JPH09505202A - プロスタグランジン受容体ep▲下1▼をコードするdna - Google Patents

プロスタグランジン受容体ep▲下1▼をコードするdna

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JPH09505202A
JPH09505202A JP7500054A JP50005494A JPH09505202A JP H09505202 A JPH09505202 A JP H09505202A JP 7500054 A JP7500054 A JP 7500054A JP 50005494 A JP50005494 A JP 50005494A JP H09505202 A JPH09505202 A JP H09505202A
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フオード−ハツチンソン,アンソニー
フアンク,コリン
グリジヨルジイク,リシヤール
ミーターズ,キヤスリーン
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メルク フロスト カナダ インコーポレーテツド
バンダービルト・ユニバーシテイ
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Abstract

(57)【要約】 新規のプロスタグランジン受容体を同定し、該受容体をコードするDNAを単離し、精製し、配列決定し、宿主細胞内で発現させた。新規のプロスタグランジン受容体をコードする前記DNA及び前記受容体を発現する宿主細胞を用いて、プロスタグランジン受容体のモジュレーターを選定する。

Description

【発明の詳細な説明】 プロスタグランジン受容体EP1をコードするDNA発明の背景 プロスタグランジン(PG)E2の生理的作用は、プロスタグランジンE受容 体との相互作用を介して発揮される。EP受容体には3つのサブタイプ、EP1 、EP2及びEP3がある(Colemanら,1989の総説参照)。これら3 つのサブタイプはいずれもPGE2に対して大きな親和性を示すが、種々のアゴ ニスト及びアンタゴニストに対する各サブタイプの親和性には差異が見られ、そ の作用はそれぞれ異なる二次形質導入メカニズムを介して発揮される。例えば、 EP1受容体の活性化はIP3及び細胞内カルシウムの増加に関連しており、E P2受容体の活性化は細胞内環状AMPを増加させ、EP3受容体の活性化は細胞 内環状AMPを減少させ、次いで細胞内カルシウムを増加させる。これまでにク ローニングされたこの種のものは、マウスEP2(Hondaら,1993)並 びにマウスEP及びEP(Sugimotoら,1992;Sugimo toら,1993)サブタイプだけである。EP1受容体は通常、ヒト及び他の 動物の小腸、腎臓、胃、 筋肉、目、子宮及び気管を含む広範な細胞上に存在する。EP1受容体タンパク 質がプロスタグランジンと結合すると、細胞内カルシウムの濃度が増加する。組 織はこのシグナルに基づいて、例えば筋肉収縮により応答する。発明の概要 EP1と称する新規のプロスタグランジン受容体タンパク質がヒト細胞から同 定された。完全長EP1タンパク質をコードするDNA分子を単離し、精製し、 ヌクレオチド配列を決定した。EP1をコードするDNAを発現ベクター内にク ローニングし、これらの発現ベクターを組換え宿主細胞内に導入すると、組換え 宿主細胞が機能的EP1受容体タンパク質を発現した。これらの新規のEP1タン パク質、EP1をコードするDNA、発現ベクター及び組換えEP1を発現する組 換え宿主細胞は、EP1受容体活性のモジュレーターの選定に有用である。 組換えEP1発現宿主細胞を使用するEP1受容体モジュレーターの同定方法も 開示する。EP1活性モジュレーターは、プロスタグランジン関連の疾患の治療 及びEP1受容体に対するプロスタグランジンの作用の調節に有用である。図面の簡単な説明 第1図は、EP1受容体タンパク質をコードするDNAの完全配列を示してい る。 第2図は、EP1受容体タンパク質の推定アミノ酸完全配列を示している。 第3図A及び第3図Bは、pcDNA−EP1トランスフェクションCOS− M6膜への[3H]PGE2結合の競合を示している。[3H]PGE2結合アッセ イは、第3図A:0.03nM〜10μM PGE2(△),PGE1(■),P GE(□),PGD2(●)、第3図B:3nM〜100μM AH6809 (○),SC19220(▲)及びButaprost(◇)の存在下で、「方 法」の説明に記載のように実施した。Butaprost及びAH6809はM iles Inc.及びGlaxo Group Research Ltd. の好意によるものである。 第4図A〜第4図Eは、アフリカツメガエル卵母細胞内でのプロスタグランジ ンE2受容体の発現を示している。第4図A:1μMのPGE2の浴潅流(bat h perfusion)で生起した内向Ca2依存Cl-流(下方へ の偏位として示される)。卵母細胞に5ngのpcDNA−EP1(Bam)を 注入し、−60mVで電圧クランプした。第4図B〜D:エクオリンを導入した 卵母細胞内でのPGE2誘発光応答。エクオリン発光の強度は相対単位で示され ており、バックグラウンド発光は典型的には0.5〜0.7単位であった。PG E2は各実験毎に示されている最終濃度で10秒の時点で記録キュベット内に注 入した。第4図E:光応答を種々の濃度のPGE2及びPGFで誘起した。各 縦グラフは、4個のドナーに由来する10〜15個の卵母細胞のデータの平均値 ±s.e.m.を示している。データは、1μMのPGE2を使用した時に観察 された応答に対する百分率で表されている。発明の詳細な説明 本発明は、EP1とここに命名する新規のプロスタグランジン受容体をコード するcDNAに関する。本発明は、組換え発現プラスミド内に含まれているクロ ーン化EP1コーディングDNAを発現する組換え宿主細胞にも関する。本発明 は、EP1受容体活性を調節する物質のスクリーニング方法にも関する。本発明 のDNAは、EP1産生細胞から単離される。本明細書で使用するEP1という用 語は、 プロスタグランジン分子に特異的に結合できるGタンパク質結合受容体を意味す る。本発明は、EP1産生細胞から単離され、やはりEP1と称する特定のプロス タグランジン受容体タンパク質にも関する。本明細書で使用するEP1受容体タ ンパク質という用語は、プロスタグランジン分子に特異的に結合できるGタンパ ク質結合型受容体を意味する。 EP1を産生することができる哺乳動物細胞の非限定的具体例としては、小腸 、腎臓、胃、筋肉、目、子宮及び気管に由来する細胞が挙げられる。EP1を産 生する形質転換哺乳動物細胞系の非限定的具体例としては、HEL細胞が挙げら れる。本発明のために好ましい細胞は例えばヒト正常腎臓細胞であり、最も好ま しい細胞はヒト赤白血病細胞である。 他の細胞及び細胞系もEP1cDNAの単離に使用するのに適当であり得る。 適当な細胞の選択は、細胞表面のEP1のスクリーニングによって実施し得る。 EP1活性検出方法は当業者によく知られており( )、受容体に特異的な放射 性標識リガンドの結合を測定する。このアッセイでEP1活性を示す細胞は、E P1cDNAの単離に適当であ り得る。 EP1cDNAのクローニングには、種々の方法のうちの任意のものを使用し 得る。これらの方法の非限定的具体例としては、適当な発現ベクター系内でEP1 含有cDNAライブラリーを構築した後、EP1cDNAを直接機能発現させる 方法が挙げられる。別の方法として、バクテリオファージ又はプラスミドシャト ルベクター内で構築したEP1含有cDNAライブラリーを、EP1タンパク質の アミノ酸配列から設計した標識オリゴヌクレオチドプローブでスクリーニングす る方法もある。好ましい方法は、バクテリオファージ又はプラスミドシャトルベ クター内で構築したEP1含有cDNAライブラリーを、EP1タンパク質をコー ドする部分的cDNAでスクリーニングすることからなる。前記部分的cDNA は、プロスタグランジンEP1受容体と相関している別のGタンパク質結合受容 体について知られているアミノ酸配列から縮重オリゴヌクレオチドプライマーを 設計して、EP1DNAフラグメントの特異的PCR増幅を行うことにより得る 。 当業者には容易に理解されるように、別の種類のライブラリー、並びに別の細 胞もしくは細胞種類から構築したラ イブラリーも、EP1をコードするDNAの単離に有用であり得る。