JPH0950641A - 光学ヘッド装置 - Google Patents

光学ヘッド装置

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JPH0950641A
JPH0950641A JP7200117A JP20011795A JPH0950641A JP H0950641 A JPH0950641 A JP H0950641A JP 7200117 A JP7200117 A JP 7200117A JP 20011795 A JP20011795 A JP 20011795A JP H0950641 A JPH0950641 A JP H0950641A
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JP
Japan
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optical
optical disk
optical disc
disc
laser beam
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JP7200117A
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English (en)
Inventor
Akio Yamakawa
明郎 山川
Kamon Uemura
嘉門 植村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板厚の異なる2種類の光ディスクを共に記
録再生可能とする。 【解決手段】 光ディスクの記録及び又は再生を行う光
学ヘッド装置において、基板厚が薄く記録ピットの小さ
な第2の光ディスクに対しては、球面収差を発生するこ
となく最適な空間周波数でレーザビームを照射し、基板
厚が厚く記録ピットの大きな第1の光ディスクに対して
は、ビームスポットを所定の径に拡大する球面収差を発
生し、空間周波数を該第1の光ディスク用とする対物レ
ンズ7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ディスク
再生装置,光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録
再生装置等の光読み出し方式を採用する機器に用いて好
適な光学ヘッド装置に関し、特に、基板厚及びトラック
ピッチの異なる複数種類の光記録媒体の記録及び/又は
再生を可能とした光学ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、再生専用の光ディスクの再生を行
う光ディスク再生装置が知られている。この光ディスク
再生装置は、半導体レーザからのレーザビームを対物レ
ンズで所定の径のビームスポットに集光して光ディスク
に照射し、この反射光に基づいて該光ディスクに記録さ
れている記録データの再生を行う。
【0003】ここで、幾何光学においては上記レーザビ
ームを無限小の1点に集光することはできるのである
が、波動光学においては対物レンズの回折の影響により
集光したときのビーム径は有限なものとなる。また、こ
の集光したレーザビームは、ある限られた径の中で一様
な強度分布を示すわけではなく、中央のスポットに全体
の84%のエネルギーが含まれる、いわゆるエアリーデ
ィスクの形をしている。このエアリーディスクの径は、
λをレーザビームの波長,NAを対物レンズの開口率と
して以下の式1で表される。
【0004】 エアリーディスクの径=1.22×(λ/NA)・・・(式1) また、上記対物レンズの開口率であるNAは、λをレー
ザビームの波長、nを対物レンズの屈折率、θをレーザ
ビームの光軸上の物点において入射瞳の半径が張る角と
して以下の式2で表される。
【0005】NA=nsinθ・・・(式2) この式2から、レーザビームの径を小さくするには、レ
ーザビームの波長(λ)を小さくし、反対に対物レンズ
の開口率(NA)を大きくすればよいことが分かる。そ
して、波長の小さなレーザビームを出射する半導体レー
ザ、及び開口率の大きな対物レンズを用いることによ
り、レーザビームの径を小さくすることができるため、
小さな記録ピットでも再生可能となり、光ディスクの大
容量化を図ることができるのである。
【0006】しかし、今日における半導体レーザはその
選択に自由度はなく、GaALAs(ガリウム,アルミ
ニウム,砒素)の3元化合物による780nm程度の波
長を有するものが用いられている。また、対物レンズと
しては、開口率の大きな対物レンズを作製することはで
きるのであるが、この開口率(NA)は、上記レーザビ
ームの波長とともに、焦点深度、ディスクの傾きに対す
る許容度、ディスクの厚みむらに対する許容度等を決定
する重要なファクタとなる。具体的には、 焦点深度=λ/(NA)2・・・(式3) ディスクの傾きに対する許容度=λ/(NA)3に比例・・・(式4) ディスクの厚みむらに対する許容度=λ/(NA)4に比例・・・(式5) となる。このため、光学システムとしてはNAは小さい
ほど安定性がよく、むやみに開口率を大きくすることは
できない。また、上記レーザビームの波長(λ)と対物
レンズの開口率(NA)は、再生可能なピットの大きさ
を示す光学系の周波数特性をも決定するファクタでもあ
る。そして、光ディスクに記録データの記録再生を行う
場合は、レーザビームを透明な1.2mmの基板厚のデ
ィスク基板を介して記録面に照射して行うため、このデ
ィスク基板で補正される球面収差の補正分を差し引いた
球面収差の補正が行われるようにする必要がある。この
ようなことを考慮して、上記対物レンズは、その開口率
が0.45程度のものが用いられている。これにより、
光ディスクに照射されるレーザビームのエアリーディス
クの径は、上記式1に基づいて演算される2.1μmの
径となる。また、光学系のカットオフ周波数X0(再生
可能な記録ピットの大きさの限度)は、以下の式6に示
すように、 X0=2NA/λ=(2×0.45)/0.78=1.154×106・・・(式6) となり、1154本/mmとなる。
【0007】具体的には、このような光学条件で上記光
ディスクの再生を行うと、上記対物レンズの入射瞳面上
