JPH0954953A - 光記録媒体の記録及び/又は再生装置 - Google Patents

光記録媒体の記録及び/又は再生装置

Info

Publication number
JPH0954953A
JPH0954953A JP7202291A JP20229195A JPH0954953A JP H0954953 A JPH0954953 A JP H0954953A JP 7202291 A JP7202291 A JP 7202291A JP 20229195 A JP20229195 A JP 20229195A JP H0954953 A JPH0954953 A JP H0954953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical
recording
signal
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7202291A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Suzuki
潤一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP7202291A priority Critical patent/JPH0954953A/ja
Publication of JPH0954953A publication Critical patent/JPH0954953A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的なスキュー制御機構を設けることな
く、光ディスクの記録トラック方向の傾きに対して電気
的に対応して記録再生機能の向上を図る。 【解決手段】 回折格子18により半導体レーザ5から
のレーザビームを零次光(メインビーム)及び±1次光
(第1,第2のサイドビーム)に3分割して光ディスク
1に照射し、該各ビームの反射光を3分割フォトディテ
クタ8でそれぞれ受光する。そして、メインビームの反
射光及び第1,第2のサイドビームに基づいて、第1の
RF信号及び第2,第3のRF信号を形成し、これらの
中から最適なものを、スキューセンサ14で検出される
記録トラック方向の傾きに応じて選択回路15が選択し
て出力する。これにより、電気的に記録トラック方向の
傾きに対応して機械的なスキュー制御機構を省略するこ
とができ、記録再生機能の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ディスク
再生装置,光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録
再生装置等の光読み出し方式を採用する機器に用いて好
適な光記録媒体の記録及び/又は再生装置に関し、特
に、光記録媒体の走査方向(光記録媒体が光ディスクの
場合は、記録トラック方向)の傾きに対応して記録再生
機能の向上等を図った光記録媒体の記録及び/又は再生
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、再生専用の光ディスクの再生を行
う光ディスク再生装置が知られている。この光ディスク
再生装置は、光ディスクに対して垂直にレーザビームを
照射し、この反射光に基づいて記録データの再生を行う
のであるが、光ディスクに形成上の反りやゆがみが生じ
ていたり、チャッキングの圧力で光ディスクに反りが生
じたり、或いは、光ディスク自体の重さで外周部に垂れ
下がりが生じたりすると、該光ディスクに垂直に照射さ
れるはずのレーザビームが斜めに照射され、反射光の光
量が減少し、記録データの正確な再生に支障を来す。こ
のため、従来の光ディスク再生装置には、傾き制御部
(スキュー制御部)が設けられている。
【0003】このスキュー制御部は、光ディスクの傾き
を検出する傾き検出部と、光ディスクに記録データ再生
用のレーザビームを照射する光学系全体を傾斜駆動する
傾き制御機構と、上記傾き検出部からの検出出力に基づ
いて、傾き制御機構を駆動制御する制御回路とで構成さ
れている。このような構成を有するスキュー制御部は、
再生が開始されると傾き検出部が、記録データ再生用の
レーザビームとは別に光ディスクにレーザビームを照射
し、この反射光に基づいて光ディスクの傾きを検出す
る。そして、この光ディスクの傾きに応じた検出出力を
上記制御回路に供給する。制御回路は、上記傾き検出部
からの検出出力に応じて、傾き制御機構を駆動制御す
る。これにより、光学系全体が、光ディスクに対して垂
直にレーザビームを照射するように傾斜駆動される。従
って、光ディスクの傾きに追従しながら常に垂直にレー
ザビームを照射することができ、反射光の光量減を防止
して記録データを正確に再生することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年において高
精細な静止画像や動画等の画像データを記録するために
光ディスクの高密度化が求められ、この要望に答えて、
従来、1.6μmであったトラックピッチを0.84μ
mと狭くすると共に記録ピットを小さくすることにより
高密度化を図った光ディスクが開発された。このように
高密度化された光ディスクを再生する光ディスク再生装
置では、狭いトラックピッチで小さく形成された記録ピ
ットを正確に再生するために、レーザビームのエアリー
ディスクの径(レーザビームのスポットサイズ)を小さ
くする必要がある。このため、この光ディスク再生装置
では、短波長のレーザビーム(635nm:従来は78
0nm)及び大きな開口率の対物レンズ(0.52:従
来は0.45)を使用することにより空間周波数(再生
可能なピットの大きさ)を拡大している。そして、上記
対物レンズの開口率(NA)を大きくすることにより生
ずる、焦点位置ずれ、ディスクの傾きに対する許容度の
劣化及びディスクの厚みむらに対する許容度の劣化を、
光ディスクの基板厚を0.6mmとし、従来の1.2m
mより薄くすることにより防止して、上記記録ピットの
再生を行うようになっている。
【0005】ここで、上記高密度ディスクは、基板厚が
従来の1/2の0.6mmであるため、光ディスク再生
装置でチャッキングされる際、その圧力により反りを生
ずる。この反りによる光ディスクの傾きは、該光ディス
クの径方向の傾きであり、光ディスク全体に亘って生ず
る一様な変形(逆傘型)である。このため、ディスクの
回転とは無関係に該反りにより生ずるディスクの傾き角
に合わせて光学系を設けることにより、再生性能を劣化
させることなくディスク全体を正確に再生することがで
きる。
【0006】しかし、ディスク形成時や保存状態が悪い
がために、光ディスクに記録トラック方向の傾きが生ず
る場合がある。この記録トラック方向の傾きに対応する
ために上述のスキュー制御部を設け、該傾きに応じて光
学系全体を傾斜駆動する方法も考えられるが、この記録
トラック方向の傾きが生じた箇所は、ディスクが1回転
する毎に走査されることとなるため、高速回転するディ
スクに合わせて光学系全体を傾斜駆動するのは困難であ
る。また、再生(記録)機能の劣化は、ディスク径方向
の傾きが生じているときよりも、記録トラック方向の傾
きが生じているときの方がより顕著である。このため、
上記記録トラック方向の傾きには、ディスクの回転サー
ボ帯域の数倍のサーボ帯域を用い、この数倍のサーボ帯
域で光学系全体を傾斜制御して対応する必要があり、や
はり困難である。
【0007】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
のであり、スキュー制御機構を設けることなく光ディス
クの記録トラック方向の傾きに対応して正確に記録デー
タを記録再生することができるような光記録媒体の記録
及び/又は再生装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光記録媒体
の記録及び/又は再生装置は、光記録媒体に照射するた
めの光を出射する光源と、上記光源からの光を複数に分
光する分光手段と、上記分光手段により分光された光を
所定の割合で反射し透過する反射透過手段と、上記反射
透過手段を介した各光を収束して光記録媒体に照射する
集光手段とを有する。また、上記集光手段により収束さ
れた各光が光記録媒体に照射されることにより生ずる各
反射光を上記反射透過手段を介して受光し、この受光光
量に応じた各光量検出信号を出力する受光手段と、上記
光記録媒体の走査方向の傾きを検出する傾き検出手段
と、上記傾き検出手段からの検出出力に応じて、上記受
光手段からの各光量検出信号のうち記録情報の記録及び
/又は再生に最適な光量検出信号を選択し、これを記録
情報の再生出力として出力する選択手段とを有する。す
なわち、当該光記録媒体の記録及び/又は再生装置は、
上記光源からの光を分光手段で複数に分光し、この各光
を上記反射透過手段を介して集光手段で収束して光記録
媒体に照射する。上記分光手段は、少なくとも、記録ト
ラックの中心に照射される零次光と、該零次光が照射さ
れる記録トラックの内方向及び外方向にそれぞれ所定分
偏位して照射される±1次光とに上記光源からの光を3
分割する分光特性を有している。或いは、少なくとも、
記録トラックの中心に照射される零次光と、同じく該記
録トラックの中心に照射される±1次光とに上記光源か
らの光を3分割する分光特性を有している。従って、上
記光記録媒体には、少なくとも3つの光(零次光及び±
1次光)が照射されることとなる。
【0009】なお、上記分光手段の分光特性は、零次
光,±1次光及び±2次光の5分割や、零次光,±1次
光,±2次光及び±3次光の7分割等としてもよい。こ
