JP3508007B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JP3508007B2
JP3508007B2 JP34531696A JP34531696A JP3508007B2 JP 3508007 B2 JP3508007 B2 JP 3508007B2 JP 34531696 A JP34531696 A JP 34531696A JP 34531696 A JP34531696 A JP 34531696A JP 3508007 B2 JP3508007 B2 JP 3508007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の記
録媒体に情報を記録し、または記憶した情報を再生する
光ディスク装置に用いられる光ピックアップ装置に関
し、特に基板厚さの異なる複数種類の記録媒体に対する
記録、再生等を行うために仕様の異なる2つの対物レン
ズを共通の可動部に搭載した互換対応の光ピックアップ
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク装置が大容量記録再生
装置として広く利用されている。この光ディスク装置に
は、通常、光ビームを照射する光源と、その光ビームを
収束して記録媒体としての光ディスクに照射する対物レ
ンズと、光ビームをその対物レンズに導く光学系と、対
物レンズをフォーカシング方向及びトラッキング方向に
移動制御する対物レンズ駆動装置とを備えた光ピックア
ップ装置が搭載されている。
【0003】ところで、光ディスクには、コンパクトデ
ィスク(CD)に代表されるような再生のみが可能なも
の、1度だけ記録が可能な追記(ライトワンス)型のも
の、光磁気方式や相変化方式などの何度でも記録、消去
が可能なものなど、様々なものが開発されている。ま
た、これら各種の光ディスクにおいては、近年、大容量
化及び高密度化に対する要請があるが、これらの要請を
満足するためには、光源の波長を短くすること、及び対
物レンズの開口数NAを大きくすることによって、スポ
ット径を小さくすればよいことが知られている。
【0004】そして、対物レンズの開口数NAを大きく
するとき、クロストークやトラッキングサーボに対する
ディスクのスキューの影響が小さくなるように、基板厚
さを薄くした光ディスクも既に提案されている。しかし
ながら、基板厚さの異なる光ディスクに対しては、それ
ぞれに適合した集光条件を備えた対物レンズを使用しな
ければ、必要な集光特性を得ることができない。
【0005】従来では上記集光特性の向上を図るため
に、例えば特開平6−333255号公報(以下、第1
の先行技術例という)には図7に示すように、対物レン
ズ駆動装置の可動部に2個の対物レンズ101,102
を搭載し、光ディスクの種類に応じて使い分ける手法を
用いた光ヘッド装置が知られている。
【0006】この第1の先行技術例では、ディスク10
3の半径方向に並べられた2つの対物レンズ101,1
02に対して、2つのミラー面を有するビーム分離ミラ
ーをその下方に配置し、光源に近い側のミラー面をハー
フミラー104とし、もう一方を反射ミラー105とし
ている。これにより、このビーム分離ミラーに入射した
光ビームは、2つの対物レンズ101,102に入射す
る。
【0007】上記第1の先行技術例では、ディスクの半
径方向に2つの対物レンズを並べて搭載しているが、こ
れとは別に本出願人が先に提案した特願平7−1605
25号では、ディスクの半径方向と直交する方向、すな
わちディスクの接線方向に2つの対物レンズを並べて搭
載する光ピックアップ装置を構成することも可能であ
る。なお、本出願人が先に提案した特願平8−1128
05号も対物レンズの平面視における配置は上記特願平
7−160525号と同様である。
【0008】図7に示した第1の先行技術例のようにデ
ィスクの半径方向に2つの対物レンズを並べる方式で
は、ディスクの外周側に位置する対物レンズを用いて、
ディスクの最内周のデータの記録、再生を行う場合、そ
のさらに内周側に位置する対物レンズがディスクを載置
するターンテーブルと干渉してしまうが、2つの対物レ
ンズをディスクの接線方向に並べる特願平7−1605
25号等のような構成ではそのような不都合はほぼ発生
しない利点がある。
【0009】特願平7−160525号等と同様に、2
つの対物レンズをディスクの接線方向に並べた場合の光
ピックアップ装置の構成例(以下、第2の先行技術例と
いう)を図8に示す。対物レンズ駆動装置50は、図示
しないハウジング上に設けられている。この対物レンズ
駆動装置50は、光磁気記録媒体用の対物レンズ51
と、再生専用光ディスク用の対物レンズ52との都合2
つの対物レンズと、これらの対物レンズ51,52を保
持するレンズホルダー53と、レンズホルダー53の上
下面に取り付けられた第1の基板54と、レンズホルダ
ー53の両側面の凹部に固着されたフォーカシングコイ
ル55及びトラッキングコイル56とにより可動部を形
成している。
【0010】第1の基板54の上下には、レンズホルダ
ー53をベース57に対してフォーカシング方向及びト
ラッキング方向に移動可能に支持するための弾性体58
が、それぞれ2本ずつ配置され、これらは可動部の重心
位置近傍を延長線上の交点とする略V字形状に配置され
ている。なお、レンズホルダー53の下面側に取り付け
られた第1の基板54及び弾性体58はレンズホルダー
上面側のそれと同様の形態であるので、図示省略してい
る。
【0011】弾性体58の一端は第1の基板54に、他
端はベース57の前端側に取り付けられた第2の基板5
9にそれぞれ固定されている。フォーカシングコイル5
5及びトラッキングコイル56の一部は、ヨーク60及
び永久磁石61により構成される磁気回路のギャップ内
に配置され、フォーカシングコイル55及びトラッキン
グコイル56の端子は、第1の基板54、弾性体58を
介して、第2の基板59に電気的に接続されている。
【0012】以上のような構成において、フォーカシン
グコイル55及びトラッキングコイル56に電流を流す
と、それぞれフォーカシング方向及びトラッキング方向
に独立して2つの対物レンズ51,52を駆動すること
ができる。
【0013】光学系62は、第1〜第3反射ミラー6
3、64、65、偏光ビームスプリッタ66、ホログラ
ムレーザ67、コリメートレンズ68、ウォラストンプ
リズム69、第4反射ミラー70、スポットレンズ7