で強度分布は図12(a)に示すようになっている。こ
の強度分布は、中心を通る断面をディスク径方向側
(R)から見ると、図12(b)に示すように中心部の
レベル(1.8)を中心として内周側(−r)及び外周
側(r)に多少のレベルダウンはあるが、該内周側(−
r)から外周側(r)まで略々同レベルとなる特性を有
している。また、中心を通る断面を記録トラック方向側
(T)から見ると、図12(c)に示すように中心部の
レベル(1.8)を中心として内周側(−r)及び外周
側(r)に徐々にレベルダウンする特性を有している。
また、ディスク上でのレーザビームのビームスポット
は、図12(d)に示すように尖頭状の強度分布となっ
ている。この強度分布は、ディスク径方向側(R)から
見ると、図12(e)に示すように中心部のレベル
(1.0)を中心として左右にそれぞれ急峻にレベルダ
ウンする特性を有しており、また、記録トラック方向側
(T)から見ると、図12(f)に示すように中心部の
レベル(1.0)を中心として左右にそれぞれ急峻にレ
ベルダウンする特性を有している。
【0008】また、図13(a)に示すように再生時に
おける波面収差は発生しない。このため、図13
(b),(c)に示すように上記波面収差の強度分布を
ディスク径方向側(R)及び記録トラック方向側(T)
から見た図には、それぞれ上記波面収差は表れない。そ
して、図13(d)に示すように空間周波数のカットオ
フ周波数は、上記式6を用いて算出したとおり略々11
54本/mmとなる。
【0009】このように、従来の光ディスク再生装置
は、波長(λ)が780nmのレーザビームを出射する
半導体レーザ及び開口率(NA)が0.45の対物レン
ズを用いることにより、レーザビームを2.1μmの径
に集束し、1154本/mmをカットオフ周波数とする
空間周波数で記録データの再生を行うようになってい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一方、最近において高
精細な静止画像や動画等の画像データを記録するために
光ディスクの高密度化が求められ、この要望に答えて記
録ピットを小さくすることによりトラックピッチを狭く
して高密度化を図った光ディスクが開発された。この高
密度ディスクは、図11(a)に示すようにトラックピ
ッチが0.84μmとなっており、記録ピットは、同図
(b)に示すトラックピッチが1.6μmで大きな記録
ピットの従来の光ディスクよりも小さく形成されてい
る。
【0011】このため、このような高密度ディスクを再
生する光ディスク再生装置では、狭いトラックピッチで
小さく形成された記録ピットを正確に再生するために、
短波長のレーザビームを出射する半導体レーザ及び開口
率の大きな対物レンズを使用しレーザビームのエアリー
ディスクの径(レーザビームのスポットサイズ)を小さ
くして上記記録ピットを再生する必要がある。
【0012】ここで、このような新規な光ディスクシス
テムを開発する場合、トラックピッチが1.6μmの従
来の光ディスクも再生可能とすることが、従来の光ディ
スクを所有するユーザのためにも、また、汎用性を高め
るためにも必須の条件となり、強く要望されることでも
ある。
【0013】しかし、上記エアリーディスクの径を小さ
くした場合、トラックピッチが0.84μmで記録ピッ
トの小さい上記高密度ディスクを再生するときには、ビ
ームスポットに比べてピットサイズが小さいため、図1
1(a)に示すようにメインビームが記録ピットで回折
され検出レベルが落ちて信号強度が適当なものとなる
が、従来の光ディスクを再生するときには、ビームスポ
ットに比べてピットサイズが大きいため、同図(b)に
示すように記録ピット上にメインビームのビームスポッ
ト全体が位置するように照射されることとなり、該記録
ピット上で信号強度が逆に回復してしまう現象(信号の
折り返し)が発生する。
【0014】具体的には、上記エアリーディスクの径を
小さくして従来の光ディスクを再生した場合における上
記対物レンズの入射瞳面上で強度分布は、図14(a)
に示すようになっている。この強度分布は、中心を通る
断面をディスク径方向側(R)から見ると、図14
(b)に示すように中心部のレベル(1.8)を中心と
して内周側(−r)及び外周側(r)に多少のレベルダ
ウンはあるが、該内周側(−r)から外周側(r)まで
略々同レベルとなる特性を有している。また、中心を通
る断面を記録トラック方向側(T)から見ると、図14
(c)に示すように中心部のレベル(1.8)を中心と
して内周側(−r)及び外周側(r)に徐々にレベルダ
ウンする特性を有している。また、ディスク上でのレー
ザビームのビームスポットは、図14(d)に示すよう
に尖頭状の強度分布となっている。この強度分布は、デ
ィスク径方向側(R)から見ると、図14(e)に示す
ように中心部のレベル(1.0)を中心として左右にそ
れぞれ急峻にレベルダウンする特性を有しており、ま
た、記録トラック方向側(T)から見ると、図14
(f)に示すように中心部のレベル(1.0)を中心と
して左右にそれぞれ急峻にレベルダウンする特性を有し
ている。
【0015】しかし、上記エアリーディスクの径を小さ
くして従来の光ディスクを再生すると、上述の信号の折
り返しにより図15(a)に示すような波面収差が発生
する。この波面収差の強度分布は、ディスク径方向側
(R)及び記録トラック方向側(T)から見ると、それ
ぞれ図15(b),(c)に示すように−0.25程度
の歪みを示す強度分布となり、図15(d)に示すよう
に空間周波数特性を示す曲線に歪みが表れる。このよう
なことから、エアリーディスクの径を小さくして従来の
光ディスクを再生するのは困難であった。
【0016】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
のであり、トラックピッチ,記録ピットの大きさの異な
る複数種類の光ディスクを再生することができるような
光学ヘッド装置の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学ヘッド
装置は、光記録媒体に記録情報を記録及び/又は再生す
るための光を照射する光学ヘッド装置に対して、第1の
光記録媒体に対しては所定の球面収差を発生させること