の場合は、後に説明する選択手段における選択枝を増や
すことができ、より最適な再生出力を選択可能とするこ
とができる。
【0010】次に、このように複数分割された光がそれ
ぞれ光記録媒体に照射されると、該各光の反射光が生ず
る。この各反射光は、それぞれ集光手段及び反射透過手
段を介して受光手段に照射される。受光手段は、上記照
射される各反射光分の受光領域を有しており、該受光領
域により各反射光を受光し、この受光した反射光に応じ
た光量検出信号を形成し、これらを選択手段に供給す
る。この各光量検出信号は、上記光記録媒体がピット記
録の再生専用の光ディスクの場合はいわゆるRF信号で
あり、また、光記録媒体が光磁気ディスクの場合はいわ
ゆるMO信号である。
【0011】ここで、光記録媒体に走査方向の傾き(光
記録媒体がディスク状記録媒体の場合は記録トラック方
向)が生ずると、それまで光記録媒体に対して垂直に照
射されていた零次光に代わって、+1次光或いは−1次
光が光記録媒体に対して垂直に照射されるようになり、
上記零次光の光量検出信号よりも+1次光の光量検出信
号或いは−1次光の光量検出信号の方が記録情報を正確
に記録再生できるものとなる。このため、傾き検出手段
は、光記録媒体の走査方向の傾きを検出し、この検出出
力を選択手段に供給する。選択手段は、上記傾き検出手
段からの検出出力が供給されると、この検出出力に応じ
て上記零次光の光量検出信号,+1次光の光量検出信号
及び−1次光の光量検出信号の中から最適なものを選択
し、これを記録情報の再生出力として出力する。
【0012】これにより、光記録媒体の走査方向の傾き
に応じて最適な光量検出信号(再生出力)を出力するこ
とができる。上記走査方向に傾きが生ずると、該傾きが
生じた箇所がディスクが1回転する毎に走査されること
となるため、高速回転するディスクに合わせて光学系全
体を傾斜駆動する等の機械的制御によっては対応困難な
のであるが、本発明では、電気的に対応しているため、
高速回転するディスクに追従して走査方向の傾きに対応
することができる。また、記録再生機能の劣化は、上記
走査方向に直交する方向(光記録媒体が光ディスクの場
合は、ディスク径方向)の傾きが生じているときより
も、走査方向の傾きが生じているときのほうがより顕著
であるが、本発明では、上述のようにこの走査方向の傾
きに対応することができるため、記録再生機能の向上を
図ることができる。そして、このような走査方向の傾き
に対して電気的に対応することができるため、機械的な
傾き制御機構を不要とすることができ、部品点数の削減
及び構成の簡略化を通じて当該光記録媒体の記録及び/
又は再生装置のローコスト化を図ることができる。
【0013】次に、例えば光記録媒体の走査方向から見
て+1次光,零次光,−1次光の順に各光が照射される
ものとすると、媒体上のAの記録位置は+1次光,零次
光,−1次光が順に照射され走査されることとなる。そ
して、この各光で順次走査されることにより、+1次光
で再生されたAの記録位置の記録情報,零次光で再生さ
れたAの記録位置の記録情報,−1次光で再生されたA
の記録位置の記録情報が順に選択手段に供給されること
となる。このため、走査方向の傾きに応じて、例えば零
次光の光量検出信号から+1次光の光量検出信号に再生
出力を切り換えたとすると、上述のように+1次光は零
次光よりも時間的に先に上記Aの記録位置を走査するこ
ととなるため、該切り換えにより再生位置が+1次光の
走査位置に跳ぶこととなり、再生出力にぬけを生ずる。
また、この逆に、零次光の光量検出信号から−1次光の
光量検出信号に再生出力を切り換えたとすると、上述の
ように−1次光は零次光よりも時間的に後に上記Aの記
録位置を走査することとなるため、該切り換えにより同
じ記録位置の再生出力が重複する不都合を生ずる。そし
て、この再生出力に基づいてシステムクロックを形成す
る場合、上記再生出力のずれ及び重複により、形成され
るシステムクロックに位相ずれ等を生じスピンドルサー
ボ等の各部の正確なサーボ制御に支障を来す。
【0014】このため、本発明に係る光記録媒体の記録
及び/又は再生装置には、上記集光手段を介して光記録
媒体に照射される各光の照射位置が異なることにより生
ずる上記各光量検出信号の検出タイミングのズレを是正
して上記選択手段に供給するタイミング是正手段が設け
られている。このタイミング是正手段としては、例えば
各光量検出信号に対して、上記零次光及び±1次光の照
射位置のずれ及び走査速度を考慮した遅延回路等を適用
することができる。
【0015】上記選択手段は、上記タイミング是正手段
によりタイミング合わせがなされて供給される各光量検
出信号の中から最適なものを選択して出力する。これに
より、上記選択手段の切り換えにともなう再生出力のぬ
け,重複を防止することができ、より記録再生性能の向
上を図ることができる。
【0016】なお、このように選択手段により光量検出
信号の切り換えを行うと、再生出力の不連続性が懸念さ
れるが、これは、デジタル記録される光記録媒体に一般
的に用いられているエラーコレクションにより充分補正
可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光記録媒体の
記録及び/又は再生装置の好ましい実施の形態について
図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る光記
録媒体の記録及び/又は再生装置は、図1に示すように
光ディスク1に記録された記録データを再生する光ディ
スク再生装置に適用することができる。この光ディスク
再生装置は、例えば直径12cm,基板厚1.2mm,
トラックピッチ1.6μmの第1の光ディスク、及び、
直径12cm,基板厚0.6mm,トラックピッチ0.
84μmの第2の光ディスクの両方の光ディスクを、該
各光ディスクの径方向の傾き及び記録トラック方向の傾
きに対応して再生可能となっている。
【0018】すなわち、この光ディスク再生装置は、光
ディスク1にレーザビームを照射しこの反射光の光量に
応じた光量検出信号を出力する光学系2と、上記光学系
2からの光量検出信号に基づいて3種類の再生信号(R
F信号)を形成し、該各RF信号の中から最適なものを
選択して出力する検出系3とを有している。また、光デ
ィスクの反射率に基づいて該光ディスクの種類を検出す
るディスク判別部4と、該ディスク判別部4からの判別
出力に応じて上記光学系2の回折格子18を回転駆動す
る回折格子駆動部17と、光ディスク1の記録トラック
方向の傾きを検出し、この検出出力により上記検出系3
の各RF信号を選択制御するスキューセンサ14とを有
している。
【0019】上記光学系2は、図2〜図4に示すような
軸摺動型の光学系となっている。この図2及び図3にお
いて、可動部20は、それぞれ非磁性材料で形成される
ボビン20A及び保持体20Bで構成されている。保持
体20Bの中心位置には、軸方向に嵌挿された管状の軸
受部21が設けられている。また、ボビン20Aの外周
面には、当該可動部20をフォーカス方向(ディスク板
面上に対して垂直方向)に可動させるためのフォーカス
コイル22が、上記軸受部21を中心とする環を形成す
るように巻回されている。また、このフォーカスコイル
22の表面上には、これと密接して当該可動部20をト
ラッキング方向(ディスクの径方向)に移動させるため
の2組のトラッキングコイル23A,23Bがそれぞれ
設けられている。このトラッキングコイル23A,23
Bは、その巻回軸方向がそれぞれ上記フォーカスコイル
22の巻回軸方向と直交しており、ボビン20Aの外周
面上に計4個の環を形成するように設けられている。
【0020】上記光学系2の中央部には、該光学系2の
厚み分の長さを有する支持軸29が貫通配設されてい
る。また、上記保持体20Bには、上記支持軸29に対
して偏心した位置に、該支持軸29の中心軸に対して平
行な段付きの孔37が穿設されている。この孔37に
は、鏡筒25が設けられており、該鏡筒25内には、対
物レンズ7,1/4波長板26,コリメータレンズ27
及び偏光ビームスプリッタ6が各光軸が一致するように
一列に配設されている。そして、上記ボビン20Aに
は、その検出面が偏光ビームスプリッタ6側に向けられ
たフォトディテクタ8、半導体レーザ5、及び上記偏光
ビームスプリッタ6の間に設けられ該半導体レーザ5か
らのレーザビームを零次光及び±1次光に3分割して偏
光ビームスプリッタ6に照射する回折格子18が設けら
れている。
【0021】上記半導体レーザ5は、一列に配設された
対物レンズ7,1/4波長板26,コリメータレンズ2
7及び偏光ビームスプリッタ6の各光学部品に対して重
量的に略対称となるように、上記ボビン20Aに設けら
れている。また、上記支持軸29には、図4に示すよう
に半導体レーザ5からのレーザビームの光路となる孔3
4が穿設されており、この孔34を介して半導体レーザ
5からのレーザビームが上記偏光ビームスプリッタ6に
照射されるようになっている。なお、保持体20Bに一
体的に形成された軸受部21にも、上記支持軸29の孔
34に対応する位置にレーザビームの光路となる孔35
が設けられている。
【0022】このように構成された可動部20は、磁性
材の固定ヨーク28の中央部に植立固定された支持軸2
9が軸受部21の中心孔に案内挿入されることで、摺回
動自在に支持されている。すなわち、上記可動部20
は、支持軸29の軸方向に摺動自在にかつ軸の回りに回
動自在に支持されている。さらに、固定ヨーク28の下
面には、支持軸29を中心とする環状の永久磁石30が
密接して固着されている。また、この永久磁石30の下
端面には、突片部31を有する第1のヨーク部32が固