1、第5反射ミラー72、光検出器73、1/4波長板
74及び光パワーモニター用光検出器75を備えてい
る。
【0014】そして、ホログラムレーザ67から出射さ
れた光ビームは、コリメートレンズ68により平行光に
変換され、偏光ビームスプリッタ66に入射する。偏光
ビームスプリッタ66は、入射したs偏光成分の約80
%を反射し、残りの約20%を透過するとともに、入射
したp偏光成分をほぼ100%透過するように設計され
ている。
【0015】したがって、コリメートレンズ68を経て
平行光となったs偏光成分の光ビームは、その約80%
が偏光ビームスプリッタ66で反射され、第1反射ミラ
ー63を経て、光磁気記録媒体用の対物レンズ51に入
射する。一方、残りの約20%は偏光ビームスプリッタ
66を透過して、第2,第3反射ミラー64、65を経
て、再生専用光ディスク用の対物レンズ52に入射す
る。
【0016】76はターンテーブルであって、前記対物
レンズ駆動装置50と光学系62は該ターンテーブル7
6に対して半径方向に一体移動可能に構成されている。
ターンテーブル76上にセットされた記録媒体が光磁気
ディスクの場合、光磁気記録媒体用の対物レンズ51を
経て光磁気ディスクの媒体面に照射された光ビームは、
カー効果を受けて、その偏光方向がわずかに変化した形
で偏光ビームスプリッタ66に戻って来る。このとき、
偏光ビームスプリッタ66におけるs偏光成分の透過率
は約20%で、p偏光成分の透過率はほぼ100%であ
るため、偏光ビームスプリッタ66を透過する光ビーム
はs偏光成分のみが減少し、p偏光成分はほとんど減少
しないので、偏光方向の回転角が増大する。
【0017】回転角が増大した光ビームは、ウォラスト
ンプリズム69によってp偏光成分及びs偏光成分をも
つ2本の光ビームに分けられる。2本の光ビームは第4
反射ミラー70、スポットレンズ71、第5反射ミラー
72を経て、光検出器73に入射する。光検出器73
は、入射した光ビームに応じた光磁気信号を出力する。
光ディスクで反射された光ビームのうち、偏光ビームス
プリッタ66で反射された成分、つまりs偏光成分は、
ホログラムレーザ67に戻り、サーボ信号検出に用いら
れる。
【0018】一方、光ディスクが再生専用ディスクの場
合、対物レンズ52を経て光ディスクで反射された光ビ
ーム(s偏光成分)は、その約20%が偏光ビームスプリ
ッタ66を透過し、ホログラムレーザ67に入射して、
サーボ信号及びRF信号の検出に用いられる。
【0019】次に、ホログラムレーザ67の構造につい
て図9を参照しながら説明すると、同図(A)はホログラ
ムレーザの構造を、(B)はホログラムのパターンを、
(C)はフォトダイオードのパターンをそれぞれ示してい
る。ホログラムレーザ67は、半導体レーザ77及び4
分割フォトダイオード78を一つのパッケージ79の中
に備えている。
【0020】パッケージ79の表面には、半導体レーザ
側となる一方の面にホログラム80が形成されたガラス
基板81が固定されている。ホログラム80は、格子周
期の異なる3つの領域からなり、ディスクからの反射光
のうち、図9(B)に示す第1の領域82に入射したもの
は図9(C)に示す光検出部D2,D3の分割線上に、第2
の領域83に入射したものは光検出部D1上に、第3の
領域84に入射したものは光検出部D4上に入射する。
【0021】ここで、4分割フォトダイオード78の光
検出部D1〜D4個々の出力を、それぞれS1〜S4とする
と、フォーカス誤差信号FESは、 FES=S2−S3 で与えられる。トラッキング誤差信号TESは、プッシ
ュプル法の場合、 TES=S1−S4 で与えられる。位相差法の場合は、S1とS4の位相差情
報をもとに、TESが演算される。反射光の強弱を検出
する方式の光ディスクの場合、再生信号RFは、
RF=S1+S2+S3+S4 で与えられる。
【0022】なお、1/4波長板74は、いずれの対物
レンズを使用している場合でも、ほぼ同じ光量が光検出
器73及びホログラムレーザ67に内蔵のフォトダイオ
ード78に戻るように、偏光方向を変化させる目的で光
路中に挿入されている。また、2つの対物レンズは、タ
ーンテーブル76つまり光ディスクにおける光ピックア
ップの送り方向に平行な中心線Lに対して対称に配置さ
れている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
第2の先行技術例のように、対物レンズ51,52を光
ディスクの接線方向に並べる構成では次のような問題点
がある。すなわち図10に示すように、光ディスク85
の半径線xに対して上下に偏心した位置に2つの対物レ
ンズ51,52が対称に配置されているため、光ディス
ク85の中心と対物レンズ51,52の中心とのなす角
度が、光ピックアップ装置のディスク半径方向位置によ
って変化してしまう。つまり、対物レンズ中心位置での
ディスク85の接線方向が半径位置によって異なること
になり、したがって、光ディスク半径位置によって光デ
ィスク85からの反射光の回折パターンが回転変位する
ことになる。このように、回折パターンに回転変位が生
じると、トラッキングエラー信号にオフセットが発生す
る。
【0024】図11は第2の先行技術例に対応する回折
パターンの方向とホログラムの分割線の方向の関係を示
している。トラッキングエラー信号検出方法が、プッシ
ュプル法である場合を例に挙げて、同図を参照しながら
オフセットの発生について説明すると、まず、光ディス
ク85のピットあるいはグルーブによる回折パターン8
6の方向と、ホログラムの分割線87の方向は、図11
(A)に示すように対物レンズ51,52が光ディスクの
中心線上にあるときに最適となるように調整されてい
る。その理由は、偏心したいずれかの対物レンズ51ま
たは52に最適となるように調整すると、他方の対物レ
ンズ52または51に対して回折パターン86の方向と
分割線87の方向とが大きくずれてしまうためであり、
両者平均的になるように中心線上にあるときに最適とな
るように合わせているのである。
【0025】図10に戻って、それぞれの対物レンズ5
1,52の偏心量が6mmの場合、光ピックアップ装置の
最内周位置を半径r1=23mm の位置とすると、対物レ
ンズ中心と光ディスク中心とのなす角度θ1=14.6°
となり、回折パターン86と分割線87の関係は図11
(B)に示すようになる。
【0026】また、光ピックアップ装置の最外周位置を