別の種類の ライブラリーの非限定的具体例としては、ヒト赤白血病細胞以外の細胞又は細胞 系に由来するcDNAライブラリー、及びゲノムDNAライブラリーが挙げられ る。 当業者には明らかなように、適当なcDNAライブラリーは、EP1活性を有 する細胞又は細胞系から製造し得る。EP1cDNAを単離するためのcDNA ライブラリーの製造で使用する細胞又は細胞系の選択は、本発明で使用する前述 の公知の標識リガンド結合アッセイを用いて、事前に細胞結合EP1活性を測定 することにより実施し得る。 cDNAライブラリーの製造は、当業者によく知られている標準的方法で実施 できる。よく知られているcDNAライブラリー構築方法は、例えばMania tis,T.,Fritsch,E.F.,Sambrook,J.,Mole cular Cloning:A Laboratory Manual(Co ld Spring Harbor Laboratory,Cold Spr ing Harbor,New York,1982)に記載されている。 これも当業者には明らかであろうが、EP1をコードするDNAは適当なゲノ ムDNAライブラリーからも単離し得る。 ゲノムDNAライブラリーの構築は、当業者によく知られている標準的方法で 実施できる。よく知られているDNAライブラリー構築方法は、例えばMani atisら,前出に記載されている。 好ましい方法のいずれかによってEP1遺伝子をクローニングするためには、 EP1又は相同タンパク質のアミノ酸配列又はDNA配列が必要である。そのた めには、EP1タンパク質又は相同タンパク質を精製し、自動配列決定器で部分 的アミノ酸配列を決定し得る。完全なアミノ酸配列を決定する必要はないが、部 分的EP1DNAフラグメントのPCR増幅のためには、アミノ酸6〜8個の二 つの領域の直鎖配列を決定するとよい。 適当なアミノ酸配列が同定されたら、これらをコードすることができるDNA 配列を合成する。遺伝子コードは縮重であるため、特定のアミノ酸をコードする ためには1個以上のコドンを使用し得、従ってアミノ酸配列は、一組の類似のD NAオリゴヌクレオチドのうち任意のものでコー ドできる。前記一組のDNAオリゴヌクレオチドのうち一つだけがEP1配列と 同じであるが、その組の残りも不適正状態のDNAオリゴヌクレオチドの存在下 でもEP1DNAにハイブリダイズすることができる。不適正DNAオリゴヌク レオチドでも、EP1をコードするDNAの同定及び単離を可能にするのに十分 な程度にEP1DNAにハイブリダイズし得る。 好ましい方法のいずれかを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの 技術及びcDNAライブラリースクリーニングを使用する2段階方法で、EP1 をコードするcDNAクローンを単離する。第1段階では、精製EP1又は相同 タンパク質からのNH2末端及び内部アミノ酸配列情報を用いて、EP1特異的D NAフラグメントの増幅のための縮重オリゴヌクレオチドプライマーを設計する 。第2段階では、前記フラグメントをクローニングして、ヒト赤白血病細胞由来 のcDNAライブラリーから完全長cDNAを単離するためのプローブとして使 用する。 EP1をコードするほぼ完全長のcDNAの配列を表1に示し、これをクロー ンEP1と名付けた。クローン化cDNAに基づくEP1の推定アミノ酸配列を表 2に示す。 決定されたcDNA配列を調べると、アミノ酸402個のタンパク質をコードす る単一の大きな読取り枠の存在が明らかになる。 前述の方法で得たクローン化EP1cDNAは、組換えEP1を産生するために 、適当なプロモーターと他の適当な転写調節エレメントとを含む発現ベクター内 への分子クローニングにより組換え的に発現し、原核又は真核宿主細胞内にトラ ンスファーし得る。この種の操作の方法は、前出のManiatisらの文献に 記載されており、当業者によく知られている。 本明細書では、発現ベクターは、クローン化DNAの転写と、適当な宿主内で 対応するmRNAの翻訳とに必要なDNA配列であると定義される。この種のベ クターは、種々の宿主、例えば細菌、藍藻、植物細胞、昆虫細胞及び動物細胞内 で真核生物DNAを発現させるのに使用し得る。 特異的に設計したベクターは、細菌−酵母間又は細菌−動物細胞間のような宿 主間のDNAシャトリングを可能にする。適当に構築した発現ベクターは、宿主 細胞内での自律複製のための複製起点と、選択可能マーカーと、限定数の有用な 制限酵素部位と、高コピー数の可能性と、活性プ ロモーターとを含んでいなければならない。プロモーターは、RNAポリメラー ゼをDNAに結合させてRNA合成を開始させるDNA配列であると定義される 。強力なプロモーターは、mRNAを高頻度で開始させるプロモーターである。 発現ベクターの非限定的具体例としては、クローニングベクター、修飾クローニ ングベクター、特異的に設計したプラスミド又はウイルスが挙げられる。 哺乳動物細胞内で組換えEP1を発現するためには種々の哺乳動物発現ベクタ ーを使用し得る。組換えEP1の発現に適当であり得る市販の哺乳動物発現ベク ターの非限定的具体例としては、pMC1neo(Stratagene)、p XT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、pcD NAI、pcDNAIamp(Invitrogen)、EBO−pSV2−n eo(ATCC 37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC 3711 0)、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC 37224)、 pRSVgpt(ATCC 37199)、pRSVneo(ATCC 371 98)、pSV2−dhfr(ATCC 37146)、pUCTag(ATC C 37460)及びIZD 35(ATCC 37565)が挙げられる。 EP1をコードするDNAは、宿主細胞内での発現のために発現ベクター内に クローニングしてもよい。宿主細胞は原核細胞又は真核細胞であり得、非限定的 具体例としては細菌、酵母、哺乳動物細胞、例えばヒト、ウシ、ブタ、サル及び 齧歯類の細胞系、並びに昆虫細胞、例えばショウジョウバエ由来細胞系が挙げら れる。適当であり得る市販の哺乳動物由来細胞系の非限定的具体例としては、C V−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650 )、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC C CL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(AT CC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)及びMR C−5(ATCC CCL 171)が挙げられる。 発現ベクターは、非限定的具体例として例えば形質転換、トランスフェクショ ン、プロトプラスト融合法及び電気穿孔法のような種々の方法のいずれかを用い て、宿主細胞内に導入し得る。発現ベクター含有細胞を個々に分析して、 その細胞がEP1タンパク質を産生するか否かを決定する。EP1発現細胞の同定 は、幾つかの方法、例えば非限定的具体例として抗EP1抗体に対する免疫学的 反応性、及び宿主細胞結合EP1活性の存在等により実施し得る。 EP1DNAの発現は、in vitroで製造した合成mRNAを用いて実 施してもよい。合成mRNAは、種々の無細胞系、非限定的具体例として例えば コムギ胚芽抽出物及び網状赤血球抽出物中で効率的に翻訳できると共に、細胞ベ ースの系、非限定的具体例として例えばカエル卵母細胞内へのマイクロインジェ クションでも効率的に翻訳できる。好ましいのはカエル卵母細胞へのマイクロイ ンジェクションである。 受容体活性及び/又はEP1タンパク質を最適レベルにするEP1cDNA配列 を決定するために、例えば下記のようなEP1cDNA分子を構築し得る:EP1 cDNAの完全長読取り枠、並びに受容体タンパク質の特定ドメインのみもしく は該タンパク質の再構成ドメイン(rearranged domain)をコ ードするcDNAの一部を含む種々の構築物。総ての構築物は、EP1cDNA の5’及び/又は3’非翻訳領域を全く含まないか、総て含 むか、又は一部含むように設計し得る。