JP3747063B2 - Fk−506細胞質ゾル結合蛋白質 - Google Patents

Fk−506細胞質ゾル結合蛋白質 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、FK−506とは結合するがシクロスポリンAとは結合せず、56℃で30分間の加熱に対して不安定であり、かつ約10−12キロダルトンの分子量を有する、(“FKBP12.6”と命名される)新規均質細胞質ゾル結合蛋白質に関する。このFKBP12.6蛋白質は、ペプチジル−プロリン・イソメラーゼ酵素活性を有している。さらに、FKBP12.6は、FK−506の存在下において、ホスファターゼ・カルシニューリンに結合し、かつこれを阻害する。
当該技術分野における開示の簡単な説明
全身性エリテマトーデス、慢性リューマチ様関節炎、1型真正糖尿病、2型成人発症糖尿病、炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎、多発性硬化症、並びに他の疾患、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、魚鱗癬、及びグレーブス眼球障害(Graves ophthalmopathy)を含む多様な“自己免疫”及び慢性炎症性疾患において、免疫調節異常が存在することが示されている。これらの状態の各々の根底をなす病因は非常に異なっているかもしれないが、これらには様々な自己抗体及び自己反応性リンパ球の出現が共通して見られる。このような自己反応性は、部分的には、その下で正常な免疫システムが機能するホメオスタシス制御の欠如によるものである可能性がある。
同様に、骨髄または臓器移植に続いて、ホストのリンパ球は外来組織抗原を認識し、移植片拒絶に繋がる抗体の産生を開始する。
1983年に米国FDAによって認可されたシクロスポリンAは、現在、移植臓器の拒絶の防止に用いられる最有力の薬剤である。この薬剤は、生体の免疫システムが移植片を外来蛋白質として拒絶する天然の防御因子の巨大な貯えを動員することを妨げることにより作用する。シクロスポリンAは移植片拒絶との戦いに有効ではあるが、腎毒性があり、腎不全、肝機能異常及び胃腸不快を含む幾つかの望まざる副作用を引き起こすことが知られている。
フジサワの米国、欧州及び日本特許及び出願(米国特許4,894,366号、EPO公開0,184,162号及び特開昭63−17884)並びに刊行物(J.Am.Chem.Soc.,109,5031(1987)、及びJ.Antibiotics,40,1249(1987))は、シクロスポリンの100倍の能力があると評される、“FK−506”、17−アリル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″−ヒドロキシ−3″−メトキシシクロヘキシル)−1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ−[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン、FR−900506、タクロリムスを開示している。このマクロライドは、Streptomyces tsukubaensisの特定の株を発酵することにより生成される。
臓器移植に対する抵抗の治療において、FK−506を用いた広範な臨床研究がなされている(例えば、G.L.Bumgardnerら,Gastroenterol.Clinら,421−449(1993)を参照)。加えて、FK−506及び関連化合物は、閉塞性気道疾患、特に喘息(PCT公開WO90/14826)、男性部分脱毛症もしくは老人性脱毛症(EPO公開0,423,714)、リューマチ様関節炎(C.Aritaら,Clincial exp.Immunol.,1990,82,456−461;N.Inamuraら,Clin.Immunol.Immunopathol.1988,46,82−90)、後発性糖尿病(N.Muraseら,Diabetes,1990,39,1584−86;N.Muraseら,Lancet,1990,336,373−74)、後部ブドウ膜炎(H.Kawashima,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,1988,29,1265−71)、虚血に関連する肝損傷(M.Sakrら,Life Sci.,1990,47,687−91)、アレルギー性脳脊髄炎(K.Deguchiら,Brain Nerve,1990,42,391−97)、糸球体腎炎(J.McCauleyら,Lancet,1990,335,674)、全身性エリテマトーデス(K.Takabayashiら,Chin.Immunol.Immunopathol.,1989,51,110−117)、多重薬物耐性(M.Naitoら,Cancer Chemother.Pharmacol.,1992,29,195−200)、粘膜及び血管の炎症(PCT公開WO92/17754)、サイトメガロウイルス感染(UK公開GB2,247,620A)、突発性血小板減少性紫斑病及びバセドー病(PCT公開WO91/19495)の治療に有用であることが示唆されている。また、これらの化合物は、炎症性及び過増殖性皮膚病並びに免疫学的に介在される疾患の皮膚への発現の治療における局所活性を有すると評されている(EPO公開0,315,978)。
FK−506は上記障害及び疾患の幾つかの治療に用いられてはいるが、嗜眠、頃眠、振顫及び攻撃性を含む神経毒性(Ohara,K.ら,Tansplant.Proc.,22,83−86(1990);K.Kumanoら,Transplant.Proc.,23,512−515(1991))がその広範な使用を制限している。したがって、FK−506がその免疫抑制性及び毒性効果を発現する機構を理解することが、生物学的流体中のその濃度を測定する検定法を開発することと同様に望ましい。
FK−506は、10−100倍能力が高くはあるが、多数の免疫抑制特性をシクロスポリンAと共有する。これらの類似性は、両薬剤が生化学的レベルで類似の作用機構を共有し得ることを示唆している(S.Linら,Cellular Immunology,133,269−284(1991)を参照)。例えば、シクロスポリンAは、細胞ゾル蛋白質、シクロフィリンに結合することが知られている(R.E.Handschumacherら,Science,226,544−546(1984))。シクロフィリン・シクロスポリンA複合体は、T細胞活性化及び免疫システム機能に必要なホスファターゼカルシニューリン(CaN)に結合し、これを阻害する(S.O’Keefeら,Nature,357,692−694(1992))。また、シクロフィリンは、ペプチジルプロリル結合のシス−トランス異性化を触媒する酵素活性を有することも示されている(N.Takahashiら,Nature,337,473−475;及びFischerら,Nature,337,476−478)。
FK−506は、組織の間にあまねく、真核細胞系統発生を通して発現する、FK−506結合蛋白質(FKBP12)と呼ばれる多量の細胞質11.8kDa蛋白質に結合する(J.Siekierkaら,Nature,341,755−757(1989);M.Hardingら,Nature,341,758−760(1989);米国特許5,109,112号)。シクロフィリン・シクロスポリンA複合体と同様に、FKBP12・FK−506複合体は、早期リンホカイン遺伝子転写を結果として生じるシグナル変換経路を極めて重要な成分であるカルシニューリン、カルシウム依存性セリン−トレオニン・ホスファターゼを阻害する(J.Liuら,Cell,66,807−815(1991);J.Friedmanら,Cell,66,799−806(1991);N.Clipstoneら,Nature,357,695−697(1992);S.O’Keefeら,Nature,375,692−694(1992))。ヒトFKBP12はクローン化されており(N.Makiら,Proc.Natl.Acad.Sci.,87,5440−5443(1990);R.Standaertら,Nature,346,671−674(1990);G.Wiederrechtら,J.Biol.Chem.,267(21),753−760(1992))、ウシFKBP12のアミノ酸配列が報告されている(N.Mozierら,Eur.J.Biochem.,194,19−23(1990);J.Siekierkaら,J.Biol.Chem.,265,21011−21015(1990))。
FKBP12はリンパ球系特異蛋白質ではなく、組織中に分類上の門を通して広く分布する。FKBP12蛋白質は、ペプチド及び蛋白質におけるXaa−Proのシス及びトランス形態の間の異性化を触媒するペプチジル−プロリル・イソメラーゼ(PPIase)類と呼ばれる新種の酵素の一員である。周知のFK−506結合蛋白質(FKBP類)には:FKBP12(米国特許5,109,112号);FKBP13(Proc.Natl.Acad.Sci.,88,6677−6681(1991);FKBP25(G.Wiedderechtら,Biochem.Biophys.Res.Commun.,185,298−303(1992));及びFKBP52(G.Wiedderechtら,J.Biol,Chem.,267,21753−21760(1992))が含まれる(一般的には、A.Galat,FEBS,216,689−707(1993)を参照)。それらが偏在し、かつ多量に存在することは、FKBP類が細胞生理に、おそらくは変性され、もしくは新しく合成された蛋白質の回転型の交換の促進に重要な役割を果たしていることを示唆している。しかしながら、FKBP12とは異なり、他の報告されているFKBP類はFK−506と複合体を形成した場合にカルシニューリンと結合しない。したがって、他のFKBP類の単離及び同定が、細胞における治療作用及び毒性のFK−506機構を説明する助けとなる。
発明の要約
本発明は、“FKBP12.6”と称する、FK−506の均質細胞質ゾル結合蛋白質に関する。FKBP12.6蛋白質は、(ゲル濾過による測定で)10−12キロダルトンの分子量を有し、56℃で30分間の加熱に際して不安定であり、かつシクロスポリンA(CsA)とは結合しない。また、この新しく見出された蛋白質は、上記参考文献に記載されるCsA結合蛋白質、シクロフィリンと対照をなす。この文献には、シクロフィリンが熱安定性であり、15−17Kdの分子量を有することが記載されている。FKBP12とは異なり、FKBP12.6は56℃で30分間の加熱に際して不安定である。加えて、この蛋白質はアミノ酸配列がFKBP12とは異なる。それにもかかわらず、FKBP12.6は、FK−506の存在下においてカルシニューリンに結合し、これを阻害することが確認されているようやく2つ目のFKBPである。本発明によると、FK−506に対する特異的結合親和性を有する均質結合蛋白質FKBP12.6が提供される。
このFKBP12.6蛋白質のさらなる性質は、それがシクロスポリンAに対する特異的結合親和性を有しておらず;10−12キロダルトンの範囲の分子量を有し;FKBP12.6蛋白質1mg当り約4.8mgのFK−506と特異的結合親和性を有し;56℃、30分間で不安定であり;例えば、ウシ又はヒトの脳組織を含む様々な供給源から誘導され;かつプロリン含有ペプチド結合のシス−トランス異性化を触媒する酵素活性を有することである。
ウシFKBP12.6は下記の部分的N−末端アミノ酸配列(配列番号1)を有する。
Figure 0003747063
これとは異なり、ウシFKBP12は下記アミノ酸配列(配列番号2)を有する。
Figure 0003747063
また、生物学的に有用なリガンドと上記GKBP12.6蛋白質とで形成される精製複合体であって、前記リガンドがFKBP12.6蛋白質に対する特異的結合親和性を有する複合体も提供される。このリガンドは、免疫抑制物質、例えば、FK−506型マクロライド、又はFKBP12.6蛋白質に対する抗体であり得る。
さらに、サンプル中、例えばFK−506治療で免疫抑制された個体の体液又は発酵ブロスにおける、上記FKBP12.6蛋白質に対する親和性を有する生物学的に有用なリガンド、例えばFK−506の存在又は量を測定する方法であって、前記サンプルをFKBP12.6蛋白質と接触させることを包含し、前記FKBP12.6蛋白質が、好ましくは、例えば臭化シアン活性化セファロース型アフィニティカラムに、固定化され得るものである方法が提供される。
さらにまた、生物学的に有用なリガンドを精製する方法の態様であって、前記リガンドが発酵ブロス、生物学的流体、例えばヒト血液、を含むサンプル中に存在するものであり、又は薬物特性があるかもしれぬ化学物質であり、かつ前記リガンドが好ましくは免疫抑制物質、例えばFK−506、であり、又はFKBP12.6蛋白質に対する抗体である態様が提供される。
加えて、本発明は、FKBP12.6蛋白質をコードする単離精製DNA分子、FKBP12.6をコードするDNAを有する組換えホスト細胞におけるFKBP12.6蛋白質の発現のための発現ベクター、及び組換えホスト細胞におけるFKBP12.6蛋白質の発現方法を指向する。