半径r2=58mmの位置とすると、対物レンズ中心と光デ
ィスク中心とのなす角度θ2=5.9°となり、回折パタ
ーン86と分割線87の関係は図11(C)に示すように
なる。このように回折パターン86と分割線87の方向
との間に角度ずれがあるため、トラッキングエラー信号
にオフセットが生じ、その量は角度ずれが大きくなる内
周側ほど大きくなることがわかる。以上はプッシュプル
法の場合であるが、他の検出方法でも同様のオフセット
が発生し、このオフセットの発生量は可及的に小さくす
ることが望ましい。
【0027】第2の先行技術例の構成において、一方の
対物レンズ51を使用している場合のトラッキングエラ
ー検出方法をプッシュプル法とし、他方の対物レンズ5
2を使用している場合のトラッキングエラー検出方法を
位相差法としたときのオフセット発生量をシミュレーシ
ョンしたところ、次のようなことが判明した。
【0028】図12は、ピット深さλ/5(λは光源の
波長であり、λ=635nmで計算)の再生専用ディスク
における、位相差法でのトラッキングエラー信号量とト
ラッキングエラー量との関係を調べたものである。図1
0に示したように、中心線Lに対して約15°の角度θ
1を有する場合と、約6°の角度θ2を有する場合とのグ
ラフを示している。トラッキングエラー信号量が0のと
きのトラッキングエラー量がオフセットを表しており、
オフセット量はθ1(=6°)の位置で11nm、θ2(=1
5°)の位置で33nmとなった。
【0029】一方、図13は、グルーブ深さ40nmの録
再ディスクにおける、プッシュプル法でのトラッキング
エラー信号量とトラッキングエラー量との関係を調べた
ものである。同様に、中心線Lに対して15°の角度θ
1 を有する場合と6°の角度θ2 を有する場合とのグラ
フを示している。トラッキングエラー信号量が0のとき
のトラッキングエラー量がオフセットを表しており、オ
フセット量はθ2(=6°)の位置で4nm、θ1(=15
°)の位置で11nmとなった。
【0030】以上のように、いずれの場合もオフセット
が発生するが、ピット深さλ/5の場合の位相差法での
オフセット発生量が特に大きく、この点が問題となる。
【0031】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、2つの対物レンズが
ディスクの接線方向に並んで搭載された光ピックアップ
において、異なる方法で検出されるトラッキングエラー
検出におけるオフセットの発生量が平均化されるよう
に、2つの対物レンズの位置、あるいは光検出器の分割
線の方向などを調整したり、各対物レンズ使用時のトラ
ッキングエラー信号の検出を2つの光検出器に分担さ
せ、それぞれをオフセットの発生量が最小となるように
調整することで、光ピックアップ装置全体としてトラッ
キングエラー信号のオフセットの発生が極力抑えられた
光ピックアップ装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ビームを収
束して、その収束光を記録媒体に照射するための対物レ
ンズを所定方向に移動制御するための対物レンズ駆動装
置を装置本体上に備え、前記対物レンズ駆動装置に前記
対物レンズが2個、記録媒体のおおむね接線方向に並ん
で搭載されている基本構成を備え、且つ、いずれの対物
レンズを使用している場合も共通の光検出器を用いてト
ラッキングエラー信号を検出するとともに、そのための
演算プロセスが、それぞれ異なる光ピックアップ装置を
対象としている。
【0033】そして、本発明の請求項1の光ピックアッ
プ装置は、装置本体が記録媒体の半径方向に移動可能に
構成されており、前記2個の対物レンズの中心を結ぶ線
分の中間位置は、前記装置本体の送り方向に平行で前記
記録媒体の中心を通る直線に対して、各対物レンズを使
用している場合のトラッキングエラー信号のオフセット
発生量が平均化される方向に偏心していることを特徴と
している。
【0034】この場合、オフセット発生量の平均化は例
えば2個の対物レンズの配置によって設定することがで
きるが、上記構成により、いずれかの対物レンズを使用
している場合に、トラッキングエラー信号のオフセット
の発生量が特に大きくなることを防止することができ、
光ピックアップ装置全体としてトラッキングエラー信号
のオフセットの発生を極力抑えることができる。
【0035】本発明の請求項2の光ピックアップ装置
は、前記各対物レンズを使用している場合のトラッキン
グエラー信号のオフセット発生量が平均化される方向
に、前記各対物レンズと前記光ディスクとの相対位置を
調整可能としたことを特徴としている。これにより、3
種類以上のディスクに対する互換装置でも、トラッキン
グエラー信号のオフセットの発生量をより平均値に近づ
けることが可能になり、光ピックアップ装置全体として
トラッキングエラー信号のオフセットの発生を極力抑え
ることができる。
【0036】本発明の請求項3の光ピックアップ装置
は、トラッキングエラー信号を検出するための光検出器
の分割線の方向は、一方の対物レンズを使用している場
合の最適な分割線の方向と、他方の対物レンズを使用し
ている場合の最適な分割線の方向との中間よりも、各対
物レンズを使用している場合のトラッキングエラー信号
のオフセット発生量が平均化される方向に所要角度回転
していることを特徴としている。
【0037】これにより、いずれかの対物レンズを使用
している場合に、トラッキングエラー信号のオフセット
の発生量が特に大きくなることを防止することができ、
光ピックアップ全体としてトラッキングエラー信号のオ
フセットの発生を極力抑えることができる。
【0038】本発明の請求項4の光ピックアップ装置
は、ホログラムを用いて前記記録媒体からの戻り光ビー
ムを分割することによりトラッキングエラー信号を検出
することが可能であって、前記ホログラムのトラッキン
グエラー検出のための分割線の方向は、一方の対物レン
ズを使用している場合の最適な分割線の方向と、他方の
対物レンズを使用している場合の最適な分割線の方向と
の中間よりも、各対物レンズを使用している場合のトラ
ッキングエラー信号のオフセット発生量が平均化される
方向に所要角度回転していることを特徴としている。
【0039】これにより、いずれかの対物レンズを使用
している場合に、トラッキングエラー信号のオフセット
の発生量が特に大きくなることを防止することができ、
光ピックアップ全体としてトラッキングエラー信号のオ