着されている。また、固定ヨーク28には、第1のヨー
ク部32の突片部31に対抗してボビン20Aの内側に
配置される第2ヨーク部33が突設されている。これら
固定ヨーク28,永久磁石30,第1のヨーク部32及
び第2のヨーク部33によって磁気回路が構成されてお
り、第1のヨーク部32と第2のヨーク部33との間の
磁気空隙内に、フォーカスコイル22とトラッキングコ
イル23A,23Bが配設されている。さらに、上記固
定ヨーク28には、保持体20Bに保持された鏡筒25
の外径より大きな径の孔37が穿設され、鏡筒25の上
端がこの孔37内に案内挿入されている。
【0023】上記フォトディテクタ8は、上記回折格子
18で3分割されたレーザビームの各反射光をそれぞれ
受光する位置に第1〜第3のフォトディテクタ9〜11
を配して形成されている。第1のフォトディテクタ9
は、上記回折格子18により3分割されたレーザビーム
のうち、零次光(メインビーム)の反射光を受光するフ
ォトディテクタであり、その受光領域は、受光するメイ
ンビームの反射光の光軸を中心として放射状に4等分割
(受光領域A〜受光領域D)されている。なお、上記受
光領域Aと受光領域Bとの境目及び受光領域Cと受光領
域Dとの境目は、それぞれ光ディスク1のトラック方向
と一致するように分割されている。
【0024】第2のフォトディテクタ10及び第3のフ
ォトディテクタ11は、上記回折格子18により3分割
されたレーザビームのうち、±1次光の各サイドビーム
の反射光を受光する位置にそれぞれ設けられており、そ
れぞれ受光領域は1つ(受光領域E及び受光領域F)と
なっている。
【0025】次に、上記光学系2内に設けられている回
折格子18と回折格子駆動部17との関係は、図5
(a)に示すようになっている。この図5(a)におい
て、上記回折格子18は略々円板形状となっており、そ
の外周部に沿ってギヤ部18aを有している。上記回折
格子駆動部17は、ステッピングモータ40の回転軸4
0aに上記回折格子18の径よりも小径の回転ギヤ41
を設けて構成されている。そして、この回転ギヤ41の
ギヤ部41aは、上記回折格子18のギヤ部18aと噛
み合うように配されている。上記ステッピングモータ4
0は、ディスク判別回路4が判別した光ディスク1の種
類に応じて回転駆動されるようになっており、このステ
ッピングモータ40の回転力が上記各ギヤ部41a及び
18aを介して回折格子18に伝達され、該回折格子1
8が所定分回転されるようになっている。そして、この
ように回折格子18を回転駆動することにより、各ビー
ムの照射位置をずらし、第1,第2の光ディスクのトラ
ックピッチに合った照射状態とするようになっている。
【0026】次に、上記光学系2は、通常その光軸が、
図6に示すように光ディスク1の記録面に対して垂直と
なる軸である軸P2と一致するように設けられるのであ
るが、当該光ディスク再生装置においては、光学系2
が、光ディスク1の記録面に対して所定の角度であるθ
/2度をもって設けられており、これにより光ディスク
1の径方向の傾きに対応するようになっている。
【0027】すなわち、上述のように当該光ディスク再
生装置は、基板厚が1.2mmの第1の光ディスクと、
基板厚が0.6mmの第2の光ディスクとの両方が再生
可能となっているのであるが、第2の光ディスクをスピ
ンドルモータ1cにより例えば角速度一定で回転駆動さ
れるターンテーブル1bに装着し、この上からチャッキ
ング部1aで該第2の光ディスクの中心部分を圧着する
と、基板厚が0.6mmと薄いことから該圧着により第
2の光ディスクに反りを生ずる。この反りにより生ずる
ディスクの傾きは、各ディスク毎に多少異なるのである
が、各ディスク毎に統計をとって傾き角の分布(傾き分
布:この場合、ディスク形成時に生ずる反りやゆがみも
含まれたかたちの分布が形成される。)を求めると平均
化された傾き角θを得ることができる。また、上記光学
系2が正確に記録データの再生を行うことができるレー
ザビームの照射角度は、光ディスクの記録面に対してレ
ーザビームが垂直に照射される角度を中心として±方向
にθ程度の角度的余裕がある(傾き許容角度)。このた
め、当該光ディスク再生装置の光学系2は、本来的に光
軸を合わせるべき軸である軸P2に対してθ/2傾いた
軸P1に光軸を合わせるようにして設けられている。
【0028】なお、このように角度θをもって光学系2
を設けると、基板厚が1.2mmの第1の光ディスクは
上記チャッキング部1aで圧着されても反りを生じない
ため、該第1の光ディスク全体が常にθ/2の角度誤差
をもって再生されることとなるが、上述のようにこのθ
/2の角度誤差は、当該光学系2の傾き許容角度範囲内
であるため、問題なく正確に記録データを再生すること
ができる。
【0029】次に、上記検出系3は、フォトディテクタ
8内の第2,第3のフォトディテクタ10,11からの
各光量検出信号を比較処理してトラッキングエラー信号
を形成する比較器12aと、第1のフォトディテクタ9
の受光領域A及び受光領域Cからの各光量検出信号を加
算処理する加算器12bと、該第1のフォトディテクタ
9の受光領域B及び受光領域Dからの各光量検出信号を
加算処理する加算器12cとを有している。また、上記
各加算器12b,12cからの各加算出力を加算処理し
てメインビームに基づいた第1のRF信号を形成する加
算器12eと、上記各加算出力を比較処理してフォーカ
スエラー信号を形成する比較器12dとを有している。
また、上記検出系3は、上記比較器12eからの第1の
RF信号,上記第2のフォトディテクタ10からの第1
のサイドビームの光量検出信号である第2のRF信号,
上記第3のフォトディテクタ11からの第2のサイドビ
ームの光量検出信号である第3のRF信号の中から最適
なものを選択して出力する選択回路15と、上記各ビー
ムの照射位置が異なることにより生ずる各フォトディテ
クタ9〜11の検出タイミングのずれを是正して上記選
択回路15に供給する第1〜第3の遅延回路13a〜1
3cと、光ディスク1の記録トラック方向の傾きを検出
し、この検出出力により上記選択回路15を選択制御す
るスキューセンサ14とを有している。
【0030】すなわち、当該光ディスク再生装置は、予
めθ/2の傾きをもって光学系2を設けることにより
「径方向の傾き」に対応し、上記選択回路15により上
記各ビームに基づいて形成された第1〜第3のRF信号
の中から最適なものを選択して出力することにより「ト
ラック方向の傾き」に対応するようになっている。
【0031】次に、このような構成を有する光ディスク
再生装置の動作説明をする。まず、図3において、当該
光ディスク再生装置に光ディスク1が装着され再生が開
始されると、図3に示すように半導体レーザ5からレー
ザビームが出射される。この半導体レーザ5から出射さ
れたレーザビームは、回折格子18により零次光である
メインビーム、及び±1次光の第1,第2のサイドビー
ムに3分割され、偏光ビームスプリッタ6に入射され
る。偏光ビームスプリッタ6は、例えばP偏光成分の光
は反射し、該P偏光成分の光に対して直交する偏光方向
のS偏光成分の光は透過する特性を有している。これに
対して、半導体レーザ5からのレーザビームは、ほとん
どがP偏光成分となっている。このため、偏光ビームス
プリッタ6は、半導体レーザ5からのレーザビームを略
々全反射する。この偏光ビームスプリッタ6により反射
されたレーザビームは、コリメータレンズ27により平
行光とされるとともに、1/4波長板26により円偏光
化される。そして、対物レンズ7により所定のビームス
ポットとなるように収束され光ディスク1の盤面上に照
射される。
【0032】ここで、ディスク判別回路4は、当該光デ
ィスク再生装置に装着された光ディスク1にレーザビー
ムを照射し、この反射率を検出する。トラックピッチが
0.84μmの第2の光ディスクは、トラックピッチが
1.6μmの第1の光ディスクよりも高密度であり、第
2の光ディスクの反射率は、第1の光ディスクの反射率
よりも低くなっている。このため、ディスク判別回路4
は、上記反射率を検出することにより、当該光ディスク
再生装置に装着された光ディスクが第1の光ディスクで
あるか第2の光ディスクであるかを検出する。そして、
パルス状の信号である検出出力を図5(a)に示す回折
格子駆動部17のステッピングモータ40に供給する。
これにより、ステッピングモータ40の回転力が回転軸
40aに設けられている回転ギヤ41のギヤ部41a及
び回折格子18のギヤ部18aを介して回折格子18に
伝達される。そして、例えば装着された光ディスクがト
ラックピッチの広い第1の光ディスクである場合は、図
5(a)中A方向に回折格子18が回転駆動され、装着
された光ディスクがトラックピッチの狭い第2の光ディ
スクである場合は、同図(a)中B方向に回折格子18
が回転駆動される。これにより、光ディスクに照射され
る各サイドビームを、それぞれメインビームを中心とし
て回転させることができる。従って、当該光ディスク再
生装置にトラックピッチの狭い第2の光ディスクが装着
された場合は、図7(a)に示すようにメインビームを
記録トラックの中心に照射し、各サイドビームをディス
クの内周側及び外周側に1/4トラック分偏位させて照
射することができ、また、トラックピッチの広い第1の
光ディスクが装着された場合は、図7(b)に示すよう
にメインビームを記録トラックの中心に照射し、各サイ
ドビームをディスクの内周側及び外周側に1/4トラッ
ク分偏位させて照射することができる。
【0033】このような回折格子18の回転制御は、回
転角センサ(レゾルバ)による回転位置検出に基づいて
行われる。このレゾルバは、上記ステッピングモータ4
0の回転子コイルのまわりに2つの固定子コイルを90
