PVDF膜を簡単にMilli−QTM水で洗い、抗体緩 衝液で3x5分洗浄し、最後にTBSで5分洗浄した。最後の洗浄工程が終了し たとき、HRP発色溶液(60mg 4−クロロ−1−ナフトールの氷冷メタノ ール(20ml)溶液;使用5分前に作って暗所保存)およびペルオキシド溶液 (100mlTBSに60μlの氷冷30%H22、使用直前に調製)を一緒に 加え、膜はすぐに得られた溶液に移した。発色したら膜を2x5分Milli− QTM水で洗浄して反応を停止させた。膜はティッシュペーパー上で風乾し、貯蔵 された。 この実験の結果は図6に示されている。CA55.1は約48から52kD、 約58kDから72kDおよび約88kDから92kDの範囲で三つの優勢なバ ンド分子量のように振る舞った。 11.4 PNGエース処理、シアリダーゼ処理およびレクチンブロット CA55.1エピトープの炭水化物の性質は、酵素PNGエースFおよびシア リダーゼのウェスタンブロット上のCA55.1への影響を示すことによりあら わされた。PNGエースFは特異的にアスパラギン残基および隣接するGlcN Ac残基の間(X−GlcNAc−GlcNAc−Asn)のN−結合オリゴサ ッカライドを切断し、この結合に局所的特異性であると考えられている。シアリ ダーゼは非還元末端シアール酸を切断し、アルファ2−>3,6または8結合の 範囲で特異的である。 11.4(a) CA55.1のPNGエース処理 使用されたすべての物質は入手できる最も高い品質であるべきである。40μ lのCOLO 205膜試料に40μlの変性緩衝液(40mM リン酸水素ナ トリウム、0.5%SDSおよび5%2−メルカプトエタノール,pH7.5) を加え、得られた溶液は2分間煮沸した。冷後、2μlのNonidet NP −40を加えた(2.5% v/v)。この溶液に20単位のPNGエースF( N グリコシダーゼ F,Ex.Boehringer Mannheimカタ ログ番号913782)を加え、続いて160μlの消化緩衝液(40mMリン 酸水素ナトリウム、pH7.5)および160μlのMilli Q水を加えた 。得られた溶液は37℃で18時間インキュベートした。 11.4(b) CA55.1のシアリダーゼ処理 使用されたすべての物質は入手できる最も高い品質であるべきである。シアリ ダーゼ(0.1u、Oxford Glycosystemsカタログ番号X− 5011)を10μlの500mM酢酸ナトリウム緩衝液pH5に再懸濁した。 得られた溶液は40μlのCOLO 205膜試料に加え、37℃で18時間イ ンキュベートした。PNGエースおよびシアリダーゼ処理COLO 205膜試 料および非処理膜試料は上記のようにウェスタンブロットを行った。 図6はウェスタンブロットの結果である。トラック1は非処理COLO 20 5膜試料、トラック2はPNGエース処理試料およびトラック3はシアリダーゼ 処理試料である。トラック1は三つの主MAb陽性種、約48から52kD、約 58kDから72kDおよび約88kDから92kDの分子量を示している。ト ラック2は検出可能な化学種を含んでいない。トラック3は約48−52kD、 約58−72kDおよび約88−92kDの分子量を持つ55.1陽性種を示し ている。トラック3において55.1陽性種は対照試料のトラック1よりもより 弱い染色であった;この減少は37℃での18時間の間に部分的な蛋白の沈澱に よるものであると信じられている。 これらの結果はCOLO 205膜試料のPNGエース処理はMAb55.1 の反応性を取り除くがシアリダーゼ処理は全くMAb反応性を取り除かなかった 。それ故、MAb55.1はN−結合オリゴサッカライドを認識し、末端シアー ル酸残基は認識には必要ではない。 11.4(c) アフィニティー精製MAb55.1陽性糖蛋白質のレクチンブ ロティング CA55.1抗原の炭水化物部分の部分構造は、特異的に種々の炭水化物モチ ーフを認識する蛋白質を使用することにより推論できる。これらの蛋白質または レクチンは酵素で標識でき、それは可視化されたSDS−PAGEブロットから 位置がわかる。 使用されたすべての物質は入手できる最も高い品質であるべきである。可溶化 COLO 205膜試料は、MAB55.1結合アフィニティーカラムからの結 合、洗浄および溶出によりMab55.1陽性糖蛋白によりエンリッチされた。 このエンリッチされた分画は(推奨された糖蛋白対照とともに)ウェスタンブロ ットを行い、Boehrinnger Mannheim DIG標識レクチン を用い、推奨プロトコールに従ってプローブを結合させた(DIG Glyca n Differentiation キット、Boehringer Man nheimカタログ番号1210238)。 図7は4つの対照およびMAb55.1陽性糖蛋白質とダチュラ ストラモニ ウム アグルチニン(DSA)およびガランサス ニバリス アグルチニン(G NA)との反応性を示している。図7AはDSAが二つの高分子量MAb55. 1陽性糖蛋白質と交差反応することを示している、58−72kDおよび88− 92kD、トラック6および7。最も低い分子量のMAb55.1陽性糖蛋白質 48−52kDとは交差反応性がないようである;この交差反応性の欠如は多分 不十分な負荷のせいであろう。 