フセットの発生を極力抑えることができる。
【0040】本発明の請求項5の光ピックアップ装置
は、上記基本構成を備えた光ピックアップ装置におい
て、各対物レンズを使用している場合のトラッキングエ
ラー信号検出のための光検出手段をそれぞれ別個に備
え、前記それぞれの光検出手段における分割線の方向あ
るいはホログラムの分割線の方向が、それぞれの対物レ
ンズを使用している場合のトラッキングエラー信号のオ
フセット発生量がほぼ最小になるように角度設定されて
いることを特徴としている。
【0041】これにより、いずれの対物レンズを使用し
ている場合でも、トラッキングエラー信号のオフセット
の発生量を0に近づけることができ、光ピックアップ装
置全体としてのトラッキングエラー信号のオフセット発
生量を小さくできる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の詳細を
図面を参照しながら説明する。図1は本発明の請求項1
に対応する第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の
構成を示している。なお、対物レンズ駆動装置及び光学
系のそれぞれの構成は図8に示した従来構成と共通して
いる。すなわち、1は上側に配置された光磁気記録媒体
用の対物レンズ、2は下側に配置された再生専用光ディ
スク用の対物レンズであって、これら2つの対物レンズ
1,2は、光ビームを収束して、その収束光を記録媒体
としての光ディスクに照射するもので、該光ディスクの
おおむね接線方向に並んで配置されている。
【0043】これらの対物レンズ1,2を所定方向に移
動制御するための対物レンズ駆動装置3は、図示しない
ハウジング上に設けられている。この対物レンズ駆動装
置3は、2つの対物レンズ1,2をはじめ、これらの対
物レンズ1,2を保持するレンズホルダー4と、レンズ
ホルダー4の上下面に取り付けられた第1の基板5と、
レンズホルダー4の両側面の凹部に固着されたフォーカ
シングコイル6及びトラッキングコイル7と、により可
動部を形成している。
【0044】第1の基板5の上下には、レンズホルダー
4をベース8に対してフォーカシング方向及びトラッキ
ング方向に移動可能に支持するための弾性体9が、それ
ぞれ2本ずつ配置され、これらは可動部の重心位置近傍
を延長線上の交点とする略V字形状に配置されている。
弾性体9の一端は第1の基板5に、他端はベース8の前
端側に取り付けられた第2の基板10にそれぞれ固定さ
れている。なお、レンズホルダー4の下面側に取り付け
られた第1の基板5及び弾性体9はレンズホルダー上面
側のそれと同様の形態であるので、図示省略している。
【0045】フォーカシングコイル6及びトラッキング
コイル7の一部は、ヨーク11及び永久磁石12により
形成される磁気回路のギャップ内に配置され、フォーカ
シングコイル6及びトラッキングコイル7の端子は、第
1の基板5、弾性体9を介して、第2の基板10に電気
的に接続されている。
【0046】対物レンズ駆動装置3は以上のような構成
であり、フォーカシングコイル6及びトラッキングコイ
ル7に電流を流すと、それぞれフォーカシング方向及び
トラッキング方向に独立して2つの対物レンズ1,2を
駆動することかできる。
【0047】光学系13は、第1、第2反射ミラーとし
ての立ち上げミラー14,15、第3反射ミラーとして
のハーフミラー16、偏光ビームスプリッタ17、ホロ
グラムレーザ18、コリメートレンズ19、ウォラスト
ンプリズム20、第4反射ミラー21、スポットレンズ
22、第5反射ミラー23、光検出器24、1/4波長
板25及び光パワーモニター用光検出器26を備えてい
る。
【0048】そして、ホログラムレーザ18から出射さ
れた光ビームは、コリメートレンズ19により平行光に
変換され、偏光ビームスプリッタ17に入射する。偏光
ビームスプリッタ17は、入射したs偏光成分の約80
%を反射し、残りの約20%を透過するとともに、入射
したp偏光成分をほぼ100%透過するように設計され
ている。
【0049】したがって、コリメートレンズ19を経て
平行光となったs偏光成分の光ビームは、その約80%
が偏光ビームスプリッタ17で反射され、立ち上げミラ
ー14を経て、光磁気記録媒体用の対物レンズ1に入射
する。一方、残りの約20%は偏光ビームスプリッタ1
7を透過して、ハーフミラー16、立ち上げミラー15
を経て、再生専用光ディスク用の対物レンズ2に入射す
る。なお、1/4波長板25は、偏光方向を変化させる
目的で光路中に挿入されている。光検出器26はレーザ
の出射パワーをモニターするためのものである。
【0050】以上の構成において、本実施形態で前記先
行技術例と異なるところは、2つの対物レンズ1、2の
中間を通る直線が、ターンテーブル27(あるいは光デ
ィスク)の中心線(光ピックアップ装置の送り方向に平
行)Lに対して所定長さδだけ偏心している点にある。
そして、本実施形態では光磁気記録媒体用の対物レンズ
1を使用している場合のトラッキングエラーを検出する
ための演算プロセスをプッシュプル法とし、再生専用光
ディスク用の対物レンズ2を使用している場合のトラッ
キングエラーを検出するための演算プロセスを位相差法
としており、その偏心の方向は両者1,2のオフセット
発生量が平均化される方向となる。
【0051】ここで、図12及び図13の例を引いて述
べると、位相差法の場合の方がオフセット発生量が大き
いため、位相差法のオフセット発生量が減少し、プッシ
ュプル法のオフセット発生量が増加する方向に偏心させ
るとよい。具体的には図1に示すようにδだけ偏心させ
る。
【0052】なお、この場合、オフセットの発生量はデ
ィスクのピット深さやグルーブ深さによっても異なるた
め、ディスクの種類に応じて偏心させる方向を決定すれ
ばよい。これにより、いずれかの対物レンズを使用して
いる場合に、トラッキングエラー信号のオフセットの発
生量が特に大きくなることを防止することができ、光ピ
ックアップ装置全体としてトラッキングエラー信号のオ
フセットの発生を極力抑えることができる。
【0053】また、偏心量δはオフセットの発生量がち
ょうど平均化されるように設定する。このようにするこ
とにより、光ピックアップ装置全体としてのオフセット
の発生量を最も小さく抑制することかできる。図12及
び図13の例で言えば、2つの対物レンズ1,2の間隔
を12mmとすると、偏心量δが約3mmの場合に両者のオ