により最適な空間周波数特性とし、該第1の光記録媒体
よりも基板厚が薄くトラックピッチの狭い第2の光記録
媒体に対しては球面収差を発生させることなく最適な空
間周波数特性とする対物レンズを有する。
【0018】すなわち、当該光学ヘッド装置は、各光記
録媒体の基板厚誤差により発生する球面収差が、第1の
光記録媒体に対して最適なものとなるように対物レンズ
の開口率を調整する。これにより、第1,第2の光記録
媒体の両方を再生可能とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光学ヘッド装
置の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明
する。本発明に係る光学ヘッド装置は、図1に示すよう
に光ディスク1に記録された記録データを再生する光デ
ィスク再生装置に適用することができる。この光ディス
ク再生装置は、例えば直径12cm,基板厚1.2m
m,トラックピッチ1.6μmの第1の光ディスク、及
び、直径12cm,基板厚0.6mm,トラックピッチ
0.84μmで該第1の光ディスクよりも記録ピットが
小さく形成された第2の光ディスクの両方の光ディスク
が再生可能となっている。
【0020】すなわち、この光ディスク再生装置は、光
ディスク1にレーザビームを照射しこの反射光の光量に
応じた光量検出信号を出力する光学系2と、上記光学系
2からの光量検出信号に基づいて2種類のトラッキング
エラー信号を形成しこれらを切り換えて出力する図7に
示す検出系3と、上記光量検出信号に基づいて光ディス
ク1の種類を判別し、この判別結果に応じて上記検出系
3により形成された2種類のトラッキングエラー信号の
切換えを制御するディスク判別部4とで構成されてい
る。
【0021】上記光学系2は、図2〜図4に示すような
軸摺動型の光学系となっている。この図2及び図3にお
いて、可動部20は、それぞれ非磁性材料で形成される
ボビン20A及び保持体20Bで構成されている。保持
体20Bの中心位置には、軸方向に嵌挿された管状の軸
受部21が設けられている。また、ボビン20Aの外周
面には、当該可動部20をフォーカス方向(ディスク板
面上に対して垂直方向)に可動させるためのフォーカス
コイル22が、上記軸受部21を中心とする環を形成す
るように巻回されている。また、このフォーカスコイル
22の表面上には、これと密接して当該可動部20をト
ラッキング方向(ディスクの径方向)に移動させるため
の2組のトラッキングコイル23A,23Bがそれぞれ
設けられている。このトラッキングコイル23A,23
Bは、その巻回軸方向がそれぞれ上記フォーカスコイル
22の巻回軸方向と直交しており、ボビン20Aの外周
面上に計4個の環を形成するように設けられている。
【0022】上記光学系2の中央部には、該光学系2の
厚み分の長さを有する支持軸29が貫通配設されてい
る。また、上記保持体20Bには、上記支持軸29に対
して偏心した位置に、該支持軸29の中心軸に対して平
行な段付きの孔33が穿設されている。この孔33に
は、鏡筒25が設けられており、該鏡筒25内には、例
えば0.52の大きな開口率の対物レンズ7,1/4波
長板26,コリメータレンズ27及び偏光ビームスプリ
ッタ6が各光軸が一致するように一列に配設されてい
る。そして、上記ボビン20Aには、その検出面が偏光
ビームスプリッタ6側に向けられたフォトディテクタ
8、半導体レーザ5、及び上記偏光ビームスプリッタ6
の間に設けられ該半導体レーザ5からのレーザビームを
5分割して偏光ビームスプリッタ6に照射する回折格子
18が設けられている。
【0023】上記半導体レーザ5は、一列に配設された
対物レンズ7,1/4波長板26,コリメータレンズ2
7及び偏光ビームスプリッタ6の各光学部品に対して重
量的に略対称となるように上記ボビン20Aに設けられ
ており、波長(λ)が例えば635nmの短波長のレー
ザビームを出射するようになっている。そして、この6
35nmの短波長のレーザビームを、上記0.52の開
口率(NA)を有する対物レンズ7により、1.5μm
のエアリーディスクの径とし(1.22×(λ/N
A)、1600本/mmの空間周波数(2NA/λ)で
小さく形成された記録ピットを正確に再生するようにな
っている。
【0024】また、上記支持軸29には、図4に示すよ
うに半導体レーザ5からのレーザビームの光路となる孔
34が穿設されており、この孔34を介して半導体レー
ザ5からのレーザビームが上記偏光ビームスプリッタ6
に照射されるようになっている。なお、保持体20Bに
一体的に形成された軸受部21にも、上記支持軸29の
孔34に対応する位置にレーザビームの光路となる孔3
5が設けられている。
【0025】このように構成された可動部20は、磁性
材の固定ヨーク28の中央部に植立固定された支持軸2
9が軸受部21の中心孔に案内挿入されることで、摺回
動自在に支持されている。すなわち、上記可動部20
は、支持軸29の軸方向に摺動自在にかつ軸の回りに回
動自在に支持されている。さらに、固定ヨーク28の下
面には、支持軸29を中心とする環状の永久磁石30が
密接して固着されている。また、この永久磁石30の下
端面には、突片部31を有する第1のヨーク部32が固
着されている。また、固定ヨーク28には、第1のヨー
ク部32の突片部31に対抗してボビン20Aの内側に
配置される第2ヨーク部33が突設されている。これら
固定ヨーク28,永久磁石30,第1のヨーク部32及
び第2のヨーク部33によって磁気回路が構成されてお
り、第1のヨーク部32と第2のヨーク部33との間の
磁気空隙内に、フォーカスコイル22とトラッキングコ
イル23A,23Bが配設されている。さらに、上記固
定ヨーク28には、保持体20Bに保持された鏡筒25
の外径より大きな径の孔33が穿設され、鏡筒25の上
端がこの孔33内に案内挿入されている。
【0026】次に、上記回折格子18は、図5に示すよ
うにトラックピッチが1.6μmの第1の光ディスクの
記録トラックの中心に零次光のメインビームが照射さ
れ、該記録トラックに対して例えば1/4トラックピッ
チ分内周側及び外周側に偏位して±2次光の各サイドビ
ームが照射されるように、また、トラックピッチが0.