EP1活性及びタンパク質発現レベルは 、これらの構築物を単独で又は組合わせて適当な宿主細胞内に導入した後で決定 し得る。過渡アッセイ(transient assay)での最適発現を生起 させるEP1cDNAカセットの決定に次いで、このEP1cDNA構築物を種々 の発現ベクター(組換えウイルスを含む)、例えば哺乳動物細胞、植物細胞、昆 虫細胞、卵母細胞、大腸菌及び酵母細胞用の発現ベクターにトランスファーする 。 哺乳動物細胞トランスフェクタントを、EP1受容体活性レベル及びEP1タン パク質濃度の両方について、下記の方法でアッセイする。EP1受容体活性の測 定では、標識リガンドを細胞に直接導入し、EP1発現細胞へのリガンドの特異 的結合の量を決定する。受容体活性に関する結合アッセイは当業者に公知である (Freyら,1993,Eur.J.Pharmacol.,244,pp2 39−250)。 宿主細胞内のEP1タンパク質濃度は、種々の方法、例えば非限定的具体例と してイムノアフィニティ及び/又はリガンドアフィニティ法で定量する。EP1 特異的アフィ ニティビーズ又はEP1特異的抗体を用いて、35S−メチオニン標識又は非標識 EP1タンパク質を単離する。標識EP1タンパ久質はSDS−PAGEで分析す る。非標識EP1タンパク質は、EP1特異的抗体を用いて、ウエスタンブロッテ ィング、ELISA又はRIAアッセイで検出する。 宿主細胞内でのEP1の発現後、EP1特異的リガンドに結合することができる 活性形態のEP1を得るべく、EP1タンパク質を回収し得る。使用し得るEP1 精製操作は幾つか存在する。組換えEP1は、塩分別、イオン交換クロマトグラ フィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸収クロマト グラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーを単独で又は様々に組合わせ て使用することにより、細胞溶解物及び抽出物から、又はならし培養培地から精 製し得る。 また、組換えEP1は、完全長発生期EP1又はEP1のポリペプチドフラグメ ントに特異的なモノクローナル又はポリクローナル抗体を用いて形成したイムノ アフィニティカラムの使用により、別の細胞タンパク質と分離する。 EP1に対する単一特異性抗体は、EP1と反応する抗体 を含む哺乳動物抗血清から精製するか、又はKohler及びMilstein ,Nature 256:495−497(1975)に記載の方法を用いて、 EP1と反応するモノクローナル抗体として製造する。本明細書中の単一特異性 抗体は、EP1に対して均一結合特性を示す単一抗体種又は多重抗体種であると 定義される。本明細書で使用する均一結合という用語は、抗体種が特定の抗原又 はエピトープ、例えば前述のようにEP1と結合した抗原又はエピトープに結合 する能力を意味する。EP1特異的抗体は、マウス、ラット、テンジクネズミ、 ウサギ、ヤギ、ウマ等のような動物を、免疫アジュバントを用いて又は用いずに 、適当な濃度のEP1で免疫感作することにより形成する。 最初の免疫感作の前に免疫前血清を採取する。各動物に、約0.1μg〜約1 000μgのEP1を、許容し得る免疫アジュバントと組合わせて投与する。許 容し得るアジュバントの非限定的具体例としては、フロイント完全アジュバント 、フロイント不完全アジュバント、ミョウバン沈降物、Corynebacte rium parvum含有油中水滴エマルション及びtRNAが挙げられる。 最初の 免疫感作は、好ましくはフロイント完全アジュバント中の酵素を皮下(SC)、 腹腔内(IP)又はこれら両方の経路で複数の部位に投与することによって実施 した。各動物の採血を一定の時間間隔、好ましくは1週間おきに行い、抗体力価 を測定した。動物には、最初の免疫感作後に、ブースター注射をしてもよく、又 はしなくてもよい。ブースター注射をする動物には通常、フロイント不完全アジ ュバント中の同量のEP1を同一経路で投与する。ブースター注射は、最大力価 が得られるまで約3週間の間隔で行った。各ブースター免疫感作から約7日後、 又は単一免疫感作から約1週間後に動物の採血を行い、血清を回収し、アリコー トを約−20℃で貯蔵した。 近交系マウス、好ましくはBalb/cをEP1で免疫感作することにより、 EP1に反応するモノクローナル抗体(mAb)を製造する。マウスは、IP又 はSC経路により、同量の前述のような許容し得るアジュバントに混入した約0 .5mlの緩衝液又は食塩水中の約1μg〜約100μg、好ましくは約10μ gのEP1で免疫感作する。好ましいアジュバントはフロイント完全アジュバン トである。マウスは0日目に最初の免疫感作を行い、約3〜約3 0週間休息させる。免疫マウスに、リン酸塩緩衝食塩水のような緩衝溶液中約1 〜約100μgのEP1のブースター免疫を静脈内(IV)経路で一回以上行う 。抗体陽性マウスのリンパ球、好ましくは脾臓リンパ球を、当業者に公知の標準 的方法で免疫マウスから脾臓を除去することによって得る。脾臓リンパ球を、安 定なハイブリドーマを形成させる条件下で、適当な融合相手、好ましくは骨髄腫 細胞と混合して、ハイブリドーマ細胞を形成する。融合相手の非限定的具体例と しては、マウス骨髄腫P3/NS1/Ag4−1;MPC−11;S−194及 びSp 2/0が挙げられる。好ましいのはSp 2/0である。抗体産生細胞 及び骨髄腫細胞を分子量約1000のポリエチレングリコール中約30%〜約5 0%の濃度で融合させる。融合したハイブリドーマ細胞を、当業者に公知の方法 で、ヒポキサンチン、チミジン及びアミノプテリン添加ダルベッコ改質イーグル 培地(DMEM)中で増殖させることにより選択する。約14日目、18日目及 び21日目に増殖陽性ウェルから上清を回収し、EP1を抗原として用いて、固 相イムノラジオアッセイ(SPIRA)のようなイムノアッセイで抗体産生に関 するスクリーニングを行う。培養液をO uchterlony沈降アッセイでも検査して、mAbのイソタイプを調べる 。抗体陽性ウェル由来のハイブリドーマ細胞を、Soft Agar Tech niques,Tissue Culture Methods and Ap plications,Kruse及びPaterson編,Academic Press,1973に記載のMacPhersonの軟寒天法のような方法 によってクローニングする。 マウス当たり約0.5mlのプリスタンで感作したBalb/cマウスに、約 2×106〜約6×106のハイブリドーマ細胞を感作処理の約4日後に注入する ことにより、モノクローナル抗体をin vivoで産生する。細胞トランスフ ァーの約8〜12日後に腹水を採取し、モノクローナル抗体を当業者に公知の方 法で精製する。 十分な量の特異的mAbを得るために、ハイブリドーマを約2%のウシ胎児血 清を含むDMEM培地で増殖させることにより、抗EP1mAbをin vit roで製造する。mAbは当業者に公知の方法で精製する。 腹水又はハイブリドーマ培養液の抗体力価を、種々の血清学的又は免疫学的ア ッセイ、例えば非限定的具体例とし て、沈降、受動凝集、酵素結合イムノソルベント抗体(ELISA)法及びラジ オイムノアッセイ(RIA)法で測定する。類似のアッセイを使用して、体液又 は組織及び細胞抽出物中のEP1の存在を検出する。 当業者には明らかなように、単一特異性抗体を産生するための前述の方法は、 EP1ポリペプチドフラグメント又は完全長EP1ポリペプチドに特異的な抗体の 産生に使用し得る。 抗体がアガロースゲルビーズ支持体との間で共有結合を形成するようにN−ヒ ドロキシスクシンイミドエステルで予備活性化したゲル支持体であるAffge l−10(Biorad)に抗体を加えることによりEP1抗体アフィニティカ ラムを形成する。抗体はスペーサーアームとのアミド結合を介してゲルに結合す る。次いで、残りの活性化エステルを1MエタノールアミンHCl(pH8)で 失活させる。カラムを水及び0.23MグリシンHCl(pH2.6)で順衣洗 浄して、非結合抗体又は外来タンパク質を除去する。次いでカラムをリン酸塩緩 衝食塩水(pH7.3)中で平衡化し、EP1又はEP1フラグメントを含む細胞 培養上清又は細胞抽出物をゆっくりとカラムに通す。次 いで、カラムを、光学密度(A280)がバックグラウンドに低下するまでリン酸 塩緩衝食塩水で洗浄し、その後タンパク質を0.23Mグリシン−HCl(pH 2.6)で溶離する。次いで精製EP1タンパク質をリン酸塩緩衝食塩水に対し て透析する。 