図7BはGNAとMAb55.1陽性糖蛋白質の間には検出可能な交差反応性 がないことを示している、トラック6および7。両方ともトラック7にはトラッ ク6の5倍量が負荷されており、正しい交差反応性が糖蛋白質対照では観察され た。 レクチンDSAはガラクトース−ベータ(1−4)−N−アセチルグルコサミ ンと交差反応する、このジサッカライドは複合体およびハイブリッドN−結合グ ルカンに存在している。DSAはまたO−結合グリカンにおいてもこのジサッカ ライドを認識する。レクチンGNAは高マンノースおよびハイブリッドN−結合 グリカンに観察される末端に結合されたマンノース残基と交差反応する。このレ クチンはO−結合グリカンの末端マンノースとも交差反応するであろう。PNG エース処理COLO 205膜試料はMAb55.1陽性ではないため、MAb 55.1はN−結合グリカンを認識する。DSAと陽性の結果は、このグリカン がガラクトース−ベータ(1−4)−N−アセチルグルコサミン ジサッカライ ドを含んでいることを示している。GNAとの陰性の結果はMAb55.1が末 端マンノース基を含んでいず、従って高マンノースまたはハイブリッド型ではあ りえないことを示している。これらの結果は一緒になって,MAb55.1はガ ラクトース−ベータ(1−4)−N−アセチルグルコサミンジサッカライド単位 を含む複雑なN−結合グリカンを認識すること示している。実施例12 ACEHRGSGWC配列を示すファージ(ACEHRGSGWC ファージ)の繁殖、滴定および貯蔵 ACEHRGSGWCファージ(NCIMB番号40638;配列ID番号: 26)は大腸菌K12、株TG1(ファージとともにNCIMBに寄託されてい る)中で以下のように繁殖させた。単一のコロニーからとったTG1細胞はF線 毛を維持するために最小培地寒天プレート(下記のように調製)上で維持され、 2xYT(酵母−トリプトン)ブロス(Difco)中、振とうしながら37℃ で定常期まで液体培養で増殖させた。定常期培養物の一部(2ml)をとり、1 00ml 2xYTブロスを含む新しいフラスコに接種し、37℃で振とうしな がら半対数期まで増殖させた。ACEHRGSGWCファージ(10E11プラ ーク形成単位)を培養液に加え、ファージが大腸菌のF線毛に吸着され、ウイル スDNAの挿入を可能にするため、フラスコは37℃で10分間放置した。次に ファージ複製を起こすため培養物は37℃で振とうしながら5時間インキュベー トした。SorvallGSAまたは類似したローターを用い、4℃にて100 00rpmで遠心分離して細胞をファージ含有上清から分離した。残存する細胞 を殺すため上清を65℃に15分加熱し、続いて20%w/vのポリエチレング リコール(PEG)を含む2.5M NaCl溶液を培養上清100mlに対し て20ml加えた。混合物を激しく振り、ファージ粒子を沈澱させるため4℃で 少なくとも4時間インキュベートした。上記のように遠心分離によりファージを 集め、上清は廃棄して、ファージペレットは50mMトリス/HCl、150m M NaCl、pH7.5(TBS)に100mlの元々の上清当たり1mlで 再懸濁した。必要なら、ファージを上記のようにPEGで再沈澱させ、より高度 に精製された試料を得る。ファージはTBS中、0.02% w/vのアジ化ナ トリウム存在下−20℃または4℃で貯蔵された、その後の生存性に相違は認め られなかった。 最小培地プレートは400mlの水に溶解した1.8% w/ v寒天(Difco)をオートクレーブにかけることにより調製された。約50 度まで冷却後、以下の成分が加えられた:5xM9塩(100ml);1M硫酸 マグネシウム(500マイクロリットル);0.1M塩化カルシウム(500マ イクロリットル);4mg/mlチアミン(500マイクロリットル);20% w/v グルコース(5ml)。実施例13 ACEHRGSGWCファージの数の滴定 固相培養で増殖した大腸菌指示細胞に存在するプラーク形成単位の数から生存 ACEHRGSGWCファージ(配列ID番号:26)の数が見積もられた。大 腸菌株TG1細胞を上記のように半対数期まで増殖させ、その一部200μlを 1mg/mlのウシ血清アルブミンを含むTBS(TBS−BSA)で連続的に 希釈したファージ50μlで感染させた。ファージの吸着およびウイルスDNA の注入を可能にするため室温に10分間放置し、0.75%w/vのBacto −Agar(Difco)を含む2xYTブロスで4mlに希釈して48℃に維 持した後、直ちに20mlの1.5%のBacto−Agarを含む2xYTブ ロスで前もって満たしておいた90mmの直径のペトリ皿内へ注いだ。プレート はファージプラークを発育させるため、37℃で一夜インキュベートし、アッセ イされている貯蔵懸濁液中の生存ファージの数を見積もるためプラークが計数さ れた。実施例14 ELISAによるACEHRGSGWCファージ結合特異性の決定 14.1 MAb55.1への直接結合の特異性 以下のようにポリスチレンに固定されたMAb55.1(ECACC番号93 081901)、MAb19.9(ハイブリドーマATCC番号NS1116N D)およびMAbC242(Kabi−Pharmacia,Uppsala, Sweden)への懸濁液中でのファージの直接結合により特異性が決定された 。