84μmの第2の光ディスクの記録トラックの中心に零
次光のメインビームが照射され、該記録トラックに対し
て例えば1/4トラックピッチ分内周側及び外周側に偏
位して±1次光の各サイドビームが照射されるように、
上記半導体レーザ5からのレーザビームを5分割して出
射する光学特性を有している。
【0027】また、上記フォトディテクタ8は、図7に
示すように上記回折格子18で5分割されたレーザビー
ムの各反射光をそれぞれ受光する位置に第1〜第5のフ
ォトディテクタ9〜13を配して形成された5分割フォ
トディテクタとなっている。第1のフォトディテクタ9
は、上記回折格子18により5分割されたレーザビーム
のうち、メインビーム(零次光)の反射光を受光するフ
ォトディテクタであり、その受光領域は、受光するメイ
ンビームの反射光の光軸を中心として放射状に4等分割
(受光領域A〜受光領域D)されている。なお、上記受
光領域Aと受光領域Bとの境目及び受光領域Cと受光領
域Dとの境目は、それぞれ光ディスク1のトラック方向
と一致するように分割されている。第2のフォトディテ
クタ10及び第3のフォトディテクタ11は、上記回折
格子18により5分割されたレーザビームのうち、±1
次光の各サイドビームの反射光を受光する位置にそれぞ
れ設けられており、それぞれ受光領域は1つ(受光領域
E及び受光領域F)となっている。また、第4のフォト
ディテクタ12及び第5のフォトディテクタ13は、上
記回折格子18により5分割されたレーザビームのう
ち、±2次光の各サイドビームの反射光を受光する位置
にそれぞれ設けられており、それぞれ受光領域は1つ
(受光領域G及び受光領域H)となっている。
【0028】次に、図7に示す上記検出系3は、フォト
ディテクタ8内の第1のフォトディテクタ9の受光領域
A及び受光領域Cからの各光量検出信号を加算処理する
加算器14aと、該第1のフォトディテクタ9の受光領
域B及び受光領域Dからの各光量検出信号を加算処理す
る加算器14bと、上記各加算器14a,14bからの
各加算出力を加算処理して光ディスク1に記録されてい
る記録情報(RF信号)を再生する加算器14cと、上
記各加算出力を比較処理してフォーカスエラー信号を形
成する比較器15aとを有している。また、上記検出系
3は、上記フォトディテクタ8内の第4,第5のフォト
ディテクタ12,13からの各光量検出信号を比較処理
して上記トラックピッチの狭い第2の光ディスク用の第
1のトラッキングエラー検出信号を形成する比較器15
bと、第2,第3のフォトディテクタ10,11からの
各光量検出信号を比較処理して上記トラックピッチの広
い第1の光ディスク用の第2のトラッキングエラー検出
信号を形成する比較器15cとを有している。そして、
上記検出系3は、ディスク判別回路4からの判別出力に
応じて、上記第1,第2のトラッキングエラー検出信号
を切り換えて出力する切換えスイッチ16を有してい
る。
【0029】ここで、光学系は、通常その光軸が、図1
に示すように光ディスク1の記録面に対して垂直となる
軸である軸P2と一致するように設けられるのである
が、当該光ディスク再生装置においては、光ディスク1
の記録面に対して所定の角度であるθ/2度をもって光
学系2が設けられている。
【0030】すなわち、上述のように当該光ディスク再
生装置は、基板厚が1.2mmの第1の光ディスクと、
基板厚が0.6mmの第2の光ディスクとの両方が再生
可能となっているのであるが、第2の光ディスクをスピ
ンドルモータ1cにより例えば角速度一定で回転駆動さ
れるターンテーブル1bに装着し、この上からチャッキ
ング部1aで該第2の光ディスクの中心部分を圧着する
と、基板厚が0.6mmと薄いことから該圧着により第
2の光ディスクに反りを生ずる。この反りにより生ずる
ディスクの傾きは、各ディスク毎に多少異なるのである
が、各ディスク毎に統計をとって傾き角の分布(傾き分
布:この場合、ディスク形成時に生ずる反りやゆがみも
含まれたかたちの分布が形成される。)を求めると平均
化された傾き角θを得ることができる。また、上記光学
系2が正確に記録データの再生を行うことができるレー
ザビームの照射角度は、光ディスクの記録面に対してレ
ーザビームが垂直に照射される角度を中心として±方向
にθ程度の角度的余裕がある(傾き許容角度)。このた
め、当該光ディスク再生装置の光学系2は、本来的に光
軸を合わせるべき軸である軸P2に対してθ/2傾いた
軸P1に光軸を合わせるようにして設けられている。
【0031】次に、このような構成を有する光ディスク
再生装置の動作説明をする。まず、図3において、当該
光ディスク再生装置に光ディスク1が装着され再生が開
始されると、図3に示すように半導体レーザ5からレー
ザビームが出射される。この半導体レーザ5から出射さ
れたレーザビームは、回折格子18により零次光である
メインビーム,±1次光及び±2次光の各サイドビーム
に5分割され、偏光ビームスプリッタ6に入射される。
偏光ビームスプリッタ6は、例えばP偏光成分の光は反
射し、該P偏光成分の光に対して直交する偏光方向のS
偏光成分の光は透過する特性を有している。これに対し
て、半導体レーザ5からのレーザビームは、ほとんどが
P偏光成分となっている。このため、偏光ビームスプリ
ッタ6は、半導体レーザ5からのレーザビームを略々全
反射する。この偏光ビームスプリッタ6により反射され
たレーザビームは、コリメータレンズ27により平行光
とされるとともに、1/4波長板26により円偏光化さ
れる。そして、対物レンズ7により所定のビームスポッ
トとなるように集束され光ディスク1の盤面上に照射さ
れる。
【0032】具体的には、当該光ディスク再生装置に装
着された光ディスクが0.84μmのトラックピッチを
有する第2の光ディスクの場合、図6(a)に示すよう
に上記5分割されたレーザビームのうちメインビームは
オントラックするように照射され、これに対して、+1
次光のサイドビーム(第1のサイドビーム)はディスク
内周側に1/4トラックピッチ分ずれた位置に照射さ
れ、また、−1次光のサイドビーム(第2のサイドビー
ム)はディスク外周側に1/4トラックピッチ分ずれた
位置に照射される。このため、この第2の光ディスクの
再生では、上記第1,第2のサイドビームを用いた3ス
ポット法によるトラッキングエラー検出が可能となる。
また、当該光ディスク再生装置に装着された光ディスク
が1.6μmのトラックピッチを有する第1の光ディス
クの場合、図6(b)に示すように上記5分割されたレ
ーザビームのうちメインビームはオントラックするよう
に照射され、これに対して+二次光のサイドビーム(第
3のサイドビーム)はディスク内周側に1/4トラック