度の角度をもって配置し、回転子コイルに所定周波数の
交流電圧を供給することで、回転子の角度変位に応じて
固定子コイルから得られる誘導電圧の振幅出力を機械的
な回転角として検出するものである。このレゾルバは、
ステッピングモータ40の極数以上の分解能の回転位置
検出が可能であるため、該レゾルバを用いることにより
上記回折格子18を微妙に回転させて各サイドビームの
照射位置を可変制御するようなステッピングモータ40
の細かい回転制御を可能とすることができる。また、上
記回折格子18の回転制御は、このようなステッピング
モータ40の回転制御と共に、上記回折格子18のギヤ
部18a及び回転ギヤ41のギヤ部41aの各ギヤの大
きさによっても調整されており、ステッピングモータ4
0が上記A方向或いはB方向に、例えば上記各ギヤの1
歯分回転駆動されると、第1の光ディスクに対して各サ
イドビームが上述の最適な位置に照射され、或いは第2
の光ディスクに対して各サイドビームが上述の最適な位
置に照射されるようになっている。
【0034】いわゆる3スポット法によりトラッキング
エラー検出を行う場合、各サイドビームが記録トラック
に対して所定分(1/4トラック分)偏位して照射され
ないと、該サイドビーム間の位相のずれに伴うトラッキ
ングエラー信号の振幅が減少し、正確なトラッキングエ
ラー検出に支障を来すのであるが、当該光ディスク再生
装置は、再生する光ディスクのトラックピッチに応じて
回折格子18を適宣回転駆動することができるため、ト
ラックピッチの広い第1の光ディスク及びトラックピッ
チの狭い第2の光ディスクの両方に対して、3スポット
法によるトラッキングエラー検出が可能なように各サイ
ドビームを照射することができる。このため、上記第
1,第2の光ディスクの両方を再生可能とすることがで
きる。
【0035】なお、上述のように回折格子18の回転量
は微少な量である。このため、上記回折格子18に設け
るギヤ部18aは、外周部全周に亘って設ける必要はな
く、ステッピングモータ40に設けられた回転ギヤ41
のギヤ部41aが噛み合う部分のみ設けるようにしても
よい。ただ、上記ギヤ部18aを回折格子18の外周部
全周に亘って設けることにより、ステッピングモータ4
0を回転駆動して各サイドビームの照射位置を可変する
ことにより得られるトラッキングエラー信号を、例えば
回転制御回路にフィードバックし、この回転制御回路に
よりトラッキングエラーが零となるようにステッピング
モータ40を回転制御する、フェーズ・ロックド・ルー
プ(PLL)的な回折格子18の回転制御を可能とする
ことができる。
【0036】次に、このように光ディスク1にレーザビ
ームが照射されることにより上記各レーザビームの反射
光が生ずる。この反射光は、上記レーザビームの光路と
同じ光路を通るのであるが、該レーザビームの進行方向
とは正反対の進行方向となる。このため、上記反射光は
対物レンズ7により平行光とされ、1/4波長板26に
より直線偏光化されることにより上記P偏光成分に対し
て偏光方向が直交するS偏光成分とされて偏光ビームス
プリッタ6に入射される。上述のように、上記偏光ビー
ムスプリッタ6は、P偏光成分を反射してS偏光成分を
透過する特性を有している。このため、上記偏光ビーム
スプリッタ6に入射された反射光は、該偏光ビームスプ
リッタ6を透過してフォトディテクタ8に照射される。
【0037】具体的には、上記5分割されたレーザビー
ムに対応する各反射光のうち、メインビームの反射光
は、上記フォトディテクタ8内の第1のフォトディテク
タ9に照射され、+1次光の第1のサイドビームの反射
光は第2のフォトディテクタ10に照射され、−1次光
の第2のサイドビームの反射光は第3のフォトディテク
タ11に照射される。
【0038】上記第2のフォトディテクタ10は、受光
した第1のサイドビームの反射光の光量に応じた光量検
出信号を形成し、これを比較器12aに供給すると共
に、第2のサイドビームに基づいて形成した第2のRF
信号として第2の遅延回路13b及びスキューセンサ1
4に供給する。また、第3のフォトディテクタ11は、
受光した第2のサイドビームの反射光の光量に応じた光
量検出信号を形成し、これを上記比較器12aに供給す
ると共に、第3のサイドビームに基づいて形成した第3
のRF信号として第3の遅延回路13cに供給する。比
較器12aは、上記第2のフォトディテクタ10からの
第1のサイドビームの光量検出信号及び第3のフォトデ
ィテクタ11からの第2のサイドビームの光量検出信号
を比較処理することにより、いわゆる3スポット法によ
り図10(b)に示すようなトラッキングエラー信号を
形成し、これを出力端子19aを介して後に説明するサ
ーボ制御系に供給する。
【0039】第1のフォトディテクタ9は、受光領域A
及び受光領域Cで受光したメインビームの反射光の光量
に応じた光量検出信号を形成し、これらを加算器12b
に供給するとともに、受光領域B及び受光領域Dで受光
したメインビームの反射光の光量に応じた光量検出信号
を形成し、これらを加算器12cに供給する。上記各加
算器12b,12cは、供給される各光量検出信号を加
算処理し、それぞれ比較器12d及び加算器12eに供
給する。上記比較器12dは、上記各加算器12b,1
2cからの各加算出力を比較処理することにより、フォ
ーカスエラー信号を形成し、これを出力端子19bを介
してサーボ制御系に供給する。また、上記加算器12e
は、上記各加算器12b,12cからの各加算出力を加
算処理することによりメインビームに基づいた第1のR
F信号を形成し、これを第1の遅延回路13aに供給す
る。
【0040】ここで、この例においては光ディスク1に
は、走査方向から見て第1のサイドビーム,メインビー
ム,第2のサイドビームの順に各ビームが照射されるの
であるが、該ディスク上のある記録位置Aは第1のサイ
ドビーム,メインビーム,第2のサイドビームが順に照
射され走査されることとなる。そして、この各ビームで
順次走査されることにより、第1サイドビームで再生さ
れた記録位置Aの記録データ,メインビームで再生され
た記録位置Aの記録データ及び第2のサイドビームで再
生された記録位置Aの記録データが順に形成されること
となる。後に説明するが、当該光ディスク再生装置は、
記録トラック方向の傾きに応じて第1〜第3のRF信号
のうち最適なものを選択して出力するのであるが、例え
ば選択回路15において、メインビームの第1のRF信
号から第1のサイドビームの第2のRF信号に切り換え
たとすると、上述のように第1のサイドビームはメイン
ビームよりも時間的に先に上記記録位置Aを走査するこ
ととなるため、該選択回路15の切り換えにより走査位
置がメインビームの走査位置から第1のサイドビームの
走査位置に跳ぶこととなり、記録データの再生にぬけを
生ずる(出力する記録データが不連続なものとなる)。
また、この逆に、メインビームの第1RF信号から第2
のサイドビームの第3のRF信号に切り換えたとする
と、第2のサイドビームはメインビームよりも時間的に
後に上記記録位置Aを走査することとなるため、該切り
換えにより同じ記録位置の記録データが重複して出力さ
れる不都合を生ずる。そして、このような記録データの
ぬけや重複が生ずると、選択回路15からのRF信号に
基づいてシステムクロックを形成する場合、上記再生出
力のぬけ及び重複により、形成されるシステムクロック
に位相ずれ等を生じスピンドルサーボ等の各部の正確な
サーボ制御に支障を来す。
【0041】このため、上記各遅延回路13a〜13c
は、それぞれ供給される各RF信号に対して以下に説明
する遅延処理を施し、該各RF信号の検出タイミングを
是正して出力する。すなわち、図9に示すように上記メ
インビーム(M)と第1のサイドビーム(E)とが+L
の距離をもって光ディスク1に照射され、該光ディスク
1がVの線速度(回転速度)で回転駆動されるものとす
ると、第1のサイドビームに基づいて検出された第2の
RF信号に必要な遅延量(Δτ)は+L/V=+Δτと
なる。同様に、第2のサイドビームに基づいて検出され
た第3のRF信号に必要な遅延量は−L/V=−Δτと
なる。
【0042】従って、上記第1の遅延回路13aは、メ
インビームに基づいて形成された第1のRF信号に対し
て、基準となる遅延量Δτ1の遅延処理を施し、これを
選択回路15の被選択端子15bに供給する。また、第
2の遅延回路13bは、上記メインビームよりも時間的
に先に上記記録位置Aに照射される第1のサイドビーム
に基づいて形成された第2のRF信号に対して、該第1
のRF信号の遅延量Δτ1に上記Δτの遅延量を加算し
た遅延量Δτ1+Δτの遅延処理を施し、これを選択回
路15の被選択端子15cに供給する。また、第3の遅
延回路13cは、上記メインビームよりも時間的に後に
上記記録位置Aに照射される第2のサイドビームに基づ
いて形成された第3のRF信号に対して、該第1のRF
信号の遅延量Δτ1から上記Δτの遅延量を減算した遅
延量Δτ1−Δτの遅延処理を施し、これを選択回路1
5の被選択端子15dに供給する。
【0043】これにより、それぞれ照射位置が異なるこ
とから生ずる各RF信号の検出タイミングのずれを是正
して上記選択回路15に供給することができる。
【0044】次に、光ディスク1に記録トラック方向の
傾きが生じていない場合は、図8(a)に示すようにメ
インビーム(M)が記録面に対して垂直に照射され、第
1のサイドビーム(E)が該記録面に対して+θEの角
度をもって照射され、第2のサイドビーム(F)が該記
録面に対して−θEの角度をもって照射される。
【0045】しかし、光ディスク1に記録トラック方向
の傾きが生ずると、図8(b)に示すようにそれまで記