フセット発生量がほぼ平均化される。
【0054】図2は本発明の請求項2に対応する第2の
実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示してい
る。対物レンズ駆動装置3及び光学系13の構成は前記
第1の実施形態と共通しているので説明を省略する。本
実施形態では、各対物レンズ1,2を使用している場合
のトラッキングエラー信号のオフセット発生量が平均化
される方向に、各対物レンズ1,2と光ディスクとの相
対位置が調整可能である点である。
【0055】すなわち、対物レンズ駆動装置3及び光学
系13を搭載したハウジング28を光ディスクの半径方
向に移動可能に案内するガイド軸29を搭載したメカシ
ャーシ30を、トラッキング方向Trと垂直なタンジェ
ンシャル方向Taに移動できるように、モータによる駆
動機構31を備えている。予想されるピットの深さやグ
ルーブの深さ、トラッキングエラー信号の検出方法に従
って予め移動量を設定しておき、用いられる光ディスク
の種類に応じて所定の量だけメカシャーシ30を移動さ
せる。
【0056】例えば、仮にA、B2枚の光ディスクの互
換装置として用いる場合は、移動量として値Xを設定
し、光ディスクAと、別の光ディスクCとの互換装置と
して用いる場合は、移動量として値Yを設定しておく、
と言うようにすればよい。これにより、3種類以上の光
ディスクに対する互換装置であっても、トラッキングエ
ラー信号のオフセットの発生量をより平均値に近づける
ことが可能になり、光ピックアップ装置全体としてトラ
ッキングエラー信号のオフセットの発生を極力抑えるこ
とができる。
【0057】なお、本実施形態ではモータによる駆動機
構31によってメカシャーシ30を駆動することで調整
可能にしているが、モータ31を使わずにねじによる進
退機構等を用いて初期調整を行うことによっても、オフ
セットの発生量をより平均値に近づけることが可能であ
る。但し、装置の組み立て後は2種類のディスクの組み
合わせを変更することはできない。
【0058】また、モータによる駆動機構31によって
メカシャーシ30を駆動する場合には、使用する対物レ
ンズ1,2に応じて、それぞれのレンズ1,2が光ディ
スクの半径線L上に来る位置まで動かせば、オフセット
の発生をほぼ0に抑えることができるという点では望ま
しい。但し、メカシャーシ30の変位量が大きくなり、
図2に示すようにメカシャーシ30のターンテーブル2
7に近接する部分が円弧状にえぐられているような構造
では、十分な変位量か取れなくなる場合もある。
【0059】さらに、メカシャーシ30ではなく、対物
レンズ駆動装置3をそれぞれのレンズ1,2が光ディス
クの半径線(中心線)L上に来る位置まで動かすことで
も、同様の効果を得ることができ、メカシャーシ全体を
動かす方が駆動部分が重い分、得策ではない。
【0060】図3及び図4は本発明の請求項3に対応す
る第3の実施形態に係る光ピックアップ装置を、図3は
全体構成をそれぞれ示している。また、図4は同光ピッ
クアップ装置における光検出器の分割線の方向を光検出
器24の後ろ側から視認した図であって、(A)はプッシ
ュプル法に最適な分割線の方向、(B)が位相差法に最適
な分割線の方向、(C)が光ピックアップ装置全体として
最適な分割線の方向をそれぞれ示している。
【0061】対物レンズ駆動装置3及び光学系13の構
成は前記第1の実施形態と共通しているので説明を省略
する。但し、上側の対物レンズ1を用いる場合にはプッ
シュプル法によってトラッキングエラー信号を検出し、
下側の対物レンズ2を用いる場合には位相差法によって
トラッキングエラー信号を検出するものとする。
【0062】光ピックアップ装置のターンテーブル27
に対する配置関係は、図8の従来例と同様にターンテー
ブル27の半径線(中心線)Lに対して2つの対物レンズ
1,2が対称に配置した関係としている。異なっている
のはトラッキングエラー信号を検出するための光検出器
の分割線の方向である。ここでは、トラッキングエラー
信号を光検出器24によって検出するものとして説明す
る。
【0063】プッシュプル法の場合、対物レンズ1が半
径線(中心線)Lに対して上側にずれているため、図4
(A)に示すように、光検出器24に戻って来る回折パタ
ーン32はわずかに左回転した方向になる。したがっ
て、光検出器24の分割線33の方向も同じだけ回転さ
せるのが望ましい。回折パターン32の回転量は前述の
図10の説明でも明らかなように、光ピックアップ装置
の光ディスク半径位置によって変化する。したがって、
分割線33の回転量は、光ディスクの中周位置での回折
パターン32の回転量に合わせるのが最適と言える。
【0064】一方、位相差法の場合、対物レンズ2が半
径線(中心線)Lに対して下側にずれているため、図4
(B)に示すように、光検出器24に戻って来る回折パタ
ーン32はわずかに右回転した方向になる。したがっ
て、光検出器24の分割線33の方向も同じだけ回転さ
せるのが望ましい。回折パターン32の回転量は、図1
0の説明でも明らかなように、光ピックアップ装置の光
ディスク半径位置によって変化する。したがって、分割
線33の回転量は、光ディスクの中周位置での回折パタ
ーン32の回転量に合わせるのが最適と言える。
【0065】以上のように、それぞれのトラッキングエ
ラー信号検出において、最適な分割線33の方向は逆に
回転した方向になるが、図12及び図13の例では、位
相差法の場合の方がオフセット発生量が大きいため、図
4(C)に示すように、位相差法及びプッシュプル法によ
る角度の中間よりも位相差法のオフセット発生量が減少
し、プッシュプル法のオフセット発生量が増加する方向
に分割線33を回転させるとよいことがわかる。
【0066】すなわち、分割線33の回転方向は図4
(B)に示す場合と同じではあるが、回転量は図4(B)に
示す場合よりも小さく設定してある。これにより、いず
れかの対物レンズ1または2を使用している場合に、ト
ラッキングエラー信号のオフセットの発生量が特に大き
くなることを防止することができ、光ピックアップ装置
全体としてトラッキングエラー信号のオフセットの発生
を極力抑えることができる。
【0067】分割線33の回転量として、オフセットの
発生量がちょうど平均化されるように設定するようにす
れば、光ピックアップ装置全体としてのオフセットの発
生量を最も小さく抑えることができる。なお、光検出器
24における縦方向の分割線34は、ウォラストンプリ