ピッチ分ずれた位置に照射され、また、−二次光のサイ
ドビーム(第4のサイドビーム)はディスク外周側に1
/4トラックピッチ分ずれた位置に照射される。このた
め、この第2の光ディスクの再生では、上記±2次光の
各サイドビームを用いた3スポット法によるトラッキン
グエラー検出が可能となる。
【0033】次に、このように光ディスク1にレーザビ
ームが照射されることにより上記各レーザビームの反射
光が生ずる。この反射光は、上記レーザビームの光路と
同じ光路を通るのであるが、該レーザビームの進行方向
とは正反対の進行方向となる。このため、上記反射光は
対物レンズ7により平行光とされ、1/4波長板26に
より直線偏光化されることにより上記P偏光成分に対し
て偏光方向が直交するS偏光成分とされて偏光ビームス
プリッタ6に入射される。上述のように、上記偏光ビー
ムスプリッタ6は、P偏光成分を反射してS偏光成分を
透過する特性を有している。このため、上記偏光ビーム
スプリッタ6に入射された反射光は、該偏光ビームスプ
リッタ6を透過してフォトディテクタ8に照射される。
【0034】具体的には、上記5分割されたレーザビー
ムに対応する各反射光のうち、メインビームの反射光
は、図7に示すフォトディテクタ8内の第1のフォトデ
ィテクタ9に照射され、+1次光のサイドビームの反射
光は第2のフォトディテクタ10に照射され、−1次光
のサイドビームの反射光は第3のフォトディテクタ11
に照射される。また、+2次光のサイドビームの反射光
は第4のフォトディテクタ12に照射され、−2次光の
サイドビームの反射光は第5のフォトディテクタ13に
照射される。
【0035】上記第2のフォトディテクタ10は、受光
した+1次光のサイドビームの反射光の光量に応じた光
量検出信号を形成し、これを比較器15cに供給する。
また、第3のフォトディテクタ11は、受光した−1次
光のサイドビームの反射光の光量に応じた光量検出信号
を形成し、これを上記比較器15cに供給する。比較器
15cは、上記第2のフォトディテクタ10からの光量
検出信号及び第3のフォトディテクタ11からの光量検
出信号を比較処理することにより、いわゆる3スポット
法によるトラッキングエラー信号を形成し、これをトラ
ックピッチの狭い第2の光ディスク用の第2のトラッキ
ングエラー信号として切換えスイッチ16の被選択端子
16cに供給する。
【0036】また、上記第4のフォトディテクタ12
は、受光した+2次光のサイドビームの反射光の光量に
応じた光量検出信号を形成し、これを比較器15bに供
給し、第5のフォトディテクタ13は、受光した−2次
光のサイドビームの反射光の光量に応じた光量検出信号
を形成し、これを上記比較器15bに供給する。比較器
15bは、上記第4のフォトディテクタ12からの光量
検出信号及び第5のフォトディテクタ13からの光量検
出信号を比較処理することにより、いわゆる3スポット
法によるトラッキングエラー信号を形成し、これをトラ
ックピッチの広い第1の光ディスク用の第1のトラッキ
ングエラー信号として切換えスイッチ16の被選択端子
16bに供給する。
【0037】また、第1のフォトディテクタ9は、受光
領域A及び受光領域Cで受光したメインビームの反射光
の光量に応じた光量検出信号を形成し、これらを加算器
14aに供給するとともに、受光領域B及び受光領域D
で受光したメインビームの反射光の光量に応じた光量検
出信号を形成し、これらを加算器14bに供給する。上
記各加算器14a,14bは、供給される各光量検出信
号を加算処理し、それぞれ比較器15a及び加算器14
cに供給する。上記加算器14cは、上記各加算器14
a,14bからの各加算出力を加算処理することによ
り、記録情報であるRF信号を形成し、これを出力端子
19を介して図示しないデータ処理回路等に供給する。
これにより、光ディスク1に記録されている記録情報が
再生され、スピーカ装置やコンピュータ装置等に供給さ
れる。また、上記比較器15aは、上記各加算器14
a,14bからの各加算出力を比較処理することによ
り、フォーカスエラー信号を形成し、これを出力端子1
9を介して図示しないサーボ制御系に供給する。
【0038】一方、ディスク判別回路4は、当該光ディ
スク再生装置に装着された光ディスクの反射率に基づい
て上記切換えスイッチ16の切換え制御を行う。具体的
には、トラックピッチが1.6μmの第1の光ディスク
の反射率よりも、トラックピッチが0.84μmの第2
の光ディスクの反射率のほうが低くなっている。このた
め、ディスク判別回路4は、この反射率を検出すること
により、当該光ディスク再生装置に装着された光ディス
クが第1の光ディスクであるか第2の光ディスクである
かを検出する。そして、当該光ディスク再生装置に装着
された光ディスクが、トラックピッチの狭い第2の光デ
ィスクであると判別した場合は、選択端子16aにより
被選択端子16cを選択するように切換えスイッチ17
を切換え制御し、当該光ディスク再生装置に装着された
光ディスクが、トラックピッチの広い第1の光ディスク
であると判別した場合は、選択端子16aにより被選択
端子16bを選択するように切換えスイッチ17を切換
え制御する。上述のように、上記切換えスイッチ16の
被選択端子16bには±2次光の各サイドビームで形成
された第1の光ディスク用の第1のトラッキングエラー
検出信号が供給され、被選択端子16cには±1次光の
各サイドビームで形成された第2の光ディスク用の第2
のトラッキングエラー検出信号が供給されている。この
ため、上記反射率に応じて切換えスイッチ16を切換え
制御することにより、再生する光ディスクに応じた第1
或いは第2のトラッキングエラー検出信号を出力するこ
とができる。
【0039】3スポット法でトラッキングエラー検出を
行う場合、各サイドビームが記録トラックに対して所定
分偏位して照射されないと、該サイドビーム間の位相の
ずれに伴うトラッキングエラー信号の振幅が減少し、正
確なトラッキングエラー検出に支障を来すのであるが、
当該光ディスク再生装置は、±2次光により第1の光デ
ィスク用のトラッキングエラー検出信号を形成し、ま
た、±1次光により第2の光ディスク用のトラッキング
エラー検出信号を形成し、該各トラッキングエラー検出
信号を、再生する光ディスクに応じて切換えて出力する
ようにしている。このため、トラックピッチの異なる2
種類の光ディスクの再生を可能とすることができる。
【0040】上記トラッキングエラーの検出系は、レー
ザビームを5分割して出射する回折格子18と、この5
分割されたレーザビームに対応するフォトディテクタ8
と、2種類のトラッキングエラー検出系15b,15c
