JPH06181769A - Eaa1ファミリーのカイネート結合ヒトcns受容体 - Google Patents

Eaa1ファミリーのカイネート結合ヒトcns受容体

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JPH06181769A
JPH06181769A JP4250559A JP25055992A JPH06181769A JP H06181769 A JPH06181769 A JP H06181769A JP 4250559 A JP4250559 A JP 4250559A JP 25055992 A JP25055992 A JP 25055992A JP H06181769 A JPH06181769 A JP H06181769A
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eaa1
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ラジエンダー・カンボ
Stephen L Nutt
ステイーブン・エル・ナツト
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リー・シエクター
Michael A Wosnick
マイケル・エイ・ウオスニツク
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ARERITSUKUSU BIO PHARMACEUT Inc
Allelix Biopharmaceuticals Inc
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70571Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for neuromediators, e.g. serotonin receptor, dopamine receptor

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒトにおけるCNS異常を治療するのに有効
な治療法の研究において、これまでに単離されているラ
ット受容体を用いて得られるよりもよくヒトの状態を表
わす候補化合物に対するスクリーンを提供すること。 【構成】 カイネート結合型EAA受容体をコードする
DNAの単離及び受容体のタンパク質のキャラクタリゼ
ーション、EAA受容体を異質膜結合産物として産生す
る組換え細胞系、及び、EAA受容体刺激を変化させる
化合物を検出するツールとしての本発明の組換え細胞系
の使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、神経生物学の分野にお
ける組換えDNA技術の適用に係わる。特に本発明は、
興奮性アミノ酸(EAA)受容体、特にヒトEAA受容
体をコードするDNAのクローニング及び発現に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】哺乳動物中枢神経系(CNS)におい
て、インパルスの伝達は、“放出(sending)”
ニューロンによって放出される神経伝達物質と“受容
(receiving)”ニューロン上の表面受容体と
の相互作用によって制御される。L−グルタメートはC
NSにおける最も豊富な神経伝達物質であって、脊椎動
物における主要な興奮性経路を仲介する。従ってグルタ
メートは興奮性アミノ酸(EAA)と称され、それに応
答する受容体は、グルタメート受容体、より一般的には
EAA受容体と様々に称されている。
【0003】哺乳動物の脳から単離した組織または種々
の合成受容体アゴニストを使用し、EAA受容体の薬学
的知識は幾分みがかれている。EAA受容体ファミリー
のメンバーは、かかるアゴニストへの結合の相違に基づ
いて3つの主要タイプに分類される。グルタメートのほ
かにアゴニストNMDA(N−メチル−D−アスパルテ
ート)にも結合する1つのタイプのEAA受容体は、N
MDA型のEAA受容体と称されている。NMDAに結
合しない他の2つのグルタメート結合タイプのEAA受
容体は、他の2種のEAA受容体アゴニスト、即ちAM
PA(α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−イソ
キサゾール−4−プロピオネート)及びカイネートに結
合する優先度に従って命名されている。特に、グルタメ
ートに結合するがNMDAには結合せず且つAMPAよ
りもカイネートにより高い親和性で結合する受容体は、
カイネート型EAA受容体と称されている。同様に、グ
ルタメートに結合するがNMDAには結合せず且つカイ
ネートよりもAMPAにより高い親和性で結合するEA
A受容体は、AMPA型EAA受容体と称されている。
【0004】このグルタメート結合EAA受容体ファミ
リーは生理学的及び医学的に重要である。グルタメート
は、多くの態様の長期増強(long−term po
tentiation)(学習及び記憶)、シナプス可
塑性(sunaptic plasticity)の発
生、てんかん性発作、卒中または他の低酸素状態に続く
虚血によって惹起される神経細胞障害、及び、他の形態
の神経変性プロセスに関与する。しかしながら、上記プ
ロセスを緩和する治療法の開発は、EAA受容体の界面
で特異的に相互作用する選択的結合薬物分子を発見する
ための均質な受容体材料源が欠如しているため、極めて
困難である。候補薬物をスクリーニングするのに最近使
用されている脳由来の組織は不均質な受容体源であり、
問題のEAA受容体/リガンド界面の研究を妨害する多
数の受容体型をその表面に有する。ヒト治療法の研究
は、ヒト由来の脳組織の入手が制限されていることによ
っても難しくなっている。従って、問題の受容体のみを
産生するように遺伝子工学処理された細胞を得ることが
望まれている。クローン化受容体遺伝子を発現する細胞
系を用いると、所望の受容体について均質の基質が薬物
スクリーニングプログラムに提供される。
【0005】極めて最近、非ヒト資源、主にラット由来
のEAA受容体の置換ポリペプチドをコードする遺伝子
が発見された。Hollmann et al.,Na
ture 342:643,1989は、元々はGlu
R−K1と称されていた(今は単にGluR1と呼ばれ
ている)遺伝子をラットから単離したと記載した。この
遺伝子はラットEAA受容体ファミリーの1メンバーを
コードし、これは最初はカイネート型であると考えられ
た。これに続くKeinanen et al.,Sc
ience 249:556 1990の研究は、ここ
でもラットにおいて、実際には既に単離されていたGl
uR1と同一であったGluR−Aと称される遺伝子
が、カイネート型ではなくAMPA型の受容体をコード
することを示した。上記2つのグループの研究者らは、
その後、ラット資源から単離された5種の近縁遺伝子を
報告した。Boulter et al.,Scien
ce249:1033,1990は、GluR1のほか
に、ラットは3種の他の近縁遺伝子を含むことを明らか
にし、それらをGluR2、GluR3及びGluR4
と称し、また、Bettler et al.,Neu
ron 5:583,1990はGluR5を記載し
た。Keinanen et al.(上掲)は、それ
ぞれGluR1、GluR2、GluR3及びGluR
4と正確に対応するGluR−A GluR−B、Gl
uR−C及びGluR−Dと称される遺伝子を記載し
た。Sommer et al.,Science 2
49:1580,1990は更に、GluR−A Gl
uR−B、GluR−C及びGluR−Dについて、各
遺伝子に対して2種類の別様にスプライシングされた形
態を示した。上記著者及びMonyer et a
l.,Neuron 6:799,1991は、上記遺
伝子の別様にスプライシングされた形態がラット脳にお
いて別様に発現されることを示すことができた。これら
のAMPA受容体遺伝子の単離に加え、より最近では、
既知の受容体の種々の混合物のイオンゲート制御特性を
決定する研究が幾つか試みられている(Nakanis
hi et al.,Neuron 5:569,19
90;Hollmann et al.,Scienc
e 252:851,1991;Verdoorn e
t al.,Science 252:1715,19