ポリスチレンマイクロタイタープレート(Nunc,Life Techno logies Ltd,UK)のウェルを、0.02%のアジ化ナトリウムを含 む0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH8.6(炭酸水素塩ーアジド)中、 0.1mg/mlの濃度のMAb溶液50μlを用いて4℃で一夜被覆した。プ レー トは30mg/mlのBSAを含む炭酸水素塩ーアジド溶液400マイクロリッ トルを使用して室温で2時間遮断させ、続いてウェル当たり3x400マイクロ リットルのTBS−BSAで洗浄した(各々の洗浄は5分間続ける)。 連続的に希釈したACEHRGSGWCファージを抗体被覆プレートに加え、 TBS−BSA溶液を100マイクロリットル、4℃で一夜インキュベートした 後、プレートを0.05% w/v トウィーン20を含むTBS−BSA(T BA−BSA−トウィーン)で洗浄した(3x400マイクロリットル)。1: 2500に希釈したヒツジ抗−M13西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体(Ph armacia,Milton Keynes,UK)を各々のウェル当たり1 00μl加え、室温で2時間インキュベートした。プレートを再び3x400マ イクロリットルのTBA−BSA−トウィーンで洗浄し、200マイクロリット ルのOPD基質(25mlの0.1Mクエン酸ーリン酸緩衝液、pH5.0当た り10mgのオルト−フェニレンジアミン、12.5マイクロリットルの30% 過酸化水素溶液を含んでいる)で発色させる。着色反応は50マイクロリットル の0.5Mクエン酸の添加により停止させ、450nmで吸光度を読みとった。 結果(図13)はMAb55.1へのACEHRGSGWCファージの結合は 特異的であり、飽和した。MAb55.1へのACEHRGSGWCファージの 結合の50%飽和は100マイクロリットルの容量で2x10e7のファージ投 入により起こった。 アボガドロ数から(1モル溶液はリットル当たり6x10e23分子または1 00マイクロリットル当たり6x10e19分子を含んでいるであろう)結合親 和性が計算された。この数字を使うと、100マイクロリットル当たり2x10 e7ファージは0.3pM全ファージ粒子または1.5pMファージが表したペ プチドの濃度に対応する(各々のM13ファージ粒子上に約5pIII分子が存 在する)。従って、EC50、すなわちMAb55.1の50%飽和に必要とさ れるペプチドーファージの濃度は1pMの領域である。 14.2 COLO 205競合アッセイにおけるMAb55.1への結合の特 異性 溶液中、ポリスチレン上に固定されたMAbエピトープに対し、MAb55. 1と競合するACEHRGSGWCファージのアッセイによる特異性が決定され た。マイクロタイタープレートのウェルを、リン酸緩衝化塩溶液(50mMリン 酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH7.4)(PBS)中の10` 5COLO 205細胞(ATCC番号 CCL222)の100マイクロリッ トルで30分間被覆し、等量の1% v/v グルタルアルデヒドのPBS溶液 を加えて固定化し、10% w/v BSAのPBS溶液(PBS−BSA)で 2時間ブロックした、すべての操作は室温で行われた。プレートを3x4分、ウ ェル当たり400マイクロリットルのPBSで洗浄し、必要になるまで(被覆後 1ヶ月後まで)4℃にて湿気を供給した箱内で保存した。 ACEHRGSGWCファージを連続的に希釈して、MAb55.1、19. 9、およびC242と4℃で一夜インキュベートした、すべて20マイクログラ ム/ml 10%w/vBSAおよび0.005%w/vトウィーン20を含む PBS250マイクロリットル(ファージ希釈緩衝液)、その後二重に、調製し たCOLO 205プレートのウェル内へ100マイクロリットルを加え、反応 体間の相互作用を可能にするように室温で3時間インキュベートした。プレート を3x5分0.05%w/vトウィーン20を含むPBS(PBS−トウィーン 緩衝液)で洗浄し、ウェルにファージ希釈緩衝液で1:1000に希釈したウサ ギ抗マウスIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体(Sigma,Poole ,UK)100マイクロリットルを加えた。プレートは室温で2時間インキュベ ートし、3x5分PBS−トウィーン緩衝液で洗浄し、OPD基質で色を発色さ せた。 結果(図14)はMAb55.1はCOLO 205細胞に結合するが、まb 19.9およびC242の結合はACEHRGSGWCファージで阻害可能であ った、IC50は100マイクロリットルの容量で10e12のファージ投入量 。 結合親和性の計算は上記のようにアボガドロ数から誘導された。もし溶質10 0マイクロリットル当たり6x10e19分子が1モル溶液に対応するとすると 、100マイクロリットル中の10e12ファージは全粒子の16.7nMまた はファージにより表されたペプチドで80nMに相当する。