JPH09504743A - 外部電流供給装置を備えた工具ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、本体（１１）と、本体（１１）から軸方向に突出し、機械側のステータ（２４）内で回転する機械主軸（２２）に連結可能な工具軸（２０）と、工具ヘッド側の少なくとも一つの電流消費部と、この電流消費部のための外部電流供給装置（１８）とを備えた、工作機械に使用される工具ヘッド（１０）に関する。電流供給装置（１８）は誘導式電流伝達経路を備え、この電流伝達経路は、機械側のコイルケース（３４）内に設けられた一次コイルと、工具軸（２０）をリング状に取り囲む工具ヘッド側のコイルケース（２６）内に設けられた二次コイルを備えている。干渉輪郭を形成しないで誘導式電流伝達区間（２６，３４）をきわめて簡単に後から組立できるようにするため、およびそれにもかかわらず工具の自動交換を可能にするために、本発明では、機械側のコイルケース（３４）が工具軸（２０）を環状に取り囲む、機械主軸（２２）と工具ヘッド（１０）の間の自由な軸方向中間室にステータ側から挿入され、工具軸（２０）への半径方向からの接近のための自由空間（４３）を残して工具軸（２０）の外周の一部だけをセグメント状に取り囲み、軸方向の空隙（３５）によって工具ヘッド側のコイルケース（３４）から分離されている。

Description

【発明の詳細な説明】 外部電流供給装置を備えた工具ヘッド 本発明は、本体と、本体から軸方向に突出し、機械側のステータ内で回転する 機械主軸に連結可能な工具軸と、特に本体内に設けられたスライダのための調節 モータとしておよびまたは電子測定装置として形成された少なくとも一つの電流 消費部と、この電流消費部のための外部電流供給装置とを備え、電流供給装置が 誘導式電流伝達経路を備え、この電流伝達経路が、機械側のコイルケース内に設 けられた一次コイルと、工具軸をリング状に取り囲む工具ヘッド側のコイルケー ス内に設けられた二次コイルを備え、工具軸が機械主軸に連結されているときに 、両コイルケースが狭い空隙によって互いに分離されている、工作機械に使用さ れる工具ヘッドに関する。 この種の工具ヘッドは公知である（ＥＰ−Ｂ−０２２９３９９）。この工具ヘ ッドの場合、機械側のコイルケースが回転する機械主軸の工具保持固定具に一体 化され、工具ヘッド側のコイルケースが工具軸に一体化され、両コイルケースが 連結状態でほぼ半径方向の空隙によって互いに分離されている。この場合、機械 主軸と機械ステータ間の付加的な電気的回転伝達貫通部を備えたコストのかかる 構造が不利であることが判った。他方では、工具保持固定具内の直接隣接する連 結範囲内に両コイルを配置すると、故障を起こしやすい。 これから出発して、本の根底をなす課題は、干渉輪郭を形成しないで誘導式電 流伝達経路を簡単にかつ後から取付け可能であり、それにもかかわらず自動的な 工具交換が可能であるように、冒頭に述べた種類の公知の工具ヘッドを改良する ことである。 この課題を解決するために、請求項１記載の特徴の組み合わせが提案される。 本発明の有利な実施形および発展形成は従属請求項から明らかである。 本発明による解決策は、工具軸を環状に取り囲む、機械主軸と工具ヘッドの間 の自由な軸方向中間室に機械側のコイルケースをステータ側から挿入し、それに よって機械側のコイルケースが半径方向から工具軸への接近のための自由空間を 残して工具軸の外周の一部だけをセグメント状に取り囲み、軸方向の空隙によっ て工具ヘッド側のコイルケースから分離されているという思想に基づいている。 この手段により、工具ヘッドから半径方向に突出し工具ヘッドの軌跡円を制約す る干渉輪郭が生じない。 ステータ側のコイルケースが５０〜１００°の角度だけ工具軸を取り囲み、そ れによって、ステータ側のコイルケースと反対側から挿入可能な工具掴み具によ る半径方向からの取扱操作にとって充分な自由空間が形成されると有利である。 そのために、工具軸は自由空間を通って半径方向から接近可能な掴み溝を備える ことができる。 誤差を補正しながら空隙の最適な調節を可能にするために、本発明の有利な実 施形では、ステータ側のコイルケースが軸方向に調節可能であり、およびまたは 主軸軸線に対して平行な軸線回りの、ステータと相対的な回転位置を調節可能で ある。 伝達出力が大きい場合でも、発生する廃熱を外側へ排出することができるよう にするために、特に、アルミニウムのような金属からなるコイルケースは、冷却 リブを備えている。この冷却リブは好ましくは半径方向に突出している。 一次コイルと二次コイルの間の空隙をできるだけ狭くするために、コイルケー スは空隙を介して軸方向で互いに向き合ったその側面が開放し、一次コイルと二 次コイルは当該のコイルケースに挿入された、合成物質または合成樹脂製の機械 的に負荷可能な鋳物に埋め込まれている。電流を調整およびまたは安定化するた めの、一次コイルまたは二次コイルに接続された一次電子装置または二次電子装 置が、ステータ側およびまたは工具ヘッド側のコイルケース内において、特に鋳 物内に付加的に設けられている。 