91;及び国際公開第WO 91/06648号参
照)。
【0006】カイネート型受容体をコードするとみられ
る非ヒト遺伝子に係わる研究も最近幾つかが公開され
た。Egebjerg et al.,Nature
351:745,1991は、GluR6と称されるラ
ット由来の遺伝子の単離を記載しており、この遺伝子
は、AMPA受容体遺伝子と配列が近縁であるが、AM
PAによってではなくグルタメート、キスカレート及び
優先的にはカイネートによって活性化される受容体を形
成する。他のカイネート結合タンパク質は、カエル由来
(Wada et al.,Nature 342:6
84,1989)、ニワトリ由来(Gregor et
al.,Nature 342:689,1989)
及びラット由来(Werner et al.,Nat
ure 351:742,1991)のものが記載され
ている。これら後者の遺伝子は、それ自体が発現したと
きに、カイネートに結合するが、容易には機能的イオン
チャンネルを形成することのないタンパク質をコードす
る。
【0007】EAA受容体及びそれらのサブユニットは
ラット脳中に存在するので、これらの構造的特性は上記
の分子クローニングの進歩によってより理解されてい
る。最近のEAA受容体の構造モデルに従えば、各EA
A受容体は、各々が4つのトランスメンブラン領域と、
リガンド結合特性をある程度左右し且つ受容体結合体に
よって提供されるイオンゲート制御機能に寄与する細胞
外ドメインとを有する個別の膜固着(membrane
−anchored)サブユニットからなるヘテロ構造
である。Keinanen et al.(上掲)は、
例えば、GluR−A、GluR−B、GluR−C及
びGluR−Dと称されるものを含むラットGluR受
容体の各サブユニットは、それらの結合状態においてグ
ルタメート、AMPA及びカイネートによってゲート制
御されるカチオンチャンネル活性を表わすことを示し
た。しかしながら、例えばGluR−AをGluR−B
と組み合わせるなど、組み合わせて発現させると、明ら
かにより大きい電流を有するゲート制御イオンチャンネ
ルが宿主哺乳動物細胞中に生成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ヒトにおけるCNS異
常を治療するのに有効な治療法の研究において、これま
でに単離されているラット受容体を用いて得られるより
もよくヒトの状態を表わす候補化合物に対するスクリー
ンを提供することが極めて望まれる。特に、ヒト治療用
化合物に対する適正スクリーンを生成するために、ヒト
受容体をコードするクローン化遺伝子、及びかかる遺伝
子を発現する細胞系を提供することが望まれる。従って
これらのことが本発明の目的である。
【0009】本発明の目的は、ヒトEAA受容体をコー
ドするDNA分子を単離形態で提供することである。
【0010】本発明の別の目的は、カイネート結合ヒト
EAA受容体を産生するように遺伝子工学処理された細
胞を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は以下の本発明の説明か
ら明らかとなろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】ヒト脳に内在するEAA
受容体ファミリーをコードする遺伝子は同定及び特性分
析されている。EAA1aと称されるこのヒトEAA受
容体ファミリーの代表的メンバーは、EAA受容体に典
型的な親和性でグルタメートを結合する上に、カイネー
ト型EAA受容体に特徴的なリガンド結合特性をも示す
受容体タンパク質をコードする。ヒトEAA1a受容体
の天然変異体をコードする配列近縁遺伝子もまた同定さ
れており、以降はヒトEAA1受容体ファミリーと表記
する上記受容体ファミリーの別のメンバーを構成する。
【0013】本発明は、1つの態様においては、ヒトE
AA1受容体またはそのカイネート結合フラグメントを
コードする、DNAまたはRNAからなる単離ポリヌク
レオチドを提供する。
【0014】本発明は、別の態様において、本明細書に
おいて定義されたEAA1ファミリーに属するカイネー
ト結合ヒトEAA受容体を産生するように遺伝子工学処
理された細胞を提供する。この関連態様において本発明
は、かかる細胞を製造するのに有効な組換えDNA構築
物及び関連方法をも提供する。
【0015】更に別の態様において本発明は、ヒトEA
A1受容体の特性を有する受容体に結合するための、選
択された化合物の親和性を評価する方法であって、該化
合物を本発明の遺伝子工学処理された細胞またはそれか
ら誘導された膜調製物と一緒に、試験化合物の受容体結
合親和性を測定するのに適した方法でインキュベートす
るステップを含む方法を提供する。
【0016】本明細書に記載の新規知見の種々の適用を
含む本発明の他の態様は、以下の詳細説明及び添付の図
面から明らかとなろう。
【0017】発明の詳細な説明及び 好ましい実施態様 本発明はヒト由来の興奮性アミノ酸(EAA)受容体に
関するものであり、より特定的には新規のカイネート系
ヒトEAA受容体ファミリーに関する。本明細書ではこ
の受容体ファミリーをヒトEAA1受容体ファミリーと
称する。本明細書中の「ヒトEAA1受容体」には、ヒ
トEAA1a受容体と、該EAA1a受容体のカイネー
ト結合性変異体であって構造的に該受容体と同類であ
る、即ち該受容体に対して95%以上の相同を有する変
異体とが含まれる。EAA1a受容体のカイネート結合
性変異体には、天然のものと合成によって誘導したもの
とがある。天然のヒトEAA1a受容体変異体としては
特に、本明細書でヒトEAA1b受容体、ヒトEAA1
c受容体及びヒトEAA1d受容体と称するものが挙げ
られる。本明細書中の「カイネート結合性(kaina
te−binding)」とは、本明細書に記載のよう
な一般的設計のアッセイで測定して、カイネートに対す
る結合親和性がグルタメート、AMPA又はNMDAに
対する結合親和性より大きい受容体変異体及び受容体フ
ラグメントを表す用語である。
【0018】天然のEAA1類はいずれも、EAA受容
体全般に特有の構造的特徴、例えば細胞外N末端及びC
末端領域、並びに受容体を細胞表面膜内に固定するのに
使用される4つの内部疎水性領域を有する。EAA1a
と称する特定のヒトEAA受容体は、最初に20残基N
末端シグナルペプチドを有する前駆体形態で産生され、
このシグナルペプチドを欠失し且つFig.1に単一文字符
号で示した配列中の936個のアミノ酸を含む成熟した
形態で細胞表面に運ばれる単一ポリペプチド鎖として構
造的に特徴付けられるタンパク質である。特に説明がな
い限り、EAA1受容体のアミノ酸残基は成熟タンパク
質配列に基づいて番号付けしてある。受容体の構造的領
域については、ハイドロパシー分析(hydropat
hy analysis)により4つの推定トランスメ
ンブラン領域が明らかにされている。その1つは残基5
27〜546にまたがり(TM−1)、2つ目は残基5
71〜589にまたがり(TM−2)、3つ目は残基6
00〜618にまたがり(TM−3)、4つ目は残基7
85〜805にまたがる(TM−4)。この割り当てに
基づけば、天然の膜結合形態のヒトEAA1a受容体構
造は、526アミノ酸N末端細胞外領域と、これに続い
て4つのトランスメンブラン領域を含む疎水性領域と、
細胞外131アミノ酸C末端領域とを含むと考えられ
る。
【0019】Fig.4に示すように、ヒト脳組織中に天然
に存在する構造的に同類のEAA1a受容体変異体も既
に同定されている。これらの変異体をコードする遺伝子
のヌクレオチド配列から推論すると、これらの変異体は
EAA1aとの間に約98%以上のアミノ酸相同を有す
る。即ち、アミノ酸レベルではEAA1aに対する相同
が約98%以上である。変異体の1つEAA1bは実質
的にEAA1aと同じであるが、ヌクレオチドが1つだ
け異なっており、その結果GTTコドンがATTコドン
となり、アミノ酸レベルでバリンがイソロイシンに変化
している。他の2つの変異体EAA1c及びEAA1d
はEAA1aに対する実質的相異点がもっと多い。変異
体EAA1cは24塩基対欠失を特徴とし、その結果ア
ミノ酸レベルで、EAA1a受容体の細胞外領域から8
つの残基が欠失した状態になっている。変異体EAA1
dは、EAA1cで24個のヌクレオチドが欠失してい
る位置に11個のヌクレオチドが挿入されていることを