本発明のプロスタグランジン受容体をコードするDNAの単離に適した方法の 一つは、別のGタンパク質結合受容体から得たアミノ酸及び/又はDNA配列情 報を使用することからなる。別のプロスタグランジン受容体はGタンパク質結合 であることが知られているため、トランスメンブラン及び/又は細胞質ドメイン といったような特定の領域又はドメインは、新規の受容体を単離するためのプロ ーブを形成するのに十分な程度の相同を有すると予想される。 プロスタグランジン及びロイコトリエンは、結合したGタンパク質結合受容体 を介して自己のシグナルを形質導入することが知られている。種々の組織中に存 在する異なるPGH2/トロンボキサン、A2、PGI2、PGE2、PGD2、P GF、LTB4及びLTD4受容体は文献に記述されている。これらの受容体 のうちの一部は可溶化され、部分的に精製きれ(Dutta−Roy,A.K. ら, (1987)JBC,262,pp.12685;Tsai,A.L.ら,(1 989),JBC,264,pp61;168−Watawabe,T.ら,( 1990),JBC,265,pp.21237)、ヒト血小板TXA2受容体 は明らかな均質性を示すまで精製された(Ushikubi,F.ら,(198 9),JBC,264,pp.16496)。精製トロンボキサン受容体は、S DS−ポリアクリルアミドゲル上で約57kDaを中心とする極めて広いバンド を示した。部分的配列情報を得るのに十分なタンパク質が得られた。 オリゴヌクレオチドプローブを用いて、ヒト巨核球細胞系(MEG−01)c DNAライブラリーがスクリーニングされた(Hirata,M.ら,(199 1),Nature,349,pp.617)。部分長cDNAクローンが得ら れた。配列決定の結果、該cDNAクローンは、推定上のGタンパク質結合受容 体のC末端側の半分をコードすることが判明した。このクローンを標識し、ヒト 胎盤ライブラリーのスクリーニングに使用した。一つの完全長(約2.9kb) クローンは、5’及び3’側にそれぞれ広い非コーディング領域と、Mr約37 000の343ア ミノ酸タンパク質をコードする1029塩基対の読取り枠とを含んでいた。予測 された配列は、推定上の細胞外アミノ末端(29残基)内の二つのN結合グリコ シル化部位(Asn−4及びAsn−16)と、細胞外ループ1及び2内の保存 Cys残基(Cys−105及びCys−183)と、小さいアミン含有リガン ドを有する受容体にとって必須であることが知られているトランスメンブラン3 内に存在するAsp残基(Strosberg,A.D.(1991),EJB ,196,pp.1)を除く、トランスメンブラン領域内の他の幾つかの保存残 基とを含む7個のトランスメンブランG結合受容体の特性を示す。この配列は極 めて短い予測された第三の細胞内ループ(27残基)を有する。分子のこの部分 はおそらく、ホスホリパーゼCとの相互作用に関与し、その結果カルシウムイオ ン流束を変化させるGタンパク質(Gq又はより大きいGタンパク質)に結合し 得る(Shenker,A.ら,(1991),JBC,266,pp.930 9.173−Moran,N.ら,(1990),Circulation,S uppl.82,抄録1830)。 トロンボキサン受容体をコードする領域はG+Cが極め て多い(70%)。このcDNAを普通の変性条件下(94〜95℃)でTaq ポリメラーゼを用いて胎盤又は血小板逆転写RNAから単離することは殆ど不可 能であった。しかしながら、変性温度を98℃に変え且つVentポリメラーゼ (New England Biolabs)を使用すると、完全cDNAの増 幅が可能になった。 トロンボキサン受容体はアフリカツメガエル卵母細胞内で発現された。該受容 体は、内在性シグナルトランスダクション成分と結合して、カルシウム活性化C l-流を発生させることができる。該Cl-流は、Hirata,MらによりNa ture,349,pp.617(1991)に記載の方法を用いて、電気生理 学的測定により記録される。リガンドS−145を用いてトロンボキサン受容体 cDNAでトランスフェクションしたCOS−1細胞膜について結合検査が実施 された(Hirata,M.ら,前出)。我々は、トロンボキサン受容体cDN Aでトランスフェクションしたヒト初期腎臓293細胞及び膜におけるトロンボ キサンアンタゴニストSQ−29548のアフィニティ結合が大きく、最大結合 が2〜3pmol/mgタンパク質であることも明らかにした。この発現レベル は、血小板 膜におけるレベルの少なくとも5〜10倍以上に相当する。トランスフェクショ ン効率を10%とみなして細胞当たりのベースで推算すると、約106結合部位 /トランスフェクション細胞となった。これに対し、血小板上に存在する部位は 約1300である(Hourani,S.M.O.ら,(1991),Phar macol.Rev.,43,pp.243)。 ノーザンブロット分析で、MEG−01細胞系、胎盤及び肺内の2.8kbバ ンドの存在が明らかにされた。報告されている長い暴露時間(12日)及び検出 可能シグナルを見るために導入されたポリ(A)+RNAの量(20μg)に基 づいて推定すると、mRNAはおそらくあまり多くない部類に入る。 相同スクリーニングによる別のエイコサノイド受容体遺伝子の単離へのアプロ ーチが、これらの受容体が一次構造で相関しているという想定のもとに行われた (Sugimoto,Y.ら,(1992),JBC,267,pp.6463 )。これらの受容体はGタンパク質型であるため、トランスメンブラン領域及び 細胞質ドメインに存在すると考えられる相同領域が存在する。従って、プロスタ グラン ジン受容体と相関している種々の既知のGタンパク質結合受容体は、相同を有す ると思われる所期の受容体タンパク質コーディングDNAの領域、例えばトラン スメンブラン領域に対するDNAプローブに利用し得る。 この受容体のトランスメンブラン5〜7領域の大部分をコードする0.3kb トロンボキサン受容体cDNAフラグメントを用いて、402アミノ酸受容体を コードする、以後EP1と称する1.4kb cDNAクローン(EP1)を、ヒ ト赤白血病細胞cDNAライブラリーから単離した。このタンパク質は元々未知 の「PGQ受容体」と呼ばれていたものであるが、以後はEP1受容体と称する 。該タンパク質は2個の潜在的N結合グリコシル化部位(Asn−8及びAsn −25)を有し、第三の細胞内ループ及びカルボキシ末端と予測される部分には 、塩基性残基(主にアルギニン)及びセリン残基の量が極めて多い。 他の多くのGタンパク質受容体と同様に、EP1受容体は幾つかの共通の特徴 を有する。第一に、推定上の細胞外アミノ末端に2個の潜在的N結合グリコシル 化部位(Asn−8及びAsn−25)が存在する。第二に、エキソフェイシャ ル(exofacial)ループ1及び2内に保存 システイン残基が存在する。第三の細胞質ループは比較的大きく(約70残基) 、塩基性アミノ酸の数が極めて多い(15Arg、3His)。実際、該タンパ ク質の非トランスメンブランセグメント全体を通して、塩基性残基への大きな偏 りが見られる。C末端及び第三の細胞質ループ全体を通して、複数のセリン残基 と、タンパク質キナーゼホスホリル化部位となり得る部分とが存在する。EP1 受容体は、カチオンアミノ含有リガンドに結合する受容体の特徴であるトランス メンブラン3内のアスパラギン酸残基を含んでいないが、トランスメンブラン7 内の総てのエイコサノイド受容体内に存在する保存アルギニン(位置338)を 有する。この領域は、エイコサノイド受容体の間で最も高度に保存されている。 EP1受容体はヒトトロンボキサン受容体及びマウスEP3受容体に非常に近い。 該受容体はまた、同じ大きさ(402アミノ酸)を有するβ3アドレナリン受容 体に対してもある程度の相同を有する。 本発明の新規のプロスタグランジン受容体は、受容体活性を調節する化合物を 選定するためのアッセイ操作で使用するのに適している。本明細書中の受容体活 性の調節には受容体の阻害又は活性化が含まれ、また、受容体活性の正 常な調整作用をもたらすような、直接的又は間接的作用も含まれる。受容体活性 を調節する化合物としては、アゴニスト、アンタゴニスト及び受容体活性の調整 に直接又は間接に作用する化合物が挙げられる。 本発明のプロスタグランジン受容体は、受容体モジュレーターを選定するため のアッセイ操作で使用すべく、野生供給源及び組換え供給源の両方から得られる 。プロスタグランジン受容体モジュレーターを選定するためのアッセイ操作は通 常、本発明のプロスタグランジン受容体と、推定上のプロスタグランジン受容体 モジュレーターを含む検査化合物又は試料とを含む。