録面に対して垂直に照射されていたメインビームに代わ
って、第1のサイドビーム(E)或いは第2のサイドビ
ーム(F)が記録面に対して垂直に照射されるようにな
る。このため、図8(c)に実線(M),一点鎖線
(E)及び点線(F)で示すように、ディスクに生じた
傾きによっては、メインビームで記録データを再生する
よりも、第1のサイドビーム或いは第2のサイドビーム
を用いた方が記録データを正確に再生できることとな
る。
【0046】このようなことから、スキューセンサ14
は、上記加算器12eから供給される第1のRF信号に
基づいて上記選択回路15を切り換え制御するための切
り換えパルスを形成し、これを該選択回路15に供給す
る。
【0047】すなわち、図10(a)に示すように上記
第1のサイドビームに基づいて形成された第2のRF信
号は、該第1のサイドビームの照射角度が記録面に対し
て垂直に近づくとレベルが上がり、逆に、記録面に対し
て垂直から遠ざかるとレベルが下がる。このため、スキ
ューセンサ14は、正極性の閾値(+θE)及び負極性
の閾値(−θE)を有しており、該各閾値と上記第2の
RF信号とをレベル比較する。そして、図10(c)に
示すように3値の選択パルスを選択回路15に供給す
る。上記選択回路15は、この3値の選択パルスに応じ
て選択端子15aにより被選択端子15b〜15dのい
ずれかを選択する。
【0048】具体的には、上記第2のRF信号のレベル
が正極性の閾値(+θE)を越える場合は、図8(b)
に示すように光ディスク1の記録面に対して第1のサイ
ドビームが垂直に照射され、該第1のサイドビームの反
射光量が増加したことを示している。そして、この場合
にはメインビームで形成された第1のRF信号よりも第
1のサイドビームで形成された第2のRF信号のほうが
記録データの正確な再生に適している。このため、スキ
ューセンサ14は、図10(c)に示すように第2のR
F信号のレベルが正極性の閾値(+θE)を越えている
間、+1の選択パルスを選択回路15に供給する。選択
回路15は、上記+1の選択パルスが供給されると、選
択端子15aで第2の遅延回路13bを介して第2のR
F信号が供給される被選択端子15cを選択する。これ
により、出力端子19cを介して第2のRF信号を出力
することができる。
【0049】また、上記第2のRF信号のレベルが負極
性の閾値(−θE)を越える場合は、光ディスク1の記
録面に対して第2のサイドビームが垂直に照射され、該
第2のサイドビームの反射光量が増加したのに対し第1
のサイドビームの反射光量が減少したことを示してい
る。そして、この場合にはメインビームで形成された第
1のRF信号よりも第2のサイドビームで形成された第
3のRF信号のほうが記録データの正確な再生に適して
いる。このため、スキューセンサ14は、図10(c)
に示すように第2のRF信号のレベルが負極性の閾値
(−θE)を越えている間、−1の選択パルスを選択回
路15に供給する。選択回路15は、上記−1の選択パ
ルスが供給されると、選択端子15aで第3の遅延回路
13cを介して第3のRF信号が供給される被選択端子
15dを選択する。これにより、出力端子19cを介し
て第3のRF信号を出力することができる。
【0050】また、上記第2のRF信号のレベルが正極
性の閾値(+θE)及び負極性の閾値(−θE)の中間
レベルにある場合は(いずれの閾値も越えない場合
は)、光ディスク1の記録面に対してメインビームが垂
直に照射され該メインビームの反射光量が増加したこと
を示している。そして、この場合にはメインビームで形
成された第1のRF信号が記録データの正確な再生に適
している。このため、スキューセンサ14は、図10
(c)に示すように第2のRF信号のレベルが正極性の
閾値(+θE)及び負極性の閾値(−θE)のいずれの
レベルも越えていない間、0の選択パルスを選択回路1
5に供給する。選択回路15は、上記0の選択パルスが
供給されると、選択端子15aで第1の遅延回路13a
を介して第1のRF信号が供給される被選択端子15b
を選択する。これにより、出力端子19cを介して第1
のRF信号を出力することができる。
【0051】このように、当該光ディスク再生装置は、
光ディスク1の記録トラック方向の傾きに応じて、メイ
ンビームの反射光で形成された第1のRF信号,第1の
サイドビームの反射光で形成された第2のRF信号及び
第2のサイドビームで形成された第3のRF信号を切り
換えて出力することができる。光ディスク1に記録トラ
ック方向の傾きが生ずると、該傾きが生じた箇所がディ
スクが1回転する毎に走査されることとなるため、高速
回転するディスクに合わせて光学系全体を傾斜駆動する
等の機械的制御によっては対応困難なのであるが、当該
光ディスク再生装置は、上述のように電気的に対応して
いるため、高速回転するディスクに追従して記録トラッ
ク方向の傾きに対応することができる。また、再生機能
の劣化は、ディスク径方向の傾きが生じているときより
も、記録トラック方向の傾きが生じているときのほうが
より顕著であるが、当該光ディスク再生装置では、上述
のようにこの記録トラック方向の傾きに対応することが
できるため、再生機能の向上を図ることができる。そし
て、このような記録トラック方向の傾きに対して電気的
に対応することができるため、機械的な傾き制御機構を
不要とすることができ、部品点数の削減及び構成の簡略
化を通じて当該光ディスク再生装置のローコスト化を図
ることができる。
【0052】なお、このように選択回路15により各R
F信号の切り換えを行うと、該切り換え直後に記録デー
タの不連続性が生ずることが懸念されるが、これは、デ
ジタル記録される光ディスク1に一般的に用いられてい
るエラーコレクションにより充分補正可能である。
【0053】次に、上記図1に示す比較器12aで形成
されたトラッキングエラー信号及び比較器12dで形成
されたフォーカスエラー信号は、それぞれ出力端子19
a及び出力端子19bを介して図示しないサーボ制御系
に供給される。サーボ制御系は、上記トラッキングエラ
ー信号に基づいてトラッキングエラーを零とするような
トラッキング制御信号を形成し、これを図2及び図3に
示す軸摺動型の光学系2のトラッキングコイル23A,
23Bにそれぞれ供給する。また、サーボ制御系は、上
記フォーカスエラー信号に基づいてフォーカスエラーを
零とするようなフォーカス制御信号を形成し、これを上
記光学系2のフォーカスコイル22に供給する。
【0054】上記トラッキング制御信号は、トラッキン
グエラーに応じてレベル及び極性を可変した電流となっ
ており、上記トラッキングコイル23A,23Bにこの
電流が流れると、該各トラッキングコイル23A,23
Bが、第1のヨーク部32の突片部31と第2のヨーク
部33との間に形成される磁気ギャップ中の磁界から、
支持軸29を中心として右方向若しくは左方向に回動を
誘発する力を受け、これに応じて可動部20が支持軸2
9を中心として、右方向若しくは左方向に回動する。こ
のとき、上記鏡筒25は可動部20の中心軸に対して偏
心して設けられているため、鏡筒25の光軸、すなわ
ち、対物レンズ7の光軸は光ディスク1の記録トラック
を横切る方向(図2の矢印t若しくは矢印t´の方向)
に移動し、トラッキング制御が行われる。
【0055】また、上記フォーカス制御信号は、フォー
カスエラーに応じてレベル及び極性を可変した電流とな
っており、上記フォーカスコイル22にこの電流が流れ
ると、フォーカスコイル22が、第1のヨーク部32と
第2のヨーク部33との間に形成される磁気ギャップ中
の磁界から、支持軸29に沿う方向への力を受け、これ
に応じて可動部20が支持軸29に沿って上方又は下方
に移動する。これにより、保持体20Bに設けられた鏡
筒25に収納された対物レンズ7,1/4波長板26,
コリメータレンズ27及び保持体20Bに固着された偏
光ビームスプリッタ6,半導体レーザ5がそれぞれの位
置関係を保ちながら全体で移動し、対物レンズ7が光デ
ィスク1の盤面に対して垂直方向に上下移動してフォー
カス制御が行われる。
【0056】なお、フォーカス制御信号がフォーカスコ
イル22に供給されると共に、トラッキング制御信号が
トラッキングコイル23A,23Bに供給された場合に
は、上述のフォーカス制御及びトラッキング制御が同時
に行われるようになっている。
【0057】このような軸摺動型の光学系2は、半導体
レーザ5からのレーザビームが対物レンズ7を往復で通
過してフォトディテクタ8に向かうまでの光路を形成す
る各光学部品が共通の可動部20に固着されているた
め、フォーカス制御及びトラッキング制御により各光学
部材の相対位置関係が変化する不都合を防止することが
できる。また、最初に位置決めした各レンズの最良点で
常時使用することができるため、安定した光学特性で使
用することができるうえ、光学上の視野を無限大まで拡
大することができる。さらに、収差除去を不要とするこ
とができ、レンズコストを安くすることができる。
【0058】また、支持軸29及び軸受部21の軸方向
の軸方向の長さを当該光学系2の厚み分の長さとするこ
とができるため、この支持軸29に対する可動部20の
摺回動を安定化することができる。このため、摺回動時
に可動部20を円滑に駆動することができ、高精度なフ
ォーカス制御及びトラッキング制御を行うことができ
る。また、支持軸29を中心として対物レンズ7,1/
4波長板26,コリメータレンズ27及び偏光ビームス
プリッタ6等からなる光学レンズ系と半導体レーザ5と
を重量的に略対称な位置に配置しているため、可動部2
0の重量的バランスをとることができ、安定した軸方向
の摺動及び軸回りの回動を可能とすることができる。
【0059】次に、上記光学系2は、図6に示したよう