特徴とする。EAA1dに挿入された11個の塩基対は
読み取り枠をシフトさせる効果を有し、実際、この挿入
の又はその近傍の位置3’にストップコドンを導入す
る。その結果、EAA1dをコードするDNAは実際に
は、先端を切ったタンパク質、又は本質的には細胞外E
AA1aフラグメントをコードすることになる。
【0020】ヒト海馬cDNAライブラリー、即ちEA
A1a受容体をコードするDNAの単離源では、EAA
1a受容体がFig.1のヌクレオチド配列でコードされ
る。前出の出版物に記述されているようなマウス組織中
に発見されたEAA受容体に対するヒトEAA1受容体
ファミリーのアミノ酸相同は約45%以下であるが、ご
く最近になって前出の出版物(1991)に発表された
Wernerらの論文に記述されているように、マウス
KA1タンパク質はヒトEAA1aに対して約94%の
アミノ酸相同を有する。このマウス受容体とヒトEAA
1受容体との最も重要な相異は、これら受容体の細胞外
C末端領域に見られる。
【0021】他のヒトEAA1受容体ファミリーと同様
に、受容体サブタイプEAA1aは薬理学的プロフィ
ル、即ちリガンド結合「特性(signature)」
が、NMDA及びAMPAのような他の興奮性アミノ酸
受容体と異なり、カイネート系薬理の方に強く向いてい
ることを特徴とする。カイネート結合性受容体が薬理学
的に機能するためには、多重型のそしておそらくは異数
型(heteromeric)のサブユニット構造が必
要であるという認識にもかかわらず、単位EAA1a受
容体を産生する細胞は、他の受容体サブユニットとの結
合とは関係なく、興奮性アミノ酸結合を信頼性をもって
示すことが判明した。そこで本発明では主な特徴とし
て、EAA受容体結合に関して内因性EAA受容体リガ
ンド及び該リガンドの公知の合成類似体と競合する能力
を有する可能性のある化合物をスクリーニングする目的
で、ヒトEAA1a受容体を使用する。
【0022】受容体結合アッセイで使用する場合は、遺
伝子工学技術を使用して、機能形態のヒトEAA1受容
体を異種産物として産生する哺乳動物細胞を構築するの
が望ましい。このような細胞系の構築は、次のような組
換えDNA構造体(構築物)、即ち細胞表面に運ぶこと
ができる形態を有する、即ち天然性のシグナルペプチド
又はその機能性異種等価物を有するヒトEAA1受容体
をコードするDNAが、選択した宿主内で受容体コード
DNAの発現を促すように機能して所望のEAA1受容
体タンパク質を産生せしめる発現制御エレメントと協働
する組換えDNA構造体を、選択したヒト宿主細胞中に
導入することによって達成される。このような細胞は、
本明細書では、受容体をコードするDNAが「発現可能
なように(expressibly)」組込まれている
ことを特徴とする。受容体をコードするDNAは、この
ようなDNAが特定の宿主中に天然に存在しない場合に
は、特定細胞宿主に対して「異種(heterolog
ous)」であると言う。ヒトEAA1受容体を産生す
るための宿主として使用するのに選択する特定の細胞の
種類は、当業界で現在使用されている幾つかの細胞の種
類のうち任意のものであってよいが、興奮性アミノ酸に
結合し得る表面受容体を天然状態で産生し、従って形成
した細胞系から得られる所期のアッセイ結果を乱すよう
な種類は勿論避けなければならない。一般的に、この種
の問題は非神経細胞系を宿主として選択することにより
回避され、通常のように非ヒト細胞系を使用すれば更に
確実に回避できる。但し、検査リガンドへの「バックグ
ラウンド」結合をアッセイ結果で考慮すれば、神経細胞
及びヒト細胞を発現宿主として使用することもできる。
本発明の実施態様の1つでは、EAA1受容体産生の宿
主として使用すべく選択する細胞系が哺乳動物細胞であ
る。この種の細胞系は現在遺伝子工学操作で数種類使用
されており、その具体例としては、チャイニーズハムス
ター卵巣(CHO)細胞、例えばPro5変異体(AT
CC CRL 1281)を含むK1系(ATCC C
CL 61);CV−1系(ATCC CCL 7
0)、COS−1系(ATCC CRL 1650)及
びCOS−7系(ATCC CRL1651)のSV4
0形質転換アフリカミドリザル腎臓由来の繊維芽細胞様
細胞;マウスL細胞、マウス3T3細胞(ATCC C
RL 1658)、マウスC127細胞、293系(A
TCC CRL 1573)のヒト腎胚細胞、HeLa
系(ATCC CCL 2)のものを含むヒト癌細胞、
並びにIMR−32系(ATCC CCL 127)、
SK−N−MC系(ATCC HTB 10)及びSK
−N−SH系(ATCC HTB 11)の神経芽腫細
胞が挙げられる。
【0023】これらの宿主と一緒に使用できる遺伝子発
現システムはこれまで色々開発されており現在市販され
ているが、EAA1受容体をコードするDNAの発現を
促すためには、これらのシステムのうち任意のものを選
択し得る。これらのシステムは通常プラスミド系ベクタ
ーの形態で入手でき、発現制御配列を構成するDNAを
含む機能成分(functional compone
nts)を有する発現カセットを含んでいる。前記発現
制御配列は宿主によって認識され、受容体をコードする
DNAの5’と結合してこのDNAの発現を可能にす
る。これらのシステムは更に、受容体をコードする領域
の3’に結合して発現を終結させるDNA配列も含んで
いる。例えば、選択した哺乳動物細胞宿主内で発現させ
る場合には、運搬可能な受容体前駆体をコードするDN
Aが宿主によって認識される発現制御DNA配列に結合
している組換えDNA発現構造体であって、発現を促す
受容体コーディングDNAの5’領域と発現を終結させ
る3’領域とを含んでいる組換えDNA発現構造体を形
成する。この発現構造体を有するプラスミド系ベクター
は一般に、発現宿主中でのプラスミドの複製を可能にし
且つ望ましくは大腸菌のような細菌宿主中でのプラスミ
ド増幅を行うために、通常はウイルス由来である複製起
点のような他の機能成分を含んでいる。安定に形質転換
した組換え細胞の選択を可能にするマーカーを与えるた
めには、ベクターが更に、生存に関する利点を形質転換
細胞に付与する遺伝子、例えばネオマイシン耐性をコー
ドする遺伝子をも含み、その場合は形質転換細胞をネオ
マイシン添加媒質中でプレート(plate)する。
【0024】受容体をコードするDNAを哺乳動物細胞
中で発現させるのに使用できる種々の組換えDNA発現
システムとしては、哺乳動物細胞に感染するウイルスの
プロモーター、例えばサイトメガロウイルス(CMV)
由来、Rous肉腫ウイルス(RSV)由来、サルウイ
ルス(SV40)由来、マウス乳癌ウイルス(MMT
V)由来等のプロモーターを利用するものが挙げられ
る。発現を促すのに有用なプロモーターとしてはその他
に、レトロウイルスのLTR、昆虫細胞プロモーター、
例えば温度によって調節されるもの、ショウジョウバエ
から単離したもの、哺乳動物遺伝子プロモーター、例え
ば重金属で調節されるもの、即ちメタロチオネイン遺伝
子プロモーター、並びに他のステロイド誘導性プロモー
ターが挙げられる。
【0025】組換えDNA発現ベクターに組込む場合
は、選択した遺伝子単離方法又は遺伝子合成方法を用い
て、所望のEAA1受容体、即ちEAA1a受容体又は
該受容体のカイネート結合性変異体をコードするDNA
を得ることができる。後述の実施例で詳述するように、
EAA1a受容体並びに該受容体のEAA1b、EAA
1c及びEAA1d変異体はヒト脳組織のゲノム内でコ
ードされ、従って一般的な遺伝子単離方法及びクローニ
ング方法を注意深く適用することにより取得できる。そ
の場合は通常、新鮮なヒト脳組織源、好ましくは小脳又
は海馬組織から完全なメッセンジャーRNAを抽出し、
次いでメッセージをcDNAに変換し、且つライブラリ
ーを例えば細菌プラスミド、より一般的にはバクテリオ
ファージ中に形成する。このようなヒトDNAフラグメ
ントを有するバクテリオファージは通常、個々のファー
ジプラーク又はコロニーを単離できるように敏感な大腸
菌バクテリアのローン(lawn)上にプレートするこ
とによって増殖させる。次いで通常は、ファージコロニ
ーに担持されたDNAをニトロセルロース又はナイロン
ベースのハイブリダイゼーション膜上に固定し、その後
注意深く調節した条件で、放射性の(又は他の)標識を
付けた適当な配列のオリゴヌクレオチドプローブとハブ