検査化合物又は試料は、例 えば、野生もしくは組換え型の精製受容体タンパク質、野生もしくは組換え型の 受容体産生細胞の継代細胞フラクション、及び/又は野生もしくは組換え型の受 容体発現完全細胞上で直接検査し得る。検査化合物又は試料は、既知の標識又は 非標識受容体リガンドの存在下又は不在下で受容体に加え得る。検査化合物又は 試料の調節活性は、例えば、検査化合物又は試料が受容体に結合する能力、受容 体を活性化する能力、受容体活性を阻害する能力、受容体への別の化合物の結合 を阻害する又は促進する能力を分析し、受容体 の調整を修飾し、又は細胞内活性を修飾することによって測定し得る。 EP1受容体活性のモジュレーターの選定は、EP1受容体活性が関与する疾患 状態の治療に有用である。別の化合物が、受容体の活性を刺激又は阻害するため に有用であり得る。これらの化合物は抗炎症剤及び解熱剤として有用であり得る 。この種の化合物は、EP1受容体の活性化が細胞増殖、細胞悪性形質転換の誘 起又は転移性腫瘍成長を引き起こす疾病の治療に有用であり得、従って結腸癌の ような癌の予防及び/又は治療に有用であり得る。EP1をコードとするDNA 分子の単離及び精製は、EP1受容体の組織分布の確立、並びにEP1受容体活性 を調節する化合物の選定方法の確立に有用であり得る。 以下の実施例は本発明を明らかにするためのものであり、本発明の範囲を限定 するためのものではない。 実施例1 トロンボキサン受容体cDNAプローブの製造及びEP1cDNAのクローニン ヒトトロンボキサン受容体cDNAフラグメントをPCRにより逆転写胎盤完 全DNAから単離した。Perki n Elmer Cetus反復加熱装置で98℃−30秒;62℃−1分;7 2℃−1分を40回繰り返して増幅するために、25pmolの上流プライマー 5’CTGTCCTTCCTGCTGAACACGGTCAGCGTG3’(配 列番号1)及び下流プライマー5’−GCGGCGGAACAGGATATAC ACC−3’(配列番号2)を、1μgのcDNA、dNTP(200μM)及 びVentポリメラーゼ(1単位、New England Biolabs, Beverly,MA)と共に、50μl反応量(10mM KCl/10mM (NH42SO4/20mMトリス−HCl(pH8.8)/2mM MgSO4 /0.1%(v/v)トリトンX−100/100μg/mlウシ血清アルブミ ン)で加えた。312塩基対生成物(ヌクレオチド628−939、Hirat aら、1991、前出)がアガロースゲル電気泳動及びGene Clean精 製(Biol01,La Jolla,CA)で単離された。 λgt11ベクター中で構築したヒト赤白血病(HEL)細胞cDNAライブ ラリーを、ストリンジェンシーの低い条件下(30%ホルムアミド/5×SSP E/5×デンハ ート溶液/0.1%SDS/100μg/ml音波処理サケ精子DNA)、42 ℃で一晩にわたり、32P標識トロンボキサン受容体cDNAフラグメントでスク リーニングした。フィルターを0.1%SDS含有2×SSCで室温で手短に洗 浄し、次いで0.1%SDS含有1×SSCを用いて55℃で洗浄した(2×3 0分)。一つの正相(positive phase)クローン(λ−TxR1 )をプラーク精製し、DNAをプレート溶解物法で製造した(Sambrook ら,1989 Molecular Cloning:A Laborator y Manual,第2版,Cold Spring Harbor Labo ratory,Cold Spring harbor,N.Y.)。cDNAのサブクローニング及び配列決定 クローンλ−TxR1をEcoRIで消化した結果、4.0kb、1.7kb 及び1.4kbの大きさの3個の挿入物を含んでいることが判明した。サザンブ ロット分析で、1.4kb挿入物のみがトロンボキサン受容体cDNAプローブ とハイブリダイズすることが明らかにされた。Taqポリメラーゼ(Gene ATAQシステム、Phar macia)を用いて70℃で配列決定すべく、1.4kb EcoRIフラグ メント(EP1)及び種々の制限フラグメントをM13mp18及びM13mp 19ベクター内にサブクローニングした。DNAは、M13普遍プライマー又は 既知の配列から形成したプライマーを用いて、少なくとも2回、両方の鎖につい て別々に完全に配列決定された。EP1のヌクレオチド配列を表1に示す。コー ドされたタンパク質のアミノ酸配列を表2に示す。1.4kbフラグメント(E P1;第1図)は、配列決定の結果、ヒトトロンボキサン受容体cDNAと大き な配列相同を有することが判明し、Gタンパク質結合受容体の特徴と推測されて いるヘプタヘリカル構造が明らかにされた。予想された相対分子量41,858 を有する402アミノ酸ポリペプチドを形成するであろう長い読取り枠(120 6塩基対)が決定された。開始コドンとされるATGは、翻訳開始のためのKo zak共通配列(Kozak,1989,J.Cell.Biol.,108, pp229−241)に適合する。予想された開始コドンの60塩基対上流に枠 内(inframe)TGA停止コドンを含む74塩基対の5’非翻訳配列が存 在する。これらの配列には更に一つの 枠外ATGも、予想された開始点の直後に終結する48塩基対読取り枠として存 在する。EP1cDNAは、19残基の短いポリ(A)連鎖の19塩基対上流に ポリアデニル化シグナルAATAAAを含む約112塩基対の極めて短い3’非 翻訳領域を含む。 実施例2 発現ベクターの構築 1.4kb EcoRI挿入物をpcDNA1(Invitrogen)のE coRI部位にサブクローニングし、方向が正しいことをPstI消化によって 確認した。5’非翻訳領域並びに上流ATGを除去するために、EP1をApa Iで開裂し、この1.25kb ApaIフラグメントを精製した。キナーゼ化 オリゴヌクレオチド5’−CTAGCGGATCCCGCCATGAGCCCT TGCGGGCC−3(配列番号5)及びオリゴヌクレオチド5’−CGCAA GGGCTCATGGCGGATCCG−3’(配列番号6)をアニーリングし 、ApaIフラグメントに連結した。連結後、試料をBamHIでの開裂にかけ 、精製1.3kbバンドをBamHI消化pcDNA1に連結した。末端変更c DNA及び方向をDNA配列決定 によって確認した。 実施例3 大腸菌発現ベクター内へのEP1cDNAのクローニング 非限定的具体例としてpETシリーズ(Novagen)のような大腸菌発現 ベクター内にEP1発現カセットをトランスファーして、大腸菌内で組換えEP1 を産生する。pETベクターはEP1を、厳密に調節されたバクテリオファージ T7プロモーターの制御下におく。誘導lacプロモーターによって制御される T7 RNAポリメラーゼ遺伝子の染色体コピーを含む大腸菌宿主内への該構築 物のトランスファーに次いで、適当なlac基質(IPTG)を培養物に加える と、EP1の発現が誘発される。発現EP1のレベルを前述のアッセイで測定する 。 EP1に関する読取り枠全体をコードするcDNAを、pET 11aのNd eI部位に挿入する。正の方向の構築物を配列解析によって同定し、発現宿主株 BL21の形質転換に使用する。次いで、形質転換体を用いて、EP1タンパク 質を製造するための培養物に接種する。培養物は、当業者に組成が知られている M9又はZB培地で増殖させ得る。約OD600=1.5まで増殖した後、1mM IPTGを用いて37℃で3時間にわたりEP1の発現を誘発 する。これらの細胞に由来する不溶性封入体フラクション中に、真のEP1酵素 活性が発見され得る。50mMトリス−HCl(pH8)及び100mMジチオ トレイトールを含む緩衝液中の5Mグアニジン−HClで、封入体フラクション から可溶性EP1を抽出する。100倍容の25mM HEPES(pH7.5 )、5mMジチオトレイトール、10%スクロースに対する透析後に、前記抽出 物から活性EP1が得られる。 実施例4 アフリカツメガエル卵母細胞マイクロインジェクションベクターによるEP1 RNAのin vitro翻訳及び哺乳動物細胞内での発現 EP1cDNA構築物をin vitro転写ベクター(pGEMシリーズ、 Promega)に連結して、合成mRNAを製造する。 合成mRNAは、EP1mRNAをコードする二本鎖DNAをバクテリオファ ージプロモーター含有プラスミドベクター内にクローニングし、クローン化EP1 コーディングDNAを含むプラスミドベクターを線状とし、プラスミドベクタ ー上のバクテリオファージプロモーターを特異的 に認識するバクテリオファージからDNA依存性RNAポリメラーゼを用いてク ローン化DNAをin vitro転写することにより、十分な量で製造される 。 