とで純電気的に構成することができる。このため、例え
ばトラックピッチの狭い光ディスク用の回折格子とトラ
ックピッチの広い光ディスク用の回折格子を用意し、該
各回折格子をディスクの判別結果に応じて入れ換えるこ
とにより各サイドビームの偏位度を可変して2種類の光
ディスクのトラッキングエラーを検出するような特別な
機構を設けることなく、構成簡単かつ安価に実現するこ
とができる。
【0041】次に、このように光ディスクのトラックピ
ッチに応じて選択された第1のトラッキングエラー信号
及び第2のトラッキングエラー信号は、それぞれ上記選
択端子16aを介して図示しないサーボ制御系に供給さ
れる。サーボ制御系は、上記トラッキングエラー信号に
基づいてトラッキングエラーを零とするようなトラッキ
ング制御信号を形成し、これを図2及び図3に示す軸摺
動型の光学系2のトラッキングコイル23A,23Bに
それぞれ供給する。また、サーボ制御系は、図示しない
フォーカスエラーの検出系で検出されたフォーカスエラ
ー信号に基づいてフォーカスエラーを零とするようなフ
ォーカス制御信号を形成し、これを上記光学系2のフォ
ーカスコイル22に供給する。
【0042】上記トラッキング制御信号は、トラッキン
グエラーに応じてレベル及び極性を可変した電流となっ
ており、上記トラッキングコイル23A,23Bにこの
電流が流れると、該各トラッキングコイル23A,23
Bが、第1のヨーク部32の突片部31と第2のヨーク
部33との間に形成される磁気ギャップ中の磁界から、
支持軸29を中心として右方向若しくは左方向に回動を
誘発する力を受け、これに応じて可動部20が支持軸2
9を中心として、右方向若しくは左方向に回動する。こ
のとき、上記鏡筒25は可動部20の中心軸に対して偏
心して設けられているため、鏡筒25の光軸、すなわ
ち、対物レンズ7の光軸は光ディスク1の記録トラック
を横切る方向(図2の矢印t若しくは矢印t´の方向)
に移動し、トラッキング制御が行われる。
【0043】また、上記フォーカス制御信号は、フォー
カスエラーに応じてレベル及び極性を可変した電流とな
っており、上記フォーカスコイル22にこの電流が流れ
ると、フォーカスコイル22が、第1のヨーク部32と
第2のヨーク部33との間に形成される磁気ギャップ中
の磁界から、支持軸29に沿う方向への力を受け、これ
に応じて可動部20が支持軸29に沿って上方又は下方
に移動する。これにより、保持体20Bに設けられた鏡
筒25に収納された対物レンズ7,1/4波長板26,
コリメータレンズ27及び保持体20Bに固着された偏
光ビームスプリッタ6,半導体レーザ5がそれぞれの位
置関係を保ちながら全体で移動し、対物レンズ7が光デ
ィスク1の盤面に対して垂直方向に上下移動してフォー
カス制御が行われる。
【0044】なお、フォーカス制御信号がフォーカスコ
イル22に供給されると共に、トラッキング制御信号が
トラッキングコイル23A,23Bに供給された場合に
は、上述のフォーカス制御及びトラッキング制御が同時
に行われるようになっている。
【0045】このような軸摺動型の光学系2は、半導体
レーザ5からのレーザビームが対物レンズ7を往復で通
過してフォトディテクタ8に向かうまでの光路を形成す
る各光学部品が共通の可動部20に固着されているた
め、フォーカス制御及びトラッキング制御により各光学
部材の相対位置関係が変化する不都合を防止することが
できる。また、最初に位置決めした各レンズの最良点で
常時使用することができるため、安定した光学特性で使
用することができるうえ、光学上の視野を無限大まで拡
大することができる。さらに、収差除去を不要とするこ
とができ、レンズコストを安くすることができる。
【0046】また、支持軸29及び軸受部21の軸方向
の軸方向の長さを当該光学系2の厚み分の長さとするこ
とができるため、この支持軸29に対する可動部20の
摺回動を安定化することができる。このため、摺回動時
に可動部20を円滑に駆動することができ、高精度なフ
ォーカス制御及びトラッキング制御を行うことができ
る。また、支持軸29を中心として対物レンズ7,1/
4波長板26,コリメータレンズ27及び偏光ビームス
プリッタ6等からなる光学レンズ系と半導体レーザ5と
を重量的に略対称な位置に配置しているため、可動部2
0の重量的バランスをとることができ、安定した軸方向
の摺動及び軸回りの回動を可能とすることができる。
【0047】ここで、図1において、上記軸摺動型の光
学系2は、上述したように第2の光ディスクがチャッキ
ング部1aにより圧着されることで生ずる第2の光ディ
スクの傾き角θに対応して、該光学系2の傾き許容角度
範囲内のθ/2の傾き角をもって設けられている。上記
第2の光ディスクと光学系2との相対的な傾き角は、該
ディスクの内周側から外周側にかけて徐々に大きくなっ
ている。このため、予め傾き角を設けず、光ディスクに
対して垂直にレーザビームが照射されるように光学系を
設けると、図8に点線で示すようにディスク内周側の再
生時には上記相対的な傾き角が零(垂直)であるが、再
生箇所がディスクの外周側に移動するにつれて上記相対
的な傾き角は徐々に大きくなり、最外周近傍では光学系
の傾き許容角度範囲(+θ)を越え、記録データの正確
な再生が不可能となる。
【0048】しかし、当該光ディスク再生装置では、予
めθ/2の傾き角をもって光学系2が設けられているた
め、図8に実線で示すように内周側の再生時には、光デ
ィスクに対して−θ/2の照射角でレーザビームが照射
され、再生箇所が外周側に移動することによりディスク
の中間領域で上記相対的な傾き角が零(垂直)の状態で
レーザビームが照射され、最外周側の再生時であっても
当該光学系2の傾き許容角度範囲(+θ)以下の照射角
でレーザビームが照射されるようになる。すなわち、デ
ィスクの中間領域以外は、内周側及び外周側共に−θ以
上及び+θ以下の相対的な傾き角が生ずるのであるが、
上述のようにこの傾き角θは、当該光学系2において正
確に記録データの再生を行うことができる傾き許容角度
範囲内の傾き角である。従って、ディスクとレーザビー
ムの相対的な角度を常に垂直に制御するようなスキュー
制御部を設ける必要がなく、該スキュー制御部を省略す
ることができる分、部品点数の削減及び構成の簡略化を
通じて当該光ディスク再生装置のローコスト化を図るこ
とができる。
【0049】なお、基板厚が1.2mmの第1の光ディ
スクは、上記チャッキング部の圧着により反り(傾き)
が生ずることはほとんどないため、上記光学系2をθ/
2の傾き角をもって設けると、内周側から外周側まで常
に略々θ/2の照射角でレーザビームが照射されること
となるが、このθ/2の傾き角は上述のように光学系2