従ってCOLO 2 0 5細胞上の抗原へのMAb55.1の結合の50%阻害を達成するのに必要とさ れるファージの濃度、すなわちIC50は20−100nmのオーダーであるこ とが推定できる。配列 読者が誤り、脱落またはその他の矛盾に出会った場合、優先権のある特許UK9 324918.3(3.12.93出願)およびUK9411089.7(3. 6.94出願)に開示されている核酸およびアミノ酸配列を特に参照されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 7/06 9356−4H C07K 7/06 7/08 9356−4H 7/08 14/705 9356−4H 14/705 16/30 9356−4H 16/30 C12N 5/10 8931−4B C12N 7/00 7/00 0276−2J G01N 33/53 D 15/09 ZNA 0276−2J 33/577 B G01N 33/53 9284−4C A61K 39/395 T 33/577 9162−4B C12N 15/00 ZNAA // A61K 38/00 9281−4B 5/00 B 39/395 9051−4C A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AP(KE,MW,SD,SZ ),AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN ,CZ,EE,FI,GB,GE,HU,JP,KG, KP,KR,KZ,LK,LT,LV,MD,MG,M N,NO,NZ,PL,RO,RU,SI,SK,TJ ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ブート,クリストファー イギリス国チェシャー エスケイ10 4テ ィージー,マックレスフィールド,オール ダーリー・パーク,ミアサイド,ゼネカ・ ファーマシューティカルズ(番地なし) (72)発明者 コプレイ,クライヴ・グラハム イギリス国チェシャー エスケイ10 4テ ィージー,マックレスフィールド,オール ダーリー・パーク,ミアサイド,ゼネカ・ ファーマシューティカルズ(番地なし) (72)発明者 パターソン,ダグラス・スティーヴン イギリス国チェシャー エスケイ10 4テ ィージー,マックレスフィールド,オール ダーリー・パーク,ミアサイド,ゼネカ・ ファーマシューティカルズ(番地なし) (72)発明者 ホール,スーザン・マーガレット イギリス国チェシャー エスケイ10 4テ ィージー,マックレスフィールド,オール ダーリー・パーク,ミアサイド,ゼネカ・ ファーマシューティカルズ(番地なし) (72)発明者 ライト,アンドリュー・ファーミン イギリス国チェシャー エスケイ10 4テ ィージー,マックレスフィールド,オール ダーリー・パーク,ミアサイド,ゼネカ・ ファーマシューティカルズ(番地なし) (72)発明者 ブレイキー,デイヴィッド・チャールズ イギリス国チェシャー エスケイ10 4テ ィージー,マックレスフィールド,オール ダーリー・パーク,ミアサイド,ゼネカ・ ファーマシューティカルズ(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 抗原CA55.1を認識する相補性決定領域(CDRs)を持つ抗原結合 構造、ここで抗原は: a)約48から52kD、約58kDから72kDおよび約88kDから92k Dの範囲のSDS−PAGEによる分子量を持つ3つの主要な化学種; b)COLO 205腫瘍細胞(ATCC番号CCL 222)の膜分画中の細 胞下所在および; c)複雑なN−結合炭水化物構造を持っており; およびここで抗原結合構造は下記の性質の少なくとも一つを持っている: i)抗原結合構造はCA55.1抗原へのモノクローナル抗体55.1(ECA CC番号93081901)の結合を競合的に阻害する、または; ii)バクテリオファージNCIMB番号40638の表面に表されるようなペ プチドACEHRGSGWC(配列ID番号:26)は、固相に被覆された抗原 結合構造とインキュベートした場合、10pMまたはそれ未満の効率的な結合で 抗原結合構造と結合する、または; iii)バクテリオファージNCIMB番号40638の表面に表されるような ペプチドACEHRGSGWC(配列ID番号:26)は、抗原結合構造と前も ってインキュベートした場合、200nMまたはそれ未満の有効濃度で固相に被 覆されたColo 205細胞(ATCC番号CCL 222)への抗原結合構 造の結合を競合的に阻害する。 2. 抗原CA55.1を認識する相補的決定領域(CDRs)を持つ抗原結合 構造、ここでCDRsは下記の配列を持っている: a) 重鎖 CDR1 G Y W I H (配列ID番号:27) CDR2 E V N P S T G R S D Y N E K F K N (配列ID番号:28) CDR3 E R A Y G Y D D A M D Y (配列ID番号:29) b) 軽鎖 CDR1 K S S Q S L L N S R T R K N Y L A (配列ID番号:30) CDR2 W A S T R T S (配列ID番号:31) CDR3 K Q S Y T L R T (配列ID番号:32) またはそれらの保存的類似物。 