バクテリオファージDNA依存性RNAポリメラーゼによって認識されるバク テリオファージプロモーターを含むプラスミドベクターは様々なものが存在し、 非限定的具体例としては、プラスミドpSP64、pSP65、pSP70、p SP71、pSP72、pSP73、pGEM−3Z、pGEM−4Z、pGE M−3Zf、pGEM−5Zf、pGEM−7Zf、pGEM−9Zf及びpG EM−11Zfが挙げられる。これら一連のプラスミドは総てPromegaか ら市販されている。 EP1DNAのクローニングに適している、ベクター上の使用可能な制限エン ドヌクレアーゼクローニング部位のうちの一つ以上を使用して、EP1をコード する二本鎖DNAをベクター含有バクテリオファージプロモーター内に正確な向 きでクローニングする。連結したEP1DNAを有するベクターを用いて細菌を 形質転換し、正確な向きのEP1DNAを有するベクターの存在についてクロー ン単離体を分析する。 正確な向きのEP1コーディングDNAを含むベクターが同定され単離された ら、これをEP1転写単位よりも下流の部位において、該単位を破損しないよう に制限エンドヌクレアーゼで開裂することにより線状化する。線状化プラスミド を単離し、精製し、EP1mRNAのin vitro転写の鋳型として使用す る。 次いで鋳型DNAを、EP1mRNA形成DNA鋳型の転写を可能にする反応 混合物中で、バクテリオファージ特異的DNA依存性RNAポリメラーゼと混合 する。使用可能なバクテリオファージ特異的DNA依存性RNAポリメラーゼは 幾つか存在し、非限定的具体例としてT3、T7及びSP6 RNAポリメラー ゼが挙げられる。次いで、合成EP1mRNAを単離し、精製する。 mRNAの安定性を改善するために、5’末端キャップ構造及び3’ポリAテ ールを含むmRNAを合成すると有利であり得る。キャップ構造、すなわち7− メチルグアノシンは、DNA鋳型との反応混合物に7−メチルグアノシンを加え るだけでmRNAの5’末端に組込み得る。DNA依存性RNAポリメラーゼは 、mRNAの合成中にキャップ構造を5’末端に組み込む。ポリAテールは多く のcD NA中に天然に存在するが、ポリAテールをコードするDNA配列をDNA鋳型 の3’末端に挿入することにより、mRNAの3’末端に簡単に付加できる。 単離し精製したEP1mRNAは、無細胞系、例えば非限定的具体例としてウ サギ網状赤血球溶解物及びコムギ胚芽抽出物(どちらもPromega及びNe w England Nuclearから市販されている)を用いて、又は細胞 ベースの系、例えば非限定的具体例としてアフリカツメガエル卵母細胞へのマイ クロインジェクションを用いて翻訳する。好ましくいのはアフリカツメガエル卵 母細胞へのマイクロインジェクションである。 アフリカツメガエル卵母細胞に、EP1タンパク質の産生に十分な量の合成E P1mRNAをマイクロインジェクションする。マイクロインジェクションにか けた卵母細胞をインキュベートしてEP1mRNAの翻訳を生起させ、EP1タン パク質を産生させる。 前記合成mRNAは標準的方法[Gurdon,J.B.及びWickens ,M.D.,Methods in Enzymol.101:370−386 (1983)]でアフリカツメガエル卵母細胞(段階5〜6)内に注入す る。卵母細胞を採取し、後述のようにEP1発現について分析する。 実施例5 アフリカツメガエル卵母細胞内でのpcDNA−EP1発現 標準的外科方法を用いてメス成体Xenopus laevisから卵母細胞 を採取した(Colman,A.,1984,Transription an d Translation − A Practical Approach ,IRL Press)。卵胞細胞を除去するために、Ca2+無含有ND96溶 液(NaCl 96mM、KCl 2mM、MgCl2 1mM、HEPES 5mM、ピルビン酸Na 2.5mM、テオフィリン 0.5mM、ゲンタマイ シン 50mg/ml、+1.8 CaCl2、pH7.6)中で新しく調製し たコラゲナーゼ(2mg/ml,タイプ2,Worthington Bioc hemical Corp.,Freehold,NJ)で卵母細胞を2〜3時 間処理した。卵胞除去した段階5〜6の卵母細胞を選択し、ND96溶液中に維 持した。卵母細胞核に1〜5ngのpcDNA−EP1又はpcD NA−EP1(Bam)を注入し、次いで18℃で48時間インキュベートし、 その後アゴニストを投与した。アゴニスト誘導Ca2+依存性Cl-流、又はCa2 + 特異的発光タンパク質エクオリン(J.Blinks,Friday Har bor Photoproteins,WA)注入卵母細胞における発光を測定 することにより、機能活性を決定した(Giladi及びSpindel 19 91 Biotechniques,10,pp744−747)。電気生理学 的アッセイのために、卵母細胞を0.5ml潅流チャンバ内に配置し、Turb o TEC 01C増幅器(NPI Insruments,Germany) を用いて−60mVに電圧を固定した(3M CKlを充填した抵抗0.5〜2 .0MΩの微小電極を使用)。リガンド含有溶液を潅流し、電流応答を記録した 。光測定アッセイのために、エクオリン導入卵母細胞(100ng/卵母細胞) を0.4mlのND96を入れたキュベット内に個々に配置し、リガンドの添加 によって誘起した発光をBio−Orbit 1251ルミノメーター(Fis her Sci.Ltd.)で記録した。 電気生理学的アッセイ及びエクオリン発光アッセイを用 いて、pcDNA−EP1注入卵母細胞内の機能活性を測定した。電気生理学的 アッセイでは、1μM〜10mMのPGE2の潅流の結果、pcDNA−EP1注 入卵母細胞内に明らかな電流応答が観察された。これは、このクローンが、ホス ファチジルイノシトール/Ca2+シグナル経路に結合した機能的EP1受容体を コードすることを示唆するものである(第4図A)。このような応答は、H2O を注入した対照卵母細胞には見られなかった。リガンドに誘発される細胞内Ca2+ の増加も、エクオリン導入卵母細胞内の発光によって直接示された(第4図B )。エクオリン発光アッセイで得られた用量応答依存性は、発現された受容体の アゴニストとしてPGE2がPGFより強力であることを意味するものであっ た(第4図C)。 実施例6 哺乳動物発現ベクター内へのEP1cDNAのクローニング EP1cDNA発現カセットを、適当な制限エンドヌクレアーゼ部位で、強力 な普遍的哺乳動物プロモーターを含む下記のベクターに連結する:pBC12B I[Cullen,B.R.,Methods in Enzymol. 152:684−704,1988]、並びにpEE12(CellTech EP 338,841号)及びその誘導体pSZ9016−1及びp9019。 9019は、hCMVIEプロモーターと、ポリリンカーと、SV40ポリAエ レメントとを含み、SV40初期プロモーターによって操作されるジヒドロ葉酸 レダクターゼの突然変異遺伝子(mDHFR)(Simonsen,C.C.及 びLevinson,A.D.Proc.Natl.Acad.Sci USA 80:2495−2499[1983])からなる選択可能マーカー/増幅シ ステムを有する哺乳動物発現ベクターの構築を表す。SV40ポリアデニル化配 列を、pD5(Berker及びSharp,Nucl.Acid Res.1 3:841−857[1985])を鋳型として用いて、プライマー13978 −120及び139778−121により決定されるPCR反応で形成する。得 られた0.25Kb PCR生成物をClaI及びSpeIで消化し、同様に消 化したpEE12の6.7Kbフラグメントに連結する。得られたプラスミドを BglII及びSfiIで消化して、SV40初期プロモーターの3’部分とGS cDNAとをベクターから切り離す。プ ラスミドpFR400(Simonsen,C.C.及びLevinson,A .D.,Proc.Natl.Sci.USA 80:2495−2499[1 983])から分離した0.73Kb SfiI−XhoIIフラグメントを前述 の5.6Kbベクターに連結し、SV40初期プロモーターを再構築し、mdH FR遺伝子を挿入する。このプラスミドをp9019と名付ける。