の傾き許容角度範囲内であるため、問題なく正確に記録
データの再生を行うことができる。また、このように所
定の傾きをもたせて光学系2を設けることにより、上記
第1の光ディスクに形成上の反りや歪みが生じていても
これを是正して正確に記録データの再生を行うことがで
きる。
【0050】次に、上述のように当該光ディスク再生装
置は、635nmの短波長のレーザビーム光ディスクに
照射して再生を行うが、このレーザビームは、透明基板
を介して光ディスクの記録層に照射される。また、基板
厚が1.2mmの第1の光ディスクと、基板厚が0.6
mmの第2の光ディスクとでは0.6mmの基板厚誤差
がある。このため、上記対物レンズ7の開口率は、基板
厚誤差分だけ球面収差が補正不足となるように調整する
必要がある。また、第2の光ディスクに形成された小さ
な記録ピットを再生するには、レーザビームのエアリー
ディスクの径(ビームスポット)を小さくする必要があ
る。しかし、ビームスポットを小さくして第1の光ディ
スクを再生した場合に発生する信号の折り返しの影響も
考慮する必要がある。
【0051】このような各事項を考慮して上記対物レン
ズ7としては、開口率が0.52のものが設けられてい
る。そして、この開口率が0.52の対物レンズ7によ
り、波長が635nmのレーザビームを1.5μmのエ
アリーディスクの径(ビームスポット)として光ディス
クに照射するようになっている。これにより、第2の光
ディスクに形成された小さな記録ピットを正確に再生す
ることができる。
【0052】一方、この対物レンズ7を用いて大きな記
録ピットを有する第1の光ディスクを再生すると、上記
0.6mmの基板厚誤差に応じた球面収差が発生する。
この球面収差が発生すると、ビームスポットはぼやけ、
上記対物レンズ7の入射瞳面上で強度分布は、図9
(a)に示すように中心付近が広がる。すなわち、この
強度分布は、中心を通る断面をディスク径方向側(R)
から見ると、図9(b)に示すように中心部のレベル
(1.8)を中心として内周側(−r)及び外周側
(r)に多少のレベルダウンはあるが、該内周側(−
r)から外周側(r)まで略々同レベルとなる特性を有
している。また、中心を通る断面を記録トラック方向側
(T)から見ると、図9(c)に示すように中心部のレ
ベル(1.8)を中心として内周側(−r)及び外周側
(r)に徐々にレベルダウンする特性を有している。ま
た、ディスク上でのレーザビームのビームスポットは、
図9(d)に示すように尖頭状の強度分布となってい
る。この強度分布は、ディスク径方向側(R)から見る
と、図9(e)に示すように中心部のレベル(1.0)
を中心として左右にそれぞれ急峻にレベルダウンする特
性を有しており、また、記録トラック方向側(T)から
見ると、図9(f)に示すように中心部のレベル(1.
0)を中心として左右にそれぞれ急峻にレベルダウンす
る特性を有している。
【0053】また、上記ビームスポットがぼやけること
により第1の光ディスクに最適なビームスポットとなる
ため、図10(a)に示すように再生時における波面収
差は発生しない。このため、図10(b),(c)に示
すように上記波面収差の強度分布をディスク径方向側
(R)及び記録トラック方向側(T)から見た図には、
それぞれ上記波面収差は表れない。そして、図10
(d)に示すように空間周波数のカットオフ周波数は、
第1の光ディスクの再生に近い値に変化する。
【0054】すなわち、上記対物レンズ7は、高いカッ
トオフ周波数を必要とする記録ピットが小さく基板厚の
薄い第2の光ディスクに対しては球面収差を発生するこ
となくレーザビームを照射し、多少低いカットオフ周波
数で充分な記録ピットが大きく基板厚の厚い第1の光デ
ィスクに対しては、所定の球面収差を発生することによ
りビームスポットを拡大して該第1の光ディスクに照射
する。
【0055】これにより、第1,第2の光ディスクに対
して、それぞれ最適な空間周波数を実現することがで
き、両ディスクを正確に再生することができる。
【0056】なお、上記第2の光ディスクは基板厚が薄
いため、基板上で発生する収差の影響を軽減する利点が
ある。
【0057】次に、本発明を適用した上記光ディスク再
生装置の変形例の説明をする。上述の例では、いわゆる
3スポット法により2種類のトラッキングエラーを検出
することとしたが、この変形例は、上記トラックピッチ
の異なる第1,第2の光ディスクに対してそれぞれディ
ファレンシャル・プッシュプル法(DPP法)によりト
ラッキングエラーを検出するようにしたものである。な
お、この変形例においては、上記検出系3のうちトラッ
キングエラーの検出系以外は上述の例と同じであるた
め、この説明では該トラッキングエラーの検出系に言及
し、他の部分の詳細な説明は省略する。
【0058】すなわち、この変形例に係る光ディスク再
生装置のトラッキングエラー検出系は、図7に示した第
1のフォトディテクタ9の各受光領域A〜Dからの各光
量検出信号をそれぞれA〜D、第4,第5のフォトディ
テクタ12,13の各受光領域G,Hからの各光量検出
信号をそれぞれG,Hとして、以下の式7に示すDPP
法の演算により、上記トラックピッチが1.6μmの第
1の光ディスク用の第1のトラッキングエラー信号を形
成する。
【0059】 第1のトラッキングエラー信号=[(A+C)−(B+D)]−K[(G+H)/2]・・(式7) K:メインビームとサイドビームの光量差を補正するた
めの係数 また、上記トラッキングエラー検出系は、上記第1のフ
ォトディテクタ9の各受光領域A〜Dからの各光量検出
信号をそれぞれA〜D、第2,第3のフォトディテクタ
10,11の各受光領域E,Fからの各光量検出信号を
それぞれE,Fとして、以下の式8に示すDPP法の演
算により、上記トラックピッチが0.84μmの第2の
光ディスク用の第2のトラッキングエラー信号を形成す
る。
【0060】 第2のトラッキングエラー信号=[(A+C)−(B+D)]−K[(E+F)/2]・・(式8) K:メインビームとサイドビームの光量差を補正するた
めの係数 そして、この第1,第2のトラッキングエラー信号を、
上記ディスク判別回路4からの判別出力に応じて切り換
えて出力する。これにより、上述の例と同じくトラック
ピッチの異なる2種類の光ディスクの再生を可能とする
ことができる。また、DPD法を用いているため、オフ
セット成分を除去したかたちのトラッキングエラー信号
を形成することができ、トラッキングエラーを正確に是
正しながらの再生を可能とすることができる。
【0061】なお、上述の実施の形態の説明では、上記
光学系2として軸摺動型の光学系を用いることとした