3.下記の(随意にヒト適応化された)構造を持つ抗原結合構造: 重鎖配列(配列ID番号:33) および; 軽鎖配列(配列ID番号:34): またはそれらからの下記の構築物の一つ: F(ab’)2;F(ab’)、Fab、Fv、一本鎖Fv & V−minま たは; それらの保存的類似物。 4. 請求の範囲1−3項のいずれか1項で定義されたような抗原結合構造の重 鎖または軽鎖の少なくとも可変領域をコードするポリヌクレオチド配列。 5. 請求の範囲1−3項のいずれか1項で定義されたような抗原結合構造の重 鎖または軽鎖の少なくとも可変領域をコードする発現ベクター。 6. ポリヌクレオチド配列で形質変換された宿主細胞またはその宿主細胞から 発育されたトランスジェニック非ヒト動物またはトランスジェニック植物であっ て、当該ポリヌクレオチド配列は請求の範囲1−3項のいずれか1項で定義され たような抗原結合構造の重鎖または軽鎖の少なくとも可変領域をコードしている 上記宿主細胞または上記動物または上記植物。 7. ECACC寄託番号93081901として寄託されたハイブリドーマ5 5.1、その変異細胞株またはそれにより生産される抗体。 8. NCIMB番号40638として寄託されたACEHRGSGWCファー ジおよびその変異体。 9. a) 抗原結合構造の重鎖または軽鎖の少なくとも可変領域をコードす るポリヌクレオチド配列で宿主細胞を形質転換し、および随意に形質転換された 宿主細胞をトランスジェニック非ヒト哺乳類またはトランスジェニック植物に発 育させ; b) 宿主細胞、トランスジェニック非ヒト哺乳類またはトランスジェニック植 物を少なくとも可変領域の発現が行われる、および随意に分泌される条件下にお き、および随意に; c) 少なくとも部分的に当該可変領域を精製することからなる、請求の範囲1 −3項のいずれか1項で定義されたような抗原結合構造の重鎖または軽鎖の少な くとも可変領域を製造する方法。 10. 同一細胞で重鎖または軽鎖両方の可変領域が発現されおよび組み立てら れて抗原結合構造が形成される請求の範囲9項に記載の方法。 11. a) 抗体の発現が行われる条件下、ECACC寄託番号930819 01として寄託されたハイブリドーマ55.1を培地中で培養し、および; b) 培養培地から抗体55.1を得、および随意に; c) 酵素的消化により抗体55.1のF(ab’)2断片を製造することから なるモノクローナル抗体55.1の製造法。 12. 毒素および請求の範囲1−3項のいずれか1項で定義されたような抗原 結合構造を含む免疫毒素複合体。 13. 毒素および請求の範囲1−3項のいずれか1項で定義されたような抗原 結合構造を含む免疫毒素複合体からなる医薬組成物。 14. 毒素および請求の範囲1−3項のいずれか1項で定義されたような抗原 結合構造を含む免疫毒素複合体の医薬として有効量を投与することを含む、抗原 CA55.1を表す細胞への毒素の標的化を必要とする哺乳類におけるそのよう な標的化の方法。 15. 診断法における請求の範囲1−3項のいずれか1項で定義されたような 抗原結合構造の使用。
JP51547395A 1993-12-03 1994-11-29 Ca55.1抗原指向性結合構造 Expired - Fee Related JP3962087B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB939324819A GB9324819D0 (en) 1993-12-03 1993-12-03 Proteins
GB9411089.7 1994-06-03
GB9411089A GB9411089D0 (en) 1994-06-03 1994-06-03 Proteins
GB9324819.3 1994-06-03
PCT/GB1994/002610 WO1995015382A1 (en) 1993-12-03 1994-11-29 Binding structures directed against the ca55.1 antigen

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09506507A true JPH09506507A (ja) 1997-06-30
JP3962087B2 JP3962087B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=26303960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51547395A Expired - Fee Related JP3962087B2 (ja) 1993-12-03 1994-11-29 Ca55.1抗原指向性結合構造

Country Status (14)

Country Link
US (1) US5665357A (ja)
EP (1) EP0731838B1 (ja)
JP (1) JP3962087B2 (ja)
AT (1) ATE259877T1 (ja)
AU (1) AU684863B2 (ja)
CA (1) CA2174972A1 (ja)
DE (1) DE69433563T2 (ja)