pSZ901 6−1は、HIV LTRがhuCMVIEプロモーターにとって代わっている 以外は、p9019と同じである。このベクターは、p9019をXbaI及び MluIで消化してhuCMVIEプロモーターを除去することにより構築され る。残基−117〜+80(HIV−1 LTRの部分を含むベクターpCD2 3内に存在する(Cullen,Cell 46:973[1986])のHI V LTRプロモーターを、生成物の末端に5’側のMluI及びSpeI制限 部位を付加したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、プラスミドpCD23 からPCR増幅する。HindIII及びXbaI部位は3’側に付加されている 。得られた0.2kb PCR生成物を酵素MluI及びXbaIで消化した後 、フラグメントをアガロースゲルで精製 し、プロモーターを含まない4.3Kb DNAフラグメントに連結して、ベク ターpSZ9016−1を形成する。 プロモーターに対して正しい向きにあるEP1cDNAを含むカセットをプロ モーターの適当な制限部位3’に連結し、制限部位マッピング及び/又は配列決 定によって同定する。これらのcDNA発現ベクターを種々の宿主細胞、例えば 非限定的具体例としての[COS−7(ATCC♯CRL1651)、CV−1 tat[Sackevitzら,Science 238:1575(1987 )],293,L(ATCC♯CRL6362)]に、標準的方法、例えば非限 定的具体例として電気穿孔法又は化学的処理(カチオンリポソーム、DEAEデ キストラン、リン酸カルシウム)によって導入する。トランスフェクションした 細胞及び細胞培養抽出物を回収して、後述のようにEP1発現について分析し得 る。 哺乳動物過渡的発現に使用した総てのベクターは、EP1を発現する安定な細 胞系の確立に使用できる。発現ベクター内にクローニングした変更していないE P1cDNA構築物は、宿主細胞を細胞内EP1タンパク質を作るようにプログラ ムすると推測される。トランスフェクション宿 主細胞の非限定的具体例としては、CV−1−P[Sackevitzら,Sc ience 238:1575(1987)]、tk−L[Wiglerら,C ell 11:223(1977)]、NS/0及びdHFr−CHO[Kau fman及びSharp,J.Mol.Biol.159:601(1982) ]が挙げられる。 EP1cDNAを含む任意のベクターと、薬剤選択性プラスミド、例えば非限 定的具体例としてG418、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、pL NCX[Miller,A.D.及びRosman,G.J.,Biotech News 7:980−990(1989)];ハイグロマイシン、ハイグロ マイシン−Bホスホトランスフェラーゼ,pLG90[Gritz,L.及びD avies,J.,GENE 25:179(1983)]、APRT、キサン チン−グアニン、ホスホリボシル−トランスフェラーゼ、pMAM(Clont ech)[Murrayら,Gene 31:233(1984)]との同時ト ランスフェクションは、安定にトランスフェクションしたクローンの選択を可能 にする。EP1レベルは前述のアッセイによって定量する。 可能な限り高いレベルのEP1を合成する哺乳動物細胞クローンを製造するた めに、増幅可能薬剤耐性マーカーを含むベクター内にEP1cDNA構築物を連 結する。これらの構築物を細胞内に導入した後、プラスミドを含むクローンを適 当な物質を用いて選択し、プラスミドのコピー数が多い過剰発現クローンの単離 を、前記物質の用量増加の選択によって実施する。下記のシステムを使用する: 突然変異DHFR遺伝子を含む9016又は9019プラスミド[Simons enら,前出]、DHFR−CHO細胞内にトランスフェクションし、メトトレ キサート中で選択;グルタミンシンセターゼ遺伝子を含むpEE12プラスミド 、NS/O細胞内にトランスフェクションし、メチオニンスルホキシミン中で選 択(CellTech国際特許出願第2089/10404号);及びAPRT 及びTK欠失L細胞内のチミジンキナーゼ遺伝子[Colbere及びGaro pin,F.,Proc.Natl.Acad.Sci.76:3755(19 79)]を含むpDLAT−3と同時トランスフェクションした9016又は他 のCMVプロモーターベクター、APRT(0.05mMアザセリン、0.1m Mアデニン、4μg/mlアデノシ ン)中で選択し、HAT(100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリ ン、16μMチミジン)で増幅。 実施例7 COS−M6細胞内でのpcDNA−EP1発現及び[3H]PGE2結合アッセ DEAE−デキストラン方法を用いて、pcDNA−EP1プラスミドをCO S−M6細胞内にトランスフェクションした。細胞を72時間培地に維持し、次 いで回収し、窒素キャビテーション(Freyら,1993)による細胞溶解後 に、示差的遠心分離(1000×gで10分間、次いで100,000×gで3 0分間)にかけて膜を製造した。1mM EDTA、0.5nM[3H]PGE2 (154Ci/mmol;DuPont−New England Nucle ar)及び100,000×g膜フラクション由来タンパク質60〜100μg を含む10mMリン酸カリウム(pH6.0)中で、[3H]プロスタグランジ ンE2([3H]PGE2)結合アッセイを行った。前述のように高速濾過で結合 及び遊離放射性リガンドを分離する前に、室温で1時間インキュベーションを実 施した(Freyら,1993 Eur.J.Mol.Pharmac ol.,244,pp239−250)。フィルターに結合している残りの[3 H]PGE2を液体シンチレーション計数で定量した。特異的結合は、1μM PGE2の存在下で測定した総ての結合と非特異的結合との間の差として定義し た。 PGE2を投与したpcDNA−EP1注入卵母細胞の細胞内カルシウムの用量 依存性増加を示すデータは、この受容体が、サブタイピングされたプロスタグラ ンジンE受容体EP1であることを示唆するものであった。これを確認するため に、pcDNA−EP1及びpcDNA−EP1(Bam)トランスフェクション COS−M6細胞から製造した膜を用いて[3H]PGE2結合アッセイを実施し た。[3H]PGE2はこれらの細胞膜に特異的に結合したが、pcDNAのみで トランスフェクションしたCOS M6細胞から製造した膜には結合しなかった 。分散分析は、pcDNA−EP1トランスフェクションCOS−M6細胞膜へ の[3H]PGE2の特異的結合が大きな親和性を有し、飽和可能であることを明 らかにした。平衡解離係数(KD)は1nM、特異的結合部位の最大数(Bmax) は約360fmol/mgタンパク質である。また、プロスタグラン ジンは、EP1サブタイプで競合に予想される活性順序、PGE2>PGE1>P GF>>PGD2で、[3H] PGE2の特異的結合に関して競合した(第4 図)。更に、選択性EP1アンタゴニストAH6809及びSC19220は、 約0.5μM及び6.7μMのIC50値で[3H]PGE2特異的結合に関して競 合した。これは、平滑筋収縮アッセイ(Colemanら,1985 Br.J .Pharmacol.,85,pp.286P)で測定されたこれらの化合物 の能力と合致している。また、強力なEP2アゴニストであるブタプロストは特 異的結合部位で比較的不活性であり、IC50値が50μMであった。第4図参照 。これらの放射性リガンド結合データは、EP1受容体が、サブタイピングされ たEP1の特性を有することを示す。 実施例8 昆虫細胞内発現のためのバキュロウイルス発現ベクター内へのEP1cDNAの クローニング AcNPVウイルスのゲノムに由来するバキュロウイルスベクターを、Sf9 系昆虫細胞(ATCC CRL♯1711)内でcDNAを高レベル発現させる ように設計す る。EP1cDNAを発現する組換えバキュロウイルスを以下の標準的方法で製 造する(In Vitrogen Maxbac Manual):EP1cD NA構築物を種々のバキュロウイルストランスファーベクター、例えばpAC3 60及びBlueBacベクター(In Vitrogen)内のポリヘドリン プロモーターの下流に連結する。バキュロウイルストランスファーベクター及び 線状化AcNPVゲノムDNA[Kitts,P.A.,Nuc.Acid R es.18:5667(1990)]のSf9細胞内への同時トランスフェクシ ョンに次ぐ相同組換えによって、組換えバキュロウイルスを形成する。組換えp AC360ウイルスは感染細胞内の封入体の不在によって同定され(Summe rs,M.D.及びSmith,G.E.,Texas Agricultur e Exp.Station Bulletin No.1555)、組換えp BlueBacウイルスはβ−ガラクトシダーゼ発現に基づいて同定される(V ialardら,1990,J.Virol.,64,pp37−50)。プラ ーク精製及びEP1組換えバキュロウイルスでのsf9細胞の感染後に、前述の アッセイでEP1発現を測定する。 EP1に関する読取り枠全体をコードするcDNAをpBlueBacIIのB amHI部位に挿入する。ポリヘドリンプロモーターに対して正の向きにある構 築物を配列決定によって同定し、線状AcNPVマイルドタイプDNAの存在下 でSf9細胞をトランスフェクションするために使用する。 真正の活性EP1は、感染細胞の膜に結合している。膜調製物を標準的方法で 感染細胞から製造する。 実施例9 酵母発現ベクター内へのEP1cDNAのクローニング 外来性タンパク質の細胞内発現を制御するように設計した発現ベクター内に最 適EP1cDNA構築物を挿入した後、酵母S.cerevisiae内で組換 えEP1を産生する。細胞内発現のために、EmBLyex4等のようなベクタ ーをEP1シストロンに連結する[Rinas,U.ら,Biotechnol ogy 8:543−545(1990);Horowitz B.ら,J.B iol.Chem.265:4189−4192(1989)]。発現されたE P1のレベルは前述のアッセイで測定する。 実施例10 組換えEP1の精製 組換え技術によって製造したEP1は、抗体アフィニティクロマトグラフィー によって精製し得る。 抗体がアガロースゲルビーズ支持体との間で共有結合を形成するようにN−ヒ ドロキシスクシンイミドエステルで予め活性化したゲル支持体であるAffig el−10(Biorad)に抗EP1抗体を加えることによって、EP1抗体ア フィニティカラムを形成する。抗体はスペーサーアームとのアミド結合を介して ゲルに結合する。次いで、残りの活性化エステルを1MエタノールアミンHCl (pH8)で失活する。カラムを水及び0.23MグリシンHCl(pH2.6 )で順次洗浄して、非結合抗体又は外来タンパク質を除去する。次いでカラムを 、適当な膜可溶化剤、例えば洗剤と共にリン酸塩緩衝食塩水(pH7.3)中で 平衡化し、可溶化EP1もしくはEP1サブユニットを含む細胞培養上清又は細胞 抽出物をカラムにゆっくり通す。次いでカラムを光学密度(A280)がバックグ ラウンドに低下するまでリン酸塩緩衝食塩水及び洗剤で洗浄し、その後タンパク 質を0.23Mグリシン−HCl(pH2.6)及び洗剤で溶離する。次いで、 精製したEP1タンパ ク質をリン酸塩緩衝食塩水に対して透析する。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年3月30日 【補正内容】 請求の範囲 1. プロスタグランジンに特異的に結合する、単離し精製されたプロスタグラ ンジンEP1受容体タンパク質であって、下記のアミノ酸配列: を有することを特徴とする、前記タンパク質。 2. プロスタグランジン受容体タンパク質をコードする単離し精製されたDN A分子であって、前記タンパク質が請求項1に記載のアミノ酸配列を有すること を特徴とする前記DNA分子。 3. プロスタグランジン受容体タンパク質をコードする 単離し精製されたDNA分子であって、下記のヌクレオチド配列: を有することを特徴とする前記DNA分子。 4. 組換え宿主細胞内でプロスタグランジン受容体タンパク質を発現させるた めの発現ベクターであって、請求項 3に記載のDNA分子を含む前記発現ベクター。 5. 組換えプロスタグランジン受容体タンパク質を発現する宿主細胞であって 、請求項4に記載の発現ベクターを含む前記宿主細胞。 6. 組換え宿主細胞内でプロスタグランジン受容体タンパク質を発現させる方 法であって、(a)請求項4に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトラン スファーし、(b)ステップ(a)の宿主細胞を発現ベクターからのプロスタグ ランジン受容体タンパク質の発現を可能にする条件下で培養する操作を含む前記 方法。 7. プロスタグランジン受容体活性のモジュレーターを選定する方法であって 、(a)プロスタグランジン受容体活性のモジュレーターを、請求項1に記載の アミノ酸配列の全体又は部分を有することを特徴とするプロスタグランジン受容 体と混合し、(b)プロスタグランジン受容体に対するモジュレーターの作用を 測定する操作を含む前記方法。 8. プロスタグランジン受容体タンパク質に特異的に結合する抗体であって、 前記タンパク質が請求項1に記載のアミノ酸配列を有することを特徴とする前記 抗体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 15/02 9358−4B C12P 21/08 C12P 21/02 0276−2J G01N 33/566 21/08 9281−4B C12N 5/00 B G01N 33/566 9162−4B 15/00 C //(C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KR,K Z,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO,NZ ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ,TT, UA,US,UZ, (72)発明者 フアンク,コリン アメリカ合衆国、テネシー・37203、ナツ シユビル、ウエスト・エンド・サークル・ 3110、アパートメント・16 (72)発明者 グリジヨルジイク,リシヤール カナダ国、ケベツク・アシユ・9・アー・ 1・ペー・8、ドラール・デ・オルモー、 ブレントウツド・27 (72)発明者 ミーターズ,キヤスリーン カナダ国、ケベツク・アシユ・2・イク ス・1・ドウブルベー・4、モントリオー ル、ミルトン・570、アパートメント・18

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. プロスタグランジンに特異的に結合する、単離し精製されたプロスタグラ ンジンEP1受容体タンパク質。 2. 前記タンパク質が下記のアミノ酸配列: を有することを特徴とする請求項1に記載の単離し精製されたプロスタグランジ ン受容体タンパク質。 3. プロスタグランジン受容体タンパク質をコードする単離し精製されたDN A分子であって、前記タンパク質が請求項2に記載のアミノ酸配列を有すること を特徴とする前記DNA分子。 4. プロスタグランジン受容体タンパク質をコードする単離し精製されたD NA分子であって、下記のヌクレオチド配列: を有することを特徴とする前記DNA分子。 5. 組換え宿主細胞内でプロスタグランジン受容体タン パク質を発現させるための発現ベクターであって、請求項4に記載のDNA分子 を含む前記発現ベクター。 6. 組換えプロスタグランジン受容体タンパク質を発現する宿主細胞であって 、請求項5に記載の発現ベクターを含む前記宿主細胞。 7. 組換え宿主細胞内でプロスタグランジン受容体タンパク質を発現させる方 法であって、(a)請求項5に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトラン スファーし、(b)ステップ(a)の宿主細胞を発現ベクターからのプロスタグ ランジン受容体タンパク質の発現を可能にする条件下で培養する操作を含む前記 方法。 8. プロスタグランジン受容体活性のモジュレーターを選定する方法であって 、(a)プロスタグランジン受容体活性のモジュレーターを、請求項2に記載の アミノ酸配列の全体又は部分を有することを特徴とするプロスタグランジン受容 体と混合し、(b)プロスタグランジン受容体に対するモジュレーターの作用を 測定する操作を含む前記方法。 9. プロスタグランジン受容体タンパク質に特異的に結合する抗体であって、 前記タンパク質が請求項1に記載の アミノ酸配列を有することを特徴とする前記抗体。
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