に基板厚が0.6mmの第2の光ディスクがチャッキン
グ部1aにより圧着されることで生ずる第2の光ディス
クの径方向の傾き角θに対応して、該光学系2の傾き角
許容範囲内のθ/2の傾き角をもって設けられている。
上記第2の光ディスクと光学系2との相対的な傾き角
は、該ディスクの内周側から外周側にかけて徐々に大き
くなっている。このため、予め傾き角を設けず、光ディ
スクに対して垂直にレーザビームが照射されるように光
学系を設けると、図11に点線で示すようにディスク内
周側の再生時には上記相対的な傾き角が零(垂直)であ
るが、再生箇所がディスクの外周側に移動するにつれて
上記相対的な傾き角は徐々に大きくなり、最外周近傍で
は光学系2の傾き角許容範囲(+θ)を越え、記録デー
タの正確な再生が不可能となる。
【0060】しかし、当該光ディスク再生装置では、予
めθ/2の傾き角をもって光学系2が設けられているた
め、図11に実線で示すように内周側の再生時には、光
ディスクに対して−θ/2の照射角でレーザビームが照
射され、再生箇所が外周側に移動することによりディス
クの中間領域で上記相対的な傾き角が零(垂直)の状態
でレーザビームが照射され、最外周側の再生時であって
も当該光学系2の傾き角許容範囲(+θ)以下の照射角
でレーザビームが照射されるようになる。
【0061】すなわち、ディスクの中間領域以外は、内
周側及び外周側共に−θ以上及び+θ以下の相対的な傾
き角が生ずるのであるが、上述のようにこの傾き角θ
は、当該光学系2において正確に記録データの再生を行
うことができる傾き角許容範囲内の傾き角である。従っ
て、ディスクとレーザビームの相対的な角度を常に垂直
に制御するようなスキュー制御部を設けることなく、デ
ィスク径方向の傾きに対応することができ、該スキュー
制御部を省略することができる分、部品点数の削減及び
構成の簡略化を通じて当該光ディスク再生装置のローコ
スト化を図ることができる。
【0062】なお、基板厚が1.2mmの第1の光ディ
スクは、上記チャッキング部の圧着により反り(傾き)
が生ずることはほとんどないため、上記光学系2をθ/
2の傾き角をもって設けると、内周側から外周側まで常
に略々θ/2の照射角でレーザビームが照射されること
となるが、このθ/2の傾き角は上述のように光学系2
の傾き許容角度範囲内であるため、問題なく正確に記録
データの再生を行うことができる。また、このように所
定の傾きをもたせて光学系2を設けることにより、上記
第1の光ディスクに形成上の反りや歪みが生じていても
これを是正して正確に記録データの再生を行うことがで
きる。
【0063】また、上述の実施の形態の説明では、上記
回折格子18は、3スポット法によるトラッキングエラ
ー検出が可能なように半導体レーザ5からのレーザビー
ムを3分割し、該3分割されたレーザビームの反射光か
らそれぞれ第1〜第3のRF信号を形成し、これらを記
録トラック方向の傾きに応じて切り換えて出力すること
としたが、これは上記レーザビームを5分割する回折格
子を設け、選択回路により該5分割されたレーザビーム
の反射光に基づいて形成された5つのRF信号を記録ト
ラック方向の傾きに応じて切り換えて出力するようにし
てもよい。
【0064】また、上記メインビームの反射光と各サイ
ドビームの反射光にはレベル差がある。このため、図示
はしなかったが、各受光領域A〜Fの後段に設けられて
いる電流−電圧変換器(I−V変換器)の利得を可変制
御することで、上記光量差にともなう各RF信号のレベ
ル差を調整することが好ましい。
【0065】次に、本発明に係る光記録媒体の記録及び
/又は再生装置を適用した光ディスク再生装置の他の実
施の形態の説明をする。この他の実施の形態として説明
する光ディスク再生装置は、レーザビームを3分割する
上記回折格子18の代わりに、該レーザビームを5分割
する図12に示すような回折格子50を設け、これに対
応して上記光学系2のフォトディテクタ8の代わりに図
13に示すようなフォトディテクタ60を設けると共
に、上記検出系3の代わりに検出系70を設けた構成と
なっている。また、トラッキングエラー信号は、いわゆ
るプッシュプル法で検出するようになっている。従っ
て、上記回折格子50にはギヤ部は設けられておらず、
また、上記ディスク判別回路4及び回折格子駆動回路1
7も不要であるため設けられていない。なお、この他の
実施の形態に係る光ディスク再生装置は、これ以外は、
上述の実施の形態に係る光ディスク再生装置と同じ構成
であるため、当該他の実施の形態に係る光ディスク再生
装置の説明では、上記回折格子50,フォトディテクタ
60及び検出系70のみに言及することとし、他の部分
の詳細な説明は省略する。
【0066】すなわち、図12に示す回折格子50は、
上記半導体レーザ5から照射されるレーザビームを零次
光(メインビーム),+1次光(第1のサイドビー
ム),−1次光(第2のサイドビーム),+2次光(第
3のサイドビーム)及び−2次光(第4のサイドビー
ム)に5分割すると共に、この5分割された各レーザビ
ームを偏位させずに出射する。これにより、上記第1,
第2の光ディスクには、図14(a),(b)に示すよ
うに記録トラックに沿って、上記5分割された各ビーム
が直線上に並んで照射されることとなる。
【0067】図13において、上記5分割された各ビー
ムの反射光を受光するフォトディテクタ60は、メイン
ビームの反射光を受光する第1のフォトディテクタ6
1,第1のサイドビームの反射光を受光する第2のフォ
トディテクタ62,第2のサイドビームの反射光を受光
する第3のフォトディテクタ63,第3のサイドビーム
の反射光を受光する第4のフォトディテクタ64、及び
第4のサイドビームの反射光を受光する第5のフォトデ
ィテクタ65とで構成されている。上記メインビームの
反射光を受光する第1のフォトディテクタ61は、上記
図1に示した第1のフォトディテクタ9と同様に受光領
域A〜Dを有する4分割フォトディテクタとなってい
る。また、上記第2〜第5のフォトディテクタ62〜6
5は、それぞれ1つの受光領域E〜Hを有するフォトデ
ィテクタとなっている。このような各フォトディテクタ
61〜65は、上記各ビームを受光するとこの受光光量
に応じた光量検出信号を形成して出力する。
【0068】加算器71は、メインビームを受光する第
1のフォトディテクタ61の受光領域A及び受光領域C
からの各光量検出信号を形成し、これを比較器73に供
給する。また、加算器72は、上記第1のフォトディテ
クタ61の受光領域B及び受光領域Dからの各光量検出
信号を形成し、これを比較器73に供給する。比較器7
3は、上記各加算器71,72からの加算出力を比較す
ることにより、いわゆる非点収差法に基づくフォーカス
エラー信号を形成し、これを出力端子84を介して上述
のサーボ制御系に供給する。
【0069】加算器74は、上記第1のフォトディテク
タ61の受光領域A及び受光領域Dからの各光量検出信
号を形成し、これを比較器76に供給する。また、加算
器75は、上記第1のフォトディテクタ61の受光領域
B及び受光領域Cからの各光量検出信号を形成し、これ
を比較器76に供給する。比較器76は、上記各加算器
74,75からの加算出力を比較することにより、いわ
ゆるプッシュプル法に基づくトラッキングエラー信号を
形成し、これを出力端子85を介して上述のサーボ制御
系に供給する。
【0070】一方、加算器77は、上記加算器71、7
2からの各加算出力を加算処理することにより、第1の
フォトディテクタ61の各受光領域A〜Dの各光量検出
信号を加算処理した第1のRF信号を形成し、これを第
1の遅延回路78に供給する。また、上記第2〜第5の
フォトディテクタ62〜65は、上記各サイドビームの
受光光量に応じた第2〜第5のRF信号を形成し、これ
を第2〜第5の遅延回路79〜82に供給する。
【0071】上記メインビーム及び各サイドビームは、
図16に示すように該メインビームを中心として所定距
離(L)をおいてそれぞれ光ディスク1に照射される。
このため、各遅延回路78〜82は、上記照射位置の異
なる各ビームのRF信号の検出タイミングを合わせるた
めに、それぞれ供給される各RF信号に所定の遅延処理
を施して出力する。すなわち、上記各ビームのRF信号
の検出タイミングには、第1のRF信号の検出タイミン
グを基準としてL/V(Vは光ディスクの回転速度)の
ずれ(遅延量:Δτ)がある。このため、上記第1の遅
延回路78は、第1のRF信号に対して基準となる遅延
量τ1の遅延処理を施し、これを選択回路83の被選択
端子83fに供給する。また、第2の遅延回路79は、
第2のRF信号に対して、上記第1のRF信号に施され
た基準となる遅延量τ1に上記遅延量Δτを加算したτ
1+Δτの遅延量の遅延処理を施し、これを選択回路8
3の被選択端子83cに供給する。また、第3の遅延回
路80は、第3のRF信号に対して、上記第1のRF信
号に施された基準となる遅延量τ1から上記遅延量Δτ
を減算したτ1−Δτの遅延量の遅延処理を施し、これ
を選択回路83の被選択端子83dに供給する。また、
第4の遅延回路81は、第4のRF信号に対して、上記
第1のRF信号に施された基準となる遅延量τ1に遅延
量2Δτを加算したτ1+2Δτの遅延量の遅延処理を
施し、これを選択回路83の被選択端子83bに供給す
る。また、第5の遅延回路82は、第5のRF信号に対
して、上記第1のRF信号に施された基準となる遅延量
τ1から遅延量2Δτを減算したτ1−2Δτの遅延量
の遅延処理を施し、これを選択回路83の被選択端子8
3eに供給する。これにより、選択回路83の各被選択
端子83b〜83fにそれぞれ供給タイミングを合わせ
た各RF信号を供給することができる。