DK (1) DK0731838T3 (ja)
ES (1) ES2214494T3 (ja)
GB (1) GB9424108D0 (ja)
IL (1) IL111748A0 (ja)
NZ (1) NZ276745A (ja)
PT (1) PT731838E (ja)
WO (1) WO1995015382A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016021883A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 日産化学工業株式会社 ヒト大腸癌細胞Colo205に特異的に結合する核酸

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040117863A1 (en) * 1998-09-18 2004-06-17 Edge Michael D. Transgenically produced fusion proteins
EP1220864A4 (en) * 1999-09-17 2003-05-21 Genzyme Transgenics Corp TRANSGENICALLY PRODUCED FUSION PROTEINS
BR0014524A (pt) * 1999-09-17 2002-06-11 Genzyme Transgenics Corp Proteìnas de fusão otimizadas com subunidade
AU2003211337A1 (en) * 2002-03-01 2003-09-16 Japan Envirochemicals, Ltd. Proteins capable of binding to female sex hormones and process for producing the same
EA009285B1 (ru) * 2003-05-14 2007-12-28 Иммуноджен, Инк. Композиция конъюгированного лекарственного средства
US20110166319A1 (en) * 2005-02-11 2011-07-07 Immunogen, Inc. Process for preparing purified drug conjugates
CA2597407C (en) * 2005-02-11 2013-09-10 Immunogen, Inc. Process for preparing stable drug conjugates
NZ623901A (en) * 2005-08-03 2015-10-30 Immunogen Inc Immunoconjugate formulations
AU2006283726C1 (en) 2005-08-24 2015-05-07 Immunogen, Inc. Process for preparing maytansinoid antibody conjugates
DK2281006T3 (da) 2008-04-30 2017-11-06 Immunogen Inc Tværbindingsmidler og anvendelser deraf
US8293101B2 (en) 2009-03-13 2012-10-23 Terrasep, Llc Methods and apparatus for centrifugal liquid chromatography
CN104984360A (zh) 2009-06-03 2015-10-21 伊缪诺金公司 轭合方法
CA2780713A1 (en) * 2009-09-03 2011-03-10 Vancouver Biotech Ltd. Monoclonal antibodies against gonadotropin-releasing hormone receptor
KR20120080611A (ko) 2009-10-06 2012-07-17 이뮤노젠 아이엔씨 효능 있는 접합체 및 친수성 링커
RS58367B1 (sr) 2011-03-29 2019-03-29 Immunogen Inc Priprema konjugata antitela i majtanzinoida jednostepenim postupkom
MY171008A (en) 2011-03-29 2019-09-23 Immunogen Inc Preparation of maytansinoid antibody conjugates by a one-step process
SG10201702737TA (en) 2012-10-04 2017-05-30 Immunogen Inc Use of a pvdf membrane to purify cell-binding agent cytotoxic agent conjugates
US9616114B1 (en) 2014-09-18 2017-04-11 David Gordon Bermudes Modified bacteria having improved pharmacokinetics and tumor colonization enhancing antitumor activity