リダイズさせて、受容体をコードするDNA又はそのフ
ラグメントを含む特定ファージコロニーを同定する。通
常は、このようにして同定した遺伝子又はその一部分を
プラスミド系ベクターにサブクローンして核酸配列を分
析する。本明細書には種々のヒトEAA1受容体のヌク
レオチド配列を示したが、これらの受容体をコードする
DNAの形成には自動的な遺伝子合成及び/又は増幅方
法を実施し得る。EAA1受容体をコードするDNAの
長さに起因して、自動合成は段階的な遺伝子構築を必要
とし得る。即ち、約300個のヌクレオチドに及ぶ長さ
の遺伝子の領域を個々に合成し、次いで正確な順序で連
結して最終的集合体を形成するのである。個々に合成し
た遺伝子領域は、集合前にポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)技術を用いて増幅し得る。
【0026】自動遺伝子合成方法を使用すると、天然の
EAA1遺伝子類の配列変異体を形成する機会が得られ
る。例えば、本明細書に記載のEAA1受容体をコード
するポリヌクレオチドは、ここで同定した天然ポリヌク
レオチド配列に示されているコドンに代えて同じ意味の
コドンを用いることにより形成し得る。更に、本明細書
に記載のEAA1受容体の合成変異体をコードするポヌ
クレオチドとして、例えば1つ以上の単一アミノ酸の置
換、欠失又は添加を含むものを形成し得る。通常はスク
リーニングの目的で受容体の天然リガンド結合プロフィ
ルを保持するのが望ましいため、アミノ酸置換は例えば
いわゆる保存性置換(conservative re
placement)、即ち類似電荷のアミノ酸を置換
する手法に限定するのが望ましく、置換位置は、受容体
活性にとってそれほど重要ではない部位、例えば成熟受
容体の最初の20個のN末端残基の範囲、並びに受容体
領域の地図の作成によって明らかになるような他の領域
に限定するのが望ましい。適当な鋳型DNAがあれば、
PCR増幅技術を最終的遺伝子の全体又は一部分を直接
形成するために使用することもできる。その場合は、最
終産物のPCR増幅を開始させるプライマーを単一片
で、又は互いに連結し得る複数の片で合成する。この合
成は、ブラントエンドを有する増幅したDNAフラグメ
ントの段階的連結を介して、又は好ましくは天然の制限
エンドヌクレアーゼ部位を有するフラグメントの段階的
連結を介して実施し得る。この場合は、cDNA又はゲ
ノムDNAをPCR増幅の鋳型として使用できる。前者
の場合は、海馬及び小脳を含む種々のヒト脳組織の市販
又は手製のcDNAライブラリーからcDNA鋳型を得
ることができる。
【0027】受容体をコードするDNAが得られたら、
このDNAを発現のために任意の適当な発現ベクターに
組込み、これで、一般的な方法、例えばDNA媒介形質
転換、エレクトロポレーション又はパーティクルガン
(particle gun)形質転換を用いて宿主細
胞のトランスフェクションを行う。発現ベクターは、受
容体コードDNAを一時的に又は安定して(定常的に)
発現する形質転換細胞系が得られるように選択し得る。
遷移(一時的)発現の場合には、哺乳動物細胞中で機能
する複製起点を有する発現ベクターで宿主細胞を形質転
換するのが一般的である。定常発現の場合には前述のよ
うな複製起点は不要であるが、通常はベクターが、その
選択を可能にするために、生存に関する利点を形質転換
細胞に付与する産物をコードする遺伝子を含むようにす
る。このような選択可能なマーカーをコードする遺伝子
としては、マイコフェノール酸耐性を与える大腸菌gp
t遺伝子、抗生物質G418及びネオマイシンに対する
耐性を与えるトランスポゾンTn5由来のネオ遺伝子、
DHFR−細胞の表現型をDHFR+細胞に変えるネズ
ミ細胞由来もしくは大腸菌由来のdhfr配列、並びに
TK−細胞の表現型をTK+細胞にする単純ヘルペスウ
イルスのtk遺伝子が挙げられる。遷移発現でも定常発
現でも、リガンドスクリーニングアッセイで使用するた
めの形質転換細胞系並びにこの細胞系に由来する膜調製
物を得ることができる。 スクリーニングアッセイで使
用するために、受容体をコードするDNAを遷移的に発
現させる細胞は、後で使用するために凍結して貯蔵し得
るが、プラスミドの複製速度が速く結局細胞が通常数日
以内に死んでしまうため、形質転換した細胞は、出来る
限り早く使用しなければならない。このようなアッセイ
は、完全な細胞、またはこのような細胞から誘導した膜
調製物で実施し得る。膜調製物は通常、リガンド結合実
験用により都合の良い基質を提供し、従って結合基質と
して好ましい。スクリーニング工程(即ち、リガンド結
合実験)用の膜調製物を製造するために、凍結した完全
な細胞を冷水中でホモジナイズし、遠心分離後、膜ペレ
ットを収集する。次いでペレットを冷水で洗浄し、透析
してアッセイで結合を競合する内在EAAリガンド(例
えば、グルタメート)を除去する。透析した膜を、その
まま、または凍結乾燥状態で貯蔵後に、リガンド結合分
析で使用し得る。あるいは、遷移的トランスフェクショ
ンの約2日後、または定常的にトランスフェクトした細
胞を新しくプレートして約2日後に収穫した完全な、新
鮮な細胞を、膜調製物に使用したように同一方法により
リガンド結合測定法に使用し得る。細胞を使用すると
き、細胞を傷つけないようにより穏やかな条件の遠心分
離により収穫しなければならなく、且つ総ての洗浄操作
は、浸透ショック及び細胞の破壊を避けるために、緩衝
させた媒質(例えば、リン酸で緩衝させた生理食塩水)
中で実施しなければならない。
【0028】本発明の選択したヒトEAA1受容体に候
補のリガンドを結合させることは、通常、(例えば、蛋
白質決定で測定した)細胞から誘導した膜の予め決定し
た量、一般的に約25μg〜100μgを使用して評価する。
通常、競合的結合測定法は、カイネートに対し試験物質
の親和性を評価するのに有用である。この競合的結合測
定法は、種々の濃度で添加した未標識試験物質の存在
下、放射性標識したカイネート(例えば、[3H]-カイ
ネート)を有する膜調製物をインキュベートすることに
より実施し得る。インキュベート後、置換または結合し
た放射性標識したカイネートを回収し、次いで測定し
て、基質として使用した特定の受容体として試験物質及
びカイネートの相対結合親和性を決定した。このように
して、カイネート型ヒトEAA受容体の種々の化合物の
親和性を測定し得る。
【0029】受容体をコードするDNAを発現する細胞
を使用する代わりに、EAA1受容体をコードするメッ
センジャーRNAを導入後、機能性膜に結合した受容体
を産生する細胞(例えば、ツメガエル卵母細胞)を使用
してもリガンドを特徴付け得る。この場合、本発明のE
AA1受容体遺伝子は、通常、導入した遺伝子がプラス
ミドベクター(例えば、T3またはT7バクテリオファ
ージプロモーター)により供給される隣接RNA翻訳プ
ロモーターを介してRNAに容易に転写し得るように、
プラスミドベクターにサブクローン化される。次いでR
NAは、挿入された遺伝子からin vitroで転写され、そ
してツメガエル卵母細胞に注入され得る。RNA溶液の
容積nLを注入後、卵母細胞を残し数日間インキュベー
トし、次いで洗浄溶液中に供給した特定のリガンド分子
に対する反応能力の試験をする。機能性EAA受容体
は、これを介してイオンが選択的に通過する膜チャンネ
ルを操作することにより一部作用し、洗浄溶液中の特定
のリガンド分子に反応する受容体の機能性、通常、細胞
に挿入した微小電極を使用して電流として測定し得る。
【0030】リガンドスクリーニングに有用な細胞系を
構築するために受容体をコードするDNAを使用する以
外に、本発明のもう1つの態様によりDNAの発現は、
構造解析のために溶解形で受容体のフラグメントを製造
し、他の実験に使用するために抗体を産生する目的でな
し得る。細胞の外側のリガンド分子残基に結合する原因
となるEAA1受容体の一部は、即ち、細胞外であると
予測される。従って、第一段階では(受容体の残余を含
まない)量及び隔離形でこの細胞外リガンドに結合する
ドメイン(領域)を提供することにより受容体-リガン
ドの相互作用の特徴付けを容易にするのが好ましい。こ
れを達成するために、完全長EAA1受容体をコードす
るDNAは、特定部位の突然変異誘発により修飾され
得、シークエンスが第1のトランスメンブランドメイン
(TM1)(即ち、Fig.1に示されている残基527)を
コードする直前に、翻訳停止コドンを細胞外N-末端領