本発明及び好ましい態様の説明
本発明は、有力な免疫抑制剤であるFK−506に対する、熱感受性、低分子量細胞質ゾル結合蛋白質FKBP12.6に関する。このFKBP12.6はウシの脳から単離精製されたものである。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、FKBP12.6がヒトの脳組織にも存在することが示されている。FKBP12.6蛋白質は、分子量、熱安定性、リガンド特異性及びアミノ酸配列を含む多くの基準により、シクロフィリンとは別のものであると思われる。FKBP12.6蛋白質は、独特のアミノ酸配列を有することでFKBP12とに相違する。加えて、FKBP12.6は、細胞質ゾル中の豊富な存在量に欠け、粗製抽出物段階での熱処理に続く復元が不可能であり、非偏在組織分布であるように思われる。
有力な免疫抑制剤であるシクロスポリンAは、同種異系移植片拒絶の予防及び移植片対ホスト疾患の治療において広範な臨床用途が見出されている(B.D.Kahan,Cyclosporin:Biological Activity and Clinical Applications(Grune & Stratton,Orlando,FL,1983)。CsAは、限られた早期T細胞活性化遺伝子の組(IL−2、IL−3、IL−4、γ−IFN、GM−CSF、TNF及びc−mys)の転写を阻害することにより、Tリンパ球活性化の間に特異的に作用するように思われる(J.F.Elliotら,Science 226,1439(1984);M.Kronkeら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,5214(1984))。Streptomyces tsukubaensisから得られるマクロライドであるFK−506は、全く同じではないにしても、生体内及び生体外の両者において、CsAの10−100倍強力ではあるが、類似の免疫抑制特性を、有することが示されている(S.Sawadaら,J.Immunol.,139,1797(1987))。CsAによって影響を受ける免疫抑制経路の生化学的性質に対する研究は、シクロフィリンと呼ばれる特異的CsA結合蛋白質の精製及び特徴付けに繋がった(R.E.Handschumacherら,Science,226,544(1984);M.W.Hardingら,J.Biol.Chem.,261,8547(1986))。CsAと同等の親和性で結合し、免疫抑制において役割を果たすことと合致する構造−機能特徴を示す、シクロフィリンの2つの異性体が単離されている。近年、FK−506が、細胞質受容体に結合し、これを介して機能し得ることが報告されている(V.Wartyら,Transplantation,46,p.453(1988))。
FK−506は、Streptomyces tsukubaensis9993号の培養物から単離された。CsAのMeBmt二重結合を、トリチウムガスで、ジメチルホルムアミド中において、10%Pd/C触媒を用いて、室温、1気圧、振盪装置内で1時間接触還元し、次いで、Whatman Partisil OD3カラムを用いる逆相高圧液体クロマトグラフィーで精製することにより、[3H]−ジヒドロCsAが作製された。得られた[3H]−ジヒドロCsAの比活性は44mCi/mgであった。FK−506を、酢酸エチル溶媒中において、1気圧、室温で、10%Pd/C触媒の存在下において20分間、トリチウムガスと接触させることによりFK−506のアリル二重結合を接触還元し、次いで、逆相高圧液体クロマトグラフィーにより物質を単離精製して生成物を得ることにより、[3H]−ジヒドロFK−506を調製した。この生成物は、49mCi/mgの比活性を有していた。ジヒドロ−[3H]FK−506は、親化合物よりも5倍能力に劣るものの、フォルボール−12−ミリステート−13−アセテート(PMA)及びイオノマイシンで刺激されたJURKAT細胞におけるIL−2分泌の強力な阻害剤であった。
ウシ脳抽出物における交差反応蛋白質の同定
ヒトFKBP12アミノ酸配列から誘導される3種類のチログロブリン接合ペプチド(Maki,N.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,5440−5443(1990);Standaert,R.ら,Nature,346,671−674(1990))に対するウサギ抗−ペプチド抗体を開発した。この3種類のペプチドには、C−末端(100−107位アミノ酸)の配列(配列番号3):
Figure 0003747063
(“C−末端ペプチド”)、ほとんどのFK−506結合蛋白質中によく保存されたトリプトファン残基をまたがる配列(58−68位アミノ酸)(配列番号4):
Figure 0003747063
及び、38ないし48位アミノ酸に亘る配列(配列番号5):
Figure 0003747063
が含まれていた。
この抗体を、FK−506の免疫抑制効果又は薬剤の毒性副作用のいずれかに関連する、組織及び細胞抽出物の調査に用いた。したがって、ヒトTリンパ細胞株、Jurkat、ラット脾臓、ラット腎臓、及びウシ脳から調製された粗製抽出物を用いて、ウェスタン・ブロットを行った。FKBP−12は一般によく保存されており、それ故、この抗血清は他種のFKBP12と反応する。C−末端配列に対して開発された抗血清は、真正ウシFKBP12よりも僅かにゆっくりと移動する、ウシ脳由来のさらなる蛋白質と非常に強く反応した。移動度が低下していることから、我々は、この蛋白質が約12.6kDaの分子量を有するものと推定し、FKBP12.6と命名する。この抗血清によると、脾臓、腎臓又はJurkatからの粗製抽出物中にはFKBP12.6は検出されなかった。これは、これらの組織中にはFKBP12.6が大量には存在していないことを示している。他の2種類のペプチドに対して開発された抗血清は、FKBP12とは抗−C−末端ペプチド血清と同程度の強さで反応したが、ウシ脳中のFKBP12.6とはより弱い程度の強さで、再現性をもって反応した。ペプチド競合実験では、この抗血清はC−末端ペプチド配列に特異的であることが示された。
ウシ脳からのFKBP12.6の精製
上記交差反応性蛋白質は真正FKBP12よりも移動が遅いので、我々の抗血清のサブセットとの交差反応性が減少していることと合わせて、FKBP12.6が新規タンパク質もしくはFKBP12の変性物であることを示唆していた。それ故、ウシ脳から調製された細胞ゾル抽出物からそれを均質に精製する手段を開発した。FKBP12の精製(Siekierka,J.ら,Nature,341,755−757(1989))と同様の加熱処理工程はFKBP12.6を完全に消失させるため、これは用いなかった。一般には、FKBP12.6の精製は次の手順で達成した:(1)粗製ウシ脳抽出物を得る;(2)CMイオン交換カラムクロマトグラフィー(重力流動);(3)TSK125サイズ排除HPLC;(4)CMイオン交換クロマトグラフィー(HPLC);(5)フェニルTSK HPLC;(6)G2000SWサイズ排除HPLC;及び(7)FK−506アフィニティクロマトグラフィー。
表IはFKBP12.6の精製の一覧を示す。
Figure 0003747063
比較的精製の粗い抽出物には多量の真正FKBP12を含むため、FKBP12.6のFK−506結合比活性は測定することができなかった。しかしながら、FKBP12.6は、工程IIにおいて、CM−450Mカラムでのクロマトグラフィーにより、真正FKBP12から完全に分離された。FKBP12.6は、充填及び洗浄の間にFKBP12が流出するに対して、CMカラムに結合したままである。FKBP12.6は100ないし200mMの間のNaClでカラムから流出し、この勾配画分の抗−C−末端ペプチド抗体を用いるウェスタンにより、FKBP12.6画分中には痕跡量のFKBP12も存在しないことが確認される。S−200中にFKBP12が存在するため、FKBP12.6の回収率は、先に標準HL−20結合検定(Handschumacher,R.ら,Science,226,544−547(1984))を用いるCM−450工程以降のみ算出できた。
粗製細胞ゾル脳抽出物中約60gの蛋白質から開始して、精製後の均質FKBP12.6の典型的な収量は約50μgである(表Iを参照)。精製の最終工程は、FK−506アフィニティ樹脂への蛋白質の結合である。4Mグアニジン−HClを用いてこの樹脂からFKBP12.6を溶出し、透析により再生した。最も高度に精製された物質は、16%SDS−PAGEで単一のバンドを、ABI C4逆相カラムで単一ピークを示す。再生された物質はFK−506への結合性を保持している。精製されたFKBP12.6は、蛋白質1mg当り4.8μgの[3H]ジヒドロFK−506の比結合活性を有する。これは、CM−450M工程と比べ3,271倍精製されたことになる。CM−450M工程では94%の蛋白質が粗製抽出物から除去されるので、S200からの全体の精製は実際にはより高いものである。したがって、ウシ脳細胞ゾル中においては、FKBP12.6は明らかにウシ胸腺中に存在するFKBP12よりも豊富さにおいて大きく劣る。ウシ胸腺中に存在するFKBP12は、ほぼ同等の回収率で、この組織から337倍で均質に精製された(Siekierka,J.ら,Nature,341,755−757(1989))。FKBP12.6の分子量を12.6kDa、結合化学量論をこの蛋白質1モル当り1モルのFK−506と仮定すると、理論的な比結合活性は、蛋白質1mg当り64mgの[3H]ジヒドロFK−506(分子量=805g/モル)である。期待される[3H]ジヒドロFK−506のFKBP類への結合を下回る多くの先例がある(Siekierka,J.ら,Nature,341,755−757(1989);Wiederrecht,G.ら,J.Biol.Chem.,267,21753−21760(1992))。期待される比結合活性を下回ることについての1つの説明は、蛋白質濃度の見積りに用いられるブラッドフォード検定が、アミノ酸分析等の方法と比較すると、FKBP及びシクロフィリン濃度の両者を過量に見積ることである(Siekierka,J.ら,Nature,341,755−757(1989);Harding,M.ら,J.Biol.Chem.,261,8547−8555(1986))。期待される結合を下回ることについての第2の説明は、結合の評価に用いられるLH−20検定が平衡結合検定ではなく、リガンド・オフ−レートがより低い算出比結合活性を生じる結果となることである。第3の説明は、全てのFKBP12.6が適切に展開されることがなく、展開された蛋白質が有効に結合しないことである。
3H]ジヒドロFK−506のFKBP12.6への結合は飽和を示し、高親和性のものである。スキャチャード形式を用いる直接結合データの再プロットにより、0.55MのKd値が得られる。この値は、直接結合により0.4と測定された、FKBP12への[3H]ジヒドロFK−506の結合について決定されたものに類似する。
FKBP12.6は、FK−506及びラパマイシンによって阻害されるPPIase活性を有する。再生された物質はPPIase活性を有していないので、PPIase検定は、精製における前の工程(工程VI)からの部分的に精製されたFKBP12.6を用いて行った。基質は、FKBP12の好ましいペプチド基質であるN−スクシニル−Ala−Leu−Pro−Phe−p−ニトロアニリドであった(Harrison,R.ら,Biochemistry,29,3813−3816(1990))。FKBP12.6はこの段階で純度約25%であり(表Iを参照、工程VI及び工程VIIの物質の比結合活性を比較のこと)、ウェスタン分析は、精製のこの時点で他の既知のFKBP類は存在しないことを示した。工程VIからの物質はPPIase活性を有しており、これは再生後にFK−506結合活性は回復するにもかかわらず、PPIase活性は回復し得ないことを示している。部分的に純粋なFKBP12.6のPPIase活性は、酵素濃度の関数として増加する速度κ(秒-1)を示す均質FKBP12の活性に比肩するものであった。FKBP12の速度の傾きは、FKBP12.6の速度の傾きの4.1倍大きいものである。FKBP12.6の純度25%を計算に入れると、FKBP12.6はFKBP12と実質的に等しいPPIase活性を有する。ラパマイシン及びFK−506の両者はFKBP12.6のPPIase活性の有力な阻害物質であるが、ラパマイシンはFK−−506よりも幾らか良好な阻害物質である。これらの薬剤及びペプチドがFKBP12において行うのと同様に同じ部位に結合するものと仮定すると、この結果は、ラパマイシンがFK−506よりもいくらか大きいFKBP12.6に対する親和性を有することを示唆している。PPIase検定に用いられる多量の蛋白質(400nM)は、FKBP12.6の阻害に要するIC50とFK−506の上記Kd値との比較を妨げている。しかしながら、この検定は、薬剤親和性の比較について有効である。