【0072】一方、スキューセンサ87は、+2次光の
受光光量を検出する第4のフォトディテクタ64からの
第4のRF信号に基づいて上記選択回路83の選択パル
スを形成する。すなわち、図15(a)に示すように上
記スキューセンサ87は、レベルθE,−θE,2θ
E,−2θEの4つの閾値を有しており、この各閾値と
上記第4のRF信号とを比較して5値の選択パルスを形
成するようになっている。具体的には、上記スキューセ
ンサ87は図15(b)に示すように、上記第4のRF
信号のレベルが閾値2θEのレベルを越えるときには、
+2次光(第3のサイドビーム)が光ディスク1に対し
て垂直に照射されていることを示しているため、+2の
選択パルスを形成し、これを選択回路83に供給する。
また、上記第4のRF信号のレベルが閾値−2θEのレ
ベル以下であるときには、−2次光(第4のサイドビー
ム)が光ディスク1に対して垂直に照射されていること
を示しているため、−2の選択パルスを形成し、これを
選択回路83に供給する。また、上記第4のRF信号の
レベルが閾値θEのレベルを越えるときには、+1次光
(第1のサイドビーム)が光ディスク1に対して垂直に
照射されていることを示しているため、+1の選択パル
スを形成し、これを選択回路83に供給する。また、上
記第4のRF信号のレベルが閾値−θEのレベル以下で
あるときには、−1次光(第2のサイドビーム)が光デ
ィスク1に対して垂直に照射されていることを示してい
るため、−1の選択パルスを形成し、これを選択回路8
3に供給する。そして、上記第4のRF信号のレベルが
上記いずれの閾値のレベルも越えないときには、零次光
(メインビーム)が光ディスク1に対して垂直に照射さ
れていることを示しているため、0の選択パルスを形成
し、これを選択回路83に供給する。
【0073】上記選択回路83は、0の選択パルスが供
給されると、選択端子83aで被選択端子83fを選択
する。これにより、上記第1の遅延回路78を介した第
1のRF信号が選択され、出力端子86を介して出力さ
れる。また、+1の選択パルスが供給されると、選択端
子83aで被選択端子83cを選択する。これにより、
上記第2の遅延回路79を介した第2のRF信号が選択
され、出力端子86を介して出力される。また、−1の
選択パルスが供給されると、選択端子83aで被選択端
子83dを選択する。これにより、上記第3の遅延回路
80を介した第3のRF信号が選択され、出力端子86
を介して出力される。また、+2の選択パルスが供給さ
れると、選択端子83aで被選択端子83bを選択す
る。これにより、上記第4の遅延回路81を介した第4
のRF信号が選択され、出力端子86を介して出力され
る。また、−2の選択パルスが供給されると、選択端子
83aで被選択端子83eを選択する。これにより、上
記第5の遅延回路82を介した第5のRF信号が選択さ
れ、出力端子86を介して出力される。
【0074】これにより、光ディスクの記録トラック方
向の傾きに対応して再生機能の向上を図ることができる
等、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。また、この場合は、5つの各ビームから形成した各
RF信号の中から最適なものを選択するようにしている
ため、3つの各ビームから形成した各RF信号の中から
最適なものを選択する上述の実施の形態よりも、選択す
るRF信号(±2次光のRF信号)が2つ多い分、より
細かな記録トラック方向の傾きに対応して再生機能の向
上を図ることができる。
【0075】なお、この本発明に係る他の実施の形態の
説明では、レーザビームを5分割して記録トラックに沿
って直線上に照射することとしたが、これは、上記レー
ザビームを零次光,±1次光に3分割して記録トラック
に沿って直線上に照射し、この3つのレーザビームの反
射光に基づいて形成された各RF信号の中から最適なも
のを選択して出力するようにしてもよい。
【0076】また、上述の各実施の形態の説明では、上
記光学系2として軸摺動型の光学系を用いることとした
が、これは複数の弾性支持体で片持支持した2軸デバイ
スの光学系を用いるようにしてもよい。
【0077】また、ディスク判別回路4は、ディスクの
反射率を検出して当該光ディスク再生装置に装着された
光ディスクの種類を検出することとしたが、これは、例
えばトラックピッチの狭い第2の光ディスクに当該ディ
スクの種別を示す情報を記録しておき、この情報が再生
されたときに第2の光ディスク用に回折格子18を回転
制御するようにしてもよい。或いは、サイドビーム用の
第2,第3のフォトディテクタをそれぞれ4分割フォト
ディテクタとして、非点収差法を用いてディスク判別を
行うようにする等、ディスクの種類を判別できる手法で
あれば何でも良い。また、このような自動判別を行わな
くても、ユーザがディスクの種類に応じて手動で回折格
子18を回転駆動するようにしてもよい。
【0078】また、上記回折格子18は、図5(a)を
用いて説明したように、ステッピングモータ40に設け
られた回転ギヤ41のギヤ部41aと回折格子18のギ
ヤ部18aとを直接噛み合わせることとしたが、これは
図5(b)に示すように上記各ギヤ部18a,41aを
ギヤ部42aの設けられたスライドギヤ42を介して噛
み合わせて回折格子18を回転制御するようにしてもよ
い。この場合、上記ディスク判別回路4の検出出力に応
じて駆動されるステッピングモータ40の回転力がスラ
イドギヤ42に伝達され、該スライドギヤ42が図中C
方向或いはD方向にスライドされる。そして、このよう
なスライドギヤ42のスライドにより、該スライドギヤ
42のギヤ部42aと噛み合わされたギヤ部18aを有
する回折格子18が回転駆動され、上述のように第1の
光ディスク或いは第2の光ディスクに対して最適に各サ
イドビームが照射されることとなる。
【0079】また、上記光学系2は、基板厚の薄い第2
の光ディスクがチャッキング部1a及びターンテーブル
1bでクランプされることにより生ずる「反り」に応じ
て予め傾き角をもって設けることによりディスクの径方
向の傾きに対応することとしたが、この光学系2の傾き
角は、ディスクに生ずる傾きの種類に応じて適宣変更し
てもよい。すなわち、例えば直径20cm或いは30c
mの大型の光ディスクは、自重により内周側から外周側
にかけて徐々に垂れ下がるかたちでディスク径方向の傾
きが生ずる。このため、このディスク径方向の傾き分布
を求め、光学系2の傾き許容範囲内でディスク全体が再
生できるように、予め傾きをもって該光学系2を設ける
ことにより、スキュー制御部を設けることなくディスク
径方向の傾きに対応して正確に記録データの再生を行う
ことができる。
【0080】最後に、上述の各実施の形態の説明では本
発明に係る光記録媒体の記録及び/又は再生装置を再生
専用の光ディスク再生装置に適用することとしたが、こ
れは、光ディスク記録装置或いは光ディスク記録再生装
置に適用してもよい。また、光ディスクの他、光カー
ド,光テープ等の光記録媒体に対して記録,再生を行う
機器であれば何にでも適用可能である。そして、第1の
光ディスクの基板厚は1.2mmで、第2の光ディスク
の基板厚は0.6mm等のように具体的な数値を掲げて
説明したが、これはほんの一例であり、この他、本発明
に係る技術的思想を逸脱しない範囲でれば種々の変更が
可能であることは勿論である。
【0081】
【発明の効果】本発明に係る光記録媒体の記録及び/又
は再生装置は、スキュー制御機構等を設けることなく、
光記録媒体の走査方向の傾きに対応して記録情報を正確
に記録再生することができる。このため、記録再生機能
の向上を図ることができる。また、上記スキュー制御機
構等を完全に省略することができる分、部品点数の削減
及び構成の簡略化を通じて当該光記録媒体の記録及び/
又は再生装置のローコスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の記録及び/又は再生
装置を適用した光ディスク再生装置のブロック図であ
る。
【図2】上記光ディスク再生装置に設けられている軸摺
動型の光学系の上面図である。
【図3】上記軸摺動型の光学系の断面図である。
【図4】上記軸摺動型の光学系の支持軸の孔の部分の横
断面図である。
【図5】上記光ディスク再生装置に設けられている回折
格子の回転駆動を説明するための構成図である。
【図6】第2の光ディスクの径方向の傾きに対応して設
けられている上記光学系を説明するための図である。
【図7】トラックピッチの異なる2種類の光ディスクに
それぞれ対応して3分割されたレーザビームが照射され
る様子を示す図である。
【図8】光ディスクの記録トラック方向に生ずる傾き
と、3分割されたレーザビームの照射角度を説明するた
めの図である。
【図9】上記3分割されたレーザビームからそれぞれ形
成された各RF信号に施す遅延量を説明するための図で
ある。
【図10】上記3分割されたレーザビームからそれぞれ
形成された各RF信号を選択するための選択パルスを説
明するためのタイムチャートである。
【図11】基板厚の薄い第2の光ディスクをクランプし
た際に生ずるディスク径方向の傾きに対応した角度をも
って設けられた光学系の再生特性を説明するための図で
ある。
【図12】本発明に係る光記録媒体の記録及び/又は再
生装置を適用した他の実施の形態の光ディスク再生装置
に設けられている回折格子の断面図である。
【図13】上記他の実施の形態の光ディスク再生装置の
ブロック図である。
【図14】上記他の実施の形態の光ディスク再生装置に
設けられている回折格子により5分割されて光ディスク
に照射されるレーザビームを示す図である。
【図15】上記5分割されたレーザビームからそれぞれ