域に導入する。受容体を膜に「固定」するためにトラン
スメンブランドメインはもはや製造されないので、修飾
された遺伝子が発現すると、細胞外リガンド結合ドメイ
ンのみが溶解形で分泌する。このようにして製造した細
胞外ドメインに対する候補の化合物の結合度を確かめる
ために、標準リガンド結合測定法を実施し得る。無論、
単離したドメインに対するリガンド結合度を最適化する
ために、細胞外領域の幾つかの異なる型を製造するため
に特定部位の突然変異誘発を使用することも必要であ
る。
【0031】あるいは、代わりにカルボキシ末端[例え
ば、即ち、Fig.1に含まれるアミノ酸残基805と936との
間に存在する第4のトランスメンブランドメイン(TM
4)の直後のドメイン]からよりは、成熟蛋白質のアミ
ノ末端から誘導し得ない受容体の細胞外ドメインを製造
することも好ましい。この場合、特定部位の突然変異誘
発及び/またはPCRベースの増幅法を、重要な受容体
ドメインをコードする遺伝子の限定フラグメントを提供
するために直ちに使用し得る。このようなDNAシーク
エンスは、遺伝子フラグメントをコードするDNAが発
現ベクターにより提供された翻訳開始コドンに隣接して
挿入され、且つ必要な翻訳読取枠が注意深く一定保持さ
れるという条件のもとで、細胞内または分泌型に所望の
受容体フラグメントの発現を達成するために使用し得
る。
【0032】このような細胞外リガンド結合ドメインの
製造が、種々の宿主細胞中で実施し得ることは高く評価
される。哺乳類細胞(例えば、CHO細胞)は、この目的
のために使用され得、発現は、高レベルの発現が可能な
発現プロモーター[例えば、CMV(サイトメガロウイル
ス)プロモーター]により通常実施される。あるいは、
非-哺乳類細胞[例えば、昆虫Sf9(Spodotera frugiper
da)細胞]を使用し得、通常、バキュロウイルスの発現
プロモーター[例えば、強く、遅いpolyhedrin蛋白質プ
ロモーター]により発現される。糸状菌系も、EAA受
容体のこのような細胞外ドメインを多量に分泌するため
に使用し得る。例えば、alcAプロモーターにより発現し
たAspergillus nidulansは、このような許容可能な系を
構築する。このような発現宿主に加えて、細胞内または
細胞外でも同様に許容可能である、異種の遺伝子または
遺伝子フラグメントを発現し得る任意の原核生物または
他の真核生物発現系も好ましい。
【0033】受容体蛋白質の単離した細胞外リガンド結
合ドメインを利用すると、X線結晶学方法と二次元-N
MR方法とを組み合わせることにより、これに錯形成し
た候補のリガンドを使用してもしなくても、これらのリ
ガンド結合領域の三次元構造の決定が可能となる。この
ようにして、三次元受容体構造との必要な相互作用を有
すると予見されたさらに新しい候補の化合物は、特異的
に設計且つ試験され得る。
【0034】大きなドメインを使用する結晶学的方法
は、単離したドメイン及び天然のリガンド(または好適
なアンタゴニスト若しくはアゴニスト分子)との共-錯
体の両方の構造解析の選択方法である。特定のドメイン
を、十分に小さく、例えば、長さ約100〜130アミノ酸に
し得る場合、有効な二次元NMR方法を構造決定に適用
し得る。これにより、ドメイン構造が決定できるだけで
なく、薬品-受容体相互作用についての動的情報も適用
し得る。
【0035】例えば、脳組織内のEAA1受容体の存在
及び/または配置を検出する特定の使用に関しては、本
発明は、もう1つの態様として、ヒトEAA1受容体に
対する標識抗体も提供する。このような抗体を産生する
ために、免疫原として、上記の微生物若しくは哺乳類宿
主中に産生されたか若しくは標準ペプチド合成法により
製造された、完全な、溶解性受容体またはその免疫学的
フラグメントを使用し得る。免疫学的フラグメントとし
て使用するのに特に好適なEAA1a受容体の領域は、
受容体の細胞外領域にシークエンス中で相当する部分、
細胞外領域部分(例えば、特定の残基106〜120、178〜1
91若しくは463〜509を含む残基1〜526を含むペプチ
ド)及び、トランスメンブランドメインTM-2とTM-
3との間の領域に相当するペプチド(例えば、残基590
〜599からなるペプチド)を含む。C-末端ドメイン(残
基806〜936)からなるペプチド、またはそのフラグメン
ト(例えば、残基895〜936若しくは915〜930からなるペ
プチド)は、抗体の産生にも使用し得る。実質的にヒト
EAA1b、EAA1c及びEAA1d受容体の同一領
域は、これらの受容体に対する抗体の産生にも使用し得
る。
【0036】所望のEAA1受容体または免疫原フラグ
メントに対する抗体の産生は、慣用の設計の免疫プロト
コルを使用するポリクローナル抗体及び、任意の種々の
哺乳類宿主(例えば、ヒツジ、ヤギ及びウサギ)に関し
て実施し得る。あるいは、モノクローナル抗体産生に関
しては、免疫細胞(例えば、脾細胞)を、免疫した動物
から回収し、且つ、ハイブリドーマ方法を使用して骨髄
腫細胞に融合し得る。次いで融合生成物を選択培地で培
養することによりスクリーニングし、抗体を産生する細
胞を連続成長させ次いで抗体を回収するために回収す
る。回収した抗体を、この目的のために確立されたリン
カー方法を使用して、検出可能な標識(例えば、放射性
標識、酵素標識、蛍光標識等)に共有結合し得る。
【0037】脱着可能な標識形(例えば、放射性標識
形)では、ヒトEAA1受容体をコードするDNAまた
はRNA及びその選択領域は、本発明のもう1つの態様
に於いては、ハイブリダイゼーション標識として、例え
ば、ヒト若しくは他の哺乳類ゲノム(またはcDNAラ
イブラリー)中に存在するシークエンスに関連した遺伝
子を識別するために、または検体(例えば、脳組織)中
にEAA1をコードするDNAを配置するためにも使用
し得る。これは、完全なコード領域または、その中に取
り込まれた放射性標識(例えば、32P)を有するそのフ
ラグメントを使用して実施し得る。検体中のEAA1を
コードするDNAを識別するためには、これらをコード
する完全長cDNAまたは、これに対して独特のフラグ
メントを使用するのが好ましい。Fig.1及び、その上に
表されている番号のついたヌクレオチドに関して、この
ようなヌクレオチドフラグメントは、受容体のN-末端
若しくはC-末端をコードする領域にシークエンス中で
対応するもの、またはその5'-未翻訳若しくは3'-未翻訳
領域を表すもの(例えば、以下のヌクレオチド領域の一
つ:8-156,157-1563,531-575,1278-1359,2826-290
9,2958-3073及び3024-3708)を含む。これらのシーク
エンス及び完全遺伝子自身は、無論、EAA1に関連す
るヒト遺伝子、特にそのcDNA等価物を、標準ハイブ
リダイゼーション方法によりクローン化するために使用
し得る。
【0038】
【実施例】実施例1 :ヒトEAA1a受容体をコードするDNAの
単離 ヒトEAA受容体をコードするDNAの単離の第1段階
として、ラットGluR1受容体の公知のヌクレオチドシー
クエンスと、鶏及びカエルカイネート結合蛋白質とを、
プライマー結合用の部位として提供し得る相同領域及び
PCRベースの増幅領域を識別するために比較した。ヒト
cDNA中のシークエンスに関連する領域にハイブリダ
イズし、且つ続いてクローン化するためのHindIII制限
部位を有する非-ハイブリダイジングフランク端を有し
得る推定上のオリゴヌクレオチドプライマーを、慣用の
遺伝子合成方法を使用してラットGluR1遺伝子の公知シ
ークエンスをベースとして合成し、以下のシークエン
ス: 5' GGGGTTTAAGCTTGAGCGTCGTCCTCTTCCTGGT 3' 5' GGGGTTTAAGCTTGTGAAGAACCACCAGACGCCG 3' のプライマーを製造した。
【0039】[Clontech Laboratories(Palo Alto,Ca
lifornia.U.S.A.)からのEcoRIベースのλgt10ライブ
ラリーとして得られた]鋳型としてヒト海馬cDNAを
使用し、ポリメラーゼ鎖反応方法を適用することによ
り、ヒトcDNA中の相同シークエンスを増幅する試み
にプライマーを使用した。反応混合物は、100μl中に、
ヒト海馬cDNA100ng、各プライマー125pmol及び2U
Taqポリメラーゼ(10mMTris-HCl,pH9.0,50mM KCl,1.