FKBP12.6・FK−506複合体はカルシニューリンと結合する。FKBP12・FK−506とCaNとの複合体形成を監視するHPLCサイズ排除放射性同位体クロマトグラフィー検定が以前に記述されている(Wiederrecht,G.ら,J.Biol.Chem.,267,21753−21760(1992))。この検定において、FKBP12・FK−506複合体は、分析選別カラム(SEC400)から後半の画分に溶出される。CaN及びCaMを添加すると、FKBP・FK−506複合体から良好に分離される、より早期の画分に溶離される高分子量のFKBP12・FK−506・CaN・CaM複合体が形成される。FK−506の存在下においてFKBP12.6がCaNに結合することを示すために、この検定の変形を用いた。この変形検定においては、様々なクロマトグラフィー画分におけるFKBP12とFKBP12.6とを識別するために、抗−C−末端ペプチド抗体を用いるウェスタン分析によりサンプルを検定した。
最初の実験において、Bio−Sil TSK−125カラムを用いる調製HPLCゲル濾過クロマトグラフィーにより、FKBP12及びFK12.6を部分的に精製した。これらの部分的に精製されたFKBP類(FKBP12及びFKBP12.6を含む)はCaNを全く含んでおらず、CaNはこのカラムによりそれから完全に分離された。FKBP12及びFKBP12.6は、いずれも、この実験に用いられる分析選別カラム(G2000SW)で、画分26及び27に流出する。最初に、粗製CaN−枯渇FKBP類を用いる“陽性対照”実験を行い、ウェスタン分析が放射性同位体クロマトグラフィー分析に取って代わり、CaN、CaM、Ca2+、Mg2+、およびFK−506が外部から添加された場合にFKBP12の高分子量画分へのシフトを検出することが可能であることを確認した。期待された通り、外因性CaNの存在下において、FKBP12の有意の画分がFKBP12・FK−506・CaN複合体の形で高分子量画分(#20−23)に見出され、かつ幾らかの複合体非形成FKBP12が画分26及び27に留まり、これによりこの検定の正当性が実証される。この粗製FKBP材料はFKBP12.6も含むため、図4AにおいてFKBP12を僅かに上回る移動も観察することができる。FKBP12.6のほとんどは、CaN、CaM、Ca2+、Mg2+、及びFK−506の存在下において、高分子量複合体に変化する。
CaNとのFKBP12.6の複合体形成の必要条件をより注意深く調べるため、精製FKBP12.6を用いる実験を行った。上に記述したように、CaNの非存在下においては、FKBP12.6・FK−506複合体は選別カラムから画分26及び27に溶出する。FKBP12.6をCaN、CaM及びCa2+、Mg2+と共に(しかし、FK−506はなしで)インキュベートし、この混合物をカラム検定で検定すると、FKBP12.6は引き続き画分26及び27に溶出する。しかしながら、FKBP12.6をCaN、CaM、Ca2+、Mg2+と及びFK−506と共にインキュベートし、この混合物を検定すると、全ての免疫反応性FKBP12.6は画分(20−22)に移動する。これは、FKBP12.6がCaNと複合体を形成したことを示している。FKBP12と同様に、FKBP12.6のCaNとの複合体形成は薬剤FK−506の存在下でのみ起こる。
FKBP12.6がCaNと結合するという我々の観察をさらに確認するため、FK−506の存在下においてカルシニューリンホスファターゼ活性を阻害するそれらの能力について試験した。この実験に用いたFKBP12.6は、FK−506アフィニティカラム工程(工程VII)により精製し、再生した均質な材料であった。並列比較のため、FKBP12も、薬剤の存在下においてカルシニューリンを阻害するその能力について試験した。用いたFKBP12は、組換えヒトFKBP12を過剰発現する細菌から均質に精製したものであった(Wiederrecht,G.ら,J.Biol.Chem.,267,21753−21760(1992))。FK−506、CaN、CaM、Ca2+、及びMg2+を含有するカクテルに、FKBP12.6及びFKBP12を濃度を増加させながら添加した。図5は、CaNホスファターゼ活性をブロックする能力において、FKBP12.6がFKBP12とほぼ等しいことを示している。CaN阻害のIC50は、FKBP12.6及びFKBP12に対して、それぞれ、16.0nMおよび9.9nMである。
FKBP12.6はN−末端がブロックされておらず、それ故、エドマン分解によりN−末端アミノ酸配列を得ることが可能であった。FKBP12.6の蛋白質消化及び臭化シアン(CNBr)開裂から誘導されるペプチドの配列決定による推測から、以下に記述される部分的N−末端アミノ酸配列(配列番号1)が得られた。
Figure 0003747063
示されるC−末端の31アミノ酸を除いて、ペプチド生成物及びN−末端の配列は2ないし3回確認した。ウシFKBP12(Harding,M.ら,Nature,341,758−760(1989);Siekierka,J.ら,J.Biol.Chem.,265,21011−21015(1990);Mozier,N.ら,Eur.J.Biochem.,194,19−23(1990))と対比すると、FKBP12.6は約84%のアミノ酸相同性でFKBP12に非常に類似し、2つの配列の相違のほとんどがよく保存された変化であることが示される。
今のところ検出された非保存変化は、49位のValからArgへの置換、59位でのTrpからPheへの置換、63位でのValからAlaへの置換、80位でのTyrからValへの置換及び76位でのIleからCysへの変化のみである。この独特のアミノ酸配列は、FKBP12.6が新規遺伝子産物であり、FKBP12の翻訳後の変性物ではないことを示している。FKBP12とFKBP12.6との幾つかのアミノ酸の相違を利用して、ウシ脳cDNAを鋳型として用いてネステッドPCRが成功裡に行われ、開放読み枠(ORF)の一部をコードする核酸プローブが得られている。残基G19ないしG58をコードするこのPCR産生物の翻訳により、この領域内のアミノ酸情報が確認されている。
FKBP12.6蛋白質の利用及び用途
FKBP12.6は、それ自体で又は固定化されて、診断、精製又は調査方法の様々な結合リガンドに特異的な結合パートナーとして用いることができる。好ましい固定化マトリックスは、FKBP12.6蛋白質が共有結合し、アフィニティクロマトグラフィーカラムを形成することが可能な、臭化シアン活性化セファロース(Pharmacia)である。
FKBP12.6蛋白質は、結合活性形態の免疫抑制剤、FK−506に対する高い特異性の故に、生理学的に重要である。複合体中のFK−506を反対に結合し、これをイオン強度を増加させつつ水生バッファ試薬で溶出することが可能な、上記固定化アフィニティマトリックスを調製することができる。形成されたアフィニティマトリックスは、トリチウム化(3H)−FK−506の置換によるFK−506様マクロライド基質の検出に用いることもできる。これらの化合物には、FK−520、FK−523、FK−525及びEPO公開0,184,162号に開示される他のFK−506類似体が含まれる。
また、このマトリックスは、天然のリガンドであり得るFK−506様細胞成分の検出方法に加え、血清及び他の体液中のFK−506の同定及び/又は定量方法を提供する。
さらにまた、このマトリックスは、FK−506と同様に免疫抑制活性を有する可能性のある候補化学物質のスクリーニングに有用であり、したがって、この蛋白質の作用により機能する他のクラスの薬剤の開発に有用である。
FKBP12.6蛋白質が均質に精製されているので、周知の組換えDNA手法によるこの蛋白質の生成を可能にする遺伝子の同定にオリゴヌクレオチドプローブを用いることが可能である。FKBP12.6蛋白質の精製の典型的な方法は、下記実施例に記述されている。
FKBP12.6タンパク質が免疫抑制剤FK−506、及びその活性類似体に対する親和性を有しているため、全蛋白質のサブフラグメントを含めて、それ自体もしくはそれらの特定の派生化学物質及び/又は天然誘導体を、当該技術分野において周知の多くの受容体結合法におけるこれらのリガンドに対する特異的結合パートナーとして用いることができる。
同様に、リガンドを含有する組成物からの所望のリガンドの精製に用いることも可能である。例えば、FKBP12.6蛋白質を、FK−506が産生される酵母発酵ブロスからのFK−506又は関連構造物の精製に用いることができる。さらに、新規免疫抑制剤を識別するスクリーニング試験として、FKBP12.6蛋白質に結合する化合物の選別に用いることができる。これらの様々な方法において、必須なことではないが、FKBP12.6蛋白質を固定化することが好ましい。これは、当該技術分野において周知のいかなる方法によっても達成することができる。蛋白質の固定化に特に有用な支持体は、臭化シアン処理セファロース(CNBR−活性化セファロース4B、Pharmacia、Piscataway、New Jersey)である。固定化FKBP12.6蛋白質は、この蛋白質を塩基性条件下で臭化シアン−活性化セファロースと混合することにより調製される。このマトリックスにFKBP12.6が結合する結果として、FKBP12.6蛋白質のアミノ基による多数の結合によって達成される顕著な安定性が生じる。
また、この好ましい固定化FKBP12.6蛋白質を、生理学的流体、例えば体液、及び、例えばFK−506免疫抑制療法が施されている患者の、組織抽出物からのFK−506及びその代謝物の濃度の測定に診断として用いることも可能である。
また、この蛋白質を、FK−506型マクロライド化合物及び生物学的に有用なリガンドを結合させる検定に、FKBP12.6蛋白質及びFK−506型マクロライド/リガンドにマクロライド過剰で複合体を形成させ、次いでこの混合物をカラムを通して溶出させ、純粋な複合体の濃度を分光光度計により、またはシンチレーション計数によって分析することにより、用いることが可能である。この方法論により、例えば強イオン性塩溶液で結合を妨げ、次いで通常のクロマトグラフィー分離を行うことにより、マクロライドまたは生物学的に有用なリガンドを単離することが可能な、複合体の純粋なサンプルを形成することができる。
FKBP12.6蛋白質のクローン化及び発現
様々な方法をFKBP12.6cDNAのクローン化に用いることができる。これらの方法には、適切な発現ベクター系におけるFKBP12.6含有cDNAライブラリーの構築に続くFKBP12.6cDNAの直接機能的発現が含まれるが、これに限定されるものではない。別の方法は、FKBP12.6蛋白質のアミノ酸配列から設計された標識オリゴヌクレオチドプローブで、バクテリオファージまたはプラスミド・シャトル・ベクター中に構築されたFKBP12.6含有cDNAライブラリーをスクリーニングすることである。好ましい方法は、FKBP12.6蛋白質をコードする部分長cDNAで、バクテリオファージまたはプラスミド・シャトル・ベクター中に構築されたFKBP12.6含有cDNAライブラリーをスクリーニングすることからなる。この部分長cDNAは、他のFK−506結合蛋白質について既知のアミノ酸配列から縮重オリゴヌクレオチド・プライマーを設計することを通して、FKBP12.6DNA断片を特異的にPCR増幅することにより得られる。
他の細胞又は細胞種から構築されるライブラリーと同様に、他の種類のライブラリーがFKBP12.6をコードするDNAの単離に有用であり得ることは、当業者に容易に理解される。他の種類のライブラリーには、ウシ又はヒト脳細胞以外の他の細胞又は細胞系から誘導されるcDNAライブラリー及びゲノムDNAライブラリーが含まれるが、これらに限定されるものではない。
適切なcDNAライブラリーをFKBP12.6活性を有する細胞又は細胞系から調製し得ることは、当業者に容易に理解される。FKBP12.6cDNAを単離するためのcDNAライブラリーの調製に用いられる細胞又は細胞系の選別は、最初に、上に引用され、ここで用いられる周知の標識リガンド結合検定を用いてFKBP12.6活性に関連する細胞を測定することにより行うことができる。
cDNAライブラリーの調製は、当該技術分野において周知の標準手法により行うことができる。周知のcDNAライブラリー構築手法は、例えば、Maniatis,T.,Fritsch,E.F.,Sambrook,J.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1982)に見出すことができる。
また、FKBP12.6をコードするDNAは適切なゲノムDNAライブラリーから単離できることも、当業者に容易に理解される。
ゲノムDNAライブラリーの構築は、当該技術分野において周知の標準手法により行うことができる。周知のゲノムDNAライブラリー構築手法は、Maniatis,T.,Fritsch,E.F.,Sambrook,J.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1982)に見出すことができる。