ズム20によって左右に分割された光ビームを受光し
て、光磁気信号を検出するためのものである。
【0068】図5は本発明の請求項4に対応する第4の
実施形態に係る光ピックアップ装置におけるホログラム
の分割線の方向をホログラムレーザ18の後ろ側から見
た状態で示し、同図(A)はプッシュプル法に最適な分割
線の方向、(B)は位相差法に最適な分割線の方向、(C)
は光ピックアップ装置全体として最適な分割線の方向を
それぞれ示している。
【0069】但し、上側の対物レンズ1を用いる場合に
はプッシュプル法によってトラッキングエラ一信号を検
出し、下側の対物レンズ2を用いる場合には位相差法に
よってトラッキングエラー信号を検出するものとする。
また、本実施形態の光ピックアップ装置は図3に示した
光ピックアップ装置と共通の構成を備えており、トラッ
キングエラー信号をホログラムレーザ18で検出するも
のとしている。
【0070】光ピックアップ装置のターンテーブル27
に対する配置関係は、図8の従来例と同様にターンテー
ブル27の半径線(中心線)Lに対して2つの対物レンズ
1,2が対称に配置した関係としている。異なっている
のはトラッキングエラー信号を検出するためのホログラ
ムの分割線の方向である。プッシュプル法の場合、対物
レンズ1が半径線Lに対して上側にずれているため、図
5(A)に示すように、ホログラム35に戻って来る回折
パターン32はわずかに右回転した方向になるなお、前
記第3の実施形態とは、偏光ビームスプリッタ17で反
射されるか、透過するかの相違があるため、逆方向にな
る。
【0071】したがって、ホログラム35の分割線36
の方向も同じだけ回転させるのが望ましい。回折パター
ン32の回転量は、図10の説明でも明らかなように、
光ピックアップ装置の光ディスク半径位置によって変化
する。したがって、分割線36の回転量は、光ディスク
の中周位置での回折パターン32の回転量に合わせるの
が最適と言える。
【0072】一方、位相差法の場合、下側の対物レンズ
2は半径線Lに対して下側にずれているため、図5(B)
に示すように、ホログラム35に戻って来る回折パター
ン32はわずかに左回転した方向になる。したがって、
ホログラム35の分割線36の方向も同じだけ回転させ
るのが望ましい。回折パターン32の回転量は、図10
の説明でも明らかなように、光ピックアップ装置の光デ
ィスク半径位置によって変化する。したがって、分割線
36の回転量は、光ディスクの中周位置での回折パター
ン32の回転量に合わせるのが最適と言える。
【0073】以上のように、それぞれのトラッキングエ
ラー信号検出において、最適なホログラム分割線36の
方向は逆に回転した方向になるが、図12及び図13の
例では、位相差法の場合の方がオフセット発生量が大き
いため、図5(C)に示すように、プッシュプル法と位相
差法両者の角度の中間よりも位相差法のオフセット発生
量が減少し、プッシュプル法のオフセット発生量が増加
する方向に分割線36を回転させるとよい。
【0074】すなわち、分割線36の回転方向は図5
(B)の場合と同じであるが、回転量は図5(B)の場合よ
りも小さく設定してある。これにより、いずれかの対物
レンズを使用している場合に、トラッキングエラー信号
のオフセットの発生量が特に大きくなることを防止する
ことができ、光ピックアップ装置全体としてトラッキン
グエラー信号のオフセットの発生を極力抑えることがで
きる。分割線36の回転量としては、オフセットの発生
量がちょうど平均化されるように設定するのが、光ピッ
クアップ装置全体としてのオフセットの発生量を最も小
さく抑えることができる。なお、ホログラム35におけ
るほぼ水平方向の分割線37は、図9で説明したよう
に、ホログラムを用いてフォーカスエラー信号を検出す
るためのものである。
【0075】図6は本発明の請求項5に対応する第5の
実施形態に係る光ピックアップ装置におけるホログラム
及び光検出器の分割線の方向をホログラムレーザ18及
び光検出器24の後ろ側から見た状態で示し、同図(A)
はプッシュプル法に最適な分割線の方向、(B)は位相差
法に最適な分割線の方向をそれぞれ示している。
【0076】本実施形態では、図3に示した光ピックア
ップ装置の構成において、プッシュプル法によるトラッ
キングエラー信号をひとつの光検出手段としてのホログ
ラムレーザ18で検出し、位相差法によるトラッキング
エラー信号を他の光検出手段としての光検出器24で検
出するものとしている。但し、上側の対物レンズ1を用
いる場合にはプッシュプル法によってトラッキングエラ
ー信号を検出し、下側の対物レンズ2を用いる場合には
位相差法によってトラッキングエラー信号を検出するも
のとする。
【0077】光ピックアップ装置のターンテーブル27
に対する配置関係は、図8の従来例と同様にターンテー
ブル27の半径線(中心線)Lに対して2つの対物レンズ
1,2が対称に配置した関係としている。異なっている
のはトラッキングエラー信号を検出するためのホログラ
ム35及び光検出器24の分割線36,33の方向であ
る。
【0078】プッシュプル法の場合、上側の対物レンズ
1が半径線(中心線)Lに対して上側にずれているため、
図6(A)に示すように、ホログラム35に戻って来る回
折パターン32はわずかに右回転した方向になる。した
がって、ホログラム35の分割線36の方向も同じだけ
回転させるのが望ましい。回折パターン32の回転量
は、図10の説明でも明らかなように、光ピックアップ
装置の光ディスク半径位置によって変化する。したがっ
て、分割線36の回転量は、光ディスクの中周位置での
回折パターン32の回転量に合わせるのが最適と言え
る。
【0079】一方、位相差法の場合、下側の対物レンズ
2が半径線Lに対して下側にずれているため、図6(B)
に示すように、光検出器24に戻って来る回折パターン
32はわずかに右回転した方向になる。したがって、光
検出器24の分割線33の方向も同じだけ回転させるの
が望ましい。回折パターン32の回転量は、図10の説
明でも明らかなように、光ピックアップ装置の光ディス
ク半径位置によって変化する。したがって、分割線33
の回転量は、光ディスクの中周位置での回折パターン3
2の回転量に合わせるのが最適と言える。
【0080】以上のように、本実施形態では各対物レン
ズ1,2を使用している場合のトラッキングエラー信号
検出のための光検出手段をそれぞれ別個に備え、光検出
器24の分割線33の方向とホログラム35の分割線3