CA2966932A1 (en) 2014-11-19 2016-05-26 Immunogen, Inc. Process for preparing cell-binding agent-cytotoxic agent conjugates
TW201731532A (zh) 2016-02-05 2017-09-16 伊繆諾金公司 用於製備細胞結合劑-細胞毒性劑結合物之有效方法
US11129906B1 (en) 2016-12-07 2021-09-28 David Gordon Bermudes Chimeric protein toxins for expression by therapeutic bacteria
US11180535B1 (en) 2016-12-07 2021-11-23 David Gordon Bermudes Saccharide binding, tumor penetration, and cytotoxic antitumor chimeric peptides from therapeutic bacteria
WO2021127007A1 (en) * 2019-12-16 2021-06-24 Bluebird Bio, Inc. Anti-bcma car antibodies, conjugates, and methods of use

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4867973A (en) * 1984-08-31 1989-09-19 Cytogen Corporation Antibody-therapeutic agent conjugates
EP0289400A3 (en) * 1987-04-30 1990-01-24 Fairchild Weston Systems Inc. High speed asynchronous data multiplexer/demultiplexer
HUT53672A (en) * 1988-02-25 1990-11-28 Gen Hospital Corp Quick immunoselective cloning process

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016021883A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 日産化学工業株式会社 ヒト大腸癌細胞Colo205に特異的に結合する核酸

Also Published As

Publication number Publication date
DE69433563D1 (de) 2004-03-25
EP0731838B1 (en) 2004-02-18
IL111748A0 (en) 1995-01-24
ES2214494T3 (es) 2004-09-16
JP3962087B2 (ja) 2007-08-22
DE69433563T2 (de) 2004-12-23
CA2174972A1 (en) 1995-06-08
GB9424108D0 (en) 1995-01-18
WO1995015382A1 (en) 1995-06-08
US5665357A (en) 1997-09-09
NZ276745A (en) 1998-02-26
ATE259877T1 (de) 2004-03-15
AU1113095A (en) 1995-06-19
PT731838E (pt) 2004-05-31
AU684863B2 (en) 1998-01-08
EP0731838A1 (en) 1996-09-18
DK0731838T3 (da) 2004-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09506507A (ja) Ca55.1抗原指向性結合構造
JP3280966B2 (ja) Pemムチン縦列繰り返し配列特異性単クローン抗体の最小識別単位
DE69734109T2 (de) Humanisierung von anti-carcinoembryonalen Antigen anti-idiotypischen Antikörper und dessen Verwendung als Tumorvakzin und zur Markierung
DE69531148T2 (de) Bibliotheken aus polyklonalen antikörpern
US8951524B2 (en) Use of monoclonal antibodies specific to the O-acetylated form of GD2 ganglioside for treatment of certain cancers
ES2279539T3 (es) Anticuerpo monoclonal anti-cea, conjugados que comprenden dicho anticuerpo, y su uso terapeutico en un sistema adept.