5mM MaCl2及び各デオキシリボ核酸0.2mM)を含んでい
た。次いで、94C/1分を30サイクル;58C/1分;72C/2分
次いで、72C/30分の最終サイクルを実施した。
【0040】予想通りのヌクレオチド長(239bp)を有
する増幅産生物が生成した。次いで増幅産生物をゲルか
ら遊離させ、ファージ中間ベクターpTZ19(Pharmacia)
のHindIII部位にシークエンシングするためにサブ-クロ
ーン化した。(プライマーを含まない)増幅産生物のヌ
クレオチドシークエンスは、ヌクレオチド#1850〜ヌク
レオチド#2020(Fig.1)で表される。オリゴヌクレオ
チドプライマーをベースとしたラットGluR遺伝子の対応
する領域とヒトcDNA鋳型から増幅したシークエンス
とを比較すると、ほんの約60%の同一性であることが明
らかになった。これは、関連しないヒト遺伝子からのフ
ラグメントが識別されたことを示す。
【0041】完全ヒトEAA1a受容体をコードするc
DNAを単離するために、ヒト海馬cDNAのλgt10ベ
ースのライブラリーを、239bp増幅産生物のPCRから製造
した(α-32P-dCTP)標識型を使用して標識した。スク
リーンした106個のクローンの内、以下の厳密度の高い
ハイブリダイゼーション条件(6xSSC,50% ホルムア
ミド,5% Denhardt溶液,0.5% SDS,100μg/ml 変性サ
ケ精液DNA)下で、60個の推定上のクローンを識別し
た。ハイブリダイゼーションを37℃で一晩実施し、フィ
ルターを0.5%SDSを含むSSCで、25℃5分間を2回、次い
で、0.5%SDSを含むSSCで、50℃15分間で2回洗浄した。
最終洗浄を、0.5%SDSを含むSSCで、50℃15分間で1回実
施した。フィルターを、X線フィルム(Kodak)に一晩
暴露した。
【0042】ハイブリダイゼーション研究を二重に実施
し、両方の複製物で十分にハイブリダイズしたこれらの
クローンのみを次の分析用に選択した。第2ラウンドの
スクリーニングでは、推定上60個の元のクローンの内50
個を選択した。推定上50個総てのクローンをプラーク精
製し、大規模DNA製造を実施し、ここから遊離したD
NA挿入物を、シークエンス分析用にpTZ18ベクターのE
coRI部位にサブクローン化した。シークエンシングによ
り、元の239bpサブクローンのシークエンスと同一のヌ
クレオチドシークエンスを有する領域を内部に包含する
1つのクローンが明らかになった。次いで、単離したク
ローン(1058bp)の全シークエンスを決定した。この10
58bpのサブクローンは、ヌクレオチド1245〜ヌクレオチ
ド2302(Fig.1)から表される。
【0043】他の受容体遺伝子を用いた分析法によって
も同様に、1058bpは完全長ではなかったので、λZAP II
として公知のλファージ系で構築したもう1つのヒト海
馬cDNAライブラリー(Stratagene Cloning System
s,La Jolla,California,U.S.A.)が得られ且つ1058
bpサブクローンのPCR生成した、放射性標識した型を使
用してスクリーンした。このライブラリーの106個を、
上記の厳密な条件下でハイブリダイゼーションによりス
クリーニングし、50個の陽性クローンを選択した。スク
リーニングするために、挿入物を保持する中間ファージ
(phagemid)を削除して、Bluescript-SKとして公知の
中間ファージの挿入物を保持する変体を製造した。シー
クエンシング分析で、重複するシークエンスを共有する
2つの中間ファージクローンを識別した。2.2kb EcoRI/
EcoRI挿入物を保持し、且つ明らかに読取枠の5’領域
を表す1個のクローンを、pBS/RKLS181とした。3.1kb E
coRI/EcoRI挿入物を保持し、且つ読取枠の残りの3’領
域を表す重複クローンを、pBS/RKLS161とした。読取枠
全体を構築するために、Fig.3(1)に示される方法を
使用して、3.0kb Bluescript-SK中間ファージバックグ
ラウンド中に、3.7kb EcoRI/PstI挿入物(3.7kb NotI/
NotI挿入物として完全に回収し得る)としてEAA1a
をコードするDNAを保持する、中間ファージpBS/Hum
EAA1aを製造した。EcoRI/PstI挿入物の全シークエ
ンスは、Fig.1に示されている。
【0044】ブタペスト条約下で、6.7kb中間ファージp
BS/humEAA1a-NotIを、American Type Culuture C
ollection[Rockville,Maryland USA(1991年8月21
日)]に供託し、ATCC承認番号75063を受けた。
【0045】実施例2−EAA1a受容体をコードする
DNAを得るための第二ストラテジィ 本発明によれば、EAA1aをコードするDNAのヌク
レオチド配列が得られたので、上記手順による単離が不
要であり、その代わりに全自動の遺伝子合成及び増幅法
を使用できることが理解されよう。適当なcDNAライ
ブラリイ、例えば慎重に調製されたヒト海馬cDNAラ
イブラリイを鋳型として用い、ポリメラーゼ鎖反応法を
使用して所望のcDNA産物を増幅させ得る。現行のP
CR手順では3.7kbの完全遺伝子を直接増幅するこ
とは難しいが、結合可能な遺伝子フラグメントを生成す
る限局性増幅による遺伝子構築方法を使用できよう。
【0046】特にEAA1aをコードするDNAに関し
ては、PCR手順によって例えばFig.2に示すように遺
伝子構築を進行させ得る。より詳細に説明すると、以後
の遺伝子組立ステップで使用する制限部位を構成する非
ハイブリダイズ5′末端を含むプライマーを用い、クロ
ーン化したcDNA鋳型の領域を数100個のオーダの
ヌクレオチドから成るフラグメントとして増幅させる。
Fig.2に示す例では、遺伝子を4つの個別フラグメント
として増幅させる。制限部位が慎重に選択されるのでこ
れらのフラグメントが1ステップで結合し、完全EAA
1a受容体をコードするDNAを形成し得る。
【0047】また、PCRによって増幅しその後で結合
できる遺伝子フラグメントを形成するためにも全自動の
遺伝子合成法を使用できることが理解されよう。例えば
Barnett他によってNucl.Acids Re
s.、1991、18 (10):3094に記載された
ような現行の手順を用い、長さ約300塩基以下のフラ
グメントを合成し、次いで、新しい合成遺伝子領域の組
立を容易にする制限部位をテイルに付けたプライマーを
再度使用して増幅させる。
【0048】実施例3−ヒトEAA1a受容体を産生す
る遺伝子操作された細胞の構築 哺乳類細胞中で遷移的発現させるために、ヒトEAA1
a受容体をコードするcDNAを哺乳類発現ベクターp
cDNA1に組み込んだ。このベクターは、Invit
rogen Corporation (San Die
go、California、USA;カタログ番号V
490−20)によって市販されている。このベクター
は、真核細胞系中のcDNA発現及び原核細胞中のcD
NA分析のために設計された多機能の4.2kbのプラ
スミドベクターである。CMVのプロモーターとエンハ
ンサー、スプライスセグメント及びポリアデニル化シグ
ナル、SV40ポリオーマウイルスの複製起点、配列決
定及び突然変異誘発のために1本鎖DNAを取出すM1
3起点、センス及びアンチセンスのRNA転写物を産生
するためのSp6及びT7 RNAプロモーター、並び
にCol E1のような高複写プラスミド起点をベクタ
ーに組込む。ポリリンカーはCMVプロモーター (及び
T7プロモーターの3′)のかなり下流に位置する。
【0049】EAA1a受容体をコードするcDNAを
発現ベクターに組込むために、cDNAのソースインサ
ートをpBS/hum EAA1a−NotIから3.