好ましい方法のいずれかによりFKBP12.6遺伝子をクローン化するためには、FKBP12.6又は相同蛋白質のアミノ酸配列又はDNA配列が必要である。これを達成するため、FKBP12.6蛋白質又は相同蛋白質を精製し、その部分的アミノ酸配列を自動化シーケンサーで決定することができる。全アミノ酸配列を決定する必要はないが、6ないし8個のアミノ酸の2つの領域の線形配列を部分的FKBP12.6DNA断片のPCR増幅のために決定することができる。
一度適切なアミノ酸配列が同定されたら、それらをコードすることが可能なDNA配列を合成する。遺伝子暗号が縮重するため、特定のアミノ酸の暗号化に1以上のコドンを用いることが可能であり、したがって、アミノ酸配列は類似のDNAオリゴヌクレオチドのいかなる組によっても暗号化することが可能である。これらの組のうちの1構成要素のみがFKBP12.6の配列と等しいが、これらの組の他のものも、不整合を有するDNAオリゴヌクレオチドの存在下においてさえも、FKBP12.6DNAにハイブリダイズすることが可能である。不整合DNAオリゴヌクレオチドでも、FKBP12.6をコードするDNAの同定及び単離を可能にするのに十分な程度にFKBP12.6DNAにハイブリダイズする。
好ましい方法のいずれかを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をベースとする手法及びcDNAライブラリー・スクリーニングを用いる2段階アプローチにおいて、FKBP12.6をコードするcDNAクローンを単離する。第1段階において、精製FKBP12.6又は相同蛋白質からのNH2−末端及び内部アミノ酸配列情報を、FKBP12.6−特異的DNA断片を増幅するための縮重オリゴヌクレオチド・プライマーの設計に用いる。第2段階において、ウシ又はヒト脳細胞から誘導されるcDNAライブラリーから完全長cDNAを単離するためのプローブとして役立てるため、これらの断片をクローン化する。
ウシFKBP12.6をコードする部分的cDNAの配列を以下に記す(配列番号20)。
Figure 0003747063
ヒトFKBP12.6をコードする部分的cDNAの配列を以下に記す(配列番号21)。
Figure 0003747063
当業者には明らかなように、縮重のため、ウシFKBP12.6をコードするDNA分子の配列は、ヒトFKBP12.6をコードするDNA分子の配列とは異なる。
上記方法により得られるクローン化FKBP12.6cDNAは、適切なプロモーター及び他の適切な転写制御要素を含む発現ベクターへ分子クローニングし、原核又は真核ホスト細胞に移して組換えFKBP12.6を産生させて組換え発現せしめることが可能である。このような操作の手法は、前出のManiatis,Tらに記述されているものに見出すことができ当該技術分野においては周知である。
発現ベクターとは、ここでは、適切なホストにおけるクローン化DNAの転写及びそれらのmRNAの翻訳に必要なDNA配列であると定義される。そのようなベクターを、細菌、ラン藻、植物細胞、昆虫細胞及び動物細胞のような様々なホストにおける真核細胞DNAの発現に用いることができる。
特別に設計されたベクターは、細菌−酵母又は細菌−動物細胞のようなホスト間でのDNAの往復搬送を可能にする。適切に構築された発現ベクターは、ホスト細胞における自律複製のための複製起源、選別可能なマーカー、制限された数の有用な制限酵素部位、高コピー数に対する能力、及び活性プロモーターを含むべきである。プロモーターは、RNAポリメラーゼにDNAと結合するように指示し、RNA合成を開始させるDNA配列であると定義される。強力なプロモーターは、高い頻度で開始されるmRNAを生じるものである。発現ベクターには、クローニングベクター、変性クローニングベクター、特別に設計されたプラスミド又はウイルスが含まれるが、これらに限定されるものではない。
哺乳動物細胞における組換えFKBP12.6の発現に様々な哺乳動物発現ベクターを用いることができる。組換えFKBP12.6の発現に適する市販の哺乳動物ベクターには、pMC1ネオ(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、pcDNAI、pcDNAIamp(Invitrogen)、EBO−pSV2−ネオ(ATCC37593)、pBPV−1(8−2)(ACTT37110)、pdBPV−MMTネオ(342−12)(ATCC37224)、pRSVgpt(ATCC37199)、pRSVネオ(ATCC37198)、pSV2−dhfr(ATCC37146)、pUCTag(ATCC37460)、及び1ZD35(ATCC37565)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
FKBP12.6をコードするDNAを、ホスト細胞における発現のための発現ベクターにクローン化することもできる。ホスト細胞は原核細胞であっても真核細胞であってもよく、これらには、細菌、酵母、ヒト、ウシ、ブタ、サル及び齧歯類起源の細胞系を含むがこれらに限定されるものではない哺乳動物細胞、及びショウジョウバエ誘導細胞を含むがこれらに限定されるものではない昆虫細胞が含まれるが、これらに限定されるものではない。適切であり、かつ市販されている、哺乳動物種から誘導される細胞系には、CV−1(ATCC CCL70)、COS−1(ATCC CRL1650)、COS−7(ATCC CRL1651)、CHO−K1(ATCC CCL61)、3T3(ATCC CCL92)、NIH/3T3(ATCC CRL1658)、HeLa(ATCC CCL2)、C127I(ATCC CRL1616)、BS−C−1(ATCC CCL26)及びMRC−5(ATCC CCL171)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
発現ベクターは、形質転換、形質移入、原形質融合、及びエレクトロポレーションを含むがこれらに限定されるものではない手法の構成要素により、ホスト細胞に導入することができる。発現ベクター含有細胞を個々に分析し、それらがFKBP12.6蛋白質を産生しているかどうかを決定する。FKBP12.6発現細胞の同定は、抗−FKBP12.6抗体を用いる免疫学的反応性及びホスト細胞関連FKBP12.6活性の存在を含むがこれらに限定されるものではない幾つかの手段により行うことができる。
FKBP12.6DNAの発現は、生体外において生成した合成mRNAを用いて行うこともできる。合成mRNAは、カエル卵母細胞への微量注入を含むがこれに限定されるものではない細胞ベースの系において効率的に翻訳される他に、小麦胚芽抽出物及び網状赤血球抽出物を含むがこれらに限定されるものではない様々な非細胞系において効率的に翻訳され得るが、カエル卵母細胞への微量注入が好ましい。
最適レベルのFKBP12.6蛋白質を生じるFKBP12.6cDNA配列を決定するため、以下のものを含むがそれらに限定されるものではないFKBP12.6cDNA分子を構築することができる:FKBP12.6cDNAの完全長開放読み枠及び受容体蛋白質の特定のドメイン又は蛋白質の再配置ドメインのみをコードするcDNAの一部を含む様々な構築物。全ての構築物は、FKBP12.6cDNAの5′及び/又は3′非翻訳領域を含まないように、あるいはこれらの全てもしくは一部を含むように設計することができる。FKBP12.6活性及び蛋白質発現のレベルは、これらの構築物の適切なホスト細胞への導入に続いて、単独で、及び組み合わせて決定することができる。一時的な検定において最適な発現を生じるFKBP12.6cDNAカセットを決定した後、このFKBP12.6cDNA構築物を、哺乳動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、卵母細胞、大腸菌、及び酵母細胞の発現ベクターを含むがこれらに限定されるものではない様々な発現ベクター(組換えウイルスを含む)に移す。
哺乳動物形質移入体を、以下の方法により、FKBP12.6活性のレベル及びFKBP12.6蛋白質のレベルの両者について分析する。FKBP12.6活性の評価は、細胞への標識リガンドの直接導入及びFKBP12.6発現細胞へのリガンドの特異的結合の量の測定を包含する。受容体活性についての結合検定は当該技術分野において周知である(Freyら,Eur.J.Pharmacol.,244,239−250(1993))。
ホスト細胞におけるFKBP12.6蛋白質のレベルは、イムノアフィニティ及び/又はリガンドアフィニティ手法を含むがこれらに限定されるものではない様々な手法により定量する。FKBP12.6−特異的アフィニティ・ビーズ又はFKBP12.6−特異抗体が、35S−メチオニン標識又は非標識FKBP12.6蛋白質の単離に用いられる。標識FKBP12.6蛋白質はSDS−PAGEで分析する。非標識FKBP12.6蛋白質は、FKBP12.6特異抗体を用いるウェスタン・ブロット、ELISA又はRIA検定により検出する。
ホスト細胞におけるFKBP12.6の発現の後、FKBP12.6蛋白質を回収して、FKBP12.6−特異的リガンドを結合することが可能な活性形態のFKBP12.6を提供することが可能である。幾つかのFKBP12.6精製法が利用可能であり、使用に適している。組換えFKBP12.6は、細胞溶解物及び抽出物から、又は調製培養培地から、塩分画、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーの様々な組合せ、又は個別の適用により精製することができる。
加えて、組換えFKBP12.6は、完全長未成熟FKBP12.6又はFKBP12.6のポリペプチド断片に特異的なモノクローナルもしくはポリクローナル抗体で作製されたイムノ−アフィニティカラムを用いることにより、他の細胞性蛋白質から分離することが可能である。
FKBP12.6に対する単一特異性抗体は、FKBP12.6に反応する抗体を含む哺乳動物抗血清から精製され、あるいはKohler及びMilstein,Nature,256:495−497(1975)の手法を用いてFKBP12.6と反応するモノクローナル抗体として調製される。ここで用いられる単一特異性抗体は、FKBP12.6に対する相同結合特性を有する単一の抗体種又は複数の抗体種であると定義される。ここで用いられる相同結合は、FKBP12.6に関連するもののような上述の特定の抗原又はエピトープに結合する抗体種の能力を指す。FKBP12.6特異抗体は、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ウマ等の動物を、適切な濃度のFKBP12.6を免疫アジュバントと共に、もしくは免疫アジュバントを伴わずに用いて免疫することにより生じる。
第1の免疫に先立って免疫前血清を採取する。各動物に、約0.1μgないし約1000μgのFKBP12.6を許容可能な免疫アジュバントと一緒に投与する。このような許容可能なアジュバントには、フロイント完全、フロイント不完全、ミョウバン沈殿、Corynebacterium parvumを含む油中水型エマルジョン及びtRNAが含まれるが、これらに限定されるものではない。初期免疫は、皮下(SC)、腹腔内(IP)もしくは両者のいずれかでの複数の部位での、好ましくはフロイント完全アジュバント中の酵素からなるものであった。各動物から規則的な間隔で、好ましくは毎週、採血し、抗体力価を測定する。これらの動物に、初期免疫に続いて追加免疫注射を施し、あるいは施さずにおく。追加免疫注射を施した動物には、一般に、フロイント不完全アジュバント中の等量のFKBP12.6を同じ経路で与える。追加免疫注射は、約3週間の間隔で、最大力価が得られるまで行う。各追加免疫の約7日後、又は単一免疫の約1週間後に、動物から採血し、血清を採取してアリコートを約−20℃で保存する。
FKBP12.6と反応するモノクローナル抗体(mAb)を、純血マウス、好ましくはBalb/c、をFKBP12.6で免疫することにより調製する。これらのマウスを、IPもしくはSC経路により、上に示される等容量の許可可能なアジュバント中に含まれる約0.5mlのバッファもしくは生理食塩水中の約1μgないし約100μg、好ましくは約10μg、のFKBP12.6で免疫する。フロイント完全アジュバントが好ましい。第0日にマウスに初期免疫を施し、約3ないし約30週間安静にさせた。免疫したマウスに、リン酸緩衝生理食塩水のようなバッファ溶液中約1ないし約100μgのFKBP12.6での1回以上の追加免疫を、静脈内(IV)経路により施した。抗体陽性マウスから、リンパ球、好ましくは脾臓リンパ球を、当該技術分野において周知の標準法によって免疫マウスから脾臓を取り出すことにより得る。この脾臓リンパ球を適切な融合相手、好ましくはミエローマ細胞と、安定なハイブリドーマの形成が可能な条件下で混合することによりハイブリドーマ細胞を生成する。融合相手には、マウスミエローマP3/NS1/Ag4−1;MPC−11;S−194及びSp2/0が含まれるがこれらの限定されるものではなく、Sp2/0が好ましい。抗体産生細胞及びミエローマ細胞を、分子量約1000のポリエチレングリコール中において、約30%ないし約50%の濃度で融合させる。融合ハイブリドーマ細胞を、ヒポキサンチン、チミジン及びアミノプテリンを補足したダルベッコ変性イーグル培地(DMEM)における増殖により、当該技術分野において周知の方法によって選別する。大凡第14日、第18日及び第21日に増殖陽性ウェルから上清を採取し、FKBP12.6を抗原として用いる固相免疫放射性同位体検定(SPIRA)のような免疫検定により抗体産生についてスクリーニングする。また、培養液をオークターロニー沈殿検定で試験して、mAbのイソタイプを測定する。抗体陽性ウェルからのハイブリドーマ細胞を、MacPherson,Soft Agar Techniques,in Tissue Culture Methods and Applications,Kruse及びPaterson,編,Academic Press,1973の軟寒天手法のような手法でクローン化する。
マウス当り約0.5mlのプリスタンで処置したBalb/cマウスを、処置の約4日後に約2×106ないし約6×106個のハイブリドーマ細胞で免疫することにより、モノクローナル抗体を生体内で生成させる。細胞移入の大凡8−12日後に腹水を採取し、当該技術分野において周知の手法により抗体を精製する。
抗−FKBP12.6mAbの生体外生成を約2%のウシ胎児血清を含有するDMEMにおいてハイブリドーマを増殖させることにより行い、十分な量の特異mAbを得る。このmAbを当該技術分野において周知の手法により精製する。
腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体力価を、沈殿、受動凝集反応、酵素結合免疫吸着抗体(ELISA)法及び放射性同位元素標識免疫測定(RIA)法を含むがこれらに限定されるものではない、様々な血清学的または免疫学的検定により測定する。同様の検定が、体液または組織及び細胞抽出物中のFKBP12.6の存在の検出に用いられる。
上述の単一特異性抗体を生成する方法を、FKBP12.6ポリペプチド断片または完全長FKBP12.6ポリペプチドに特異的な抗体の生成に利用可能であることは、当業者に容易に理解される。
抗体をアフィゲル−10(Biorad)に添加することによりFKBP12.6抗体アフィニティカラムを作製する。このアフィゲル−10は、抗体がこのアガロースゲル・ビーズ支持体と共有結合を形成するように予めN−ヒドロキシスクシンイミドエステルで活性化されたゲル支持体である。次いで、抗体を、スペーサー・アーム所在のアミド結合により、ゲルに結合させる。その後、残りの活性化エステルを1MエタノールアミンHCl(pH8)で失活させる。このカラムを水、次いで0.23MグリシンHCl(pH2.6)で洗浄して、非結合抗体又は無関係の蛋白質を除去する。次に、このカラムをリン酸緩衝生理食塩水(pH7.3)で平衡化し、FKBP12.6又はFKBP12.6断片を含有する細胞培養上清または細胞抽出物をゆっくりとカラムに通す。その後、光学密度がバックグランドに低下するまでカラムをリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、次に、0.23Mグリシン−HCl(pH2.6)で蛋白質を溶出させる。次いで、精製されたFKBP12.6蛋白質をリン酸緩衝液に対して透析する。
本発明のFKBP12.6受容体をコードするDNAの単離に適する1つの方法は、他のFK−506結合蛋白質から得られたアミノ酸及び/又はDNA配列情報の利用を包含する。FK−506結合蛋白質類は一緒に分類されており、トランスメンブラン及び/又は細胞質ドメインのような特定の領域は、新規タンパク質を単離するためのプローブの生成に十分なある程度の相同性を有しているものと期待される。
本発明の生成物及び方法において、それらの精神及び範囲から離れることなく、様々な変更及び修正を行うことが可能である。ここに示される様々な態様及び実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲及び精神に対する限定であると解釈されるものではない。
例 1
ウシ脳細胞ゾルの調製
12個のウシ脳を、5mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、1mM EDTA、5mM 2−メルカプトエタノール及び1mM PMSFを含有するバッファ2.4リットル中にホモジナイズした。均質化は、ワーリング(Waring)ブレンダー内において4℃で3分間行った。ブレンダー・ホモジネートのうちの500mlを、4℃で、最大速度に設定したポリトロン(Polytron)装置の30秒バーストを3回行うことにより、さらにホモジネートした。このホモジネートをJA−10ローターで遠心(10,000rpmで15分間)した。ホモジネートをTi45ローターで遠心(40,000rpmで1時間)することによりさらに清澄化した。このホモジネートを、PMSFを含有しない均質化バッファ28リットルに対して24時間透析した。
例 2
ウシ脳からの新規FKBPの精製
透析したホモジネートを、5mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、1mM EDTA、及び5mM 2−メルカプトエタノール(CMバッファ)で平衡化したトーソーハース(TosoHaas)CM−650M樹脂のカラム(5cm×30cm)にかけた。このカラムを6カラム容積のCMバッファで次に洗浄した。結合蛋白質を、CMバッファ中0→1M NaClの直線勾配(総容積2リットル)で溶出させた。流速125ml/時で画分(21ml)を集めた。FK−506結合活性は、100ないし200mM NaClで溶出した。活性画分を合わせ、YM3濾過膜を有するアミコン(Amicon)撹拌圧力セルにおいて50mlに濃縮した。1回の注入当り4.5mlの濃縮蛋白質を、SWガード・カラム(21.5mm×7.5cm)を備えたバイオ−シル(Bio−Sil)TSK−125ゲル濾過HPLCカラム(21.5mm×60cm、Bio−Rad)にかけた。蛋白質を、流速4ml/分で、100mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、50mM Na2SO4、5mM 2−メルカプトエタノール、及び1mM EDTAを含有するバッファ(TSKバッファ)で溶出させた。画分(3ml)を集めたところ、画分52ないし59に活性分が溶出した。HPLCゲル濾過を10ないし15回実施して得られた活性画分を合わせ、アミコン撹拌セル内で40mlに濃縮し、CMバッファに対して一晩透析した。1回の注入当り4.5mlの濃縮蛋白質を、全ての蛋白質を処理するまで、流速6ml/分、CMバッファでのトーソーハースCM−3SW HPLCカラム(21.5mm×15cm)にかけた。蛋白質を、CMバッファ中→300mM NaClの直線1時間勾配で溶出させた。流速6ml/分で画分(6ml)を集めたところ、100ないし150mM NaClで活性が溶出した。活性画分を合わせ、アミコン撹拌セルを用いて約25mlに濃縮し、100mMリン酸ナトリウム(pH7.0)、0.9M(NH42SO4、及び5mM 2−メルカプトエタノールを含有するバッファに対して一晩透析した。
この蛋白質を、流速3ml/分、透析バッファでのトーソーハース・フェニル−5PW HPLCカラム(21.5mm×15cm)に、4.5mlずつ(全ての蛋白質を処理するまで)注入した。蛋白質を、100mMリン酸ナトリウム(pH7.0)及び0.9M(NH42SO4に始まり、CMバッファで終わる直線45分間勾配で溶出させた。3ml/分の流速で1分ごとに画分を集めた。FK−506結合活性は、300ないし60mM(NH42SO4に溶出した。これらの画分を合わせ、アミコン撹拌セル内で2mlに濃縮し、トーソーハースG2000SWゲル濾過HPLCカラム(7.5mm×60cm)にかけた。蛋白質を、流速1ml/分、TSKバッファで溶出させた。0.5ml画分を集めたところ、画分42ないし49にFK/506結合活性分が溶出した。この新規FKBPは、この時点で約25%の純度である。活性画分を合わせ、開示される(Harding,M.ら,Nature,341,758−760(1989))通りに調製したFK−506アフィニティ樹脂100mlと共にインキュベートした。洗浄後、1mlの4Mグアニジン−HCl中において沸騰させることによりFK−506結合活性を溶出させた。その後、蛋白質を、5mMリン酸ナトリウム(pH6.8)及び5mM 2−メルカプトエタノールを含有するバッファ中で一晩透析した。
例 3
FKBP12.6に結合する[ 3 H]ジヒドロFK−506
基本的なLH−20結合検定を、Siekierka,J.ら,Nature,341,755−757(1989)に注記される修正を加えて、Handschumacher,R.ら,Science,226,544−547(1984)に記載される通りに行った。
例 4
ペプチジル−プロリル・シス−トランス・イソメラーゼ検定
PPIase検定を、以下の変更を加えて、開示される通りに行った(Fischer,G.ら,Nature,337,476−478(1989)):ペプチド基質にはN−スクシニル−Ala−Leu−Pro−Phe−p−ニトロアニリド(BACHEM,California)を最終濃度72μMで用い、検定においてキモトリプシン(Sigma)が6μMの濃度で存在した。総反応容積は1.5mlであった。キモトリプシンによるp−ニトロアニリドの放出を、ベックマン(Beckman)DU68分光光度計を用いて405nmでの吸光度の増加を追跡することにより測定した。トランス・ペプチドの加水分解による吸光度の初期の急激な増加の後、PPIaseによるペプチドのシス−トランス転移を反映する吸光度のゆっくりとした第2の増加が、3秒間隔で1.5分まで、測定された。これらのデータは、単純な一次速度式に適合しており、一次速度定数、k(秒-1)を算出した。
FKBP12.6蛋白質は、低いが有意のPPIase活性を示す。異性化速度の増加は、FKBP12.6蛋白質濃度に比例する。シクロフィリンのPPIase活性は、FKBP12.6蛋白質よりも25倍高い。活性におけるこの相違の原因は、基質特異性または反応条件を反映している可能性がある。
提示されたデータは、FKBP12.6蛋白質が、シクロフィリン及びFKBP12と同様に、ペプチジル−プロリン・イソメラーゼ活性を有することを示している。FKBP12.6蛋白質に関連する活性はシクロフィリンに大きく劣るが、これはFK−506によって阻害されるもののCsAによっては阻害されない。これは、シクロフィリン混入を表していないことを示唆している。PPIase活性とシクロフィリン及びFKBP12.6蛋白質の両者との関連は、この活性がT細胞活性化の過程において重要であることを暗示している。さらに、上述の検定を用いて、当業者がスクリーニング検定を案出し、新規免疫抑制剤である特異的な阻害物質を同定することが可能である。
例 5
ウェスタン・ブロット
ウシ脳、ラット腎臓、ラット脾臓、及びJurkat細胞の細胞質ゾルから調製された粗製抽出物20μgを、Novexから入手した16%トリス−グリシンゲルでの変性電気泳動にかけた。ミニ・トランス−ブロット・セル(Bio−Rad)において、150ボルトで90分間、蛋白質を、4℃で、0.45μmイムモビロン−P(Immobilon−P)転写膜(Millipore)に転写した。この膜を、4℃で一晩、10%カーネーション脱脂乾燥ミルク、0.9%NaCl、10mMトリス(pH7.5)及び0.2%NaN3を含有するバッファ中のロッカー・プラットホーム上でブロックした。この膜を、トリス緩衝生理食塩水(TBS)で2回、計10分間洗浄した。この膜を、TBS−0.5%ツィーン(TBST)、20%熱不活性化ウシ胎児血清、0.04%NaN3及び1:10,000に希釈されたウサギ抗−ペプチド抗血清を含有するバッファ30ml中において、室温で2時間インキュベートした。この膜を、TBST(洗浄1回当り10分間)で3回、室温で洗浄した。この膜を、1:10,000に希釈されたHRP−結合ロバ抗−ウサギ二次抗体(Amersham)を含有するTBST中において、室温で1時間インキュベートした。この膜を、TBSTで15分間室温で、次いでTBSTでさらに3回(各洗浄について5分間)洗浄し、ECLウェスタンブロッティング検出システム(Amersham)を用いて発色させた。
例 6
FKBP・FK−506・CaN複合体形成検定
インキュベーション(総容積500μl)を30℃で15分間行った。これには、以下の成分の様々な組合せが含まれていた:38μgのウシカルシニューリン、8μgのウシカルモジュリン、FKBP12を含まない5μgの精製FKBP12.6又は40μgのカルシニューリン欠除ウシ脳抽出物(FKBP12及びFKBP12.6の両者を含む)及び3.2μgのFK−506。インキュベーションバッファには、20mMトリス(pH7.5)、100mM NaCl、6mM MgCl2、0.1mM CaCl2、0.1mg/ml BSA、及び0.5mMジチオトレイトールが含まれていた。このインキュベーション反応物を、Bio−Sil SEC400 HPLCカラム(Bio−Rad)を用いて流速1ml/分でクロマトグラフィー処理し、1分ごとに画分を集めた。クロマトグラフィーバッファは、BSAが省略されていることを除いて、インキュベーションバッファと同じであった。画分19−29の30μlを、上に記載されるように、16%Novexトリス−グリシンゲルでの電気泳動にかけ、ウェスタン分析を行った。
例 7
カルシニューリン・ホスファターゼ検定
カルシニューリン・ホスファターゼ検定は、従来の検定(Liu,J.ら,Cell,66,807−815(1991);Manalan,A.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80,4291−4295(1983))の修正版である。反応混合物(60μl)には:40mMトリス(pH8)、100mM NaCl、6mM Mg(OAc)2、0.1mM CaCl2、0.1mg/ml BSA、0.5mMジチオトレイトール、190nMウシ脳カルモジュリン(Sigma)、3nMウシ脳カルシニューリン(Sigma)、及び40μm[33P]RIIペプチド(Peptides International)(600cpm/ピコモル)が含まれていた。標識ペプチドの添加に先立って、反応混合物を30℃で30分間予備インキュベートした。ペプチドを添加することにより反応を開始させ、脱リン酸化反応を30℃で10分間進行させた。100mMリン酸ナトリウムを含有する5%三塩化酢酸(停止バッファ)0.5mlを添加することにより反応を停止させ、0.5ml Dowex50W−X8、H+カラムにかけた。0.5mlの停止バッファ、次いで0.5mlの水で遊離[33P]リン酸塩をカラムから溶出させた。
例 8
ペプチドの合成、精製、及び解析
Applied Biosystems430Aペプチド合成機で、標準Fmoc保護アミノ酸及びp−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂へのHBTU介在結合について、使用説明書どおりメリフィールド(Merrifield)固相手法によりペプチドを合成した。室温で2時間、90%トリフルオロ酢酸(TFA)、5%チオアニソール、3%エタンジチオール、2%アニソールを用いて、ペプチドの脱保護と樹脂からの開裂を同時に行った。エチルエーテルで粗製ペプチドを沈殿させた後、10%酢酸に溶解し、凍結乾燥した。得られた粗製ペプチドを、0.1%TFA水溶液中5ないし50%アセトニトリルの45分間勾配を用いるウォーターズC18デルタパック(Waters C18 Deltapak)カラムでの逆相HPLCにより精製した。ペプチドの純度を、0.1%TFA水溶液中5→50%アセトニトリルの45分間勾配を用いるブラウンリー・スフェリ−50DS(Brownlee Spheri−5 ODS)カラムでの逆相HPLCにより評価した。全てのペプチドは純度>95%であった。ESI−MSにより分子イオンを得、各ペプチドの構造を確認した。
例 9
結合化学
ウシチログロブリン(33ナノモル)を脱気した20mMリン酸バッファ(pH8)2.5mlに溶解し、10マイクロモルのスルホ−MBS(Pierce)と共に、室温で30分間インキュベートした。この活性化チログロブリン結合混合液をPD−10カラムにかけ、活性化チログロブリンを、3.5mlの50mMリン酸バッファ(pH7)で、6マイクロモルの凍結乾燥ペプチドを収容するバイアルに溶出させた。この混合物を穏やかに攪拌しながら4℃で一晩インキュベートし、PBSで平衡化したPD−10でのクロマトグラフィーにより、ペプチド−チログロブリン複合体を遊離のペプチドまたは反応副生物から分離した。結合の程度を決定するため、50μlのサンプルを、減圧下で24時間、110℃に維持される0.1%フェノールを含有する6N HClを用いて加水分解した。ベックマン・モデル6300アミノ酸解析機を用いて、サンプルのアミノ酸分析を行った。
例 10
抗血清の生成
ニュージーランドシロウサギに、フロイント完全アジュバント1ml中に333μgの免疫原を筋肉内注射した。第7日及び第35日に、ウサギに、フロイント完全アジュバント中に333μgの免疫原を、6−10個所に再度腹腔内注射した。第45日にこれらの動物から採血し、同量の抗原を追加投与した。第55日に動物に再度追加抗原投与し、10日後に採血した。この追加免疫投与及び採血スケジュールを3−5回続け、抗血清の適当な供給を得た。一晩凝血させることにより血清を生成させ、この血清を−20℃で保存した。
例 11
FKBP12.6蛋白質配列決定
Lys−C及び化学消化物のHPLC分離を、UVダイオード・アレイ検出器を備えたHewlett Packard 1090Mシステムを用いて行った。自動化エドマン分解を、モデル120Aイン・ラインPTHアナライザーを備えたアプライド・バイオシステムズ・モデル477Aシーケンサーを用いて行った。配列決定に用いた全ての化学薬品及び標準はアプライド・バイオシステムズから購入した。ペプチド精製に用いたHPLCグレードの溶媒は、EMサイエンスから購入した。配列決定グレードのエンドプロテイナーゼLys−CはPromegaから入手した。CNBrはPierceから入手した。水素化トリトンX−100はCalBiochemから入手した。重炭酸ナトリウム、4−ビニルピリジン、及び2−メルカプトエタノールはSigmaから入手した。
以前の開示(Fernandez,J.ら,Anal.Biochem.,201,255−264(1992))に下記の幾つかの修正を加えて、酵素的消化を行った。PVP−40でのブロッキング工程は省略した。ポンソー染色FKBP12.6PVDF蛋白質バンド(400ピコモル)を1×1mm片に切断し、エッペンドルフ管に入れた。このPVDF片を50μlの消化バッファ(100mM NaHCO3、10%アセトニトリル、1%水素化トリトンX−100、pH8.0)に浸漬した。2μlの25mMリン酸ナトリウム(pH7.5)及び1mM EDTA中の配列決定グレード・エンドプロテイナーゼLys−Cをこの管に添加した。37℃で一晩消化を行った。上清に放出されたペプチドを集め、PVDF片を消化バッファの50μlアリコートで1回洗浄した。合わせた上清(〜100μl)を1.5mlエッペンドルフ管に入れ、1μlの10%2−メルカプトエタノール水溶液で処理した。この管を37℃で30分間インキュベートした。その後、サンプルを、0.1%TFA(溶媒A)で平衡化したブラウンリー・アクアポアC8マイクロポア(Brownlee Aquapore C8 microbore)カラム(1.0×250mm)に直接注入した。このカラムを、溶媒Aで、100ml/分で20分間洗浄した。0%(100%溶媒A)からアセトニトリル/水(70:30v/V)中に0.08%TFA(溶媒B)55%までの直線勾配(90分間)を用いて、流速50μl/分で、ペプチドを溶出させた。ペプチドピークを、1.5mlエッペンドルフ管に手で集めた。
凍結乾燥FKBP12.6及びPVDF膜にブロットしたFKBP12.6に対するCNBr消化を、以下に概要を示す分離方法により行った。FKBP12.6の凍結乾燥サンプルを50μlの70%ギ酸に溶解した。次いで、70%ギ酸に新しく溶解した約40μgのCNBrを添加した。この混合物を、室温で24時間、暗所においてインキュベートした。この混合物を水で0.5mlに希釈し、スピードVac(Speed Vac)において乾燥させた。サンプルを25μlの25%トリフルオロ酢酸に再溶解し、溶媒Aで平衡化したバイダックC18マイクロボア(Vydac C18 microbore)カラム(1.0×250mm)に注入した。0%から100%溶媒Bまでの直線勾配で、60分間に亘り、流速50μl/分で展開した。ペプチドピークの1つ、CB2(残基30−66)を手で集めた。逆相HPLCではCB1(残基1−29)又はCB3(残基67−107)を単離することは不可能であった。
CB3の配列を得るため、FKBP12.6(400ピコモル)をPVDF膜上にブロットし、以下のようにペプチドCB1配列を妨げるために無水酢酸でブロックした。FKBP12.6蛋白質を有する部分のPVDF膜をメタノールで洗浄して水を除去し、風乾した。その後、この膜を、室温で1分間、1.5mlエッペンドルフ管において、200μlのメタノール:トリエチルアミン(3:1v/v)で処理した。過剰の液体を膜から除去した後、200μlのメタノール:無水酢酸(3:1v/V)中において、室温で10分間インキュベートした。次いで、等
容量の水を添加して過剰の無水酢酸を除去した。次に、この膜を1mlのメタノール:水(1:1v/V)で4回洗浄し、その場でのCNBr消化に先立って風乾させた。PVDF膜を1×1mm片に切断し、10mlビーカーの底部のポリブレン予備処理反応カートリッジ・フィルターの頂部に載置した。PVDF片及びフィルターを、70%ギ酸中60μlの70mg/ml CNBrの溶液に浸漬した。このビーカーをパラフィルム、次いでアルミニウム箔で密封し、反応を室温で一晩進行させた。CNBr及びギ酸を窒素流で留去した。その後、PVDF片及び反応カートリッジ・フィルターをシーケンサー内に入れ、CB2及びCB3を一緒に配列決定した。上述の溶液CNBr消化により既知のCB2配列を差し引くことにより、CB3の配列が得られた。
FKBP12.6のキモトリプシンまたはトリプシン開裂のため、蛋白質を50μlの0.1M重炭酸アンモニウム、pH9.0に溶解した。キモトリプシン(Boehringer Mannheim)を1:200(w/w)の酵素:基質比で添加し、室温で18時間インキュベートした。アプライド・バイオシステムズC4カラム(2.1×100mm)で、200μl/分の流速で、TFA−アセトニトリルの直線勾配を用いて、ペプチドを分画した。ピークを手で集め、ポリブレン含浸PVDFストリップに吸着させ、開示されている(Shively,J.ら,Anal.Biochem.,163,517−529(1989))連続流動反応器を備えた修正アプライド・システムズ477A気相シーケンサーに入れた。
例 12
プライマー調製及びFKBP12.6cDNAのクローン化
ウシ脳FKBP12.6をコードする完全なcDNAをクローン化するため、我々は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により全ウシ脳cDNAから、ウシ脳FKBP12.6をコードするcDNAの断片を得るように、Taqポリメラーゼを用いた。我々は、3′末端が鋳型にアニールされていない場合にはTaqポリメラーゼはプライマーを伸長しないという事実を用いた。したがって、PCRプライマーの3′末端は、常に、FKBP12とFKBP12.6とで相違するアミノ酸をコードしていた。
4組の縮重オリゴヌクレオチドプライマー(2組のセンスプライマー及び2組のアンチセンスプライマー)を合成した。我々は、ウシ脳FKBP12.6が開始コドンのメチオニンを有しているものと仮定した。
実際のセンスプライマーの第1の組を以下に示す。これらのヌクレオチド配列において、Nは(G、A、T又はC)、Yは(T又はC)、Rは(A又はG)、Mは(A又はC)である。
(配列番号6):
Figure 0003747063
(配列番号7):
Figure 0003747063
(配列番号8):
Figure 0003747063
アンチセンスプライマーの第1の組を以下に示す。
(配列番号9):
Figure 0003747063
(配列番号10):
Figure 0003747063
(配列番号11):
Figure 0003747063
(配列番号12):
Figure 0003747063
センスプライマーの各々は32倍に縮重されていた。アンチセンスの各々は128倍に縮重されていた。これらを、可能な組合せ(12)の全てで、1ngの全ウシ脳cDNAからのウシ脳FKBP12.6をコードする断片のPCRに用いた。
センスプライマーの第2の組は第1の組に対して内側であり、これを以下に示す。
(配列番号13):
Figure 0003747063
(配列番号14):
Figure 0003747063
アンチセンスプライマーの第2の組は第1の組に対して内側であり、これを以下に示す。
(配列番号15):
Figure 0003747063
(配列番号16):
Figure 0003747063
このセンスプライマーは128倍に縮重されており、アンチセンスプライマーは64倍に縮重されていた。これらを、可能な組合せ(4)の全てで、12種類の一次PCR反応生成物と共に用いた。PCR反応物の総数は48であった。
各PCR反応物の一部をアガロースゲル電気泳動にかけ、約150bpの生成物を生じる反応物のみを以後の研究対象とした。150bp生成物を生じるPCR反応物は全て、上記センスオリゴ:
(配列番号13):
Figure 0003747063
から誘導された。このオリゴのEcoRI−リンカー処理版を合成し、センスプライマーとして用いた。
(配列番号17):
Figure 0003747063
アンチセンスオリゴマーの第2の組のBamHI−リンカー処理版を合成し、アンチセンスプライマーとして用いた。
(配列番号18):
Figure 0003747063
(配列番号19):
Figure 0003747063
PCR産生物をEcoRI及びBamHIで消化して末端を除去し、EcoRI及びBamHIで消化したpUC19にサブクローン化した。形質転換体の配列決定を行った。FKBP12.6の両プライマー間の部分をコードするウシ脳FKBP12.6cDNAの配列が明らかになり、これを以下に示す(配列番号20)
Figure 0003747063
この配列がFKBP12ではなくFKBP12.6をコードすることは、翻訳生成物がウシFKBP12.6であってウシFKBP12ではないという事実により示された。
我々は、上記プライマーを全ヒト脳cDNAに用いて、ヒトにおいて同じ蛋白質が発現されているかどうかを探った。ヒトcDNA断片の単離に用いたPCRプライマー及び方法は上記方法と同じである。
両プライマー間の領域のヒトFKBP12.6cDNA配列を以下に示す(配列番号21)。
Figure 0003747063
単離されたヒトcDNAの翻訳生成物のアミノ酸配列はウシの配列のものと同じであり、ヒトFKBP12のものとは異なっている。したがって、ヒトの脳にはFKBP12.6をコードする蛋白質が含まれる。
例 13
大腸菌発現ベクターへのFKBP12.6cDNAのクローン化
pETシリーズ(Novagen)を含むがこれに限定されるものではない大腸菌発現ベクターへのFKBP12.6発現カセットの移入に続いて、大腸菌中で組換えFKBP12.6を生成した。厳密に調節されたバクテリオファージT7プロモーターの制御の下で、pETベクターはFKBP12.6を発現する。この構築物を、誘発可能なlacプロモーターによって機能するT7RNAポリメラーゼ遺伝子の染色体コピーを有する大腸菌ホストに移入した後、培養物に適当なlac基質(IPTG)を添加するとFKBP12.6の発現が誘発される。発現したFKBP12.6のレベルは、上述の検定により決定する。
FKBP12.6のための全開放読み枠をコードするcDNAを、pET11aのNdeI部位に挿入する。正方向にある構築物を配列決定分析により同定し、発現ホスト株BL21の形質転換に用いる。次いで、形質転換体をFKBP12.6蛋白質の生成のための培地への接種に用いる。培養物はM9又はZB培地において増殖可能であり、これらの培地の処方は当業者には周知である。大凡OD600=1.5に増殖した後、1mM IPTGを用いて、37℃、3時間、FKBP12.6の発現を誘発する。これらの細胞からの不溶性封入体画分に真正FKBP12.6酵素活性を見出すことができる。この封入体画分から、50mMトリス−HCl(pH8)及び100mMジチオトレイトールを含有するバッファ中の5Mグアニジン−HClを用いて、可溶性FKBP12.6を抽出する。この抽出物から、100容量の25mM HEPES(pH7.5)、5mMジチオトレイトール、10%ショ糖に対して透析した後、活性FKBP12.6が生成される。
例 14
ツメガエル卵母細胞微量注入ベクターによるFKBP12.6mRNAの生体外翻訳及び哺乳動物細胞における発現
合成mRNAの生成のため、FKBP12.6cDNA構築物を生体外転写ベクター(pGEMシリーズ、Promega)中に接続する。
FKBP12.6mRNAをコードする二本鎖DNAをバクテリオファージプロモーターを含むプラスミドベクターにクローン化し、クローン化FKBP12.6をコードするDNAを含むプラスミドを直線化し、プラスミドベクター上のバクテリオファージプロモーターを特異的に認識するバクテリオファージ由来のDNA−依存性RNAポリメラーゼを用いてクローン化DNAを生体外で転写することにより、合成mRNAを生体外で十分な量生成させる。
バクテリオファージDNA−依存性RNAポリメラーゼによって認識されるバクテリオファージプロモーターを有する様々なプラスミドベクターが利用可能であり、これらにはpSP64、pSP65、pSP70、pSP71、pSP72、pSP73、pGEM−3Z、pGEM−4Z、pGEM−3Zf、pGEM−5Zf、pGEM−7Zf、pGEM−9Zf、及びpGEM−11Zfが含まれ、これら一連のプラスミドの全てプロメガから市販されているが、これらに限定されるものではない。
二本鎖のFKBP12.6をコードするDNAを、FKBP12.6DNAのクローン化に都合がよく、かつ適当である、ベクターの利用可能な制限エンドヌクレアーゼ・クローン化部位の1以上を用いて、バクテリオファージプロモーター含有ベクター中に適切な方向にクローン化する。接続されたFKBP12.6DNAを有するベクターを細菌の形質転換に用い、適正な方向にあるFKBP12.6DNAを有するベクターの存在についてクローン単離体を分析する。
適正な方向にあるFKBP12.6DNAをコードするDNAを含むベクターが同定され、単離されたら、FKBP12.6転写単位よりも下流で、この転写単位を破壊することのない制限エンドヌクレアーゼを用いて開裂させることにより、ベクターを直線化する。直線化されたプラスミドを単離精製し、FKBP12.6mRNAの生体外転写の鋳型として用いる。
次に、この鋳型DNAを、反応混合物中において、DNA鋳型の転写を可能にしてFKBP12.6mRNAを形成するバクテリオファージ特異的DNA−依存性RNAポリメラーゼと混合する。T3、T7、及びSP6 RNAポリメラーゼを含むがこれらに限定されるものではない、幾つかのバクテリオファージ特異的DNA依存性RNAポリメラーゼが利用可能である。その後、合成FKBP12.6mRNAを単離精製する。
mRNAの安定性を改善するため、5′末端キャップ構造及び3′ポリAテール部を有するmRNAを合成することが有利である。キャップ構造、すなわち7−メチルグアノシンは、単にDNA鋳型と共に反応混合物に7−メチルグアノシンを添加することにより、mRNAの5′末端に組込むことが可能である。DNA−依存性RNAポリメラーゼは、mRNAを合成する際に、キャップ構造を5′末端に組込む。ポリAテールは多くのcDNAにおいて自然に発生することが見出されるが、単にポリAテールをコードするDNA配列をDNA鋳型の3′末端に挿入することによりmRNAの3′末端に付加することが可能である。
単離精製されたFKBP12.6mRNAを、ウサギ網状赤血球溶解物及び小麦胚芽抽出物(両者ともプロメガ及びNew England Nucleaから市販されている)を含むがこれらに限定されるものではない非細胞系、もしくは、ツメガエル卵母細胞への微量注入を含むがこれに限定されるものではない細胞ベースの系のいずれか、好ましくはツメガエル卵母細胞への微量注入、を用いて翻訳する。
ツメガエル卵母細胞に、FKBP12.6蛋白質の生成に十分な量の合成FKBP12.6mRNAを微量注入する。この微量注入した卵母細胞をインキュベートしてFKBP12.6mRNAの翻訳を可能とし、FKBP12.6蛋白質を形成させる。
これらの合成mRNAは標準法(Gurdon,J.B.及びWickens,M.D.Methods in Enzymol.,101,370−386(1983))によりツメガエル卵母細胞(5−6期)に注入される。卵母細胞を回収し、上述の通りFKBP12.6の発現について分析する。
例 15
ツメガエル卵母細胞におけるpcDNA−FKBP12.6の発現
標準的な外科的手段(Colman,A.,1984:Transcription and Translation−A Practical Approach,IRL Press)を用いて、Xenopus laevisの雌成体から卵母細胞を取り出す。卵胞細胞を除去するため、新たに作製された、Ca2+非含有ND96溶液(ND96、mMで:NaCl 96、KCl 2、MgCl2 1、HEPES 5、Na−ピルベート2.5、テオフィリン0.5、ゲンタマイシン50mg/ml、+1.8CaCl2、pH7.6)中のコラゲナーゼ(2mg/ml、2型、Worthington Biochemical Corp.、Freehold、NJ)で卵母細胞を処理する。脱卵胞化した5−6期の卵母細胞を選別し、ND96溶液中に保持する。卵母細胞の核に、1−5ngのpcDNA−FKBP12.6もしくはpcDNA−FKBP12.6(Bam)を注入した後、アゴニストでの攻撃の前に18℃で48時間インキュベートする。アゴニスト誘発Ca2+−依存性Cl−電流又はCa2+特異的発光蛋白質エクオリン(J.Blinks,Friday Harbor Photoproteins,WA)を注入した卵母細胞における発光のいずれかを測定することにより、機能的活性を決定する(Giladi及びSpindel,Biotechniques,10,744−747(1991))。電気生理学的検定については、卵母細胞を0.5ml灌流チャンバーに入れ、ターボTEC01C(Turbo TEC10C)増幅器(NPI Instruments,Germany)を用いて(3M KClを充填した0.5−2.0MΩ抵抗の微小電極で)電圧を−60mVに固定する。リガンド含有溶液を灌流させ、応答電流を記録する。発光測定検定(luminometric assay)については、エクオリン注入卵母細胞(100ng/卵母細胞)を0.4mlに ND96を収容するキュベットに個別に入れ、リガンド添加により刺激される発光をバイオ−オービット1251ルミノメーター(Bio−Orbit 1251 luminometer)(Fisher Sci.Ltd.)を用いて記録する。
例 16
哺乳動物発現ベクターのFKBP12.6cDNAのクローン化
FKBP12.6cDNA発現カセットを、適当な制限エンドヌクレアーゼ部位で、強力な汎用哺乳動物プロモーターを有する下記ベクター内に接続する:pBC12BI(Cullen,B.R.,Methods in Enzymol.,152,684−704(1988))及びpEE12(Cell TechのEP0、338、841号)並びにその派生体pSZ9016−1及びp9019。p9019は、hCMVIEプロモーター、ポリリンカー及びSV40ポリA成分を有し、SV40早期プロモーターによって機能するジヒドロ葉酸レダクターゼの変異遺伝子(mDHFR)(Simonsen,C.C.及びLevinson,A.D.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80,2495−2499(1983))を含んでなる選別可能なマーカー/増幅システムを備えた哺乳動物発現ベクターの構造を示す。pD5(Berker及びSharp,Nucl.Acid Res.,13,841−857(1985))を鋳型として用いる、プライマー13978−120及び139778−121によるPCR反応により、SV40ポリアデニル化配列を生成する。得られた0.25KbのPCR産生物をClaI及びSpeIで消化し、同様に消化されたpEE12の6.7kb断片に接続する。得られたプラスミドをBg1II及びSfiIで消化し、SV40早期プロモーターの3′部分及びベクターからのGScDNAを接続する。プラスミドpFR400(Simonsen,C.C.及びLevinson,A.D.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80,2495−2499(1983))から単離される0.7kbのSfiI−XhoII断片を上記5.6kbベクターに接続し、これによりSV40早期プロモーターを再構築し、mDHFR遺伝子を挿入する。このプラスミドをp9019と呼ぶ。pSZ9016−1は、huCMVIEプロモーターをHIV LTRに置き換えること以外はp9019と同一である。このベクターは、p9019をXbaI及びMluIで消化してhuCMVIEプロモーターを除去することにより構築される。残基−117ないし+80のHIVLTRプロモーター(HIV−1 LTRの一部を有するベクターpCD23中に見出される(Cullen,Cell,46,973(1986))を、オリゴヌクレオチドプライマーを用いてプラスミドpCD23からPCR増幅する。このオリゴヌクレオチドプライマーは、生成物の末端に付加しているものであり、3′側にはHindIII及びXbaI部位が付加しているのに対して5′側はMluI及びSpeI制限部位である。得られた0.2kbのPCR産物を酵素MluI及びXbaIで消化した後、断片をゲル精製し、4.3kbのプロモーターのないDNA断片に接続してベクターpSZ9016−1を生成させる。
プロモーターに対して正方向にFKBP12.6cDNAを含むカセットをプロモーターの3′側の適当な制限部位に接続し、制限部位マッピング及び/または配列決定によって同定する。これらのcDNA発現ベクターを、COS−7(ATCC#CRL1651)、CV−1tat((Sackeuitzら,Science,238,1575(1987))、293、L(ATCC#CRL6362)を含むがこれらの限定されるものではない様々なホスト細胞に、エレクトロポレーション又は化学的方法(陽イオン性リポソーム、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム)を含むがこれらに限定されるものではない標準法により導入する。形質移入細胞及び細胞培養抽出物を回収し、以下に記すようにFKBP12.6の発現について分析することができる。
哺乳動物一過性発現に用いられるベクターの全ては、FKBP12.6を発現する安定な細胞系の確立に用いることが可能である。発現ベクターにクローン化された未変化FKBP12.6cDNA構築物は、細胞内FKBP12.6蛋白質を生成するようにホスト細胞を設定することが期待される。形質移入ホスト細胞には、CV−1P(Sackevitz,ら,Science,238,1575(1987))、tk−L(Wigler,ら,Cell,11,223(1977))、NS/0、及びdHFr−CHO(Kaufman及びSharp,J.Mol.Biol.,159,601(1982))が含まれるが、これらに限定されるものではない。
FKBP12.6cDNAを含むベクターと、G418、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、pLNCX(Miller,A.D.,及びRosman G.J.,Biotech News,7,980−990(1989));ハイグロマイシン、ハイグロマイシン−Bホスホトランスフェラーゼ、pLG90(Gritz.L.及びDavies,J.,Gene,25,179(1983));APRT、キサンチン−グアニンホスホリボシル−トランスフェラーゼ、pMAM(Clontech)(Murray,ら,Gene,31,233(1984))を含むがこれらに限定されるものではない薬剤選別プラスミドとの同時形質移入は、安定に形質移入されたクローンの選別を可能にする。FKBP12.6のレベルは上記検定により定量する。
できるだけ高いレベルのFKBP12.6を合成する哺乳動物細胞クローンを生成するため、FKBP12.6cDNA構築物を、増幅可能な薬剤耐性マーカーを有するベクターに接続する。これらの構築物を細胞に導入した後、適当な試薬でプラスミドを有するクローンを選別し、試薬の用量を増加しつつ高コピー数のプラスミドを有する過剰発現クローンの単離を達成する。以下のシステムを利用する:DHFR−CHO細胞に形質移入され、メトトレキセートにおいて選別される、変異DHFR遺伝子を有する9016又は9019プラスミド(Simonson,C.及びLevinson,A.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80,2495(1983));NS/O細胞に形質移入され、メチオニンスルホキシミンにおいて選別される、グルタミンシンセターゼ遺伝子を有するpEE21プラスミド、(セル・テックの国際特許出願2089/10404);及び、チミジンキナーゼ遺伝子を有するpDLAT−3(Colbere及びGaropin,F.,Proc.Natl.Acad.Sci.,76,3755(1979))と共にAPRT及びTK欠乏L細胞に形質移入され、APRT(0.05Mアザセリン、0.1mMアデニン、4μg/mlアデノシン)において選別され、HAT(100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリン、16μMチミジン)で増幅される、9016又は他のCMVプロモーターベクター。
例 17
昆虫細胞における発現のためのバキュロウイルス発現ベクターへのFKBP12.6cDNAのクローン化
昆虫細胞のSf9系(ATCC CRL#1711)におけるcDNAの高レベルの発現を提供するため、AcNPVウイルスのゲノムから誘導されるバキュロウイルスベクターを設計する。FKBP12.6cDNAを発現する組換えバキュロウイルスを以下の標準法(In Vitrogen Maxbac Manual)により生成させる:FKBP12.6cDNA構築物を、pAC360及びBlueBacベクター(In Vitrogen)を含む様々なバキュロウイルス転移ベクター中のポリヘドリンプロモーターの下流に接続する。Sf9細胞にバキュロウイルス転移ベクター及び直線化AcNPVゲノムDNA(Kitts,P.A.,Nuc.Acid.Res.,18,5667(1990))を同時形質移入した後、相同組換えにより組換えバキュロウイルスを生成させる。昆虫細胞中に封入体が存在しないことから組換えpAC360ウイルスを同定し(Summers,M.D.及びSmith,G.E.,Texas Agriculture Exp.Station Bulletin No.1555)、β−ガラクトシダーゼの発現に基づいてpBlueBacウイルスを同定する(Vialardら,J.Virol.,64,37−50(1990))。プラーク精製及びFKBP12.6組換えバキュロウイルスでのsf9細胞の感染の後、FKBP12.6の発現を上記検定により測定する。
FKBP12.6の全開放読み枠をコードするcDNAをpBlueBecIIのBamHI部位に挿入する。ポリヘドリンプロモーターに対して正方向にある構築物を配列決定により同定し、直線状AcNPVマイルド型DNAの存在下におけるSf9細胞の形質移入に用いる。
真正の活性FKBP12.6が昆虫細胞の膜に関連して見出される。標準法により昆虫細胞から膜調製品を調製する。
例 18
酵母発現ベクターへのFKBP12.6cDNAのクローン化
異種蛋白質の細胞内発現を指向するように設計された発現ベクターに最適化FKBP12.6cDNA構築物を挿入した後、酵母S.cerevisiaeにおいて組換えFKBP12.6を生成させる。細胞内発現のため、EmBLyex4等のベクターをFKBP12.6シストロンに接続する(Rinas,U.ら,Biotechnology,8,543−545(1990);Horowitz,B.ら,J.Biol.Chem.,265,4189−4192(1989))。発現したFKBP12.6のレベルは上記検定により決定する。
例 19
組換えFKBP12.6の精製
組換えにより生成したFKBP12.6は、抗体アフィニティクロマトグラフィーにより精製することができる。FKBP12.6抗体アフィニティカラムは、アフィゲル−10(Biorad)に抗−FKBP12.6抗体を添加することにより作製する。アフィゲル−10は、抗体がこのアガロースゲル・ビーズ支持体と共有結合を形成するようにN−ヒドロキシスクシンイミドエステルで予め活性化されたゲル支持体である。次いで、抗体を、スペーサー・アーム所在のアミド結合により、ゲルに結合させる。その後、残りの活性化エステルを1MエタノールアミンHCl(pH8)で失活させる。このカラムを水、次いで0.23MグリシンHCl(pH2.6)で洗浄して、非結合抗体又は無関係の蛋白質を除去する。次に、このカラムを、洗浄剤のような適当な膜可溶化剤と共にリン酸緩衝生理食塩水(pH7.3)で平衡化し、可溶化FKBP12.6又はFKBP12.6サブユニットを含有する細胞培養上清又は細胞抽出物をゆっくりとカラムに通す。その後、光学密度がバックグランドに低下するまでカラムをリン酸緩衝生理食塩水及び洗浄剤で洗浄し、次に、0.23Mグリシン−HCl(pH2.6)及び洗浄剤で蛋白質を溶出させる。次いで、精製されたFKBP12.6蛋白質をリン酸緩衝液に対して透析する。
本発明を、それらの特定の態様を参照しながら記述し、説明したが、当業者は、本発明の精神及び範囲から離れることなく、手順及びプロトコルの様々な翻案、変更、修正、置換、削除又は追加が可能であることを認識するであろう。例えば、ここに上述される特定の実験手順以外の手順を、上に示される本発明の蛋白質及びDNAの配列における縮重及び変化の結果として適用することが可能である。同様に、観察される特徴付けデータは、用いられる特定の検定または特徴付け法により、及びそれらに依存して、僅かに変動することがあり、結果におけるそのような予想される変動又は相違は本発明の目的及び実施に従って考慮される。したがって、下記請求の範囲によって本発明が定義され、この請求の範囲が合理的な広さで解釈されることが意図されている。
配列表
配列番号1
配列の長さ:103
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号2
配列の長さ:107
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号3
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号4
配列の長さ:11
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号5
配列の長さ:11
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号6
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号7
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号8
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号9
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:YES
配列:
Figure 0003747063
配列番号10
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:YES
配列:
Figure 0003747063
配列番号11
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:YES
配列:
Figure 0003747063
配列番号12
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:YES
配列:
Figure 0003747063
配列番号13
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号14
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号15
配列の長さ:16
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:YES
配列:
Figure 0003747063
配列番号16
配列の長さ:16
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:YES
配列:
Figure 0003747063
配列番号17
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号18
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:YES
配列:
Figure 0003747063
配列番号19
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:YES
配列:
Figure 0003747063
配列番号20
配列の長さ:120
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063
配列番号21
配列の長さ:120
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
配列:
Figure 0003747063

Claims (8)

  1. (i)配列番号1:
    Figure 0003747063
    で示されるN−末端部分アミノ酸配列を含み10−12kDaの範囲の分子量を有する、FK−506に対する特異的結合親和性を有する単離精製された均質細胞ゾル結合蛋白質、FKBP12.6、または
    (ii)配列番号1に示すアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が置換、欠失または付加されている上記蛋白質由来のFK−506に対する特異的結合親和性を有する蛋白質であって、比結合活性が蛋白質1mg当りFK−506約4.8μgであり、プロリン含有ペプチド結合のシス−トランス異性化の触媒能によって特徴付けられる酵素活性を有し、FK−506の存在下において、カルシニューリンに結合し、これを阻害する蛋白質。
  2. 比結合活性がFKBP12.6蛋白質1mg当りFK−506約4.8μgである請求項1記載のFKBP12.6蛋白質。
  3. プロリン含有ペプチド結合のシス−トランス異性化の触媒能によって特徴付けられる酵素活性を有する請求項1記載のFKBP12.6蛋白質。
  4. FK−506の存在下において、カルシニューリンに結合し、これを阻害する請求項1記載のFKBP12.6蛋白質。
  5. FK−506型の免疫抑制剤または請求項1記載のFKBP12.6蛋白質に対する抗体である生物学的に有用なリガンドと請求項1記載のFKBP12.6蛋白質とで形成される、精製された複合体。
  6. 請求の範囲第1項記載のFKBP12.6蛋白質に対する親和性を有する生物学的に有用なリガンドのサンプル中の存在又は量を決定する方法であって、サンプルを請求項1記載のFKBP12.6蛋白質と接触させることを包含する方法。
  7. サンプル中のリガンドの存在の決定に用いられる請求項6記載の方法であって、サンプルが発酵ブロス、体液又は薬剤候補物質である化学物質である方法。
  8. FKBP12.6蛋白質に特異的に結合する抗体であって、該FKBP12.6蛋白質が請求項1記載の蛋白質である抗体。
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