本発明のきわめて有利な構造的な実施形では、工具軸と工具ヘッド側のコイル ケースが共通の中央ボルトによって本体の軸保持固定具内に軸方向に取り外し可 能に固定されている。これにより、使用される連結装置に応じて、同し工具ヘッ ドに、異なるように形成された工具軸を備え付け、その際同時に工具ヘッド側の コイルケースを本体に固定することができる。充分な回転モーメント伝達を保証 するために、工具軸は中央ボルトに対して偏心配置された少なくとも１本の連行 ピンを介して付加的に本体内に固定されている。更に、回転を防止するために、 工具ヘッド側のコイルケースも中央ボルトに対して偏心配置された少なくとも１ 本の連行ピンを介して付加的に本体内に固定されている。 誘導式電流伝達のためのコイルケースの本発明による構造は、機械側への後か らの組立を可能にする。そのために、ステータ側のコイルケースを収容するため に、軸方向に調節可能で回転位置を調節可能な保持部材がステータに取り外し可 能に設けられていると有利である。 次に、図に示した実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。 図１ａは調節機構、外部の電流供給部および工具掴み部材を備えた、機械主軸 に締め付け固定された仕上げ削りヘッドの側面図、 図１ｂは図１の仕上げ削りヘッドの拡大部分断面図、 図２は工具掴み部材が交換位置にある、図１の機械側の工具保持固定具の側面 図、 図３ａと図３ｂはステータ側のコイルケースの平面図と側面図、 図４ａと図４ｂは工具ヘッド側のコイルケースの平面図と垂直断面図である。 図に示した、仕上げ削りヘッドとして形成された工具ヘッド１０は実質的に、 本体１１と、仕上げ削りヘッド１０の回転軸線１２に対して横方向に本体１１と 相対的に調節可能でありかつ切削工具のための工具保持固定具１４を支持するス ライダと、工具ヘッド１０内に設けられ、調節変位を直接測定するための測定装 置、スライダ１４のための電気的な調節モータおよびデータ交換のための光電子 式送受信機１６の形をした少なくとも一つの電流消費部と、電流供給装置１８と 、本体１１から軸方向に突出しかつ工作機械２４の機械主軸２２に連結可能な工 具軸２０を備えている。 工具軸２０は軸収容部２３内の１本の中央ボルト２１によって本体１１に軸方 向に固定されている。その際、偏心配置された嵌め込みピン２５は回転防止およ び回転トルク伝達を行う。 工具軸２０の側には更にリング状のコイルケース２６が設けられている。この コイルケースは工具軸２０と共に、そのつば２８を介して中央ボルト２１によっ て本体１１に固定されている。コイルケース２６の回転防止は、六角ボルトとし て形成された連行ピン３０を介して行われる。この連行ピンの軸は本体の対応す る穴に係合している。 コイルケース２６内には、機械的に負荷可能な合成物質製または合成樹脂製鋳 物３１内に埋め込まれた、所属の安定化電子装置を有する二次コイルが設けられ ている。この二次コイルは電流供給装置２２の誘導式伝達経路の一部であり、電 流ケーブル３３を介して工具ヘッド側の電流消費部に接続されている。 誘導式伝達経路の一次コイルは所属の電子式電流処理装置と共に鋳物３２内に 埋め込まれ、ステータ側のコイルケース３４内に設けられている。このコイルケ ースは工具軸２０の半径方向外側において機械主軸２２と工具ヘッド側のコイル ケース２６の自由端面３８の間の軸方向の自由空間内に挿入されている。一次側 の電子装置は電流ケーブル５０を介して、電源網から給電される外部の交換モー ド商用電源装置５２に接続されている（図３ｂ）。コイルケース３４から半径方 向に突出する冷却ウェブ５４は、出力要求が高い場合でも発生する廃熱を排出し 、過熱現象を避けることができる（図３ａ）。 一次コイルと二次コイルの間の空隙３５を調節するために、ステータ側のコイ ルケース３４は工具ヘッド側のコイルケース２６に対する間隔と、回転軸線１２ に対して平行な軸線回りの回転位置を調節できるように、調節機構４２によって ステータ固定の保持部材４０に設けられている。コイルケース２６を備えた保持 部材４０は後から既存の工作機械に取りつけることができる。 ステータ側のコイルケース３４は工具軸２０の外周の一部、例えは約７０°に わたってのみ延び、軸外周の大部分にわたって工具の自動交換用の工具掴み具４ ４を自由に接近させるための自由空間４３を形成している（図２）。工具交換時 に、工具ヘッド１０は掴み溝４６を工具掴み具４４によってステータ側のコイル ケース２６と反対側から掴まれ、工具連結を解除した状態で機械主軸２２と相対 的に軸方向に摺動させられる。 機械主軸２２と工具ヘッド１０の連結は、引張り棒４７を介して操作可能な機 械側の締め付け機構を介して行われる。この締め付け機構は機械側から工具軸２ ０の中空室４８に挿入され、端面締め付けと半径方向締め付けを行いながら工具 ヘッド１０を機械主軸２２に連結する。 要約すると次の通りである。本発明は、本体１１と、本体１１から軸方向に突 出し、機械側のステータ２４内で回転する機械主軸２２に連結可能な工具軸２０ と、工具ヘッド側の少なくとも１一つの電流消費部と、この電流装置のための外 部電流供給装置１８とを備えた、工作機械で使用される工具ヘッド１０に関する 。電流供給装置１８は誘導式電流伝達経路を備え、この電流伝達経路は、機械側 のコイルケース３４内に設けられた一次コイルと、工具軸２０をリンク状に取り 囲む工具ヘッド側のコイルケース２６内に設けられた二次コイルを備えている。 干渉輪郭を形成しないで誘導式電流伝達区間２６，３４をきわめて簡単に後から 組立できるようにするため、およびそれにもかかわらず工具の自動交換を可能に するために、本発明では、機械側のコイルケースが工具軸２０を環状に取り囲む 、機械主軸２２と工具ヘッドの間の自由な軸方向中間室にステータ側から挿入さ れ、半径方向からの接近のための自由空間４３を残して工具軸２０の外周の一部 だけをセグメント状に取り囲み、軸方向の空隙３５によって工具ヘッド側のコイ ルケース２６から分離されている。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 状に取り囲み、軸方向の空隙（３５）によって工具ヘッ ド側のコイルケース（３４）から分離されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．本体（１１）と、本体（１１）から軸方向に突出し、機械側のステータ（２ ４）内で回転する機械主軸（２２）に連結可能な工具軸（２０）と、特に本体内 に設けられたスライダのための調節モータとしておよびまたは電子測定装置とし て形成された少なくとも一つの電流消費部と、この電流消費部のための外部電流 供給装置（１８）とを備え、電流供給装置（１８）が誘導式電流伝達経路を備え 、この電流伝達経路が、機械側のコイルケース（３４）内に設けられた一次コイ ルと、工具軸（２０）をリング状に取り囲む工具ヘッド側のコイルケース（２６ ）内に設けられた二次コイルを備え、工具軸が機械主軸（２２）に連結されてい るときに、両コイルケース（２６，３４）が（狭い）空隙によって互いに分離さ れている、工作機械に使用される工具ヘッドにおいて、機械側のコイルケース（ ３４）が工具軸（２０）を環状に取り囲む、機械主軸（２２）と工具ヘッド（１ ０）の間の自由な軸方向中間室にステータ側から挿入され、半径方向から工具（ ２０）への接近のための自由空間（４３）を残して工具軸（２０）の外周の一部 だけをセグメント状に取り囲み、軸方向の空隙（３５）によって工具ヘッド側の コイルケース（２６）から分離されていることを特徴とする工具ヘッド。 ２．工具軸（２０）が自由空間（４３）を通って半径方向から接近可能な掴み溝 （４６）を備えていることを特徴とする請求項１記載の工具ヘッド。 ３．ステータ側のコイルケース（３４）が空隙（３５）を調節するために軸方向 に調節可能であり、およびまたは工具軸線（１２）に対して平行な軸線回りの、 ステータ（２４）と相対的な回転位置を調節可能であることを特徴とする請求項 １または２記載の工具ヘッド。 ４．ステータ側のコイルケース（３４）が特に半径方向に突出する冷却リブ（５ ４）を備えていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一つに記載の工具ヘ ッド。 ５．コイルケース（２６，３４）が空隙（３５）を介して軸方向で互いに向き合 ったその側面（３６，３８）が開放し、一次コイルと二次コイルが当該のコイ ルケースに挿入された、合成物質または合成樹脂製の機械的に負荷可能な鋳物（ ３１，３２）に埋め込まれていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一つ に記載の工具ヘッド。 ６．電流を調整およびまたは安定化するための、一次コイルまたは二次コイルに 接続された一次電子装置または二次電子装置が、ステータ側およびまたは工具ヘ ッド側のコイルケース（２６，３４）内に設けられていることを特徴とする請求 項１〜５のいずれか一つに記載の工具ヘッド。 ７．工具軸（２０）と工具ヘッド側のコイルケース（２６）が共通の中央ボルト （２１）によって本体（１１）の軸保持固定具（２３）内に軸方向に取り外し可 能に固定されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか一つに記載の工具 ヘッド。 ８．工具軸（２０）が中央ボルト（２１）に対して偏心配置された少なくとも１ 本の連行ピン（２５）を介して付加的に本体（１１）内に固定されていることを 特徴とする請求項７記載の工具ヘッド。 ９．工具ヘッド側のコイルケース（２６）が中央ボルト（２１）に対して偏心配 置された少なくとも１本の連行ピン（３０）を介して付加的に本体内に固定され ていることを特徴とする請求項７または８記載の工具ヘッド。 10．ステータ側のコイルケース（３４）を収容するために、軸方向に調節可能で 回転位置を調節可能な保持部材（４０）がステータに取り外し可能に設けられて いることを特徴とする請求項１〜９のいずれか一つに記載の工具ヘッド。