形成された各RF信号を選択するための選択パルスを説
明するためのタイムチャートである。
【図16】上記5分割されたレーザビームからそれぞれ
形成された各RF信号に施す遅延量を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 光ディスク 1a チャッキング部 1b ターンテーブル 1c スピンドルモータ 2 光学系 3 検出系 4 ディスク判別回路 5 半導体レーザ 6 偏光ビームスプリッタ 7 対物レンズ 8 フォトディテクタ 9 第1のフォトディテクタ 10 第2のフォトディテクタ 11 第3のフォトディテクタ 13a〜13c 第1〜第3の遅延回路 14 記録トラック方向のスキューセンサ 15 選択回路 18,50 回折格子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光記録媒体に照射するための光を出射す
    る光源と、 上記光源からの光を複数に分光する分光手段と、 上記分光手段により分光された光を所定の割合で反射し
    透過する反射透過手段と、 上記反射透過手段を介した各光を収束して光記録媒体に
    照射する集光手段と、 上記集光手段により収束された各光が光記録媒体に照射
    されることにより生ずる各反射光を上記反射透過手段を
    介して受光し、この受光光量に応じた各光量検出信号を
    出力する受光手段と、 上記光記録媒体の走査方向の傾きを検出する傾き検出手
    段と、 上記傾き検出手段からの検出出力に応じて、上記受光手
    段からの各光量検出信号のうち記録情報の記録及び/又
    は再生に最適な光量検出信号を選択し、これを記録情報
    の再生出力として出力する選択手段とを有する光記録媒
    体の記録及び/又は再生装置。
  2. 【請求項2】 上記集光手段を介して光記録媒体に照射
    される各光の照射位置が異なることにより生ずる上記各
    光量検出信号の検出タイミングのズレを是正して上記選
    択手段に供給するタイミング是正手段を有する請求項1
    記載の光記録媒体の記録及び/又は再生装置。
  3. 【請求項3】 上記分光手段は、少なくとも、記録トラ
    ックの中心に照射される零次光と、該零次光が照射され
    る記録トラックの内方向及び外方向にそれぞれ所定分偏
    位して照射される±1次光とに上記光源からの光を分割
    して出射し、 上記選択手段は、上記傾き検出手段からの検出出力に応
    じて、少なくとも上記零次光の光量検出信号及び±1次
    光の光量検出信号の中から最適な光量検出信号を選択し
    て出力することを特徴とする請求項2記載の光記録媒体
    の記録及び/又は再生装置。
  4. 【請求項4】 上記分光手段は、少なくとも、記録トラ
    ックの中心に照射される零次光と、同じく該記録トラッ
    クの中心に照射される±1次光とに上記光源からの光を
    分割して出射し、 上記選択手段は、上記傾き検出手段からの検出出力に応
    じて、少なくとも上記零次光の光量検出信号及び±1次
    光の光量検出信号の中から最適な光量検出信号を選択し
    て出力することを特徴とする請求項2記載の光記録媒体
    の記録及び/又は再生装置。
JP7202291A 1995-08-08 1995-08-08 光記録媒体の記録及び/又は再生装置 Withdrawn JPH0954953A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7202291A JPH0954953A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 光記録媒体の記録及び/又は再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7202291A JPH0954953A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 光記録媒体の記録及び/又は再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0954953A true JPH0954953A (ja) 1997-02-25

Family

ID=16455116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7202291A Withdrawn JPH0954953A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 光記録媒体の記録及び/又は再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0954953A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100580163B1 (ko) * 1999-10-21 2006-05-16 삼성전자주식회사 디스크 경사 검출 가능한 광픽업장치
US7457218B2 (en) 2003-11-27 2008-11-25 Nec Corporation Data reproducing method using tilt adjustment and data reproducing apparatus for the same
US7796484B2 (en) 2005-09-21 2010-09-14 Nec Corporation Tilt adjusting method and information recording/reproducing apparatus using the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100580163B1 (ko) * 1999-10-21 2006-05-16 삼성전자주식회사 디스크 경사 검출 가능한 광픽업장치
US7457218B2 (en) 2003-11-27 2008-11-25 Nec Corporation Data reproducing method using tilt adjustment and data reproducing apparatus for the same
US7796484B2 (en) 2005-09-21 2010-09-14 Nec Corporation Tilt adjusting method and information recording/reproducing apparatus using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6222803B1 (en) Optical pickup for discriminating between and reading different types of optical discs
US5130965A (en) Optical recording/reproducing apparatus using a light spot switching means for centering beams on an information track
US7260032B2 (en) Focal point adjusting method, and optical pickup device
US6044048A (en) Optical pickup and optical disc device for accessing media of differing recording densities
KR100341335B1 (ko) 광디스크 플레이어 및 그 기록 또는 재생방법
EP0536718B1 (en) Optical pickup apparatus
US7957234B2 (en) Optical pickup apparatus
US5825561A (en) Focusing lens system for an optical head assembly
JPH0954953A (ja) 光記録媒体の記録及び/又は再生装置
WO2006006296A1 (ja) 光ピックアップ装置および光ディスク装置
JP2008097661A (ja) 光ピックアップ装置
JPH09128795A (ja) 光再生装置
US7623435B2 (en) Optical pickup device, and information recording and reproduction device
JPH08185637A (ja) フォーカス制御装置
JPH0935288A (ja) 光記録媒体の記録及び/又は再生装置
JPH0944892A (ja) 光記録媒体の記録及び/又は再生装置
US20060266918A1 (en) Optical pick-up device
JPH097197A (ja) 光記録媒体の記録及び/又は再生装置
KR100706468B1 (ko) 홀로그래픽 롬 디스크의 기준광 포커스 서보 장치
JPH0917017A (ja) 光ピックアップ装置
JPH0917022A (ja) 光学ヘッド装置
EP0944052A2 (en) Optical information storage unit
JPH1011793A (ja) 光学ピックアップ及び光ディスク装置
JPH0950641A (ja) 光学ヘッド装置
JPS6353617B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021105