7kbのNotI/NotIフラグメントとして分離
し、これをpcDNA1ポリリンカーのNotI部位に
組込んだ。pcDNA1中の適正なインサート配向を確
認するためにNotIの配列決定を行なった。得られた
プラスミドをpcDNA1/humEAA1aと命名
し、次に、遷移的発現のために選択された哺乳類細胞宿
主に導入した。この場合には、COS−1系統のサル由
来の線維芽細胞様細胞 (American Type
Culture Collection、Rockvi
lle、MarylandよりATCC CRL 16
50として入手可)を使用した。
【0050】EAA1をコードするDNAの遷移的発現
のために、COS−1細胞に、COS細胞106あたり
約8μgのDNA (pcDNA1/humEAA1aと
して)をDEAE媒介DNAトランスフェクションによ
ってトランスフェクトし、Maniatis他、前出
に記載の手順でクロロキンで処理した。簡単に説明する
と、COS−1細胞を5×106細胞/皿の密度でプレ
ートし、FBSを補充したDMEM/F12培地中で2
4時間増殖させた。次に培地を除去し、細胞をPBS及
び培地で順次洗浄した。次に、DEAEデキストラン
(0.4mg/ml)、100μMのクロロキン、10%
のNuSerum、DNA (0.4mg/ml)をDM
EM/F12培地中に含む10mlのトランスフェクシ
ョン溶液を細胞に加えた。37℃で3時間インキュベー
ション後、上記と全く同様に細胞をPBS及び培地で洗
浄し、次に、DMEM/F12培地中の10%DMSO
で1分間衝撃した。10%FBSを補充した培地中で細
胞を2〜3日間増殖させ、インキュベーション期間が終
わると皿を氷に載せ、氷冷したPBSで洗浄し、次いで
掻取った。次に、1000rpmで10分間遠心して細
胞を採集し、以後のリガント結合アッセイで使用するた
めに細胞性ペレットを液体窒素中で凍結させた。凍結細
胞の解凍アリコートをNorthern blot分析
し、保存された細胞中で受容体をコードするcDNAが
発現していることを確認した。
【0051】また、2つの異なる細胞系、即ちCHO
K1及びCHO Pro5を宿主として使用し、同様に
処理して、安定にトランスフェクトされた細胞系を調製
した。これらの細胞系を構築するために、ヒトEAA1
aをコードするcDNAを、プラスミドベクターpcD
NA1の7.1kb誘導体のNotI部位に組込んだ。
この誘導体はネオマイシン遺伝子をラウス肉腫ウイルス
のLTRプロモーターのコントロール下に組込んでお
り、pcDNA/NEO (同じくInvitrogen
Corporationから入手可、カタログ番号V
492−20)と命名されている。同様にして、適当な
挿入用NotI部位を再度使用し、受容体をコードする
cDNAを、定常的発現が可能な哺乳類発現ベクターp
RC/CMV (Invitrogen)に挿入した。こ
の部位に挿入することによってcDNAは、サイトメガ
ロウイルスプロモーターの発現コントロール下に、ウシ
成長ホルモン遺伝子のポリアデニル化部位及びターミネ
ーターの上流で、 (SV40初期プロモーターによって
促進される)ネオマイシン耐性遺伝子を選択可能マーカ
ーとして含むベクターバックグラウンド内に配置され
る。
【0052】上記のごとく構築されたプラスミドを導入
するために、10%FBSを補充したMEM培地に宿主
CHO細胞を5×105の密度でまず播種した。24時
間増殖させた後、新しい培地をプレートに添加し、3時
間後に、リン酸カルシウム−DNA共沈手順 (Mani
atis他、前出)を用いて細胞をトランスフェクトし
た。簡単に説明すると、カルシウム緩衝溶液に3μgの
DNAを混合し、室温で10分間インキュベートした。
等量のリン酸塩緩衝溶液を添加し、懸濁液を室温で15
分間インキュベートした。次に、インキュベートした懸
濁液を細胞に加えて4時間維持し、除去して、15%グ
リセロールを含む培地で細胞を衝撃した。3分後に細胞
を培地で洗浄し、普通増殖条件で24時間インキュベー
トした。G418 (1mg/ml)を含む10%FBS
を補充したα−MEM培地中でネオマイシン耐性細胞を
選択した。約2〜3週後にG18耐性細胞の個々のコロ
ニーを単離し、クローンを選択し、アッセイのために増
殖させた。
【0053】実施例4−リガンド結合アッセイ 凍結状態のトランスフェクト細胞をハンドホモジナイザ
ーを用いて氷冷蒸留水に再懸濁させ、50,000gで
20分間遠心した。上清を廃棄し、膜ペレットを−70
Cで冷凍保存した。
【0054】COS細胞膜ペレットを50mMの氷冷T
ris−HCl (pH7.55、5℃)に懸濁させ、S
pectrapor 7 (EDTA処理したイオウを含
まない)透析チューブに入れた。懸濁液を氷冷した4リ
ットルの50mMのTris−HCl (pH7.55、
5℃)に入れ、結合に競合する内因性グルタメートを除
去するために5℃で16〜24時間透析した。チューブ
の洗浄に使用した少量のバッファと共に組織懸濁液をチ
ューブから回収した。得られたこの膜調製物を以下の結
合実験の組織ソースとして使用した。Pierce試薬
をBSAと共に標準として使用してタンパク質を定量し
た。
【0055】次に、タンパク質の測定量から判断して2
5〜100μgに等価の量のCOS由来の膜を使用して
結合アッセイを実施し、放射性標識リガンドを選択し
た。特に、グルタメート結合アッセイの場合には、50
mMのTris−HCl (pH7.55、5℃)中の2
5〜100μgの組織タンパク質と [3,4−3H〕L
−グルタミン酸 (47.3Ci/mmole、最終濃度
10nM)とから成る最終容量1mlのインキュベーシ
ョン混合物を形成した。1mMのL−グルタメートの存
在下では非特異的結合が生じた。プラスチックミニバイ
アルに入れたサンプルを氷上で60分間インキュベート
した。50,000g (4℃)で10分間遠心して結合
リガンドと遊離リガンドとを分離した。組織ペレットの
表面を2×6mlの氷冷インキュベーションバッファで
洗浄した。ペレットを可溶化し、5mlのBeckma
n Ready Proteinシンチレーションカク
テル中でカウントした。
【0056】カイネート結合アッセイの場合には、冷た
いインキュベーションバッファ中の25〜100μgの
組織タンパク質と [ビニリデン−3H〕カイニン酸 (5
8Ci/mmole、最終濃度5nM)とから最終容量
1mlのインキュベーション混合物を形成した。1mM
のL−グルタメートの存在下では非特異的結合が生じ
た。サンプルをグルタメート結合アッセイと同様にイン
キュベートし、Brandel細胞採集器及び氷冷0.
3%ポリエチレンイミンに予め浸漬させたGF/Bフィ
ルターを用いた高速濾過によって結合リガンドと遊離リ
ガンドとを分離した。6mlの冷たいインキュベーショ
ンバッファ中でフィルターを2回洗浄し、次いでカウン
トするために、5mlのBeckman Ready−
Safeシンチレーションカクテルを入れたシンチレー
ションバイアルに入れた。
【0057】また、AMPAアッセイも上記のカイネー
ト結合アッセイとほぼ同様の手順で実施した。但し、こ
の場合には、D、L−α− [5−メチル−3H〕アミノ
−3−ヒドロキシ−5−メチルイソキサゾル−4−プロ
ピオン酸 (3H−AMPA、27.6Ci/mmol
e、最終濃度5nM)をリガンドとして、0.1MのK
SCN及び2.5mMのCaCl2と共に1mlの最終容
量で使用した。
【0058】EAA1aを産生するCOS細胞に由来の
膜調製物を使用して実施した上記のごときアッセイか
ら、標識リガンドが5nMで特異的 [3H〕−カイネー
ト結合し、10nMで [3H〕−グルタメート結合する
ことが判明した (Fig.5)。Mockトランスフェクト
細胞は被検リガンドのいずれとも特異的結合を全く示さ
なかった。これらの結果は、ヒトEAA1a受容体が高
い親和性でカイネート結合することをはっきりと示す。
AMPAまたはNMDAとの結合がほとんどまたは全く
観察されないことを考え合わせると、上記の活性は、E
AA1a受容体がカイネート型のEAA受容体であるこ
とを明らかに示している。特にカイネート結合が高親和
性 (即ちナノモルの範囲)を有することを示すこの結合
プロフィルは更に、受容体が適正に機能していることを
示しており、従って完全 (intact)なヒト脳に由
来の対応する非組換え体とのリガンド結合 「特性 (si
gnature)」を確実に予測させ得る。これらの特
徴によって組換え受容体は、受容体に結合するリガンド
化合物の選択及びキャラクタリゼーション、及び/また
は受容体から別のリガンドを排除することによって作用
し得る化合物の選択及びキャラクタリゼーションのため
に特に有用である。EAA1a受容体遺伝子が、単独の
ホモジニアスな受容体種として発現され得る純粋な形態
で単離されるので、その結果としてリガンド結合アッセ
イにおいては、ヒト脳に由来の複合のヘテロジニアスな
受容体調製物を使用して上記のごときキャラクタリゼー
ションを行なうときに生じる精度の欠如が解消される。
【0059】実施例5−ヒトEAA1a受容体の天然産
生変異体 ヒトEAA1a受容体の同定を成功させた同じ1058
bpのプローブを使用し、近縁の配列を有する3つの変
異体を実質的に同様の方法で同定した。Fig.4に示すよ
うに、EAA1dと命名された1つの変異体は、ヒトE
AA1a受容体と多くの構造的類似点を有しており、唯
一の違いは、EAA1dが、EAA1aのヌクレオチド
1426位と1427位との間に挿入された正確に11
bpのインサートを含むことである。EAA1dをコー
ドするDNAを、EAA1aをコードするDNAと同様
にヒト海馬DNAのcDNAライブラリイから単離し
た。完全読取枠を含む全長cDNAを構築するために、
重複するクローンpBS/RKLS181 (5′−領
域)及びpBS/RKLS911 (3′−領域)をFig.
3 (2)に示すストラテジィで組合わせた。結合を試験
するために、単離したcDNAインサートをpBShu
mEAA1d−NotIから3.7kbのNotI/N
otIフラグメントとして遊離させ、遷移的発現のため
にはベクターpcDNA1に挿入した後でCOS−1系
細胞に導入し、定常的発現のためにはベクターpcDN
A1/NEO及びpRC/CMVに挿入した後でCHO
K1またはCHO Pro5細胞に導入した。すべて
の処理をヒトEAA1aに関する上記の処理と同様に行
なった。
【0060】3.0kbのBluescript−SK
バックグラウンド中にヒトEAA1d受容体をコードす
る3.7kbのNotI/NotI cDNAインサー
トを含むpBS/humEAA1d−NotIと命名さ
れたプラスミドを、ブダペスト条約に基づいて、Ame
rican Type Culture Collec
tion、Rockville、Maryland U
SA、に1991年8月21日付けで受託番号ATCC
75064で寄託した。
【0061】同じクローニングストラテジィを用いてヒ
ト海馬cDNAライブラリイから単離されヒトEAA1
b受容体と命名された別の変異体は、すべての点でEA
A1aとほぼ等しいが、1737位の1つのヌクレオチ
ドだけが異なっており、このためFig.4に示すようにE
AA1aの細胞外N末端領域内のバリンがイソロイシン
に変化している。ヒトEAA1cと命名された第3の変
異体をコードするDNAも同じクローニングストラテジ
ィ及びヒト海馬cDNAライブラリイを用いて単離し
た。この変異体はEAA1aに比べて細胞外N末端領域
の24bp (8アミノ酸)が欠失している (Fig.4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の興奮性アミノ酸受容体をコードするD
NAのヌクレオチド配列及びその推定アミノ酸配列の説
明図である。
【図2】本発明の興奮性アミノ酸受容体をコードするD
NAのヌクレオチド配列及びその推定アミノ酸配列の説
明図である。
【図3】本発明の興奮性アミノ酸受容体をコードするD
NAのヌクレオチド配列及びその推定アミノ酸配列の説
明図である。
【図4】本発明の興奮性アミノ酸受容体をコードするD
NAのヌクレオチド配列及びその推定アミノ酸配列の説
明図である。
【図5】本発明の興奮性アミノ酸受容体をコードするD
NAのヌクレオチド配列及びその推定アミノ酸配列の説
明図である。
【図6】本発明の興奮性アミノ酸受容体をコードするD
NAのヌクレオチド配列及びその推定アミノ酸配列の説
明図である。
【図7】本発明の興奮性アミノ酸受容体をコードするD
NAのヌクレオチド配列及びその推定アミノ酸配列の説
明図である。
【図8】Fig.1に示すDNA配列を増幅するためのPC
Rに基づくストラテジィの概略説明図である。
【図9】Fig.1に示すDNA配列を組込んだ発現ベクタ
ーを構築するために使用されるストラテジィを線形プラ
スミドマップと共に示す説明図である。
【図10】Fig.1に示すDNA配列を組込んだ発現ベク
ターを構築するために使用されるストラテジィを線形プ
ラスミドマップと共に示す説明図である。
【図11】Fig.1に示すDNA配列を組込んだ発現ベク
ターを構築するために使用されるストラテジィを線形プ
ラスミドマップと共に示す説明図である。
【図12】Fig.1に示すEAA受容体の天然発生変異体
のDNA及びアミノ酸配列をFig.1との比較によって示
す説明図である。
【図13】Fig.1に示すEAA受容体の天然発生変異体
のDNA及びアミノ酸配列をFig.1との比較によって示
す説明図である。
【図14】Fig.1に与えられたコード領域から発現され
るEAA受容体のリガンド結合特性を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 8214−4B G01N 33/53 D 8310−2J // C12P 21/02 C 8214−4B (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ステイーブン・エル・ナツト カナダ国、オンタリオ・エム・8・ブイ・ 2・エル・2、エトビコウク、バーリント ン・ストリート・74、アパートメント・ナ ンバー・1 (72)発明者 リー・シエクター カナダ国、オンタリオ・エム・5・エヌ・ 1・ジエイ・4、トロント、シヤルマー・ ブールバード・10、アパートメント・ナン バー・509 (72)発明者 マイケル・エイ・ウオスニツク カナダ国、オンタリオ・エル・4・ジエ イ・2・ピー・2、ソーンヒル、ムーレ ン・ドライブ・262

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトEAA1受容体またはヒトEAA1
    受容体のカイネート結合フラグメントをコードする核酸
    配列を含む単離ポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 DNAからなる請求項1に記載の単離ポ
    リヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ヒトEAA1a受容体をコードするDN
    A配列を含む請求項2に記載の単離ポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 ヒトEAA1a受容体の天然ヒト変異体
    をコードするDNA配列を含む請求項2に記載の単離ポ
    リヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 前記DNA配列がヒトEAA1b受容体
    をコードする請求項4に記載の単離ポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 前記DNA配列がヒトEAA1c受容体
    をコードする請求項4に記載の単離ポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 前記DNA配列がヒトEAA1d受容体
    をコードする請求項4に記載の単離ポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のポリヌクレオチドが組
    み込まれている組換えDNA構築物。
  9. 【請求項9】 前記ポリヌクレオチドがヒトEAA1a
    受容体をコードする請求項8に記載の組換えDNA構築
    物。
  10. 【請求項10】 前記構築物がプラスミドpBS/hu
    mEAA1a−NotI(ATCC 75063)であ
    る請求項9に記載の組換えDNA構築物。
  11. 【請求項11】 前記ポリヌクレオチドがヒトEAA1
    b受容体をコードする請求項8に記載の組換えDNA構
    築物。
  12. 【請求項12】 前記ポリヌクレオチドがヒトEAA1
    c受容体をコードする請求項8に記載の組換えDNA構
    築物。
  13. 【請求項13】 前記ポリヌクレオチドがヒトEAA1
    d受容体をコードする請求項8に記載の組換えDNA構
    築物。
  14. 【請求項14】 前記構築物がプラスミドpBS/hu
    mEAA1d−NotI(ATCC 75064)であ
    る請求項13に記載の組換えDNA構築物。
  15. 【請求項15】 カイネート結合ヒトEAA受容体を産
    生するように遺伝子工学処理された細胞であって、ヒト
    EAA1受容体またはそのカイネート結合フラグメント
    をコードする異種DNA分子を発現可能に組み込んでい
    る前記細胞。
  16. 【請求項16】 前記異種DNA分子がヒトEAA1a
    受容体をコードする請求項15に記載の細胞。
  17. 【請求項17】 前記異種DNA分子がヒトEAA1b
    受容体をコードする請求項15に記載の細胞。
  18. 【請求項18】 前記異種DNA分子がヒトEAA1c
    受容体をコードする請求項15に記載の細胞。
  19. 【請求項19】 前記異種DNA分子がヒトEAA1d
    受容体をコードする請求項15に記載の細胞。
  20. 【請求項20】 前記細胞が哺乳動物細胞である請求項
    11に記載の細胞。
  21. 【請求項21】 請求項15に記載の細胞から誘導され
    る膜調製物。
  22. 【請求項22】 請求項16に記載の細胞から誘導され
    る膜調製物。
  23. 【請求項23】 単離形態のヒトEAA1受容体タンパ
    ク質。
  24. 【請求項24】 ヒトEAA1受容体タンパク質のカイ
    ネート結合フラグメント。
  25. 【請求項25】 ヒトEAA1受容体タンパク質に結合
    する抗体。
  26. 【請求項26】 ヒトEAA1a受容体をコードするD
    NAにハイブリダイズし得る標識ポリヌクレオチド。
  27. 【請求項27】 ヒトEAA受容体に対する結合親和性
    について化合物をアッセイする方法であって、前記化合
    物の放射性標識類似体を請求項15に記載の細胞または
    それから誘導された膜調製物と一緒にインキュベートす
    るステップと、未結合の放射性標識類似体をインキュベ
    ーション混合物から洗浄するステップと、膜に結合した
    放射性標識類似体の存在を測定するステップとを含む方
    法。
  28. 【請求項28】 ヒトEAA受容体に対する化合物の結
    合親和性を測定する方法であって、請求項15に記載の
    細胞またはそれから誘導された膜調製物を標識EAA受
    容体リガンドと一緒にインキュベートしてリガンド/受
    容体結合体を形成するステップと、未結合のリガンドを
    除去するステップと、受容体/リガンド結合体を前記化
    合物と一緒にインキュベートするステップと、受容体/
    リガンド結合体から置換されたまたはそこに残っている
    放射性標識リガンドの量を測定するステップとを含む方
    法。
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