6の方向が、それぞれの対物レンズ1,2を使用してい
る場合のトラッキングエラー信号のオフセット発生量が
ほぼ最小になるように角度設定されているため、いずれ
の対物レンズ1,2を使用している場合でも、トラッキ
ングエラー信号のオフセットの発生量を0に近づけるこ
とができ、光ピックアップ装置全体としてのトラッキン
グエラー信号のオフセット発生量を小さくすることがで
きる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したのように、本発明の請求項
1に記載の光ピックアップ装置によれば、2個の対物レ
ンズの中心を結ぶ線分の中間位置が、装置本体の送り方
向に平行で記録媒体の中心を通る直線に対して、各対物
レンズを使用している場合のトラッキングエラー信号の
オフセット発生量が平均化される方向に偏心した構成と
しているので、いずれかの対物レンズを使用している場
合に、トラッキングエラー信号のオフセットの発生量が
特に大きくなることを防止することができ、光ピックア
ップ装置全体としてトラッキングエラー信号のオフセッ
トの発生を極力抑えることができる。
【0082】請求項2に記載の光ピックアップ装置によ
れば、対物レンズ駆動装置に搭載されている2個の対物
レンズを使用している場合のトラッキングエラー信号の
オフセット発生量が平均化される方向に、各対物レンズ
と記録媒体との相対位置を調整可能に構成しているの
で、3種類以上のディスクに対する互換装置でも、トラ
ッキングエラー信号のオフセットの発生量をより平均値
に近づけることが可能になり、光ピックアップ装置全体
としてトラッキングエラー信号のオフセットの発生を極
力抑えることができる。
【0083】請求項3に記載の光ピックアップ装置によ
れば、トラッキングエラー信号を検出するための光検出
器の分割線の方向が、一方の対物レンズを使用している
場合の最適な分割線の方向と、他方の対物レンズを使用
している場合の最適な分割線の方向との中間よりも、各
対物レンズを使用している場合のトラッキングエラー信
号のオフセット発生量が平均化される方向に所要角度回
転した構成としているので、いずれかの対物レンズを使
用している場合に、トラッキングエラー信号のオフセッ
トの発生量が特に大きくなることを防止することができ
て、トラッキングエラー信号のオフセットの発生量が平
均化され、光ピックアップ装置全体としてトラッキング
エラー信号のオフセットの発生を極力抑制することがで
きる。
【0084】請求項4に記載の光ピックアップ装置によ
れば、ホログラムのトラッキングエラー検出のための分
割線の方向が、一方の対物レンズを使用している場合の
最適な分割線の方向と、他方の対物レンズを使用してい
る場合の最適な分割線の方向との中間よりも、各対物レ
ンズを使用している場合のトラッキングエラー信号のオ
フセット発生量が平均化される方向に回転した構成とし
ているので、いずれかの対物レンズを使用している場合
に、トラッキングエラー信号のオフセットの発生量が特
に大きくなることを防止することができて、トラッキン
グエラー信号のオフセットの発生量が平均化され、光ピ
ックアップ装置全体としてトラッキングエラー信号のオ
フセットの発生を極力抑制することができる。
【0085】請求項5に記載の光ピックアップ装置によ
れば、各対物レンズを使用している場合のトラッキング
エラー信号検出のための光検出手段をそれぞれ別個に備
え、それぞれの光検出手段における分割線の方向あるい
はホログラムの分割線の方向が、それぞれの対物レンズ
を使用している場合のトラッキングエラー信号のオフセ
ット発生量がほぼ最小になるように角度設定されている
ので、いずれの対物レンズを使用している場合でも、ト
ラッキングエラー信号のオフセットの発生量を0に近づ
けることができ、光ピックアップ装置全体としてのトラ
ッキングエラー信号のオフセット発生量を小さくでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアッ
プ装置の構成を示す要部平面図
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る光ピックアッ
プ装置の構成を示す要部平面図
【図3】 本発明の第3の実施形態に係る光ピックアッ
プ装置の構成を示す要部平面図
【図4】 本発明の第3の実施形態に係る光ピックアッ
プ装置における光検出器の分割線の方向を光検出器の後
ろ側から視認しており、(A)はプッシュプル法に最適な
分割線の方向、(B)が位相差法に最適な分割線の方向、
(C)が光ピックアップ装置全体として最適な分割線の方
向をそれぞれ示す図
【図5】 本発明の第4の実施形態に係る光ピックアッ
プ装置におけるホログラムの分割線の方向をホログラム
レーザの後ろ側から見た状態で示し、(A)はプッシュプ
ル法に最適な分割線の方向、(B)は位相差法に最適な分
割線の方向、(C)は光ピックアップ装置全体として最適
な分割線の方向をそれぞれ示す図
【図6】 本発明の第5の実施形態に係る光ピックアッ
プ装置におけるホログラム及び光検出器の分割線の方向
をホログラムレーザ及び光検出器の後ろ側から見た状態
で示し、(A)はプッシュプル法に最適な分割線の方向、
(B)は位相差法に最適な分割線の方向をそれぞれ示す図
【図7】 第1の先行技術例における装置の要部概略図
【図8】 第2の先行技術例に係る光ピックアップ装置
の構成を示す要部平面図
【図9】 ホログラムレーザの構造の一例を示し、(A)
はホログラムレーザの構造を示す斜視図、(B)はホログ
ラムのパターンを示す図、(C)はフォトダイオードのパ
ターンを示す図
【図10】 第2の先行技術例における対物レンズを光
ディスクの接線方向に並べる構成上の問題点を説明する
ための図
【図11】 第2の先行技術例における回折パターンの
方向とホログラムの分割線の方向の関係を示し、(A)は
対物レンズがディスクの中心線上にあるときに最適とな
るようにした場合、(B)は対物レンズ中心とディスク中
心とのなす角度が14.6°のときの回折パターンと分
割線の関係、(C)は対物レンズ中心とディスク中心との
なす角度が 5.9°のときの回折パターンと分割線の関
係をそれぞれ示す図。
【図12】 第2の先行技術例でのピット深さλ/5の
再生専用ディスクにおける、位相差法でのトラッキング
エラー信号量とトラッキングエラー量との関係を調べた
【図13】 第2の先行技術例でのグルーブ深さ40nm
の録再ディスクにおける、プッシュプル法でのトラッキ
ングエラー信号量とトラッキングエラー量との関係を調
べた図
【符号の説明】
1 光磁気記録媒体用の対物レンズ 2 再生専用光ディスク用の対物レンズ 3 対物レンズ駆動装置 4 レンズホルダー 5 第1の基板 6 フォーカシングコイル 7 トラッキングコイル 8 ベース 9 弾性体 10 第2の基板 11 ヨーク 12 永久磁石 13 光学系 14 立ち上げミラー(第1反射ミラー) 15 立ち上げミラー(第2反射ミラー) 16 ハーフミラー(第3反射ミラー) 17 偏光ビームスプリッター 18 ホログラムレーザ 19 コリメートレンズ 20 ウォラストンプリズム 21 第4反射ミラー 22 スポットレンズ 23 第5反射ミラー 24 光検出器 25 1/4波長板 26 光パワーモニター用光検出器 27 ターンテーブル 28 ハウジング 29 ガイド軸 30 メカシャーシ 31 駆動機構 32 回折パターン 33 光検出器の分割線 34 光検出器の分割線 35 ホログラム 36 ホログラムの分割線 37 ホログラムの分割線 L 中心線(半径線) δ 偏心量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小嶋 邦男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−229280(JP,A) 特開 平7−37259(JP,A) 国際公開97/42632(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 G11B 7/135

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを収束して、その収束光を記録
    媒体に照射するための対物レンズを所定方向に移動制御
    するための対物レンズ駆動装置を、前記記録媒体の半径
    方向に移動可能な装置本体上に備え、前記対物レンズ駆
    動装置に前記対物レンズが2個、前記記録媒体のおおむ
    ね接線方向に並んで搭載されており、且つ、いずれの対
    物レンズを使用している場合も共通の光検出器を用いて
    トラッキングエラー信号を検出するとともに、そのため
    の演算プロセスがそれぞれ異なる光ピックアップ装置に
    おいて、 前記2個の対物レンズの中心を結ぶ線分の中間位置は、
    前記装置本体の送り方向に平行で前記記録媒体の中心を
    通る直線に対して、各対物レンズを使用している場合の
    トラッキングエラー信号のオフセット発生量が平均化さ
    れる方向に偏心していることを特徴とする光ピックアッ
    プ装置。
  2. 【請求項2】 対物レンズ駆動装置に搭載されている2
    個の対物レンズのそれぞれを使用している場合のトラッ
    キングエラー信号のオフセット発生量が平均化される方
    向に、前記各対物レンズと記録媒体との相対位置が調整
    可能であることを特徴とする請求項1に記載の光ピック
    アップ装置。
  3. 【請求項3】 光ビームを収束して、その収束光を記録
    媒体に照射するための対物レンズを所定方向に移動制御
    するための対物レンズ駆動装置を備え、前記対物レンズ
    駆動装置に前記対物レンズが2個、前記記録媒体のおお
    むね接線方向に並んで搭載されており、且つ、いずれの
    対物レンズを使用している場合も共通の光検出器を用い
    てトラッキングエラー信号を検出するとともに、そのた
    めの演算プロセスがそれぞれ異なる光ピックアップ装置
    において、 前記トラッキングエラー信号を検出するための光検出器
    の分割線の方向は、一方の対物レンズを使用している場
    合の最適な分割線の方向と、他方の対物レンズを使用し
    ている場合の最適な分割線の方向との中間よりも、各対
    物レンズを使用している場合のトラッキングエラー信号
    のオフセット発生量が平均化される方向に所要角度回転
    していることを特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 光ビームを収束して、その収束光を記録
    媒体に照射するための対物レンズを所定方向に移動制御
    するための対物レンズ駆動装置を備え、前記対物レンズ
    駆動装置に前記対物レンズが2個、前記記録媒体のおお
    むね接線方向に並んで搭載されており、且つ、いずれの
    対物レンズを使用している場合も共通の光検出器を用い
    てトラッキングエラー信号を検出するとともに、そのた
    めの演算プロセスがそれぞれ異なり、さらにホログラム
    を用いて前記記録媒体からの戻り光ビームを分割するこ
    とによりトラッキングエラー信号を検出することが可能
    な光ピックアップ装置において、 前記ホログラムのトラッキングエラー検出のための分割
    線の方向は、一方の対物レンズを使用している場合の最
    適な分割線の方向と、他方の対物レンズを使用している
    場合の最適な分割線の方向との中間よりも、各対物レン
    ズを使用している場合のトラッキングエラー信号のオフ
    セット発生量が平均化される方向に所要角度回転してい
    ることを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 【請求項5】 光ビームを収束して、その収束光を記録
    媒体に照射するための対物レンズを所定方向に移動制御
    するための対物レンズ駆動装置を備え、前記対物レンズ
    駆動装置に前記対物レンズが2個、前記記録媒体のおお
    むね接線方向に並んで搭載されており、且つ、前記各対
    物レンズを使用している場合のトラッキングエラー信号
    検出のための光検出手段をそれぞれ別個に備えた光ピッ
    クアップ装置において、 前記それぞれの光検出手段における分割線の方向あるい
    はホログラムの分割線の方向が、それぞれの対物レンズ
    を使用している場合のトラッキングエラー信号のオフセ
    ット発生量がほぼ最小になるように角度設定されている
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
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