が、これは複数の弾性支持体で片持支持した2軸デバイ
スの光学系を用いるようにしてもよい。
【0062】また、ディスク判別回路4がディスクの反
射率を検出して当該光ディスク再生装置に装着された光
ディスクの種類を検出することとしたが、これは、例え
ばトラックピッチの狭い第2の光ディスクに当該ディス
クの種別を示す情報を記録しておき、この情報が再生さ
れたときに第2の光ディスク用のトラッキングエラー信
号を選択して出力するようにしてもよい。或いは、反射
光に基づいてトラックピッチを検出してディスク判別を
行い、また、サイドビーム用の第2,第3のフォトディ
テクタをそれぞれ4分割フォトディテクタとして、非点
収差法を用いてディスク判別を行うようにする等、ディ
スクの種類を判別できる手法であれば何でも良い。ま
た、このような自動判別を行わなくても、ユーザがディ
スクの種類に応じて手動で切換えスイッチ16を切り換
えるようにしてもよい。
【0063】また、上述の各実施の形態の説明では、ト
ラックピッチの異なる2種類の光ディスクを選択的に再
生することとしたが、これは3種類以上のトラックピッ
チに対応して選択的に再生するようにしてもよい。この
場合、±3次光以上の回折光に基づいて、3スポット法
或いはDPD法等のような、少なくともサイドビームを
用いるトラッキングエラー検出法を用いることにより簡
単に実現することができる。
【0064】また、上記光学系2は、基板厚の薄い第2
の光ディスクがチャッキング部1a及びターンテーブル
1bでクランプされることにより生ずる「反り」に応じ
て予め傾き角をもって設けることとしたが、この光学系
2の傾き角は、ディスクに生ずる傾きの種類に応じて適
宣変更してもよい。すなわち、例えば直径20cm或い
は30cmの大型の光ディスクは、自重により内周側か
ら外周側にかけて徐々に垂れ下がるかたちで傾きが生ず
る。このため、このディスクの傾き分布を求め、光学系
2の傾き許容角度範囲内でディスク全体が再生できるよ
うに、予め傾きをもって該光学系2を設けることによ
り、上述と同様にスキュー制御部を設けることなく正確
に記録データの再生を行うことができる。
【0065】最後に、上述の各実施の形態の説明では本
発明に係る光記録媒体の記録及び/又は再生装置を再生
専用の光ディスク再生装置に適用することとしたが、こ
れは、光ディスクの他、光カード,光テープ等の光記録
媒体に対して記録,再生を行う機器であれば何にでも適
用可能であり、また、第1の光ディスクの基板厚は1.
2mmで、第2の光ディスクの基板厚は0.6mm等の
ように具体的な数値を掲げて説明したが、これは本発明
に係る技術的思想を逸脱しない範囲でれば種々の変更が
可能であることは勿論である。
【0066】
【発明の効果】本発明に係る光学ヘッド装置は、第1の
光ディスク及び該第1の光記録媒体よりも基板厚が薄く
トラックピッチの狭い第2の光記録媒体の両方を最適な
空間周波数で記録及び/又は再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の記録及び/又は再生
装置を適用した光ディスク再生装置のブロック図であ
る。
【図2】上記光ディスク再生装置に設けられている軸摺
動型の光学系の上面図である。
【図3】上記軸摺動型の光学系の断面図である。
【図4】上記軸摺動型の光学系の支持軸の孔の部分の横
断面図である。
【図5】上記光ディスク再生装置に設けられている回折
格子の分光特性を説明するための模式図である。
【図6】上記光ディスク再生装置で再生されるトラック
ピッチの異なる2種類の光ディスクに照射されるメイン
ビーム及び各サイドビームを説明するための模式図であ
る。
【図7】上記光ディスク再生装置に設けられている検出
系のブロック図である。
【図8】光ディスクの傾きと該傾きに対する光学系の傾
き許容角度範囲を説明するための図である。
【図9】上記光ディスク再生装置に設けられている対物
レンズを用いて基板厚の厚い第1の光ディスクを再生し
た場合における、該対物レンズの入射瞳上の強度分布を
説明するための図である。
【図10】上記対物レンズを用いて基板厚の厚い第1の
光ディスクを再生した場合における、波面収差及び空間
周波数特性を説明するための図である。
【図11】トラックピッチの狭い光ディスク用のビーム
スポットで、トラックピッチの広い光ディスクを再生し
た場合に生ずる信号の折り返し現象を説明するための図
である。
【図12】トラックピッチの広い光ディスクをそれ専用
の対物レンズを用いて再生した場合における、該対物レ
ンズの入射瞳上の強度分布を説明するための図である。
【図13】トラックピッチの広い光ディスクをそれ専用
の対物レンズを用いて再生した場合における、波面収差
及び空間周波数を説明するための図である。
【図14】トラックピッチの狭い光ディスクを、トラッ
クピッチの広い光ディスク用の対物レンズを用いて再生
した場合における、該対物レンズの入射瞳上の強度分布
を説明するための図である。
【図15】トラックピッチの狭い光ディスクを、トラッ
クピッチの広い光ディスク用の対物レンズを用いて再生
した場合における、波面収差及び空間周波数を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 光ディスク 1a チャッキング部 1b ターンテーブル 1c スピンドルモータ 2 光学系 3 検出系 4 ディスク判別回路 5 半導体レーザ 6 偏光ビームスプリッタ 7 対物レンズ 8 フォトディテクタ 9 第1のフォトディテクタ 10 第2のフォトディテクタ 11 第3のフォトディテクタ 12 第4のフォトディテクタ 13 第5のフォトディテクタ 14a〜14c 加算器 15a〜15c 比較器 16 トラッキングエラー信号の切換えスイッチ 18 回折格子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光記録媒体に記録情報を記録及び/又は
    再生するための光を照射する光学ヘッド装置において、 第1の光記録媒体に対しては所定の球面収差を発生させ
    ることにより最適な空間周波数特性とし、該第1の光記
    録媒体よりも基板厚が薄くトラックピッチの狭い第2の
    光記録媒体に対しては球面収差を発生させることなく最
    適な空間周波数特性とする対物レンズを有することを特
    徴とする光学ヘッド装置。
JP7200117A 1995-08-04 1995-08-04 光学ヘッド装置 Withdrawn JPH0950641A (ja)

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