US6207156B1 (en) Specific antibodies and antibody fragments
CN102112490B (zh) Notch1受体结合剂和其使用方法
JP5328156B2 (ja) オンコスタチンmレセプターに対する抗体
KR100643818B1 (ko) 수상세포에 대한 인간 모노클로날 항체
EA015009B1 (ru) АНТИГЕНСВЯЗЫВАЮЩИЕ МОЛЕКУЛЫ, ОБЛАДАЮЩИЕ ПОВЫШЕННОЙ АФФИННОСТЬЮ К СВЯЗЫВАНИЮ С Fc-РЕЦЕПТОРОМ И ЭФФЕКТОРНОЙ ФУНКЦИЕЙ
KR101370164B1 (ko) 신규 항cd98 항체
US20020058284A1 (en) Methods and compositions for treating macrophage-mediated diseases
EA013677B1 (ru) Человеческие моноклональные антитела против cd25 и их применение
HU230768B1 (hu) Aß peptidet kiválasztó humanizált ellenanyagok
EA014802B1 (ru) АНТИТЕЛА К ИНТЕРЛЕЙКИНУ 15 (ВАРИАНТЫ), СПОСОБ ИХ ПОЛУЧЕНИЯ, ИММУНОКОНЪЮГАТ НА ИХ ОСНОВЕ, ГИБРИДОМА, ТРАНСФЕКТОМА, ТРАНСГЕННОЕ ЖИВОТНОЕ, ЭКСПРЕССИОННЫЙ ВЕКТОР (ВАРИАНТЫ) И НУКЛЕИНОВАЯ КИСЛОТА ДЛЯ ИХ ПОЛУЧЕНИЯ, СПОСОБ ЛЕЧЕНИЯ (ВАРИАНТЫ) И СПОСОБ ДИАГНОСТИКИ ЗАБОЛЕВАНИЙ, ОПОСРЕДОВАННЫХ ИЛ-15, СПОСОБ ИНГИБИРОВАНИЯ ИНДУЦИРОВАННОЙ ИЛ-15 ПРОДУКЦИИ TNF-α И СПОСОБ ИНГИБИРОВАНИЯ ИНДУЦИРОВАННОЙ ИЛ-15 ПРОЛИФЕРАЦИИ КЛЕТОК
JPH09512705A (ja) E−セレクチンに対する抗体
JP2005538682A (ja) カルボキシックアンヒドラーゼix(caix)腫瘍抗原に対する抗体
JP2001521520A (ja) 抗α▲下v▼β▲下3▼インテグリン抗体アンタゴニスト
HUT71790A (en) Humanized antibodies reactive with l-selectin
US8084576B2 (en) Cancer associated glucose transporter 8 variant
NO301075B1 (no) Antistoff som er selektive for TAG-72 for diagnostisk bruk, DNA-sekvens som koder for det, ekspresjonsbærer og celle som kan uttrykke det samt blanding som omfatter antistoffet
CN1551783B (zh) 类K121抗体在制备用于治疗κ类型多发性骨髓瘤的药物中的应用
CN101970498A (zh) 针对变体HnRNPG的癌相关表位的抗体及其应用
EA015897B1 (ru) Применение человеческого моноклонального антитела к ил-15 в составе композиции и лекарственного препарата (варианты), композиция и лекарственный препарат, его включающие

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041214

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050311

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20061128

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees