JP2982908B2 - ヒトfk506結合蛋白質をコードするdna - Google Patents

ヒトfk506結合蛋白質をコードするdna

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、遺伝子工学の分野に係る。詳しくは、本発
明は、ヒトFK506結合蛋白質をコードするDNA、該DNAを
組み込んで得られた発現ベクター、及び該発現ベクター
で形質転換された形質転換体に係る。
[従来の技術] プロリンペプチド結合の異性化を触媒し、蛋白質の高
次構造形成を促進する酵素として、ペプチジルプロリル
シストランスイソメラーゼ(以下、PPIaseと略称する)
が存在し、この酵素は免疫抑制剤サイクロスポリンAと
得意的に結合するサイクロフィリンと同一物質であるこ
とが知られている(Takahasi,N.ら、Nature 337,473−4
75,1989;Lang,K.ら、Nature 329,268−270,1987)。ま
た、この酵母は、変性させた蛋白質、例えばリボヌクレ
アーゼA、リボヌクレアーゼT1、免疫グロブリン、シト
クロームC、タイプIIIコラーゲンなどの高次構造の再
構成を促進することができる(Fischer,G.とBang,H.,Bi
ochimi.Biophys.Acta 828,39−42,1985;Lin,L.−N.ら、
Biochimi.Biophys.Acta 956,256−266,1989;Bachinger,
H.P.,J.Biol.Chem.262,17144−17148,1987)。
免疫抑制剤サイクロスポリンAによって、サイクロフ
ィリンのPPIase活性が阻害されることから、サイクロス
ポリンAの効果は、PPIase活性を阻害することによっ
て、その基質となる蛋白質の活性発現が抑制されるため
に起こると推定されるが、以下に述べるように、その効
果は多岐に及んでおり、サイクロフィリンが作用する蛋
白質は多数存在するものと考えられる。例えば、免疫系
細胞において、サイクロスポリンAはヘルパーT細胞を
活性化するが、サイクロフィリンはPPIaseとして、イン
ターロイキン2遺伝子や他のリンフォカイン遺伝子の発
現を活性化するある種の転写制御因子、例えばNFAT、AP
−3の活性発現に働いている(高橋信弘ら、現代化学22
2,40−47,1989;Emmel,E.A.ら、Science246,1617−1620,
1989)、また、サイクロスポリンAの免疫細胞における
γ−インターフェロン、インターロイキン4、マクロフ
ァージ活性化因子、腫瘍壊死因子などの産生、分泌の阻
害に対しては、これらの蛋白質合成のための転写、翻訳
あるいは高次構造形成のいずれかの過程にサイクロフィ
リンはPPIaseとして作用している(高橋信弘、医学のあ
ゆみ、151,413−416,1989)ものと考えられる。
哺乳類において、サイクロフィリンは、一つの生物種
に対して一種類の蛋白質が同定されているのみである
が、その染色体上にはサイクロフィリン様遺伝子をコー
ドする数十コピーのDNA配列の存在が確認されており(H
aendler,B.ら、EMBO.J.6,947−950,1987)、また、酵母
および大腸菌において2種類のサイクロフィリン様蛋白
質が確認されている(特願平1−184738および特願平1
−344705)ことから、哺乳類においても、サイクロフィ
リン様蛋白質が多数存在するものと考えられる。この多
様性が、作用する基質蛋白質の多様性に対応しており、
サイクロスポリンAのもつ薬剤としての副作用が生じる
原因であると推察される。
免疫抑制剤サイクロスポリンAと非常に類似の効果を
もつが、その化学構造が全く異なる免疫抑制剤としてFK
506が知られている(Thomson,A.W.,Immunology Today,1
0,6−9,1989)。また、生体内において、FK506と特異的
に結合する蛋白質が存在しており、このFK506結合蛋白
質はペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼ活性
を有し、FK506の結合によってその活性が阻害されるこ
とも知られている(Siekierka,J.J.ら、Nature 341,755
−757,1989;Harding,M.W.ら、Nature 341,758−760,198
9)。
化学構造が全く異なる免疫抑制剤が、共に、PPIase活
性の阻害効果を有するという結果は、免疫抑制作用がPP
Iase活性の阻害を介して行われていることを強く示唆し
ており、従って、PPIase活性の阻害効果をもつ物質は免
疫抑制効果をもつと考えられる。
FK506結合蛋白質とサイクロフィリンとのPPIase活性
に対する基質特異性の比較研究から、サイクロフィリン
は相対的に広い基質特異性をもつのに対し、FK506結合
蛋白質はより狭い基質特異性を有する、即ち、FK506結
合蛋白質の基質となる蛋白質はサイクロフィリンのそれ
とは異なり、かつ、サイクロフィリンよりもより特異的
に働いていることが示唆されている(Harrison,R.K.とS
tein,R.L.,Biochemistry 29,3813−3816,1990)。
免疫抑制剤としては、免疫系細胞に選択性をもつ、特
にヘルパーT細胞で働くPPIase活性を特異的に阻害でき
る物質が副作用の少ない薬剤として有効であると期待で
き、サイクロフィリンより狭い基質特異性を有するFK50
6結合蛋白質の酵素活性阻害効果を目安として、かかる
副作用の少ない薬剤をスクリーニングすることができる
と考えられる。
FK506結合蛋白質は、2つのグループによって単離さ
れているが、報告されている分子量は、11,000ダルトン
(Siekierka,J.J.ら,Nature 341,755−757,1989)及び1
4,000ダルトン(Harding,M.W.ら,Nature 341,758−760,
1989)とくい違っている。また、後者の文献の中で、Ha
rdingらは、ウシ胸腺から単離した蛋白質のアミノ末端
側40残基までのアミノ酸配列を決定し、サイクロフィリ
ンと異なる蛋白質であるとしているが、PPIaseとしての
酵素活性部位等においてサイクロフィリンと何らかの共
通性があるかどうかについては不明である。
[発明が解決しようとする問題点] 上述のように、FK506結合蛋白質はサイクロフィリン
と異なるPPIase活性を有しており、その生理学的機能も
多用であろうと考えられている。該蛋白質はそのPPIase
活性の阻害を目安とした免疫抑制剤のスクリーニングの
手段として使用し得るだけでなく、in vitroでの特定蛋
白質の高次構造形成を促進する手段として、また該蛋白
質の基質特異性を調べるための研究用試薬として重要視
されている。しかしながら、これまで、該蛋白質は直接
臓器から単離する以外には入手方法が確立されていなか
った。
このような状況下において、本発明の目的は、FK506
結合蛋白質に対応する遺伝子を単離することによって、
該蛋白質をコードするDNAの塩基配列を決定し、このDNA
配列から推定されるアミノ酸配列を決定し、さらに、該
蛋白質を遺伝子工学技術を用いて多量に製造するための
手段、及び他の有用蛋白質の遺伝子と協調的に発現させ
ることにより、他の有用蛋白質を効率的に産生させるた
めの手段を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の問題点は、FK506結合蛋白質の遺伝子をクロ
ーン化し、宿主に発現プラスミドとして組み込んだもの
を作製することによって解決される。以下に本発明を詳
細に説明する。
本発明は、第1図に示すアミノ酸配列によって表わさ
れるヒトFK506結合蛋白質をコードする塩基配列を包含
するDNAを提供する。本発明DNAは以下のようにして調製
される。
米国CLONTEC社のλgtllをベクターとして作製された
ヒトT細胞cDNAライブラリーから、Hardingら[Nature
341,758−760(1989)]により報告されたウシFK506結
合蛋白質(以下、FKBPと略称する)のアミノ酸配列(31
番目のGlu〜37番目のAsp)をもとに合成したDNA配列を
プローブとして用いたハイブリッド形成によるスクリー
ニングを実施することによって、ヒトFKBPcDNAを含むク
ローンを単離した。
該クローンを溶菌し、得られたファージからファージ
DNAを回収し、これをRNaseAを含有する緩衝液中でEcoR
Iと反応させた後、アガロースゲル電気泳動、サザンブ
ロッティング[Sauthern,E.J.,J.Mol.Biol.98,503−517
(1975)]を行ない、前記ハイブリッド形成と同一の条
件下でハイブリッド形成を実施した。得られたクローン
は約1.5kbのEcoR I断片を有し、グラスパウダー法(Gen
e CleanTM,Bio−101社)により該アガロースからDNAを
分離、精製した。
上記1.5kb EcoR I断片を、T4 DNAリガーゼを用いてEc
oR I消化pUC19ベクター内に組み込み組換えプラスミド
を作製した。該プラスミドを、塩化カルシウム法[Mand
el,M.とHiga,A.,J.Mol.Biol.53,159−162(1979)]に
よって作製された感受性大腸菌JM107株に移入し、アン
ピシリン耐性株を分離し、形質転換体pUC−h−FKBPを
得た。プラスミドDNAのミニプレパレーションを常法(M
aniatisら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,19
82)に従って実施し、得られたプラスミドDNAをEcoR I
で切断し、アガローズゲル電気泳動を行なうことによ
り、1.5kbのEcoR I断片がpUCベクターに挿入されている
ことを確認した。また、サザンブロッティングにより、
この断片が前記プローブと結合することも確認された。
挿入DNA中に存在するHinc II制限酵素認識部位を利用
して、前記プラスミドDNAをEcoR IとHinc IIで二重消化
し、生成した2つの約750bpDNA断片の夫々をM13mp系フ
ァージDNAに再度組み込み、ジデオキシ法[Sanger,F.,N
icklen,S.およびCorlson,A.R.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
74,5463−5467(1977)]によりヌクレオチド配列を決
定し、目的とするヒトFKBPをコードするcDNAを同定し
た。
第1図に、上記のようにして得られた完全長のヒトFK
BPcDNAのヌクレオチド配列及びそれから推定されるヒト
FKBPのアミノ酸配列を示す。この遺伝子の塩基配列から
推定されるアミノ酸配列から、この遺伝子は108個のア
ミノ酸残基(1Met Gly………Leu 108Glu)から成る蛋白
質をコードしていると考えられる。このアミノ酸配列と
Hardingらが報告しているウシFKBPのN末端40アミノ酸
残基の配列部分とが完全に一致することから判断して、
得られた遺伝子は、ヒトFKBPをコードする遺伝子である
ことが明らかとなった。
従って、本発明は、第1図に示すアミノ酸配列によっ
て表わされるヒトFK506結合蛋白質をコードする塩基配
列を包含するDNAを提供するものであり、また本発明の
実施態様により、該蛋白質をコードする塩基配列として
第1図の各アミノ酸に対応させて記載のコドンから成る
塩基配列(1ATG GGA…………CTG GAA324)を挙げること
ができるが、もちろん各アミノ酸に対応する他のコドン
から成る他のいかなる塩基配列も本発明に包含される。
推定されたアミノ酸配列から、ヒトFKBPの分子量、等
電点を計算すると、分子量11,951ダルトン、等電点8.71
であり、これらの値は前記Hardingらの報告した分子量
及びSiekierkaらの報告した等電点とよい一致が見ら
れ、得られた遺伝子がFKBPをコードしていることを更に
強く支持している。得られた塩基配列、全アミノ酸配列
をデータベース(Gen Bank,EMBL,DDBJ)に登録されてい
る配列と夫々比較したが、相同性のある遺伝子及び蛋白
質を見い出すことはできなかった。更に、同じPPIase活
性をもつサイクロフィリンの配列とも比較したが、何ら
相同性は存在しなかった。従って、サイクロフィリンと
FKBPは、互いに全く関連性のない構造を持っていること
が明らかとなった。このことは、これら2つのPPIaseが
独立に異なった基質に働いている可能性を示唆してい
る。
単離した遺伝子をプローブとして、ノーザン(Northe
rn)ブロット法により各種臓器でのFKBPのmRNAの存在を
調べたところ、用いた臓器、即ち肺,胎盤,肝臓,脳,
白血球の全てにおいて、量的な差はあったが、該mRNAが
存在していた。それ故、FKBPは組織特異的に存在してい
るとは考えにくい。サザンブロット法により、ヒト染色
体上に存在する遺伝子の数を調べると、サイクロフィリ
ン遺伝子の場合20コピー以上のDNA配列が存在している
と考えられるのに対し、FKBPの遺伝子の場合1〜2コピ
ーのDNA配列が検出されただけであった。このことか
ら、サイクロフィリンの場合には分子種として多様性が
あるが、FKBPの場合にはほとんど多様性はなく、機能的
にもFKBPの方が極めて限定的な機能を有していると考え
られる。更に、FKBPの場合、分子種としての数が少ない
と推定されることに加え、そのPPIaseとしての基質特異
性が非常に狭い(Harrison,R.K.とStein,R.L.,Biochemi
stry 29,3813−3816,1990)と考えられることから、こ
の蛋白質の作用する基質蛋白質の種類は比較的限定され
ていると推定される。この作用する基質が組織特異的に
働く蛋白質である場合には、FKBPの酵素活性を阻害する
物質は薬剤として比較的組織特異的な作用をもつ可能性
が高く、一方それが各組織に共通で普遍的な蛋白質であ
る場合には、酵素活性阻害物質は薬剤として副作用が多
いと考えられる。それ故、FKBPを容易に入手できるなら
ば、該蛋白質はこれらのことを明らかにする基質を探る
強力な手段となり得るだけでなく、副作用のない又は少
ない免疫抑制剤等のFKBP阻害物質をスクリーニングする
上で重要な役割を果し得るといえる。
本発明はまた、プロモーターの下流であって且つター
ミネーターの上流に存在するベクター内のクローニング
部位に導入された、少なくとも第1図に記載のアミノ酸
配列によって示されるヒトFK506結合蛋白質をコードす
る塩基配列から成るDNAを含む発現ベクターを提供す
る。以下に、該ベクターの構築方法を説明するが、ベク
ターとしては、プラスミド及びファージ等の慣用ベクタ
ーを挙げることができる。また、プロモーターとして
は、大腸菌、ファージ、酵母菌をはじめとする真核生物
由来のもの等が挙げられ、例えばトリプトファン合成酵
素オペロン(trp)、ラクトースオペロン(lac)、ラム
ダファージPL・PR、グリセルアルデヒド−3−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ(GAPDH),アルコールデヒドロゲナー
ゼ(ADHI)のプロモーター等がある。さらにまた、ター
ミネーターとしては、例えばGAPDH遺伝子、ADHI遺伝子
のターミネーターが挙げられる。
上述のようにして得られたヒトFKBPクローンは、3′
側部分にポリA配列を含んでいなかったため、先ずFKBP
構造遺伝子とヒトサイクロフィリンcDNA由来のポリA配
列を連結したプラスミドを第2図に示す手順に従って構
築した。
FKBPcDNAを含むプラスミドpUC−h−FKBP DNAをNco I
消化し、次いでKlenow処理することにより、Nco I部位
が平滑末端となった340bp DNA断片を、Gene CleanTM
より精製した。一方、pUC18のEcoR I部位にXho I部位を
導入したpUC18XクローニングベクターをEcoR IとSma I
で二重消化し、更に、Klenow処理を行って平滑末端をも
つベクターを作製した。このベクターと前記の340bp DN
A断片をT4 DNAリガーゼの存在下に連結して、組換えプ
ラスミドpUC−X−FKBPを得た。
次に、ヒトPPIaseを含むプラスミドpUC−h−PPI DNA
をEcoR IとPst Iで二重消化して、約150bpのヒトPPIase
ポリA配列を含有するDNA断片を得、また、pUC−X−FK
BP DNAをEcoR IとXho Iで二重消化することにより2.6kb
のベクター断片として得た。これら3つのDNA断片を連
結して三者が連結したプラスミドpUC−X−FKBP−Aを
構築した。
更に、天然のGAPDH遺伝子のプロモーター領域を含む
プラスミド(pGXN13−NeoC−ATE;特願平1−328264号公
報参照)をXho IとBamH Iで二重消化し、得られた大フ
ラグメントをヒト血清アルブミンcDNAを含む発現プラス
ミドpJDB−ADH−HSA−A(特開平2−117384号公報参
照)のXho I/BamH I二重消化物の小さい方のフラグメン
ト(HSAcDNAを含む)と連結させて作製したpJDB−GAP−
HSA−A DNAをSma IとXho Iで二重消化して、HSA遺伝子
の除かれた発現ベクターを得た。一方、pUC−X−FKBP
−Aを順次Hind III消化、Klenow処理及びXho I消化し
て、FKBPとポリA配列を含む570bpのDNA断片を得た。夫
々のDNA断片を連結してヒトFKBPを発現産生させるため
の発現プラスミドpJDB−GAP−FKBP−Aを作製した(第
3図参照)。図示された発現プラスミドの構造から分か
るように、ヒトFKBPをコードするDNA断片はGAPDHプロモ
ーターの下流側であって且つADHIターミネーターの上流
側に導入される。該発現プラスミドpJDB−GAP−FKBP−
Aは、これを大腸菌HB101株に移入して得られた形質転
換株HB101/pJDB−GAP−h−FKBPとして寄託された(平
成2年6月27日付寄託,微工研菌寄第11558号;FERM P−
11558)。
本発明は更に、宿主を、上記の本発明発現プラスミド
で形質転換して得られる形質転換体を提供する。
本発明の形質転換体の作製は、橋本英明と木村光のKU
R法[発酵と工業,43,630−637(1985)]の改良法によ
り、前記発現プラスミドpJDB−GAP−FKBP−Aを宿主内
に移入することによって実施される。宿主としては、大
腸菌,枯草菌,酵母等のこの業界で慣用の微生物が挙げ
られる。
該形質転換体を任意の培地中で培養し、目的とする組
換え蛋白質を産生蓄積せしめることにより、組換えヒト
FK506結合蛋白質を得ることができる。発現生成物の検
出は、培養菌体を集菌し、加熱溶菌させた試料をSDSポ
リアクリルアミドゲル上で電気泳動分析することによっ
て行い、ゲル上約14キロダルトン付近にヒトFKBPによる
有意なバンドが確認された。発現生成物は、菌体を破砕
後、慣用の精製手段、例えばゲルろ過,イオン交換クロ
マトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィーなど
の種々のクラマトグラフィー法の組み合わせ等により実
質的に精製された形で単離回収することができる。本発
明により、遺伝子工学的にヒトFKBPを製造供給すること
が可能となる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明のその要旨を変えない限り以下の実施例によ
って限定されるものではない。
実験例1 ヒトFKBP遺伝子のクローニング ヒトFKBPcDNAを含むクローンを得るために、米国CLON
TECH社のλgt11をベクターとして作製されたヒト細胞cD
NAライブラリーを用いた。
λgt11組換え体ファージ1×104pfuを大腸菌Y1090株
の一晩培養液[LB培地(1%トリプトン,0.5%酵母エキ
ス,0.5%NaCl)+0.2%マルトース]の細胞50μに加
え、37℃で20分間反応させた後、3mlのL−Top−アガロ
ース(LB培地+0.7%アガロース)と共に直径90mmのL
−プレート(LB培地;1.5%寒天)4枚にまいた。これら
のプレートを37℃で一晩培養しプラークを形成させた
後、4℃で1時間保存した。組換え体ファージをメンブ
ランフィルター(Amersham社,Hybond−N)に移し、0.5
N NaOH,1M NaClを浸した3MMロ紙(Whatman社)上に5分
間置き、さらに0.5M Tris−HCl(pH7.2),1.5M NaClを
浸したロ紙上に5分間静置した。2×SSC(20×SSCは3M
NaCl,0.3Mクエン酸三ナトリウムから成る)溶液でフィ
ルターを洗い、風乾させた後、サランラップで包み、UV
照射することによりファージDNAをフィルターに固定し
た。そのフィルターを32P放射性同位元素で標識した合
成オリゴヌクレオチド(比活性≧107cpm/μgDNA)をプ
ローブとして用いてスクリーニングした[BentonとDavi
s,Science 196,180−182(1977)]。
プローブとして、ウシFKBP[Hardingら,Nature341,75
8−760(1989)]のアミノ酸配列の31番目グルタミン酸
から37番目アスパラギン酸に対応するプローブDNA5′−
GA(A/G)GA(T/C)GG(G/A/T/C)AA(A/G)AA(A/G)T
T(T/C)GA−3′をCaruthersら[Matteucci,M.D.とCar
uthers,M.H.,Tetrahedron Letters 21,719(1980)]に
より開発されたホスホアミダイト法を応用した自動DNA
合成機(Applied Biosystemsモデル380B)を用いて合成
し、合成DNA鎖(21pmol)を50mM Tris−HCl(pH7.6),1
0mM MgCl2,5mMジチオスレイトール,100μCi[γ−32P]
ATP(3000Ci/mmol,Amersham社)及び12単位のT4ポリヌ
クレオチドキナーゼ(宝酒造)を含有する溶液50μ中
で37℃60分間処理することにより、5′端をリン酸化標
識した。
6×SSC,5×デンハルト溶液(100×デンハルト溶液は
2%ウシ血清アルブミン,2%フィコール、2%ポリビニ
ルピロリドン),0.5%SDS,50μg/mlの超音波処理したサ
ケ精子DNA及び106cpm/mlプローブDNAを含む溶液を用
い、37℃で16時間フィルターのハイブリダイゼーション
を行った。そのフィルターを2×SSC,37℃で洗浄し、X
腺フィルム(Kodak社,XAR−5)に−70℃で10時間露光
させた。
現像後、陽性のシグナルを与えたプラーク2個をパス
ツールピペットの先端で掻き取り,100μのTM液[10mM
Tris−HCl(pH7.5),10mM MgCl2]に懸濁し、室温に20
分間静置させた。懸濁液0.5μを1mlのTM液で希釈し、
そのうち5μを前述の方法で大腸菌Y1090株に感染さ
せ、L−プレート上にまき、プラークを形成させた。形
成されたプラークは再度上記のようにプラークハイブリ
ダイゼーションを行い単一プラークからなる陽性クロー
ンを得た。陽性クローンをパスツールピペットの先で掻
き取り、50μのY1090細胞に加えて37℃で20分間静置
した後、10mM MgSO4を含む2mlのLB培地に加え、37℃で
6時間振盪培養した。クロロホルムを100μ加え、ボ
ルテックスミキサーにかけて完全に溶菌させ、5000rpm
で5分間遠心し、上清を得た。この上清中に1010オーダ
ーのファージが含まれていた。この上清800μに100μ
の5M NaClを加えてよく混ぜ、−20℃で20分間静置し
た。15Krpmで5分間遠心し、得られた沈澱を500μの7
0%エタノールで洗い、200μのTE溶液[10mM Tris−H
Cl(pH8.0),1mM EDTA]に溶解させた。1μ(60unit
/μ)のDNase I(宝酒造)と2μの1M MgCl2を加
え、37℃にて30分間反応させ、100μのTE飽和フェノ
ールを加え、ボルテックスミキサーで処理した。12Krpm
で5分間遠心し、水層をさらにフェノール/クロロホル
ム(1:1)で1回抽出し、得られた水層に20μの3M酢
酸ナトリウム(pH5.2)及び500μのエタノールを加
え、遠心してDNAを沈澱させた。その沈澱を70%エタノ
ールで洗浄した後、減圧乾燥させ、50μのTEに溶解し
た。この操作で1μg相当のファージDNAが得られた。
得られた溶液20μに2.5μの10倍濃度のEcoR I緩衝
液[0.5M NaCl,1M Tris−HCl(pH7.5),70mM MgCl2]を
加え、1μ(20単位)のEcoR I(ニッポンジーン)と
1μの10mg/mlのRNase A(Sigma社)を加え、37℃で
1時間反応させた。反応後、0.7%アガロースゲル電気
泳動を行い、サザンブロット法[Sathern,E.,J.Mol.Bi
o.98,503−517(1975)]に従って、DNAバンドをHybond
フィルターにブロティングさせた。DNAの結合したフィ
ルターを用いてプラークハイブリゼーションと同一の条
件でハイブリゼーションを行った。こうして得られたク
ローンは各々約1.5kbのEcoR I断片を有し、グラスパウ
ダー法(Gene CleanTM,Bio−101社)によりDNAをアガロ
ースから分離精製し、pUC19ベクターにサブクローニン
グした。
EcoR Iで消化したpUC19ベクター(30ng)と回収され
た1.5kbのEcoR I断片(20ng)とを2.8単位のT4 DNAリガ
ーゼ(宝酒造)を含む総量30μの反応溶液[66mM Tir
s−HCl(pH7.6),6.6mM MgCl2,10mMジチオスレイトー
ル,1mM ATP]中で、16℃、4時間処理し、両者が連結し
た組換えプラスミドを得た。この反応液の10μを宿主
菌の大腸菌JM107株を形質転換するのに用いた。形質転
換に用いる感受性大腸菌は、塩化カルシウム法[Mande
l,M.とHiga,A.,J.Mol.Biol.53,159−162(1970)]によ
り作製される。具体的には、大腸菌JM107株の一晩培養
液(LB培地)を同じ培地で希釈し、OD600が0.6になるま
で37℃で振盪培養し、1.5mlを5Krpmで5分間遠心して集
菌した。これを750μの50mM CaCl2に懸濁し、氷上に2
0分間放置した後、遠心により集菌した。得られた菌体1
00μの50mM CaCl2に再懸濁し、前記のDNAリガーゼ反
応液を加え、氷上に40分間放置した。42℃で1分間保温
した後、1mlのLB培地を加え、37℃で30分間保温した。
このうち0.1mlをX−Galプレート(155μg/ml 5−ブロ
モ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピ
ラノシド、80μg/mlイソプロピル−β−D−チオガラク
トピラノシド、25μg/mlアンピシンを含むL−プレー
ト)上に塗布し、37℃に一晩保温した。プレート上に生
じたコロニーのうち白色を呈するコロニーを選抜し、菌
体を一白金耳とり、25μg/mlアンピシリンを含むLB培地
に移し、一晩培養液を調製した。1.5mlの一晩培養液を
遠心して集菌し、プラスミドDNAのミニプレパレーショ
ンを常法(Maniatisら,Molecular Cloning:A Laborator
y Manual,1982)により行った。得られたプラスミドDNA
を、EcoR Iで切断し、アガロースゲル電気泳動を行い、
1.5KbのEcoR I断片がpUCベクターに挿入されていること
を確めた(pUC−h−FKBP)。さらに、サザンブロット
法により、この断片がプローブと結合することも確認し
た。
この挿入DNA中に存在するHinc II制限酵素認識部位を
利用し、1μgプラスミドDNAを溶液25μ[50mM NaC
l,100mM Tric−HCl(pH7.5)、7mM MgCl2,20単位のEcoR
I(ニッポンジーン)、10単位のHinC II(ニッポンジ
ーン)]中で37℃60分二重消化し、生ずる約750bp DNA
断片2つをそれぞれM13mp系ファージDNAに再度組込み、
ジデオキシ法[Sanger,F.Nicklen,S及びCorlson,A.R.Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463〜5467(1977)]によっ
て、ヌクレオチド配列を決定し、目的とするヒトFKBPを
コードするcDNAを同定した(第1図)。この遺伝子の塩
基配列から推定されるアミノ酸配列から、この遺伝子
は、108個のアミノ酸残基からなる蛋白質をコードして
いると考えられる。
実験例2 ヒトサイクロフィリン cDNAのクローニング ヒトサイクロフィリンcDNAを含むクローンを得るた
め、米国CLONTECH社のλgt11をベクターとして作製され
たヒトT細胞cDNAライブラリーを用いた。λgt11組換え
体ファージを大腸菌Y1090株を宿主として感染させ、形
質転換プラーク1×104個をL−プレート上に形成さ
せ、組換えDNAをメンブランフィルター(Amersham社、H
ybond−N)に移した後、32P放射性同位元素で標識した
ブタPPIase cDNA遺伝子(比活性≧108cpm/μg)をプロ
ーブとして用いたスクリーニングした[BentonとDavis,
Science 196,180〜182(1977)]。
プローブは、特願平1−184738(平成元年7月19日出
願)に示したブタPPIase遺伝子のEcoR I・Pst I断片
を、ランダム・プライムドDNAラベリングキット(Boehr
inger社)を用い、メーカーマニュアルに従いDNA標識を
行って調製した。ハイブリダイゼーション反応は、4×
SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50μg/mlの超音
波処理したサケ精子DNA及び106cpm/mlのプローブDNAを
含む溶液中で、65℃にて16時間行い、洗浄は0.1×SSCを
用いて65℃で行い、X線フィルム(Kodak社、XAR−5)
に−70℃にて10時間露光させた。現像後、陽性のシグナ
ルを与えたプラークについて、ハイブリダイゼーション
を繰り返すことにより単一プラークからなる陽性クロー
ンを得た。
そのクローンからファージDNAを調製[Blattnerら、S
cience 202,1279〜1284(1978)]し、1μgファージD
NAを溶液25μ[50mM NaCl,100mM Tris−HCl(pH7.
5),7mM MgCl2,20単位のEcoR I(ニッポンジーン)]中
で37℃60分間処理することにより消化し、消化物のサザ
ンブロットをプローブとハイブリダイズさせた[Southe
rn,E.J.Mol.Biol.98,503〜517(1975)]。ハイブリダ
イズしたEcoR I断片は約750bpであり、グラスパウダー
法(Gene CleanTM,Bio−101社)によりDNAをアガロース
から回収し、pUC19ベクターにサブクローニングした。
EcoR Iで消化したpUC19ベクター(30ng)と回収され
た800bp EcoR I断片(20ng)とを、2.8単位のT4DNAリガ
ーゼ(宝酒造)を含む合計30μの反応液[66mM Tris
−HCl(pH7.6),6.6mM MgCl2,10mMジチオスレイトール,
1mM ATP]中で16℃にて4時間処理し、両者が連結した
組換えプラスミドを得た。この反応液10μを用いて大
腸菌JM107株を形質転換させ、X−Galプレート上にま
き、コロニーを形成させた。白色を呈するコロニーを選
択し、25μg/mlアンピシリンを含む5mlのLB培地に接種
し、37℃で一晩培養した。1.5mlの一晩培養液から遠心
により細胞を集め、それらの細胞からミニプレパレーシ
ョン法によりDNAを調製し、EcoR Iによる切断の後、ア
ガロースゲル電気泳動を行い、適切な挿入DNAを含む組
換えプラスミドpUC−h−PPIを得た。
この挿入DNA中に存在するPst I制限酵素認識部位を利
用し、1μgプラスミドDNAを溶液25μ[50mM NaCl,1
00mM Tris−HCl(pH7.5),7mM MgCl2,20単位のEcoR I
(ニッポンジーン]、20単位のPst I(ニッポンジー
ン)]中で、37℃にて60分間二重消化し、生ずる約600b
pと150bpのDNA断片をM13mp系ファージDNAにそれぞれ組
込み、ジデオキシ法[Sanger,F.Nicklen,S.及びCorlso
n,A.R.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463〜5467(197
7)]によってヌクレオチド配列を決定した。ヒトサイ
クロフィリンのcDNA配列は、すでに決定されており[Ha
endler,Bら、ENBO J.6,947〜950(1987)]、今回得ら
れたクローンのヌクレオチド配列とも完全に一致した。
実験例3 酵母菌でのヒトFKBP発現プラスミドの構築 FKBP cDNAを含むプラスミドpUC−h−FKBP 1μgDNA
を、反応液20μ[150mM NaCl,6mM Tris−HCl(pH7.
5),6mM MgCl2,6単位のNco I(ニッポンジーン)]中で
37℃、1時間消化し、その反応液にTE80μを加え、70
℃で5分間熱処理した後、1μの1mM dXTP(dATP,dGT
P,dCTP,dTTPを各々1mM含む)と2単位のDNAポリメラー
ゼのKlenowフラグメント(宝酒造)を加え、37℃で30分
間保温した。アガロースゲル電気泳動を行い、Nco I部
位が平滑末端となった340bp DNA断片をGene Cleanによ
り、精製した。また、pUC18のEcoR I部位にXho I部位を
導入したpUC18Xクローニングベクター1μgを20μ反
応液[20mM KCl,10mM Tris−HCl(pH8.0),7mM MgCl2,2
0単位のEcoR I(ニッポンジーン9、10単位のSma I(宝
酒造)]中で37℃、1時間二重消化し、40mM Tris−HCl
(pH7.5)を20μ加えて、70℃で5分間熱処理した
後、上記と同様にKlenow処理を行い、平滑末端をもつベ
クターを作製した。このベクター(30ng)と先に述べた
FKBPを含むDNA断片(20ng)を2.8単位のT4DNAリガーゼ
(宝酒造)を含む合計30μの連結反応液[66mM Tris
−HCl(pH7.6),6.6mM MgCl2,10mMジチオスレイトール,
1mM ATP]中で16℃、10時間処理し、両者が連結した組
換えプラスミドpUC−X−FKBPを得た。
そして、ヒトサイクロフィリンcDNAを含むプラスミド
pUC−h−PPI 1μg DNAを用い、EcoR I反応液20μ[5
0mM NaCl,100mM Tris−HCl(pH7.5),7mM MgCl2,20単位
のEcoR I]に20単位のPst I(ニッポンジーン)1μ
を加え、37℃1時間反応し、約150bpのヒトサイクロフ
ィリンポリA配列を含むDNA断片を得、pUC−X−FKBPか
らは、1μgDNAを用い、20μのEcoR I反応液に12単位
のXho I(宝酒造)と20単位のPst Iをそれぞれ1μgず
つ加え、37℃1時間二重消化し、370bpのFKBP遺伝子を
含むDNA断片を得た。クローニングベクターはpUC18Xの2
00ng DNAをEcoR I反応液20μに12単位のXho I 1μ
と加え、37℃1時間反応し、2.6kbのベクター断片を得
た。これら3つのDNA断片を、上記の連結反応を行い、
三者が連結したプラスミドpUC−X−FKBP−Aを構築し
た(第2図参照)。天然のGAPDHのプロモーター領域を
含むプラスミド(pGXN13−NeoC−ATE:特願平1−328624
参照)をXho IとBamH Iで二重消化し、得られた大きい
フラグメントをヒト血清アルブミンcDNAを含む発現プラ
スミドpJDB−ADH−HSA−A(特願平2−117384参照)の
Xho I/BamH I二重消化物の小さい方のフラグメント(HS
AcDNAを含む)と連結させて作製したpJDB−GAP−HSA−
AのDNA1μgを反応液20μ[20mM KCl、10mM Tris−H
Cl(pH8.0),7mM MgCl2,10単位のSma I,12単位のXho
I]中で、37℃1時間かけて二重消化し、HSA遺伝子の除
かれた発現ベクターを得た。pUC−X−FKBP−Aから
は、1μgDNAを用い反応液20μ[50mM NaCl,100mM Tr
is−HCl(pH7.5),7mM MgCl2,10単位のHind III(宝酒
造)]中で、37℃1時間反応し、水30μを加えて70℃
で5分間熱処理をした。その反応液にKlenow処理を行
い、再度熱処理し、1M NaClを5μと12単位のXho I 1
μを加えて、37℃1時間反応させ、FKBPとポリA配列
を含む570bpのDNA断片を得た。それぞれのDNA断片を上
述したように連結反応を行い、酵母菌での発現プラスミ
ドpJDB−GAP−FKBP−Aを作製した(第3図参照)。
実験例4 発現プラスミドによる酵母宿主の形質転換 ヒトFKBP発現プラスミドpJDB−GAP−FKBP−Aによる
酵母菌の形質転換は、橋本英明、木村光のKUR法[発酵
と工業、43、630〜637(1985)]を改変した方法により
行った。まずYPD培地[1%酵母エキス(Difco)、2%
バクトペプトン(Difco)、2%グルコース]50mlにAH2
2株(MATa、leu 2−3、leu 2−112、his 4−519、can
1)のYPD培地による一晩培養液1mlを加え、30℃で600nm
での吸光度が0.5に達するまで培養した。これを4℃で2
000rpm、5分間の遠心で集菌し、菌体を5mlの0.1M LiSC
Nに懸濁した。次にそのうちの1.5mlを分取して2000rp
m、5分間の遠心で集菌し、菌体を10μの2M LiSCN、4
6μの50%ポリエチレングリコール4000に再懸濁し、
そこに10μのDNA溶液(5−10μgのDNAを含む)を加
えて、30℃で一晩保温した。この懸濁液に50μの滅菌
蒸留水を加えて、ボルテックスミキサーにてゆるく振盪
した後、2000rpm、5分間遠心して集菌し、菌体を100μ
の滅菌蒸留水に再懸濁し、選択用の寒天培地[SD培
地:20μg/mlヒスチジン塩酸塩、0.67%アミノ酸非含有
イーストニトロゲンベース(Difco)、2%グルコース
に2%の寒天を加えたもの]にまいた。30℃で数日培養
した後、生じたコロニーを5mlのSD培地に接種し30℃で4
8時間培養して、ヒトFKBPの発現についてSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により調べた。
実験例5 形質転換体によるヒトFKBPの発現 SD培地での形質転換体48時間培養得1mlを5000rpm、5
分間遠心して集菌し、菌体を30μのSDS−PAGE試料用
緩衝液、(2% SDS,5% 2−メルカプトエタノール、7
%グリセロール、0.00625%ブロムフェノールブルー、
0.0625M Tris−HCl緩衝液pH6.8)に懸濁し、100℃で10
分間煮沸した。この試料10μを分離ゲル濃度15%のSD
S−ポリアクリルアミドゲルにより電気泳動[Laemmliの
方法:Nature 277,680(1970)]した後、クマシーブリ
リアントブルー(CBB)により染色し、約14キロダルト
ン付近にヒトFKBPと考えられる有意なバンドを検出し
た。
[発明の効果] FK506結合蛋白質の微生物による大量生産法が確立さ
れたことにより、免疫抑制剤のスクリーニングのための
PPIase酵素活性をもつ該蛋白質の安定供給を可能にし
た。またこれにより、サイクロフィリンの基質蛋白質と
は異なった基質蛋白質の高次構造形成に対する促進効果
が期待できるため、この効果を利用した不活性型蛋白質
の活性化への利用等が考えられる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、完全長のヒトFK506結合蛋白質cDNAのヌクレ
オチド配列及びそれから推定されるヒトFK506結合蛋白
質のアミノ酸配列を示し、第2図は、ヒトFK506結合蛋
白質をコードするDNA断片を組み込んだプラスミドpUC−
X−FKBP−Aの構築方法を示し、第3図は、発現プラス
ミドpJDB−GAP−FKBP−Aの作製方法を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:865) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12N 1/00 - 1/38 C12P 1/00 - 41/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に示すアミノ酸配列によって表わされ
    るヒトFK506結合蛋白質をコードする塩基配列を含むDN
    A。
  2. 【請求項2】前記塩基配列が下記に示す配列から成るこ
    とを特徴とする請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】プロモーターの下流であって且つターミネ
    ーターの上流に存在するベクター内のクローニング部位
    に導入された、請求項1又は2に記載のDNAを含む発現
    ベクター。
  4. 【請求項4】ベクターがプラスミドである請求項3に記
    載の発現ベクター。
  5. 【請求項5】宿主を、請求項3又は4に記載の発現ベク
    ターで形質転換して得られる形質転換体。
  6. 【請求項6】宿主が酵母又は大腸菌である請求項5に記
    載の形質転換体。
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